説明

コリオリ流量計を用いたプロパン測定

【課題】コリオリ流量計からの質量流量からプロパンの総体積を決定する方法を提供する。
【解決手段】プロパンを顧客202に配送する方法において、輸送車両200はプロパンを顧客202へ供給する。コリオリ流量計212は、輸送車両200がプロパンを顧客202に供給するとき、プロパンの質量流量を測定する。コリオリ流量計212はプロパンの質量流量に基づいてプロパンの総体積を決定する。また、コリオリ流量計212は該質量流量と一定値とに基づいて、プロパンの調整された体積を決定する。一定値は基準温度でのプロパンの密度に対応し、調整可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、質量流量計システムの分野に関係し、特に、コリオリ流量計からの質量流量を用いたプロパンの測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ほぼ36000台のボブテイル型トラックが、種々の燃料を配送するために米国のハイウェイや空港を走っている。典型的には、こうしたトラックやトレーラから燃料が積み下ろされるときにはいつも、販売又は管理のための移送が発生する。典型的には、こうしたトラックから積み下ろされた材料の体積を測定するために、容積式流量計測装置が設置される。
【0003】
現在では、容積式流量計は燃料配送販売のために政府の認可を得ている。他の種の流量計は、路面走行の使用という厳しさに耐え得るかどうか、又は、こうした使用条件下では一般に使えないかどうかを確かめるために試験されたことがなかった。
【0004】
ボブテイル型トラックは液体石油ガス又はLPG製品を輸送するのに使用される。LPGのもっとも一般的な形態はプロパンである。プロパンは天然ガスの処理ばかりでなく、原油を精製するプロセスからも生じる。プロパンやLPGの他の形態は、必要になるまで岩塩ドーム、背斜その他の地形に貯蔵されることが多い。ボブテイル型トラックは、LPGを使用遠隔地点、例えば、暖房や自動車用プロパン燃料ステーションのためにプロパンが使用されるプロパン・タンクを有する田舎の家や、居住者のバーベキューその他に使用されるプロパン・タンクを満たすための近隣の配送点へ輸送するのに用いられる。プロパンが好まれるのは、典型的には150psiよりも低い低圧で液体になるからである。分留されていない天然ガスもこうした装置で使用されるが、天然ガスは相当の高圧での貯蔵を必要とするため、金属貯蔵容器の破壊は大災害を招きかねない。
【0005】
こうした販売においては、異なる温度や圧力が原因となる体積変動に起因する問題が生じる。こうした影響に対して、計測された販売体積を補正すると、殆どの場合、温度の影響のみが補正される。通常、温度補正は米国石油協会からの公表された標準データ、例えば、テーブル24 60°Fへの体積低減、石油計測テーブル、API標準:2450(ASTM指定:1250)1952 アメリカンEdを用いて行われる。
【0006】
液体は150psi前後の低圧では本質的に圧縮不可能であるという前提のもとで温度のみの補正を行う一般的な慣行にもかかわらず、LPGはこうした圧力で液体の形に圧縮し得る状態を保つ。従来の容積式流量計は、標準状態、例えば、プロパンのための60°F及び150psiに対する計測精度に影響する圧力及び温度の変化に感応しない。従来の容積式流量計は変位された液体の体積を計測することはできるが、その体積を標準体積、例えば、標準圧力及び温度の条件での対応する体積へ変換するのに利用できる情報は十分には存在しない。
【0007】
容積式流量計は現場条件下で壊れる又は故障することが多い。例えば、プロパンは潤滑性を欠くことで有名であり、プロパンを配送するのに使用される容積式流量計は、潤滑性欠如の結果として、所要の使用環境において急速に摩滅してしまう。配送されている物質の粒子が容積式流量計の可動部材を動かなくし、そのため、計測誤差を生む。また、容積式流量計は、圧力、温度及び配送されている物質の流体密度に感応しない。こうした条件が結び付きあい、現場での許容し得ない大きな計器不確定性をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
こうした分野では質量流量計は部分的にしか使用されないことが多い。これは、質量流量計が所要監督機関の認可を得ていなかったからである。質量流量計がこの使用環境で用いられてこなかった他の理由は、質量流量計が体積ではなく質量を測定するものであり、販売は体積によって行われなければならないという事実である。或る種の質量流量計、特にコリオリ流量計は密度の直接測定を実行するよう動作することができ、体積は質量/密度という指数として得ることができる。例えば、米国特許第4872351号は、未知の多層流体の密度をコリオリ流量計を用いて測定する正味オイル・コンピュータを開示している。米国特許第5687100号は、振動管密度計として動作する質量流量計において質量流量効果に対して密度の読みを補正するコリオリ効果密度計を開示している。
【0009】
コリオリ流量計は管を流れる物質の質量流量その他の情報を測定する。こうした質量流量計は米国特許第4109524号、4491025号及び再発行特許第31450号に記載されている。コリオリ流量計は直線状の又は曲がった形状の1つ以上の管を備える。コリオリ質量流量計を流れる物質の特性に関する情報は高精度で導出されなければならない。しばしば、導出される質量流量情報が0.15%よりも小さな誤差しか持たないことが要求されるからである。
【0010】
コリオリ流量計の出力信号は正弦波状であって、物質が流れる流量計によって生成されるコリオリの力によって決定される量だけ時間又は位相が変位される。こうしたセンサ出力信号を受け取る信号処理回路はこの時間差を精度よく測定し、流れているプロセス物質の所望の特性を0.15%よりも小さい所要誤差に対して生成する。
【0011】
プロパンの販売及び配送を規制する機関は、総体積と調整された体積(これは正味体積とも呼ばれる)とを提供するよう配送事業体に要求する。規制機関は総体積を用いて流量計の精度を試験し、その精度に基づいて流量計に認可を与え又は拒否する。
【0012】
顧客に配送する際、容積式流量計のような流量計システムは総体積を測定して提供する。次いで、流量計システムは1つ以上のファクタに基づいて総体積を調整し、調整された体積を得る。都合の悪いことに、流量計の校正がオフであったり流量計が故障していたりすると、調整された体積が総体積に基づいて計算されるとき、流量計によって作られた誤差は複合的になる。これは、プロパンの体積測定において許容できない誤差を生む結果となる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、コリオリ流量計からの質量流量から直接にプロパンの調整された体積を決定することによって、上記課題の解決を促進する。有利なことに、調整された体積を質量流量から決定することは、情報を増やし、メンテナンスを軽減し、精度を上げる。有利なことに、コリオリ流量計は路上での使用という厳しさに耐え、従来の流量計のように摩滅することがない。
【0014】
本発明の一例は、プロパンを顧客へ配送する方法を含む。輸送車両20がプロパンを顧客へ輸送する。輸送車両はプロパンを輸送車両から顧客に供給する。コリオリ流量計は、輸送車両がプロパンを顧客に供給するとき、プロパンの質量流量を測定する。コリオリ流量計はプロパンの質量流量に基づいて前記プロパンの総体積を決定し、該総体積を提供する。また、コリオリ流量計は、該質量流量と一定値とに基づいて、プロパンの調整された体積を決定し、調整された体積を提供する。一定値は基準温度におけるプロパンの密度に対応する。
【0015】
本発明の他の例は、プロパンを顧客へ配送する代替の方法を含む。輸送車両はプロパンを顧客へ輸送する。輸送車両はプロパンを輸送車両から顧客に供給する。コリオリ流量計は、輸送車両がプロパンを顧客に供給するとき、プロパンの質量流量を測定する。コリオリ流量計は、質量流量と一定値とに基づいて、プロパンの調整された体積を決定し、調整された体積を提供する。一定値は基準温度でのプロパンの密度に対応する。
【0016】
本発明の一つの特徴は、プロパンを配送する方法を含み、該方法は、
輸送車両を用いてプロパンを顧客へ輸送するステップと、
前記プロパンを前記輸送車両から前記顧客に供給するステップと、
前記プロパンが前記輸送車両から前記顧客に供給されているとき、コリオリ流量計によって前記プロパンの質量流量を測定するステップと、
前記質量流量に基づいて前記プロパンの総体積を決定し、前記総体積を提供するステップと、
前記質量流量と一定値とに基づいてプロパンの調整された体積を決定し、該調整された体積を提供するステップと、
を備え、前記一定値が基準温度でのプロパンの密度に対応する。
【0017】
好ましくは、前記方法は、プログラミング・インターフェースを介して前記一定値を調整するステップを更に備える。
好ましくは、前記一定値を調整するステップは、規制機関によって承認されたプロパン密度に基づいて前記一定値を調整することを含む。
【0018】
好ましくは、前記一定値を調整するステップは、国の地域によって承認されたプロパン密度に基づいて前記一定値を調整することを含む。
好ましくは、前記一定値を調整するステップは、州によって承認されたプロパン密度に基づいて前記一定値を調整することを含む。
【0019】
好ましくは、前記一定値を調整するステップは、プロパンの質に基づいて前記一定値を調整することを含む。
好ましくは、前記総体積は、プロパン密度に対する規制機関の要件を満足するものである。
【0020】
好ましくは、前記基準温度はほぼ60°Fを含む。
好ましくは、前記方法は、前記調整された体積に基づいて前記プロパンの請求書を発行するステップを更に備える。
【0021】
本発明の他の特徴は、プロパンを配送する方法を含み、該方法は、
輸送車両を用いてプロパンを顧客へ輸送するステップと、
前記プロパンを前記輸送車両から前記顧客に供給するステップと、
前記プロパンが前記輸送車両から前記顧客に供給されているとき、コリオリ流量計によって前記プロパンの質量流量を測定するステップと、
前記質量流量と一定値とに基づいてプロパンの調整された体積を決定するステップと、
を備え、前記一定値が基準温度でのプロパンの密度に対応する。
【0022】
好ましくは、前記方法は、前記一定値を入力するステップを更に備える。
好ましくは、前記一定値を入力するステップは、規制機関によって承認されたプロパン密度に基づいて前記一定値を入力することを含む。
【0023】
好ましくは、前記一定値を入力するステップは、国の地域によって承認されたプロパン密度に基づいて前記一定値を入力することを含む。
好ましくは、前記一定値を入力するステップは、州によって承認されたプロパン密度に基づいて前記一定値を入力することを含む。
【0024】
好ましくは、前記一定値を入力するステップは、プロパンの質に基づいて前記一定値を入力することを含む。
好ましくは、前記基準温度はほぼ60°Fを含む。
【0025】
好ましくは、前記方法は、前記調整された体積に基づいて前記プロパンの請求書を発行するステップを更に備える。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来のコリオリ流量計を示す図である。
【図2】本発明の一例としての、プロパンを顧客へ配送するための輸送車両を示す図である。
【図3】本発明の一例としての、プロパンを配送する方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一例としての、プロパンを配送する他の方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一例としてのコリオリ流量計を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の理解を助けるために従来のコリオリ流量計を示している。図2〜図5及び以下の説明は、本発明の最良の実施の形態を如何に製造し使用するかを当業者に教示するために本発明の特定の例を示している。発明の原理を教示する目的で、本発明における慣用的な特徴は簡略化され又は省略されている。当業者であれば、本発明の範囲内に入る例からの変形を理解するであろう。当業者であれば理解するように、以下に記述する特徴は本発明の種々の変形を形成するよう様々に組み合わされ得る。その結果、本発明は以下に記述する特定の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定される。
【0028】
従来のコリオリ流量計―――図1
図1は従来のコリオリ流量計5を示している。コリオリ流量計5はコリオリ流量計センサ10とコリオリ流量計電子装置20とを備える。コリオリ流量計電子装置20は経路100を介してコリオリ流量計センサ10に接続され、質量流量、密度、体積流量、総質量流量情報及び他の情報を経路26を介して提供する。これらの測定値を提供する種々の市販のコリオリ流量計はコロラド州ボールダのマイクロ・モーション社から購入することができる。
【0029】
コリオリ流量計センサ10は一対のフランジ101、101′、マニホールド102及び流管103A、103Bを備える。流管103A、103Bにはドライバ104、ピックオフ・センサ105、105′及び温度センサ107が接続されている。ブレース・バー106、106′は各流管103A、103Bが振動する軸W、W′を規定する。
【0030】
測定される物質を運ぶパイプライン・システム(図1には示されていない)にコリオリ流量計センサ10が挿入されると、物質はフランジ101を通ってコリオリ流量計センサ10に入り、マニホールド102を通過し、そこで方向を変えて流管103A、103Bに入り、流管103A、103Bを通過してマニホールド102に戻り、そこでフランジ101′を通ってコリオリ流量計センサ10から出る。
【0031】
流管103A、103Bはそれぞれ、曲げ軸W−W、W′−W′に関して同一の質量分布、慣性モーメント及び弾性係数を持つよう選択され且つ適切にマニホールド102に取り付けられる。流管103A、103Bは本質的に平行にマニホールド102から外側へ延びる。
【0032】
流管103A、103Bは、ドライバ104によって各曲げ軸W、W′に関していわゆる流量計の第1位相はずれ曲げモードで駆動される。ドライバ104は多くの周知の装置のうちの1つであってよく、例えば、流管103Aに取り付けられた磁石と、流管103Bに取り付けられ且つ両流管を振動させるために交流電流が通される対向コイルである。コリオリ流量計電子装置20はリード線110を介してドライバ104に適切な駆動信号を印加する。
【0033】
ピックオフ・センサ105、105′は、流管103A、103Bの振動を測定するために、流管103A、103Bのうちの少なくとも一方の対向端に固定される。流管103A、103Bが振動すると、ピックオフ・センサ105は第1のピックオフ信号を生成し、ピックオフ・センサ105′は第2のピックオフ信号を生成する。第1のピックオフ信号はリード線111に印加され、第2のピックオフ信号はリード線111′に印加される。
【0034】
温度センサ107は流管103A、103Bのうちの少なくとも一方に固定される。温度センサ107は、システムの温度のための式を修正するために、流管の温度を測定する。経路112は温度信号を温度センサ107からコリオリ流量計電子装置20へ運ぶ。
【0035】
コリオリ流量計電子装置20はリード線111に現れる第1のピックオフ信号とリード線111′に現れる第2のピックオフ信号を受け取る。コリオリ流量計電子装置20は第1と第2のピックオフ信号を処理し、コリオリ流量計センサ10を通過する物質の質量流量、密度又は他の特性を計算する。この計算された情報は経路26を介してコリオリ流量計電子装置20により利用手段(図1には図示せず)に印加される。
【0036】
プロパンの配送―――図2〜図4
図2は、本発明の一例における、顧客202へプロパンを配送するための輸送車両200を示している。輸送車両200はプロパン・タンク210、コリオリ流量計212及びホース214を備える。また、輸送車両200はポンプ、フィルタ、弁、校正系又は他の機構を備えることができるが、これらは説明を簡単にするために省略されている。顧客202はプロパン・タンク220を有する。ホース214はタンク210からタンク220へプロパンを供給するよう結合される。
【0037】
以下の定義は本発明を理解する助けになるであろう。輸送車両はプロパンを輸送することができる任意の車両、例えば、ボブテイル型トラック、トラクタ型トラック等を含む。顧客はプロパンの供給を受ける人間又は事業体を含む。規制機関はプロパンの販売又は取引に関係する任意の法律、規則又はガイドラインを可決し、実施し又は解釈する任意の個人又は団体を含む。規制機関の一例は州の農務局である。
【0038】
図3は、図2の顧客202へプロパンを配送する方法300を示している。ステップ302において、輸送車両200はプロパンを顧客202へ輸送する。プロパンの輸送は、輸送車両200を路上で走行させて顧客202の場所に到着することを含む。ステップ304において、輸送車両200はプロパンを輸送車両200から顧客202に供給する。プロパンの供給は、ホース214をタンク220に接続してタンク210からタンク220へのプロパンの流れを開始させることを含む。ステップ306において、コリオリ流量計212は輸送車両200がプロパンを顧客202に供給するときにプロパンの質量流量を測定する。コリオリ流量計212は、ステップ308において、プロパンの質量流量に基づいてプロパンの総体積を決定する。若干の例においては、コリオリ流量計212は供給されているプロパンの密度をも測定し、プロパンの質量流量と測定された密度とに基づいて総体積を決定してもよい。総体積はプロパン配送の規制機関の要件を満たすためのものである。例えば、農務局は全プロパン配送ユニットが総体積測定を行うことができることを求める。コリオリ流量計212は総体積を提供する。総体積の提供は、インターフェースを介して総体積を表示し、総体積を印字し、又は総体積を他のシステムへ転送することを含む。
【0039】
また、コリオリ流量計212は、ステップ310において、質量流量と一定値とに基づいて、プロパンの調整された体積を決定する。一定値は基準温度でのプロパンの密度に対応する。基準温度は60°Fである。コリオリ流量計212は調整された体積を提供する。調整された体積の提供は、調整された体積をインターフェースを介して表示し、総体積を印字し、又は総体積を他のシステムへ転送することを含む。当業者であれば、この開示に基づいて、現存のプロパン配送方法を方法300を実行するように如何に修正するかを理解することができる。
【0040】
本発明の一例においては、一定値は、規制機関、州又は国(例えば米国)の一地域によって承認された基準温度での基準密度を含む。例えば、ニューヨーク州はプロパンに対しては60°Fにおける509kg/mという基準密度を承認するが、カリフォルニア州はプロパンに対して60°Fにおける510kg/mという基準密度を承認する。
【0041】
本発明の他の例においては、輸送車両200から供給されたプロパンの販売者は、コリオリ流量計212によって決定された調整された体積に基づいて、プロパンの請求書を発行することになる。
【0042】
図4は、プロパンを顧客202に供給する代替の方法400を示している。ステップ402において、輸送車両200はプロパンを顧客202へ輸送する。ステップ404において、輸送車両200はプロパンを輸送車両200から顧客202に供給する。プロパンの供給は、ホース214をタンク220に接続し、タンク210からタンク220へのプロパンの流れを開始させることを含む。ステップ406において、コリオリ流量計212は輸送車両200がプロパンを顧客202に供給するときにプロパンの質量流量を測定する。コリオリ流量計212は、ステップ408において、質量流量と一定値とに基づいて、プロパンの調整された体積を決定する。一定値は、基準温度でのプロパンの密度に対応する。コリオリ流量計212は調整された体積を提供する。調整された体積の提供は、調整された体積をインターフェースを介して表示し、調整された体積を印字し、又は調整された体積を他のシステムへ転送することを含む。当業者であれば、この開示に基づいて、現存のプロパン配送方法を方法400を実行するように如何に修正するかを理解することができる。
【0043】
コリオリ流量計―――図5
図5は、本発明の一例としてのコリオリ流量計500のブロック・ダイアグラムを示している。コリオリ流量計500は流量計電子装置530、流量計センサ532及びプログラミング・インターフェース534を備える。流量計センサ532は図1のコリオリ流量計センサ10と同じであってよい。流量計電子装置530は、プロパンが流量計センサ532を通って流れているときに流量計センサ532からピックオフ信号を受け取るよう構成されている。また、流量計電子装置530はピックオフ信号を処理してプロパンの質量流量を決定するよう構成されている。さらに、流量計電子装置530はプロパンの質量流量に基づいてプロパンの総体積を決定するよう構成されている。また、流量計電子装置530は、質量流量と一定値とに基づいてプロパンの調整された体積を決定するよう構成されている。
【0044】
プログラミング・インターフェース534によって、ユーザーは、調整された体積を決定するよう、一定値を入力し、又は流量計電子装置530によって用いられる一定値を調整することができる。ユーザーは多くの理由で一定値の調整を望む。例えば、規制機関、州又は国の地域は基準温度でのプロパンの或る基準密度を承認することがある。こうした場合、ユーザーは、プログラミング・インターフェース534を用いて、当該地域に対する基準密度に基づいて一定値を調整する。また、ユーザーは、供給されているプロパンの質に基づいて一定値を調整することを望むこともある。ユーザーはコリオリ流量計500を校正するために一定値を調整してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロパンを測定する方法であって、
コリオリ流量計によって前記プロパンの質量流量を測定するステップと、
前記質量流量に基づいて前記プロパンの総体積を決定して前記総体積を提供するステップと、
前記質量流量と一定値とに基づいて前記プロパンの調整された体積を決定し、前記の調整された体積を提供するステップと、
を備え、前記一定値が、基準温度でのプロパンの所望の密度に対応するよう調整可能であることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記一定値をプログラミング・インターフェースを介して調整するステップを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一定値を調整する前記ステップが、規制機関によって承認されたプロパン密度に基づいて前記一定値を調整するステップを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記一定値を調整する前記ステップが、国の地域によって承認されたプロパン密度に基づいて前記一定値を調整するステップを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記一定値を調整する前記ステップが、州によって承認されたプロパン密度に基づいて前記一定値を調整するステップを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記一定値を調整する前記ステップが、前記プロパンの質に基づいて前記一定値を調整するステップを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記総体積を提供するステップが、プロパン配送のための規制機関の要件を満たすためのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基準温度がほぼ60°Fを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記の調整された体積に基づいて前記プロパンの請求書を発行するステップを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
プロパンを測定する方法であって、
コリオリ流量計によって前記プロパンの質量流量を測定するステップと、
前記質量流量と一定値とに基づいて前記プロパンの調整された体積を決定するステップと、
を備え、前記一定値が、基準温度でのプロパンの所望の密度に対応するよう調整可能であることを特徴とする方法。
【請求項11】
前記一定値をプログラミング・インターフェースを介して入力するステップを更に備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記一定値を入力する前記ステップが、規制機関によって承認されたプロパン密度に基づいて前記一定値を入力するステップを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記一定値を入力する前記ステップが、国の地域によって承認されたプロパン密度に基づいて前記一定値を入力するステップを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記一定値を入力する前記ステップが、州によって承認されたプロパン密度に基づいて前記一定値を入力するステップを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記一定値を入力する前記ステップが、プロパンの質に基づいて前記一定値を入力するステップを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記基準温度がほぼ60°Fを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記の調整された体積に基づいて前記プロパンの請求書を発行するステップを更に備える、請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−209289(P2011−209289A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121801(P2011−121801)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【分割の表示】特願2004−539838(P2004−539838)の分割
【原出願日】平成15年8月21日(2003.8.21)
【出願人】(592225504)マイクロ・モーション・インコーポレーテッド (95)
【氏名又は名称原語表記】Micro Motion Incorporated
【Fターム(参考)】