説明

コルク板状材及びこれを製造する方法

本発明は商業室内空間などに適用する時、コルク特有の機能は損なわないながら、コルク表面の複数の形而上学的な溝に残存する(超)微細粉末(粒子)が導出されないコルク板状材を製造する方法に関する。本発明による方法は(a)コルク板状材の基材の一面または両面ともに接着剤を塗布した後、コルク柄紙を熱圧縮させて接着させた後コルク柄紙表面を研磨及びブラッシングする段階、(b)段階(a)を経た後、コルク柄紙表面に形成された複数の形而上学的な溝にある微細コルク粉末をエア真空吸着によって除去する段階、(c)段階(b)からのコルク柄紙表面に形成された複数の形而上学的な溝を洗浄してコルク柄紙表面に形成された複数の形而上学的な溝に残存する微細コルク粉末を除去する段階、(d)形而上学的な溝を着色組成物でローラーコースターによって圧着含浸して埋めながら平坦に着色するか、着色組成物中で充填材である炭酸カルシウムを除外させて均等に着色のみしてグラビア印刷ローラーまたはスプレーで印刷またはトップコーティングした後、エンボスローラーを通過させる段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多機能性のコルクを活用して人々の健康や室内衛生に、より有益で、住宅、商業室内空間や各種家具の収納空間に適用する時、多様で超現代的なインテリア効果とともに、衛生的で健康的な生活空間と生活用品の収納空間を創出するコルク板状材及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コルクはコルククヌギ皮の表皮、皮層、1次篩部、2次篩部の中の皮層で形成される多孔質細胞で、1cm当たりに蜂の巣状の多孔質細胞が約4200万個で形成され、化学的な組成は木質部にあるセルローズがほとんどなく、大部分の脂肪酸と少量のリグニン、灰分、樹脂及び炭水化物を含有する天然物質である。多孔質細胞からなるコルクの特徴は不透過性で、弾力性及び柔軟性のある隔室であり、集成体は10%に希薄された加熱塩酸にも浸透されないほどで、液体が通過できない。化学的には不活性で弱酸、弱塩基または大部分の有機溶剤によって損傷されない。従来のコルクの機能は防音、吸音、弾力性、熱絶縁体、柔軟性などの機能を活用して酒類の瓶の栓、靴底、メモ板、器受け、海上安全服、防音壁などの用途で使われている。
【0003】
既存に製造して使われてきたコルク壁紙は印刷処理された紙に接着剤を塗布した後、熱高圧縮によって焼成された所定規格のブロックからバンドナイフで0.5mm〜2mm厚さで剥がしたコルク柄木切れ(190mm×190mm)を手動で重ねて載せた後、熱ローラーで圧着、乾燥して熟成させた後、研磨紙が付着されている研磨ローラーを利用してコルク面を均等に整理、裁断、包装して完成した。
【0004】
このように生産されたコルク壁紙は、天然色と質感をそのまま表し、一部分は高級で、また燃焼の時、有毒ガスがないなどの長所があるが、コルク表面色が暗い茶色で室内が暗く、コルク柄木の溝があまりにも大きくて紙に印刷された色で案出されて異質感が感じられ、柄連結部位や重なる部位が膨れ上がり、深い溝などで紙が頻繁に破れることから、頻繁に不良が発生し、生産量もやはり限界があった。また、印刷ローラーを利用して白色顔料を塗布するが、コルク自体に吸収される量は多いが、コルク表面の複数の形而上学的な微細な深い溝には着色されなくて、自然のコルク柄が隠蔽される弊害と、背景が濃い茶色で所望の白色を得ることが難しく、追加的なデザイン印刷も背景の茶色明暗度によって酷い異色とコルク柄連結部位に平滑度不良で印刷が困難であり、室内に付着して使用する時、触ったり衝撃を与えると微細なコルク粉末が持続的に導出されて掃除などの問題があり、不便であった。
【0005】
従来使われてきた家具収納材は印刷されたビニールシート、模様紙にメラミン樹脂を含浸して、乾燥されたものなどを板材の両面、または一面に積層して、使用時、有害な臭いがあり、質感が単調で、且つ湿度調節機能が全くないことから、カビ、細菌、害虫の生息などの問題点があり、廃棄する時、環境への被害が莫大であった。
【0006】
本出願人の登録特許第10−0222241号(1999.7.2、発明の名称:コルク板状材及びその製造方法)にはコルクを構成要素として、防音、吸音、弾力性などの機能を有するコルクの長所を活用して遠赤外線放射能力、防菌、防虫、抗カビ、脱臭能力を有するコルク板状材を製造する方法が開示されている。
【0007】
この特許文献に開示されたコルク板状材は、板状材にコルク柄木やコルク板を接着させてコルク表面を研磨した後、軟性アクリルUV塗料を使ってコルク柄木の特有の複数の形而上学的溝をローラーの正回転及び逆回転の繰り返しコーティングによって溝を一遍に平坦に埋め、紫外線で乾燥した後、再研磨、再塗装して製造される。
【0008】
このような工程を経て製造されたコルク板状材は耐久性、耐磨耗性など様々な長所があるが、コーティング費用が高すぎ、コルクの最大長所の一部を消滅するか顕著に減少させる問題があり、また単純な濃い茶色で視覚的美感が低下し、廃棄する時、コーティング材による環境の問題も未だに克服されていなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は従来技術の問題点を解決するために案出されたもので、本発明の目的は、例えば住宅、商業室内空間などへ適用する時、コルク特有の機能は損なわないながらコルク表面の複数の形而上学的な溝、即ち、粒子と粒子の間の微細な奇形溝と多孔質細胞で形成されたコルク表面自体の気孔溝に挟まれている超微細粉末(粒子)が導出されないコルク板状材を提供することである。
【0010】
さらに、本発明の他の目的は、コルクが均等に着色されて、人々の健康や室内衛生により有益であるとともに、多様で且つ超現代的で、時代の流れによって高品格インテリア効果を発現することができるように創出し、コルクの天然柄が案出された明るい色感表現と使用上の不便がなく、大量生産、品質の向上で経済的な価格のコルク板状材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記及びその他の目的を達成するために、本発明の1つの一面は、(a)コルク板状材の基材の一面または両面全部に接着剤を塗布した後、コルク柄紙を熱圧縮させて接着させ、その後コルク柄紙の表面を研磨及びブラッシングする段階、(b)段階(a)を経た後、コルク柄紙表面に形成された複数の形而上学的な溝にある微細コルク粉末をエア真空吸着によって除去する段階、(c)溶剤に濡らした後、脱水処理された柔らかい布またはスポンジが付着されるコースターの正回転と逆回転によって段階(b)からのコルク柄紙の表面に形成された複数の形而上学的な溝を洗浄して、コルク柄紙の表面に形成された複数の形而上学的な溝に残存する微細コルク粉末を除去する段階、及び(d)形而上学的な溝を着色組成物でローラーコースターによって圧着含浸して埋めながら平坦に着色するか、着色組成物中で充填材である炭酸カルシウムのない着色組成物で均等に着色した後、グラビア印刷ローラーまたはスプレーで印刷またはトップコーティングした後、エンボスローラーを通過させる段階を含むコルク板状材の製造方法を提供する。
【0012】
本発明において、段階(a)で使われるコルク板状材の基材は木板材、金属板材、無機質板材、石膏ボード板材、紙板材、不織布板材、織物類板材及び合成樹脂類板材で構成された群から選択される。
【0013】
本発明において、段階(a)でのコルク柄紙は、接着剤が混錬されたコルク粒子φ0.1mm〜5mmや0.1mm〜任意の規格が混在された重量80kg〜600kg/mでドラム状のフレームや矩形フレームに混入されて圧縮して熱乾燥によって成形されたブロックで0.5mm〜2mmで剥がされたコルク柄紙が使われるのが好ましい。
【0014】
本発明において、段階(a)で使われるコルクコーティング組成物は、コルクコーティング組成物の全体重量を基準に、コルク粉末40〜70重量%及び天然ラテックス30〜60重量%で構成される。若しくは、段階(a)で使われるコルクコーティング組成物はコルクコーティング組成物の全体重量を基準に、コルク粉末35〜50重量%、樹脂25〜35重量%、水性アルコール10〜25重量%、水6〜12重量%、顔料2〜10重量%、乳化剤0.1〜0.5重量%、分散剤0.1〜0.5重量%及び消泡剤0.1〜0.5重量%で構成される。
【0015】
本発明において、段階(a)で、研磨は研磨機によって研磨紙#150〜#600で行われる。
【0016】
本発明において、着色組成物は着色組成物の全体重量を基準に、樹脂28〜45重量%、水性アルコール12〜25重量%、液状ゲルマニウム16〜22重量%、炭酸カルシウム20〜35重量%、顔料2〜10重量%、分散剤0.1〜0.5重量%、消泡剤0.1〜0.5重量%及び粘稠剤0.1〜0.5重量%で構成される。
【0017】
また、本発明の他の一面は、(a)コルク板状材の基材の一面または両面全部にコルクコーティング組成物を塗布した後、乾燥、研磨及びブラッシングする段階、(b)段階(a)を経た後、コルクコーティング組成物層の表面に形成された複数の形而上学的な溝にあるコルク粉末をエア真空吸着によって除去する段階、(c)溶剤に濡らした後脱水処理された柔らかい布またはスポンジが付着されるコースターの正回転と逆回転によって段階(b)からのコルク組成物層の表面に形成された複数の形而上学的な溝を洗浄して、コルク組成物層の表面に形成された複数の形而上学的な溝に残存する微細コルク粉末を除去する段階、(d)形而上学的な溝を着色組成物でローラーコースターによって圧着浸漬して埋めながら平坦に着色するか着色組成物中で充填材である炭酸カルシウムのない着色組成物で均等に着色した後、グラビア印刷ローラーまたはスプレーで印刷またはトップコーティングした後エンボスローラーを通過させる段階を含むコルク板状材の製造方法を提供する。
【0018】
本発明において、段階(a)で使われるコルク板状材の基材は木板材、金属板材、無機質板材、石膏ボード板材、紙板材、不織布板材、織物類板材及び合成樹脂類板材で構成された群から選択される。
【0019】
本発明において、段階(a)で使われるコルクコーティング組成物はコルクコーティング組成物の全体重量を基準に、コルク粉末40〜70重量%及び天然ラテックス30〜60重量%で構成される。若しくは、段階(a)で使われるコルクコーティング組成物はコルクコーティング組成物の全体重量を基準に、コルク粉末35〜50重量%、樹脂25〜35重量%、水性アルコール10〜25重量%、水6〜12重量%、顔料2〜10重量%、乳化剤0.1〜0.5重量%、分散剤0.1〜0.5重量%及び消泡剤0.1〜0.5重量%で構成される。
【0020】
本発明において、段階(a)で使われるコルクコーティング組成物はコルクコーティング組成物の全体重量を基準に、コルク粉末40〜70重量%及び天然ラテックス30〜60重量%で構成される。若しくは、段階(a)で使われるコルクコーティング組成物はコルクコーティング組成物の全体重量を基準に、コルク粉末35〜50重量%、樹脂25〜35重量%、水性アルコール10〜25重量%、水6〜12重量%、顔料2〜10重量%、乳化剤0.1〜0.5重量%、分散剤0.1〜0.5重量%及び消泡剤0.1〜0.5重量%で構成される。
【0021】
本発明において、段階(a)で、研磨は研磨機によって研磨紙#150〜#600で行われることが好ましい。
【0022】
本発明において、着色組成物は着色組成物の全体重量を基準に、樹脂28〜45重量%、水性アルコール12〜25重量%、液状ゲルマニウム16〜22重量%、炭酸カルシウム20〜35重量%、顔料2〜10重量%、分散剤0.1〜0.5重量%、消泡剤0.1〜0.5重量%及粘稠剤0.1〜0.5重量%で構成される。
【0023】
また、本発明はコルク対象物及びコルク対象物の一面または両面に塗布されて積層された着色組成物層で構成され、コルク対象物の表面に形成された形而上学的な溝が着色組成物によって満たされて形成された、方法を利用して製造されたコルク板状材を提供することである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によって、コルク表面の複数の形而上学的な溝に残存される微細コルク粉末が完全に除去され、着色組成物で微細溝の深い内部まで均等に着色するか、平坦材で充填されて、コルクの天然柄がそのまま案出されて、所望の明るくて均一な色感を発現し、使用の時、不便な問題が除去され、多様な文化と時代のデザイン表現するための印刷など後続工程が円滑になって、大量生産、品質向上、経済的な価格が実行された。
【0025】
本発明は、コルク表面のきれいな研磨によって耐久性と耐磨耗性を兼備した柔らかい触感と天然コルク香の発散などの天然性を有し、表1から分かるように、麦飯石と同等な遠赤外線放射能力を有し、表2〜表4で示すように、抗菌、抗カビ、脱臭能力が優れる。
【0026】
また、一年中湿度自動調節能力があり、セメント毒と冷気遮断、無静電体、冷暖房燃料節減効果もあり、さらに、防炎材の混入によって難燃効果もある。衛生的で健康的な住宅、商業生活空間及び生活用品収納空間を創出する有益な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の好ましい実施例によって製造する二つの方法を示した工程図である。
【図2】本発明の実施例によって製造されたコルク板状材の断面図である。
【図3】本発明のようなエア真空吸着工程と洗浄工程なしに着色組成物をコルク柄紙層に塗布した場合の状態を示した図面である。
【図4】本発明のような圧着含浸工程なしに着色組成物をコルク柄紙層に塗布した場合の状態を示した図面である。
【図5】本発明による工程によって行われた後、着色組成物をコルク柄紙層に塗布した状態を示した図面である。
【図6】本発明によって製造されたコルク板状材の放射率を示すグラフである。
【図7】本発明によって製造されたコルク板状材の放射エネルギーを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明使われる用語「形而上学的な溝」はコルク粒子と粒子の間の微細な奇形溝と多孔質細胞で形成されたコルク表面自体の超微細気孔溝全部を含むものと理解すべきである。
【0029】
以下、本発明に添付された例示図面を参照してより具体的に説明する。
【0030】
図1は本発明の製造する方法を示す工程図で、図2は本発明の実施例によって製造されたコルク板状材の断面図で、図3は本発明のようなエア真空吸着工程と洗浄工程がなしに着色組成物をコルク柄紙層に塗布した場合の状態を示す図面で、図4は本発明のような圧着含浸工程がなしに着色組成物をコルク柄紙層に塗布した場合の状態を示す図面で、図5は本発明による工程によって行われた後、着色組成物をコルク柄紙層に塗布した状態を示す図面で、図6は本発明によって製造されたコルク板状材の放射率を示すグラフで、図7は本発明によって製造されたコルク板状材の放射エネルギーを示すグラフである。
【0031】
コルク板状材の基材の一面に各種コースターを利用して接着剤を塗布して、コルク柄紙やコルク柄板を適正配列した後、熱プレッサーで10±5kgf/cmの圧力で60℃〜110℃温度で2〜6分間圧着積層するか、基材の一面にコルクコーティング組成物を0.2mm〜0.6mmの中の所定厚さでロールコーティング方式でコーティングして、熱風乾燥装置によって100℃〜140℃の間で乾燥させた後、熟成する。熱圧縮、熱乾燥によるコルク粒子の膨れ上がりや押圧などによった変形が発生し、不規則なコルク表面を、研磨機を利用して研磨紙#150〜600等で研磨して柔らかいブラシなどでブラッシングして異物を除去した後、コルクの複数の形而上学的な溝、即ち、コルク粒子と粒子の間の奇形的な微細溝とコルク自体の気孔に挟み込まれた超微細コルク粉末をエア真空吸着方式で除去して、溶剤に濡らした後脱水された柔らかい布、スポンジなどが付着されるコースターの正回転と逆回転を利用して完全に除去した後、着色組成物を提供してコルク表面にローラーの圧着含浸によってコルク表面の形而上学的な溝内部まで埋めながら平坦に着色するか、着色組成物の中で充填剤である炭酸カルシウムを除去して微細溝の内部まで均等に着色のみすることを製品の用途と後続工程によって択一することができる。着色されたコルク面にグラビア印刷ローラーまたはスプレー方式で印刷またはトップコーティングして熱風乾燥した後、エンボスローラーを通過させて完成する。
【0032】
上記で使われているコルク柄紙、コルク柄紙板は接着剤が混錬されたコルク粒子φ0.1mm〜5mmや0.1mm〜任意の規格が混在された重量80kg〜600kg/mで、ドラム状のフレームや矩形フレームに混入されて圧縮して熱乾燥によって成形されたブロックから0.5m〜2mmを剥がされて得ることができる。
【0033】
コルクコーティング組成物は重量%でコルク粉末40〜70重量%、天然ラテックス30〜60重量%の配合比で構成されることを特徴とするもの、及びコルク粉末35〜50重量%、樹脂25〜35重量%、水性アルコール10〜25重量%、水6〜12重量%、顔料2〜10重量%、乳化剤0.1〜0.5重量%、分散剤0.1〜0.5重量%、消泡剤0.1〜0.5重量%で配合されたものを提供し、着色組成物及び印刷組成物は、重量%で樹脂28〜45重量%、水性アルコール12〜25重量%、液状ゲルマニウム16〜22重量%、炭酸カルシウム20〜35重量%、顔料2〜10重量%、分散剤0.1〜0.5重量%、消泡剤0.1〜0.5重量%、粘稠剤0.1〜0.5重量%で配合されたものを提供する。
【0034】
上記で樹脂はアクリル樹脂、ウレタン樹脂、PE、EVA、エポキシ樹脂の中で1種または2種混合して使うことができる。
【0035】
コルク粉末の粒度は10〜160メッシュが好ましく、50メッシュが適合である。
【0036】
難燃性を有するようにする場合は、難燃処理された板材基材を使ってコルクコーティング組成物、着色及び印刷組成物に水酸化アルミニウム、酸化アンチモン、フッ素系、塩素系の中で択一して1種以上添加して使うことができる。
【0037】
コルク板状材の基材は、木板材(PB、MDF、合板など)、金属板材類、無機質板材類、石膏ボード類、紙類、不織布、織物類、合成樹脂類などである。
【0038】
上記のような方法で製造されたコルク板状材試験片を製造して放射率及び放射エネルギーを測定した結果、次のような結果を得ることができた。
【0039】
【表1】

【0040】
本実験は40℃でFT−IR分光計(Spectrometer)を利用した黒体対比測定結果である。また、放射率と放射エネルギーを図6及び図7にグラフで示した。図7でグラフの上側線は理想黒体、即ち、100%吸収、100%放射の基準線で下側線は試験体の吸収放射線である。
【0041】
また、上記のような方法によって製造されたコルク板状材の試験片を製造して抗菌試験、抗カビ及び脱臭試験を行った。
《抗菌試験》
大膓菌(Escherichia coli)をコルク板状材に培養させた後、時間による菌数を測定して試料を入れない状態(Blank)で測定した菌数と比べて表3のような結果を得た。
【0042】
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)を使って同じ試験をして得た結果を表2に示した。
【0043】
【表2】

【0044】
《抗カビ試験》
カビAspergillus niger、Peniccillium pinophilum、Chaetomium globosumを混合した菌株をコルク板状材で4週間培養した結果を表3に示した。
【0045】
【表3】

【0046】
上記表3で数値0は試料で菌の成長を認知できないことを示す。
《脱臭試験》
コルク板状材を試料としてアンモニアガスを用いてガス検測管で時間によるガス濃度を測定した結果を表4に示した。
【0047】
また、試料を入れない状態(Blank)で測定した濃度を一緒に示した。
【0048】
【表4】

【0049】
上記表1〜表4の結果を通じて、コルク柄紙を多様に加工した後、着色組成物を使って着色させた後にもコルク自体の特性にはほとんど変化がないことが分かる。
【0050】
一方、図3〜図5には本発明による工程が部分的に行われない場合、コルク柄紙の表面またはコルクコーティング組成物層に形成された複数の形而上学的な溝で起き得る状態を示した。
【0051】
図3は本発明のようなエア真空吸着工程と洗浄工程がなしに着色組成物をコルク柄紙層に塗布した場合の状態を示した図で、HA、HB及びHC孔全部には微細なコルク粉末が残存するため長時間の使用によってコルク粉末が分散される虞がある。
【0052】
図4は本発明のような圧着含浸工程がなしに着色組成物をコルク柄紙層に塗布した場合の状態を示した図面で、一般の孔であるHAと長い孔であるHBの場合には、着色組成物が満たされてコルク粉末の分散可能性はないように見えるが、入口が小さくて着色組成物の完全な浸透が困難なHC孔の場合には長期間使用によってコルク粉末が発生する虞がある。
【0053】
一方、図5は本発明による工程によって行われた後、着色組成物をコルク柄紙層に塗布した状態を示した図面で、圧着含浸工程によってHC孔も着色組成物で埋められて長期間使用によってもコルク粉末の発生はほぼないことと予想される。
【0054】
以上では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野における技術者であれば下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができる。
【符号の説明】
【0055】
100:壁体
110:壁体基材層
120:接着剤層
130:コルク柄紙層(またはコルクコーティング組成物層)
140:着色組成物層
150:印刷層
160:トップコーティング及びエンボス層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)コルク板状材の基材の一面または両面ともにコルク対象物を塗布した後、前記コルク対象物の表面を研磨及びブラッシングする段階、
(b)前記段階(a)を経た後、コルク対象物表面に形成された複数の形而上学的な溝にある微細コルク粉末をエア真空吸着によって除去する段階、
(c)溶剤に濡らした後、脱水処理された柔らかい布またはスポンジが付着されるコースターの正回転と逆回転によって前記段階(b)からの前記コルク対象物表面に形成された複数の形而上学的な溝を洗浄して、前記コルク対象物に形成された複数の形而上学的な溝に残存する微細コルク粉末を除去する段階、及び
(d)前記形而上学的な溝を着色組成物でローラーコースターによって圧着含浸して埋めながら均等に着色した後、グラビア印刷ローラーまたはスプレーで印刷またはトップコーティングした後エンボスローラーを通過させる段階を含むことを特徴とするコルク板状材の製造方法。
【請求項2】
前記段階(a)のコルク対象物がコルク柄紙であり、コルク板状材の基材の一面または両面ともに接着剤を塗布した後、前記コルク柄紙を熱圧縮させて接着させた後に、前記コルク柄紙表面を研磨及びブラッシングすることを特徴とする請求項1に記載のコルク板状材の製造方法。
【請求項3】
前記段階(a)のコルク対象物がコルクコーティング組成物層であり、コルク板状材の基材の一面または両面ともに前記コルクコーティング組成物を塗布して乾燥した後、前記コルクコーティング組成物層の表面を研磨及びブラッシングすることを特徴とする請求項1に記載のコルク板状材の製造方法。
【請求項4】
前記段階(a)で使われているコルク板状材の基材は、木板材、金属板材、無機質板材、石膏ボード板材、紙板材、不織布板材、織物類板材及び合成樹脂類板材で構成される群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のコルク板状材の製造方法。
【請求項5】
前記コルク柄紙は接着剤が混錬された直径が0.1mm〜5mmのコルク粒子が混在される重量80kg〜600kg/mでドラム形フレームや矩形フレームに混入されて圧縮して熱乾燥によって成形されたブロックから0.5mm〜2mmに剥がされたコルク柄紙であることを特徴とする請求項2に記載のコルク板状材の製造方法。
【請求項6】
前記コルクコーティング組成物は、コルクコーティング組成物の全体重量を基準にコルク粉末40〜70重量%及び天然ラテックス30〜60重量%で構成されることを特徴とする請求項3に記載のコルク板状材の製造方法。
【請求項7】
前記コルクコーティング組成物は、コルクコーティング組成物の全体重量を基準にコルク粉末35〜50重量%、樹脂25〜35重量%、水性アルコール10〜25重量%、水6〜12重量%、顔料2〜10重量%、乳化剤0.1〜0.5重量%、分散剤0.1〜0.5重量%及び消泡剤0.1〜0.5重量%で構成されることを特徴とする請求項3に記載のコルク板状材の製造方法。
【請求項8】
前記段階(a)で、研磨はコルク柄紙層の表面を、研磨機を利用して研磨紙#150〜#600で行われることを特徴とする請求項2に記載のコルク板状材の製造方法。
【請求項9】
前記段階(b)で使われている溶剤は、水、アルコールまたはシンナーであることを特徴とする請求項1に記載のコルク板状材の製造方法。
【請求項10】
着色組成物は着色組成物の全体重量を基準に、樹脂28〜45重量%、水性アルコール12〜25重量%、液状ゲルマニウム16〜22重量%、炭酸カルシウム20〜35重量%、顔料2〜10重量%、分散剤0.1〜0.5重量%、消泡剤0.1〜0.5重量%及び粘稠剤0.1〜0.5重量%で構成されることを特徴とする請求項1に記載のコルク板状材の製造方法。
【請求項11】
コルク対象物及び前記コルク対象物の一面または両面に塗布されて積層された着色組成物層で構成され、前記コルク対象物の表面に形成された形而上学的溝が前記着色組成物によって満たされて形成された請求項1の方法によって製造されたコルク板状材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−514913(P2013−514913A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545842(P2012−545842)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【国際出願番号】PCT/KR2010/008826
【国際公開番号】WO2011/078504
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(512163668)
【氏名又は名称原語表記】PARK, Keun Yong
【Fターム(参考)】