説明

コンテナ荷役車両

【課題】コンテナ荷役車両において、部品点数の増加を避けながら、コンテナが車体枠上にあるときと地上にあるときとの両方で容易にテールゲートを開閉できるようにする。
【解決手段】コンテナ荷役車両1に、車体枠2上において前後方向に回動する荷役フレーム14を設け、この車体枠2上に、開閉可能なテールゲート7を有するコンテナ5を、荷役フレーム14の回動により車体枠2と地上との間で積み降し可能に搭載する。コンテナ5にテールゲート7を開閉するリフトシリンダ31と、リフトシリンダ31を駆動する油圧源である油圧ポンプと、油圧ポンプを駆動する電動モータと、電動モータと車両1側のバッテリーとを接続するための給電用電極とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体枠上に、開閉可能なテールゲートを有するコンテナが搭載されたコンテナ荷役車両に関し、特にそのコンテナが、車体枠上において前後方向に回動する荷役フレームの回動により車体枠と地上との間で積み降し可能に搭載されたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車体枠上に、開閉可能なテールゲートを有するコンテナが搭載されたコンテナ荷役車両は知られている。このコンテナ荷役車両は、車体枠上において前後方向に回動する荷役フレームを備え、この荷役フレームの回動により、コンテナが車体枠と地上との間で積み降し可能となっている。
【0003】
このようなコンテナ荷役車両においては、コンテナのテールゲートを開閉させる動力源が必要となる。通常、このテールゲートは、油圧シリンダよりなるリフトシリンダによって開閉させるため、油圧源が必要となる。車体枠上にコンテナがある場合には、車体側の油圧源を使用すれば問題はない。しかし、コンテナを荷役フレームにより、車体枠の後方の地上へ積み降ろした場合には、車体側の油圧源と接続した油圧配管は、切断防止のために切り離される。地上へ積み降ろした場合にも、メンテナンスや清掃のためにテールゲートを開閉する必要があり、このとき、車体側の油圧源からの高圧油を供給するために油圧配管を接続し直すという繁雑な作業が必要となる。そうすると、残圧で油圧カプラの抜き差しが固くて困難だったり、抜き差し時の油漏れが発生したりするという問題がある。また、車体側の油圧タンク内の作動油量が変化するのを避けたいという要望もある。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1のコンテナ荷役車両のテールゲート開閉装置では、コンテナに、そのテールゲートを開閉するリフトシリンダと、リフトシリンダ及びロック装置の作動部にそれぞれ作動流体を配管を介して供給してこれらを作動させる作動シリンダとを設けたものが開示されている。車体枠には、パワーシリンダと該パワーシリンダを伸縮動させる駆動装置とが設けられ、パワーシリンダと作動シリンダとは、パワーシリンダの伸縮時に作動シリンダを伸縮させるように、互いのシリンダ軸を同一線上に位置させた状態でピストンロッドの先端同士が対向した向きに配置されている。このように構成することで、車体枠側とコンテナ側との間での作動流体の供給を不要にして、コンテナ積み降し時の油圧配管の着脱作業を廃止するようにしている。
【0005】
なお、特許文献2には、車体に脱着自在に搭載される荷箱を車体に対し略垂直方向に昇降させることによって脱着する脱着車両において、荷箱に設けられた荷箱側給電対象物に対し車体に荷箱を搭載した状態で給電を行うようにした給電装置であって、車体側には、車両発電機に接続された車体側電極が設けられている一方、荷箱側には、荷箱側給電対象物に接続された荷箱側電極が設けられており、上記車体側電極と荷箱側電極とは、荷箱を車体に対し略垂直方向に昇降させる昇降動作によって断接されるものが開示されている。
【特許文献1】特開平8−127280号公報
【特許文献1】特開2003−237456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のコンテナ荷役車両では、リフトシリンダを駆動させるためだけに車体枠にパワーシリンダと該パワーシリンダを伸縮動させる駆動装置とを設ける必要がある。
【0007】
また、特許文献2の脱着車両のような構造を採用すると、コンテナ側にバッテリーが必要となり、コンテナの質量が増加し、メンテナンスの必要性も増えるという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、部品点数の増加を避けながら、コンテナが車体枠上にあるときと地上にあるときとの両方で容易にテールゲートを開閉できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、この発明では、コンテナにバッテリーを設けることなく、車体側の電源を利用してテールゲートを開閉するようにした。
【0010】
具体的には、第1の発明では、車体枠上において前後方向に回動する荷役フレームを備え、該車体枠上に、開閉可能なテールゲートを有するコンテナが、荷役フレームの回動により車体枠と地上との間で積み降し可能に搭載されたコンテナ荷役車両を対象とする。
【0011】
そして、上記コンテナには、
上記テールゲートを開閉するリフトシリンダと、
上記リフトシリンダを駆動する油圧源を発生させる油圧ポンプと、
上記油圧ポンプを駆動する電動モータと、
上記電動モータと車体側の電源とを接続するための給電用電極と、
が設けられている。
【0012】
上記の構成によると、コンテナが車体枠上にあるときには、車体側の電源とコンテナの給電用電極とが接続され、車体側の電源から電動モータに電力を供給して油圧ポンプを駆動し、発生した圧力を利用してリフトシリンダが伸縮してテールゲートが開閉される。また、荷役フレームを回動させ、車体枠上にあるコンテナを地上に積み降した場合にも、車体側の電源とコンテナの給電用電極とが接続されている限り、電動モータに電力を供給して油圧ポンプを駆動し、発生した圧力を利用してリフトシリンダが伸縮してテールゲートが開閉される。このため、コンテナにバッテリーを設けることなく、車体側の電源により、テールゲートが開閉される。
【0013】
第2の発明では、上記車体側の電源と給電用電極とが接続されているときには、上記荷役フレームの作動が規制されている。
【0014】
上記の構成によると、車体側の電源と給電用電極とをつなぐ電気ケーブルの損傷が防止される。
【0015】
第3の発明では、上記テールゲートを閉状態にロックするロック装置を備え、
上記ロック装置が解除されたときのみ上記リフトシリンダが駆動されるようになっている。
【0016】
すなわち、ロック装置により、テールゲートが誤って開くのが防止されるが、このロック装置により、テールゲートが閉状態に保たれた状態でリフトシリンダを作動させると、油圧機器に負担がかかったり、ロック装置が損傷したりするおそれがある。しかし、上記の構成によると、ロック装置が解除されたときのみリフトシリンダが駆動されるので、そのような問題は生じない。
【0017】
第4の発明では、上記給電用電極は、コンテナの前側及び後側に設けられ、
上記コンテナが上記車体枠上にあるときには、上記車体側の電源と後側の給電用電極とが接続され、
上記コンテナが上記車体枠から地上に降ろされたときには、上記車体側の電源と前側の給電用電極とが接続されるように構成されている。
【0018】
上記の構成によると、コンテナが車体枠上にあるときには、車体側の電源と、そこから距離の近い後側の給電用電極とが接続され、コンテナが車体枠から地上に降ろされたときには、車体側の電源と、そこから距離の近い前側の給電用電極とが接続されることにより、最短距離で電気ケーブルが接続されるので、配線が容易である。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、コンテナが車体枠上にあるとき及び地上に積み降したときのいずれの場合にも、車体側の電源とコンテナの給電用電極とを接続して電動モータに電力を供給して油圧ポンプを駆動し、発生した圧力を利用してリフトシリンダが伸縮してテールゲートを開閉させるようにしている。このため、部品点数の増加を避けながら、コンテナが車体枠上にあるときと地上にあるときとの両方で容易にテールゲートを開閉することができる。
【0020】
上記第2の発明によれば、車体側の電源と給電用電極とを接続しているときに荷役フレームの作動を規制したことにより、電気ケーブルの損傷の防止可能な安全なコンテナ荷役車両が得られる。
【0021】
上記第3の発明によれば、ロック装置が解除されたときのみリフトシリンダが駆動されるようにしたことにより、油圧機器やロック装置の損傷を防ぎながら、コンテナが車体枠上にあるときと地上にあるときとの両方で容易にテールゲートを開閉することができる。
【0022】
上記第4の発明によれば、給電用電極をコンテナの前側及び後側に設け、コンテナが車体枠上にあるときと地上に降ろされたときとのいずれの場合にも、車体側の電源と、そこから距離の近い給電用電極とを接続するようにしている。このため、極めて容易に配線を行ってテールゲートを開閉することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1乃至図4は本発明の実施形態にかかるコンテナ荷役車両1の構成を示す。図5乃至図7にコンテナ5を示す。
【0025】
コンテナ荷役車両1は、運転席3を備え、この運転席3の後方に枠状の車体枠2が連設されている。車体枠2上には、サブフレーム4が設けられている。このサブフレーム4上には、そのサブフレーム4上と地上との間でコンテナ5を積み降し可能とする積み降し装置6が設けられている。
【0026】
図5乃至図7にも示すように、上記コンテナ5は、密閉型船底式の直方体状製缶構造よりなり、コンテナ5の後面は、上部枢軸9により上端が枢支されて後方へ下開き可能な、油圧開閉式テールゲート7に形成されている。コンテナ5の下面には、車体前後方向に延びる左右一対の主桁8が設けられている。コンテナ5の前端上部には、コンテナ5を吊り上げるために左右に伸びる係合ピン5aが設けられ、後端下部には、コンテナ5を移動させるための、左右一対のローラ部材5bが設けられている。また、前側下部には、左右一対の脚部5cが設けられている。
【0027】
上記積み降し装置6は、上記サブフレーム4の後端部において枢軸11回りに後方へ傾動自在に枢支され、サブフレーム4後部上に位置する傾動フレーム12と、該傾動フレーム12の前部の支持部13回りに起伏可能に連結された略L字状の荷役フレーム14とで構成されている。詳しくは図示しないが、車両1には、エンジンに駆動される車体側油圧ポンプが設けられている。この車体側油圧ポンプは、エンジンに接続されたパワーテイクオフにより、駆動されるようになっている。
【0028】
上記荷役フレーム14は、案内部材16と、この案内部材16内に基端側が挿入された略L字状のL字アーム17とを備え、このL字アーム17がスライドシリンダ18の伸縮操作により、案内部材16内を伸縮するように構成されている。L字アーム17の先端には、上記コンテナ5の係合ピン5aと係合可能な係合フック15が設けられている。案内部材16の後端に近い部位と、上記サブフレーム4の前側位置との間には、枢軸(図示せず)を介して傾動シリンダ19が回動自在に支持されている。この傾動シリンダ19及びスライドシリンダ18には、上記車体側油圧ポンプからの圧油が供給されるようにしている。サブフレーム4後端の枢軸11外周には、コンテナ5を前後方向にスライド移動させるための案内ローラ20が支持されている。
【0029】
図5に示すように、上記コンテナ5の後側には、上記テールゲート7を開閉する左右一対のリフトシリンダ31が設けられている。各リフトシリンダ31は、下端がコンテナ5後端の下側に枢支されたシリンダチューブ31aと、先端がテールゲート7の左右位置上端にブラケット32を介して枢支されたピストンロッド31bとを備えている。
【0030】
図8及び図9に示すように、上記コンテナ5の後端下部位置には、上記テールゲート7を閉塞状態でロックする左右一対のロック装置33が設けられている。ロック装置33は、コンテナ5の後端下部位置に車幅方向へ延びるシャフト35を介して枢支されている。テールゲート7の下端部左右両位置より、二又ブラケット7aが下方へそれぞれ突出している。ロック装置33は、この二又ブラケット7aを左右につなぐ係止用ピン7bに対して係脱可能に係合する係合部43aを有するテールゲート固縛部材43と、上記係止用ピン7bとの係合を固縛する方向にテールゲート固縛部材43を付勢するスプリング42とを備えている。
【0031】
車体前後方向へ長尺ロッド34が延び、その前端は、手動ハンドル39の基端側に支持されている。上記シャフト35には、前端部36aと後端部36bとを有する二又クランク36の基部が回動自在に支持されている。この二又クランク36の後側の後端部36bには、上記長尺ロッド34の後端が回動自在に支持されている。二又クランク36の前側の前端部36aには、車体側面視で略半円弧形状を呈するC型リンク部材37の前端が回動自在に支持されている。二又クランク36とC型リンク部材37とによりトグル機構38が構成されている。C型リンク部材37の後端には、車体前後方向に延びる短尺ロッド41の前端が固着されている。テールゲート固縛部材43は、短尺ロッド41の後端に前後回りに回動自在に支持されている。
【0032】
ロック装置33によるテールゲート7の固縛状態では、たとえ短尺ロッド41に軸線方向の力が作用しても、上記トグル機構38での位置関係が崩れることなく確実に保たれてロック装置33によるテールゲート7の固縛が解除されず、上記手動ハンドル39が車体後方に回動されて長尺ロッド34にその軸線方向後方への力が作用しない限りロック装置33によるテールゲート7の固縛が解除されないようにしている。
【0033】
スプリング42の車体後方への付勢力は、トグル機構38の位置関係が保たれている際には二又クランク36を後方へ付勢するように作用し、テールゲート固縛部材43の係合状態を維持するようになっている。一方、トグル機構38の位置関係が崩れている際には二又クランク36を後方へ付勢するように作用し、テールゲート固縛部材43を係合解除方向に付勢するようになっている。なお、コンテナ5の下端には、テールゲート7を密閉するためのツノハンドル62が例えば3個設けられている。
【0034】
図8及び図10に示すように、上記ロック装置33には、手動開閉リミットスイッチ46が設けられている。上記シャフト35の外周には、当接部35aが突出して形成され、この当接部35aに手動開閉リミットスイッチ46から伸びる検知部46aが当接するようになっている。このことで、手動ハンドル39を前方へ回動させて操作してロック装置33を閉状態から開状態へ切り換えると、二又クランク36が後方へ押されてシャフト35が回転し、当接部35aが検知部46aを押すように構成されている。
【0035】
図2及び図6に示すように、上記コンテナ5の前面右側(右舷側)上端位置には、パワーユニット50が設けられている。図13に示すように、このパワーユニット50には、リフトシリンダ31を駆動する油圧源を発生させる油圧ポンプ51と、この油圧ポンプ51を駆動する電動モータ52とオイルリザーバタンク53とが設けられている。油圧ポンプ51には、三位置切換電磁弁54が接続され、その三位置切換電磁弁54を制御することで上記左右のリフトシリンダ31が伸縮作動するようになっている。
【0036】
図5,図11及び図12に示すように、コンテナ5の前側及び後側には、電動モータ52と後述するバッテリー23とを接続するための前側給電用電極を収納した前側ボックス60及び後側給電用電極を収納した後側ボックス61がそれぞれ設けられている。前側ボックス60及び後側ボックス61には、それぞれ開閉式のカバー60a,61aが設けられている。
【0037】
図14に示すように、上記車両1には、上記電動モータ52を駆動するための電力を供給する、車体側の電源としてのバッテリー23が設けられている。バッテリー23は、例えば、直流24Vとする。このバッテリー23には、電気ケーブル63が接続され、その先端にテールゲート用電極25が設けられている。このテールゲート用電極25(電気ケーブル63)には、コンテナ降ろし操作禁止機構26が接続されている。
【0038】
上記コンテナ5が上記車体枠2上にあるときには、電気ケーブル63のテールゲート用電極25が後側ボックス61の給電用電極に接続され、上記コンテナ5が上記車体枠2から地上に降ろされたときには、テールゲート用電極25と前側ボックス60の給電用電極とが接続されるように構成されている。例えば、この電気ケーブル63は、コンテナ5の制御を行うための制御ケーブルと共に束ねたもので構成され、その長さは2〜3mとする。不使用時には、電気ケーブル63は、車体枠2に設けたボックス(図示せず)内に収納されている。なお、図11には、コンテナ5の清掃や点検用のステップ5d及び開閉自在なドレーン孔5eが示されている。
【0039】
上記コンテナ降ろし操作禁止機構26により、テールゲート用電極25と前側ボックス60の給電用電極又は後側ボックス61の給電用電極とが接続されているときには、リレー26aが働いてスライドシリンダ18の操作が行えないようになっている。このように構成することで、電気ケーブル63が引っ張られて切断されるのを防止している。
【0040】
図15にシーケンスダイアグラムを示すように、ロック装置33を操作してロックを解除すると、手動開閉リミットスイッチ46が開の位置になり、リレーR2が働き、そして、テールゲート開閉スイッチ47を開にすると、リレーR1が働いてパワーユニット50へ電流が流れ、電動モータ52が駆動されることで油圧ポンプ51により、油圧が発生するようになっている。
【0041】
テールゲート開閉スイッチ47が開の時には、第1ソレノイド48が作動し、左右一対のリフトシリンダ31が伸びてテールゲート7が開き、テールゲート開閉スイッチ47が閉の時には、第2ソレノイド49が作動し、左右一対のリフトシリンダ31が縮んでテールゲート7が閉じるようになっている。
【0042】
−コンテナ荷役車両の作動−
次に、本実施形態にかかるコンテナ荷役車両1の作動について説明する。
【0043】
コンテナ荷役車両1による、サブフレーム4上のコンテナ5を傾動させる傾倒手順及びコンテナ5をサブフレーム4上と地上との間で積み降す作動手順を図1乃至図4に基づいて説明する。
【0044】
まず、図1に示す状態からコンテナ5を傾倒させる場合には、傾動フレーム12に対する荷役フレーム14の支持部13回りの回動を禁止した状態で、傾動シリンダ19を伸長させ、図1に二点鎖線で示すように、傾動フレーム12及び荷役フレーム14を傾動させ、コンテナ5を車体枠2上で傾動させる。この状態で、リフトシリンダ31を伸長してテールゲート7の開放させることでコンテナ5内の内容物が排出される。
【0045】
一方、図1に示す搭載状態からコンテナ5を地上に降す場合には、まず、スライドシリンダ18を縮めてL字アーム17を案内部材16内に収納し、更に傾動シリンダ19を伸長作動させて荷役フレーム14を後退移動させる。このことで、傾動フレーム12に対して荷役フレーム14が支持部13回りに回動(傾動)し、図3に示すように、コンテナ5がその自重により案内ローラ20上にて滑動し、図4に示すように、地上に降される。
【0046】
また、サブフレーム4上にコンテナ5を搭載するには上記操作と逆の操作を行うことによりなされる。
【0047】
次いで、車両1のバッテリー23を用いてテールゲート7を開閉する操作手順について説明する。
【0048】
まず、図1に示すように、コンテナ5が車体枠2上にあるときには、バッテリー23につながる電気ケーブル63と、そこから距離の近い後側ボックス61の給電用電極とを接続する。
【0049】
次いで、ロック装置33を解除して手動開閉リミットスイッチ46を作動させてバッテリー23からの電流が流れるようにする。そして、バッテリー23から電動モータ52に電力を供給して油圧ポンプ51を駆動する。そして、テールゲート開閉スイッチ47を操作し、油圧ポンプ51で発生した圧力を利用してリフトシリンダ31を伸縮させることにより、テールゲート7が開閉される。
【0050】
また、図4に示すように、荷役フレーム14を回動させ、車体枠2上にあるコンテナ5を地上に積み降した場合には、バッテリー23につながる電気ケーブル63と、そこから距離の近い前側ボックス60の給電用電極とを接続する。
【0051】
次いで、ロック装置33を解除して手動開閉リミットスイッチ46を作動させてバッテリー23からの電流が流れるようにする。そして、電動モータ52に電力を供給して油圧ポンプ51を駆動する。そして、テールゲート開閉スイッチ47を操作し、油圧ポンプ51で発生した圧力を利用してリフトシリンダ31が伸縮してテールゲート7を開閉する。
【0052】
このように、コンテナ5にバッテリーを設けることなく、車体側のバッテリー23により、テールゲート7が開閉される。また、最短距離で電気ケーブル63のテールゲート用電極25と前側ボックス60の給電用電極又は後側ボックス61の給電用電極とが接続されるので、電気ケーブル63が短くてよい。また、ロック装置33が解除されたときのみリフトシリンダ31が駆動されるので、テールゲート7が閉状態に保たれた状態でリフトシリンダ31を作動させることによる、油圧機器やロック装置33の損傷が防止される。テールゲート用電極25と前側又は後側給電用電極60,61とが接続されているときには、リレー26aが働いて傾動シリンダ19の操作は行えない。
【0053】
−実施形態の効果−
したがって、本実施形態にかかるコンテナ荷役車両1によると、コンテナ5が車体枠2上にあるとき及び地上に積み降したときのいずれの場合にも、バッテリー23と前側ボックス60の給電用電極又は後側ボックス61の給電用電極とを接続して電動モータ52に電力を供給して油圧ポンプ51を駆動し、発生した圧力を利用してリフトシリンダ31が伸縮してテールゲート7を開閉させるようにしている。このため、部品点数の増加を避けながら、コンテナ5が車体枠2上にあるときと地上にあるときとの両方で容易にテールゲート7を開閉することができる。
【0054】
給電用電極60,61をコンテナ5の前側及び後側に設け、コンテナ5が車体枠2上にあるときと地上に降ろされたときとのいずれの場合にも、バッテリー23と、そこから距離の近い前側ボックス60の給電用電極又は後側ボックス61の給電用電極とを接続するようにしている。このため、極めて容易に配線を行ってテールゲート7を開閉することができる。
【0055】
ロック装置33が解除されたときのみリフトシリンダ31が駆動されるようにしたことにより、油圧機器やロック装置33の損傷を防ぎながら、コンテナ5が車体枠2上にあるときと地上にあるときとの両方で容易にテールゲート7を開閉することができる。
【0056】
−その他の実施形態−
上記実施形態では、バッテリー23に電気ケーブル63を常時接続させているが、車体枠2に、バッテリー23に接続された電気ケーブルの電極を収納したボックスを配置し、この電極に必要なときに電気ケーブル63を接続するようにしてもよい。
【0057】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態にかかるコンテナ荷役車両の側面図である。
【図2】コンテナ荷役車両の平面図である。
【図3】コンテナを地上に降ろす途中のコンテナ荷役車両を示す側面図である。
【図4】コンテナを地上に降ろした状態のコンテナ荷役車両を示す側面図である。
【図5】コンテナの側面図である。
【図6】コンテナの平面図である。
【図7】コンテナの背面図である。
【図8】ロック装置及び手動開閉リミットスイッチを示す側面図である。
【図9】ロック装置を示す平面図である。
【図10】ロック装置及び手動開閉リミットスイッチを示す背面図である。
【図11】前側ボックスに収納した給電用電極及びその周辺を拡大して示す側面図である。
【図12】後側ボックスに収納した給電用電極及びその周辺を拡大して示す側面図である。
【図13】コンテナの油圧回路図である。
【図14】車両側の電源を示す電気回路図である。
【図15】手動開閉リミットスイッチに関するシーケンスダイアグラムである。
【符号の説明】
【0059】
1 コンテナ荷役車両
2 車体枠
5 コンテナ
6 積み降し装置
7 テールゲート
14 荷役フレーム
23 バッテリー(車体側の電源)
31 リフトシリンダ
33 ロック装置
51 油圧ポンプ
52 電動モータ
60 前側ボックス(前側の給電用電極)
61 後側ボックス(後側の給電用電極)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体枠上において前後方向に回動する荷役フレームを備え、該車体枠上に、開閉可能なテールゲートを有するコンテナが、荷役フレームの回動により車体枠と地上との間で積み降し可能に搭載されたコンテナ荷役車両であって、
上記コンテナには、
上記テールゲートを開閉するリフトシリンダと、
上記リフトシリンダを駆動する油圧源である油圧ポンプと、
上記油圧ポンプを駆動する電動モータと、
上記電動モータと車体側の電源とを接続するための給電用電極と、
が設けられている
ことを特徴とするコンテナ荷役車両。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテナ荷役車両において、
上記車体側の電源と給電用電極とが接続されているときには、上記荷役フレームの作動が規制されている
ことを特徴とするコンテナ荷役車両。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンテナ荷役車両において、
上記テールゲートを閉状態にロックするロック装置を備え、
上記ロック装置が解除されたときのみ上記リフトシリンダが駆動されるように構成されている
ことを特徴とするコンテナ荷役車両。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載のコンテナ荷役車両において、
上記給電用電極は、コンテナの前側及び後側に設けられ、
上記コンテナが上記車体枠上にあるときには、上記車体側の電源と後側の給電用電極とが接続され、
上記コンテナが上記車体枠から地上に降ろされたときには、上記車体側の電源と前側の給電用電極とが接続されるように構成されている
ことを特徴とするコンテナ荷役車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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