説明

コネクターモジュール

【課題】コネクターモジュールを提供する。
【解決手段】本発明のコネクターモジュールは、単一ポートタイプのコネクター及びマルチポートタイプのコネクターを搭載するために用いられる回路基板を備え、マルチポートタイプのコネクターは、複数の挿入スロットを備え、各々の挿入スロットの長手方向の2つの側辺には、1つの縦列に配列される複数の固定ピンがそれぞれ設置され、単一ポートタイプのコネクターの長手方向の2つの側辺には、1つの縦列に配列される複数の固定ピンがそれぞれ設置され、各々の縦列の複数の固定ピンの排列規則は同じであり、回路基板には、マルチポートタイプのコネクターの複数の縦列に配列された複数の固定ピンに対応して、複数の縦列に配列される複数の固定孔が設けられ、単一ポートタイプのコネクターの複数の固定ピンは、回路基板の複数の固定孔に対応して挿入されて、単一ポートタイプのコネクターは回路基板に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクターモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
SFPコネクター(Small Form−factor Pluggable Connector,SFP Connector)は、単一ポートタイプ及びデュアルポートタイプの二種に分けられる。単一ポートタイプSFPコネクター及びデュアルポートタイプSFPコネクターは、異なるピンの配列を有するので、異なるピンコンタクトを有する回路基板にそれぞれ搭載する。換言すると、単一ポートタイプSFPコネクター及びデュアルポートタイプSFPコネクターは、同じ回路基板に搭載することができないので、不便であり、生産コストを高める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、前記課題を解決し、単一ポートタイプのコネクター及びマルチポートタイプのコネクターに同時に適用可能なコネクターモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係るコネクターモジュールは、単一ポートタイプのコネクター及びマルチポートタイプのコネクターを搭載するために用いられる回路基板を備え、マルチポートタイプの前記コネクターは、単一ポートタイプの前記コネクターの幅と同じ幅を有する複数の挿入スロットを備え、各々の前記挿入スロットの長手方向の2つの側辺には、1つの縦列に配列される複数の固定ピンがそれぞれ設置され、単一ポートタイプのコネクターの長手方向の2つの側辺には、1つの縦列に配列される複数の固定ピンがそれぞれ設置され、マルチポートタイプの前記コネクターにおける前記縦列の固定ピンの配列規則と単一ポートタイプのコネクターにおける前記縦列の複数の固定ピンの配列規則とは同じであり、前記回路基板には、マルチポートタイプの前記コネクターの複数の縦列に配列された複数の固定ピンに対応して、複数の縦列に配列される複数の固定孔が設けられ、単一ポートタイプの前記コネクターの2つの縦列に配列される複数の固定ピンは、前記回路基板の隣り合う2つの縦列に配列される複数の固定孔に対応して挿入されて、単一ポートタイプの前記コネクターは前記回路基板に固定される。
【発明の効果】
【0005】
本発明のコネクターモジュールは、単一ポートタイプのコネクターの2つの側辺に対して2つの縦列に設置される複数の固定ピンの配列規則と、マルチポートタイプのコネクターの各々の挿入スロットの2つの側辺に対して2つの縦列に設置される複数の固定ピンの配列規則と、を対応させて同じとすることにより、単一ポートタイプのコネクター又はマルチポートタイプのコネクターは、同じ配列規則を有する固定孔が設けられた回路基板に搭載することができ、便利であり且つ製品の生産コストを下げる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態に係るマルチポートタイプのコネクターを使用するコネクターモジュールの分解図である。
【図2】図1に示すマルチポートタイプのコネクターを別の視角から見た図である。
【図3】図1に示すコネクターモジュールの組立図である。
【図4】本発明の実施形態に係る単一ポートタイプのコネクターを使用するコネクターモジュールの分解図である。
【図5】図4に示す単一ポートタイプのコネクターを別の視角から見た図である。
【図6】図4に示すコネクターモジュールの組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0008】
図1〜図3を参照すると、本発明の実施形態に係るコネクターモジュール1は、コネクター10及び前記コネクター10を搭載する回路基板12を備える。前記コネクター10は、筐体100及び前記筐体100の内部に設置される信号伝送ブロック110を備える。前記信号伝送ブロック110は、信号線(図示せず)に接続されて、前記信号線からの信号を前記回路基板12に伝送する。前記筐体100は、前記信号伝送ブロック110を収容し、且つ前記信号伝送ブロック110に接続される信号線を導引して位置決めする。前記コネクター10は、前記筐体100を介して前記回路基板12に搭載される。本実施形態において、前記コネクター10は、マルチポートタイプのSFPコネクター(Small Form−factor Pluggable Connector,SFP Connector)である。
【0009】
前記筐体100は、中空の細長い直方体の枠であり、その長手方向に沿う一端には開口が設けられ、他端は閉鎖される。前記筐体100は、対向して設置され且つ互いに平行な頂面101及び底面102と、対向して設置され且つ前記頂面101及び前記底面102に直交する2つの側面103と、前記筐体100の閉鎖された他端に位置し且つ前記頂面101、前記底面102及び2つの前記側面103に直交する端面104と、前記筐体100の長手方向に沿って延在し且つ前記頂面101、前記底面102及び前記端面104に直交する隔板105と、を備える。前記隔板105は、前記筐体100の内部空間を2つの挿入スロット106に分割する。2つの前記挿入スロット106は、前記筐体100の短手方向に沿って配列され且つ同じ幅を有しており、前記挿入スロット106の一方の側辺が側面103によって形成され、他方の側辺が隔板105によって形成される。2つの前記挿入スロット106の前記端面104に近い箇所には、前記信号伝送ブロック110がそれぞれに設置される。各々の前記信号伝送ブロック110は、2つの横列(筐体100の短手方向)に配列された複数の信号ピン110aを備える。前記底面102の前記信号伝送ブロック110に対応する箇所には、貫通孔102aが設けられて前記信号ピン110aを露出する。前記側面103には、放熱するために用いられる複数の放熱孔103aが設けられる。前記底面102の各々の前記挿入スロット106の開口端には、弾性シート102bが設置される。前記弾性シート102bには、前記信号線に設置された定位突起(図示せず)と係合して前記信号線を位置決めするために用いられる定位貫通孔102cが設けられる。各々の前記側面103と前記底面102との接続箇所には、複数の固定ピン107が前記底面102に直交する方向に沿って延在されて1つの縦列(筐体100の長手方向)に間隔をあけて配列される。前記隔板105と前記底面102との接続箇所には、複数の固定ピン107が前記底面102に直交する方向に沿って延在されて1つの縦列に間隔をあけて配列される。2つの前記側板103及び前記隔板105から延在される各々の縦列の複数の固定ピン107の数は同じであり、縦列方向における配列規則が同じとなっている。前記端面104における前記底面102側の縁部には、複数の固定ピン108が前記底面102に直交する方向に沿って延在されて1つの横列に間隔をあけて配列される。
【0010】
マルチポートタイプの前記コネクター10は、前記回路基板12の辺縁の近傍に搭載される。前記回路基板12には、マルチポートタイプの前記コネクター10の3つの縦列に配列された複数の固定ピン107に対応して3つの縦列に配列された複数の固定孔120が設けられる。前記回路基板12には、マルチポートタイプの前記コネクター10の1つの横列に配列された複数の固定ピン108に対応して1つの横列に配列された複数の固定孔122が設けられる。前記回路基板12の隣り合う2つの縦列の前記固定孔120の間には、各々の前記信号伝送ブロック110の2つの横列に配列された複数の信号ピン110aに対応して、2つの横列に配列された複数の信号コンタクト124が設置される。マルチポートタイプの前記コネクター10を前記回路基板12に搭載すると、マルチポートタイプの前記コネクター10の3つの縦列に配列された複数の固定ピン107は、前記回路基板12の3つの縦列に配列された複数の前記固定孔120に対応して挿入され、マルチポートタイプの前記コネクター10の1つの横列に配列された複数の固定ピン108は、前記回路基板12の1つの横列に配列された複数の前記固定孔122に対応して挿入されて、マルチポートタイプの前記コネクター10は前記回路基板12に固定される。前記信号伝送ブロック110の複数の信号ピン110aは、前記回路基板12の対応する信号コンタクト124に接続されて、前記信号線からの信号を前記回路基板12に伝送する。
【0011】
図4〜図6を参照すると、本発明の実施形態に係わるコネクターモジュール1は、コネクター10及び前記コネクター10を搭載する回路基板12を備える。本実施形態において、前記コネクター10は、単一ポートタイプのSFPコネクターである。単一ポートタイプの前記コネクター10の幅は、マルチポートタイプの前記コネクター10の1つの挿入スロット106の幅と同じである。単一ポートタイプの前記コネクター10は、1つの挿入スロット106を備え、前記挿入スロット106は、1つの信号伝送ブロック110を収容する。単一ポートタイプの前記コネクター10の筐体100の2つの側面103と底面102との2つの接続箇所には複数の固定ピン107が前記底面102に直交する方向に沿ってそれぞれに延在されて2つの縦列に間隔をあけて配列される。単一ポートタイプの前記コネクター10の筐体100の各々の側面103から延在される各々の縦列方向における複数の固定ピン107の配列規則は、マルチポートタイプの前記コネクター10の筐体100の各々の側面103から延在される各々の縦列方向における複数の固定ピン107の配列規則と同じである。単一ポートタイプの前記コネクター10の筐体100の端面104における底面102側の縁部には、複数の固定ピン108が前記底面102に直交する方向に沿って延在されて1つの横列に間隔をあけて配列される。前記回路基板12に設けられた3つの縦列に配列された複数の固定孔120は、マルチポートタイプの前記コネクター10の3つの縦列に配列された複数の固定ピン107に対応するので、単一ポートタイプの前記コネクター10の2つの縦列に配列された複数の固定ピン107は、前記回路基板12の隣り合う2つの縦列の複数の固定孔120に対応して挿入することができ、且つ単一ポートタイプの前記コネクター10の1つの横列に配列された複数の固定ピン108は、前記回路基板12の複数の固定孔122に対応して挿入することができ、従って単一ポートタイプの前記コネクター10は、前記回路基板12に固定される。
【0012】
本発明のコネクターモジュール1は、単一ポートタイプのコネクター10の2つの側面103に対して2つの縦列に設置される複数の固定ピン107の配列規則と、マルチポートタイプのコネクター10の2つの側面103に対して2つの縦列に設置される複数の固定ピン107の配列規則と、を同一とすることにより、単一ポートタイプのコネクター10又はマルチポートタイプのコネクター10は、同じ配列規則を有する固定孔120が設けられた前記回路基板12に搭載することができ、便利であり且つ製品の生産コストを下げる。
【0013】
以上、本発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であることは勿論であって、本発明の技術的範囲は、以下の特許請求の範囲から決まる。
【符号の説明】
【0014】
1 コネクターモジュール
10 コネクター
12 回路基板
100 筐体
101 頂面
102 底面
102a 貫通孔
102b 弾性シート
103 側面
103a 放熱孔
104 端面
105 隔板
106 挿入スロット
107 縦列固定ピン
108 横列固定ピン
110 信号伝送ブロック
110a 信号ピン
120 縦列固定孔
122 横列固定孔
124 信号コンタクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一ポートタイプのコネクター及びマルチポートタイプのコネクターを搭載するために用いられる回路基板を備えてなるコネクターモジュールであって、
マルチポートタイプの前記コネクターは、単一ポートタイプの前記コネクターの幅と同じ幅を有する複数の挿入スロットを備え、各々の前記挿入スロットの長手方向の2つの側辺には、1つの縦列に配列される複数の固定ピンがそれぞれ設置され、
単一ポートタイプのコネクターの長手方向の2つの側辺には、1つの縦列に配列される複数の固定ピンがそれぞれ設置され、
マルチポートタイプの前記コネクターにおける前記縦列の固定ピンの配列規則と単一ポートタイプのコネクターにおける前記縦列の複数の固定ピンの配列規則とは同じであり、
前記回路基板には、マルチポートタイプの前記コネクターの複数の縦列に配列された複数の固定ピンに対応して、複数の縦列に配列される複数の固定孔が設けられ、
単一ポートタイプの前記コネクターの2つの縦列に配列される複数の固定ピンは、前記回路基板の隣り合う2つの縦列に配列される複数の固定孔に対応して挿入されて、単一ポートタイプの前記コネクターは前記回路基板に固定されることを特徴とするコネクターモジュール。
【請求項2】
単一ポートタイプの前記コネクターは、筐体及び前記筐体内に設置される信号伝送ブロックを備え、前記信号伝送ブロックは、信号線に接続されて、前記信号線からの信号を前記回路基板に伝送することを特徴とする請求項1に記載のコネクターモジュール。
【請求項3】
前記信号伝送ブロックは、複数の信号ピンを備え、前記回路基板には、前記信号伝送ブロックの複数の信号ピンに対応して複数の信号コンタクトが設置され、単一ポートタイプの前記コネクターが前記回路基板に固定されると、前記信号伝送ブロックの複数の信号ピンは、前記回路基板の複数の信号コンタクトに対応して接続されて、前記信号線の信号を前記回路基板に伝送することを特徴とする請求項2に記載のコネクターモジュール。
【請求項4】
前記筐体は、対向して設置され且つ互いに平行な頂面及び底面と、対向して設置され且つ前記頂面及び前記底面に直交する2つの側面と、前記頂面、前記底面及び2つの前記側面に直交する端面と、を備え、前記筐体の端面に対向する片側には、開口が設けられ、前記信号伝送ブロックは、前記端面に近い箇所に設置され、前記底面の前記信号伝送ブロックに対応する箇所には、貫通孔が設けられて前記信号伝送ブロックを露出することを特徴とする請求項2または3に記載のコネクターモジュール。
【請求項5】
単一ポートタイプの前記コネクターの前記筐体の前記底面の前記開口に近い箇所には、弾性シートが設置され、前記弾性シートには、前記信号線に設置された定位突起と係合して前記信号線を位置決めするために用いられる定位貫通孔が設けられることを特徴とする請求項4に記載のコネクターモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−101928(P2013−101928A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−235461(P2012−235461)
【出願日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】