説明

コリメータ及びX線コンピュータ断層撮影装置

【課題】格子状のコリメータにおいて同一点に対する照準性又は集束性を向上すること。
【解決手段】コリメータ13は、円環の一部分の形状を有するコリメータフレーム16と、コリメータフレームに支持され、円環の円周方向に沿って放射状に配列され、放射線に対して遮蔽性を有する複数のチャンネル隔壁板31と、チャンネル隔壁板各々の表面に放射状に設けられた複数のガイド溝35と、複数のガイド溝に支持され、チャンネル隔壁板の間隙各々に放射状に配列され、放射線に対して遮蔽性を有する複数のスライス隔壁板33とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、コリメータ及びX線コンピュータ断層撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線コンピュータ断層撮影装置等のX線検出器には、X線に対して各検出素子を分離するとともに、入射X線方向を制限することにより散乱線を除去し直接線の検出能を向上するためにコリメータが装備される。近年、2次元アレイ型のX線検出器の普及が進んでいる。この2次元アレイ型のX線検出器は、検出素子列(セグメントともいう)を比較的少数、典型的には、4列並べたものが普及している。しかし、最近では、シンチレータ素子とフォトダイオード素子を組み合わせた固体検出素子、又はX線を電荷に直接的に変換するセレン等の固体検出素子の採用により、64列、さらにそれを越える列数を持った広視野のX線検出器が登場している。このような2次元アレイ型のX線検出器に適用するコリメータは、X線遮蔽金属粉を混合した軟材板を格子状に型抜きした格子板を湾曲させたものが想定されている。
【0003】
しかし、このような構造を有するコリメータでは格子で区画された複数のコリメート領域の照準をX線焦点に集束させることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−195235号公報
【特許文献2】特開2010−223836号公報
【特許文献3】特開2003−149348号公報
【特許文献4】特開2000−338254号公報
【特許文献5】特開平02−253200号公報
【特許文献6】特開2008−89341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、格子状のコリメータの照準性又は集束性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係るコリメータは、円環の一部分の形状を有するコリメータフレームと、前記コリメータフレームに支持され、前記円環の円周方向に沿って放射状に配列され、放射線に対して遮蔽性を有する複数の第1隔壁板と、前記第1隔壁板各々の表面に放射状に設けられた複数のスライス隔壁ガイド溝と、前記複数のスライス隔壁ガイド溝に支持され、前記第1隔壁板の間隙各々に放射状に配列され、前記放射線に対して遮蔽性を有する複数の第2隔壁板とを具備する。
【発明の効果】
【0007】
格子状のコリメータはその照準性又は集束性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係るコリメータの外観を示す図である。
【図2A】図1のコリメート領域の照準を示す図である。
【図2B】図2Aのコリメートラインを示す図である。
【図2C】図1のチャンネル隔壁板の配列を示す図である。
【図2D】図1のスライス隔壁板の配列を示す図である。
【図3】図1のコリメータフレームを示す図である。
【図4】図3のコリメータフレームの上部/下部フレームのガイド溝を示す図である。
【図5】図4のコリメータフレームに装着されるチャンネル隔壁板とスライス隔壁板の装着を示す図である。
【図6】図5のチャンネル隔壁板に対するスライス隔壁板の挿入方向を示す図である。
【図7A】図1のチャンネル隔壁板とスライス隔壁板との格子構造に関する部分拡大図(平面図)である。
【図7B】図1のチャンネル隔壁板とスライス隔壁板との格子構造に関する部分拡大図(斜視図)である。
【図8A】図6のスライス隔壁板の平面図である。
【図8B】図6のチャンネル隔壁板の平面図である。
【図9】図6のチャンネル隔壁板に形成されたガイド溝の拡大図である。
【図10】図9のコリメートラインの照準を示す図である。
【図11】図1のチャンネル隔壁板とスライス隔壁板との格子構造に関する部分拡大図(斜視図)である。
【図12】本実施形態のコリメータを構成する外側/内側突当板の外観を示す図である。
【図13】本実施形態に係るコリメータを備えたX線コンピュータ断層撮影装置全体の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係るコリメータを説明する。図13に示すように本実施形態に係るコリメータ13は、後述するように、円環の一部分の形状を有する単一のコリメータフレーム16を有する。このコリメータフレーム16には直接的に複数のチャンネル隔壁板31が支持される。複数のチャンネル隔壁板31は、コリメータフレーム16の円環の円周方向に沿って放射状に配列される。配列されたチャンネル隔壁板31の間隙各々には、台形短冊形状を有するスライス隔壁板33が円環の円周方向及び半径方向に略直交する方向に沿って放射状に配列される。
【0010】
本実施形態に係るコリメータ13は、典型的には、X線コンピュータ断層撮影装置の2次元アレイ型のX線検出器に装備される。X線コンピュータ断層撮影装置は、架台部(ガントリともいう)100を主要構造物として有する。架台部100は回転リング102を有し、この回転リング102にコーンビーム形X線管101とX線検出器11とが対向して配置されている。X線検出器11にはコリメータ13が取り付けられる。コリメータ13の詳細は後述する。X線管101は、高電圧発生器109から周期的に発生される高電圧パルスを受けて、X線を発生する。X線検出器11は、電離箱形検出器箱又は半導体検出器で構成される。半導体X線検出器であれば、コーンビームの頂点(X線焦点F)を中心として円弧状に複数のX線検出素子が配列され、さらにこのX線検出素子列が回転リング102の回転軸と略平行な方向に沿って複数並列されている。X線検出器11には、一般的にDAS(data acquisition system) と呼ばれているデータ収集システム104が接続されている。このデータ収集システム104には、X線検出器11の各チャンネルの電流信号を電圧に変換するI−V変換器と、この電圧信号をX線の曝射周期に同期して周期的に積分する積分器と、この積分器の出力信号を増幅するアンプと、このプリアンプの出力信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル・コンバータとが、チャンネルごとに設けられている。データ収集システム104には非接触データ伝送装置105を介して前処理部106が接続される。前処理部106は、このデータ収集システム104で検出された投影データに対して、チャンネル間の感度不均一を補正したり、またX線強吸収体、主に金属部による極端な信号強度の低下又は信号脱落を補正する等の前処理を実行する。前処理部106で補正を受けた投影データは記憶装置112に記憶される。再構成処理部118は、任意のコーンビーム画像再構成アルゴリズムにより記憶された投影データに基づいてCT値の3次元分布を表すボリュームデータを再構成する。コーンビーム画像再構成アルゴリズムの典型的な例としては重み付きフェルドカンプ法(Feldkamp method)がある。このフェルドカンプ法は、ファンビームコンボリューション・バックプロジェクション法をもとにした近似的再構成法であり、コンボリューション処理は、コーン角が比較的小さいことを前提として、データをファン投影データと見なして行われる。しかし、バックプロジェクション処理は、実際のレイ(ray)に沿って行われる。
【0011】
図示しない画像処理部においてボリュームデータはレンダリング処理又は断面変換処理(MPR)等により2次元座標系で表現された画像データに変換される。画像データは表示装置116に表示される。ホストコントローラ110は、投影データの収集動作、つまりスキャンを実行させるために、回転リング102を定速で安定的に回転させるために架台駆動部107を制御し、スキャン期間中にX線管101からX線を発生させるために高電圧発生器109を制御し、X線発生に同期してデータ収集システム104等を制御する等のスキャンに関わるコントロールを統括している。
【0012】
図1に示すように、2次元アレイ型のX線検出器11は、典型的には、複数のX線検出素子がX線焦点を中心として円弧状に一列に配列され、このX線検出素子列がZ軸方向(スライス方向)にそって複数並設される。なおX線検出素子列内の検出素子の配列方向を、チャンネル方向という。
【0013】
2次元アレイ型のX線検出器11のX線源側には、複数の検出素子を個々に光学的に分離するとともに、入射方向を制限することにより散乱線を除去し直接線の検出能を向上するためにスライス方向とチャンネル方向との2方向に関してX線遮蔽板(隔壁板)が格子状に組まれたコリメータ13が装備される。
【0014】
ここで、従来のコリメータは、同一構造の複数のコリメータモジュールを有する。複数のコリメータモジュールはX線焦点を中心に多角形状に配列される。各モジュールは、部分的なマトリクス(ここではn×mチャンネルと仮定する)をカバーする。mはスライス方向のチャンネル数、nはX線検出器11のスライス方向に関する全チャンネル数Nをコリメータモジュール数で除算した数である。各モジュールは、チャンネル方向に関して検出素子を分離するために(n+1)枚の平板形のチャンネル隔壁板を有する。(n+1)枚のチャンネル隔壁板は、モジュールフレームにチャンネル方向に沿って少しずつ取付角度を変えながら配列される。また各モジュールは、スライス方向に関して検出素子を分離するために(m+1)枚のスライス隔壁板を有する。各スライス隔壁板は、nチャンネル分の感度幅をカバーする幅の櫛形を有し、(n+1)枚のチャンネル隔壁板に共通して差し込まれる。そのためチャンネル隔壁板とスライス隔壁板とに囲まれた(n×m)個のコリメート領域はその中央チャンネルではX線焦点に照準するが、他の多くのコリメート領域の照準はX線焦点から外れてしまう。この不具合はスライス方向に関するチャンネル数が増加するほど顕著になる。またコリメータモジュールの接合部分で感度低下を招来させてしまい、また高速回転に伴う遠心力による応力がコリメータモジュールの接合部分に集中して感度分布を不均一にすることも懸念される。本実施形態では、このような不具合を解消することを可能にする。
【0015】
コリメータ13は、従来のように個々に組み立てた複数のモジュールを円弧状に配列したものではなく、X線のファン角に応じた全体を一体構造で組み立てることができるものである。しかも複数のコリメート領域の全てが正確にX線焦点Fに照準させることができるようにチャンネル方向とスライス方向との2方向に一定の曲率を持たせることができる構造を実現している。なお、コリメート領域はコリメータ13を構成する縦横の隔壁板で囲まれる領域をいい、コリメート領域の一方の端面の中心と他方の端面の中心とを結んだ線をコリメートラインという。コリメートラインはコリメート領域の指向性を示す。
【0016】
図2A、図2B、図2C、図2Dに示すように、コリメータ13は、放射線、ここではX線に対して遮蔽性を有する複数のチャンネル隔壁板31と複数のスライス隔壁板33とを主要構成要素として備える。チャンネル隔壁板31とスライス隔壁板33とは、X線遮蔽性を有する薄板から形成される。チャンネル隔壁板31は、チャンネル方向に関してX線検出器11の検出素子を光学的に分離する。スライス隔壁板33は、スライス方向に関してX線検出器11の検出素子を光学的に分離する。チャンネル隔壁板31とスライス隔壁板33とは格子状に組まれる。
【0017】
複数のチャンネル隔壁板31は複数のスライス隔壁板33とともに複数のコリメート領域を区画する。複数のコリメート領域は複数の検出素子にそれぞれ対応する。複数のコリメート領域が同一点、ここではX線焦点Fに照準するように、複数のチャンネル隔壁板31と複数のスライス隔壁板33とがアセンブルされる。
【0018】
コリメータ13は、コリメータフレーム16を有する。コリメータフレーム16は、図3に示すように、上部フレーム17と下部フレーム19とを有する。上部フレーム17は、円環状板の一部形状を有する。下部フレーム19は、上部フレーム17と同一形状を有する。上部/下部フレーム17、19の円環の半径は、X線検出器11に組み付けられ、回転リング102に搭載されたコリメータフレーム16と、コーンビーム形X線管101のX線焦点Fとの距離にほぼ等価である。上部フレーム17と下部フレーム19とは、側部フレーム21、23により平行に保持される。上部フレーム17と下部フレーム19との間隔は、後述するチャンネル隔壁板ガイド溝の長さ、より具体的にはX線検出器11のスライス方向に関する感度幅にほぼ等価である。
【0019】
図4に示すように、下部フレーム19には複数のガイド溝(チャンネル隔壁板ガイド溝という)25が形成されている。複数のチャンネル隔壁板ガイド溝25は、一定の間隔でX線焦点Fを中心としてチャンネル方向に関し放射状に形成される。換言すると、複数のチャンネル隔壁板ガイド溝25は、X線焦点Fを中心とした円環の半径方向に沿って形成される。図2Cに示すように、チャンネル方向に隣り合うコリメートライン同士のなす角度として定義される拡がり角Δθ1が一定となるように複数のチャンネル隔壁板ガイド溝25は整然と配列される。同様に上部フレーム17にも複数のチャンネル隔壁板ガイド溝27が形成されている。
【0020】
図5に示すように、複数のチャンネル隔壁板ガイド溝25には複数のチャンネル隔壁板31が支持され、エポキシ系接着剤で固定される。チャンネル隔壁板31は、フレーム17、19に対して垂直に設けられる。図2Cに示すように、複数のチャンネル隔壁板31は、複数のチャンネル隔壁板ガイド溝25に従って、一定の間隔でX線焦点Fを中心としてチャンネル方向に関して放射状に配列される。換言すると、各チャンネル隔壁板31は、X線焦点Fを中心とした円環の半径方向に沿って配置される。
【0021】
図8Bに示すように、チャンネル隔壁板31は遮蔽性を有する四角形の薄板であり、各チャンネル隔壁板31の表面と裏面それぞれには、複数のスライス隔壁板ガイド溝35が形成されている。複数のスライス隔壁板ガイド溝35は、全て同一形状、同一サイズを有する。複数のスライス隔壁板ガイド溝35は、一定の間隔でX線焦点Fを中心として、スライス方向に関して放射状に配列される。図2Dに示すように、スライス方向に隣り合うコリメートライン同士のなす角度として定義される拡がり角Δθ2は一定に設定される。
【0022】
スライス隔壁板ガイド溝35は、図7A、図7B、図8B、図9に示すように、チャンネル隔壁板31の表面に直接的に成形された樹脂製又は金属製の一対のガイドレール41により構成される。スライス隔壁板ガイド溝35は、チャンネル隔壁板31の表面切削により形成されたへこみであってもよい。ここでは前者で説明する。最端のレールは図7Aに示すようにフレーム17、19に対するストッパーレール39として用いられる。
【0023】
図8Aに示すように、スライス隔壁板33は、X線遮蔽性を有する材料から構成された台形の短冊形状を有する薄板である。全てのスライス隔壁板33は、同一形状、同一サイズを有する。
【0024】
図6に示すように、隣り合うチャンネル隔壁板31の間隙それぞれには、複数のスライス隔壁板33がスライス隔壁板ガイド溝35に支持され、エポキシ系接着剤又はレーザ溶接により固定される。スライス隔壁板33は、チャンネル隔壁板31に対して垂直に設けられる。図2D、図10に示すように、複数のスライス隔壁板33は、複数のスライス隔壁板ガイド溝35に従って、一定の間隔でX線焦点Fを中心としてスライス方向沿って放射状に配列される。
【0025】
図11に示すように、コリメータ13は、格子状に組まれる複数のチャンネル隔壁板31と複数のスライス隔壁板33とを有する。チャンネル隔壁板31は、一定の角度間隔Δθ1を隔てて、チャンネル方向にそって放射状に配列される(図2C参照)。複数のスライス隔壁板33は、チャンネル隔壁板31の間隙各々に配置される。複数のスライス隔壁板33は、一定の角度間隔Δθ2を隔てて、スライス方向にそって放射状に配列される(図2D参照)。複数のチャンネル隔壁板31と複数のスライス隔壁板33とは、複数の角錐形のコリメート領域を区画する。複数のコリメート領域にそれぞれ対応する複数のコリメートラインは、一点(X線焦点F)に集束する。この集束性は、複数のチャンネル各々に入射する散乱線を大幅に減少させて、診断画像精度を飛躍的に向上させることを可能にする。
【0026】
この集束性は、平板形状を有するチャンネル隔壁板31とスライス隔壁板33との組み立てにより達成できる。換言すると、チャンネル隔壁板31とスライス隔壁板33を湾曲、曲げ、捻り、溶接などの機械的加工を不要にするので、それらに起因する強度低下、応力集中を解消できる。また歪み、曲がり、ねじれを大きく軽減出来る。さらに上記集束性は、コリメータ13を複数のモジュールの組み合わせにより構成したものではなく、一体構成により獲得できる。モジュール接合部分等に過度の応力がかかって部分的な歪みを生じさせたり、またモジュール接合部分で散乱線除去精度が大きく変化する等の不具合もなく、チャンネル方向及びスライス方向の両方向に関して出力特性の連続性を獲得することができる。
【0027】
格子状に組まれたチャンネル隔壁板31とスライス隔壁板33は、内側突当板と外側突当板とにより内側と外側とから支持される。内側突当板と外側突当板とは、チャンネル隔壁板31とスライス隔壁板33との格子形状の維持を担保する。図12に内側突当板の外観を示す。外側突当板は、内側突当板と相似形状を有する。突当板はX線透過性を有する例えばアクリル樹脂の湾曲した薄板で構成される。内側突当板の外表面にはチャンネル隔壁板31とスライス隔壁板33とを受ける溝部51が縦横に形成されている。チャンネル隔壁板31とスライス隔壁板33とは溝部51にはめ込まれる。外側突当板の内表面にも同様に、チャンネル隔壁板31とスライス隔壁板33とを受ける溝部が縦横に形成されている。突当板は、組み立て工程途中で取り外されてもよい。完成したコリメータ13は突当板を装備しないかもしれない。
【0028】
チャンネル隔壁板31は、X線遮蔽性を有する薄い例えばモリブデン原板から長方形に切り出される。モリブデン板表面に樹脂剤によりガイドレールが成形される。スライス隔壁板33は、X線遮蔽性を有する薄い例えばモリブデン原板から成型される
コリメータフレーム16の内側に内側突当板45が接着剤及びねじ締めにより固定される。チャンネル隔壁板31がチャンネル隔壁板ガイド溝25に挿入され、内側突当板45に突き当てられ、例えば接着剤により固定される。コリメータフレーム16に固定されたチャンネル隔壁板31のスライス隔壁板ガイド溝35にスライス隔壁板33が挿入され、外側突当板43で押しつけられる。外側突当板43がコリメータフレーム16にねじ締めにより固定される。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0030】
11…X線検出器、13…コリメータ、15…X線管、31…チャンネル隔壁板、33…スライス隔壁板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円環の一部分の形状を有するコリメータフレームと、
前記コリメータフレームに支持され、前記円環の円周方向に沿って放射状に配列され、放射線に対する遮蔽性を有する複数の第1隔壁板と、
前記第1隔壁板各々の表面に放射状に設けられた複数のスライス隔壁ガイド溝と、
前記複数のスライス隔壁ガイド溝に支持され、前記第1隔壁板の間隙各々に放射状に配列され、前記放射線に対する遮蔽性を有する複数の第2隔壁板とを具備するコリメータ。
【請求項2】
前記第1隔壁板は、前記第2隔壁板とともに、複数のコリメート領域を設け、
前記複数のコリメート領域にそれぞれ対応する複数のコリメートラインは一点に集中する請求項1記載のコリメータ。
【請求項3】
前記コリメート領域は、角錐形状を有する請求項2記載のコリメータ。
【請求項4】
前記第2隔壁板は、短冊形状を有する請求項1記載のコリメータ。
【請求項5】
前記第2隔壁板は、台形短冊形状を有する請求項1記載のコリメータ。
【請求項6】
前記全ての第2隔壁板は、同一形状を有する請求項1記載のコリメータ。
【請求項7】
前記スライス隔壁ガイド溝は、前記第1隔壁板の表面に形成されたガイドレールにより設けられる請求項1記載のコリメータ。
【請求項8】
前記スライス隔壁ガイド溝は、前記第1隔壁板の表面切削により形成される請求項1記載のコリメータ。
【請求項9】
前記第2隔壁板は、前記第1隔壁板に対してエポキシ系接着剤により固定される請求項1記載のコリメータ。
【請求項10】
前記コリメータフレームの表面に放射状に設けられた複数のチャンネル隔壁ガイド溝をさらに備え、
前記第1隔壁板は、前記チャンネル隔壁ガイド溝に支持される請求項1記載のコリメータ。
【請求項11】
前記第1隔壁板は、前記コリメータフレームに対してエポキシ系接着剤により固定される請求項10記載のコリメータ。
【請求項12】
前記第1、第2隔壁板はそれぞれ一定の角度間隔で配列される請求項1記載のコリメータ。
【請求項13】
前記第1隔壁板は同一の形状を有する請求項1記載のコリメータ。
【請求項14】
前記コリメータフレームの内側に設けられ、前記第1、第2隔壁板を整列するための内側突当板をさらに備える請求項1記載のコリメータ。
【請求項15】
前記コリメータフレームの外側に設けられ、前記第1、第2隔壁板を整列するための外側突当板をさらに備える請求項14記載のコリメータ。
【請求項16】
前記内側突当板と前記外側突当板にはそれぞれ前記第1隔壁板と前記第2隔壁板とを受ける溝部が形成されている請求項15記載のコリメータ。
【請求項17】
X線源と、
前記X線源のX線焦点から発生され、被検体を透過するX線を検出するための複数のX線検出素子を有するX線検出器と、前記複数のX線検出素子はチャンネル方向とスライス方向とに関して配列される、
前記X線検出器に装着されるコリメータと、
前記X線検出器の出力に基づいて前記被検体に関する画像データを再構成する再構成部とを具備し、
前記コリメータは、
円環の一部分の形状を有するコリメータフレームと、
前記コリメータフレームに支持され、前記円環の円周方向に沿って放射状に配列され、放射線に対する遮蔽性を有する複数の第1隔壁板と、
前記第1隔壁板各々の表面に放射状に設けられた複数のスライス隔壁ガイド溝と、
前記複数のスライス隔壁ガイド溝に支持され、前記第1隔壁板の間隙各々に放射状に配列され、前記放射線に対する遮蔽性を有する複数の第2隔壁板とを有するX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項18】
前記第1隔壁板は、前記第2隔壁板とともに、複数のコリメート領域を設け、
前記複数のコリメート領域にそれぞれ対応する複数のコリメートラインは一点に集中する請求項17記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項19】
前記第2隔壁板は、台形短冊形状を有する請求項17記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項20】
前記スライス隔壁ガイド溝は、前記第1隔壁板の表面に形成されたガイドレールにより設けられる請求項17記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−152550(P2012−152550A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−1489(P2012−1489)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(502390441)東芝メディカル製造株式会社 (3)
【Fターム(参考)】