説明

コネクタ

【課題】シールドケーブルとコネクタとの接続関係におけるバラつきを抑え、安定した伝送特性を得ることのできるコネクタを提供すること。
【解決手段】コネクタは、コンタクト100と、コンタクト100に対応する保持凹部210を形成されたインナー保持部材200と、インナー保持部材200を収容する収容部310を後端側に有するアウター保持部材300と、シールド部材950に接続されると共にアウター保持部材300を覆うシェル400とを備えている。コンタクト100は、シールドケーブル900の絶縁電線910の露出導電部に取り付けられている。保持凹部210は、コネクタの前後方向と直交する方向に沿って、コンタクト100の一部と絶縁電線910の露出絶縁部との双方を受容するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールドケーブルと接続するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のコネクタとしては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
なお、ケーブルの保持に関する技術としては、特許文献2に開示されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−319458号公報
【特許文献2】特開2005−135747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、シールドケーブルとコネクタとの接続関係におけるバラつきを抑え、安定した伝送特性を得ることのできるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、第1のコネクタとして、
導電部と該導電部を被覆する絶縁被覆とを備えた絶縁電線をシールド部材でシールドしてなるシールドケーブルの先端に取り付けられ、且つ、所定方向に沿って相手側コネクタと嵌合接続されるコネクタであって、
前記コネクタは、コンタクトと、前記コンタクトに対応する保持凹部を形成されたインナー保持部材と、前記インナー保持部材を収容する収容部を後端側に有するアウター保持部材と、前記シールド部材に接続されると共に前記アウター保持部材を覆うシェルとを備えており、
前記コンタクトは、前記絶縁被覆の前記シールド部材から露出した露出絶縁部から更に露出した前記導電部の露出導電部に取り付けられており、
前記保持凹部は、前記コンタクトの少なくとも一部と前記絶縁電線の前記露出絶縁部との双方を共に前記所定方向と直交する方向に沿って受容するものである
コネクタが得られる。
【0007】
また、本発明によれば、第2のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記所定方向と直交する平面に沿った断面において、前記収容部の内部形状で構成される輪郭は、前記インナー保持部材の外部形状で構成される輪郭と実質的に等しい
コネクタが得られる。
【0008】
また、本発明によれば、第3のコネクタとして、第1又は第2のコネクタであって、
前記コンタクトは、突出部を備えており、且つ、前記突出部を前記インナー保持部材から突出させるようにして前記保持凹部に保持されている
コネクタが得られる。
【0009】
また、本発明によれば、第4のコネクタとして、第3のコネクタであって、
前記アウター保持部材は、前記コンタクトに対応する貫通孔を更に備えており、
前記貫通孔は、前記所定方向に沿って前記収容部から前記アウター部材の前端まで延びており、前記コンタクトの前記突出部を保持する
コネクタが得られる。
【0010】
また、本発明によれば、第5のコネクタとして、第1乃至第4のいずれかのコネクタであって、
前記コンタクトは、前記露出導電部に結線される結線部と、前記所定方向と直交する平面に沿った断面において前記結線部よりも大きい外形を有する大形部とを備えており、
前記保持凹部は、前記コンタクトの少なくとも一部を受容するコンタクト受容部と、前記コンタクト受容部と連続するように形成され且つ前記露出絶縁部を受容する電線受容部とを備えており、
前記コンタクト受容部には、前記大形部を受容する大形凹部と、前記結線部を受容する小形凹部とが形成されており、
前記大形凹部と前記小形凹部との間には前記大形凹部に受容された前記大形部が前記小形凹部に移動することを防止する段差が設けられている
コネクタが得られる。
【0011】
また、本発明によれば、第6のコネクタとして、第1乃至第5のいずれかのコネクタであって、
前記シェルは、前記シールドケーブルに取り付けられるリアシェルと、該リアシェルと組み合わせられるフロントシェルとを備えており、
前記フロントシェルには、前記アウター保持部材をカバーするカバー部が設けられており、
前記所定方向と直交する平面に沿った断面において、前記カバー部の内部形状で構成される輪郭は、前記アウター保持部材の外部形状で構成される輪郭と実質的に等しい
コネクタが得られる。
【0012】
また、本発明によれば、第7のコネクタとして、第6のコネクタであって、
前記シールドケーブルの前記シールド部材に装着されると共に前記フロントシェル内に挿入されるスペーサを更に備えており、
前記スペーサは、前記フロントシェルと前記リアシェルとを組み合わせた際に前記シールド部材を前記フロントシェルに押し付けるように設けられている
コネクタが得られる。
【0013】
また、本発明によれば、第8のコネクタとして、第7のコネクタであって、
前記スペーサと前記リアシェルとの間に設けられたワッシャを更に備えている
コネクタが得られる。
【0014】
また、本発明によれば、第9のコネクタとして、第1乃至第8のいずれかのコネクタであって、
前記シールドケーブルは、前記絶縁電線を複数備えており、
前記コンタクト及び前記保持凹部は、前記絶縁電線毎に設けられており、
前記保持凹部は前記シールドケーブル内における絶縁電線の配置に対応するようにして配置されている
コネクタが得られる。
【発明の効果】
【0015】
特許文献1においては、シールドケーブルの絶縁電線の先端に内導体端子を取り付け、その内導体端子を端子保持部材に対して後方から挿入することとしている。このような特許文献1の構成では、編組から露出した露出絶縁部の長さが長くなってしまう。露出絶縁部の長さが長くなってしまうと、露出絶縁部の配置がコネクタ毎に異なるおそれがある。この場合、伝送品質のバラつきが生じてしまう。
【0016】
これに対して、本発明によれば、インナー保持部材の保持凹部に対して受容させる部位をコンタクトの少なくとも一部と絶縁電線の露出絶縁部との双方とし、更に、それらをコネクタの相手側コネクタに対する嵌合の方向と直交する方向から保持凹部に受容することとしたため、露出絶縁部の長さを比較的短くすることができ、且つ、コネクタ間における露出絶縁部及びコンタクトの配置バラつきの発生を抑制することができる。そのため、本発明によれば、コネクタとシールドケーブルとの接続関係にバラつきがなく、安定した伝送特性(品質)を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態によるコネクタを示す分解斜視図である。
【図2】図1のコネクタを示す断面図である。
【図3】図2のコネクタをIII--III線に沿って示す断面図である。
【図4】図1のコネクタに含まれるインナー保持部材を示す斜視図である。
【図5】図4のインナー保持部材を示す正面図である。
【図6】図1のコネクタに含まれるコンタクト、インナー保持部材及びアウター保持部材を示す斜視図である。ここで、インナー保持部材は、アウター保持部材に収容されていない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態によるコネクタは、図1及び図2に示されるように、シールドケーブル900の先端に取り付けられるものであり、当該コネクタの前後方向(長手方向:所定方向)に沿って相手側コネクタと嵌合接続されるものである。図示されたシールドケーブル900は、2本の絶縁電線910と、それらをシールドするシールド部材950と、更に外側を覆う外被970とを備えている。本実施の形態においてシールド部材950は、金属製の編組からなる。図2に示されるように、各絶縁電線910は、導電部(中心導体)920を絶縁被覆930で被覆してなるものである。本実施の形態によるコネクタに接続される際には、シールドケーブル900の外被970を除去して、シールド部材950を剥き、シールド部材950から絶縁電線910の絶縁被覆930の一部(露出絶縁部935)を露出させ、更に露出絶縁部935の一部を除去して導電部920の一部(露出導電部925)を露出させる。
【0019】
図1及び図2を参照すると、本実施の形態によるコネクタは、導電体からなるコンタクト100と、絶縁体からなるインナー保持部材200及びアウター保持部材300と、導電体からなるシェル400と、スペーサ700及びワッシャ800とを備えている。
【0020】
図1及び図2に示されるように、コンタクト100は、シールドケーブル900の絶縁電線910に対応して設けられている。即ち、本実施の形態によるコンタクト100の本数は、2本である。各コンタクト100は、露出導電部925に結線される結線部110と、結線部110の前方に位置する大形部120と、大形部120の前方に位置する突出部130とを備えている。本実施の形態において、結線部110と露出導電部925との結線は圧着によって行われているが、例えば、半田等により結線されていてもよい。大形部120は、コネクタの前後方向と直交する平面に沿った断面において、結線部110よりも大きい外形を有している。特に、本実施の形態によるコンタクト100において、結線部110と大形部120とは略円筒形状を有しており、大形部120の外径は結線部110の外径よりも大きい。本実施の形態によるコンタクト100はソケットであり、相手側コンタクトとなるピンを受容可能である。このため、突出部130は、略円筒形状を有している。
【0021】
図3乃至図5から理解されるように、本実施の形態によるインナー保持部材200は、略円柱形状の外部形状を有している。特に、本実施の形態によるインナー保持部材200には、図1及び図6に示されるように、各コンタクト100に対応する保持凹部210が形成されている。即ち、本実施の形態によるインナー保持部材200には、2つの保持凹部210が形成されている。これら保持凹部210の配置は、シールドケーブル900内における絶縁電線910の配置に対応している。
【0022】
図3乃至図5から理解されるように、各保持凹部210は、インナー保持部材200の径方向(即ち、コネクタの前後方向と直交する方向)の中心に向かって凹んでおり、コネクタの前後方向と直交する平面に沿った断面において略U字状の形状を有している。かかる形状により、本実施の形態による保持凹部210は、後述するように、コンタクト100の一部と露出絶縁部935とをコネクタの前後方向と直交する方向に沿ってストレスなく受容することができる。従って、露出絶縁部935の長さを必要以上に長くすることもない。
【0023】
図4に示されるように、各保持凹部210は、絶縁電線910の露出絶縁部935を受容する電線受容部220と、電線受容部220と連続するように形成され且つコンタクト100の一部を受容するコンタクト受容部230とを備えている。

電線受容部220の深さは、絶縁電線910の直径を考慮して決定されている。具体的には、絶縁電線910を電線受容部220に受容した際に、コネクタの前後方向と直交する平面に沿った断面において、絶縁電線910のうちのインナー保持部材200の径方向中心から最も離れている箇所がインナー保持部材200の外部形状で規定される輪郭(本実施の形態によるインナー保持部材200の場合は円)上に位置しているように電線受容部220は設計されている。加えて、本実施の形態によるコンタクト受容部230は、図2及び図6に示されるように、露出絶縁部935が電線受容部220に受容された状態において、コネクタの前後方向に沿って導電部920が実質的に直線状に延びるように且つ突出部がインナー保持部材200から前方に突出するようにコンタクト100を保持している。換言すると、コンタクト受容部230は、かかる保持が可能となるように設計されている。
【0024】
詳しくは、コンタクト受容部230は、大形部120を受容する大形凹部240と、結線部110を受容する小形凹部250とを備えている。これら大形凹部240及び小形凹部250は、コンタクト100の結線部110及び大形部120の大きさをも考慮して、前述したように導電部920が直線状に延び得るように設計されている。
【0025】
図1、図4及び図5に示されるように、各保持凹部210において、大形凹部240は、小形凹部250よりも大きな凹部であり、大形凹部240と小形凹部250との間には、大形凹部240に受容された大形部120が小形凹部250に移動することを防止する段差245が設けられている。この段差245により、例えばシールドケーブル900をコネクタから抜き取るような方向に向かう力が絶縁電線910などに加わってしまった場合であっても、コンタクト100がインナー保持部材200から抜けてしまうことを防止することができる。更に、本実施の形態による保持凹部210において、小形凹部250は電線受容部220よりも小さな凹部であり、従って、電線受容部220と小形凹部250との間にも段差がある。そのため、本実施の形態において、保持凹部210に受容された絶縁電線910及びコンタクト100は、コネクタの前後方向における移動を制限されている。
【0026】
図2及び図6に示されるように、本実施の形態においては、コンタクト100の結線部110及び大形部120と露出絶縁部935との双方が保持凹部210に保持されている。加えて、本実施の形態においては、上述したように、保持凹部210の配置がシールドケーブル900内における絶縁電線910の配置に対応していることから、コンタクト100を取り付けられた絶縁電線910を保持凹部210に対して保持させる際に絶縁電線910に対して不要なねじり等を加える必要がない。従って、本実施の形態においては、絶縁電線910のとり得る位置が極めて限定されており、製造されたコネクタ毎にコネクタ内部における絶縁電線910の位置が異なるといったことを避けることができる。そのため、コネクタ間の品質のバラつきを抑えることができる。
【0027】
図1乃至図3及び図6から理解されるように、本実施の形態によるアウター保持部材300には、インナー保持部材200を収容する収容部310が設けられている。この収容部310は、アウター保持部材300の後端から前方に向かって延びている。更に、アウター保持部材300には、収容部310とアウター保持部材300の前端とを連通する貫通孔320が形成されている。本実施の形態による貫通孔320は、コンタクト100に対応している。即ち、本実施の形態によるアウター保持部材300には、2つの貫通孔320が形成されている。これら貫通孔320は、図2に示されるように、対応するコンタクト100の突出部130を保持している。なお、本実施の形態によるアウター保持部材300の前端には、後述するように、シェル400の一部に嵌め込まれる先端凸部330が形成されている。
【0028】
図3に最もよく示されているように、本実施の形態によるアウター保持部材300の収容部310の内径は、インナー保持部材200の外径と実質的に等しい。換言すると、コネクタの前後方向と直交する平面に沿った断面において、収容部310の内部形状で構成される輪郭は、インナー保持部材200の外部形状で構成される輪郭と実質的に等しい。即ち、インナー保持部材200とアウター保持部材300との間に不要な隙間が極力存在しないように、本実施の形態によるインナー保持部材200及びアウター保持部材300は構成されている。加えて、保持凹部210の形状及びサイズは上述したように絶縁電線910のサイズを考慮して設計されているので、インナー保持部材200及びアウター保持部材300により保持された絶縁電線910は、コネクタの前後方向のみならず、前後方向に直交する方向(本実施の形態においてはコネクタの径方向)においてもインナー保持部材200及びアウター保持部材300に対して相対的に移動することができないこととなっている。この点においても、コネクタの組立時等における絶縁電線910の配置バラつきを抑えることができ、コネクタ間の伝送品質の均一化を図ることができる。
【0029】
図1及び図2に示されるように、本実施の形態によるシェル400は、シールド部材950に接続されると共にアウター保持部材300を覆うことにより、コネクタを電気的にも物理的にも保護している。詳しくは、シェル400は、シールドケーブル900に取り付けられるリアシェル500と、そのリアシェル500と組み合わせられるフロントシェル600とを備えている。
【0030】
リアシェル500は、シールドケーブル900に取り付けられる被取付部510と、その被取付部510の前方に設けられたネジ部520とを備えている。被取付部510とネジ部520とは段差のある略筒状体を構成しており、その内部にシールドケーブルが挿入される。詳しくは、被取付部510の内径はシールドケーブル900の外被970の外径に対応しており、ネジ部520の内径はシールド部材950の外径に対応している。また、ネジ部520の外周にはネジが切ってある。
【0031】
一方、フロントシェル600は、アウター保持部材300をカバーするカバー部610と、カバー部610の後側に設けられたスペーサ収容部620と、スペーサ収容部620の更に後側に設けられたネジ部630とを備えている。
【0032】
カバー部610の前端には前孔615が形成されている。この前孔615は、アウター保持部材300の先端凸部330の形状に合わせて構成されており、フロントシェル600の後端から挿入されたアウター保持部材300をフロントシェル600の前端で止めることができる。即ち、前孔615及び先端凸部330は、アウター保持部材300のフロントシェル600内における前端の位置決めを行う手段として機能する。
【0033】
図3に最もよく示されているように、本実施の形態によるカバー部610の内径は、アウター保持部材300の外径と実質的に等しい。換言すると、コネクタの前後方向と直交する平面に沿った断面において、カバー部610の内部形状で構成される輪郭は、アウター保持部材300の外部形状で構成される輪郭と実質的に等しい。このため、シェル400(フロントシェル600)とアウター保持部材300との間における不要な隙間が形成されることを避けることができ、伝送特性に変動を与えそうな誘電率の変動を抑えることができる。
【0034】
スペーサ収容部620は、スペーサ700を収容する部分である。図1及び図2に示されるように、本実施の形態によるスペーサ700は、先端にテーパ部710を有する略円筒状の形状を備えている。スペーサ収容部620は、このスペーサ700に対応する形状を有している。即ち、スペーサ収容部620は、テーパ部710に対応するべベル部625を先端側に有している。また、スペーサ収容部620の主部(べベル部625の後側の部位)の内径はスペーサ700の主部(テーパ部710以外の部分)の外径と実質的に等しい。即ち、コネクタの前後方向と直交する平面に沿った断面において、スペーサ収容部620の内部形状で構成される輪郭は、概略、スペーサ700の外部形状で構成される輪郭と実質的に等しい。
【0035】
ネジ部630は、フロントシェル600の後端を構成する部位であり、内周上にネジが切られている。このネジ部630とネジ部520とを利用して、フロントシェル600はリアシェル500に対して螺合される。詳しくは、図2に示されるように、リアシェル500のネジ部520の前端にワッシャ800を配置し、更にワッシャ800の前側にスペーサ700を配置する。ネジ部520、ワッシャ800及びスペーサ700は、コネクタの径方向において、シールド部材950上に位置している。この状態において、シールド部材950の先端の部位955はスペーサ700のテーパ部710上にて折り返される。その上で、絶縁電線910とコンタクト100とを前述したようにインナー保持部材200とアウター保持部材300とで保持する。更に、それらの上にフロントシェル600を被せ、リアシェル500に対して取り付ける(螺合する)。この取り付け(螺合)の際、シールド部材950の先端の部位955は、テーパ部710とべベル部625との間に挟まれる。即ち、スペーサ700は、フロントシェル600とリアシェル500との組み合わせの際にシールド部材950の先端の部位955をフロントシェル600のべベル部625に対して押し付ける。これによって、シールド部材950とフロントシェル600との接続が図られる。このように、シールド部材950とフロントシェル600との接続はスペーサ700を介さなくとも行われるためスペーサ700は樹脂等で構成されていてもよいが、シールド部材950とフロントシェル600との間の電気的な接続を確実なものとするため、スペーサ700は導電体で構成されることが好ましい。また、ワッシャ800は、樹脂等で構成されてもよいが、耐久性などを考慮すると、金属などで構成されていることが好ましい。
【0036】
上述したように、本実施の形態によるコンタクト100はソケットタイプであるが、本発明はこれに限定されるわけではなく、コンタクト100はピンタイプであってもよい。その場合、アウター保持部材300やフロントシェル600などの構成は突出部(ピン)130に合わせるようにして変形すればよい。
【0037】
また、本実施の形態によるコネクタは略円柱形の形状を有しているが、本発明はこれに制限されるわけではなく、多角形形状を有していてもよい。この場合、シェル400の形状のみを多角形としてもよいし、その内部のアウター保持部材300等も多角形としてもよい。
【0038】
更に、上述した実施の形態において、コンタクト100の芯数は2芯であったが、1芯でもよいし、3芯以上であってもよい。但し、複数芯のコンタクト100を有する場合、その配置はシールドケーブル900内における絶縁電線910の配置に対応させることが好ましい。なお、本実施の形態においては、単一サイズ且つ単一形状のコンタクト100を用いていたが、複数種のサイズ及び形状(例えば円柱形状に限られず、多角形形状などでもよい)のコンタクトを用いることとしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
100 コンタクト
110 結線部
120 大形部
130 突出部
200 インナー保持部材
210 保持凹部
220 電線受容部
230 コンタクト受容部
240 大形凹部
245 段差
250 小径凹部
300 アウター保持部材
310 収容部
320 貫通孔
330 先端凸部
400 シェル
500 リアシェル
510 被取付部
520 ネジ部
600 フロントシェル
610 カバー部
615 前孔
620 スペーサ収容部
625 べベル部
630 ネジ部
700 スペーサ
710 テーパ部
800 ワッシャ
900 シールドケーブル
910 絶縁電線
920 導電部
925 露出導電部
930 絶縁被膜
935 露出絶縁部
950 シールド部材
955 部位
970 外被


【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電部と該導電部を被覆する絶縁被覆とを備えた絶縁電線をシールド部材でシールドしてなるシールドケーブルの先端に取り付けられ、且つ、所定方向に沿って相手側コネクタと嵌合接続されるコネクタであって、
前記コネクタは、コンタクトと、前記コンタクトに対応する保持凹部を形成されたインナー保持部材と、前記インナー保持部材を収容する収容部を後端側に有するアウター保持部材と、前記シールド部材に接続されると共に前記アウター保持部材を覆うシェルとを備えており、
前記コンタクトは、前記絶縁被覆の前記シールド部材から露出した露出絶縁部から更に露出した前記導電部の露出導電部に取り付けられており、
前記保持凹部は、前記コンタクトの少なくとも一部と前記絶縁電線の前記露出絶縁部との双方を共に前記所定方向と直交する方向に沿って受容するものである
コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタであって、
前記所定方向と直交する平面に沿った断面において、前記収容部の内部形状で構成される輪郭は、前記インナー保持部材の外部形状で構成される輪郭と実質的に等しい
コネクタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のコネクタであって、
前記コンタクトは、突出部を備えており、且つ、前記突出部を前記インナー保持部材から突出させるようにして前記保持凹部に保持されている
コネクタ。
【請求項4】
請求項3記載のコネクタであって、
前記アウター保持部材は、前記コンタクトに対応する貫通孔を更に備えており、
前記貫通孔は、前記所定方向に沿って前記収容部から前記アウター部材の前端まで延びており、前記コンタクトの前記突出部を保持する
コネクタ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコネクタであって、
前記コンタクトは、前記露出導電部に結線される結線部と、前記所定方向と直交する平面に沿った断面において前記結線部よりも大きい外形を有する大形部とを備えており、
前記保持凹部は、前記コンタクトの少なくとも一部を受容するコンタクト受容部と、前記コンタクト受容部と連続するように形成され且つ前記露出絶縁部を受容する電線受容部とを備えており、
前記コンタクト受容部には、前記大形部を受容する大形凹部と、前記結線部を受容する小形凹部とが形成されており、
前記大形凹部と前記小形凹部との間には前記大形凹部に受容された前記大形部が前記小形凹部に移動することを防止する段差が設けられている
コネクタ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のコネクタであって、
前記シェルは、前記シールドケーブルに取り付けられるリアシェルと、該リアシェルと組み合わせられるフロントシェルとを備えており、
前記フロントシェルには、前記アウター保持部材をカバーするカバー部が設けられており、
前記所定方向と直交する平面に沿った断面において、前記カバー部の内部形状で構成される輪郭は、前記アウター保持部材の外部形状で構成される輪郭と実質的に等しい
コネクタ。
【請求項7】
請求項6記載のコネクタであって、
前記シールドケーブルの前記シールド部材に装着されると共に前記フロントシェル内に挿入されるスペーサを更に備えており、
前記スペーサは、前記フロントシェルと前記リアシェルとを組み合わせた際に前記シールド部材を前記フロントシェルに押し付けるように設けられている
コネクタ。
【請求項8】
請求項7記載のコネクタであって、
前記スペーサと前記リアシェルとの間に設けられたワッシャを更に備えている
コネクタ。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のコネクタであって、
前記シールドケーブルは、前記絶縁電線を複数備えており、
前記コンタクト及び前記保持凹部は、前記絶縁電線毎に設けられており、
前記保持凹部は前記シールドケーブル内における前記絶縁電線の配置に対応するようにして配置されている
コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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