説明

コンテナ輸送用車両支持台

【課題】 規格化されたコンテナへの車両の積込みにおいて、コンテナ及び車両のサイズに制約されることなく高い積込み効率を得ることを可能とするコンテナ輸送用車両支持台の提供。
【解決手段】 コンテナ内において車両を前後いずれかの方向に傾斜させて支持するためのコンテナ輸送用車両支持台であって、前記車両の全幅より長く形成されると共に当該車両の前輪或いは後輪が載置固定される車輪支持部材と、該車輪支持部材の両側に設けられると共に当該車輪支持部材を前記コンテナの底面から所定量の高さを設けて固定支持する側部支持部材とからなり、前記車輪支持部材が、前記側部支持部材に対して前記高さ方向に調整可能であることを特徴とするコンテナ輸送用車両支持台である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ輸送用車両支持台に関し、より詳しくは、規格化されたコンテナへの車両の積込みにおいて、コンテナ及び車両のサイズに制約されることなく、高い積込み効率を得ることを可能とするコンテナ輸送用車両支持台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、車産業の発展に伴って、輸出入等、車両(例えば、一般乗用車)の輸送が頻繁に行われるようになっており、特に我が国においては、島国であるという事情から、車両の輸出入に際しては海上輸送が利用されている。
この車両の海上輸送は、従来、車両専用の船舶を利用する等の方法が行われていたが、近時においては、輸送における迅速性や確実性が求められることから、車両を予めコンテナに積込んだ上で船舶輸送する方法が採用されている。
【0003】
ここで、上記したコンテナは、一般的にそのサイズが規格化されているため、車両の積込みに際して、以下のような問題を有することとなる。
即ち、一般的に車両は、コンテナ内において積重ねて収容することが不可能であるため、コンテナの底面(床面)に並べられた状態でコンテナ内に積込まれる。
従って、上記したようにコンテナのサイズが規格化されていると、車両の積込み効率は、コンテナの床面のサイズに依存することとなり、例えば、コンテナの容積的には、ある一つの車両を3〜4台積込めるにもかかわらず、実際には2台しか積込めない(即ち、余分なスペースが多い)という問題が発生する。
【0004】
以上のことより、従来のコンテナ輸送では、コンテナ一つ一つにおける積込み効率が悪く、また、これにより輸送効率が低下することとなり、結果、輸送コストが割高になってしまう問題があった。
【0005】
このような実情に鑑みて規格化されたコンテナにおける、積込み効率を向上させるための技術が種々提案されており、例えば、下記特許文献1には、規格サイズのコンテナ内に複数台の車両を収納する車両の収納方法において、前記コンテナ内の前方側に配置された架台上に一部の車両を載置して収納し、次いで前記コンテナ内の後方側床面上に残部の車両を載置して収納するとともに、この床面上に収納されている先頭車両の前方部分を前記架台上に収納されている最後部の車両の下方に入れ込んで収納する車両の収納方法、若しくは前記コンテナ内に配置された車両を傾斜状態に保持する車両保持枠部材にて前記複数台の車両を傾斜状態で収納する車両の収納方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、このような技術では、車両の積込み効率は向上するものの、架台を調整することができないため、コンテナのサイズ、或いは車両のサイズに応じて、異なる種類の架台をいくつも用意しなければならない。従って、この架台が大量に必要になるため高コストとなり、また、架台を使用しないときには、これを保管する膨大なスペースが必要となる。
【0007】
尚、この他の手法として、コンテナを車両サイズに合わせて別注することも考えられるが、この場合、大量のサイズの異なるコンテナを用意する必要があり、また、新型の車両が販売される度にコンテナを新しく製作する必要がある。従って、非常に高コストになると共に設置スペースの問題等が生じるため、好ましいとは言えない。
【0008】
【特許文献1】特開平8−81064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであって、規格化されたコンテナへの車両の積込みにおいて、コンテナ及び車両のサイズに制約されることなく高い積込み効率を得ることを可能とするコンテナ輸送用車両支持台を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、コンテナ内において車両を前後いずれかの方向に傾斜させて支持するためのコンテナ輸送用車両支持台であって、前記車両の全幅より長く形成されると共に当該車両の前輪或いは後輪が載置固定される車輪支持部材と、該車輪支持部材の両側に設けられると共に当該車輪支持部材を前記コンテナの底面から所定量の高さを設けて固定支持する側部支持部材とからなり、前記車輪支持部材が、前記側部支持部材に対して前記高さ方向に調整可能であることを特徴とするコンテナ輸送用車両支持台に関する。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記側部支持部材において、前記高さ方向に沿って複数の貫通孔が夫々所定量の間隙を有して形成されており、前記車輪支持部材が、前記貫通孔を介して固定部材により前記側部支持部材に対して固定支持されてなることを特徴とする請求項1記載のコンテナ輸送用車両支持台に関する。
【0012】
請求項3に係る発明は、前記固定部材が、ボルトナットであることを特徴とする請求項2記載のコンテナ輸送用車両支持台に関する。
【0013】
請求項4に係る発明は、前記側部支持部材が、前記コンテナの底面に対して固定可能であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のコンテナ輸送用車両支持台に関する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、車両の全幅より長く形成されると共に車両の前輪或いは後輪が載置固定される車輪支持部材と、車輪支持部材の両側に設けられると共に車輪支持部材をコンテナの底面から所定量の高さを設けて固定支持する側部支持部材とからなり、車輪支持部材が、側部支持部材に対して高さ方向に調整可能であることにより、車両を傾斜させてコンテナに積込むにあたり、現場にて容易にコンテナのサイズ及び車両のサイズに合わせた積込みを行うことが可能となる。これにより、高い積込み効率を得ることが可能となる。また、コンテナ及び車両のサイズに合わせて多種類のものを用意する必要がないため、膨大な設置スペースを必要としない。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、側部支持部材において、高さ方向に沿って複数の貫通孔が夫々所定量の間隙を有して形成されており、車輪支持部材が、貫通孔を介して固定部材により側部支持部材に対して固定支持されてなることにより、車輪支持部材を確実に所定の高さ位置に調整することが可能となる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、固定部材が、ボルトナットであることにより、非常に簡単な構成によって、車輪支持部材を確実に所定の高さ位置に調整することが可能となる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、側部支持部材が、コンテナの底面に対して固定可能であることにより、車輪支持部材を高さ方向を除く特定の方向において位置固定することが可能となる。これにより、輸送に際して車両を確実に固定支持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の一実施例を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
また、図2は、本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の一実施例において具備される車輪支持部材を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は平面図である。
更に、図3は、本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の一実施例において具備される側部支持部材を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は一部省略A−A線断面図である。
【0019】
以下、図1乃至図3を参照しつつ、コンテナ輸送用車両支持台の一実施例について説明を行う。この一実施例は、主に一般乗用車において利用するものである。
尚、図1中、一点鎖線は車輪を示しており、二点鎖線は車輪支持部材がコンテナ床面側に移動した状態を示している。
また、図3中、二点鎖線は車輪支持部材を示している。
更に、図1乃至図3中の破線は隠れ線である。
以下、コンテナ床面側への方向を下方とし、この反対方向、即ちコンテナの上面側への方向を上方とし、また、上方から下方への長さを高さとして説明を行う。
【0020】
本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台(1)は、コンテナ内において車両を前後いずれかの方向に傾斜させて支持するためのものであり、前記車両の全幅より長く形成されると共に当該車両の前輪或いは後輪いずれかの車輪(2)が載置固定される車輪支持部材(3)と、車輪支持部材(3)の両側に設けられると共に車輪支持部材(3)を前記コンテナの底面(床面)から所定量の高さを設けて固定支持する側部支持部材(4)とから構成されている。
このコンテナ輸送用車両支持台(1)は、断面視L字形状の鋼材(所謂L字アングル、以下、L字アングルと称する)により構成されている。
以下、図4に示されるように、L字アングルの折込部分を基点として紙面上方(図4(a)参照)に延設される部位と紙面右方(図4(a)参照)に延設される部位のいずれかを「一面(A1)」と称し(図4においては紙面上方の部位)、また、「一面」と異なる部位を「他面(A2)」と称して説明する(符号「A」は、下記する各部材の符号に対応する)。
【0021】
車輪支持部材(3)は、上述の如く、車両の前輪或いは後輪いずれかの車輪(2)を載置固定するためのものであり、L字アングルを複数組み合わせて接合することにより形成されている。
より具体的には、図2に示される如く、車輪支持部材(3)は、車両の全幅より長く形成される(例えば、一般乗用車の場合、2100〜2200mm程度)と共に互いに略平行に配される一対の長部材(31)と、一対の長部材(31)の間に且つその長さ方向両端部に配される側部材(32)と、一対の長部材(31)の間に且つ側部材(32)より内方に側部材(32)と略平行に介装される中間部材(33)と、一対の長部材(31)の長さ方向両端部において一対の長部材(31)と略直角に配される計四本の足部材(34)とを互いに接合することにより形成された、略矩形のテーブル形状を有している。
【0022】
一対の長部材(31)は、その一面(311)が互いに外方に向けて位置するように、且つその他面(312)が下方に位置するように構成されている。
また、側部材(32)の一面(321)は、上方に向けて一対の長部材(31)の他面(312)と接合されており、またこの際、側部材(32)の他面(322)は、一対の長部材(31)の長さ方向両端部において互いに外方に向けて構成されている。
また、中間部材(33)は、一対の長部材(31)の長さ方向中央位置を基準として一対の長部材(31)の各々の端部との間、略中央に夫々配されており、断面視においてL字の端部部分が一対の長部材(31)の他面(312)と接合されている。
更に、足部材(34)は、その一面(341)の上方部位が一対の長部材(31)の一面(311)と接合されている。
【0023】
以上により、車輪支持部材(3)が形成される。
この車輪支持部材(3)において、車輪(2)は、側部材(32)と中間部材(33)との間において一対の長部材(31)により載置固定される。
【0024】
側部支持部材(4)は、車輪支持部材(3)の長さ方向の両側端に設けられると共に車輪支持部材(3)をコンテナの床面から所定量の高さを設けた上方位置にて固定支持するものであり、車輪支持部材(3)と同様、複数のL字アングルを接合させることにより構成されている。
より具体的に説明すると、図3に示されるように、側部支持部材(4)は、上記したコンテナの床面に直交する方向且つ上方へ向けて延設されると共に互いに所定の距離を設けて配される一対の柱部材(41)と、一対の柱部材(41)と略直角方向に且つ一対の柱部材(41)を跨いで延設されると共にコンテナ床面に当接する床部材(42)と、床部材(42)の上方において床部材(42)と略平行に一対の柱部材(41)を跨いで延設される間部材(43)と、床部材(42)両端部から間部材(43)端部を経由して一対の柱部材(41)に向けて傾斜延設される側部補強部材(44)とを互いに接合することにより構成されている。
【0025】
一対の柱部材(41)は、その一面(411)が互いに外方に向けて構成されており、また、その間の距離が、上述した車輪支持部材(3)の長さ方向に直角な方向(中間部材(33)が介装される方向)における全長を内包する略同程度の距離を有している。また、一対の柱部材(41)の高さは、一般乗用車の全高と略同等、若しくはやや高いくらいに形成されている(例えば、1500〜1700mm程度)。
床部材(42)の一面(421)は、一対の柱部材(41)の他面(412)に接合されており、また、床部材(42)の他面(422)は、下方に向いており、コンテナ床面に接している。
間部材(43)の一面(431)は、床部材(42)の一面(421)と同様、一対の柱部材(41)の他面(412)に接合されており、間部材(43)の他面(432)も、床部材(42)の他面(422)と同様、下方向きに配されている。また、この間部材(43)は、一対の柱部材(41)の長さ方向の略中央位置に配されており、床部材(42)より若干量短く形成されている。
側部補強部材(44)は、その一面(441)を互いに内方に向けて、その他面(442)が床部材(42)の一面(421)及び間部材(43)の一面(431)と接合されている。
【0026】
以上により、側部支持部材(4)が形成される。
上記した車輪支持部材(3)の足部材(34)の他面(342)は、この側部支持部材(4)の一対の柱部材(41)の他面(412)と当接し、固定部材(後述する)により側部支持部材(4)に固定支持される。
【0027】
以上によって、本発明に係るコンテナ輸送用車両支持部材(1)の基本構成が形成される。
尚、上記した車輪支持部材(3)及び側部支持部材(4)を構成するL字アングルの各々の接合方法としては、特に限定はないが、剛性に優れていることが好ましいので、例えば、アーク溶接による接合を挙げることができる。
また、L字アングルのサイズとして、主に車両を支える部位については、車両重量を考慮して、その一面及び他面の長さ方向に直交する長さを50〜65mm程度、厚みを6mm程度と設定することが好ましく、また、その他の部位については、その一面及び他面の長さ方向に直交する長さを40mm程度、厚みを3mm程度と設定することが好ましい。
【0028】
次いで、本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台(1)のより具体的な構成について説明する。
本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台(1)は、車輪支持部材(3)が、側部支持部材(4)に対して高さ方向(上下方向)に昇降調整可能に構成されている。
このことにより、車両を傾斜させてコンテナに積込むにあたり、現場にて容易にコンテナのサイズ及び車両のサイズに合わせた積込みを行うことが可能となり、高い積込み効率を得ることが可能となる。
また、コンテナ及び車両のサイズに合わせて多種類のものを用意する必要がないため、膨大な設置スペースを必要とすることがない。
【0029】
上記構成を具体的に説明すると、車輪支持部材(3)の足部材(34)には、その他面(342)の高さ方向に沿って二つ、第一貫通孔(5)が夫々所定の間隙(ピッチ)(例えば、100mm程度)を有して形成されている。
また、側部支持部材(4)の一対の柱部材(41)の他面(412)上方において、高さ方向に沿って複数(図3においては、一本につき八つ)の第二貫通孔(6)が夫々、上記した車輪支持部材(3)の第一貫通孔(5)と同様のピッチを有して形成されている。
この第二貫通孔(6)は、上記した第一貫通孔(5)の数よりも多く形成することは言うまでもない。
【0030】
この第一貫通孔(5)と第二貫通孔(6)とは、側部支持部材(4)の一対の柱部材(41)の他面(412)と車輪支持部材(3)の足部材(34)の他面(342)とを当接させた時に、高さ方向と直交する方向において、略一致するようにして構成されている。
ここで、車輪支持部材(3)は、第一貫通孔(5)及び第二貫通孔(6)を介して固定部材(7)により側部支持部材(4)に対して固定支持可能に構成されている。
これにより、車輪支持部材(3)を確実に所定の高さ位置に調整することが可能となる。
従って、第一貫通孔(5)を、第二貫通孔(6)の特定の孔に位置合わせすることにより、車輪支持部材(3)を側部支持部材(4)に対して相対的に昇降調整することが可能となる。
【0031】
尚、車輪支持部材(3)と側部支持部材(4)とを固定支持する固定部材(7)としては、ボルトナットを利用することが好ましく、この際、ボルトナットのサイズとしては、例えば、M16若しくはそれ以上のものを選択することがより好ましい。
これにより、非常に簡単な構成によって、車輪支持部材(3)を確実に所定の高さ位置に調整することが可能となる。
【0032】
また、本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台(1)において側部支持部材(4)は、上記したコンテナの床面に対して固定可能に構成されている。
これにより、車輪支持部材(3)を高さ方向を除く特定の方向において位置固定することが可能となる。これにより、輸送に際して車両(車輪(2))を確実に固定支持することができる。
尚、側部支持部材(4)の具体的な固定方法としては、床部材(42)の他面(422)において、長さ方向に沿って複数の孔(8)を設け、ボルトナット等を利用してコンテナ床面に固定する方法を例示することができる(図3、一部省略A−A線断面図参照)。
以上により、本発明に係るコンテナ輸送用車両支持部材(1)が構成される。
【0033】
次に、本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の他実施例について説明を行う。
図5は、本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の他実施例を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
図6は、本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の他実施例において具備される車輪支持部材を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は平面図である。
図7は、本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の他実施例において具備される側部支持部材を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は一部省略A−A線断面図である。
尚、図5中の一点鎖線は車輪を示しており、図7中の二点鎖線は車輪支持部材を示しており、図5乃至図7中の破線は隠れ線を示している。
また、上述した一実施例と同様の構成については、同一の符号を付し、説明は省略する。
【0034】
本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台(1)の他実施例は、主に一般乗用車よりも大型の車両(例えば、RV車等)において利用するものである。
この他実施例において、上記一実施例と異なる点は、より重量のある車両を確実に支持するための追加の補強部材が設けられていることである。
【0035】
車輪支持部材(3)には、夫々の足部材(34)の一面(341)の下方端に接合され、足部材(34)夫々が取り付けられる長部材(31)の他面(312)且つ足部材(34)夫々から最も近い位置の中間部材(33)下方へと向けて延びる第一追加補強部材(35)が設けられている。
この第一追加補強部材(35)は、一対の長部材(31)間の距離と、略同距離にて形成されている。
【0036】
また、側部支持部材(4)には、間部材(43)の更に上方において、間部材(43)と略平行に且つ柱部材(41)の他面(412)及び側部補強部材(44)の他面(442)に接合される第二追加補強部材(45)が設けられている。
以上により、車輪支持部材(3)及び側部支持部材(4)の剛性を向上させることができ、コンテナ輸送用車両支持台(1)として、より重量のある車両を支持することが可能となる。従って、一般乗用車よりも大型の車両を支持可能となる。
尚、上記一実施例および他実施例においては、コンテナ輸送用車両支持台(1)を構成する部材をL字アングル鋼材として説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、その他種々の形状、材質の部材を利用することも可能である。
【0037】
最後に、上記説明した本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台(1)の使用方法について一例を挙げて説明する。
図8は、本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の一実施例における使用状態を示す図であり、(a)は一部省略側面図であり、(b)は一部省略正面図である。
【0038】
先ず、規格化されたコンテナ(C)(例えば、内部高さ2700mm程度)に一般乗用車(9)(例えば、全長4400mm程度、車高1500mm程度)を積込むにあたり、一方の車輪(図8においては前輪)を支持する上記したコンテナ輸送用車両支持台(1)とは別に、他方の車輪(ここでは後輪)を支持する補助用支持台(10)を準備する。
この補助用支持台(10)は、例えば、上記した車輪支持部材(3)と略同様の構成の有する矩形体であり、全高が300〜400mm程度に形成されている。
【0039】
次いで、コンテナ(C)内床面に補助用支持台(10)を載置固定し、この補助用支持台(10)に図示しないスロープを設置し、一般乗用車(9)をコンテナ内に入庫させ、その後輪をスロープを介して補助用支持台(10)上に載置する。
次いで、フォークリフト(図示せず)をコンテナ内に入庫させて、リフト部により一般乗用車(9)の前端を持ち上げると共に傾斜させる。
この際、コンテナ(C)のサイズ、一般乗用車(9)の形状・サイズ等を考慮して、コンテナ内における一般乗用車(9)の停止位置及び傾斜角の調整を行うことは言うまでもない。
また、一般乗用車(9)が傷つかないように、フォークリフトのリフト部と一般乗用車(9)との間にパレット材等を介装させることも重要である。
【0040】
次いで、傾斜状態の一般乗用車(9)の前輪下部に車輪支持部材(3)を配し(フォークリフトで傾斜させる際に、予め介装しておいても良い)、その両側部に側部支持部材(4)を位置させて、互いに固定する。
最後に、側部支持部材(4)をコンテナ床面に固定することにより、積込み作業が完了する。
この後、二台目の一般乗用車の積込みを行う。二台目の積込み方法としては、上記した一台目と同様の構成を採用して一台目の下方に押し込む方法(図9(a)参照)、若しくは、車体を傾斜させずに一台目と車体の向きを180°回転させて、頭から押し込む方法(図9(b)参照)等を例示することができる。
【0041】
尚、本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台(1)の使用方法は、上記した例に限られるものではなく、例えば、コンテナの上部が開口式の場合は、予めコンテナ床面にコンテナ輸送用車両支持台(1)及び補助用支持台(10)を設置し、クレーン等により一般乗用車(9)を載置固定して積込むことも可能である。
また、RV車等の一般乗用車より大型な車両(11)についても、上記と同様の使用方法によりコンテナ(C)への積込みを行えば良い(図10参照)。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、規格化されたコンテナにおいて、車両を傾斜させて積込むためのコンテナ輸送用車両支持台として好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の一実施例を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【図2】本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の一実施例において具備される車輪支持部材を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は平面図である。
【図3】本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の一実施例において具備される側部支持部材を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は一部省略A−A線断面図である。
【図4】L字アングルの概略図であり、(a)は正面図(断面図)であり、(b)は一部省略側面図である。
【図5】本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の他実施例を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【図6】本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の他実施例において具備される車輪支持部材を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は平面図である。
【図7】本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の他実施例において具備される側部支持部材を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は一部省略A−A線断面図である。
【図8】本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の一実施例における使用状態を示す図であり、(a)は一部省略側面図であり、(b)は一部省略正面図である。
【図9】本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の一実施例における使用状態において二台目の一般乗用車を積込んだ状態を示す図である。
【図10】本発明に係るコンテナ輸送用車両支持台の他実施例における使用状態を示す図であり、(a)は一部省略側面図であり、(b)は一部省略正面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 コンテナ輸送用車両支持台
3 車輪支持部材
4 側部支持部材
6 貫通孔(第二貫通孔)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ内において車両を前後いずれかの方向に傾斜させて支持するためのコンテナ輸送用車両支持台であって、
前記車両の全幅より長く形成されると共に当該車両の前輪或いは後輪が載置固定される車輪支持部材と、
該車輪支持部材の両側に設けられると共に当該車輪支持部材を前記コンテナの底面から所定量の高さを設けて固定支持する側部支持部材とからなり、
前記車輪支持部材が、前記側部支持部材に対して前記高さ方向に調整可能であることを特徴とするコンテナ輸送用車両支持台。
【請求項2】
前記側部支持部材において、前記高さ方向に沿って複数の貫通孔が夫々所定量の間隙を有して形成されており、
前記車輪支持部材が、前記貫通孔を介して固定部材により前記側部支持部材に対して固定支持されてなることを特徴とする請求項1記載のコンテナ輸送用車両支持台。
【請求項3】
前記固定部材が、ボルトナットであることを特徴とする請求項2記載のコンテナ輸送用車両支持台。
【請求項4】
前記側部支持部材が、前記コンテナの底面に対して固定可能であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のコンテナ輸送用車両支持台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−74273(P2008−74273A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−256476(P2006−256476)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【特許番号】特許第3951248号(P3951248)
【特許公報発行日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(598129277)関西商運株式会社 (1)
【出願人】(390020765)株式会社ヤマモト鉄工所 (1)
【Fターム(参考)】