説明

コバルト−酸化亜鉛フィッシャー・トロプシュ触媒の調製のためのプロセス

本発明は、コバルト−酸化亜鉛フィッシャー・トロプシュ触媒の調製のためのプロセスを目的とする。このプロセスは、反応器の中で酸化亜鉛粉体の水分散液を準備するステップ、コバルト塩の水溶液を加えるステップ、および炭酸アンモニウムの添加によって溶液から酸化亜鉛上にコバルトを沈殿させるステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コバルト−酸化亜鉛フィッシャー・トロプシュ触媒の調製のためのプロセスを目的とする。
【背景技術】
【0002】
フィッシャー・トロプシュ触媒の製造に関しては、特許文献の相当数が含浸形の触媒を目的としている一方、特許文献の別の相当数が沈殿形のフィッシャー・トロプシュ触媒を記載している。さらに、ゾル−ゲルマイクロエマルジョン技術、吸着技術、モノリス系の技術等などの他の製造技法を取り上げている特許も少なからずある。
【0003】
米国特許第4,826,800号は、還元活性化後に合成ガスの炭化水素への変換において用いられるコバルトおよび酸化亜鉛を含む触媒を調製するためのプロセスを記載している。触媒は、可溶性亜鉛塩および可溶性コバルト塩の溶液を水酸化アンモニウムまたは炭酸アンモニウムなどの沈殿剤と混合すること、および沈殿物を回収することによって調製される。
【0004】
米国特許第5,945,458号および米国特許第5,811,365号は、酸化亜鉛担体上の第VIII族金属、例えばコバルトの触媒組成物の存在下のフィッシャー・トロプシュプロセスを記載している。そのような触媒は、最初に亜鉛塩および他の構成成分の溶液をアルカリ性重炭酸塩溶液に加えて担体を調製することによって作られる。次に、ろ過によって沈殿物が重炭酸塩溶液から分離されてフィルターケーキを形成し、その後で、フィルターケーキが乾燥され、焼成され、第VIII族金属を担持することができる。次に、触媒物質は、成形されて錠剤となり、錠剤が粉砕されて250〜500μmのサイズを有する粒子を形成する。粒子は、フィッシャー・トロプシュプロセスにおいて用いられることができる。スラリー相プロセスにおいて用いられる触媒粉体を得るために、破砕などの別の後処理が必要である。しかし、得られる平均粒子サイズは、上記に示されているように、まだ比較的大きい。さらに、強度の不足が成形法およびその後の破砕法と組み合わされる結果、不規則な形状の粒子および広い粒子サイズ分布が生じる。
【0005】
国際公開第03/090925号に、Co/ZnO触媒のための新規な製造方法が記載されている。この方法は、沈殿条件を微調整しようとする努力の結果であり、この努力は、非常に狭い粒子サイズ分布および改善された化学特性、物理特性および摩擦特性を有する触媒を直接もたらしている。
【0006】
欧州特許第261870号は、さまざまな沈殿技法の使用によるFT触媒の調製のためのプロセスを記載している。この記載は、共沈法および析出沈殿法に言及している。しかし、重炭酸アンモニウムを塩基として用いる共沈法しか明らかにされていない。
【0007】
当該文書中に例示されているプロセスは、適切な特性を有する沈殿物を生じない。この方法は、市販触媒に匹敵する特性を有する生成物を生じない。
【0008】
特に、原料としての化学物質の必要な量、および通常大量の(錯体形成した)金属イオンおよび硝酸塩を含む廃水の産出に関して、調製条件をさらに改善することが求められている。しかし、調製方法は、既知の製品と比べて異なる製品特性を生む結果となるべきでない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、いわゆる「析出沈殿法」を利用することによるCo/ZnOフィッシャー・トロプシュ触媒への新しい製造経路に関する。この技法では、塩基、例えば炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、またはそれらの水酸化物類似体を利用することによって、コバルト塩溶液、例えば硝酸コバルト溶液から酸化亜鉛粉体のスラリー中にコバルトが沈殿させられる。析出−沈殿プロセスの間に、コバルトは、酸化亜鉛粒子上に析出するか、または他の方法で酸化亜鉛粒子と結び付き、理論にはこだわらないが、沈殿するCo化合物とZnO担体との間に明らかな化学的相互作用が確立され、触媒前駆体としての安定なコバルト−ヒドロキシ炭酸亜鉛構造が生じる。
【0010】
驚くべきことに、乾燥および焼成後、Co−Zn−硝酸塩溶液からのCoおよびZnの両方の同時共沈法によって得られる生成物と同様な細孔構造を有するCo/ZnO混合酸化物組成物が得られる。「従来の」共沈経路と比較した新規な析出−沈殿経路の重要な利点は、製造プロセス中に含まれる全陰イオン(通常は硝酸塩)の顕著な減少である。さらに、上記の結果として、アンモニア(沈殿剤溶液由来の炭酸アンモニウムとして)の必要量もまた顕著に少なくなる。
【0011】
従って、本発明は、コバルト−酸化亜鉛フィッシャー・トロプシュ触媒の調製のためのプロセスを目的とする。このプロセスは、反応器の中で酸化亜鉛粉体の水分散液を準備するステップ、コバルト塩の水溶液および沈殿剤の水溶液を添加するステップ、および炭酸アンモニウムの添加によって溶液から酸化亜鉛上にコバルトを沈殿させるステップを含む。
【0012】
この新しい触媒製造経路は、いわゆる「析出沈殿」経路に関する。この経路では、コバルトは、水溶液(硝酸塩)から沈殿させられる。このコバルトは、最初はZnO粉体として存在していた原料亜鉛化合物上に沈殿させられ、ヒールの水の中のスラリーとされる。硝酸亜鉛前駆体溶液から亜鉛も共沈させる代わりにバルクのZnO粉体(最終触媒の最大約95重量%)を原料試薬として用いると、製造プロセスに含まれる必要な硝酸塩および炭酸アンモニウムの相当な減少(約80%の硝酸塩の減少)を生じる。さらに、原料としての酸化亜鉛は硝酸亜鉛よりはるかに危険性が少なく、従って、大規模触媒製造において取り扱い手順を容易にする。
【0013】
驚くべきことに、析出−沈殿プロセスの終りにおいて、元素組成分析と組み合わされた拡張TEM分析によって示されるように、沈殿した生成物の乾燥および焼成後、焼成生成物中に「遊離」ZnOは事実上検出され得なかった。これらの観測結果は、沈殿するCoイオンとZnO粉体との間に明らかな化学反応があり、同様なコバルト−亜鉛混合酸化物触媒前駆体を生じることを示している。沈殿する化合物と酸化亜鉛表面との化学反応が起っていることは、TEM測定におけるいわゆるモアレパターンによってさらに確認された。モアレパターンは、焼成された触媒前駆体中の異なる金属酸化物の積層および金属スピネル骨格(ZnCo、CoCo)を示している。
【0014】
さらに、興味深いことに、焼成後、これらの析出−沈殿させられたコバルト−酸化亜鉛混合酸化物の細孔構造、表面積、および細孔サイズ分布は、共沈したコバルト−酸化亜鉛生成物の場合に得られたものと同様であった。
【0015】
本最新製造プロセスの必須の態様は、第一に、析出−沈殿法の使用である。この方法では、コバルトは、塩基の添加によって開始されて酸化亜鉛粉体上に沈殿する。炭酸アンモニウムが塩基として用いられることがさらに必須である。他の既知の沈殿用塩基は、粒子サイズ、粒子サイズ分布、および他の機械的特性の面で市販品の要件を満たす生成物を生成させないからである。例えば、重炭酸アンモニウムを使用すると既知の市販物質の代替として適している材料とはならないことが見いだされている。
【0016】
炭酸アンモニウムとして市場で知られている製品は、実は、ほぼ等モル比率の重炭酸アンモニウムとカルバミン酸アンモニウムとの混合物または複塩(NHHCO・NHCOONH)である点に注意する。一般に、カルバミン酸塩に対する炭酸塩のモル比は、0.8:から1:0.8の間である。沈殿用塩基として用いられるのは、この混合物または複塩の水溶液である。
【0017】
本発明に従って調製された触媒は、共沈法によって得られた触媒と同様な構造中のコバルトと酸化亜鉛との間の化学的相互作用を示すことが見いだされた。そのことの証拠は、焼成された触媒前駆体の還元特性から導かれ得た。触媒を還元性雰囲気、例えば希薄な水素の中で処理するとき、コバルト還元の程度は、低いコバル担持率の場合ほど低く、コバルトと酸化亜鉛との相互作用が強くなることを示した。共沈させられた触媒前駆体の場合に同じ挙動が観測されていた。
【0018】
本発明に従って調製された触媒は、撹拌スラリー相反応器、スラリー気泡塔反応器(SBCR),ループ反応器、または流動床反応器中で用いるのに特に好ましいことが見いだされた。
【0019】
本発明に従って調製された触媒は、乾燥形で、および/または撹拌スラリー反応器中で用いられるときの非常に良好な流動特性と、反応混合物中での反応剤との良好な分散特性とを示す。本発明のプロセスは、例えば、触媒が貯蔵フラスコ中に保持されるときに観測され得るごとく乾燥された触媒の自由流動特性によって示されるように、非常に適切な粒子サイズ分布を有する生成物の調製を可能にする。
【0020】
本発明に従って調製された触媒は、非常に好ましい分離特性を示し、例えば、ろ過によって反応混合物から非常に適切に分離され得る。
【0021】
本発明に従って調製された触媒は、極めて良好な活性と分離特性との間の均衡を有する。
【0022】
好ましくは、触媒は、主として(すなわち少なくとも75体積%)、10〜150nmの範囲内の直径を有する細孔を有する。5nm未満の直径を有する細孔を事実上有しない(特に、細孔体積の5%未満が5nm未満の直径を有する細孔によって形成される)触媒がはるかに好ましい。そのような触媒は、反応体および生成物にとって特に良好な拡散特性を有することが見いだされた。そのような触媒は、フィッシャー・トロプシュ反応においてCに非常に選択的であることも見いだされた。
【0023】
0.75ml/g未満の細孔体積を有する触媒によって非常に良好な結果が実現された。好ましくは、細孔体積は、少なくとも0.05ml/gである。0.60ml/g未満の細孔体積を有する触媒が特に適している。
【0024】
触媒の細孔体積は、試料を180℃で3.3Pa(25mTorr)の圧力に脱気した後、アンカースミット(Ankersmit)クァンタクローム・オートソーブ(Quantachrome Autosorb)−6装置上で測定される窒素吸着法(N−BET)によって求められる。
【0025】
そのような触媒は、スラリー相反応器、ループ反応器、スラリー気泡塔反応器、および流動床反応器を含むさまざまな種類の反応器中の利用に有利である特に良好な物理的強度特性を有することが見いだされた。
【0026】
180℃で3.3Pa(25mTorr)の低い圧力までの脱気後のアンカースミットのクァンタクローム・オートソーブ−6装置による窒素吸着法(N−BET)によって求められる表面積も、意図される目的に応じて広い範囲内で選ばれ得る。フィッシャー・トロプシュプロセスの場合、このパラメータは、例えば1〜500m/gの範囲内で選ばれてよい。好ましくは、触媒は、5〜160m/gの範囲内の表面積を有する。5〜150m/gの範囲内の表面積を有する触媒によって非常に良好な結果が実現された。
【0027】
好ましい触媒は粒子物質であり、粒子は、多かれ少なかれ球形の幾何構造を有する。そのような触媒は、使用時に非常に良好な機械的強度および分離特性ならびに比較的高い摩擦抵抗を有することが見いだされた。そのような触媒は、本発明のプロセスによって適切に調製され得る。本発明のプロセスにおいて、沈殿した物質は、任意選択として酸化亜鉛、酸化ケイ素、または酸化アルミニウム、あるいはこれらの酸化物のコロイド形のものなどの別のバインダーの添加後に、任意選択として破砕およびスプレー乾燥に付される。
【0028】
触媒の組成は、広く変化してよい。当業者は、意図される目的に応じて触媒組成を決定することを知っている。
【0029】
触媒は、基本的に、金属成分としてのコバルトと酸化物担体としての酸化亜鉛とからなる。好ましくは、コバルトに対する亜鉛の原子比は0.2から75の間である。
【0030】
さらに、触媒は、フィッシャー・トロプシュ触媒中に促進剤として普通に使用されている成分などの1つ以上の他の成分を含んでもよい。触媒は、1つ以上の促進剤、例えばハフニウム、白金、ジルコニウム、パラジウム、レニウム、セリウム、ランタン、またはそれらの組み合わせも含んでよい。そのような促進剤は、存在する場合、通常、最大10:1の促進剤に対する金属成分の原子比で用いられる。
【0031】
触媒の調製は、水系中で行われ、酸化亜鉛粒子のスラリーが反応器の中で準備される。コバルト塩、好ましくは硝酸コバルトの水溶液が炭酸アンモニウムの水溶液と共に反応器の中に供給される。温度は、好ましくは40から95℃の間に保たれる。沈殿が完了したら、触媒前駆体はスラリーから分離され、さらに処理される。この後の処理は、乾燥、成形、焼成、およびコバルトの活性金属相への還元を含んでよい。
【0032】
次に、以下の実施例にもとづいて本発明が明らかにされる。実施例は、説明として意図され、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0033】
[実施例1]
【0034】
16%Co/ZnO触媒
1リットルの水の中に195.0gのCo(NO・6HO溶液(14.5重量%Co)を取り込ませることによって酸性コバルト溶液が調製された。1リットルの水の中に91.9gの炭酸アンモニウムを溶解させて別の溶液が調製された。(炭酸塩/金属モル比=2)。以下の条件すなわちT=75℃、撹拌=300RPMおよび流速=1リットル/時間を適用することによって、160グラムのZnO粉体(ノルツィンコ(Norzinco)、ハルツジーゲル(Harzsiegel)、それぞれ0.015ml/gおよび3.8m/gの細孔体積および表面積)を含む、ヒールの水(1.75リットル)の中に両方の溶液が同時に供給された。沈殿の間、pHは約8.1で一定であった。析出−沈殿プロセスの完了後、生成物はろ過によってスラリーから分離され、110℃で16時間乾燥され、続いて500℃で5時間焼成された(昇温速度150℃/時間)。
【0035】
化学および物理分析は、焼成された触媒が15.6%のCoを含み、一方、触媒の細孔体積および表面積はそれぞれ0.30ml/gおよび30m/gであることを示した。XRDパターンから求められたCo結晶子サイズは124Åであり、一方、粒子サイズ分布(バルクのZnO粉体の場合は非常に細かい)もはるかに粗くなった。焼成された生成物に関する拡張TEM分析および元素組成分析は、「遊離」ZnOがないことを示し、このことから、基本的にすべてのZnOが沈殿したCoと反応した(相互作用した)ことを示していた。コバルトとZnOとの間の相互作用の証拠は、TPRパターンからも導かれ得た。すなわち、バルクの沈殿したCoは非常に低い温度で(通常、250℃未満の温度で)完全な還元を示すが、本触媒は、標準的な共沈類縁体と同じTPRパターン、従って、通常280〜290℃(CoのCOOへの還元)および420〜430℃(COOのCo金属への還元)の2つの還元ピークを示した。本実施例1に従って作られた触媒は、共沈Co−ZnO触媒の場合におけると同様に、バルクのCo粉体と異なってある量の非還元性コバルトも含んでおり、共沈触媒との類似性も裏付ける。
[実施例2]
【0036】
20%Co/ZnO触媒
1リットルの水の中に276.3gのCo(NO・6HO溶液(14.5重量%Co)を取り込ませることによって酸性コバルト溶液が調製された。1リットルの水の中に130.3gの炭酸アンモニウムを溶解させて別の溶液が調製された。(炭酸塩/金属モル比=2)。以下の条件すなわちT=75℃、撹拌=300RPMおよび流速=1リットル/時間を適用することによって、160グラムのZnO粉体(ノルツィンコ、ハルツジーゲル、それぞれ0.015ml/gおよび3.8m/gの細孔体積および表面積)を含む、ヒールの水(1.75リットル)の中に両方の溶液が同時に送液された。沈殿の間、pHは約8.1で一定であった。析出‐沈殿プロセスの完了後、生成物はろ過によってスラリーから分離され、110℃で16時間乾燥され、続いて、500℃で5時間焼成された(昇温速度150℃/時間)。
【0037】
化学および物理分析は、焼成された触媒が19.0%のCoを含み、一方、触媒の細孔体積および表面積はそれぞれ0.23ml/gおよび27m/gであることを示した。Co結晶子サイズは151Åであり、一方、粒子サイズ分布(バルクのZnO粉体の場合は非常に細かい)もはるかに粗くなった。焼成された生成物に関する拡張TEM分析および元素組成分析は「遊離」ZnOがないことを示した。このことから基本的にすべてのZnOが沈殿したCoと反応した(相互作用した)と結論され得る。これは、実施例1の触媒の場合に記載されたように、TPR測定によっても裏付けられた。
[実施例3]
【0038】
30%Co/ZnO触媒
1リットルの水の中に473.9gのCo(NO・6HO溶液(14.5重量%Co)を取り込ませることによって酸性コバルト溶液が調製された。1リットルの水の中に167.6gの炭酸アンモニウムを溶解させて別の溶液が調製された。(炭酸塩/金属モル比=1.5)。以下の条件すなわちT=75℃、撹拌=300RPM、および流速=1リットル/時間を適用することによって、160グラムのZnO粉体(ノルツィンコ、ハルツジーゲル、それぞれ0.015ml/gおよび3.8m/gの細孔体積および表面積)を含む、ヒールの水(1.75リットル)の中に両方の溶液が同時に送液された。沈殿の間、pHは約7.6で一定であった。
【0039】
析出‐沈殿プロセスの完了後、生成物はろ過によってスラリーから分離され、110℃で16時間乾燥され、続いて500℃で5時間焼成された(昇温速度150℃/時間)。化学および物理分析は、焼成された触媒が31.6%のCoを含み、一方、触媒の細孔体積および表面積はそれぞれ0.23ml/gおよび29m/gであることを示した。Co結晶子サイズは151Åであり、一方、粒子サイズ分布(バルクのZnO粉体の場合は非常に細かい)もはるかに粗くなった。焼成された生成物に関する拡張TEM分析および元素組成分析は、「遊離」ZnOがないことを示した。このことから基本的にすべてのZnOが沈殿したCoと反応した(相互作用した)と結論され得る。実施例1の触媒の場合に記載されたと同じく、CoとZnOとの間の相互作用はTPRパターンからも明らかであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コバルト−酸化亜鉛フィッシャー・トロプシュ触媒の前記調製のためのプロセスであって、反応器の中で酸化亜鉛粉体の水分散液を準備するステップ、コバルト塩の水溶液を加えるステップ、および炭酸アンモニウムの前記添加によって前記溶液から前記酸化亜鉛上にコバルトを沈殿させるステップを含むプロセス。
【請求項2】
コバルトに対する亜鉛の前記原子比は、0.2から75の間である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記コバルト水溶液は、硝酸コバルト水溶液である、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記反応器は撹拌されている、請求項1〜3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記沈殿は、40から95℃の間の温度で行われる、請求項1〜4に記載のプロセス。
【請求項6】
追加のステップとして、調製時に促進成分または前記促進成分のための前駆体が加えられ、前記成分は、好ましくは、ハフニウム、白金、ジルコニウム、パラジウム、レニウム、セリウム、ランタン、またはそれらの組み合わせならびに化合物から選択される、請求項1〜5に記載のプロセス。
【請求項7】
前記促進成分は、前記促進成分の金属成分に対するコバルト成分の原子比が最大10:1で用いられる、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記水分散液から固体物質を分離するステップ、それを乾燥させるステップおよび焼成するステップをさらに含む、請求項1〜7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記乾燥させるステップは、任意選択として酸化亜鉛、コロイド酸化亜鉛、または別の金属酸化物などの追加のバインダーの存在下での、スプレー乾燥を含む、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
請求項1〜9に記載のプロセスによって得ることができる触媒または触媒前駆体。
【請求項11】
前記フィッシャー・トロプシュ反応のための触媒としての、請求項1〜9に従って調製された触媒の使用。

【公表番号】特表2010−530305(P2010−530305A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513137(P2010−513137)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【国際出願番号】PCT/NL2008/050393
【国際公開番号】WO2008/156358
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(507276151)ビーエーエスエフ、カタリスツ、エルエルシー (47)
【氏名又は名称原語表記】BASF Catalysts LLC
【住所又は居所原語表記】100 Campus Drive, Florham Park, NJ 07932, USA
【Fターム(参考)】