説明

コンテンツ再生装置及びコンテンツ再生方法

【課題】この発明は、再生期限の超過したコンテンツを記録媒体から削除して記録領域の有効利用を図ることができ、しかも、ユーザがコンテンツの取得履歴を参照することができるようにして、ユーザにとっての利便性を向上させ実用に適するようにしたコンテンツ再生装置及びコンテンツ再生方法を提供することを目的としている。
【解決手段】再生期限が超過していないコンテンツ(1〜N)について、そのコンテンツ管理情報(1a〜Na)に含まれるコンテンツ参照先を示す情報に基づいて検索したコンテンツ主情報を再生し、再生期限が超過しているコンテンツ(1〜N)について、そのコンテンツ管理情報(1a〜Na)を記録媒体(36a)に残したまま、当該コンテンツ管理情報(1a〜Na)に含まれるコンテンツ参照先を示す情報に基づいて検索したコンテンツ主情報(1b〜Nb)を記録媒体(36a)から削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、再生期限付きで記録されたコンテンツを再生するコンテンツ再生装置及びコンテンツ再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近年では、デジタル放送やネットワーク回線等を利用して、コンテンツ配信事業者から再生期限付きでコンテンツを購入するようにしたコンテンツ配信システムが普及している。この種のコンテンツ配信システムでは、購入したコンテンツを、例えばHDD(hard disk drive)等の記録再生装置に記録し、再生期限内に限りハードディスクからの再生を許可して視聴に供させるようにしている。
【0003】
ところで、このように再生期限付きのコンテンツを記録再生装置に記録した場合には、再生期限を超過したコンテンツの取り扱いが重要となる。すなわち、再生期限の切れたコンテンツは、記録媒体から削除すれば記録媒体の空き容量を増やすことができる。一方、コンテンツを記録媒体から削除すると、コンテンツの購入履歴が参照できなくなるため、ユーザにとっての利便性を損なうものとなる。
【0004】
特許文献1には、ビデオサーバからインターネットを経由してダウンロードされた指定ビデオ情報が、その再生を許可する期限と共にハードディスクに記録されており、ユーザの再生操作があったとき、指定ビデオ情報の期限が経過していて、かつ、ユーザによる期限の延長操作がなければ、その指定ビデオ情報をハードディスクから消去することが開示されている。
【特許文献1】特開2003−018535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、再生期限の超過したコンテンツを記録媒体から削除して記録領域の有効利用を図ることができ、しかも、ユーザがコンテンツの取得履歴を参照することができるようにして、ユーザにとっての利便性を向上させ実用に適するようにしたコンテンツ再生装置及びコンテンツ再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、この発明に係るコンテンツ再生装置は、複数のコンテンツがそれぞれコンテンツ管理情報とコンテンツ主情報とに分かれて記録された記録媒体を再生するものを対象としている。そして、記録媒体に記録された複数のコンテンツから所定のコンテンツを選択させる選択手段と、選択手段で選択されたコンテンツに対し、そのコンテンツ管理情報に含まれる再生期限と現在日時とを比較して、再生期限が超過しているか否かを判別する判別手段と、判別手段により再生期限が超過していないと判断されたコンテンツについて、そのコンテンツ管理情報に含まれるコンテンツ参照先を示す情報に基づいて検索したコンテンツ主情報を再生し、判別手段により再生期限が超過していると判断されたコンテンツについて、そのコンテンツ管理情報を記録媒体に残したまま、当該コンテンツ管理情報に含まれるコンテンツ参照先を示す情報に基づいて検索したコンテンツ主情報を記録媒体から削除する制御手段とを備えるようにしたものである。
【0007】
また、この発明に係るコンテンツ再生方法は、複数のコンテンツがそれぞれコンテンツ管理情報とコンテンツ主情報とに分かれて記録された記録媒体を再生する方法を対象としている。そして、記録媒体に記録された複数のコンテンツから所定のコンテンツを選択する工程と、選択されたコンテンツに対し、そのコンテンツ管理情報に含まれる再生期限と現在日時とを比較して、再生期限が超過しているか否かを判別する工程と、再生期限が超過していないと判断されたコンテンツについて、そのコンテンツ管理情報に含まれるコンテンツ参照先を示す情報に基づいて検索したコンテンツ主情報を再生する工程と、再生期限が超過していると判断されたコンテンツについて、そのコンテンツ管理情報を記録媒体に残したまま、当該コンテンツ管理情報に含まれるコンテンツ参照先を示す情報に基づいて検索したコンテンツ主情報を記録媒体から削除する工程とを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
上記した発明によれば、再生期限が超過していると判断されたコンテンツについて、そのコンテンツ管理情報を記録媒体に残したまま、当該コンテンツ管理情報に含まれるコンテンツ参照先を示す情報に基づいて検索したコンテンツ主情報を記録媒体から削除するようにしたので、再生期限の超過したコンテンツを記録媒体から削除して記録領域の有効利用を図ることができ、しかも、ユーザがコンテンツの取得履歴を参照することができるようになり、ユーザにとっての利便性を向上させ実用に適するようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明するデジタル放送受信装置11の主要な信号処理系を示している。このデジタル放送受信装置11は、デジタル放送やネットワーク回線等を利用して、コンテンツ配信事業者から再生期限付きのコンテンツを取得して記録する機能を備えている。
【0010】
すなわち、BS(broadcasting satellite)/CS(communication satellite)デジタル放送受信用のアンテナ12で受信した衛星デジタル放送信号は、入力端子13を介して衛星デジタル放送用のチューナ部14に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0011】
そして、このチューナ部14で選局された放送信号は、PSK(phase shift keying)復調器15に供給されてTS(transport stream)が復調される。このTSは、TS処理部16に供給されてデジタルの映像信号及び音声信号等に復号化された後、信号処理部17に出力される。
【0012】
また、地上波放送受信用のアンテナ18で受信した地上デジタル放送信号は、入力端子19を介して地上デジタル放送用のチューナ部20に供給されることによって、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0013】
そして、このチューナ部20で選局された放送信号は、OFDM(orthogonal frequency division multiplexing)復調器21に供給されてTSが復調される。このTSは、上記TS処理部16に供給されてデジタルの映像信号及び音声信号に復号化された後、上記信号処理部17に出力される。
【0014】
また、上記地上波放送受信用のアンテナ18で受信した地上アナログ放送信号は、入力端子19を介して地上アナログ放送用のチューナ部22に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。そして、このチューナ部22で選局された放送信号は、アナログ復調器23に供給されてアナログの映像信号及び音声信号に復調された後、上記信号処理部17に出力される。
【0015】
ここで、上記信号処理部17は、TS処理部16から供給されたデジタルの映像信号及び音声信号に対して所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理部24及び音声処理部25に出力している。また、この信号処理部17は、上記アナログ復調器23から供給されたアナログの映像信号及び音声信号をデジタル化し、そのデジタル化された映像信号及び音声信号に対して所定のデジタル信号処理を施した後、グラフィック処理部24及び音声処理部25に出力している。
【0016】
このうち、グラフィック処理部24は、信号処理部17から供給されるデジタルの映像信号に、OSD(on screen display)信号生成部26で生成されるOSD信号を重畳して出力する機能を有する。また、このグラフィック処理部24は、信号処理部17の出力映像信号と、OSD信号生成部26の出力OSD信号とを選択的に出力することや、両出力をそれぞれ画面の半分を構成するように組み合わせて出力することができる。
【0017】
そして、グラフィック処理部24から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理部27に供給される。この映像処理部27は、入力されたデジタルの映像信号を、映像表示器28で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換した後、映像表示器28に出力して映像表示させるとともに、出力端子29を介して外部に導出させる。
【0018】
また、上記音声処理部25は、入力されたデジタルの音声信号を、前記スピーカ30で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換した後、スピーカ30に出力して音声再生させるとともに、出力端子31を介して外部に導出させる。
【0019】
ここで、このデジタル放送受信装置11は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作を制御部32によって統括的に制御されている。この制御部32は、CPU(central processing unit)32aを内蔵しており、デジタル放送受信装置11の本体に設置された操作部33からの操作情報、または、リモートコントローラ34から送出され受信部35で受信した操作情報を受けて、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0020】
この場合、制御部32は、メモリ部32bを利用している。このメモリ部32bは、主として、CPU32aが実行する制御プログラムを格納したROM(read only memory)と、該CPU32aに作業エリアを提供するためのRAM(random access memory)と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリとを有している。
【0021】
また、この制御部32には、HDD36が接続されている。この制御部32は、ユーザによる操作部33またはリモートコントローラ34の操作、または、CPU32aが実行する制御プログラムの指示に基づいて、上記TS処理部16から得られるMPEG(moving picture experts group)2−TSのデジタル信号を、暗号化器・復号化器37によって暗号化した後、HDD36に供給してハードディスク36aに記録させるように制御することができる。
【0022】
さらに、この制御部32は、ユーザによる操作部33またはリモートコントローラ34の操作、または、CPU32aが実行する制御プログラムの指示に基づいて、上記アナログ復調器23から得られるアナログの映像信号及び音声信号をエンコーダ38によりMPEG2−TSに変換し、上記暗号化器・復号化器37によって暗号化した後、HDD36に供給してハードディスク36aに記録させるように制御することができる。
【0023】
また、この制御部32は、ユーザによる操作部35またはリモートコントローラ36の操作、または、CPU32aが実行する制御プログラムの指示に基づいて、HDD36によりハードディスク36aからMPEG2−TSを読み出させ、上記暗号化器・復号化器37によって復号化した後、TS処理部16に供給することによって、以後、上記した映像表示及び音声再生に供させるように制御することができる。
【0024】
さらに、この制御部32には、デジタル送受信部39が接続されている。このデジタル送受信部39は、デジタルインターフェース機能を持つもので、入出力端子40を介してインターネット等のネットワーク回線に接続されることにより、制御部32とネットワーク回線との相互間でのデータ通信を可能にしている。
【0025】
これにより、この制御部32は、デジタル送受信部39及び入出力端子40を介してネットワーク回線上のコンテンツ配信事業者にアクセスし、再生期限付きのコンテンツを購入して取得することが可能となる。この取得した再生期限付きのコンテンツは、HDD36によりハードディスク36aに記録された後、再生期限内であれば、ハードディスク36aから再生させて映像表示や音声再生に供させることができる。
【0026】
なお、この再生期限付きのコンテンツとしては、上記したデジタル放送を利用して購入し取得することも可能である。そして、デジタル放送を受信して取得した再生期限付きのコンテンツも、HDD36によりハードディスク36aに記録された後、その再生期限内であれば、ハードディスク36aから再生させて映像表示や音声再生に供させることができる。
【0027】
また、上記制御部32は、現在日時を計測するためのタイマ部32cと、ユーザの操作に応じてハードディスク36aに記録されたコンテンツのリストを映像表示器28に表示させるためのコンテンツリスト表示部32dと、ハードディスク36aに記録されているコンテンツに対して再生が要求されたとき、その再生期限に応じた後述する処理を施すコンテンツ再生制御部36eとを備えている。
【0028】
図2は、上記ハードディスク36a上におけるコンテンツの記録形態を示している。すなわち、今、ハードディスク36a上に、コンテンツ1,コンテンツ2,コンテンツ3,……,コンテンツNなる、N個のコンテンツが記録されているとする。これらのコンテンツ1〜Nは、それぞれが、コンテンツ管理情報1a〜Naとコンテンツ主情報1b〜Nbとに分かれて記録されている。
【0029】
このうち、コンテンツ管理情報1a〜Naには、例えば、コンテンツタイプ、コンテンツタイトル、コンテンツ総時間、コンテンツ参照先、記録日時、再生期限等を示す各種の管理情報が格納されている。そして、上記コンテンツ参照先は、そのコンテンツ管理情報1a〜Naによって参照されるコンテンツ主情報1b〜Nbを示している。例えば、コンテンツ管理情報1aのコンテンツ参照先は、コンテンツ主情報1bを示している。
【0030】
また、上記コンテンツ主情報1b〜Nbには、映像や音声等に対応するストリームが、例えば、MPEG2、MPEG4、JPEG(joint photographic experts group)、WMV[windows(登録商標)media video]、ビットマップ、AVC−1等に対応した各種の形態で格納されている。
【0031】
さらに、上記ハードディスク36aには、メッセージ情報Mが記録されている。このメッセージ情報Mは、例えば、「このコンテンツは、再生期限が切れているため、再生できません。」というようなメッセージを映像表示器28に表示させるための情報である。
【0032】
ここで、ユーザが上記操作部33またはリモートコントローラ34を操作して、ハードディスク36aに記録されているコンテンツ1〜Nのリスト表示を要求した場合、制御部32のコンテンツリスト表示部32dは、ハードディスク36aに記録されているコンテンツ管理情報1a〜Naを参照することにより、図3に示すように、ハードディスク36aに記録されている全コンテンツ1〜Nのコンテンツタイトルを、映像表示器28にリスト表示させる。
【0033】
そして、ユーザが、映像表示器28にリスト表示されたコンテンツタイトルの中から所望のコンテンツタイトルを指定したとき、制御部32のコンテンツ再生制御部32eは、指定されたコンテンツタイトルに対応するコンテンツを、その再生期限に応じて再生または非再生状態に制御させる。
【0034】
なお、コンテンツタイトルの指定は、ユーザがリモートコントローラ34の上下キーを操作し、リスト画面上でカーソルを移動させることにより所望のコンテンツを選択した上で、決定キーを操作することで行なわれる。
【0035】
すなわち、コンテンツタイトルが指定されると、コンテンツ再生制御部32eは、指定されたコンテンツタイトルが含まれるコンテンツ管理情報1a〜Naを参照して、そのコンテンツ管理情報1a〜Naに含まれる再生期限を調べる。そして、再生期限が超過していない場合、コンテンツ再生制御部32eは、指定されたコンテンツタイトルが含まれるコンテンツ管理情報1a〜Naからコンテンツ参照先を調べる。その後、コンテンツ再生制御部32eは、調べたコンテンツ参照先が指示するコンテンツ主情報1b〜Nbを検索し、その検索したコンテンツ主情報1b〜Nbを再生して視聴に供させている。
【0036】
例えば、コンテンツタイトルのリスト画面上で、コンテンツ1に対応するコンテンツタイトルが指定されると、コンテンツ再生制御部32eは、コンテンツ1のコンテンツ管理情報1aに含まれる再生期限から、再生期限が切れているか否かを判別し、再生期限が切れていない場合、コンテンツ1のコンテンツ管理情報1aに含まれるコンテンツ参照先に基づいてコンテンツ主情報1bを検索し、その検索したコンテンツ主情報1bを再生して視聴に供させている。
【0037】
一方、コンテンツタイトルのリスト画面上で指定されたコンテンツタイトルが含まれるコンテンツ管理情報1a〜Naを参照して、そのコンテンツ管理情報1a〜Naに含まれる再生期限を調べた結果、再生期限が超過している場合、上記コンテンツ再生制御部32eは、指定されたコンテンツタイトルが含まれるコンテンツ管理情報1a〜Naからコンテンツ参照先を調べる。
【0038】
その後、コンテンツ再生制御部32eは、調べたコンテンツ参照先が指示するコンテンツ主情報1b〜Nbを、それに対応するコンテンツ管理情報1a〜Naを残してハードディスク36aから削除する。また、コンテンツ再生制御部32eは、指定されたコンテンツタイトルが含まれるコンテンツ管理情報1a〜Naのコンテンツ参照先を、上記メッセージ情報Mに書き替える。これにより、メッセージ情報Mの内容が映像表示器28に表示されるようになる。
【0039】
例えば、コンテンツタイトルのリスト画面上で、コンテンツ3に対応するコンテンツタイトルが指定されると、コンテンツ再生制御部32eは、コンテンツ3のコンテンツ管理情報3aに含まれる再生期限から、再生期限が切れているか否かを判別し、再生期限が切れている場合、図4に示すように、コンテンツ3のコンテンツ主情報3bをハードディスク36a上から削除する。この場合、コンテンツ3のコンテンツ管理情報3aは、ハードディスク36a上に残したままとする。
【0040】
また、コンテンツ再生制御部32eは、指定されたコンテンツタイトルが含まれるコンテンツ管理情報3aのコンテンツ参照先を、メッセージ情報Mを示すように書き替える。これにより、コンテンツ主情報3bに代えてメッセージ情報Mが再生されることになり、図5に示すように、映像表示器28に「このコンテンツは、再生期限が切れているため、再生できません。」というメッセージが表示される。
【0041】
上記した実施の形態によれば、再生期限が超過しているコンテンツに対しては、そのコンテンツ管理情報1a〜Naを残してコンテンツ主情報1b〜Nbをハードディスク36a上から削除するようにしているため、ハードディスク36aの空き容量を増やすことができ、ハードディスク36aの記録容量の有効利用を図ることができる。
【0042】
また、再生期限が超過しているコンテンツに対しても、そのコンテンツ管理情報1a〜Naはハードディスク36a上に残しておくようにしたので、ハードディスク36aに記録されているコンテンツのリスト表示が要求された場合に、再生期限が超過しているコンテンツのコンテンツタイトルもリストに表示されるようになるため、ユーザがコンテンツの取得履歴を容易に参照することができるようになり、ユーザにとっての利便性を向上させ実用に適するものとなる。
【0043】
さらに、再生期限が超過しているコンテンツのコンテンツタイトルがリスト上で指定された場合には、そのコンテンツが再生期限切れのため再生できない旨を示すメッセージ情報Mを再生させて、ユーザに再生できない旨を知らせるようにしたので、このような点でも、ユーザにとっての利便性を向上させ実用に適するものとすることができる。
【0044】
図6は、上記したコンテンツ再生制御部32eによりコンテンツを再生期限に応じて再生または非再生状態に制御する処理動作をまとめたフローチャートを示している。この処理は、コンテンツタイトルが映像表示器28にリスト表示されることにより、開始(ステップS1)される。
【0045】
すると、上記コンテンツ再生制御部32eは、ステップS2で、リスト上からいずれかのコンテンツタイトルが指定されたか否かを判別し、指定されたと判断された場合(YES)、ステップS3で、その指定されたコンテンツタイトルが含まれるコンテンツ管理情報1a〜Na内の再生期限と現在の日時とを比較し、再生期限が超過しているか否かを判別する。
【0046】
そして、再生期限が超過していると判断された場合(YES)、コンテンツ再生制御部32eは、ステップS4で、その指定されたコンテンツタイトルが含まれるコンテンツ管理情報1a〜Naからコンテンツ参照先を調べ、調べたコンテンツ参照先が指示するコンテンツ主情報1b〜Nbを、それに対応するコンテンツ管理情報1a〜Naを残してハードディスク36aから削除する。
【0047】
その後、コンテンツ再生制御部32eは、ステップS5で、その指定されたコンテンツタイトルが含まれるコンテンツ管理情報1a〜Na内のコンテンツ参照先を、メッセージ情報Mを示すように書き替える。
【0048】
そして、このステップS5の後、または、上記ステップS3で再生期限が超過していないと判断された場合(NO)、コンテンツ再生制御部32eは、ステップS6で、その指定されたコンテンツタイトルが含まれるコンテンツ管理情報1a〜Na内のコンテンツ参照先が示す情報(コンテンツ主情報1b〜Nbまたはメッセージ情報M)を再生して、処理を終了(ステップS7)する。
【0049】
図7は、上記コンテンツ再生制御部32eによりコンテンツを再生期限に応じて再生または非再生状態に制御する処理動作の他の例をまとめたフローチャートを示している。この処理が開始(ステップS8)されると、コンテンツ再生制御部32eは、ステップS9で、現在の日付が更新されたか否かを判別し、更新されたと判断された場合(YES)、ステップS10で、ハードディスク36aに記録されているコンテンツ管理情報1a〜Naの中から、予め設定された順序に基づいて1つのコンテンツ管理情報1a〜Naを選択する。
【0050】
次に、コンテンツ再生制御部32eは、ステップS11で、選択されたコンテンツ管理情報1a〜Na内の再生期限と現在の日時とを比較して、再生期限が超過しているか否かを判別する。そして、再生期限が超過していると判断された場合(YES)、コンテンツ再生制御部32eは、ステップS12で、その選択されたコンテンツ管理情報1a〜Naからコンテンツ参照先を調べ、調べたコンテンツ参照先が指示するコンテンツ主情報1b〜Nbを、それに対応するコンテンツ管理情報1a〜Naを残してハードディスク36aから削除する。
【0051】
その後、コンテンツ再生制御部32eは、ステップS13で、その選択されたコンテンツ管理情報1a〜Na内のコンテンツ参照先を、メッセージ情報Mを示すように書き替える。
【0052】
そして、このステップS13の後、または、上記ステップS11で再生期限が超過していないと判断された場合(NO)、コンテンツ再生制御部32eは、ステップS14で、ハードディスク36aに記録されている全てのコンテンツ管理情報1a〜Naについて、ステップS11〜S13の処理が完了したか否かを判別し、完了していないと判断された場合(NO)、ステップS10の処理に戻されて次のコンテンツ管理情報1a〜Naの選択を実行し、完了したと判断された場合(YES)には、そのまま処理を終了(ステップS15)する。
【0053】
図7に示した処理動作によれば、日付が更新されたとき、自動的にハードディスク36aに記録されている全てのコンテンツ管理情報1a〜Naについて再生期限が切れているか否かを判別し、再生期限が切れている場合には、そのコンテンツ管理情報1a〜Naを残してコンテンツ主情報1b〜Nbを削除し、コンテンツ参照先がメッセージ情報Mを示すように書き替えるようにしている。
【0054】
このように、日付が更新されたタイミングで、再生期限が切れた場合の処理を予め行なっておくことにより、コンテンツの再生が要求されたときの処理が速やかになり、ユーザにとっての利便性を向上させ実用に適するものとすることができる。
【0055】
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、デジタル放送受信装置の信号処理系を説明するために示すブロック構成図。
【図2】同実施の形態におけるデジタル放送受信装置によりハードディスクに記録されたコンテンツの記録形態を説明するために示す図。
【図3】同実施の形態におけるデジタル放送受信装置により表示されるコンテンツタイトルリストの一例を説明するために示す図。
【図4】同実施の形態におけるデジタル放送受信装置によりハードディスクに記録されたコンテンツの再生期限切れに対する処理後の記録形態を説明するために示す図。
【図5】同実施の形態におけるデジタル放送受信装置により表示されるメッセージの一例を説明するために示す図。
【図6】同実施の形態におけるデジタル放送受信装置が行なう処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図7】同実施の形態におけるデジタル放送受信装置が行なう処理動作の他の例を説明するために示すフローチャート。
【符号の説明】
【0057】
11…デジタル放送受信装置、12…アンテナ、13…入力端子、14…チューナ部、15…PSK復調器、16…TS処理部、17…信号処理部、18…アンテナ、19…入力端子、20…チューナ部、21…OFDM復調器、22…チューナ部、23…アナログ復調器、24…グラフィック処理部、25…音声処理部、26…OSD信号生成部、27…映像処理部、28…映像表示器、29…出力端子、30…スピーカ、31…出力端子、32…制御部、32a…CPU、32b…メモリ部、32c…タイマ部、32d…コンテンツリスト表示部、32e…コンテンツ再生制御部、33…操作部、34…リモートコントローラ、35…受信部、36…HDD、36a…ハードディスク、37…暗号化器・復号化器、38…エンコーダ、39…デジタル送受信部、40…入出力端子、1〜N…コンテンツ、1a〜Na…コンテンツ管理情報、1b〜Nb…コンテンツ主情報、M…メッセージ情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツがそれぞれコンテンツ管理情報とコンテンツ主情報とに分かれて記録された記録媒体を再生するコンテンツ再生装置であって、
前記記録媒体に記録された複数のコンテンツから所定のコンテンツを選択させる選択手段と、
前記選択手段で選択されたコンテンツに対し、そのコンテンツ管理情報に含まれる再生期限と現在日時とを比較して、再生期限が超過しているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により再生期限が超過していないと判断されたコンテンツについて、そのコンテンツ管理情報に含まれるコンテンツ参照先を示す情報に基づいて検索したコンテンツ主情報を再生し、前記判別手段により再生期限が超過していると判断されたコンテンツについて、そのコンテンツ管理情報を前記記録媒体に残したまま、当該コンテンツ管理情報に含まれるコンテンツ参照先を示す情報に基づいて検索したコンテンツ主情報を前記記録媒体から削除する制御手段とを具備することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
複数のコンテンツがそれぞれコンテンツ管理情報とコンテンツ主情報とに分かれて記録された記録媒体を再生するコンテンツ再生装置であって、
現在の日付が更新されたとき、前記記録媒体に記録された複数のコンテンツそれぞれに対し、そのコンテンツ管理情報に含まれる再生期限と現在日時とを比較して、再生期限が超過しているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により再生期限が超過していると判断されたコンテンツについて、そのコンテンツ管理情報を前記記録媒体に残したまま、当該コンテンツ管理情報に含まれるコンテンツ参照先を示す情報に基づいて検索したコンテンツ主情報を前記記録媒体から削除する制御手段とを具備することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記判別手段により再生期限が超過していると判断されたコンテンツについて、そのコンテンツ管理情報に含まれるコンテンツ参照先を示す情報を、予め前記記録媒体に記録された所定のメッセージ情報を示すように書き替えることを特徴とする請求項1または2記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記メッセージ情報は、前記コンテンツの再生期限が超過しているために再生できない旨を表示するための情報であることを特徴とする請求項3記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
前記選択手段は、
前記記録媒体に記録されているコンテンツ管理情報を参照して、前記記録媒体に記録されている複数のコンテンツのリストを作成し表示するリスト表示手段と、
前記リスト表示手段で表示されたリストから所望のコンテンツを選択させるための操作手段とを備えることを特徴とする請求項1記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
複数のコンテンツがそれぞれコンテンツ管理情報とコンテンツ主情報とに分かれて記録された記録媒体を再生するコンテンツ再生方法であって、
前記記録媒体に記録された複数のコンテンツから所定のコンテンツを選択する工程と、
選択されたコンテンツに対し、そのコンテンツ管理情報に含まれる再生期限と現在日時とを比較して、再生期限が超過しているか否かを判別する工程と、
再生期限が超過していないと判断されたコンテンツについて、そのコンテンツ管理情報に含まれるコンテンツ参照先を示す情報に基づいて検索したコンテンツ主情報を再生する工程と、
再生期限が超過していると判断されたコンテンツについて、そのコンテンツ管理情報を前記記録媒体に残したまま、当該コンテンツ管理情報に含まれるコンテンツ参照先を示す情報に基づいて検索したコンテンツ主情報を前記記録媒体から削除する工程とを具備することを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項7】
複数のコンテンツがそれぞれコンテンツ管理情報とコンテンツ主情報とに分かれて記録された記録媒体を再生するコンテンツ再生方法であって、
日付が更新されたとき、前記記録媒体に記録された複数のコンテンツそれぞれに対し、そのコンテンツ管理情報に含まれる再生期限と現在日時とを比較して、再生期限が超過しているか否かを判別する工程と、
再生期限が超過していると判断されたコンテンツについて、そのコンテンツ管理情報を前記記録媒体に残したまま、当該コンテンツ管理情報に含まれるコンテンツ参照先を示す情報に基づいて検索したコンテンツ主情報を前記記録媒体から削除する工程とを具備することを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項8】
再生期限が超過していると判断されたコンテンツについて、そのコンテンツ管理情報に含まれるコンテンツ参照先を示す情報を、予め前記記録媒体に記録された所定のメッセージ情報を示すように書き替える工程を備えることを特徴とする請求項6または7記載のコンテンツ再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−152783(P2009−152783A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327732(P2007−327732)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】