説明

コンクリート製品の搬送装置及び搬送方法

【要 約】
【課 題】 埋め捨てられる転動材を使用することなく、曲線経路でも追従し易く、搬送する荷の重量や大きさ又は形状に左右されることのないコンクリート製品の搬送装置を提供する。
【解決手段】 搬送経路に沿って設置した凹型レールの凹部内をコンクリート製品を支持部に載せて走行するコンクリート製品の搬送装置Aであって、車輪軸3にころがり軸受を介して軸装した前記凹部内の底壁部上を転動して走行する左右一対の車輪4と、前記凹部内の側壁部と接触した際に生じた反力を前記搬送装置Aに伝達する案内機構14をそれぞれ備えた構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的大型のプレキャストコンクリート製品を所定の位置まで搬送し、敷設
する際に用いるコンクリート製品の搬送装置及びその搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大型のボックスカルバートや擁壁類または水路など重量の大きなプレキャストコ
ンクリート製品を設置する際に、クレーン車や現場に設置した門型クレーンなどが使用さ
れてきた。しかし、近年都市部狭隘地での施工など、クレーンの設置場所が十分確保でき
ないなどの理由から横引き工法が採用されることが多くなってきている。
【0003】
ここで横引き工法とは、所定の地盤面まで掘削された開削溝の搬入口から、プレキャス
トコンクリート製の単位ブロックをガイドレールに沿ってウインチ・ワイヤ駆動等により
据え付け位置まで搬送するものであり、据え付け位置に搬送した単位ブロックを順次固定
することで連続した管渠や壁体を形成するものである。
【0004】
この横引き工法における搬送装置としては、チルローラ(商品名)やチルタンク(商品
名)等が知られており、こうした装置(台車)を使用することで、特殊な駆動装置を設置
せずにリフト等で簡単に移送できるようになっている(特許第4036178号公報)。
【0005】
その他、種々の横引き工法が提案されており、例えば、基礎コンクリート上に敷設され
たレールの凹溝内にベアリング等の転動部材を多数配設して、台車を用いないで移送する
方法(特許第2997268号公報)や、ブロックの底壁裏面に埋設された凹型鋼とレー
ルとの間に台車を介在させて移送する方法(特許第2726982号公報)、更にはブラ
ンケット工法または凸型基礎工法により、左右一対の縦長台車によってスライド移送する
方法(特公平2−35095号公報)等がある。
【0006】
一方、横引き工法における搬送装置の開発も行われており、例えば、上下動する油圧シ
リンダーが枢支され、ブロックとの連結具が装着された中央基材からなる荷台部と、前方
走行部および昇降補助部から構成された前部作動部と、後輪駆動部と後輪を上下動させる
油圧シリンダーと操作部からなる後部駆動部とからなる搬送・据付装置などが開示されて
いる(特許第3552109号公報)。
【0007】
【特許文献1】特許4036178号公報
【特許文献2】特許2997268号公報
【特許文献3】特許2726982号公報
【特許文献4】特公平2−35095号公報
【特許文献5】特許第3552109号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記のような従来の提案では次のような諸問題があった。すなわち、台車を用
いずにベアリング材の転動によってコンクリート製品を移送しようとする場合には、設置
場所にコンクリート製品を固定する際、製品の底面下にあるベアリング材が埋め捨てられ
てしまう。また、台車を用いる搬送では、曲線状の搬送経路にあっては台車が曲線経路に
追従しにくく、ほぼ直線状の経路でなければ移送できなかったり、台車が許容するコンク
リート製品の重量や大きさ又は形状が制限されるため、各種製品規格に合わせて台車・装
置を複数台用意する必要があるなどの問題点があった。
【0009】
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、埋め捨てられる転
動材を使用することなく、曲線経路でも追従し易く、搬送する荷の重量や大きさ又は形状
に左右されることのないコンクリート製品の搬送装置およびその搬送方法を提供すること
を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、搬送経路に沿って設置した
凹型レールの凹部内をコンクリート製品を支持部に載せて走行するコンクリート製品の搬
送装置であって、車輪軸にころがり軸受を介して軸装した前記凹部内の底壁部上を転動し
て走行する左右一対の車輪と、前記凹部内の側壁部と接触した際に生じた反力を前記搬送
装置に伝達する案内機構をそれぞれ備えた構成からなり、伝達された接触反力によって搬
送装置が方向を変える時の左右一対の車輪の回転差を、前記車輪軸と車輪とのころがり軸
受けを介した軸装により吸収する構成としたことを特徴とする。
【0011】
また、上記の目的を達成するため、本願の請求項2に係る発明は、前記案内機構が、搬
送装置の進行方向前方にあって、前記左右一対の車輪の車輪軸との取付位置より外側にそ
れぞれ位置する左右一対の突出部と、前記凹部内の側壁部と接触した際に転動又は滑動す
る前記突出部に設置したダンパーからなる構成としたことを特徴とし、上記の目的を達成
するため、本願の請求項3に係る発明は、コンクリート製品を載せる前記支持部が、その
支持軸を中心にして水平面で旋回可能な構成としたことを特徴とするものである。
【0012】
さらに、上記の目的を達成するため、本願の請求項4に係る発明は、コンクリート製品
を載せる前記支持部が、上下方向に移動可能となるように構成したことを特徴とし、そし
て、本願の請求項5に係る発明は、コンクリート製品を載せる前記支持部が、任意形状の
支持部と交換できるように、搬送装置本体から着脱可能となるように構成したことを特徴
とする。
【0013】
また、上記の目的を達成するため、本願の請求項6に係る発明は、コンクリート製品を
載せる前記支持部が、その表面に樹脂またはゴム製のクッション材を備えたことを特徴と
し、そして、本願の請求項7に係る発明は、前記車輪が鋼製であり、該鋼製車輪の表面が
樹脂またはゴムで被覆されていることを特徴とする。
【0014】
そして、更に、上記の目的を達成するため、本願の請求項8に係る発明は、前記搬送装
置に駆動装置を取り付けたこと特徴とし、本願の請求項9に係る発明は、請求項1〜7の
うちいずれか一つに記載の搬送装置を複数台、凹型レールの凹部内にそれぞれ設置すると
ゝもに、同一の凹型レール内に設置した前記搬送装置を相互に連結し、該搬送装置に載置
したコンクリート製品を前記凹型レールに沿って搬送することを特徴とするコンクリート
製品の搬送方法である。
【発明の効果】
【0015】
本願の請求項1に記載の発明は、上記のように、搬送経路に沿って設置した凹型レール
の凹部内をコンクリート製品を支持部に載せて走行するコンクリート製品の搬送装置であ
って、車輪軸にころがり軸受を介して軸装した前記凹部内の底壁部上を転動して走行する
左右一対の車輪と、前記凹部内の側壁部と接触した際に生じた反力を前記搬送装置に伝達
する案内機構をそれぞれ備えた構成からなり、伝達された接触反力によって搬送装置が方
向を変える時の左右一対の車輪の回転差を、前記車輪軸と車輪とのころがり軸受けを介し
た軸装により吸収する構成としたので、案内機構が凹型レールの凹部に追従して車輪の方
向が定められ、その結果、曲線状の経路にも滑らかに対応することができる。
【0016】
また、本願の請求項2記載の発明は、前記案内機構が、搬送装置の進行方向前方にあっ
て、前記左右一対の車輪の取付位置より外側にそれぞれ位置する左右一対の突出部と、前
記凹部内の側壁部と接触した際に転動又は滑動するダンパーを前記突出部に設置した構成
であるから、進行方向の曲線変化に伴い、凹型レールの凹部内の側壁部との接触により生
じた反力モーメントが搬送装置に伝達し易くなり、曲線状の搬送経路により確実に滑らか
に対応することができる。
【0017】
さらに、本願の請求項3記載の発明は、上記のように、コンクリート製品を載せる前記
支持部がその支持軸を中心にして水平面で旋回可能な構成としたので、曲線状の搬送経路
に沿って進行する時に車輪が湾曲方向へ旋回し搬送装置が同方向へ回転移動しても、コン
クリート製品を載せた前記支持部は定位置にあり、製品の姿勢方向は影響を受けない。し
たがって、安全な搬送作業が行える。
【0018】
また、請求項4記載の発明は、上記のように、コンクリート製品を載せる前記支持部が
上下方向に昇降可能となるように構成したので、搬送時において支持部を上昇させること
でコンクリート製品を凹型レールの上端面から浮かせて移送できる。したがって、抵抗が
少なく搬送作業が容易であるとゝもに、搬送後のコンクリート製品の位置調整に際して、
支持台を下降させることで調整具を改めて設置する必要がないため設置作業を安全に行え
る。ジャッキ操作をブロック内で行うこともできることから、ブロックと掘削孔壁面との
間のスペースを十分確保できない場合でも作業に支障がない。
【0019】
そして、請求項5記載の発明は、上記のように、コンクリート製品を載せる前記支持部
が、任意形状の支持部と交換できるように、搬送装置本体から着脱可能となるように構成
したので、支持されるブロック製品の下面の形状に左右されることがない。すなわち、ブ
ロック下面の形状に合わせて支持部の形状を変更できるため、特殊な断面や円状の断面の
コンクリート製品に対しても安定性のある支持を行うことができる。
【0020】
また、本願の請求項6記載の発明は、上記のように、コンクリート製品を載せる前記支
持部がその表面に樹脂またはゴム製のクッション材を備えた構成であるから、コンクリー
ト製品の自重がクッション材に作用して摩擦力が増大し、安定性のある支持が達成される
一方、コンクリート製品をその支持接触部の欠損等から保護する。
【0021】
そして、請求項7記載の発明は、上記のように、前記車輪が鋼製であり、該鋼製車輪の
表面が樹脂またはゴムで被覆されている構成であるから、凹型レールの凹部内の底壁部上
に凹凸があってもこれによる衝撃を吸収できる一方、路面自体を保護することができる。
この結果、一般に鋼製レールのような高価である一方錆やすい資材を用いることなく、U
字形のコンクリート製品でも溝形成部材として使用できる。
【0022】
そして、更に、本願の請求項8記載の発明は、上記のように、前記搬送装置に駆動装置
を取り付けた構成とすることで、ワイヤ・ウインチやリフトのような牽引装置を用いるこ
となく自走できる。
【0023】
また、請求項9記載の発明は、上記のように、請求項1〜7のうちいずれか一つに記載
の搬送装置を複数台、凹型レールの凹部内にそれぞれ設置するとゝもに、同一の凹型レー
ル内に設置した前記搬送装置を相互に連結し、該搬送装置に載置したコンクリート製品を
前記凹型レールに沿って搬送する構成とすることで、コンクリート製品の大きさや重量に
よって搬送装置の数を増減できる一方、コンクリート製品底面の形状に左右されずに支持
できる。また、コンクリート製品の複数箇所を支持した複数個の搬送装置が互いに連結さ
れているため、搬送経路の個々の箇所に追従し易い一方、これらを一体で移動できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を図面に示す実施形態により詳細に説明する。図において、Aは本発明に
係る搬送装置で、1は底壁の無い底開放型とした箱型のフレームであり、該フレーム1の
左右の側壁2,2の下端部には車輪軸3の両端部が固定されている。4,4は前記車輪軸
3に軸装した左右一対の車輪で、前記フレーム1の内部にあって左右の側壁2,2に寄っ
た位置にそれぞれ設置されており、前記車輪軸3に装着した各車輪4,4はころがり軸受
5,5を介し回転自在に装着されている。なお、図面中4Aは、鋼製の車輪4の表面を被
覆している樹脂又はゴムである。
【0025】
6は前記フレーム1の天版部7上方に設置した円盤状の支持部で、この支持部6の下面
中央部にはスラストベアリング8およびこのスラストベアリング8を下から抱持する抱持
部9が順次装着されており、更に前記抱持部9の下面中心には下方へ垂下する支持軸10
が装着されている。したがって、前記支持部6は抱持部9および支持軸10に対し前記ス
ラストベアリング8の部分で水平に回転自在となるように設置されている。なお、図中6
Aは前記支持部6の表面に設置した樹脂またはゴム製のクッション材である。
【0026】
11は油圧装置のシリンダ部で、前記フレーム1の天版部7に補強版7Aを介して装着
されており、前記シリンダ部11内には油出入口11Aから出入する油により上下動する
ピストン12が設置されている。13は前記ピストン12の上端に形成した縦孔で、該縦
孔13内には前記支持部6の支持軸10が挿脱可能となるように挿入されている。したが
って、前記支持部6は、後述するコンクリート製品Wの内部空間に設置した油圧駆動装置
11Bを操作することで前記ピストン12を上下動させ、このピストン12の上下動で上
昇及び下降させることができる。
【0027】
14は前記搬送装置Aの進行方向を変更させるための案内機構で、搬送装置Aの進行方
向前方にあって、前記両車輪4,4の車輪軸3との取付け位置より外側にそれぞれ位置す
る前方突出部15,15と、該前方突出部15の先端部に縦軸16Aを介して回転自在と
なるように取り付けたローラ16とから構成されており、後述する凹型レールBの凹部内
の側壁部17Aと接触した際に、転動又は滑動しながらその接触反力を前記搬送装置Aに
伝達するためものである。
【0028】
18は前記搬送装置Aの進行方向と反対側に設置した保護機構で、前記搬送装置Aの進
行方向が変わった場合に、フレーム1の左右の側壁2の後端部が前記凹型レールBの凹部
内の側壁部17Aと衝当した際の衝撃を和らげるためのものであり、進行方向前方の前記
前方突出部15より全長が短い左右一対の後方突出部19,19と、該後方突出部19の
先端部に縦軸20Aを介して回転自在となるように取り付けたローラ20とから構成され
ており、前記凹型レールBの凹部内の側壁部17Aと衝当した際に転動又は滑動すること
で、クッションの機能を果たす。
【0029】
21Aは前記搬送装置Aの進行方向側に設置した前側補助輪、21Bは進行方向と反対
側に設置した後方補助輪で、左右一対の車輪4,4で走行可能とした前記搬送装置Aを、
更に前後の補助輪21A,21Bを左右の車輪4,4の中央部に増設することでより一層
安定して走行できる構造としたものである。なお、図中22A,22Bは前記前後の補助
輪21A,21Bの上方に装着した連結版で、23A,23Bは前後に配設した搬送装置
Aと搬送装置Aを鎖などで連結する際に使用するフックを引っかけるために設けた上下方
向の貫通孔である。
【0030】
Bはコンクリート製品Wの搬送経路に沿って設置した凹型レールで、左右一対の側壁部
17A,17Aと底壁部17Bからなる横断面がU型のものであり、この凹型レールBの
凹部内に前記搬送装置Aを設置し、左右の車輪4,4および前後の補助輪21A,21B
が凹型レールBの底壁部17B上を転動することで、搬送装置Aの支持部6上に載せたコ
ンクリート製品Wを搬送経路に沿って設置場所まで搬送するためのものである。
【0031】
そこで、上記構成からなる前記搬送装置Aを、コンクリート製品Wの搬送経路に沿って
設置した2本の凹型レールBの凹部内にそれぞれ2個づづ離間して配設するとゝもに、各
凹型レールB内にそれぞれ配設した前後の搬送装置Aと搬送装置Aを連結版22A,22
Bの貫通孔23A,23Bにフックを引っかけることで鎖で連結する。
【0032】
つぎに、2本の凹型レールBの凹部内にそれぞれ2個づつ配設した計4個の搬送装置A
の支持部6上に搬送するコンクリート製品Wを載せる。このとき、各支持部6,6の上面
およびコンクリート製品Wの下面は、コンクリート製品Wの内部空間に設置した油圧駆動
装置11Bを操作し、図7の一点鎖線で示す位置から実線で示す位置、すなわち、凹型レ
ールBの上端面から離れた上方の位置にある。
【0033】
この状態で、搬送装置A,Aを進行方向にジャッキ等の牽引装置(図示しない)で牽引
することで、各搬送装置Aの支持部6上に載せたコンクリート製品Wを図5の矢印で示す
進行方向へ移動させるが、凹型レールBが右側へ曲がった曲線状の経路を通過する際、図
7に示すように、搬送装置Aと凹型レールBとは相対的に、凹型レールBの左側の側壁1
7Aが実線で示す状態から鎖線で示す状態となり、搬送装置Aの左側の案内機構14にお
ける前方突出部15のローラ16が凹型レールBの左側の側壁17Aと接触する。
【0034】
ローラ16が凹型レールBの左側の側壁17Aと衝当し接触することで回転すると同時
に、左側の側壁17Aと衝当することで反力が発生し、この接触反力が搬送装置Aに伝達
される。その結果、搬送装置Aは反対側(右側)の側壁17A方向へ押圧され、搬送装置
Aがその進行方向を変えることになる。この時、左右一対の車輪4,4には移動量の違い
による回転差が生じるが、左右の車輪4,4は前記車輪軸3ところがり軸受け5を介して
軸装されているため、左右車輪4,4は互いに拘束されることなく回転移動し、曲線状の
経路をスムーズに走行することができる。
【0035】
コンクリート製品Wを所定の位置まで運んだ後、コンクリート製品Wの内部空間に設置
した油圧駆動装置11Bを操作し、搬送装置Aの支持部6を図7の実線で示す位置から鎖
線で示す位置まで下降させ、コンクリート製品Wを所定の位置に設置する。つぎに、凹型
レールBの凹部内から搬送装置Aのみを引出し、凹型レールB内からこれを回収すること
で搬送作業が終了する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る搬送装置の全体斜視図である。
【図2】同装置の縦断面図である。
【図3】同装置の平面面図である。
【図4】同装置の左側面図である。
【図5】同装置によるコンクリート製品の搬送状態を示す説明平面図である。
【図6】同装置によるコンクリート製品の搬送状態を示す正面図である。
【図7】図6の一部を拡大して示す正面図である。
【符号の説明】
【0037】
A 搬送装置
1 フレーム
2 側壁
3 車輪軸
4 車輪
5 ころがり軸受
6 支持部
7 天版部
8 スラストベアリング
9 抱持部
10 支持軸
11 シリンダ部
12 ピストン
13 縦孔
14 案内機構
15 前方突出部
16,20 ローラ
B 凹型レール
17A 側壁部
17B 底壁部
18 保護機構
19 後方突出部
21A,21B 前後の補助輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路に沿って設置した凹型レールの凹部内をコンクリート製品を支持部に載せて走行するコンクリート製品の搬送装置であって、車輪軸にころがり軸受を介して軸装した前記凹部内の底壁部上を転動して走行する左右一対の車輪と、前記凹部内の側壁部と接触した際に生じた反力を前記搬送装置に伝達する案内機構をそれぞれ備えた構成からなり、伝達された接触反力によって搬送装置が方向を変える時の左右一対の車輪の回転差を、前記車輪軸と車輪とのころがり軸受けを介した軸装により吸収する構成としたことを特徴とするコンクリート製品の搬送装置。
【請求項2】
前記案内機構が、搬送装置の進行方向前方にあって、前記左右一対の車輪の車輪軸との取付位置より外側にそれぞれ位置する左右一対の突出部と、前記凹部内の側壁部と接触した際に転動又は滑動する前記突出部に設置したダンパーからなる構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンクリート製品の搬送装置。
【請求項3】
コンクリート製品を載せる前記支持部が、その支持軸を中心にして水平面で旋回可能な構成としたことを特徴とする請求項1又は2記載のコンクリート製品の搬送装置。
【請求項4】
コンクリート製品を載せる前記支持部が、上下方向に昇降可能となるように構成したことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一つに記載のコンクリート製品の搬送装置。
【請求項5】
コンクリート製品を載せる前記支持部が、任意形状の支持部と交換できるように、搬送装置本体から着脱可能となるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一つに記載のコンクリート製品の搬送装置。
【請求項6】
コンクリート製品を載せる前記支持部が、その表面に樹脂またはゴム製のクッション材を備えたことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一つに記載のコンクリート製品の搬送装置。
【請求項7】
前記車輪が鋼製であり、該鋼製車輪の表面が樹脂またはゴムで被覆されていることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一つに記載のコンクリート製品の搬送装置。
【請求項8】
前記搬送装置に駆動装置を取り付けたこと特徴とする請求項1〜7のうちいずれか一つに記載のコンクリート製品の搬送装置。
【請求項9】
請求項1〜7のうちいずれか一つに記載の搬送装置を複数台、凹型レールの凹部内にそれぞれ設置するとゝもに、同一の凹型レール内に設置した前記搬送装置を相互に連結し、該搬送装置に載置したコンクリート製品を前記凹型レールに沿って搬送することを特徴とするコンクリート製品の搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−275464(P2009−275464A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130018(P2008−130018)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(000201504)前田製管株式会社 (35)
【Fターム(参考)】