コネクタ
【課題】外郭を形成するフード部を備えたハウジングの強度を維持しつつ軽量化を図ることができるコネクタを提供する。
【解決手段】ハウジング2の外郭を形成し前方に向かって開口するフード部3と、このフード部3の内部に設けられ、端子金具を収容する端子収容部4とを備え、フード部3は、格子状に形成される厚肉部6と、この厚肉部6により囲まれる複数の薄肉部7とから構成されている。
【解決手段】ハウジング2の外郭を形成し前方に向かって開口するフード部3と、このフード部3の内部に設けられ、端子金具を収容する端子収容部4とを備え、フード部3は、格子状に形成される厚肉部6と、この厚肉部6により囲まれる複数の薄肉部7とから構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングの外郭を形成し前方に向かって開口するフード部を備えたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来のコネクタとして、特許文献1に開示されたものがある。このコネクタ100は、図16に示すように、合成樹脂から一体に成形されるハウジング2を有している。ハウジング101は、外郭を形成し前方に向かって開口するフード部102と、このフード部102の内部に設けられ、端子金具103を収容する端子収容部104とから主として構成されている。このコネクタ100は、いわゆる雌コネクタであり、フード部102及び端子収容部104間に、相手側の雄コネクタ(図示せず)が嵌合可能な嵌合部105が形成されている。
【0003】
フード部102は、略楕円形状の断面を有し、かつ筒状に形成されて前後方向(雄コネクタの嵌入方向)に延設されるとともに、所定の強度を要するために肉厚Wがある程度の寸法、例えば1.5mm程度で全体にほぼ均一となるように設定されている。
【0004】
上記構成によれば、相手側の雄コネクタがフード部102の前方から開口を介して嵌合部105に嵌入されたとき、雄コネクタはフード部102及び端子収容部104により挟持されており、外部から振動が加えられた場合にあっても、フード部102の開口の前端縁部が外径方向へ開くことなく雄コネクタの保持状態を維持できるので、コネクタ100及び雄コネクタ間のガタつきを抑制することができる。
【特許文献1】特開2002−329548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のコネクタ100にあっては、ハウジング101の外郭を形成するフード部102が、ある程度の肉厚Wで全体にほぼ均一となるように形成されていることから、ハウジング101が比較的重いという問題があった。
【0006】
なお、フード部102の肉厚Wを全体にわたって均一に薄くした場合、フード部102の強度が低下することから、落下時などにフード部102が破損しやすく、また、コネクタ100の使用環境によって高温となったとき熱でフード部102が軟化し、該コネクタ100と相手側の雄コネクタとの間でガタ(隙間)が発生するので、フード部102及び端子収容部104にて雄コネクタを強固に保持できないおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、外郭を形成するフード部を備えたハウジングの強度を維持しつつ軽量化を図ることができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、ハウジングの外郭を形成して正面に開口するフード部と、このフード部の内部に設けられ、端子金具を収容する端子収容部とを備えたコネクタであって、前記フード部の所定部分は、肉厚が比較的厚い厚肉部から構成されるとともに、前記フード部の他の部分は、肉厚が比較的薄い薄肉部から構成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載のコネクタであって、前記厚肉部は、格子状に形成されるとともに、前記薄肉部は、前記厚肉部により囲まれたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1記載のコネクタであって、前記フード部の開口の前端縁部、前記フード部の後端部、及び前記前端縁部と前記後端部との間に延設されるリブ部が、前記厚肉部から構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、ハウジングの外郭を形成するフード部の所定部分が厚肉部であるため剛性が高く、該フード部が全体として強化されているので、ハウジングの強度を維持することができる。また、フード部の他の部分が薄肉部であるため軽くてフード部の重量が軽減されるので、従来のようにフード部が全体にほぼ均一な肉厚で形成された場合と比べて、ハウジングの軽量化を図ることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、フード部の格子状に形成される厚肉部が比較的厚く剛性が高いため、フード部が全体として強化されるとともに、フード部の厚肉部により囲まれた薄肉部が比較的薄く軽いため、フード部の重量が軽減されている。これにより、外郭を形成するフード部を備えたハウジングの強度を維持しつつ軽量化を図ることができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、フード部の開口の前端縁部、後端部、及びこれらの前端縁部と後端部との間に延設されるリブ部が比較的厚く剛性が高いため、フード部が全体として強化されるとともに、フード部の他の部分が比較的薄く軽いため、フード部の重量が軽減されている。これにより、外郭を形成するフード部を備えたハウジングの強度を維持しつつ軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図7は本発明の第1実施形態を示し、図1はコネクタを示す斜視図、図2はコネクタを示す側面図、図3は図2のIII−III線に沿う断面図、図4はコネクタを示す正面図、図5はコネクタを示す平面図、図6はコネクタを下から見た底面図、図7はコネクタの成形方法を説明する斜視図である。
【0015】
本願のコネクタ1は、図1〜図7に示すように、合成樹脂から一体に成形されるハウジング2を有している。
【0016】
このハウジング2は、箱形状の外郭を形成して前方(図2の左側)に向かって開口するフード部3と、このフード部3の内部に設けられ、端子金具(図示せず)を収容する端子収容部4とから主として構成されており、これらのフード部3及び端子収容部4間に、雄コネクタ(図示せず)が嵌入される嵌合部5が形成されている。
【0017】
フード部3は、略楕円形状の断面を有し、かつ筒状に形成されて前後方向(雄コネクタの嵌入方向)に延設されるとともに、フード部3の開口3aの前端縁部3b、後端部3c、及びこれらの前端縁部3bと後端部3cとの間に延設されるリブ部3dを有している。
【0018】
また、フード部3は、格子状に形成される厚肉部6と、この厚肉部6により囲まれる複数の薄肉部7とから構成されている。例えば、格子状の厚肉部6の肉厚W1は1.0〜1.5mmで比較的厚い寸法で設定され、一方、薄肉部7の肉厚W2は0.2〜0.5mmで比較的薄い寸法で設定されている。なお、格子状の厚肉部6は、フード部3の前後方向に延びる部分(リブ部3dなど)と、フード部3の外周方向に延びる部分(開口3aの前端縁部3b、及び後端部3cの外周部分など)とを含んでいる。
【0019】
上記構成において、図7の矢印A,Bの上下方向よりホットランナ成形の可動側金型、固定金型(図示せず)を配置し、図7の矢印C,Dの前後方向よりスライド金型(図示せず)を配置してフード部3を成形し、同時にフード部3に格子状の厚肉部6を形成するようになっている。
【0020】
なお、従来の成形方法では、図7の矢印Aの上方向よりスライド金型を配置するとともに、図7の矢印C,Dの前後方向より固定金型、可動側金型を配置して、フード部を肉厚がほぼ均一な状態で成形するようになっていた。
【0021】
また、上記構成において、フード部3の格子状に形成される厚肉部6が比較的厚く剛性が高いため、フード部3が全体として強化されている。特に、格子状の厚肉部6のうちフード部3の前後方向に延びる部分により、フード部3を前後方向に曲げようとする応力に対して強化され、一方、フード部3の外周方向に延びる他の部分により、フード部3を外周方向に曲げようとする応力に対して強化されている。さらに、フード部3の厚肉部6により囲まれた複数の薄肉部7が比較的薄く軽いため、フード部3の重量が軽減されている。
【0022】
上記構成によれば、外郭を形成するフード部3を備えたハウジング2の強度を維持しつつ軽量化を図ることができる。
【0023】
また、上記構成によれば、フード部3の厚肉部6が格子状に形成され、フード部3の前後方向に延びる部分と、フード部3の外周方向に延びる部分とを含んでいるので、ハウジング2の成形時に上記厚肉部6を介して薄肉部7まで円滑に溶融樹脂を流すことができ、その際にショートなどの成形不良を抑制することができる。
【0024】
図8〜図15は本発明の第2実施形態を示し、図8はコネクタを示す斜視図、図9はコネクタを他の方向から見た斜視図、図10はコネクタを示す正面図、図11は図10のXI−XI線に沿う断面図、図12はコネクタを示す側面図、図13はフード部の厚肉部および薄肉部の位置を説明する側面図、図14は図12のXIV−XIV線に沿う断面図、図15は図12のXV−XV線に沿う断面図である。なお、図8〜図15において前述した図1〜図7に示すものと同等ものには同一符号を付してある。
【0025】
本願のコネクタ1Aでは、図8〜図15に示すように、フード部3の開口3aの前端縁部3b、後端部3c、及びリブ部3dを含む部分(図13のハッチング部分)が、厚肉部6により構成されるとともに、フード部3の他の部分(図13の白い部分)が、薄肉部7により構成されている。
【0026】
上記構成において、フード部3に形成される厚肉部6が比較的厚く剛性が高いため、フード部3が全体として強化されている。特に、開口3bの前端縁部3bが比較的厚く剛性が高いため、コネクタ1の嵌合部5に相手側の雄コネクタを嵌入したときに、フード部3の外径方向への開きが抑制される。
【0027】
また、フード部3の前端縁部3bと後端部3cとの間に延設されるリブ部3dも比較的厚く剛性が高いため、雄コネクタとの嵌合規制が行なわれるので、嵌合作業時に発生する過度の傾きに対してハウジング2の強度を維持することができる。さらに、フード部3の厚肉部6により囲まれた複数の薄肉部7が比較的薄く軽いため、フード部3の重量が軽減されている。
【0028】
上記構成によれば、外郭を形成するフード部3を備えたハウジング2の強度を維持しつつ軽量化を図ることができる。
【0029】
また、上記構成によれば、相手側の雄コネクタを嵌入したときにフード部3の外径方向への開きが抑制されるので、コネクタ1及び雄コネクタ間のガタつきを防止して耐振性能の向上を図ることができる。
【0030】
また、上記構成によれば、フード部3の開口3aの前端縁部3b、後端部3c及びリブ部3dが厚肉部6により構成されているので、ハウジング2の成形時に上記厚肉部6を介して薄肉部7まで溶融樹脂を円滑に流すことができ、その際にショートなどの成形不良を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、コネクタを示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示し、コネクタを示す側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示し、図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示し、コネクタを示す正面図である。
【図5】本発明の第1実施形態を示し、コネクタを示す平面図である。
【図6】本発明の第1実施形態を示し、コネクタを下から見た底面図である。
【図7】本発明の第1実施形態を示し、コネクタの成形方法を説明する斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示し、コネクタを示す斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態を示し、コネクタを他の方向から見た斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態を示し、コネクタを示す正面図である。
【図11】本発明の第2実施形態を示し、図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態を示し、コネクタを示す側面図である。
【図13】本発明の第2実施形態を示し、フード部の厚肉部および薄肉部の位置を説明する側面図である。
【図14】本発明の第2実施形態を示し、図12のXIV−XIV線に沿う断面図である。
【図15】本発明の第2実施形態を示し、図12のXV−XV線に沿う断面図である。
【図16】従来例のコネクタを示す断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1,1A…コネクタ
2…ハウジング
3…フード部
3b…前端縁部(厚肉部)
3c…後端部(厚肉部)
3d…リブ部(厚肉部)
4…端子収容部
6…厚肉部
7…薄肉部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングの外郭を形成し前方に向かって開口するフード部を備えたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来のコネクタとして、特許文献1に開示されたものがある。このコネクタ100は、図16に示すように、合成樹脂から一体に成形されるハウジング2を有している。ハウジング101は、外郭を形成し前方に向かって開口するフード部102と、このフード部102の内部に設けられ、端子金具103を収容する端子収容部104とから主として構成されている。このコネクタ100は、いわゆる雌コネクタであり、フード部102及び端子収容部104間に、相手側の雄コネクタ(図示せず)が嵌合可能な嵌合部105が形成されている。
【0003】
フード部102は、略楕円形状の断面を有し、かつ筒状に形成されて前後方向(雄コネクタの嵌入方向)に延設されるとともに、所定の強度を要するために肉厚Wがある程度の寸法、例えば1.5mm程度で全体にほぼ均一となるように設定されている。
【0004】
上記構成によれば、相手側の雄コネクタがフード部102の前方から開口を介して嵌合部105に嵌入されたとき、雄コネクタはフード部102及び端子収容部104により挟持されており、外部から振動が加えられた場合にあっても、フード部102の開口の前端縁部が外径方向へ開くことなく雄コネクタの保持状態を維持できるので、コネクタ100及び雄コネクタ間のガタつきを抑制することができる。
【特許文献1】特開2002−329548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のコネクタ100にあっては、ハウジング101の外郭を形成するフード部102が、ある程度の肉厚Wで全体にほぼ均一となるように形成されていることから、ハウジング101が比較的重いという問題があった。
【0006】
なお、フード部102の肉厚Wを全体にわたって均一に薄くした場合、フード部102の強度が低下することから、落下時などにフード部102が破損しやすく、また、コネクタ100の使用環境によって高温となったとき熱でフード部102が軟化し、該コネクタ100と相手側の雄コネクタとの間でガタ(隙間)が発生するので、フード部102及び端子収容部104にて雄コネクタを強固に保持できないおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、外郭を形成するフード部を備えたハウジングの強度を維持しつつ軽量化を図ることができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、ハウジングの外郭を形成して正面に開口するフード部と、このフード部の内部に設けられ、端子金具を収容する端子収容部とを備えたコネクタであって、前記フード部の所定部分は、肉厚が比較的厚い厚肉部から構成されるとともに、前記フード部の他の部分は、肉厚が比較的薄い薄肉部から構成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載のコネクタであって、前記厚肉部は、格子状に形成されるとともに、前記薄肉部は、前記厚肉部により囲まれたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1記載のコネクタであって、前記フード部の開口の前端縁部、前記フード部の後端部、及び前記前端縁部と前記後端部との間に延設されるリブ部が、前記厚肉部から構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、ハウジングの外郭を形成するフード部の所定部分が厚肉部であるため剛性が高く、該フード部が全体として強化されているので、ハウジングの強度を維持することができる。また、フード部の他の部分が薄肉部であるため軽くてフード部の重量が軽減されるので、従来のようにフード部が全体にほぼ均一な肉厚で形成された場合と比べて、ハウジングの軽量化を図ることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、フード部の格子状に形成される厚肉部が比較的厚く剛性が高いため、フード部が全体として強化されるとともに、フード部の厚肉部により囲まれた薄肉部が比較的薄く軽いため、フード部の重量が軽減されている。これにより、外郭を形成するフード部を備えたハウジングの強度を維持しつつ軽量化を図ることができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、フード部の開口の前端縁部、後端部、及びこれらの前端縁部と後端部との間に延設されるリブ部が比較的厚く剛性が高いため、フード部が全体として強化されるとともに、フード部の他の部分が比較的薄く軽いため、フード部の重量が軽減されている。これにより、外郭を形成するフード部を備えたハウジングの強度を維持しつつ軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図7は本発明の第1実施形態を示し、図1はコネクタを示す斜視図、図2はコネクタを示す側面図、図3は図2のIII−III線に沿う断面図、図4はコネクタを示す正面図、図5はコネクタを示す平面図、図6はコネクタを下から見た底面図、図7はコネクタの成形方法を説明する斜視図である。
【0015】
本願のコネクタ1は、図1〜図7に示すように、合成樹脂から一体に成形されるハウジング2を有している。
【0016】
このハウジング2は、箱形状の外郭を形成して前方(図2の左側)に向かって開口するフード部3と、このフード部3の内部に設けられ、端子金具(図示せず)を収容する端子収容部4とから主として構成されており、これらのフード部3及び端子収容部4間に、雄コネクタ(図示せず)が嵌入される嵌合部5が形成されている。
【0017】
フード部3は、略楕円形状の断面を有し、かつ筒状に形成されて前後方向(雄コネクタの嵌入方向)に延設されるとともに、フード部3の開口3aの前端縁部3b、後端部3c、及びこれらの前端縁部3bと後端部3cとの間に延設されるリブ部3dを有している。
【0018】
また、フード部3は、格子状に形成される厚肉部6と、この厚肉部6により囲まれる複数の薄肉部7とから構成されている。例えば、格子状の厚肉部6の肉厚W1は1.0〜1.5mmで比較的厚い寸法で設定され、一方、薄肉部7の肉厚W2は0.2〜0.5mmで比較的薄い寸法で設定されている。なお、格子状の厚肉部6は、フード部3の前後方向に延びる部分(リブ部3dなど)と、フード部3の外周方向に延びる部分(開口3aの前端縁部3b、及び後端部3cの外周部分など)とを含んでいる。
【0019】
上記構成において、図7の矢印A,Bの上下方向よりホットランナ成形の可動側金型、固定金型(図示せず)を配置し、図7の矢印C,Dの前後方向よりスライド金型(図示せず)を配置してフード部3を成形し、同時にフード部3に格子状の厚肉部6を形成するようになっている。
【0020】
なお、従来の成形方法では、図7の矢印Aの上方向よりスライド金型を配置するとともに、図7の矢印C,Dの前後方向より固定金型、可動側金型を配置して、フード部を肉厚がほぼ均一な状態で成形するようになっていた。
【0021】
また、上記構成において、フード部3の格子状に形成される厚肉部6が比較的厚く剛性が高いため、フード部3が全体として強化されている。特に、格子状の厚肉部6のうちフード部3の前後方向に延びる部分により、フード部3を前後方向に曲げようとする応力に対して強化され、一方、フード部3の外周方向に延びる他の部分により、フード部3を外周方向に曲げようとする応力に対して強化されている。さらに、フード部3の厚肉部6により囲まれた複数の薄肉部7が比較的薄く軽いため、フード部3の重量が軽減されている。
【0022】
上記構成によれば、外郭を形成するフード部3を備えたハウジング2の強度を維持しつつ軽量化を図ることができる。
【0023】
また、上記構成によれば、フード部3の厚肉部6が格子状に形成され、フード部3の前後方向に延びる部分と、フード部3の外周方向に延びる部分とを含んでいるので、ハウジング2の成形時に上記厚肉部6を介して薄肉部7まで円滑に溶融樹脂を流すことができ、その際にショートなどの成形不良を抑制することができる。
【0024】
図8〜図15は本発明の第2実施形態を示し、図8はコネクタを示す斜視図、図9はコネクタを他の方向から見た斜視図、図10はコネクタを示す正面図、図11は図10のXI−XI線に沿う断面図、図12はコネクタを示す側面図、図13はフード部の厚肉部および薄肉部の位置を説明する側面図、図14は図12のXIV−XIV線に沿う断面図、図15は図12のXV−XV線に沿う断面図である。なお、図8〜図15において前述した図1〜図7に示すものと同等ものには同一符号を付してある。
【0025】
本願のコネクタ1Aでは、図8〜図15に示すように、フード部3の開口3aの前端縁部3b、後端部3c、及びリブ部3dを含む部分(図13のハッチング部分)が、厚肉部6により構成されるとともに、フード部3の他の部分(図13の白い部分)が、薄肉部7により構成されている。
【0026】
上記構成において、フード部3に形成される厚肉部6が比較的厚く剛性が高いため、フード部3が全体として強化されている。特に、開口3bの前端縁部3bが比較的厚く剛性が高いため、コネクタ1の嵌合部5に相手側の雄コネクタを嵌入したときに、フード部3の外径方向への開きが抑制される。
【0027】
また、フード部3の前端縁部3bと後端部3cとの間に延設されるリブ部3dも比較的厚く剛性が高いため、雄コネクタとの嵌合規制が行なわれるので、嵌合作業時に発生する過度の傾きに対してハウジング2の強度を維持することができる。さらに、フード部3の厚肉部6により囲まれた複数の薄肉部7が比較的薄く軽いため、フード部3の重量が軽減されている。
【0028】
上記構成によれば、外郭を形成するフード部3を備えたハウジング2の強度を維持しつつ軽量化を図ることができる。
【0029】
また、上記構成によれば、相手側の雄コネクタを嵌入したときにフード部3の外径方向への開きが抑制されるので、コネクタ1及び雄コネクタ間のガタつきを防止して耐振性能の向上を図ることができる。
【0030】
また、上記構成によれば、フード部3の開口3aの前端縁部3b、後端部3c及びリブ部3dが厚肉部6により構成されているので、ハウジング2の成形時に上記厚肉部6を介して薄肉部7まで溶融樹脂を円滑に流すことができ、その際にショートなどの成形不良を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、コネクタを示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示し、コネクタを示す側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示し、図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示し、コネクタを示す正面図である。
【図5】本発明の第1実施形態を示し、コネクタを示す平面図である。
【図6】本発明の第1実施形態を示し、コネクタを下から見た底面図である。
【図7】本発明の第1実施形態を示し、コネクタの成形方法を説明する斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示し、コネクタを示す斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態を示し、コネクタを他の方向から見た斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態を示し、コネクタを示す正面図である。
【図11】本発明の第2実施形態を示し、図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態を示し、コネクタを示す側面図である。
【図13】本発明の第2実施形態を示し、フード部の厚肉部および薄肉部の位置を説明する側面図である。
【図14】本発明の第2実施形態を示し、図12のXIV−XIV線に沿う断面図である。
【図15】本発明の第2実施形態を示し、図12のXV−XV線に沿う断面図である。
【図16】従来例のコネクタを示す断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1,1A…コネクタ
2…ハウジング
3…フード部
3b…前端縁部(厚肉部)
3c…後端部(厚肉部)
3d…リブ部(厚肉部)
4…端子収容部
6…厚肉部
7…薄肉部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの外郭を形成し前方に向かって開口するフード部と、このフード部の内部に設けられ、端子金具を収容する端子収容部とを備えたコネクタであって、
前記フード部の所定部分は、肉厚が比較的厚い厚肉部から構成されるとともに、前記フード部の他の部分は、肉厚が比較的薄い薄肉部から構成されたことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタであって、
前記厚肉部は、格子状に形成されるとともに、前記薄肉部は、前記厚肉部により囲まれたことを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項1記載のコネクタであって、
前記フード部の開口の前端縁部、前記フード部の後端部、及び前記前端縁部と前記後端部との間に延設されるリブ部が、前記厚肉部から構成されたことを特徴とするコネクタ。
【請求項1】
ハウジングの外郭を形成し前方に向かって開口するフード部と、このフード部の内部に設けられ、端子金具を収容する端子収容部とを備えたコネクタであって、
前記フード部の所定部分は、肉厚が比較的厚い厚肉部から構成されるとともに、前記フード部の他の部分は、肉厚が比較的薄い薄肉部から構成されたことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタであって、
前記厚肉部は、格子状に形成されるとともに、前記薄肉部は、前記厚肉部により囲まれたことを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項1記載のコネクタであって、
前記フード部の開口の前端縁部、前記フード部の後端部、及び前記前端縁部と前記後端部との間に延設されるリブ部が、前記厚肉部から構成されたことを特徴とするコネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−73357(P2010−73357A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−236901(P2008−236901)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
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