説明

コミュニティ提供システム及びコミュニティ提供方法

【課題】 ユーザが所望するコミュニティを的確に選択できる。
【解決手段】 本発明は、複数ユーザが所定のサービスを共有し得る、分野別に分かれているコミュニティを提供するコミュニティ提供システムに関する。そして、ユーザが入出力を行うユーザ端末と、上記所定のサービスで利用される専門用語をコミュニティ名と関連付けて格納している専門用語辞書手段と、専門用語を含むコミュニティ検索指令が与えられたときに、上記専門用語辞書手段をコミュニティ検索指令における専門用語に基づいて検索し、検索結果における少なくてもコミュニティ名を上記ユーザ端末に送信して、ユーザが所望するコミュニティを選択させるコミュニティ選択手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コミュニティ提供システム及びコミュニティ提供方法に関し、特に、ユーザが、所望するコミュニティを的確に選択できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】インターネットなどのネットワークのユーザ相互間でコミュニケーションを確立するサービスを提供する場は、コミュニティと呼ばれている。コミュニティは、ジャンルや目的別に設定され、ユーザは自己の目的や興味などに対応したコミュニティを選択し、情報を提供したり収集したりする。
【0003】しかし、コミュニティ運営者や管理者側が用意しているコミュニティ名では、ユーザが、参加したいコミュニティなのかを判断できない場合なども生じる。
【0004】特開2001−249950号公報(以下、「従来文献」と呼ぶ)では、コミュニティのタイプと参加者の個人情報とを対比して、含まれている情報要素の類似度を算出して、類似度の統計情報に基づいて情報を提供すべきコミュニティを選択することによって、情報提供者が情報提供先として最適なコミュニティを容易に選択することができ、また、参加者が好む情報のみを受取ることができる情報提供・収集装置及び方法を提案している。
【0005】この従来文献の技術では、性別や趣向、年齢、地域等を個人情報として、個人情報に基づいてコミュニティごとの類似度の統計を算出して、コミュニティのタイプを決定している。また、個人情報のキーワードから関連語を抽出して、それらに基づくこともある。例えば、キーワード「ロンドン」から「イギリス」や「海外旅行」が関連語として抽出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、コミュニティのタイプを表す項目と、キーワードと、キーワードに対する関連語を、的確に作成することは困難である。
【0007】類似関係と関連語を狭い範囲にすると、項目の一部をキーワードにしないとヒットしないし、類似関係と関連語を広い範囲にすると、大量にヒットしてしまい、必ずしもコミュニティを適切には選択できない。
【0008】本発明は、ユーザが所望するコミュニティを適切に選択できるようにするコミュニティ提供システム及びコミュニティ提供方法を提供しようとしたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するため、第1の本発明は、複数ユーザが所定のサービスを共有し得る、分野別に分かれているコミュニティを提供するコミュニティ提供システムにおいて、ユーザが入出力を行うユーザ端末と、上記所定のサービスで利用される専門用語をコミュニティ名と関連付けて格納している専門用語辞書手段と、専門用語を含むコミュニティ検索指令が与えられたときに、上記専門用語辞書手段をコミュニティ検索指令における専門用語に基づいて検索し、検索結果における少なくてもコミュニティ名を上記ユーザ端末に送信して、ユーザが所望するコミュニティを選択させるコミュニティ選択手段とを有することを特徴とする。
【0010】また、第2の本発明は、複数ユーザが所定のサービスを共有し得る、分野別に分かれているコミュニティを提供するコミュニティ提供方法において、上記所定のサービスで利用される専門用語をコミュニティ名と関連付けて格納している専門用語辞書手段を備え、ユーザが入出力を行うユーザ端末から、専門用語を含むコミュニティ検索指令が与えられたときに、上記専門用語辞書手段をコミュニティ検索指令における専門用語に基づいて検索し、検索結果における少なくてもコミュニティ名を上記ユーザ端末に送信して、ユーザが所望するコミュニティを選択させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】(A)第1の実施形態以下、本発明によるコミュニティ提供システム及びコミュニティ提供方法の第1の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0012】(A−1)第1の実施形態の構成図1は、第1の実施形態のコミュニティ提供システムの構成を示すブロック図である。
【0013】図1において、このコミュニティ提供システム1は、インターネット2上のサーバ3が、インターネット2を介してユーザ端末4に接続し得る構成となっている。図1では示していないが、サーバ3は、インターネット2を介して他のサーバ等にも接続し得る。
【0014】サーバ3は、HTTPデーモン10、ログ解析部11、アクセスログ格納部12、Webサーバ13、コミュニティサービス部14、各種情報データベース15、情報転送部16、HTMLパーザ17及び入出力装置18を有する。
【0015】ここで、Webサーバ13は、機能的には、コミュニケーションツール13a、コミュニティサービス管理部13b、辞書管理部13c、ユーザ登録・認証部13d及びコミュニティ管理部13eを有する。また、コミュニティサービス部14は、コミュニティ情報提供・収集部14aを有する。さらに、各種情報データベース15は、専門用語辞書情報部15a、ユーザ情報部15b、コミュニティ分類情報部15c及びコミュニティ情報部15dを有する。
【0016】ユーザ端末4は、インターネット2側に対して、ホームページやWebページ(以下ではこれらをまとめてWebページと呼ぶ)5の検索を指示するものである。ここで、サーバ3の運営者との間でコミュニティサービスの提供契約を締結しているユーザは、ユーザ端末4を用いて、所望するコミュニティについて情報を提供することができ、また、所望するコミュニティから情報を収集することができる。ユーザは、例えば、サーバ3が提供するWebページ上から提供する情報を入力でき、Webページ形式で情報を収集することができる。
【0017】サーバ3において、HTTPデーモン10は、Webページ(HTML文書)などを所定の転送プロトコルに従って転送させるものである。
【0018】ログ解析部11は、ユーザ端末4からの検索したいWebページやユーザ端末4を規定する通信情報から、アクセスログを得てアクセスログ格納部12に格納させたりすると共に、Webサーバ13をログインさせたりログアウトさせたりするものである。なお、ログインさせる際には、ユーザの認証などが必要となる。
【0019】Webサーバ13におけるコミュニケーションツール13aは、ユーザ端末4との通信機能やWebページの検索のための通信機能等を担うものである。
【0020】コミュニティサービス管理部13bは、Webページ上への書込みによるあるコミュニティへの情報提供時や、Webページ上への書込みによるコミュニティからの情報収集要求時等に、HTMLパーザ17を介して、コミュニティサービス部14にWebページを与えてそのWebページに係る情報提供処理や情報収集処理を実行させるものである。
【0021】ここで、HTMLパーザ17は、タグ情報等に基づいて、入力されたWebページ(HTML文書)から情報提供部分や情報収集要求部分だけを取り出してコミュニティサービス部14に与え、また、ユーザ端末4への情報等にタグ情報を復帰させてWebページ(HTML文書)に戻すものである。
【0022】また、コミュニティサービス部14において、情報提供・収集処理部14aは、ユーザ側からの提供情報により、後述するコミュニティ情報部15dに情報を追加したりコミュニティ情報部15dの情報を修正したり、コミュニティ情報部15dからユーザに提供するコミュニティ情報を収集したりするものである。
【0023】辞書データベース15における専門用語辞書情報部15aは、各種の辞書情報を格納しているものである。専門用語辞書情報部15aにおける各専門用語辞書(一般用語辞書を含む)は、後述する各コミュニティ(コミュニティ分類)と1対1で対応している。言い換えると、専門用語辞書情報部15aは、コミュニティ毎の専門用語を格納しているものである。
【0024】図2は、専門用語辞書のデータ例を示すものである。1個のデータは、コミュニティ名、見出し語、定義、コメント、作者名でなる。コミュニティ名はコミュニティの分類での名前、見出し語は専門用語、定義は専門用語の意味や定義、コメントはデータの自由記述欄、作者名は作成したユーザ又はシステム運営者の名前である。コメントには、いつ登録したかや、「定義を見直した方が良い」等の任意のユーザによるコメントが挿入される。
【0025】例えば、「犬」に関するコミュニティであれば、各ユーザのコミュニケーションが円滑に図られるように、犬の種類名が見出し語に記述され、その種類の犬の原産地や姿や特質等が定義に記述される。
【0026】辞書データベース15のユーザ情報部15bには、当該サーバ3の運営者との間でサーバ3を利用する契約の締結ユーザの情報が格納されている。また、ユーザ情報部15bには、その登録されているユーザが、コミュニティサービスを受けることができるか否かなどの情報も格納されている。
【0027】辞書データベース15のコミュニティ分類情報部15cには、図3に示すような各コミュニティに関する構造の情報などが格納されている。
【0028】図3において、各コミュニティは基本的にはツリー構造の階層化構造をしている。そして、一般コミュニティをルートノードとしており、その次の階層には、専門分野やジャンルを大分類した場合のコミュニティが設けられている。それより下位の階層には、上位の階層の専門分野やジャンルをさらに分類した場合のコミュニティが設けられており、終端ノードに至る枝数(階層の深さ)は一律である必要はない。
【0029】辞書データベース15のコミュニティ情報部15dには、各コミュニティについてユーザから提供された(ユーザが書き入れた)情報が格納されている。
【0030】Webサーバ13の辞書管理部13cは、専門用語辞書情報部15aを編集したり管理したりするものである。
【0031】Webサーバ13のユーザ登録・認証部13dは、ユーザ登録したり、当該サーバ3にアクセスしてきた者が正規のユーザかを認証したり、コミュニティサービスが求められた場合にサービスを提供し得る者かを確認したりなどするものである。
【0032】Webサーバ13のコミュニティ管理部13eは、コミュニティ分類情報部15cやコミュニティ情報部15dの情報を管理するものである。例えば、ユーザが所望するコミュニティの選択時にはコミュニティの階層構造を提供したり、所望するコミュニティが明らかになった際には、コミュニティ情報部15dの編集等を許容させたりするものである。
【0033】入出力装置18は、サーバ3の運営者側が辞書の編集を起動したり、辞書を編集したりなどする際に用いるものである。
【0034】なお、第1の実施形態のシステムは、複数のユーザからの同時のアクセスに対応できるものである。例えば、1組のコミュニティサービス部14やHTMLパーザ17などを時分割で用いて、複数のアクセスに対応するようにしても良く、また、コミュニティサービス部14やHTMLパーザ17を予め複数組用意して、複数のアクセスに対応するようにしても良い。後者の場合において、オリジナルのコミュニティサービスプログラムなどを、アクセスを求められる毎に、複数個用意されているCPUの主メモリなどにローディングして、複数のアクセスに同時に対応できるようにしても良い。
【0035】図4は、図1に示す構成を第1の実施形態の特徴(コミュニティ選択)との関係から、機能ブロックを整理して書き直したものである。
【0036】コミュニティ選択部20は、ユーザが所望するコミュニティを選択できるような処理を行うものである。コミュニティ選択部20は、図1におけるログ解析部11、コミュニケーションツール13a、ユーザ登録・認証部13d及びコミュニティ管理部13eなどが該当する。
【0037】(A−2)第1の実施形態の動作次に、第1の実施形態のコミュニティ提供システムの特徴的な動作を図面を参照しながら説明する。
【0038】(A−2−1)専門用語のユーザ登録動作次に、ユーザが専門用語辞書情報部15aに専門用語を登録する際の動作を、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0039】なお、例えば、この処理時において、ユーザ端末4及びサーバ3で授受する情報は、HTML文書の形式の情報である。また、専門用語の登録は、ユーザが所望するコミュニティに入った後に行うものであっても良いが、図5は、コミュニティに入らないで専門用語の登録を行う場合を示している。
【0040】例えば、ユーザはユーザ端末4を用いて、サーバ3が提供する所定のWebページを表示させ、専門用語の登録モードを指示する。
【0041】このときまず、サーバ3(ユーザ登録・認証部13d)は、そのユーザが専門用語の登録を実行し得る者であるか否かを判別し、そのユーザが専門単語の登録を実行し得る者でないと、サーバ3はその旨を返信して、登録処理を終了し、そのユーザが専門単語の登録を実行し得る者であると、図5に示す処理に入る。
【0042】サーバ3(辞書管理部13c)は、専門用語登録入力画面をユーザ端末4に送信し、ユーザ端末4からの登録専門用語情報を取り込む(ステップ101)。なお、ユーザは、複数の登録専門用語情報をまとめて送信するできるようにしても良い。以下では、説明の簡単化のため、1個の登録専門用語情報を送信するものとする。
【0043】サーバ3(辞書管理部13c)は、登録専門用語情報が与えられると、それに含まれている見出し語で専門用語辞書情報部15aを検索し(ステップ102)、その見出し語を有する専門用語データが検索されたか否かを判別する(ステップ103)。
【0044】そのような見出し語を含む専門用語データが専門用語辞書情報部15aに存在しなければ、与えられた専門用語データを専門用語辞書情報部15aに登録し(ステップ104)、その旨をユーザ端末4に返信して一連の処理を終了する。
【0045】これに対して、ユーザが登録しようとした専門用語データの見出し語を含む専門用語データが既に専門用語辞書情報部15aに存在していた場合には、存在していた専門用語データにおけるコミュニティ名と定義とをユーザ端末4に送信して、登録依頼した専門用語データの登録に新規に行うか否かをユーザに確認させる(ステップ105、106)。
【0046】新規に登録を行う意思確認がユーザから得られたときには、サーバ3(辞書管理部13c)は、与えられた専門用語データを専門用語辞書情報部15aに登録し(ステップ104)、その旨をユーザ端末4に返信して一連の処理を終了する。
【0047】一方、新規登録が不要という意思確認がユーザから得られたときには、修正して登録するか否かをユーザに確認させる(ステップ107)。
【0048】修正した登録も不要というユーザの意思確認が得られた場合には、一連の処理を終了する。修正した登録が必要とするユーザの意思確認が得られた場合には、専門用語辞書情報部15aの検索から得られた該当する見出し語を含む全ての専門用語データから修正に利用するものを選択させ(ステップ108)、その選択させた専門用語データに修正を実行させて追加登録又は再登録させて(ステップ109)、一連の処理を終了する。
【0049】各ユーザが自由に専門用語辞書情報部15aに登録したり追加修正したりするのが好ましくないのであれば、そのコミュニティ運営者のみが登録したり追加修正したり削除したりできるようにしても良い。
【0050】(A−2−2)コミュニティの選択動作次に、ユーザに参加しようとするコミュニティを選択させる際の動作を、図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0051】例えば、ユーザはユーザ端末4を用いて、サーバ3が提供する所定のWebページを表示させ、コミュニティへの参加モードを指示する。
【0052】このときまず、サーバ3(ユーザ登録・認証部13d)は、そのユーザがコミュニティに参加し得る者であるか否かを判別し、そのユーザが参加し得る者でないと、サーバ3はその旨を返信して処理を終了し、そのユーザがコミュニティに参加し得る者であると、図6R>6に示す処理に入る。
【0053】サーバ3(コミュニティサービス管理部13b)は、コミュニティ分類情報部15cからコミュニティ分類の階層構造を得、その階層構造から参加コミュニティを具体的に指定できると共に、専門用語の入力から参加するコミュニティを検索選択できることを表している選択入力画面をユーザ端末4に送信し、その返信内容を判別する(ステップ200、201)。
【0054】参加するコミュニティが具体的に指定された場合には、サーバ3は、一連の処理を終了する。このときには、具体的なコミュニティサービス処理に移行する。
【0055】参加コミュニティの選択入力画面に対し、専門用語(見出し語)が入力されてきた場合には、サーバ3は、そのような専門用語(見出し語)を含む専門用語データを専門用語辞書情報部15aから検索し(ステップ202)、該当する専門用語データが存在するか否かを判別する(ステップ203)。
【0056】該当する専門用語データが存在しなければ、サーバ3は、ステップ200に戻って、参加コミュニティの選択入力画面をユーザ端末4に送信させる。なお、この際には、入力された専門用語(見出し語)では該当するコミュニティが存在しない旨のメッセージも表示させる。
【0057】これに対して、ユーザが入力した専門用語(見出し語)を含む専門用語データが専門用語辞書情報部15aに1個でも存在すれば、サーバ3は、検索で得られた全ての専門用語データにおけるコミュニティ名と定義などをユーザ端末4に送信し(ステップ204)、ユーザが指定したコミュニティを取り込む(ステップ205)。このときにも、参加するコミュニティが具体的に指定された場合には、サーバ3は、一連の処理を終了する。そして、具体的なコミュニティサービス処理に移行する。
【0058】検索で得られた専門用語データにおけるコミュニティ名と定義との送信に加え、コミュニティ名が規定するコミュニティが下位階層の場合には、その上位のコミュニティのコミュニティ名もそのことを明らかにして送信し、上位のコミュニティの指定を許容するようにしても良い。
【0059】例えば、ユーザが、コンピュータのアドレスに関するコミュニティを見つけたくて、コミュニティの階層構造の表示から「コンピュータ」というコミュニティを探したが見つからない場合には(図3参照)、「アドレス」という専門用語を入力すると、「計算機」と「ゴルフ」というコミュニティ名が返ってくる(図2参照)。ここで、図2に示すように、「アドレス」を専門用語とするコミュニティが2個存在していても、定義などが判断材料として送信されてくるので、ユーザの意図に即した「計算機」というコミュニティを見つけることができる。
【0060】(A−3)第1の実施形態の効果第1の実施形態によれば、参加しようとするコミュニティがそのコミュニティ名などから判断できない場合においては、参加しようとするコミュニティの専門用語を入力することにより参加しようとするコミュニティのシステム側が用意しているコミュニティ名を得て、所望するコミュニティに参加することができる。
【0061】ここで、専門用語辞書情報部15aには、コミュニティに固有な専門用語が登録されており、コミュニティ毎に特色ある専門用語に対応しているので、的確に所望するコミュニティを見つけることができる。
【0062】その結果、コミュニティの選択のみに用いるキーワードデータベースを不要とすることができる。
【0063】(B)第2の実施形態次に、本発明によるコミュニティ提供システム及びコミュニティ提供方法の第2の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0064】(B−1)第2の実施形態の構成図7は、第2の実施形態のコミュニティ提供システムの構成を示すブロック図であり、第1の実施形態に係る図1R>1との同一、対応部分には同一対応符号を付して示している。
【0065】第2の実施形態のコミュニティ提供システムは、第1の実施形態の構成に加え、機械翻訳に係る構成を有している。すなわち、Web翻訳処理部13f、機械翻訳システム25、辞書コンバータ26、翻訳結果情報部15eを有する。
【0066】Web翻訳処理部13fは、Webページなどが翻訳を必要な場合に、HTMLパーザ17を介して、機械翻訳システム25にWebページを与えてそのWebページの翻訳を実行させるものである。
【0067】機械翻訳システム25において、翻訳エンジン25aは機械翻訳を実行する部分であり、辞書部25bは翻訳エンジン25aが機械翻訳する際に利用する辞書情報が格納されている。なお、後述する専門用語辞書情報部15aに格納されている辞書情報(専門用語データ)が、辞書コンバータ26によって、翻訳エンジン25a向けに変換されて辞書部25bに格納される。
【0068】翻訳結果情報部15eは、機械翻訳を依頼したユーザの要求などにより、他のコミュニティ参加者のための翻訳結果を格納しておくものである。
【0069】この第2の実施形態の場合、専門用語辞書情報部15aにおける専門用語データの構成が、図8に示すように、第1の実施形態のものと多少異なっている。すなわち、専門用語データは、コミュニティ名、見出し語、訳語、定義(なお、省略可能である)、コメント、作者名からなり、見出し語の訳語が追加されている点が異なる。なお、翻訳エンジン25aの種類によっては、品詞情報等の情報を含んでいても良い。
【0070】図9は、図7に示す構成を第2の実施形態の特徴(コミュニティ選択)との関係から、機能ブロックを整理して書き直したものである。
【0071】(B−2)第2の実施形態の動作この第2の実施形態においても、専門用語データ(対語データ)を、専門用語辞書情報部15aに登録する動作は第1の実施形態と同様であり、その動作説明は省略する。但し、登録する専門用語データは、図8に示す項目を有するものである。
【0072】次に、ユーザに参加しようとするコミュニティを選択させる際の動作やユーザに機械翻訳の対象文書のコミュニティ選択させる際の動作を、図10のフローチャートを参照しながら説明する。
【0073】例えば、ユーザはユーザ端末4を用いて、サーバ3が提供する所定のWebページを表示させ、コミュニティへの参加モードや機械翻訳モードを指示する。
【0074】このときまず、サーバ3(ユーザ登録・認証部13d)は、そのユーザがコミュニティに参加し得る者であるか否かや、機械翻訳サービスを受けることができる者であるか否かを判別し、否定結果が得られた場合には、サーバ3はその旨を返信して処理を終了し、肯定結果が得られた場合には、図10に示す処理に入る。
【0075】サーバ3(コミュニティサービス管理部13b)は、コミュニティ分類情報部15cからコミュニティ分類の階層構造を得、その階層構造からコミュニティを具体的に指定できると共に、専門用語の入力から所望するコミュニティを検索選択できることを表している選択入力画面をユーザ端末4に送信し、その返信内容を判別する(ステップ300、301)。ここでの専門用語の入力は、見出し語言語でも対訳言語でも良く、さらには、両言語でも良い。
【0076】所望するコミュニティが具体的に指定された場合には、サーバ3は、一連の処理を終了する。このときには、具体的なコミュニティサービス処理や具体的な機械翻訳処理に移行する。
【0077】コミュニティの選択入力画面に対し、専門用語(見出し語及び又は訳語)が入力されてきた場合には、サーバ3は、そのような専門用語(見出し語及び又は訳語)を含む専門用語データを専門用語辞書情報部15aから検索し(ステップ302)、該当する専門用語データが存在するか否かを判別する(ステップ303)。
【0078】該当する専門用語データが存在しなければ、サーバ3は、ステップ300に戻って、所望するコミュニティの選択入力画面をユーザ端末4に送信させる。なお、この際には、入力された専門用語(見出し語及び又は訳語)について該当するコミュニティが存在しない旨のメッセージも表示させる。
【0079】これに対して、ユーザが入力した専門用語(見出し語及び又は訳語)を含む専門用語データが専門用語辞書情報部15aに1個でも存在すれば、サーバ3は、検索で得られた全ての専門用語データにおけるコミュニティ名と訳語などをユーザ端末4に送信し(ステップ304)、ユーザが指定したコミュニティを取り込む(ステップ305)。このときにも、具体的なコミュニティサービス処理や具体的な機械翻訳処理に移行し、一連の処理を終了する。そして、具体的なコミュニティサービス処理に移行する。
【0080】第2の実施形態でも、検索で得られた専門用語データにおけるコミュニティ名と訳語との送信に加え、コミュニティ名が規定するコミュニティが下位階層の場合には、その上位のコミュニティのコミュニティ名もそのことを明らかにして送信し、上位のコミュニティの指定を許容するようにしても良い。
【0081】例えば、映画や演劇の題名のように、定義を記述するような専門用語でない場合でも、訳語を記述している専門用語であれば、専門用語辞書情報部15aの検索を通じて、ユーザは所望するコミュニティを見つけることができる。また例えば、分子に関して調べるためにコミュニティを見つけたいが、コミュニティ名の見当がつかない場合に、「分子」という語を入力すると、「数学」のコミュニティでは“numerator”で、「物理」のコミュニティでは“molecule”であると分かるので(図8参照)、英語の訳語で明確に区別できて、英語の方が得意なユーザも意図するコミュニティを選択することができる。
【0082】機械翻訳処理では、上述のようにしてコミュニティを指定することにより、そのコミュニティに係る専門用語(上記コミュニティの専門用語を含む)の情報が専門用語辞書情報部15aから取り出されて、辞書コンバータ26を介して不要な項目の情報が除去されたりなどした後、機械翻訳システム25の辞書部25bに設定され、その後、指定された文書を機械翻訳することになる。
【0083】例えば、「一般」のコミュニティで文書を翻訳すると「ティー」は“tea”と訳出され、「ゴルフ」のコミュニティで文書を翻訳すると「ティー」は“tee”と訳出される。
【0084】(B−3)第2の実施形態の効果コミュニティの対訳辞書から検索することによって、コミュニティに固有な訳語を持つ語が登録されているので、コミュニティごとに特色ある表現に対応できて、見出し語が同じデータが複数存在する場合に訳語によって違いが明確であるので、的確に所望するコミュニティを見つけることができる、という効果がある。また、翻訳をする場合には、コミュニティごとに的確な訳語で翻訳することができる、という効果もある。
【0085】第2の実施形態によっても、参加しようとするコミュニティがそのコミュニティ名などから判断できない場合においては、参加しようとするコミュニティの見出し語及び又は訳語を入力することにより参加しようとするコミュニティのシステム側が用意しているコミュニティ名を得て、所望するコミュニティに参加することができる。
【0086】ここで、専門用語辞書情報部15aには、コミュニティに固有な見出し語及び又は訳語が登録されており、コミュニティ毎に特色ある専門用語に対応しているおり、また、見出し語だけに基づいた検索も、訳語だけに基づいた検索も、さらに、見出し語及び訳語の双方に基づいた検索も可能であるので、的確に所望するコミュニティを見つけることができる。
【0087】その結果、コミュニティの選択のみに用いるキーワードデータベースを不要とすることができる。
【0088】(C)他の実施形態上記第2の実施形態では、情報提供や収集のコミュニティサービスと、機械翻訳サービスとの双方に対応できるシステムを示したが、機械翻訳サービスだけに対応するようなシステムであっても良い。この場合であっても、機械翻訳サービスは、複数のユーザが専門用語を共有利用でき、かつ、登録等も実行できるコミュニティ的なものである。特許請求の範囲における「コミュニティ」の用語は、このような機械翻訳サービスだけを行うシステムについても該当するものとする。
【0089】また、上記各実施形態では、専門用語の検索時に、コミュニティ名に加えて、適宜や訳語等の他の情報も、ユーザ端末に送信してコミュニティを選択させるものを示したが、コミュニティ名だけをユーザ端末に送信してコミュニティを選択させるものであっても良い。
【0090】さらに、上記各実施形態では、コミュニティ名を得るために入力する専門用語の数が1個のものを示したが、複数であっても良い。このような複数の場合において、複数の専門用語に対する検索式で検索条件を指定するようにしても良い。例えば、2個の専門用語の場合、その2個の専門用語を共に含むコミュニティ名をサーバ3に検索させるようにしても良く、そのうちの1個でも含むコミュニティ名をサーバ3に検索させるようにしても良く、1個の専門用語は含み、1個の専門用語は含まないコミュニティ名をサーバ3に検索させるようにしても良い。
【0091】
【発明の効果】以上のように、本発明のコミュニティ提供システム及びコミュニティ提供方法によれば、ユーザは所望するコミュニティを的確に選択することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の専門用語データの構成を示す説明図である。
【図3】第1の実施形態のコミュニティの階層構造を示す説明図である。
【図4】第1の実施形態の特徴構成を整理した機能ブロック図である。
【図5】第1の実施形態の専門用語データの登録動作を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態のコミュニティ選択動作を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図8】第2の実施形態の専門用語データの構成を示す説明図である。
【図9】第2の実施形態の特徴構成を整理した機能ブロック図である。
【図10】第2の実施形態のコミュニティ選択動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2…インターネット、3…サーバ、4…ユーザ端末、13b…コミュニティサービス管理部、13c…辞書管理部、13e…コミュニティ管理部、14…コミュニティサービス部、15a…専門用語辞書情報部、15c…コミュニティ分類情報部、20…コミュニティ選択部、25…機械翻訳システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数ユーザが所定のサービスを共有し得る、分野別に分かれているコミュニティを提供するコミュニティ提供システムにおいて、ユーザが入出力を行うユーザ端末と、上記所定のサービスで利用される専門用語をコミュニティ名と関連付けて格納している専門用語辞書手段と、専門用語を含むコミュニティ検索指令が与えられたときに、上記専門用語辞書手段をコミュニティ検索指令における専門用語に基づいて検索し、検索結果における少なくてもコミュニティ名を上記ユーザ端末に送信して、ユーザが所望するコミュニティを選択させるコミュニティ選択手段とを有することを特徴とするコミュニティ提供システム。
【請求項2】 上記所定のサービスが機械翻訳サービスであり、上記専門用語辞書手段には、機械翻訳で必要となる原言語や目的言語での表記などを含めた専門用語情報が格納されていることを特徴とする請求項1に記載のコミュニティ提供システム。
【請求項3】 複数ユーザが所定のサービスを共有し得る、分野別に分かれているコミュニティを提供するコミュニティ提供方法において、上記所定のサービスで利用される専門用語をコミュニティ名と関連付けて格納している専門用語辞書手段を備え、ユーザが入出力を行うユーザ端末から、専門用語を含むコミュニティ検索指令が与えられたときに、上記専門用語辞書手段をコミュニティ検索指令における専門用語に基づいて検索し、検索結果における少なくてもコミュニティ名を上記ユーザ端末に送信して、ユーザが所望するコミュニティを選択させることを特徴とするコミュニティ提供方法。
【請求項4】 上記所定のサービスが機械翻訳サービスであり、上記専門用語辞書手段には、機械翻訳で必要となる原言語や目的言語での表記などを含めた専門用語情報が格納されていることを特徴とする請求項3に記載のコミュニティ提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図8】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図5】
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【図9】
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【公開番号】特開2003−186877(P2003−186877A)
【公開日】平成15年7月4日(2003.7.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−387477(P2001−387477)
【出願日】平成13年12月20日(2001.12.20)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】