説明

コンテンツ共有システム及びコンテンツ共有の方法

【課題】連絡先を知らないユーザーや、コミュニティメンバー以外のユーザーとコンテンツを共有するコンテンツ共有システムを提供する。
【解決手段】コンテンツ共有サーバーに格納されたコンテンツについて、コンテンツファイルと同時に作成されたメタデータ(撮影位置及び撮影日時)に基づいて検索を行う。ユーザーが視聴可能なコンテンツの中から一つのコンテンツを選択し検索を実行する。すると、当該コンテンツと撮影位置及び撮影日時が類似するコンテンツが抽出される。抽出されたコンテンツの視聴が許可されていない場合には、視聴請求を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ共有システムに関し、特にコンテンツに格納されたメタデータに基づく検索が可能なコンテンツ共有システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテンツを共有する方法として、電子メール等を使って知人に個別に送付する方法があった。
【0003】
また、ユーザーがコンテンツをサーバーコンピューターに登録し、他のユーザーと共有するコンテンツ共有システムが存在した。登録されたコンテンツについては、コンテンツ登録者がコンテンツ視聴者を任意に設定することが可能だった。例えば、誰でも視聴できるようにコンテンツを一般公開し、多くのユーザーとコンテンツを共有することもできた。
【0004】
また、コンテンツ共有システムにコミュニティを作成し、コンテンツをコミュニティに登録し、コンテンツ視聴者をコミュニティメンバーに限定することもできた。
【0005】
特許文献1に記載のコンテンツ共有システムによると、コミュニティ内の複数ユーザーが共通のイベントに参画した際のコンテンツに関して、位置情報並びに時刻情報を基に自動的にイベントとして分析分類し、且つ複数ユーザーのコンテンツを共有することで、コミュニティ内のユーザー間のコンテンツ流通を促進している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−249821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電子メール等を使ってコンテンツを共有する場合、電子メールアドレス等の連絡先を知らない相手に対してコンテンツを送付できないという問題があった。
【0008】
また、コンテンツ共有システムにコンテンツを登録して一般公開した場合、不特定多数のユーザーが視聴できた。そこで、顔写真など個人の特定が可能なコンテンツを一般公開すると、プライバシーが確保できないという問題があった。
【0009】
また、コミュニティにコンテンツを登録した場合、コンテンツ視聴者がコミュニティメンバーに限られてしまう。そのため、コミュニティの存在を知らないメンバーとはコンテンツが共有できないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1のコンテンツ共有システムは、ユーザーが利用する情報端末と、ネットワークを介して前記情報端末と接続されるコンテンツ共有サーバーを有するコンテンツ共有システムであって、複数のコンテンツ及びコンテンツのメタデータをコンテンツ共有サーバーに登録するコンテンツ登録手段と、前記複数のコンテンツのうち一のコンテンツが選択されたとき、前記一のコンテンツのメタデータと類似するメタデータを有する他のコンテンツを抽出するコンテンツ検索手段と、前記他のコンテンツの視聴が許可されていない場合、前記他のコンテンツを登録したコンテンツ登録者に対し、前記他のコンテンツの視聴を請求する視聴請求手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の第2のコンテンツ共有システムは、前記メタデータは、コンテンツの撮影位置及び撮影日時であることを特徴とする。
【0012】
本発明の第3のコンテンツ共有システムは、前記コンテンツ登録者が視聴請求を許可した場合、前記視聴請求を行ったユーザーを前記他のコンテンツのコンテンツ視聴者に登録するコンテンツ視聴者登録手段を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の第4のコンテンツ共有システムは、前記視聴請求を行ったユーザーが前記一のコンテンツのコンテンツ登録者である場合、前記他のコンテンツの前記コンテンツ登録者に対し、前記一のコンテンツの視聴を推奨する視聴推奨手段を有することを特徴とするコンテンツ共有システム。
【0014】
本発明の第5のコンテンツ共有システムは、コンテンツ共有サーバーにコミュニティを作成するコミュニティ作成手段と、ユーザーをコミュニティのメンバーに登録するメンバー登録手段と、を有し、前記コンテンツ登録手段は、コンテンツをコミュニティに登録する手段を含み、コミュニティに登録されたコンテンツのコンテンツ視聴者は、前記コミュニティのメンバーを含む、ことを特徴とする。
【0015】
本発明の第6のコンテンツ共有システムは、前記コンテンツ検索手段は、コミュニティに登録されたコンテンツを検索する手段を含み、前記視聴請求手段は、コミュニティに登録されたコンテンツに対して視聴請求を行う手段を含み、前記他のコンテンツは、コミュニティに登録されたコンテンツであり、前記視聴請求を行ったユーザーは、前記一のコンテンツの登録者である場合、前記メンバー登録手段は、前記視聴請求を行ったユーザーに対し、前記コミュニティに招待する手段を含む、ことを特徴とする。
【0016】
本発明の第7のコンテンツ共有システムは、前記コンテンツ共有サーバーは、顔認識手段を有することを特徴とする。
【0017】
本発明のコンテンツの共有方法は、コンテンツ共有サーバーに複数のコンテンツが登録され、前記複数のコンテンツのうち一のコンテンツを選択したとき、前記一のコンテンツのメタデータと類似するメタデータを有する他のコンテンツを抽出し、前記他のコンテンツの視聴が許可されていない場合、前記他のコンテンツを登録したコンテンツ登録者に対し、前記他のコンテンツの視聴を請求することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、コンテンツを一般公開せずに、連絡先を知らないユーザーやコミュニティメンバー以外のユーザーとコンテンツを共有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態を構成するコンテンツ共有サーバーと情報処理装置の機能ブロックを示す図である。
【図2】第1の実施例の概略を示す図である。
【図3】第1の実施例のコンテンツ共有サーバーが、コンテンツファイルを検索するときの動作を示す図である。
【図4】本実施例のコンテンツ共有サーバーが、コンテンツ視聴請求を行うときの動作を示す図である。
【図5】第2の実施例の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。本実施形態は、ウェブによってコンテンツ共有サービスを提供するコンテンツ共有サーバーと、ネットワークを経由してコンテンツ共有サーバーにアクセスしてコンテンツを登録する情報処理装置とで構成される。
【0021】
図1は、本実施形態を構成するコンテンツ共有サーバーと情報処理装置の機能ブロックを示す図である。図1を参照すると、コンテンツ共有サーバー10は、コンテンツ管理部11、コンテンツ記録部12、メッセージ管理部13、コミュニティ管理部14を有する。コンテンツ共有サーバー10は、具体的には、図示しないプロセッサ、メモリ、ハードディスクドライブなどの不揮発メモリなどによって構成されるコンピュータである。
【0022】
コンテンツ管理部11は、ウェブブラウザからHTTPプロトコルによるアクセスを受けて所定のHTMLページを送信する。所定のページは、ウェブブラウザ上でコンテンツ登録が可能なページが表示されるよう構成されている。コンテンツ管理部11は、例えば、図示しないプロセッサが図示しない不揮発メモリから読み出して実行するプログラムと、図示しないネットワークインタフェースによって構成することができる。
【0023】
コンテンツ記録部12は、コンテンツ管理部10の指示によりウェブブラウザによって登録されたコンテンツを記録するとともに、コンテンツ管理部11により指定されたコンテンツを読み出す。コンテンツ記録部12は、例えば、図示しないプロセッサが図示しない不揮発メモリから読み出して実行するプログラムと、プログラムにより制御されるハードディスクドライブなどの不揮発メモリによって構成することができる。
【0024】
メッセージ管理部13は、ウェブブラウザからHTTPプロトコルによるアクセスを受けて所定のHTMLページを送信する。所定のページは、他のユーザーに対し、ウェブブラウザ上でメッセージを送信することが可能なページが表示されるよう構成されている。メッセージ管理部13は、例えば、図示しないプロセッサが図示しない不揮発メモリから読み出して実行するプログラムと、図示しないネットワークインタフェースによって構成することができる。
【0025】
コミュニティ管理部14は、ウェブブラウザからHTTPプロトコルによるアクセスを受けて所定のHTMLページを送信する。所定のページは、ウェブブラウザ上でコミュニティの作成や、コミュニティへのメンバー登録が可能なページが表示されるよう構成されている。コミュニティ管理部14は、例えば、図示しないプロセッサが図示しない不揮発メモリから読み出して実行するプログラムと、図示しないネットワークインタフェースによって構成することができる。
【0026】
ネットワーク20には、コンテンツ共有サーバー10と情報処理装置30とがそれぞれ接続される。ネットワーク20は、例えばインターネット接続網であり、回線と中継器が多重接続されている。
【0027】
情報処理装置30は、ユーザーインタフェース31、ウェブブラウザ32、ネットワーク監視部33とファイルシステム34を有する。情報処理装置30は、具体的には、図示しないプロセッサ、メモリ、ハードディスクドライブなどの不揮発メモリなどによって構成されるコンピュータである。
【0028】
ユーザーインタフェース31は、ユーザーの操作を図示しないプロセッサに伝える。ユーザーインタフェース31は、例えば、図示しないプロセッサが図示しない不揮発メモリから読み出して実行するプログラムと、図示しない表示装置と、図示しない入力装置とによって構成することができる。
【0029】
ウェブブラウザ32は、所定のURLに従ってコンテンツ管理部11、メッセージ管理部13、又はコミュニティ管理部14にアクセスし、HTMLページを受信して表示する。例えば、情報処理装置30を使用するユーザーに対して当該ユーザーが登録したコンテンツ、及び当該ユーザーが視聴可能なコンテンツ一覧を表示する。また、表示されたHTMLページに対するユーザーの操作に対応した信号をコンテンツ管理部11、メッセージ管理部13、又はコミュニティ管理部14に送信する。例えば、ユーザーインタフェース31を介して、視聴を希望するコンテンツをユーザーが指定した場合には、その信号をコンテンツ管理部に送信する。ウェブブラウザ32は、例えば、図示しないプロセッサが図示しない不揮発メモリから読み出して実行するプログラムと、図示しない表示装置と、図示しない入力装置とによって構成することができる。
【0030】
ネットワーク監視部33は、ウェブブラウザ32がコンテンツ管理部11、メッセージ管理部13、又はコミュニティ管理部14との間で行う通信を監視する。ネットワーク監視部33は、例えば、図示しないプロセッサが図示しない不揮発メモリから読み出して実行するプログラムと、図示しないネットワークインタフェースによって構成することができる。
【0031】
ファイルシステム34は、コンテンツファイル41を記録する。コンテンツファイル41は、例えばデジタルスチールカメラで撮影されたJPEGファイルや、デジタルビデオカメラで撮影されたMPEGファイルである。各コンテンツファイルには、コンテンツの撮影時に生成されたメタデータ41aが格納されている。メタデータ41aは、コンテンツの撮影位置及び撮影日時を含む。ファイルシステム34は、例えば、図示しないプロセッサが図示しない不揮発メモリから読み出して実行するプログラムと、プログラムにより制御されるハードディスクドライブなどの不揮発メモリによって構成することができる。
【0032】
(第1の実施例)
続いて、図2、図3及び図4を参照して、第1の実施例のコンテンツ共有サーバーの動作について説明する。図2は、本実施例の概略を示す図である。ユーザーAは、情報処理装置のウェブブラウザを用いてコンテンツ共有サーバー10内のコンテンツ管理部11にアクセスし、コンテンツ記録部12にコンテンツファイル411、412、413を登録した。同様に、ユーザーBはコンテンツファイル414、415を登録した。
【0033】
コンテンツ記録部12に格納されたコンテンツファイルについて、コンテンツ登録者はコンテンツ視聴者を任意に設定することができる。例えば、コンテンツ登録者のみ視聴可能にしたり、コンテンツ共有サーバー10にアクセスできるユーザーなら誰でも視聴できるように一般公開することができる。
【0034】
ユーザーは、コンテンツファイルに格納されたメタデータに基づき、コンテンツ記録部12内のコンテンツファイルを検索することが可能である。例えば、情報処理装置30のウェブブラウザ32に表示した登録コンテンツのうちひとつのコンテンツを選択し、検索を実行した場合、選択されたコンテンツと類似する撮影位置及び撮影日時を持つコンテンツファイルを検索することができる。
【0035】
図3は、本実施例のコンテンツ共有サーバーが、コンテンツファイルを検索するときの動作を示す図である。ウェブブラウザ32は、情報処理装置30を操作するユーザーが視聴可能なコンテンツの一覧を表示する。ユーザーインタフェース31は、コンテンツ一覧の中からユーザーが選択したコンテンツの指示を受け、それをコンテンツ管理部11に伝える(ステップS11)。
【0036】
コンテンツ管理部11は、選択されたコンテンツファイルのメタデータから撮影位置及び撮影日時を読み込み、コンテンツ記録部12に記録されているコンテンツファイルのうち、当該メタデータと類似するメタデータを有するコンテンツファイルを検索する(ステップS12)。
【0037】
類似するメタデータとは、例えば、ユーザーが選択したコンテンツファイルの撮影位置から半径1km以内、撮影日時から前後1時間以内などである。類似の範囲については、検索を行うユーザーが任意に設定してもよい。
【0038】
検索の結果、該当するコンテンツファイルが存在しなかった場合には、処理を終了する。該当するコンテンツファイルが存在した場合、コンテンツ管理部11は、抽出したコンテンツファイルそれぞれについて、ユーザーがコンテンツの視聴が可能かどうかを判断する。(ステップS13、ステップS14)。
【0039】
ユーザーが視聴可能なコンテンツファイルについては、コンテンツファイルのサムネイルファイルをウェブブラウザ32に表示する(ステップS15)。ユーザーが視聴できないコンテンツファイルについては、当該コンテンツファイルのコンテンツ登録者及びメタデータをウェブブラウザ32に表示する(ステップ16)。
【0040】
なお、視聴できないコンテンツファイルについて、ユーザーはコンテンツの視聴請求を行うことができる。図4は、本実施例のコンテンツ共有サーバーが、コンテンツ視聴請求を行うときの動作を示す図である。図4に示すフローチャートは、図3の動作において、視聴できないコンテンツファイルが抽出された場合に開始する。
【0041】
検索の結果、視聴できないコンテンツファイルについては、コンテンツ登録者のユーザー名がウェブブラウザ32に表示される。情報処理装置30を操作するユーザーが、ウェブブラウザ32に表示されたコンテンツ登録者のユーザー名を選択すると、ユーザーインタフェース31はその指示を受け、メッセージ管理部13に伝える(ステップS21)。
【0042】
メッセージ管理部13は、コンテンツ視聴請求画面をウェブブラウザ32に表示する(ステップS22)。コンテンツ視聴請求画面において、ユーザーがコンテンツ視聴請求を実行すると、メッセージ管理部13は、コンテンツ登録者に対して、視聴請求のあったコンテンツファイル名、及び視聴を請求しているユーザー名を通知する。(ステップS23、ステップS24)。
【0043】
通知を受けたコンテンツ登録者が視聴を許可すると、コンテンツ管理部11は、当該コンテンツファイルのコンテンツ視聴者に、視聴請求を行ったユーザーを登録する(ステップS25、ステップS26)。その結果、視聴請求を行ったユーザーが、コンテンツファイルを視聴することが可能になる。
【0044】
ここで、図2に示すユーザーAが、コンテンツファイル412を選択して、メタデータ412aに基づく検索を行う場合を考える。検索の結果、ユーザーBが登録したコンテンツファイル414が抽出された。ユーザーAは、コンテンツファイル414の視聴を許可されていないため、ウェブブラウザ32にはユーザーBのユーザー名が表示された。
【0045】
このとき、コンテンツ登録者であるユーザーBに対し、ユーザーAはコンテンツファイル414の視聴請求を行った。ユーザーAの視聴請求に対し、ユーザーBはコンテンツ視聴の可否を判断できる。ユーザーBが視聴を許可すると、ユーザーAはコンテンツファイル414を視聴することができる。
【0046】
また、コンテンツファイル414の視聴請求を行うとき、同時に、ユーザーAは、コンテンツファイル412の視聴をユーザーBに促すことができる。つまり、ユーザーBの登録したコンテンツと似たメタデータを持つコンテンツを示すことによって、両ユーザーが同じ時間に同じ場所にいた可能性を示唆し、ユーザーBのユーザーAに対する信頼感を醸成することができる。これによって、ユーザーBがユーザーAの視聴請求を許可する可能性が高まる。
【0047】
また、ユーザーが視聴請求を行うとき、コンテンツ登録者に対してメッセージ送付を行ってもよい。例えば、コンテンツ視聴請求画面にメッセージ入力欄を設ける。視聴請求を行うユーザーは、メッセージ入力欄に所定のメッセージを記入する。記入されたメッセージは、視聴請求の通知と同時にコンテンツ登録者に通知される。同様の方法で、コンテンツ視聴請求の可否を決定する際、コンテンツ登録者は、視聴請求を行ったユーザーに対してメッセージを送付してもよい。メッセージのやり取りは、コンテンツ共有サーバー10のメッセージ管理部13を経由して行われる。そのため、ユーザーA及びユーザーBは匿名のままメッセージをやり取りすることが可能である。
【0048】
なお、本実施例ではユーザーAは自分で登録したコンテンツファイルに基づき、検索を行った。しかし、ユーザーAが視聴可能なコンテンツファイルであれば、ユーザーA以外のユーザーが登録したコンテンツファイルを選択し、これに基づき検索を行うこともできる。
【0049】
(第2の実施例)
続いて、第2の実施例について説明する。図1に示すように、コンテンツ共有サーバー10は、コミュニティ管理部14を有する。コミュニティ管理部14は、ユーザーからの要求に応じて、コミュニティを作成し、そのコミュニティに参加するユーザーをメンバー登録する。本実施例において、コンテンツ共有サーバー10のコンテンツファイルを検索するときの動作、及びコンテンツ視聴請求を行うときの動作は第1の実施例と同様である。
【0050】
図5は、本実施例の概略を示す図である。本実施例では、コンテンツ共有サーバー10にコミュニティ50が形成されている。コミュニティ50の作成したのはユーザーXであり、コミュニティ管理者である。コミュニティ管理者は、他のユーザーをコミュニティにメンバー登録する権限を持つ。
【0051】
コミュニティ50にはユーザーX、Y及びZがメンバー登録しており、コミュニティメンバーとなっている。一方、ユーザーWは、コミュニティ50にはメンバー登録していない。
【0052】
コミュニティ50には、コミュニティメンバーが保有するコンテンツファイルを登録することができる。コミュニティ50に登録されたコンテンツファイルについては、コミュニティメンバーのみが視聴することができる。
【0053】
図5に示すように、ユーザーXは、コミュニティ50にコンテンツファイル418、419及び420を登録した。また、ユーザーYはコンテンツファイル421及び422を登録した。この場合、コンテンツファイル418〜422について、コミュニティメンバーであるユーザーX、Y及びZは視聴可能である。一方、ユーザーWは、これらのコンテンツを視聴することができない。
【0054】
ユーザーWは、コンテンツファイル416及び417を登録し、コンテンツファイル416についてメタデータ416aに基づく検索を行った。その結果、コンテンツファイル417及び422が抽出された。ユーザーWは、自分が登録したコンテンツファイル417については当然視聴できるが、コミュニティ50に登録されたコンテンツファイル422については視聴することができない。
【0055】
第1の実施例と同様に、ユーザーWは、ユーザーYに対してコンテンツファイル422の視聴請求ができる。ユーザーYが視聴請求を許可した場合には、ユーザーWはコンテンツファイル422の視聴が可能になる。
【0056】
また、第1の実施例と同様に、ユーザーWはユーザーYに対してコンテンツファイル416の視聴を促すことができる。ユーザーYがコンテンツファイル416の視聴を行い、ユーザーWがコミュニティメンバーと同じ属性を有することが判明した場合、ユーザーYはユーザーX(コミュニティ管理者)の許可を得て、ユーザーWをコミュニティに招待することもできる。
【0057】
ここで、例として、コミュニティ50を小学校のコミュニティとし、コンテンツファイル416、417及び422が小学校の運動会を撮影した写真である場合を考える。ユーザーW及びコミュニティメンバーは、小学校の保護者とする。コンテンツファイル416は、ユーザーWの子供が映っている写真とする。
【0058】
前述したように、ユーザーWは、ユーザーYが登録したコンテンツファイル422について視聴請求を行った。このとき、ユーザーWはコンテンツファイル416(ユーザーWの子供の写真)をユーザーYに視聴してもらった。このことから、ユーザーYは、ユーザーWを小学校の保護者と見なし、コミュニティ50へ招待した。
【0059】
一方、コミュニティメンバーであるユーザーX、Y及びZがコンテンツファイル422のメタデータ422aに基づく検索を行い、コンテンツ共有サーバー内の運動会に関するコンテンツを探すことも可能である。そして、該当するコンテンツ登録者を見つけた場合には、ユーザーWと同様にコミュニティに招待することもできる。
【0060】
また、コンテンツ共有サーバー10は、顔認識機能を有していてもよい。この場合、ココンテンツファイル416(ユーザーWの子供の写真)を基に、視聴可能な登録コンテンツの中からユーザーWの子供が映っている写真を検索することができる。
【0061】
例えば、ユーザーYは、コンテンツファイル416(ユーザーWの子供の写真)を基準として、顔認識機能による検索を指示する。ユーザーインタフェース31はその指示を受け、それをコンテンツ管理部11に伝える。コンテンツ管理部11は、コンテンツファイル416に映っているユーザーWの子供の顔を検出し、その特徴を読み込む。その後、コンテンツ管理部11は、コンテンツ記録部12に記録されているコンテンツファイルのうち、ユーザーYが視聴可能なコンテンツファイルを検索し、該当するコンテンツファイルに映っている人物の顔を検出する。そして、検出した各人物の特徴と、ユーザーWの子供の特徴とが一致しているコンテンツファイルを抽出する。その結果、コンテンツファイル421が抽出された。検索の結果を受け、ユーザーYは、コンテンツファイル421をユーザーWに提供することができる。
【0062】
以上説明したように、コンテンツファイルに格納されたメタデータ、主には撮影位置及び撮影日時に基づく検索を行うことにより、連絡先を知らないユーザーやコミュニティメンバー以外のユーザーとコンテンツを共有することができる。また、コンテンツを一般公開しなくても検索対象になるので、プライバシーを確保した上でコンテンツを促進することができる。
【0063】
さらには、メタデータを基にコミュニティメンバーになりそうなユーザーを抽出し、コンテンツの内容でコミュニティメンバーの選別を行うことによって、セキュリティレベルを低下させることなく、効率的にコミュニティを拡大することができる。
【符号の説明】
【0064】
10 コンテンツ共有サーバー
11 コンテンツ管理部
12 コンテンツ記録部
13 メッセージ管理部
14 コミュニティ管理部
20 ネットワーク
30 情報処理装置
31 ユーザーインタフェース
32 ウェブブラウザ
33 ネットワーク監視部
34 ファイルシステム
50 コミュニティ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが利用する情報端末と、ネットワークを介して前記情報端末と接続されるコンテンツ共有サーバーを有するコンテンツ共有システムであって、
複数のコンテンツ及びコンテンツのメタデータをコンテンツ共有サーバーに登録するコンテンツ登録手段と、
前記複数のコンテンツのうち一のコンテンツが選択されたとき、前記一のコンテンツのメタデータと類似するメタデータを有する他のコンテンツを抽出するコンテンツ検索手段と、
前記他のコンテンツの視聴が許可されていない場合、前記他のコンテンツを登録したコンテンツ登録者に対し、前記他のコンテンツの視聴を請求する視聴請求手段と、
を有することを特徴とするコンテンツ共有システム。
【請求項2】
請求項1に記載されたコンテンツ共有システムにおいて、
前記メタデータは、コンテンツの撮影位置及び撮影日時であることを特徴とするコンテンツ共有システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載されたコンテンツ共有システムにおいて、
前記コンテンツ登録者が視聴請求を許可した場合、前記視聴請求を行ったユーザーを前記他のコンテンツのコンテンツ視聴者に登録するコンテンツ視聴者登録手段を有することを特徴とするコンテンツ共有システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3に記載されたコンテンツ共有システムにおいて、
前記視聴請求を行ったユーザーが前記一のコンテンツのコンテンツ登録者である場合、
前記他のコンテンツの前記コンテンツ登録者に対し、前記一のコンテンツの視聴を推奨する視聴推奨手段を有することを特徴とするコンテンツ共有システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4に記載されたコンテンツ共有システムにおいて、
コンテンツ共有サーバーにコミュニティを作成するコミュニティ作成手段と、
ユーザーをコミュニティのメンバーに登録するメンバー登録手段と、を有し、
前記コンテンツ登録手段は、コンテンツをコミュニティに登録する手段を含み、
コミュニティに登録されたコンテンツのコンテンツ視聴者は、前記コミュニティのメンバーを含む、
ことを特徴とするコンテンツ共有システム。
【請求項6】
請求項5に記載されたコンテンツ共有システムにおいて、
前記コンテンツ検索手段は、コミュニティに登録されたコンテンツを検索する手段を含み、
前記視聴請求手段は、コミュニティに登録されたコンテンツに対して視聴請求を行う手段を含み、
前記他のコンテンツは、コミュニティに登録されたコンテンツであり、
前記視聴請求を行ったユーザーは、前記一のコンテンツの登録者である場合、
前記メンバー登録手段は、前記視聴請求を行ったユーザーに対し、前記コミュニティに招待する手段を含む、
ことを特徴とするコンテンツ共有システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6に記載されたコンテンツ共有システムにおいて、
前記コンテンツ共有サーバーは、顔認識手段を有することを特徴とするコンテンツ共有システム。
【請求項8】
コンテンツ共有サーバーに登録された複数のコンテンツの共有方法において、
前記複数のコンテンツのうち一のコンテンツを選択したとき、前記一のコンテンツのメタデータと類似するメタデータを有する他のコンテンツを抽出し、
前記他のコンテンツの視聴が許可されていない場合、前記他のコンテンツを登録したコンテンツ登録者に対し、前記他のコンテンツの視聴を請求することを特徴とするコンテンツの共有方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−237751(P2010−237751A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−82087(P2009−82087)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】