説明

コンクリートのブロック集合体及びブロックの保管方法

【課題】 既存の施行現場からブロックを剥がした場合に、そのブロックの保管や、再利用などの際の移動が容易なブロック集合体を提供し、その際には植生に適したブロック集合体であり、更にブロックの現場での保管が容易になる保管方法を提供する。
【解決手段】 剥がした使用済みの個々のブロック1を、このブロック1に貫通されている鉄筋用の挿入部の方向に再度並べ、この挿入部にワイヤを挿入して前記並べたブロックを繋げてブロック集合体14とするものである。この時、ブロック集合体14における使用済みのブロック1とは異なる形状の追加ブロック4を、使用済みのブロック1の間に適宜挟み入れ、更にこの時、追加ブロック4はその側面が、ブロック集合体を水平に吊り上げた時に撓みが生じる場合にも、隣り合う側面の挿入部の口部同士に開きが生じない形状に形成されているブロック集合体14とすることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、傾斜地の法面保護等に使用するコンクリートのブロック集合体及びブロックの保管方法に関する。
【背景技術】
【0002】
堤防の法面などにコンクリートのブロックを敷設して形成された護岸などは、その後、何らかの理由によりブロックを剥がすことがある。
【0003】
例えば、法面の地盤沈下により補修が必要になった場合、これを一旦剥がさなければならなくなる。或いは、堤防などに橋を架ける場合、橋脚の施工に合わせて橋の施工場所のブロックを剥がす場合がある。その他、様々な理由により、以前に施工されたブロックの敷設現場から、ブロックを剥がす場合がある。
【0004】
ブロックは一般に、施行対象の平地面や法面(以下、代表して「法面」という)に並べて敷設され、これに鉄筋などにより串刺し状にして、増水時などによる剥がれなどを防いでいる。或いは、法面の多少の沈下などには対応できる様に成っている。従って、剥がす時には、この様な鉄筋を抜きながら剥がすこととなる。
【0005】
剥がされたブロックは、多くの場合、国有財産であった県の財産であったりするので、簡単には廃棄できない。また破砕して道路などの下地材へと再利用される場合もあるが、破砕その他の加工費がかさむ事となる。
【0006】
その為、剥がした現場に積んで保管しておくことが多い。この保管される使用済みのブロックは、その後に、別の場所の護岸工事などに利用されることがある。
【0007】
ただ、剥がした現場に積んで保管する場合であっても、ブロックの1つ1つを積むのは手間が掛かる。また剥がすときは、剥がした直後の少量を剥がした場所の近くの一時的な場所に積んだり、その後に現場での長期保管用の場所に再移動させたり、更にはその移動させた場所がその後の工事の邪魔になるために、再度移動させたりするので、この移動させる手間が負担になっている。
【0008】
また現場での長期保管は、積み上げたブロックが崩れていないか、数量が減っていないか等の管理が必要であり、煩わしさとなっている。
【0009】
またこの様な、剥がした現場での長期保管の後、他の施工現場での再利用の途が生じた場合には、トラックへの積み込みなどにも手間が掛かる。
【0010】
これに対して、図16に示す様にブロック100をワイヤ101で連結して集合体にしておくことが考えられる(特許文献1)。これは従来であれば、現場で法面に1つづつブロックを敷設してゆき、これに鉄筋を通していたのであるが、ブロック集合体100であれば、敷設前に工場などでワイヤを通してブロック集合体にしてあるので、施工現場では、これをクレーンなどで吊り上げて法面に敷設すればよく、施工が大幅に簡略されるメリットがある。
【0011】
又この様なブロック集合体100は吊り上げる時には、撓むこととなる。その為に図17〜18に示す様に、用いられるブロック102の側面103は、少なくとも貫通部104より上がテーパーにして撓みに対応させてある。このテーパーが無いブロックの場合、例えばそれが直方体のブロック105であると、図19に示す様に、撓んだ時にはブロックの上角同士106がぶつかって、側面が下向きに開いてしまう(符号107)。ところがこの様に開いてしまうと、ワイヤに開き代108が出来てしまう。そしてこの様な状態のブロック集合体を法面に載置すると、図20に示す様に、開き代108になっていたワイヤがそのままブロックの間に残ってしまうとう不都合がある。そのため、これを避ける為に、貫通部から上をテーパーにしてあるのである。また貫通部を重心より下方に配置するのである。
【特許文献1】特開平5−85695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ただ、以前からの既存の施工現場では、この様なブロック集合体が用いられていない現場が大半であり、当然、吊り上げた時の撓みによる開きを生じてしまう。無論、ブロックに直方体以外にも様々な形状が従来からあるので、大きさや形状によっては、たまたま撓んでも下方に開かないといったブロック集合体に適したものもある。しかし多くは図19〜20で示した様な問題を生ずるのであり、ブロック集合体には適さない。
【0013】
またこの様なブロック集合体に関する問題の他、既存の施工現場では、最近のブロックに見られる様な植生への対応などもなされていない現場が多くある。植生への対応には、ブロックの側面に設けた縦溝状の窪みや、ブロックを上下に貫通する穴などによる土の空隙部を設けることが試みられており、植生ブロックなどと呼ばれている。この植生ブロックであれば、空隙部から草木が生育できるので、堤防の緑化などに役立つのであるが、剥がしたブロックにはこの様な植生に対する配慮がなされていないものも多く、この様なブロックを再利用すると、堤防その他の緑化が図れないという問題もある。
【0014】
これらの問題を鑑み、本願発明の目的とするところは、既存の施行現場からブロックを剥がした場合に、そのブロックの保管や、再利用などの際の移動が容易なブロック集合体を提供し、その際には植生に適したブロック集合体であり、更にブロックの現場での保管が容易になる保管方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願請求項1記載のブロック集合体の発明は、法面や平地面に並べて敷設するブロックであって、鉄筋などに例示される長尺材を通す為の穴や溝に例示される挿入部が、ブロックの側面から他の側面に連通して設けられ、敷設されたブロックは互いの挿入部が連通する様に敷設されると共に挿入部には長尺材が挿通されている既存の施工現場におけるものである。そして、ブロックを法面や平地面などの施工地面からの剥がす作業をする現場において、剥がした使用済みの個々のブロックを、挿入部の方向に再度並べると共に、この挿入部にワイヤを挿入して並べたブロックを繋げたことを特徴とする。
【0016】
これにより、ブロックを、その剥がした現場に保管する場合にも、ブロック集合体単位で移動させることが出来るので、保管や保管場所の変更に伴う移動が容易になる。また、他の現場で再利用する場合にも、トラックへの積み込み、積み下ろしが容易であり、また再利用される新たな施工現場においては、ブロック集合体単位での敷設が出来るので、施工が容易になる。
【0017】
請求項2記載のブロック集合体の発明は、請求項1記載のブロック集合体であって、ブロック集合体の長手両端を吊り上げた時に生ずるブロック集合体の撓みにより、隣接するブロックの対面する側面同士が下方向きに開く為に側面に連通する挿通部の口部同士も開き、この開きにより長尺材に開き代が出来てしまうブロック集合体である場合に関する。即ちこのブロック集合体は、請求項1記載のブロック集合体における使用済みのブロックの並びを、ブロックとは異なる形状の追加ブロックを使用済みのブロックの間に適宜挟み入れて成る新たな並びに替えたものであり、この時、追加ブロックの側面形状は、撓みの生じる場合にも対面する側面の挿入部の口部同士に開きが生じない形状に形成されていることを特徴とする。
【0018】
これにより、ブロック集合体をクレーンなどで吊り上げる場合でも、ワイヤに開き代の生ずることが無くなり、良好な施工が出来る。またブロックの上角がぶつかる等によりブロックが破損してしまうことの、回避もできる。
【0019】
請求項3記載のブロック集合体の発明は、請求項2記載のブロック集合体であって、追加ブロックが、使用済みブロックよりも高さのあるブロックであることを特徴とする。
【0020】
これにより、ブロック集合体におけるブロックの各高さに凹凸が出来るので、このブロック集合体を敷設した後に、その上から覆土すると、使用済みブロックの部分が凹んだ一となりここに多めの覆土を盛ることができる。また敷設されたブロック集合体に凹凸があると、覆土のずり落ちなどを防ぐことに役立つ。
【0021】
請求項4記載のブロック集合体の発明は、請求項2記載のブロック集合体であって、追加ブロックが、土を収納できる空隙部を有した植生用のブロックであることを特徴とする。 これにより、使用済みブロックを再利用した護岸などでも、植生ブロックによる護岸とすることができる。
【0022】
請求項5記載のブロックの保管方法の発明は、施工現場で剥がしたブロックの保管方法であって、請求項1〜4記載のブロック集合体を形成し、このブロック集合体を保管することを特徴とする。
【0023】
これにより、保管作業および移動作業が容易になり、また管理単位が集合体単位に出来るので、数量管理などにおいても正確になる。
【発明の効果】
【0024】
以上の発明により、既存の施行現場からブロックを剥がした場合に、そのブロックの保管や、再利用などの際の移動が容易になる。また再利用する際にも、敷設作業が容易になる。またその際には剥がした使用済みブロックが植生に不向きなものであっても、新たなブロックを追加することにより、植生に適したブロック集合体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、本願発明の実施例を、図を持って説明する。
(実施例1)図1に示すのは既設の施工現場から剥がした使用済みのブロック1の3面図(左上;平面図、下;正面図、右上;右側面図)である。この使用済みブロック1は、外形がほぼ直方体をしている。また長手な側面2には鉄筋の挿してあった挿通部としての挿通孔3が2本、平行に設けられてある。
【0026】
また図2に示すのは、この使用済みのブロック並びの間に適宜挟み入れる追加ブロック4の3面図(同)である。この追加ブロック4は、底面5の形状が使用済みブロック1の底面6とほぼ同じ長方形に概ね形成されている。そして底面5の4辺から側面7が立ち上がっているが、底面5の長い辺8から立ち上がる2つの側面7aが、テーパーな斜面に設けられて、ブロックの上面9が底面より狭くなっている。
【0027】
またテーパーな2つの側面7aの一方には、縦溝10が2本凹設してあり、植生用の空隙部10になっている。このテーパーな側面7aにも、貫通部としての2本の貫通孔11が設けられており、使用済みブロックの貫通孔3と同じ間隔、同じ高さ(ブロックの底面5からの高さ)である。更に、追加ブロック4の上面9には、隣接させた他の追加ブロックと連結させる為のアンカー孔12が2つ設けられている。
【0028】
なお上述したテーパーな斜面7aであるが、これは厳密には、底面5から挿通孔11までは底面5に垂直な面ななっており、挿通孔11から上がテーパーな斜面7aになっている。底面5の短い辺8’から立ち上がる側面7bは、底面5に垂直になっているが、テーパーな側面7aに挟まれているので、台形になっている。
【0029】
ブロックの底面の長方形の大きさには規格がなく、また貫通孔3,11の間隔や高さも規格があるわけではないので、使用済みブロック1に合わせた追加ブロック4を予め用意しておくのである。これは、一般にはこの使用済みブロックに合わせて新規に製造することとなる。
【0030】
次に、以上の使用済みブロック1と追加ブロック4とを用いたブロック集合体について説明する。まず、既存の施工現場のブロックに対応した追加ブロックを準備し、その現場に持ち込んで準備しておくのである。
【0031】
そして、その現場でブロックを剥がす作業を行い、剥がしたら、その剥がされた使用済みブロック1と、準備された追加ブロック4とを、それら挿通孔3,11の向き方向に交互に並べる。そして図3に示す様に、1本のワイヤ13で2つの挿通孔(3,3),(11,11)をU字状に通すのである。この様にしてワイヤ13で繋がれて得たブロック集合体14は、クレーンなどの装置で、図4に示すように吊り上げることができ、吊り上げ移動させて所定の保管場所に載置するのである。吊り上げる際には、U字の押し返し部分のループ15をクレーンなどへの係止に用い、反対側のワイヤの開放端16は、吊り上げ装置に把持させて水平に吊り上げるのである。このようにして載置した保管場所から、別の場所への再移動や、トラックへの積み込みの為に移動させる時も、同様にして吊り上げればよいのである。以上のようにして、保管の為に移動させ、或いは他の施工現場への搬送の為に移動させるのに、ブロック集合体14は好適である。
【0032】
又この様にして吊り上げると、図4の様にブロック集合体14は撓むこととなる。しかし追加ブロック4は、図5に示すように、使用済みブロック1と隣り合う側面7aがテーパーな斜面なので、ブロック集合体14が撓んだ時でも対面する側面7a,17同士に開きが生じす、結果、その側面7a,17の挿入部の口部18,18同士に開きが生じない。その為に、発明の課題で指摘した様なワイヤの開き代も生じないで済む。
【0033】
従って、新たな施工現場で再利用する場合には、このブロック集合体14ごと敷設できるので効率がよい。また吊り上げた時にはこの様にワイヤ13に開き代が生じないので、法面に載置しても、ブロック1,4間に不要な隙間の空くことがなく、作業が良好に進む。敷設したブロック集合体14は、施工現場により、長さが余ったり足らなかったりするが、その場合には、ブロックを抜いて短くしたり、ブロックを足して長くするなどして調整するのである。
【0034】
そして図6に示すように、法面にブロック集合体14aを敷設したら、隣にもう一列のブロック集合体14bを敷設し、上端のワイヤ同士をクリップ19で留めるのである。この様に次々と縦列のブロック集合体14を敷設してゆくのである。その際、隣り合う列(ブロック集合体14)とは、互いの列の近隣する追加ブロック同士4をこれらの上面に設けてあるアンカー孔12で連結するのである。つまり列を跨るようにして、アンカー孔12同士に鋼板による連結材20を掛け渡し、アンカーボルトでアンカー孔12に締め付けるのである。これにより、ブロック集合体14の位置ズレや、地盤沈下によるブロック集合体14自身の陥没、剥がれなどに対して安定するのである。
【0035】
この様な作業を繰り返すことにより法面での敷設が、図7に示すように完了したら、これらのブロック集合体14の上から覆土21を被せるのである。この覆土21は、ブロック集合体14全体を覆い隠すが、この全体を覆い隠した状態のままにしておく場合と、覆土21を背の高い方の追加ブロックの上面9と面一に成る程度に払いのける場合がある。いずれにしても、この時、敷設したブロック集合体14は、背の高い追加ブロック4と、背の低い使用済みブロック1が交互に並んでいるので、図8に示すように、低い使用済みブロックの窪みの部分(土溜部22)に覆土21が溜まることとなる。覆土21はこの様な土溜部22に溜まるので草などの植生する場所となる。また追加ブロック4自身には、テーパーな側面に凹設された2本の縦溝に土が詰まり、これが植生用の空隙部10(図6参照)になっており、この空隙部10に溜まる土によっても植生がなされるのである。
【0036】
(実施例2)この実施例2は、使用済みブロック1が実施例1と同じブロックであり(図1参照)、これに挟み込む追加ブロック23だけが、実施例1と異なっている。この追加ブロック23は、図9に示す様に、使用済みブロック1に対面する側面24(2面)がテーパーな斜面に設けられて、ブロック23の上面25が底面26より狭くなっている点は実施例1と同じである。そしてこの2つの側面24の一方24aには縦溝27が2本凹設してあり、他方の側面24bは大きな縦溝28が1つ凹設してあり、これが共に植生用の空隙部27,28になっている。更に、2本の挿通孔29がテーパーな側面24を貫通させて設けられている。また追加ブロック23の上面25には、隣接させた他の追加ブロックと連結させる為のアンカー孔25aが、実施例1同様に2つ設けられている。又この実施例2の追加ブロック23も、使用済みブロックより上面25が高くしてある。
【0037】
この追加ブロック23の用い方は実施例1と同じであり、既設の施工現場から剥がした使用済みブロック1と交互に並べて図10に示す様なブロック集合体30とし、これを現地で保管したり、新たな施工現場に運び、そこで敷設したりするのである。図10は新たな施工現場に敷設した図であり、空隙部27,28が実施例1よりも大きいので植生に優れる。使用済みブロック1と追加ブロック23との高さの違いにより、土溜部ができるのは、実施例1と同様である。
【0038】
(実施例3)この実施例3は、使用済みブロック31が図11に示すようなものであり、次に述べる追加ブロック32と隣り合う面33(側面)がテーパーに成っている。そして貫通孔34は1つだけ設けられている。
【0039】
使用済みブロック31の側面33がテーパーになっている為、図12に示す追加ブロック32の側面35は実施例1〜2のようなテーパーにはなっておらず、ブロック底面36に対して垂直となる様に形成されている。即ちこの追加ブロック32は全体としてほぼ直方体をなしており、ただ実施例1〜2と異なるのは、使用済みブロック31と隣り合う側面35の横幅W1が、使用済みブロックの同じ横幅W2よりも1.5倍ほど長いことである。また実施例1〜2と異なり、追加ブロック32の高さH1は使用済みブロック31の高さH2と同じにしてある。
【0040】
その為、この追加ブロック32を用いてブロック集合体を形成する時には、図13に示すように、使用済みブロック31「2つ」と追加ブロック32「1つ」とを交互に並べるのである。使用済みブロック31の「2つ」は列に直角な方向に横並びさせ、その際、1つしかない貫通孔34は列方向となる向きに並べられるのである。よって追加ブロック32の長手な側面35には、2つの使用済みブロック31の貫通孔35に連通できる位置に、2つの貫通孔37が設けられている。この様に、実施例3のブロック集合体38は、2つの使用済みブロック31と1つの追加ブロック32とを交互に並べたものであり、ブロック集合体38の縦の両側は、凹凸に形成される。そして、このブロック集合体を新たな施工現場で用いた場合には、図13に示したように、横並びとなった2つの追加ブロックの間に、前記の凹凸による大きな空隙部39ができるのである。
【0041】
また横並びの2つの使用済みブロック31は、前後から2つの追加ブロック32で挟まれているが、これにより、図13〜14に示すような土溜部40が、横並びした2つの使用済みブロックの間に形成され、この点でも植生に役立っている。
【0042】
また図15に示すように、ブロック集合体の縦列に並ぶブロック間でも、使用済みブロックの側面33のテーパーにより、土溜部41が形成される。尚これは、実施例1〜3のいずれにも云えることであるが、ブロック集合体の縦列に着目すると、吊り上げた時の撓みを容認する為に、隣接する側面同士が上方に開いた空間が、結果的には土溜部にも成っているのである。
【0043】
なお、本願発明は上記実施例に限るものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で、どの様に実施されてもよい。使用済みブロックと追加ブロックは1つおきに並べるのではなく、その他の並べ方であってもよい。使用済みブロックは1種類に限らず複数種類を用いてもよく、追加ブロックも同様に複数種類を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】この図は、実施例1及び実施例2における使用済みブロックの図である。
【図2】この図は、実施例1における追加ブロックの図である。
【図3】この図は、実施例1のブロック集合体の図である。
【図4】この図は、ブロック集合体を吊り上げる様子の図である。
【図5】この図は、実施例1において、追加ブロックのテーパーな側面の働きを説明する図である。
【図6】この図は、ブロック集合体を並べて敷設する図である。
【図7】この図は、法面にブロック集合体を敷設し、これに覆土で被せた図である。
【図8】この図は、土溜部の図である。
【図9】この図は、実施例2の追加ブロックの図である。
【図10】この図は、実施例2のブロック集合体を並べて敷設する図である。
【図11】この図は、実施例3の使用済みブロックの図である。
【図12】この図は、実施例3の追加ブロックである。
【図13】この図は、実施例3のブロック集合体を並べて敷設する図である。
【図14】この図は、土溜部の図である。
【図15】この図は、実施例3において使用済みブロックのテーパー面の働きを説明する図である。
【図16】この図は、従来のブロック集合体を吊り上げた図である。
【図17】この図は、図16に用いているブロックの図である。
【図18】この図も、図16に用いているブロックの図である。
【図19】この図は、直方体のブロックをブロック集合体にした場合の問題点を説明する図である。
【図20】この図は、直方体のブロックによりワイヤにできる開き代の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
【0045】
1 実施例1及び2の使用済みブロック
2 使用済みブロックの側面
3 使用済みブロックの挿通孔
4 実施例1の追加ブロック
5 追加ブロックの底面
6 使用済みブロックの底面
7,7a 追加ブロックのテーパーな側面
8 追加ブロックの底面の長い辺
8’ 追加ブロックの底面の短い辺
9 追加ブロックの上面
10 空隙部としての縦溝
11 追加ブロックの挿通孔
12 アンカー孔
13 ワイヤ
14 実施例1のブロック集合体
18 挿通孔の口部
21 覆土
22 土溜部
23 実施例2の追加ブロック
24 追加ブロックの側面
25 追加ブロックの上面
26 追加ブロックの底面
27、28 縦溝による空隙部
29 追加ブロックの挿通孔
30 実施例2のブロック集合体
31 実施例3の使用済みブロック
32 実施例3の追加ブロック
33 使用済みブロックの側面
34 使用済みブロックの貫通孔
35 追加ブロックの側面
36 追加ブロックの底面
37 追加ブロックの挿通孔
38 実施例3のブロック集合体
39 空隙部
40,41 土溜部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
法面や平地面に並べて敷設するブロックであって、鉄筋などに例示される長尺材を通す為の穴や溝に例示される挿入部が、前記ブロックの側面から他の側面に連通して設けられ、前記敷設されたブロックは互いの前記挿入部が連通する様に敷設されると共に前記挿入部には前記長尺材が挿通されている既存の施工現場において、前記ブロックを法面や平地面などの施工地面からの剥がす作業をする現場において、
前記剥がした使用済みの個々のブロックを、前記挿入部の方向に再度並べると共に、この挿入部にワイヤを挿入して前記並べたブロックを繋げたことを特徴とするブロック集合体。
【請求項2】
請求項1記載のブロック集合体であって、前記ブロック集合体の長手両端を吊り上げた時に生ずる前記ブロック集合体の撓みにより、隣接するブロックの対面する側面同士が下方向きに開く為に前記側面に連通する挿通部の口部同士も開き、この開きにより前記長尺材に開き代が出来てしまうブロック集合体である場合に、
請求項1記載のブロック集合体における使用済みのブロックの並びを、前記ブロックとは異なる形状の追加ブロックを前記使用済みのブロックの間に適宜挟み入れて成る新たな並びに替え、
この時、前記追加ブロックの前記側面は、前記撓みの生じる場合にも前記対面する側面の挿入部の口部同士に開きが生じない形状に形成されていることを特徴とするブロック集合体。
【請求項3】
追加ブロックが、使用済みブロックよりも高さのあるブロックであることを特徴とする請求項2記載のブロック集合体。
【請求項4】
追加ブロックが、土を収納できる空隙部を有した植生用のブロックであることを特徴とする請求項2又は3記載のブロック集合体。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか記載のブロック集合体にして保管することを特徴とするブロックの保管方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−225860(P2006−225860A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−37586(P2005−37586)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(591043950)揖斐川工業株式会社 (12)
【Fターム(参考)】