コンクリートパネル用連結金具
【課題】
隣り合うコンクリートパネルをより強固に連結することができ、上下左右のコンクリートパネルが強固に一体となった壁面を容易に構築可能なコンクリートパネルの連結金具を提供する。
【解決手段】
連結プレート9は、金属板の上辺部分と下辺部分をそれぞれ折り返して補強部12を形成すると共に、両補強部の間に段差空部13を形成し、中央部には貫通孔を放射状に開設し、貫通孔の外側に止着孔を開設してなり、溶接プレート10は、連結プレートの貫通孔内に挿通する挿通部10aと、この挿通部の一端に形成されて貫通孔の開口周辺に係止する抜け止め部10bとを有し、溶接プレートの挿通部を連結プレートの貫通孔内に挿通して抜け止め部を段差空部内に収納し、挿通部の先端を壁面の背後に突出させた状態で連結プレートを隣り合うコンクリートパネルの境界に止着し、連結プレートから突出した挿通部にサポート筋の端部を溶接固定する。
隣り合うコンクリートパネルをより強固に連結することができ、上下左右のコンクリートパネルが強固に一体となった壁面を容易に構築可能なコンクリートパネルの連結金具を提供する。
【解決手段】
連結プレート9は、金属板の上辺部分と下辺部分をそれぞれ折り返して補強部12を形成すると共に、両補強部の間に段差空部13を形成し、中央部には貫通孔を放射状に開設し、貫通孔の外側に止着孔を開設してなり、溶接プレート10は、連結プレートの貫通孔内に挿通する挿通部10aと、この挿通部の一端に形成されて貫通孔の開口周辺に係止する抜け止め部10bとを有し、溶接プレートの挿通部を連結プレートの貫通孔内に挿通して抜け止め部を段差空部内に収納し、挿通部の先端を壁面の背後に突出させた状態で連結プレートを隣り合うコンクリートパネルの境界に止着し、連結プレートから突出した挿通部にサポート筋の端部を溶接固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートパネルを上下左右に並べて壁面を構築する際に隣り合うコンクリートパネル同士を連結する連結金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
山間地における砂防ダム等における擁壁を構築する場合、例えば、長方形板状のコンクリートパネルが用いられることがある。このコンクリートパネルとしては、表面に天然の溶岩を配したもの等、様々な意匠が施されたものが提案されており、設置環境に応じたコンクリートパネルを選択して擁壁を構築することで、より自然な景観を確保することが可能である。
【0003】
このようなコンクリートパネルによる擁壁を立設する工法としては、例えば、鉄筋を保持可能な固定金具を背面に設けたコンクリートパネルを上下左右に積み上げると共に、積み上げたコンクリートパネルの背面側に鉄筋を格子状に配置した状態でこの鉄筋を各コンクリートパネルの固定金具に取り付けて固定することで各コンクリートパネル同士を連結するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平9−32014号公報(第1図〜第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示のものは、各コンクリートパネルを連結している鉄筋が撓み易いため、十分な連結強度が得られないという問題があった。特に、上流側擁壁と下流側擁壁との間に生コンクリートや土砂等を流し込んだときの圧力を鉄筋が十分に受け止めることができず、擁壁全体が外側に膨らんでしまったり、隣り合うコンクリートパネルの境界部分から生コンクリート等が漏出する虞がある。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑み提案されたものであり、その目的は、隣り合うコンクリートパネルをより強固に連結することができ、上下左右のコンクリートパネルが強固に一体となった壁面を容易に構築可能なコンクリートパネルの連結金具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、コンクリートパネルを上下左右に並べて積み上げ、上下に隣り合うコンクリートパネルの間にインサートピンを挿入して連結しながら壁面を構築する際に、隣り合うコンクリートパネル同士を連結すると共に、壁面の背後に配するサポート筋とコンクリートパネルとを連結する連結金具であって、
該連結金具は、金属板製の連結プレートと、該連結プレートに開設した貫通孔内に貫通される金属板製の挿通片とからなり、
前記連結プレートは、矩形の金属板の上辺部分と下辺部分をそれぞれ折り返して同一面に補強部を形成すると共に、両補強部の間に段差空部を形成し、中央部にはスリット状の貫通孔を放射状に開設し、該貫通孔の外側に止着孔を開設してなり、
前記挿通片は、前記連結プレートの貫通孔内に挿通する挿通部と、該挿通部の一端に形成されて前記貫通孔の開口周辺に係止する抜け止め部とを有し、
前記挿通片の挿通部を連結プレートの貫通孔内に挿通して前記抜け止め部を前記段差空部内に収納し、挿通部の先端を壁面の背後に突出させた状態で連結プレートを隣り合うコンクリートパネルの境界に止着し、連結プレートから突出した前記挿通部にサポート筋の端部を溶接固定し、左右に隣り合うコンクリートパネルの境界を前記補強部により補強するようにしたことを特徴とするコンクリートパネル用連結金具である。
【0008】
請求項2に記載のものは、前記貫通孔が、水平方向のスリットと垂直方向のスリットを交差させた十文字形に開設されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートパネル用連結金具である。
【0009】
請求項3に記載のものは、前記挿通片の抜け止め部と前記連結プレートの補強部との厚さを揃えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンクリートパネル用連結金具である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のコンクリートパネルの連結金具によれば、次のような優れた効果を奏する。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、挿通片の挿通部を連結プレートの貫通孔内に挿通して抜け止め部を段差空部内に収納し、挿通部の先端を壁面の背後に突出させた状態で連結プレートを隣り合うコンクリートパネルの境界に止着し、連結プレートから突出した挿通部にサポート筋の端部を溶接固定し、左右に隣り合うコンクリートパネルの境界を補強部により補強するようにしたので、これらのコンクリートパネル同士をより強固に連結することができる。そのため、例えば、壁面の裏側に生コンクリートや土砂等を充填したときの圧力を、隣り合うコンクリートパネル同士が一体となって十分に受け止めることができ、境界部分からの生コンクリート等の漏出や、左右に並べたコンクリートパネルの外側への膨らみを防止することができる。
【0011】
また、両補強部の間に段差空部を有することで連結プレートがその弾性により撓むことができるので、必要な強度を確保しつつも連結プレートに免震機能を付与できる。したがって、地震等の振動を吸収することができる。
さらに、連結金具は、先端が壁面の背後に突出した挿通片を有するので、基礎コンクリート等の設置対象物に固定するためのサポート筋との接合が容易であり、より効率良く壁面を構築することができる。
そして、連結プレートの貫通孔を放射状に開設したので、必要に応じて挿通片の姿勢を変えることができる。これにより、コンクリートパネルの設置対象物の形状や位置に拘らずコンクリートパネルの壁面を容易に立設することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、挿通片の抜け止め部と連結プレートの補強部との厚さを揃えたので、連結プレートをコンクリートパネルに止着した際に、段差空部内に収納された抜け止め部を連結プレート及びコンクリートパネルに密着させることができ、挿通片をがたつき無く装着させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の最良の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明を適用して構築されたコンクリート擁壁(本発明における壁面の一種に相当:以下、単に擁壁という)1の外観を示す正面図であり、図2は、図1の擁壁1を側方から見た図である。なお、以下、擁壁1の設置面(基礎コンクリート2)側を上下方向の下として説明する。また、上流側擁壁と下流側擁壁とは同様の構造及び工程で構築されるため、以下においては一方(下流側擁壁)のみについて説明し、他方については適宜省略する。
このコンクリート擁壁1は、基礎コンクリート2の上に、複数のコンクリートパネル3を上下左右に並べて順次積み上げて立設すると共に、隣り合うコンクリートパネル3同士をインサートピン4や連結金具5を用いて連結することで構築されている。
【0014】
本実施形態のコンクリートパネル3は、図3に示すように、横幅約1000mm、高さ約400mm、厚さ約60mmに設定されたコンクリート製の板材である。このコンクリートパネル3の上端面と下端面にはインサートピンが挿入される嵌合孔6が2つずつ合計4箇所に開設されており、背面の周縁部には連結金具5を取り付けるための雌ネジ部7が、隅角部に4箇所、左右中央部に4箇所の合計8箇所に設けられている。
【0015】
上記嵌合孔6に挿入されるインサートピン4は、図4(a),(b)に示すように、ステンレス等の金属製の接合軸4aと、この接合軸4aの表面の一部を被覆する樹脂製の弾性部材4bとにより成り、これらを一体成型することで構成されている。弾性部材4bは、嵌合孔6の傾斜角に合わせて軸方向の中央から両端に向けて次第に細くなるテーパー形状に作製されている。そして、図4(c)に示すように、上記インサートピン4を下段のコンクリートパネル3の上端面に開設された嵌合孔6に挿入して嵌合させると、インサートピン4の軸方向の略半分までが嵌合孔6内に収納され、残りの半分は露出した状態となる。この露出したインサートピン4を上段のコンクリートパネル3の下端面に開設されている嵌合孔6に嵌合させることで、上下に隣り合うコンクリートパネル3を位置決めした状態で連結することができる。
【0016】
このインサートピン4は、上下のコンクリートパネル3の境界部分を補強するため、擁壁1の裏側に生コンクリートや土砂等を充填したときの圧力を、上下に隣り合うコンクリートパネル3同士が一体となってより強固に受け止めることができ、境界部分からの生コンクリート等の漏出や、上下に並べたコンクリートパネル3の外側への膨らみを防止することができる。
【0017】
上記連結金具5は、金属板製の連結プレート(接続プレート)9と、この連結プレート9の中央部に開設した貫通孔に挿通される金属板製の溶接プレート10(本発明における挿通片に相当)との組により構成され、本実施形態においては、擁壁1における連結箇所に応じて図5及び図6に示す2種類の連結プレート9が用いられる。図5に示すものは、上下左右に隣り合うコンクリートパネル同士の連結に使用される連結プレート9(以下、適宜、第1プレート9aという)であり、擁壁1の最上縁部及び最下縁部以外での連結に用いられるものである。また、図6に示すものは、擁壁1の最上縁部又最下縁部において左右に隣り合うコンクリートパネル3同士を連結するための連結プレート9(以下、適宜、第2プレート9bという)である。なお、図5,6において、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図、(c)は(a)におけるB−B線断面図である。
また、図7は、溶接プレート10を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図である。
【0018】
連結プレート9は、例えば、強い弾性を有する鉄板やステンレス鋼等の矩形の金属製の板材により作製されており、上辺部分と下辺部分をそれぞれ折り返して二重にすることで同一面(裏面)に左右方向に長尺な補強部12が形成されている。この補強部12は、スペーサとしても機能し、コンクリートパネル3同士を連結する際に補強部12をコンクリートパネル3に当接させることで、両補強部12,12の間に段差空部13が形成されるようになっている(図8参照)。また、この連結プレート9の中央部には、溶接プレート10が挿通されるスリット状の貫通孔14が放射状、本実施形態においては縦方向スリット14vと横方向スリット14hとにより十文字状に開設されると共に、この貫通孔14の外側における補強部12を避けた位置に止着孔15が開設されている。この止着孔15は、第1プレート9aの隅角部に4箇所開設されており、第2プレート9bの左右両側に2箇所開設されている。
【0019】
上記溶接プレート10は、連結プレート9の貫通孔14内に挿通される舌片状の挿通部10aと、この挿通部10aの一端側を略直角に折り曲げることで形成され貫通孔14の開口周辺に係止可能な抜け止め部10bとを有する断面L字状の金属製の板材である。この溶接プレート10と上記連結プレート9とは同じ厚さに設定されており、挿通部10aを貫通孔14に通して抜け止め部10bを貫通孔14の周辺部に係止させて段差空部13内に収納すると、抜け止め部10bは、補強部12とほぼ同一面に揃うようになっている。なお、この溶接プレート10の挿通部10aは、貫通孔14の縦方向スリット14v及び横方向スリット14hの何れにも通すことができるようになっており、必要に応じて姿勢を縦又は横にすることができる。
【0020】
図8は、上記のように構成された連結金具5を用いて隣り合うコンクリートパネル3同士を連結した状態を説明する図であり、(a)は側方から見た図、(b)は上方から見た図である。同図に示すように、連結金具5をコンクリートパネル3に取り付ける際には、まず、溶接プレート10の挿通部10aを連結プレート9の貫通孔14に裏側(段差空部13側)から通して先端を連結プレート9の表側に突出させると共に、抜け止め部10bを貫通孔14の周辺部分に係止させる。この図の例では、挿通部10aを貫通孔14の縦方向スリット14vに通すことで、溶接プレート10をコンクリートパネル3の設置面に対して立てた状態にしてある。
【0021】
次に、補強部12側をコンクリートパネル3側に向けると共に補強部12が連結プレート9の上下に位置する姿勢で、隣り合うコンクリートパネル3同士の境界を跨いで連結金具5を配置する。そして、連結プレート9の止着孔15とコンクリートパネル3の雌ネジ部7の位置を合わせ、ボルト17を連結プレート9の表側からワッシャ(図示せず)を介在させた状態で止着孔15に通し、雌ネジ部7に螺合させて締め付ける。これにより、抜け止め部10bが段差空部13内に収納されると共に挿通部10aの先端がコンクリートパネル3(擁壁1)の背後に突出した状態で、連結プレート9(連結金具5)が隣り合うコンクリートパネル3の境界に止着される。なお、上記第1プレート9aを用いた場合には上下左右に隣り合うコンクリートパネル3同士を連結することができ、上記第2プレート9bを用いた場合には左右に隣り合うコンクリートパネル3同士を連結することができる。
【0022】
この際、連結プレート9とコンクリートパネル3との間には段差空部13が形成されているため、ボルト17をより強く締め付けると、連結プレート9はその弾性によって段差空部13側に撓むことが可能である。そのため、この連結プレート9の撓みによってボルト17を比較的強めに締め付けても締め付け力を吸収することができる。これにより、コンクリートパネル3のひび割れや損壊を防止しつつも連結プレート9をより確実に止着することができ、その結果、コンクリートパネル3同士をより強固に連結することができる。例えば、左右に隣り合うコンクリートパネル3の厚さ等に多少の公差があった場合においても、連結プレート9の弾性による撓みによって問題なく連結することが可能である。
【0023】
また、連結プレート9の補強部12が、左右に隣り合うコンクリートパネル3の境界を跨いで配されるため、この境界部分を補強することができ、これらのコンクリートパネル同士をより強固に連結することができる。したがって、本発明の連結金具5を用いて擁壁1を構築した場合、擁壁1の裏側に生コンクリートや土砂等を充填した際の圧力を、左右に隣り合うコンクリートパネル3同士が一体となって十分に受け止めることができ、境界部分からの生コンクリート等の漏出や、左右に並べたコンクリートパネル3の外側への膨らみを防止することができる。
【0024】
さらに、抜け止め部10bと補強部12の厚さが揃っているため、ボルト17を締め付けることによって段差空部13内に収納された抜け止め部10bを連結プレート9及びコンクリートパネル3に密着させることができ、溶接プレート10をがたつき無く装着することができる。
【0025】
次に、上記連結金具5を用いて隣り合うコンクリートパネル3を連結しながらこれらを積み重ねて擁壁1を構築する手順について説明する。
【0026】
まず、図2に示すように、擁壁1を立設する位置に予め基礎コンクリート2を打設する。なお、この基礎コンクリート2に替えて基礎ブロック等を布設しても良い。
基礎コンクリート2の上面には、擁壁1(コンクリートパネル3)の支持・固定に使用されるアンカー筋19を、連結金具5の取付間隔に対応するスパンで複数埋め込んでおく。また、コンクリートパネル3を所定の勾配で設置面に対して傾斜させた状態で裏側から支持するための基礎アングル20を配置する。この基礎アングル20は、2枚の断面略L字状の金属製板材を所定角度を付けた状態で組み合わせて接合することで作製されており、ネジ固定式アンカー21によって基礎コンクリート2上に仮留される。この基礎アングル20のコンクリートパネル3を支持する面には、コンクリートパネル3の雌ネジ部7に対応させた取付孔が開設されており、コンクリートパネル3をボルトで取り付けることができるようになっている。
【0027】
基礎コンクリート2にアンカー筋19と基礎アングル20を配置したならば、最下段(1段目)のコンクリートパネル3を基礎コンクリート2上に左右に並べて設置する。この際、背面(雌ネジ部7開設面)を基礎アングル20に寄り掛らせた状態でこれらのコンクリートパネル3を基礎アングル20に取り付けると共に、上記連結金具5を用いて左右に隣り合うコンクリートパネル3同士を連結する。なお、上述したように、コンクリートパネル3の下側(擁壁1の最下縁部)の連結には上記第2プレート9bを、上側の連結には上記第1プレート9aを用い、それぞれ溶接プレート10の先端をコンクリートパネル3の背後に突出させた状態でコンクリートパネル3同士の境界部分に止着する。本実施形態においては、溶接プレート10の挿通部10aを、連結プレート9の縦方向スリット14vに通すことで、接地面(基礎コンクリート2の上面)に対して姿勢が縦になるようにしている。
【0028】
そして、コンクリートパネル3の勾配を微調整した上で、ネジ固定式アンカー21を締め込み、また、基礎アングル20にサポート筋22の一端部を溶接すると共にこのサポート筋22の他端部をアンカー筋19に溶接して基礎アングル20を基礎コンクリート2に固定する。また、図9に示すように、コンクリートパネル3に止着した上側の連結金具5の溶接プレート10(挿通部10a)にもサポート筋22の一端部を溶接すると共に他端部をアンカー筋19に溶接してコンクリートパネル3を基礎コンクリート2に固定する。
なお、設置した1段目のコンクリートパネル3の上端面に開設された嵌合孔6にインサートピン4を挿入してインサートピン4の上半部分を1段目のコンクリートパネル3の上端面から上方に突出させておく。
【0029】
このようにして1段目のコンクリートパネル3の設置が完了したならば、1段目のコンクリートパネル3の上に2段目のコンクリートパネル3を積み上げる。本実施形態においては、図1に示すように、下段(上段)の左右隣り合うコンクリートパネル3の境界の上(下)に、上段(下段)のコンクリートパネル3の左右中央が位置するように互い違いに配置しながら積み上げていく。すなわち、コンクリートパネル3を千鳥状に配置しながら積み上げる。
【0030】
上段のコンクリートパネル3を下段のコンクリートパネル3上に積み上げて連結するには、上段のコンクリートパネル3の下端面に開設された嵌合孔に、下段のコンクリートパネル3から上方に突出したインサートピン4の上半部分を嵌合させると共に、上下左右に隣り合うコンクリートパネル3の境界部分に連結金具5を止着することで連結する。
【0031】
このような積み上げ作業を繰り返し、上流側と下流側で2段目のコンクリートパネル3の1段目のコンクリートパネル3上への設置が完了したならば、その間の空間に、図2に示すように、1段目のコンクリートパネル3の上端近傍、具体的には、1段目と2段目のコンクリートパネル3同士を連結している連結金具5が隠れる程度までコンクリート(生コンクリート)24を充填し、その上面にアンカー筋19を連結金具5の取付間隔に対応するスパンで複数埋め込んでおく。
【0032】
コンクリート24の充填とアンカー筋19の埋め込みが終了したならば、1段目と同様に、2段目のコンクリートパネル3に止着した上側の連結金具5の溶接プレート10にサポート筋22の一端部を溶接すると共に他端部をアンカー筋19に溶接して2段目のコンクリートパネル3をコンクリート24に連結固定する。
【0033】
2段目の作業が終了したならば、その上に3段目以降のコンクリートパネル3を、2段目の場合と同様にインサートピン4及び連結金具5により連結しながら積み上げ、連結金具5の溶接プレート10とアンカー筋19とをサポート筋22によって連結し、各コンクリートパネル3を、コンクリート24に固定していく。そして、5段目のコンクリートパネル3の積み上げ作業が終了したならば、上流側と下流側との間に2段目のコンクリート24を充填する。6段目以降は3〜5段目と同様の作業を順次繰り返して行う。
【0034】
なお、最上段のコンクリートパネル3を設置面に対して垂直になるように設置し、上流側と下流側の最上段のコンクリートパネル3同士を互いにサポート筋22によって連結する態様を採る場合がある。この場合、最上段のコンクリートパネル3の上側の連結金具5に関し、溶接プレート10の挿通部10aを連結プレート10の横方向スリット14hに通すことで溶接プレート10の姿勢を横向きにし、この横向きにした溶接プレート10の上面にサポート筋22の端部を溶接する。これにより、溶接プレート10にサポート筋22を溶接固定する際に、サポート筋30の水平方向の向きを適宜調整することができる。したがって、上流側の連結金具5と下流側の連結金具5とで左右方向の位置が多少ずれていたとしても、上流側と下流側のコンクリートパネル3同士をサポート筋22によって問題なく連結することが可能となる。
【0035】
このようにして、上下左右に隣接するコンクリートパネル3を連結金具5及びインサートピン4によって連結し尚且つ上段と下段のコンクリートパネル3の位置を互い違いにずらして積み上げているので上下左右のコンクリートパネル3が強固に一体となった擁壁1を容易に構築することができる。
【0036】
また、コンクリートパネル3同士を連結している連結金具5は、補強部12によって左右に隣り合うコンクリートパネル3同士の境界部分を補強すると共に、両補強部12の間に段差空部13を有することで連結プレート9が撓むことができるので、必要な強度を確保しつつも連結プレート9に柔軟性を持たせることができ、免震機能を付与できる。したがって、地震等の振動を吸収することができる。
さらに、連結金具5は、先端が擁壁1(コンクリートパネル3)の背後に突出した溶接プレート10を有するので、基礎コンクリート2等の設置対象物に固定するためのサポート筋22との接合が容易であり、より効率良く擁壁1を構築することができる。
【0037】
次に、本発明の第2の実施形態として、既設の鋼矢板27による擁壁28の前面(表面)側にコンクリートパネル3による被覆壁26として壁面を構築する例について図10,11を用いて説明する。なお、図10は本実施形態における被覆壁26及び擁壁28を側方から見た図、図11(a)は被覆壁26及び擁壁28を上方から見た図、図11(b)は図11(a)における領域Aの拡大図である。
【0038】
上記鋼矢板27は、図11(a)に示すように、左右側縁部分を一方の面側に屈曲成形して断面を略コ字状とした鋼製長尺板材であり、外側に少し開いた両側縁に接合部29が形成されている。この接合部29は、鋼矢板27の側縁部分を外側に屈曲してさらに鈎形に屈曲成形したもので、この鈎形部分の空間内に隣の鋼矢板27に形成された接合部29の鈎形部分が丁度嵌合するように各部の寸法を設定して構成されている。
そして、擁壁28は、鋼矢板27の開放側の向きを交互に変えながら隣り合う鋼矢板27同士を接合部29で接合して構築されているため、凹凸を有する形状となっている。
【0039】
このような凹凸のある擁壁28の前面にコンクリートパネル3による被覆壁26を構築する場合、複数のコンクリートパネル3を上下左右に並べて順次積み上げて立設すると共に、隣り合うコンクリートパネル3同士をインサートピン4や連結金具5を用いて連結することで構築する点は上記第1の実施形態と共通しているが、立設したコンクリートパネル3をサポート筋30によって鋼矢板27に接合して固定する点で異なっている。このサポート筋30としては、被覆壁26と擁壁28との距離に応じて、即ち、擁壁28の凹凸に応じて長尺なもの(サポート筋30a)と短尺なもの(サポート筋30b)の2種類を用いる。
【0040】
また、コンクリートパネル3に止着する連結金具5に関し、溶接プレート10の挿通部10aを連結プレート10の横方向スリット14hに通すことで溶接プレート10の姿勢を横向きにし、横向きにした溶接プレート10の上面にサポート筋30の端部を溶接する。このようにすると、図11(b)に示すように、接合位置や水平方向の向きを任意に調整した上でサポート筋30を溶接プレート10に接合することができる。したがって、コンクリートパネル3(被覆壁26)から鋼矢板27(擁壁28)までの距離が一定でなくても、これらを問題なく連結固定することが可能となる。この際、コンクリートパネル3の傾斜勾配についても、連結プレート10上におけるサポート筋30の接合位置を変えることで適宜調整することができる。
【0041】
このように、本発明の連結金具5は、貫通孔14をスリット14vと横方向スリット14hとにより十文字状に開設したので、コンクリートパネル3の立設環境に応じて溶接プレート10の姿勢を変えることができる。これにより、コンクリートパネル3の接合対象の形状や方向等に柔軟に対応することができる。
【0042】
なお、上記した各実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。
例えば、本発明の壁面は、上記各実施形態で例示した擁壁1や被覆壁26に限定されず、土手などの堤や貯水ダムの壁面等も含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の接合金具を用いて構築された擁壁の構成を説明する正面図である。
【図2】図1の擁壁を側方から見た図である。
【図3】(a)はコンクリートパネルの平面図、(b)はコンクリートパネルの平面図、(c)はコンクリートパネルの左側面図である。
【図4】(a)はインサートピンの正面図、(b)はインサートピンの平面図、(c)はインサートピンによって上下のコンクリートパネルを連結した状態を説明する図である。
【図5】(a)は連結プレート(第1プレート)の正面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図、(c)は(a)におけるB−B線断面図である。
【図6】(a)は連結プレート(第2プレート)の正面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図、(c)は(a)におけるB−B線断面図である。
【図7】(a)は溶接プレートの平面図、(b)は溶接プレートの正面図、(c)は溶接プレートの左側面図である。
【図8】連結金具を用いて隣り合うコンクリートパネル同士を連結した状態を説明する図であり、(a)は側方から見た図、(b)は上方から見た図である。
【図9】連結金具の溶接プレートにサポート筋を接合した状態を説明する図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における被覆壁及び擁壁を側方から見た図である。
【図11】(a)は被覆壁及び擁壁を上方から見た図、(b)は(a)における領域Aの拡大図である。
【符号の説明】
【0044】
1 コンクリート擁壁
2 基礎コンクリート
3 コンクリートパネル
4 インサートピン
5 連結金具
9 連結プレート
10 溶接プレート
12 補強部
13 段差空部
14 貫通孔
15 止着孔
19 アンカー筋
22 サポート筋
26 被覆壁
27 鋼矢板
30 サポート筋
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートパネルを上下左右に並べて壁面を構築する際に隣り合うコンクリートパネル同士を連結する連結金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
山間地における砂防ダム等における擁壁を構築する場合、例えば、長方形板状のコンクリートパネルが用いられることがある。このコンクリートパネルとしては、表面に天然の溶岩を配したもの等、様々な意匠が施されたものが提案されており、設置環境に応じたコンクリートパネルを選択して擁壁を構築することで、より自然な景観を確保することが可能である。
【0003】
このようなコンクリートパネルによる擁壁を立設する工法としては、例えば、鉄筋を保持可能な固定金具を背面に設けたコンクリートパネルを上下左右に積み上げると共に、積み上げたコンクリートパネルの背面側に鉄筋を格子状に配置した状態でこの鉄筋を各コンクリートパネルの固定金具に取り付けて固定することで各コンクリートパネル同士を連結するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平9−32014号公報(第1図〜第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示のものは、各コンクリートパネルを連結している鉄筋が撓み易いため、十分な連結強度が得られないという問題があった。特に、上流側擁壁と下流側擁壁との間に生コンクリートや土砂等を流し込んだときの圧力を鉄筋が十分に受け止めることができず、擁壁全体が外側に膨らんでしまったり、隣り合うコンクリートパネルの境界部分から生コンクリート等が漏出する虞がある。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑み提案されたものであり、その目的は、隣り合うコンクリートパネルをより強固に連結することができ、上下左右のコンクリートパネルが強固に一体となった壁面を容易に構築可能なコンクリートパネルの連結金具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、コンクリートパネルを上下左右に並べて積み上げ、上下に隣り合うコンクリートパネルの間にインサートピンを挿入して連結しながら壁面を構築する際に、隣り合うコンクリートパネル同士を連結すると共に、壁面の背後に配するサポート筋とコンクリートパネルとを連結する連結金具であって、
該連結金具は、金属板製の連結プレートと、該連結プレートに開設した貫通孔内に貫通される金属板製の挿通片とからなり、
前記連結プレートは、矩形の金属板の上辺部分と下辺部分をそれぞれ折り返して同一面に補強部を形成すると共に、両補強部の間に段差空部を形成し、中央部にはスリット状の貫通孔を放射状に開設し、該貫通孔の外側に止着孔を開設してなり、
前記挿通片は、前記連結プレートの貫通孔内に挿通する挿通部と、該挿通部の一端に形成されて前記貫通孔の開口周辺に係止する抜け止め部とを有し、
前記挿通片の挿通部を連結プレートの貫通孔内に挿通して前記抜け止め部を前記段差空部内に収納し、挿通部の先端を壁面の背後に突出させた状態で連結プレートを隣り合うコンクリートパネルの境界に止着し、連結プレートから突出した前記挿通部にサポート筋の端部を溶接固定し、左右に隣り合うコンクリートパネルの境界を前記補強部により補強するようにしたことを特徴とするコンクリートパネル用連結金具である。
【0008】
請求項2に記載のものは、前記貫通孔が、水平方向のスリットと垂直方向のスリットを交差させた十文字形に開設されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートパネル用連結金具である。
【0009】
請求項3に記載のものは、前記挿通片の抜け止め部と前記連結プレートの補強部との厚さを揃えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンクリートパネル用連結金具である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のコンクリートパネルの連結金具によれば、次のような優れた効果を奏する。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、挿通片の挿通部を連結プレートの貫通孔内に挿通して抜け止め部を段差空部内に収納し、挿通部の先端を壁面の背後に突出させた状態で連結プレートを隣り合うコンクリートパネルの境界に止着し、連結プレートから突出した挿通部にサポート筋の端部を溶接固定し、左右に隣り合うコンクリートパネルの境界を補強部により補強するようにしたので、これらのコンクリートパネル同士をより強固に連結することができる。そのため、例えば、壁面の裏側に生コンクリートや土砂等を充填したときの圧力を、隣り合うコンクリートパネル同士が一体となって十分に受け止めることができ、境界部分からの生コンクリート等の漏出や、左右に並べたコンクリートパネルの外側への膨らみを防止することができる。
【0011】
また、両補強部の間に段差空部を有することで連結プレートがその弾性により撓むことができるので、必要な強度を確保しつつも連結プレートに免震機能を付与できる。したがって、地震等の振動を吸収することができる。
さらに、連結金具は、先端が壁面の背後に突出した挿通片を有するので、基礎コンクリート等の設置対象物に固定するためのサポート筋との接合が容易であり、より効率良く壁面を構築することができる。
そして、連結プレートの貫通孔を放射状に開設したので、必要に応じて挿通片の姿勢を変えることができる。これにより、コンクリートパネルの設置対象物の形状や位置に拘らずコンクリートパネルの壁面を容易に立設することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、挿通片の抜け止め部と連結プレートの補強部との厚さを揃えたので、連結プレートをコンクリートパネルに止着した際に、段差空部内に収納された抜け止め部を連結プレート及びコンクリートパネルに密着させることができ、挿通片をがたつき無く装着させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の最良の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明を適用して構築されたコンクリート擁壁(本発明における壁面の一種に相当:以下、単に擁壁という)1の外観を示す正面図であり、図2は、図1の擁壁1を側方から見た図である。なお、以下、擁壁1の設置面(基礎コンクリート2)側を上下方向の下として説明する。また、上流側擁壁と下流側擁壁とは同様の構造及び工程で構築されるため、以下においては一方(下流側擁壁)のみについて説明し、他方については適宜省略する。
このコンクリート擁壁1は、基礎コンクリート2の上に、複数のコンクリートパネル3を上下左右に並べて順次積み上げて立設すると共に、隣り合うコンクリートパネル3同士をインサートピン4や連結金具5を用いて連結することで構築されている。
【0014】
本実施形態のコンクリートパネル3は、図3に示すように、横幅約1000mm、高さ約400mm、厚さ約60mmに設定されたコンクリート製の板材である。このコンクリートパネル3の上端面と下端面にはインサートピンが挿入される嵌合孔6が2つずつ合計4箇所に開設されており、背面の周縁部には連結金具5を取り付けるための雌ネジ部7が、隅角部に4箇所、左右中央部に4箇所の合計8箇所に設けられている。
【0015】
上記嵌合孔6に挿入されるインサートピン4は、図4(a),(b)に示すように、ステンレス等の金属製の接合軸4aと、この接合軸4aの表面の一部を被覆する樹脂製の弾性部材4bとにより成り、これらを一体成型することで構成されている。弾性部材4bは、嵌合孔6の傾斜角に合わせて軸方向の中央から両端に向けて次第に細くなるテーパー形状に作製されている。そして、図4(c)に示すように、上記インサートピン4を下段のコンクリートパネル3の上端面に開設された嵌合孔6に挿入して嵌合させると、インサートピン4の軸方向の略半分までが嵌合孔6内に収納され、残りの半分は露出した状態となる。この露出したインサートピン4を上段のコンクリートパネル3の下端面に開設されている嵌合孔6に嵌合させることで、上下に隣り合うコンクリートパネル3を位置決めした状態で連結することができる。
【0016】
このインサートピン4は、上下のコンクリートパネル3の境界部分を補強するため、擁壁1の裏側に生コンクリートや土砂等を充填したときの圧力を、上下に隣り合うコンクリートパネル3同士が一体となってより強固に受け止めることができ、境界部分からの生コンクリート等の漏出や、上下に並べたコンクリートパネル3の外側への膨らみを防止することができる。
【0017】
上記連結金具5は、金属板製の連結プレート(接続プレート)9と、この連結プレート9の中央部に開設した貫通孔に挿通される金属板製の溶接プレート10(本発明における挿通片に相当)との組により構成され、本実施形態においては、擁壁1における連結箇所に応じて図5及び図6に示す2種類の連結プレート9が用いられる。図5に示すものは、上下左右に隣り合うコンクリートパネル同士の連結に使用される連結プレート9(以下、適宜、第1プレート9aという)であり、擁壁1の最上縁部及び最下縁部以外での連結に用いられるものである。また、図6に示すものは、擁壁1の最上縁部又最下縁部において左右に隣り合うコンクリートパネル3同士を連結するための連結プレート9(以下、適宜、第2プレート9bという)である。なお、図5,6において、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図、(c)は(a)におけるB−B線断面図である。
また、図7は、溶接プレート10を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図である。
【0018】
連結プレート9は、例えば、強い弾性を有する鉄板やステンレス鋼等の矩形の金属製の板材により作製されており、上辺部分と下辺部分をそれぞれ折り返して二重にすることで同一面(裏面)に左右方向に長尺な補強部12が形成されている。この補強部12は、スペーサとしても機能し、コンクリートパネル3同士を連結する際に補強部12をコンクリートパネル3に当接させることで、両補強部12,12の間に段差空部13が形成されるようになっている(図8参照)。また、この連結プレート9の中央部には、溶接プレート10が挿通されるスリット状の貫通孔14が放射状、本実施形態においては縦方向スリット14vと横方向スリット14hとにより十文字状に開設されると共に、この貫通孔14の外側における補強部12を避けた位置に止着孔15が開設されている。この止着孔15は、第1プレート9aの隅角部に4箇所開設されており、第2プレート9bの左右両側に2箇所開設されている。
【0019】
上記溶接プレート10は、連結プレート9の貫通孔14内に挿通される舌片状の挿通部10aと、この挿通部10aの一端側を略直角に折り曲げることで形成され貫通孔14の開口周辺に係止可能な抜け止め部10bとを有する断面L字状の金属製の板材である。この溶接プレート10と上記連結プレート9とは同じ厚さに設定されており、挿通部10aを貫通孔14に通して抜け止め部10bを貫通孔14の周辺部に係止させて段差空部13内に収納すると、抜け止め部10bは、補強部12とほぼ同一面に揃うようになっている。なお、この溶接プレート10の挿通部10aは、貫通孔14の縦方向スリット14v及び横方向スリット14hの何れにも通すことができるようになっており、必要に応じて姿勢を縦又は横にすることができる。
【0020】
図8は、上記のように構成された連結金具5を用いて隣り合うコンクリートパネル3同士を連結した状態を説明する図であり、(a)は側方から見た図、(b)は上方から見た図である。同図に示すように、連結金具5をコンクリートパネル3に取り付ける際には、まず、溶接プレート10の挿通部10aを連結プレート9の貫通孔14に裏側(段差空部13側)から通して先端を連結プレート9の表側に突出させると共に、抜け止め部10bを貫通孔14の周辺部分に係止させる。この図の例では、挿通部10aを貫通孔14の縦方向スリット14vに通すことで、溶接プレート10をコンクリートパネル3の設置面に対して立てた状態にしてある。
【0021】
次に、補強部12側をコンクリートパネル3側に向けると共に補強部12が連結プレート9の上下に位置する姿勢で、隣り合うコンクリートパネル3同士の境界を跨いで連結金具5を配置する。そして、連結プレート9の止着孔15とコンクリートパネル3の雌ネジ部7の位置を合わせ、ボルト17を連結プレート9の表側からワッシャ(図示せず)を介在させた状態で止着孔15に通し、雌ネジ部7に螺合させて締め付ける。これにより、抜け止め部10bが段差空部13内に収納されると共に挿通部10aの先端がコンクリートパネル3(擁壁1)の背後に突出した状態で、連結プレート9(連結金具5)が隣り合うコンクリートパネル3の境界に止着される。なお、上記第1プレート9aを用いた場合には上下左右に隣り合うコンクリートパネル3同士を連結することができ、上記第2プレート9bを用いた場合には左右に隣り合うコンクリートパネル3同士を連結することができる。
【0022】
この際、連結プレート9とコンクリートパネル3との間には段差空部13が形成されているため、ボルト17をより強く締め付けると、連結プレート9はその弾性によって段差空部13側に撓むことが可能である。そのため、この連結プレート9の撓みによってボルト17を比較的強めに締め付けても締め付け力を吸収することができる。これにより、コンクリートパネル3のひび割れや損壊を防止しつつも連結プレート9をより確実に止着することができ、その結果、コンクリートパネル3同士をより強固に連結することができる。例えば、左右に隣り合うコンクリートパネル3の厚さ等に多少の公差があった場合においても、連結プレート9の弾性による撓みによって問題なく連結することが可能である。
【0023】
また、連結プレート9の補強部12が、左右に隣り合うコンクリートパネル3の境界を跨いで配されるため、この境界部分を補強することができ、これらのコンクリートパネル同士をより強固に連結することができる。したがって、本発明の連結金具5を用いて擁壁1を構築した場合、擁壁1の裏側に生コンクリートや土砂等を充填した際の圧力を、左右に隣り合うコンクリートパネル3同士が一体となって十分に受け止めることができ、境界部分からの生コンクリート等の漏出や、左右に並べたコンクリートパネル3の外側への膨らみを防止することができる。
【0024】
さらに、抜け止め部10bと補強部12の厚さが揃っているため、ボルト17を締め付けることによって段差空部13内に収納された抜け止め部10bを連結プレート9及びコンクリートパネル3に密着させることができ、溶接プレート10をがたつき無く装着することができる。
【0025】
次に、上記連結金具5を用いて隣り合うコンクリートパネル3を連結しながらこれらを積み重ねて擁壁1を構築する手順について説明する。
【0026】
まず、図2に示すように、擁壁1を立設する位置に予め基礎コンクリート2を打設する。なお、この基礎コンクリート2に替えて基礎ブロック等を布設しても良い。
基礎コンクリート2の上面には、擁壁1(コンクリートパネル3)の支持・固定に使用されるアンカー筋19を、連結金具5の取付間隔に対応するスパンで複数埋め込んでおく。また、コンクリートパネル3を所定の勾配で設置面に対して傾斜させた状態で裏側から支持するための基礎アングル20を配置する。この基礎アングル20は、2枚の断面略L字状の金属製板材を所定角度を付けた状態で組み合わせて接合することで作製されており、ネジ固定式アンカー21によって基礎コンクリート2上に仮留される。この基礎アングル20のコンクリートパネル3を支持する面には、コンクリートパネル3の雌ネジ部7に対応させた取付孔が開設されており、コンクリートパネル3をボルトで取り付けることができるようになっている。
【0027】
基礎コンクリート2にアンカー筋19と基礎アングル20を配置したならば、最下段(1段目)のコンクリートパネル3を基礎コンクリート2上に左右に並べて設置する。この際、背面(雌ネジ部7開設面)を基礎アングル20に寄り掛らせた状態でこれらのコンクリートパネル3を基礎アングル20に取り付けると共に、上記連結金具5を用いて左右に隣り合うコンクリートパネル3同士を連結する。なお、上述したように、コンクリートパネル3の下側(擁壁1の最下縁部)の連結には上記第2プレート9bを、上側の連結には上記第1プレート9aを用い、それぞれ溶接プレート10の先端をコンクリートパネル3の背後に突出させた状態でコンクリートパネル3同士の境界部分に止着する。本実施形態においては、溶接プレート10の挿通部10aを、連結プレート9の縦方向スリット14vに通すことで、接地面(基礎コンクリート2の上面)に対して姿勢が縦になるようにしている。
【0028】
そして、コンクリートパネル3の勾配を微調整した上で、ネジ固定式アンカー21を締め込み、また、基礎アングル20にサポート筋22の一端部を溶接すると共にこのサポート筋22の他端部をアンカー筋19に溶接して基礎アングル20を基礎コンクリート2に固定する。また、図9に示すように、コンクリートパネル3に止着した上側の連結金具5の溶接プレート10(挿通部10a)にもサポート筋22の一端部を溶接すると共に他端部をアンカー筋19に溶接してコンクリートパネル3を基礎コンクリート2に固定する。
なお、設置した1段目のコンクリートパネル3の上端面に開設された嵌合孔6にインサートピン4を挿入してインサートピン4の上半部分を1段目のコンクリートパネル3の上端面から上方に突出させておく。
【0029】
このようにして1段目のコンクリートパネル3の設置が完了したならば、1段目のコンクリートパネル3の上に2段目のコンクリートパネル3を積み上げる。本実施形態においては、図1に示すように、下段(上段)の左右隣り合うコンクリートパネル3の境界の上(下)に、上段(下段)のコンクリートパネル3の左右中央が位置するように互い違いに配置しながら積み上げていく。すなわち、コンクリートパネル3を千鳥状に配置しながら積み上げる。
【0030】
上段のコンクリートパネル3を下段のコンクリートパネル3上に積み上げて連結するには、上段のコンクリートパネル3の下端面に開設された嵌合孔に、下段のコンクリートパネル3から上方に突出したインサートピン4の上半部分を嵌合させると共に、上下左右に隣り合うコンクリートパネル3の境界部分に連結金具5を止着することで連結する。
【0031】
このような積み上げ作業を繰り返し、上流側と下流側で2段目のコンクリートパネル3の1段目のコンクリートパネル3上への設置が完了したならば、その間の空間に、図2に示すように、1段目のコンクリートパネル3の上端近傍、具体的には、1段目と2段目のコンクリートパネル3同士を連結している連結金具5が隠れる程度までコンクリート(生コンクリート)24を充填し、その上面にアンカー筋19を連結金具5の取付間隔に対応するスパンで複数埋め込んでおく。
【0032】
コンクリート24の充填とアンカー筋19の埋め込みが終了したならば、1段目と同様に、2段目のコンクリートパネル3に止着した上側の連結金具5の溶接プレート10にサポート筋22の一端部を溶接すると共に他端部をアンカー筋19に溶接して2段目のコンクリートパネル3をコンクリート24に連結固定する。
【0033】
2段目の作業が終了したならば、その上に3段目以降のコンクリートパネル3を、2段目の場合と同様にインサートピン4及び連結金具5により連結しながら積み上げ、連結金具5の溶接プレート10とアンカー筋19とをサポート筋22によって連結し、各コンクリートパネル3を、コンクリート24に固定していく。そして、5段目のコンクリートパネル3の積み上げ作業が終了したならば、上流側と下流側との間に2段目のコンクリート24を充填する。6段目以降は3〜5段目と同様の作業を順次繰り返して行う。
【0034】
なお、最上段のコンクリートパネル3を設置面に対して垂直になるように設置し、上流側と下流側の最上段のコンクリートパネル3同士を互いにサポート筋22によって連結する態様を採る場合がある。この場合、最上段のコンクリートパネル3の上側の連結金具5に関し、溶接プレート10の挿通部10aを連結プレート10の横方向スリット14hに通すことで溶接プレート10の姿勢を横向きにし、この横向きにした溶接プレート10の上面にサポート筋22の端部を溶接する。これにより、溶接プレート10にサポート筋22を溶接固定する際に、サポート筋30の水平方向の向きを適宜調整することができる。したがって、上流側の連結金具5と下流側の連結金具5とで左右方向の位置が多少ずれていたとしても、上流側と下流側のコンクリートパネル3同士をサポート筋22によって問題なく連結することが可能となる。
【0035】
このようにして、上下左右に隣接するコンクリートパネル3を連結金具5及びインサートピン4によって連結し尚且つ上段と下段のコンクリートパネル3の位置を互い違いにずらして積み上げているので上下左右のコンクリートパネル3が強固に一体となった擁壁1を容易に構築することができる。
【0036】
また、コンクリートパネル3同士を連結している連結金具5は、補強部12によって左右に隣り合うコンクリートパネル3同士の境界部分を補強すると共に、両補強部12の間に段差空部13を有することで連結プレート9が撓むことができるので、必要な強度を確保しつつも連結プレート9に柔軟性を持たせることができ、免震機能を付与できる。したがって、地震等の振動を吸収することができる。
さらに、連結金具5は、先端が擁壁1(コンクリートパネル3)の背後に突出した溶接プレート10を有するので、基礎コンクリート2等の設置対象物に固定するためのサポート筋22との接合が容易であり、より効率良く擁壁1を構築することができる。
【0037】
次に、本発明の第2の実施形態として、既設の鋼矢板27による擁壁28の前面(表面)側にコンクリートパネル3による被覆壁26として壁面を構築する例について図10,11を用いて説明する。なお、図10は本実施形態における被覆壁26及び擁壁28を側方から見た図、図11(a)は被覆壁26及び擁壁28を上方から見た図、図11(b)は図11(a)における領域Aの拡大図である。
【0038】
上記鋼矢板27は、図11(a)に示すように、左右側縁部分を一方の面側に屈曲成形して断面を略コ字状とした鋼製長尺板材であり、外側に少し開いた両側縁に接合部29が形成されている。この接合部29は、鋼矢板27の側縁部分を外側に屈曲してさらに鈎形に屈曲成形したもので、この鈎形部分の空間内に隣の鋼矢板27に形成された接合部29の鈎形部分が丁度嵌合するように各部の寸法を設定して構成されている。
そして、擁壁28は、鋼矢板27の開放側の向きを交互に変えながら隣り合う鋼矢板27同士を接合部29で接合して構築されているため、凹凸を有する形状となっている。
【0039】
このような凹凸のある擁壁28の前面にコンクリートパネル3による被覆壁26を構築する場合、複数のコンクリートパネル3を上下左右に並べて順次積み上げて立設すると共に、隣り合うコンクリートパネル3同士をインサートピン4や連結金具5を用いて連結することで構築する点は上記第1の実施形態と共通しているが、立設したコンクリートパネル3をサポート筋30によって鋼矢板27に接合して固定する点で異なっている。このサポート筋30としては、被覆壁26と擁壁28との距離に応じて、即ち、擁壁28の凹凸に応じて長尺なもの(サポート筋30a)と短尺なもの(サポート筋30b)の2種類を用いる。
【0040】
また、コンクリートパネル3に止着する連結金具5に関し、溶接プレート10の挿通部10aを連結プレート10の横方向スリット14hに通すことで溶接プレート10の姿勢を横向きにし、横向きにした溶接プレート10の上面にサポート筋30の端部を溶接する。このようにすると、図11(b)に示すように、接合位置や水平方向の向きを任意に調整した上でサポート筋30を溶接プレート10に接合することができる。したがって、コンクリートパネル3(被覆壁26)から鋼矢板27(擁壁28)までの距離が一定でなくても、これらを問題なく連結固定することが可能となる。この際、コンクリートパネル3の傾斜勾配についても、連結プレート10上におけるサポート筋30の接合位置を変えることで適宜調整することができる。
【0041】
このように、本発明の連結金具5は、貫通孔14をスリット14vと横方向スリット14hとにより十文字状に開設したので、コンクリートパネル3の立設環境に応じて溶接プレート10の姿勢を変えることができる。これにより、コンクリートパネル3の接合対象の形状や方向等に柔軟に対応することができる。
【0042】
なお、上記した各実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。
例えば、本発明の壁面は、上記各実施形態で例示した擁壁1や被覆壁26に限定されず、土手などの堤や貯水ダムの壁面等も含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の接合金具を用いて構築された擁壁の構成を説明する正面図である。
【図2】図1の擁壁を側方から見た図である。
【図3】(a)はコンクリートパネルの平面図、(b)はコンクリートパネルの平面図、(c)はコンクリートパネルの左側面図である。
【図4】(a)はインサートピンの正面図、(b)はインサートピンの平面図、(c)はインサートピンによって上下のコンクリートパネルを連結した状態を説明する図である。
【図5】(a)は連結プレート(第1プレート)の正面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図、(c)は(a)におけるB−B線断面図である。
【図6】(a)は連結プレート(第2プレート)の正面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図、(c)は(a)におけるB−B線断面図である。
【図7】(a)は溶接プレートの平面図、(b)は溶接プレートの正面図、(c)は溶接プレートの左側面図である。
【図8】連結金具を用いて隣り合うコンクリートパネル同士を連結した状態を説明する図であり、(a)は側方から見た図、(b)は上方から見た図である。
【図9】連結金具の溶接プレートにサポート筋を接合した状態を説明する図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における被覆壁及び擁壁を側方から見た図である。
【図11】(a)は被覆壁及び擁壁を上方から見た図、(b)は(a)における領域Aの拡大図である。
【符号の説明】
【0044】
1 コンクリート擁壁
2 基礎コンクリート
3 コンクリートパネル
4 インサートピン
5 連結金具
9 連結プレート
10 溶接プレート
12 補強部
13 段差空部
14 貫通孔
15 止着孔
19 アンカー筋
22 サポート筋
26 被覆壁
27 鋼矢板
30 サポート筋
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートパネルを上下左右に並べて積み上げ、上下に隣り合うコンクリートパネルの間にインサートピンを挿入して連結しながら壁面を構築する際に、隣り合うコンクリートパネル同士を連結すると共に、壁面の背後に配するサポート筋とコンクリートパネルとを連結する連結金具であって、
該連結金具は、金属板製の連結プレートと、該連結プレートに開設した貫通孔内に貫通される金属板製の挿通片とからなり、
前記連結プレートは、矩形の金属板の上辺部分と下辺部分をそれぞれ折り返して同一面に補強部を形成すると共に、両補強部の間に段差空部を形成し、中央部にはスリット状の貫通孔を放射状に開設し、該貫通孔の外側に止着孔を開設してなり、
前記挿通片は、前記連結プレートの貫通孔内に挿通する挿通部と、該挿通部の一端に形成されて前記貫通孔の開口周辺に係止する抜け止め部とを有し、
前記挿通片の挿通部を連結プレートの貫通孔内に挿通して前記抜け止め部を前記段差空部内に収納し、挿通部の先端を壁面の背後に突出させた状態で連結プレートを隣り合うコンクリートパネルの境界に止着し、連結プレートから突出した前記挿通部にサポート筋の端部を溶接固定し、左右に隣り合うコンクリートパネルの境界を前記補強部により補強するようにしたことを特徴とするコンクリートパネル用連結金具。
【請求項2】
前記貫通孔が、水平方向のスリットと垂直方向のスリットを交差させた十文字形に開設されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートパネル用連結金具。
【請求項3】
前記挿通片の抜け止め部と前記連結プレートの補強部との厚さを揃えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンクリートパネル用連結金具。
【請求項1】
コンクリートパネルを上下左右に並べて積み上げ、上下に隣り合うコンクリートパネルの間にインサートピンを挿入して連結しながら壁面を構築する際に、隣り合うコンクリートパネル同士を連結すると共に、壁面の背後に配するサポート筋とコンクリートパネルとを連結する連結金具であって、
該連結金具は、金属板製の連結プレートと、該連結プレートに開設した貫通孔内に貫通される金属板製の挿通片とからなり、
前記連結プレートは、矩形の金属板の上辺部分と下辺部分をそれぞれ折り返して同一面に補強部を形成すると共に、両補強部の間に段差空部を形成し、中央部にはスリット状の貫通孔を放射状に開設し、該貫通孔の外側に止着孔を開設してなり、
前記挿通片は、前記連結プレートの貫通孔内に挿通する挿通部と、該挿通部の一端に形成されて前記貫通孔の開口周辺に係止する抜け止め部とを有し、
前記挿通片の挿通部を連結プレートの貫通孔内に挿通して前記抜け止め部を前記段差空部内に収納し、挿通部の先端を壁面の背後に突出させた状態で連結プレートを隣り合うコンクリートパネルの境界に止着し、連結プレートから突出した前記挿通部にサポート筋の端部を溶接固定し、左右に隣り合うコンクリートパネルの境界を前記補強部により補強するようにしたことを特徴とするコンクリートパネル用連結金具。
【請求項2】
前記貫通孔が、水平方向のスリットと垂直方向のスリットを交差させた十文字形に開設されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートパネル用連結金具。
【請求項3】
前記挿通片の抜け止め部と前記連結プレートの補強部との厚さを揃えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンクリートパネル用連結金具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−63674(P2006−63674A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−248475(P2004−248475)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(302012752)ミサワ工業株式会社 (3)
【出願人】(391052264)新興工材株式会社 (11)
【出願人】(503412492)株式会社東京エヴァークリーン (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(302012752)ミサワ工業株式会社 (3)
【出願人】(391052264)新興工材株式会社 (11)
【出願人】(503412492)株式会社東京エヴァークリーン (2)
【Fターム(参考)】
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