説明

コンテナパレットローダおよびコンテナパレットローダによる貨物搬送システム

【課題】 大型航空機との間で安全でかつ効率よく貨物を搬送することのできるコンテナパレットローダを提供すること。
【解決手段】 自走可能な走行台車11と、この走行台車上に昇降自在に支持されたプラットフォーム12と、このプラットフオームを昇降させる第1の昇降手段13と、前記走行台車の前端部に昇降自在に支持されたブリッジプラットフォーム14と、このブリッジプラットフォームを昇降させる第2の昇降手段15と、前記ブリッジプラットフォームの先端に伸縮可能に支持された伸縮プラットフォーム16と、この伸縮プラットフォームを駆動する駆動手段とを備えるので、大型航空機との間で安全でかつ効率よく貨物を搬送することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンテナパレットローダによる貨物搬送システムに係り、特に、大型航空機へ貨物を搬入する場合や、大型航空機から賃物を搬出するのに好適なコンテナパレットローダおよびコンテナパレットローダによる貨物搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、航空機への貨物の搬入作業や航空機からの貨物の搬出作業においては、コンテナパレットローダ(荷役作業車両)が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
従来のコンテナパレットローダにあっては、例えば図3に示すように、フロントプラットフォーム5とプラットフォーム4の二つのプラットフォームから構成されている。このコンテナパレットローダ1は、走行台車3上に昇降自在にプラットフォーム4とフロントプラットフォーム5とが支持され、該プラットフォーム4及びフロントプラットフォーム5の上面を航空機Pの貨物室の床面L1,L2と同一高さとした状態で、プラットフォーム4上の貨物が航空機の貨物室へ送り込まれるようになっている。
【0004】
これらの貨物は、図示していないが、貨物ヤードにおいてコンテナパレット台車に搭載されて牽引車により牽引された後、そのコンテナパレット台車からコンテナパレットローダ1のプラットフォーム4に貨物が移載され、次いで、プラットフォーム4からフロントプラットフォーム5を介して航空機の貨物室へ搬入される。
その際、プラットフォーム4が、走行台車3上で航空機の貨物室の床L1と同じ面となる高さまで上昇すると共に、前部台車2のフロントプラットフォーム5も同様の高さまで上昇し、これによって貨物がプラットフォーム4からフロントプラットフォーム5を経て航空機の貨物室に搬入されるようになっている。
従つて、航空機から貨物を搬出する場合には、上記と逆の手順となることで貨物がフロントプラットフォームからプラットフォーム4に搬送された後、プラットフォーム4が元の位置まで降下することで、プラットフォーム4が積み降ろされる。
また、プラットフォーム4及びフロントプラットフォーム5は、いずれも上昇手段6,7によつて上昇下降するように構成されている。
【特許文献1】特許第3214130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、大型航空機による貨物の輸送が行われているが、現在、それより大量の貨物の輸送を行うため、現在の航空機より更に大型となる航空機の開発が計画されている。
そのような、超大型航空機では、現在の航空機よりも貨物室の高さが高くなるとともに、図1に示すように縦長の楕円形断面を有しているために、上部貨物室に装着する場合に、一旦フロントプラットフォーム5を上部貨物室床面L0まで上昇させた後、台車を前進させて航空機Pに近づく必要があった。これは、フロントプラットフォームを地上から高く上昇させた状態での走行となり、操作が非常に困難であった。また、フロントプラットフォームが揺れ等により航空機に接触する危険性も存在した。
【0006】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、超大型航空機に対して貨物の搬送を安全に行い得るコンテナパレットローダおよびコンテナパレットローダによる貨物搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明は、自走可能な走行台車と、この走行台車上に昇降自在に支持されたプラットフォームと、このプラットフオームを昇降させる第1の昇降手段と、前記走行台車の前端部に昇降自在に支持されたブリッジプラットフォームと、このブリッジプラットフォームを昇降させる第2の昇降手段と、前記ブリッジプラットフォームの先端に伸縮可能に支持された伸縮プラットフォームと、この伸縮プラットフォームを駆動する駆動手段とを備えることを特徴とする。
これにより、コンテナパレットローダは、走行台車を所定の位置に停止させた状態で前記ブリッジプラットフォームの先端に伸縮可能に支持された伸縮プラットフォームを操作するのみで、安全でかつ効率よく航空機の貨物室に装着することができる。
【0008】
また本発明は、前記伸縮プラットフォームは、航空機との接触を防止するセンサーを備えたことを特徴とする。
これにより、伸縮プラットフォームと航空機との接触を未然に防止することができる。
【0009】
また本発明は、請求項1〜3に記載のコンテナパレットローダにおいて、前記第2の昇降手段は、伸縮プラットフォームの伸長時に前記ブリッジプラットフォームの昇降動作が禁止される特徴とする。
これにより、伸縮プラットフォームと航空機との接触を未然に防止することができる。
【0010】
また本発明は、自走可能な走行台車と、この走行台車上に昇降自在に支持されたプラットフォームと、このプラットフオームを昇降させる第1の昇降手段と、前記走行台車の前端部に昇降自在に支持されたブリッジプラットフォームと、このブリッジプラットフォームを昇降させる第2の昇降手段と、前記ブリッジプラットフォームの先端に伸縮可能に支持された伸縮プラットフォームと、この伸縮プラットフォームを駆動する駆動手段とを備えてなり、前記ブリッジプラットフォームを航空機の貨物室床面に対向させて走行台車を停止させた後、前記第2伸縮プラットフォームを伸長して航空機と近接させ、前記プラットフォームをブリッジプラットフォームの位置まで上昇させ、前記コンテナパレットローダと航空機との間で貨物を搬送することを特徴とする。
これにより、コンテナパレットローダと大型航空機との間で安全でかつ効率よく貨物を搬送することができる。
【0011】
また本発明は、コンテナパレットローダと、ハイレベルコンテナパレットローダとを備えてなり、前記コンテナパレットローダは、自走可能な走行台車と、この走行台車上に昇降自在に支持されたプラットフォームと、このプラットフオームを昇降させる第1の昇降手段と、前記走行台車の前端部に昇降自在に支持されたブリッジプラットフォームと、このブリッジプラットフォームを昇降させる第2の昇降手段とを備えてなり、前記ハイレベルコンテナパレットローダは、第2の走行台車と、この第2の走行台車上に、上昇上限高さが前記プラットフォーム及び前記ブリッジプラットフォームよりも高く設定されて昇降自在に支持されたハイレベルプラットフォームを昇降させる第3の昇降手段と、前記ハイレベルプラットフォームの先端に伸縮可能に支持された第2伸縮プラットフォームと、この第2伸縮プラットフォームを駆動する第2駆動手段とを備えてなり、前記ハイレベルプラットフォームを航空機の貨物室扉側に対向させて第2の走行台車を停止させ、その後に走行台車を直線状に停止させ、プラットフォームを上昇しているブリッジプラットフォームの位置まで上昇させて貨物を搬送し、ブリッジプラットフォーム上からその貨物を上昇していないハイレベルプラットフォームへ搬送した後、ハイレベルプラットフォームを上昇させ、前記第2伸縮プラットフォームを伸長して航空機と近接させ、前記コンテナパレットローダと航空機との間で貨物を搬送することを特徴とする。
これにより、従来の低いコンテナパレットローダを使用して大型航空機との間で安全でかつ効率よく貨物を搬送することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、前記伸縮プラットフォームを備えているので、大型航空機の貨物室の床位置に容易に装着することができるので、航空機とプラットフォーム間で貨物を確実に搬送することができ、超大型の航空機であっても貨物を良好に搬送することができる効果が得られる。
【0013】
また、伸縮プラットフォームは、航空機との接触を防止するセンサーを備えたので、伸縮プラットフォームと航空機との接触を未然に防止することができる
【0014】
また、第2の昇降手段は伸縮プラットフォームの伸長時にブリッジプラットフォームの昇降動作が禁止されるので、伸縮プラットフォームと航空機との接触を未然に防止することができる。
【0015】
また、ブリッジプラットフォームを航空機の貨物室床面に対向させて走行台車を停止させた後、第2伸縮プラットフォームを伸長して航空機と近接させるので、ブリッジプラットフォームを高い位置まで上昇させた状態で走行台車を移動させる必要がなく、安全である。
【0016】
また、ハイレベルプラットフォームを航空機の貨物室床面に対向させて第2の走行台車を停止させた後、前記第2伸縮プラットフォームを伸長して航空機と近接させるので、揺れ等により航空機と接触する虞がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施の形態に係るコンテナパレットローダによる貨物搬送状態を示す図である。
図1において、このコンテナパレットローダ10は、自走可能な走行台車11と、この走行台車11上に昇降自在に支持されたプラットフォーム12と、このプラットフオーム12を昇降させる第1の昇降手段13と、前記走行台車11の前端部11aに昇降自在に支持されたブリッジプラットフォーム14と、このブリッジプラットフォーム14を昇降させる第2の昇降手段15と、前記ブリッジプラットフォーム14の先端に伸縮可能に支持された伸縮プラットフォーム16と、この伸縮プラットフォーム16を駆動する駆動手段17とを備えて構成されている。コンテナパレットローダ10は、走行台車11上にシザースリンク18とリフトシリンダー19から成る第1の昇降手段13によってプラットフォーム12が昇降自在に支持されている。シザースリンク18は、概略的にはリンク部材18aと18bとが交差方向に設けられてあって、折り畳み自在でかつ起立自在に支持されている。このプラットフォーム12は、昇降手段としてのリフトシリンダー19によって、シザースリンク18が図示のように起立されたり、また折り畳まれたりすることで、伸縮するようになっている。また、プラットフオーム12は、詳細に図示していないが、貨物を搬送するためのコロ等が上部の前後方向に並んで配設されることで搬送路が形成されている。
【0018】
走行台車11の前端部11a上にシザースリンク20およびリフトシリンダー21から成る第2の昇降手段15によってブリッジプラットフォーム14が昇降自在に支持されている。このシザースリンク20も、概略的にはリンク部材20aと20bが交差方向に設けられてあって、折り畳み自在でかつ起立自在に支持されている。ブリッジプラットフォーム14は、前端部11aに立設された第2の昇降手段としてのリフトシリンダー21によって、シザースリンク20が図示のように起立されたり折り畳まれたりすることで、伸縮するようになっている。
【0019】
また、ブリッジプラットフォーム14は、プラットフォーム12と同様、上部にコロ等が前後方向に並んで配設されることで搬送路が形成され、その搬送路の両側に手摺22が設けられている。更に、前端部11aの側部には、作業者昇降用の作業ハシゴ23が設けられている。
【0020】
伸縮プラットフォーム16は、ブリッジプラットフォーム14の先端に駆動手段17により伸縮可能に支持されている。また、伸縮プラットフォーム16上には、転落防止のための手摺22が設けられている。さらに、伸縮プラットフォーム16の先端には、航空機Pとの接触(あるいは所定距離以下への接近)を検出する接触式あるいは非接触式のセンサー24が設けられている。伸縮プラットフォーム16は、ブリッジプラットフォーム14が基準点である貨物室床面Lから上下動するに応じて航空機Pと接触しないように任意に伸縮させることができる。つまり、図1に示すように航空機Pの上部貨物室床面L0へ貨物を搬入或いは搬出する場合、伸縮プラットフォーム16をやや前進させ、中部貨物室床面L1で作業をするためにブリッジプラットフォーム14を下降させる際には、断面が縦長の楕円形の航空機に接触しないように一旦、伸縮プラットフォーム16を後退し、中部貨物室L1位置で再度前進させれば良い。また、下部貨物室床面L2で作業する場合は、ブリッジプラットフォーム14を床面L2まで下降させた後、伸縮プラットフォーム16を前進させればよい。
このように、ブリッジプラットフォーム14を上昇させたまま伸縮させるので、走行台車11を移動させる必要がないので、作業が安全である。
【0021】
また、貨物の搬送時には、コンテナパレットローダ10のプラットフォーム12とブリッジプラットフォーム14とが互いに直列状態に配置されると共に、伸縮プラットフォーム16を航空機Pの貨物室床面Lに対向させることで、プラットフォームと航空機Pとの間で貨物を搬送できるようにしている。
【0022】
この実施形態のコンテナパレットローダ10は、上記のように構成されているので、次に、その動作について以下に説明する。
航空機Pへ貨物を搬送する場合には、まず、貨物が搭載されたコンテナパレットローダ10の走行台車11の前端部11aを、航空機Pの貨物室扉側の近傍に横付けすると共に、第2の昇降手段15を操作してブリッジプラットフォーム14の高さ位置を貨物室床面Lにあわせる。例えば、上部貨物室床面L0の高さ位置まで下から上昇させると、航空機の突出した側面に接触してしまう。そこで、ブリッジプラットフォーム14の先端に取り付けられた伸縮プラットフォーム16を短くした後に、第2の昇降手段15を操作する。ブリッジプラットフォーム14が上部貨物室床面L0まで上昇したら、次に伸縮プラットフォーム16を伸ばして貨物室扉に接近させる。更に、プラットフォーム12を上昇させ、ブリッジプラットフォーム14と直線状に配置させる。また、伸縮プラットフォーム16の先端が航空機Pに接触あるいは基準距離以内に接近したことをセンサー(図示略)が検出した場合には、ブリッジプラットフォーム14の昇降や進出の動作が停止され、航空機Pとの接触が防止されるようになっている。
【0023】
このようにしてブリッジプラットフォーム14の高さまでプラットフォーム12を上昇させた後、プラットフォーム12上の貨物を搬送して、貨物がプラットフォーム12からブリッジプラットフォーム14を経て伸縮プラットフォーム16に移載する。その後、伸縮プラットフォーム16上の貨物を航空機Pに搬入することで、航空機に貨物を搬送することができる。
【0024】
一方、航空機P内の貨物を搬出する場合には、上記と逆の手順が行われることで、貨物は航空機から伸縮プラットフォーム16に移送され、さらに、貨物がプラットフォーム12に搬送される。そして、貨物がプラットフォーム12に搬送されると、プラットフオーム12は、図示しないコンテナパレット台車の位置にまで下降し、貨物がプラットフォーム12からコンテナパレット台車に搬送される。そして、そのコンテナパレット台車が牽引車によって貨物ヤードまで牽引されることで、貨物ヤードに航空機P内の貨物が搬送されることとなる。
【0025】
また、第2の昇降手段15は、伸縮プラットフォーム16の伸長時にブリッジプラットフォーム14の昇降動作が禁止されるようインターロックを設置すれば、誤って伸縮プラットフォーム16を伸ばしたままブリッジプラットフォーム14を上昇、下降させて航空機Pに接触させる虞がない。
【0026】
なお、伸縮プラットフォーム16は、ブリッジプラットフォーム14の先端に取り付けてある貨物搬送用のローラ、タイヤ等を伸縮自在に構成してもよい。また、伸縮プラットフォーム16の駆動手段17は、手動で行ってもよく、電動、油圧、空気圧等を利用してもよい。
【0027】
図2は、本発明の発明の別の実施の形態に係るコンテナパレットローダによる貨物搬送状態を示す説明図である。この実施の形態において、コンテナパレットローダによる貨物搬送システムは、コンテナパレットローダ10と、ハイレベルコンテナパレットローダ25とを備えてなり、前記コンテナパレットローダ10は、自走可能な走行台車11と、この走行台車上に昇降自在に支持されたプラットフォーム12と、このプラットフオーム12を昇降させる第1の昇降手段13と、前記走行台車の前端部11aに昇降自在に支持されたブリッジプラットフォーム14と、このブリッジプラットフォーム14を昇降させる第2の昇降手段15とを備えてなり、前記ハイレベルコンテナパレットローダ25は、第2の走行台車26と、この第2の走行台車上に、上昇上限高さが前記プラットフォーム12及び前記ブリッジプラットフォーム14よりも高く設定されて昇降自在に支持されたハイレベルプラットフォーム27を昇降させる第3の昇降手段28と、前記ハイレベルプラットフォーム27の先端に伸縮可能に支持された第2伸縮プラットフォーム29と、この第2伸縮プラットフォーム29を駆動する第2駆動手段30とを備えてなる。
【0028】
このハイレベルコンテナパレットローダ25は、第2の走行台車26の上に設けられた架台31にシザースリンク32を介してハイレベルプラットフォーム27が昇降自在に支持されている。架台31は、第2の走行台車26上に一定の高さを有して設けられており、例えば、周囲四方を取り囲む枠部材31aと、その枠部材31a内に上下に積み重ねるように設けられた筋交い部材31b、31cと等を有している。
【0029】
ハイレベルプラットフォーム27は、架台31に立設された昇降手段としての油圧シリンダによってシザースリンク32が駆動されることで、架台31の上で昇降するようになつている。そのため、シザースリンク32も上記プラットフォーム12及びブリッジプラットフォーム14と同様、リンク部材32aと32bとが交差方向に設けられており、油圧シリンダの駆動によって折り畳まれたり、また鎖線のように起立するようになっている。このようなハイレベルプラットフォーム27にも、コロ等が上部の前後方向に配設されることで形成された搬送路の両側に、手摺33が設けられている。
この構成において、ハイレベルプラットフォーム27は、その上昇高さがプラットフォーム12及びブリッジプラットフォーム14よりも高く設定されている。
【0030】
以上のように構成されたコンテナパレットローダによる貨物搬送システムにおいて、先ず、第2の走行台車26を航空機の貨物室扉側に停止させ、その後に走行台車11を直線状に停止する。次に、プラットフォーム12をブリッジプラットフォーム14の位置まで上昇させ、貨物を搬送する。次に、ブリッジプラットフォーム14から同じ高さ位置にある上昇させてないハイレベルプラットフォーム27に貨物を搬送する。その後、ハイレベルプラットフォーム27のみを第3の昇降手段28によって上部貨物室床面L0まで上昇させ、更に航空機と接近させるべく第2伸縮プラットフォーム29を伸長して航空機と近接させる。そして、ハイレベルプラットフォーム27と航空機Pとの間で貨物を搬送する。
【0031】
従って、この実施形態によれば、コンテナパレットローダ10のプラットフォーム12、ブリッジプラットフォーム14、及びハイレベルコンテナパレットローダ25のハイレベルプラットフォーム27とを互いに直列状態にさせると共に、ハイレベルプラットフォーム27を航空機Pの貨物室に対向させたとき、ハイレベルプラットフォーム27を昇降させることで、航空機Pに対して貨物を搬入出させることができる。即ち、換言すれば、プラットフォーム12及びブリッジプラットフォーム14が上昇したとき、これらの高さの位置と航空機Pの貨物室床面Lとの間でハイレベルプラットフォーム27を昇降させるだけで、航空機Pに対して貨物を搬入出させることができ、航空機Pとプラットフォーム12間で貨物を確実に搬送することができ、超大型の航空機であっても貨物を良好に搬送することができる。
これにより、プラットフォーム12やブリッジプラットフォーム14をそれ以上高く上昇できるように製作し直すことが不要になる。
【0032】
また、ハイレベルプラットフォーム27が架台31上に設けられていると、前後方向の長さ(幅)に長くする必要もないので、大型化するのを抑えることができ、超大型航空機に対して簡単に実現することができる。
特に、シザースリンクを用いて昇降自在とする場合、より高い位置まで上昇させようとすると、その分だけ長さも長くせざるを得ないものの、上述のように、架台31上にハイレベルプラットフォーム27を設けることで、これを支持するシザースリンク32のみならず、コンテナパレットローダ10及び前端部11a側に設けられるシザースリンク18、20を大型化することが全くなく、極めて有益となる。
【0033】
なお、上記実施の形態では、ハイレベルコンテナパレットローダ25は、この実施形態では、走行台車11に取り付けられていないが、これを一体的で且つ切り離し自在に取り付けることもできる。このようにハイレベルコンテナパレットローダが切り離し自在に取り付けられた場合、走行台車11によっても同様に走行することができるので、貨物の搬送に際し、ハイレベルコンテナパレットローダを航空機に対して容易に移動することができ、超大型航空機の貨物の搬送に対する準備作業を速やかに行うことができる一方、切り離されることで、これまで通りの航空機に対しても良好な搬送が達成できる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
この発明は、コンテナパレットローダによる貨物搬送システムに係り、特に、大型航空機へ貨物を搬入する場合や、航空機から貨物を搬出するのに好適なコンテナパレットローダに関して、超大型航空機の貨物の搬送に対する準備作業を安全かつ速やかに行うことができるため、産業上の利用可能性が認められる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の一実施の形態に係るコンテナパレットローダによる貨物搬送状態を示す説明図である。
【図2】この発明の別の実施の形態に係るコンテナパレットローダによる貨物搬送状態を示す説明図である。
【図3】従来のコンテナパレットローダを使用して、貨物を搬送する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0036】
P 航空機
L 貨物室床面
10 コンテナパレットローダ 11 走行台車
12 プラットフォーム 13 第1の昇降手段
14 ブリッジプラットフォーム 15 第2の昇降手段
16 伸縮プラットフォーム 17 駆動手段
18 シザースリンク 19 リフトシリンダー
20 シザースリンク 21 リフトシリンダー
22 手摺 23 作業ハシゴ 24 センサー 25 ハイレベルコンテナパレットローダ 26 第2の走行台車
27 ハイレベルプラットフォーム 28 第3の昇降手段
29 第2伸縮プラットフォーム 30 第2駆動手段
31 架台 32 シザースリンク 33 手摺


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な走行台車と、この走行台車上に昇降自在に支持されたプラットフォームと、このプラットフオームを昇降させる第1の昇降手段と、前記走行台車の前端部に昇降自在に支持されたブリッジプラットフォームと、このブリッジプラットフォームを昇降させる第2の昇降手段と、前記ブリッジプラットフォームの先端に伸縮可能に支持された伸縮プラットフォームと、この伸縮プラットフォームを駆動する駆動手段とを備えていることを特徴とするコンテナパレットローダ。
【請求項2】
前記伸縮プラットフォームは、航空機との接触を防止するセンサーを備えたことを特徴とする請求項1に記載のコンテナパレットローダ。
【請求項3】
前記第2の昇降手段は、伸縮プラットフォームの伸長時に前記ブリッジプラットフォームの昇降動作が禁止される特徴とする請求項1または2に記載のコンテナパレットローダ。
【請求項4】
コンテナパレットローダは、自走可能な走行台車と、この走行台車上に昇降自在に支持されたプラットフォームと、このプラットフオームを昇降させる第1の昇降手段と、前記走行台車の前端部に昇降自在に支持されたブリッジプラットフォームと、このブリッジプラットフォームを昇降させる第2の昇降手段と、前記ブリッジプラットフォームの先端に伸縮可能に支持された伸縮プラットフォームと、この伸縮プラットフォームを駆動する駆動手段とを備えてなり、
前記ブリッジプラットフォームを航空機の貨物室床面に対向させて走行台車を停止させた後、前記第2伸縮プラットフォームを伸長して航空機と近接させ、前記プラットフォームをブリッジプラットフォームの位置まで上昇させ、前記コンテナパレットローダと航空機との間で貨物を搬送することを特徴とするコンテナパレットローダによる貨物搬送システム。
【請求項5】
コンテナパレットローダと、ハイレベルコンテナパレットローダとを備えてなり、前記コンテナパレットローダは、自走可能な走行台車と、この走行台車上に昇降自在に支持されたプラットフォームと、このプラットフオームを昇降させる第1の昇降手段と、前記走行台車の前端部に昇降自在に支持されたブリッジプラットフォームと、このブリッジプラットフォームを昇降させる第2の昇降手段とを備えてなり、前記ハイレベルコンテナパレットローダは、第2の走行台車と、この第2の走行台車上に、上昇上限高さが前記プラットフォーム及び前記ブリッジプラットフォームよりも高く設定されて昇降自在に支持されたハイレベルプラットフォームを昇降させる第3の昇降手段と、前記ハイレベルプラットフォームの先端に伸縮可能に支持された第2伸縮プラットフォームと、この第2伸縮プラットフォームを駆動する第2駆動手段とを備えてなり、
前記ハイレベルプラットフォームを航空機の貨物室扉側に対向させて第2の走行台車を停止させ、その後に走行台車を直線状に停止させ、プラットフォームを上昇しているブリッジプラットフォームの位置まで上昇させて貨物を搬送し、ブリッジプラットフォーム上からその貨物を上昇していないハイレベルプラットフォームへ搬送した後、ハイレベルプラットフォームを上昇させ、前記第2伸縮プラットフォームを伸長して航空機と近接させ、前記コンテナパレットローダと航空機との間で貨物を搬送することを特徴とするコンテナパレットローダによる貨物搬送システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−36481(P2006−36481A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−220185(P2004−220185)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000002059)神鋼電機株式会社 (1,111)