説明

コンテンツ処理装置及びコンテンツ処理方法

【課題】ライセンス情報が変更された場合についても、ダウンロード実行を適切な優先順位で実行する。
【解決手段】ダウンロードコンテンツの追加通知を受取ると、通知コンテンツをダウンロード予定コンテンツとして登録し、既に登録済みのダウンロード予定およびダウンロード実行中のコンテンツを含めたダウンロード実行の優先順位について、各コンテンツのライセンス情報を考慮して再演算し、上記優先順位によって指定されるダウンロードの実行対象コンテンツが、現在ダウンロード実行中のコンテンツと異なる場合、ダウンロード実行対象を上記優先順位によって指定されるコンテンツに変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部サーバより、ネットワークを介してコンテンツをダウンロードするコンテンツ処理装置及びコンテンツ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビやレコーダなどの身近な電化製品においても、ネットワーク接続機能を有する機器が増加している。そのような機器の中には、映像コンテンツをネットワーク経由で取得し、楽しむことができるものも多く見受けられる。ネットワーク経由で、自分の好きなコンテンツを取得し、好きな時に利用する場合、大きく分けて2つの方式が利用される。
【0003】
一つは、ストリーミングと呼ばれ、ネットワークから取得したコンテンツを保存せずにそのまま再生するという方式である。最小限のデータ受信用バッファメモリが機器に搭載されていれば実装可能で、コンテンツを指定して即座に再生開始できるため、利用の手軽さが特徴である。
【0004】
もう一つの方式はダウンロードと呼ばれ、ネットワークから取得したコンテンツを記憶装置へ保存し、後から再生するという方式である。ダウンロード機能を付加するためには、ハードディスクドライブ(HDD)等、コンテンツ全体を保存するための大容量の記憶装置を追加する必要があるが、コンテンツを他のメディアにコピーする等の幅の広い利用方法が特徴である。
【0005】
ストリーミング方式では、ネットワークの帯域幅以上のビットレートを持つコンテンツを再生することは困難である。ハイビジョン映像等、高ビットレートのコンテンツを視聴するためには、比較的広帯域とされるADSLでも十分な帯域幅を確保できず、FTTH等、より高速なネットワークの設置が必要になる場合が発生する。また、家庭での導入が進んでいるWiFi等の無線通信でも、安定して高速な帯域を確保することが難しくなる場合が多い。
【0006】
これに対し、ダウンロード方式では、コンテンツを記憶装置に保存するため、ある程度の時間をかけることで、ネットワークの帯域幅よりも高ビットレートのコンテンツを取得することが可能である。利用可能な条件の緩和により、より多くの使用者に楽しんでもらえるようになる。また、コンテンツを機器内部に保存することから、ストリーミング方式のように通信環境に影響されないため、携帯電話等、無線通信機器における利用に対する期待も高い。
【0007】
しかし、ダウンロード方式では、コンテンツの容量によっては、ダウンロードの実行に非常に長い時間がかかることから、使用者の利便性が低下する危険があり、改善が試みられている。
【0008】
例えば、コンテンツのダウンロード実行が終了するまでは、コンテンツの再生が出来ないとすると、使用者は今すぐ見たい場合であっても見ることができない。このような不便に対しては、ダウンロードが未完了のコンテンツに関しても再生を開始できる技術であるプログレッシブ再生技術が利用されている。プログレッシブ再生時には、コンテンツのダウンロード実行と再生を同時に実施することで、ダウンロード実行中であっても、見たいコンテンツを再生開始できる。ただし、前述のように、ネットワークの帯域幅とコンテンツのビットレートの関係から、ダウンロード開始後に、全コンテンツを途切れずにプログレッシブ再生できるまでには、ある程度バッファ時間が必要となる。特許文献1では、この時間を算出可能とすることで、利便性の向上を図っている。
【0009】
また、ダウンロード方式では、サービス運用によっては、複数コンテンツをひとまとめとしたパックコンテンツを販売やダウンロード等の対象としている。このようにして、通常の単体コンテンツと同様に、シリーズものの複数コンテンツなどを簡単に利用できるようにしている。しかし、パックコンテンツのダウンロードでは、通常、パック内の複数コンテンツを連続的にダウンロードするため、完了までに非常に長い時間が必要である。そのため、パックコンテンツのダウンロード中に、他の単体コンテンツをダウンロードして視聴したい場合であっても、長時間待機する必要があった。そのため、特許文献2では、パックコンテンツをダウンロードする場合でも、後に購入した単体コンテンツに対して、ダウンロード実行の優先順位を早めることが可能である。
【0010】
また、コンテンツをダウンロードして再生するシステムにおいては、一般的に視聴期限などのライセンス管理が行われることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008-278090号公報
【特許文献2】特開2008-25220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ここで、上記特許文献2のように、複数のコンテンツのダウンロードを実行する時に、上記特許文献1のように、ダウンロード途中のあるコンテンツについてプログレッシブ再生が行われる場合には、コンテンツの再生開始時を基準にして、ライセンスされる視聴期限が早まることがある。
【0013】
この場合、視聴期限が早まったコンテンツについては、早く視聴する必要が生じるため、ダウンロード実行の緊急性は高くなる。しかし、特許文献2では、このような事情は考慮しておらず、ダウンロード実行の緊急性が高くなったコンテンツのダウンロード優先順位についても、通常のコンテンツと同等に扱われる。すなわち、他のコンテンツのダウンロード実行が優先され、視聴期限が早まったコンテンツのダウンロード実行が後回しとなってしまう。このため、後回しとなったコンテンツのダウンロードを終了させても、視聴期限までに十分な視聴時間がなくなる、あるいは、視聴期限が過ぎて、視聴できなくなるという問題が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明のネットワークを介してコンテンツのダウンロードを実行するコンテンツ処理装置は、前記コンテンツのダウンロードについて、優先順位を演算し、演算した優先順位に基づいて、ダウンロードを実行させるダウンロード実行制御部と、前記ダウンロードをすべきコンテンツのライセンス情報を収集及び管理し、該ライセンス情報が変更された場合に、前記ダウンロード実行制御部に変更されたライセンス情報を通知するライセンス制御部と、を備え、前記ダウンロード実行制御部では、前記ライセンス制御部から変更されたライセンス情報の通知を受けた場合に、変更されたライセンス情報に基づいて、優先順位を再演算し、再演算した優先順位に変更があった場合は、ダウンロードの実行順を変更させる。
【0015】
なお、上記装置において、前記変更されるライセンス情報が、視聴期限である場合は、前記ダウンロード実行制御部において、あるコンテンツの視聴期限が別のコンテンツの視聴期限より早まる場合に、あるコンテンツのダウンロードを別のコンテンツのダウンロードより優先させる。
【0016】
また、上記装置において、前記変更されるライセンス情報が、再生期限である場合は、前記ダウンロード実行制御部において、あるコンテンツの再生期限が別のコンテンツの再生期限より早まる場合に、あるコンテンツのダウンロードを別のコンテンツのダウンロードより優先させる。
【0017】
さらに、上記装置において、前記ダウンロード実行制御部では、変更されたライセンス情報に加え、別のライセンス情報、コンテンツの利用状況及びダウンロードを利用する使用者の基準といった情報のうち任意の複数の情報をも考慮して、優先順位を再演算してもよい。
【0018】
また、本発明のネットワークを介して、複数のコンテンツのダウンロードを実行するコンテンツ処理方法では、前記複数のコンテンツのうちの1つについて、視聴期限または再生期限が複数のコンテンツの中で一番早くなった場合に、視聴期限または再生期限が一番早くなったコンテンツを他のコンテンツに優先させてダウンロードさせる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ダウンロードすべきコンテンツにおいて、ライセンス情報が変更され、よりダウンロードの緊急性が高くなったコンテンツについては、優先的にダウンロードするようにして、最適な順序でダウンロードを実行することができる。具体的には、視聴期限が早まったコンテンツについては、ダウンロードを早めることにより、早く視聴できる状態にすることができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態に係るシステム全体の機能構成図である。
【図2】第1の実施形態に係るダウンロード予定コンテンツ登録のフローチャートである。
【図3】第1の実施形態に係るDL実行制御リストの一例である。
【図4】第1の実施形態に係るライセンス情報変更フローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係るライセンス情報変更フローチャートである。
【図6】第2の実施形態に係る利用者通知の一例である。
【図7】第3の実施形態に係るDL実行制御リストの一例である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0021】
以下、本発明のシステム構成、方法及びプログラムを示す。最適なダウンロード(DL)制御の動作として、視聴期限を考慮した場合の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0022】
本実施形態は、図1の機能構成図により、主な特徴を示すことができる。コンテンツ処理装置100において、新たにダウンロード対象となるコンテンツの追加通知をDL実行制御部121が受取ると、DL実行制御部121は、通知されたコンテンツをダウンロード予定コンテンツとして登録する。そして、既に登録済みのダウンロード対象となるコンテンツを含めて、ダウンロード実行の優先順位を、各コンテンツのライセンス情報を考慮して演算する。そして、演算された優先順位によって指定されるダウンロードの実行対象コンテンツが、現在ダウンロード実行中のコンテンツと異なる場合、ダウンロード実行対象を優先順位によって指定されるコンテンツに変更する。
【0023】
また、DL実行制御部121は、ライセンス情報変更によりコンテンツの視聴期限等の利用条件が変更された場合に、ライセンス制御部122からライセンス情報変更に関する通知を取得する。そして、ダウンロード対象となるコンテンツのダウンロード実行の優先順位を、上記ライセンス情報変更を反映した形で再演算する。そして、ダウンロードの実行対象順を、再演算した優先順位に基づいて変更する。
【0024】
このようにして、ダウンロード対象となるコンテンツが複数ある場合に、視聴期限等が変更され、使用者にとってのダウンロードの優先順位が変化しても、上記視聴期限等の変更を考慮し、最適な優先順位によるダウンロードを実施することができる。
【0025】
図1の機能構成図を用いて、本実施形態の構成について述べる。本実施形態は、公共ネットワーク1、コンテンツサーバ2、ライセンスサーバ3、ルータ4、コンテンツ処理装置100で構成されるものである。ただし、ルータ4は、省略される場合があっても構わないし、サーバ2と3は、同一の機器内に共存していても構わない。
【0026】
図1のコンテンツ処理装置100は、公共ネットワーク1上に接続されたコンテンツサーバ2やライセンスサーバ3などと通信を行う通信部110と、各種演算や制御を行う制御部120、コンテンツを記録する記録部130、映像、音声、テキストデータなどのコンテンツを出力するための出力部140からなる。
【0027】
コンテンツ処理装置100は、コンテンツサーバ2のコンテンツを公共ネットワーク1とルータ4を通じて通信部110で受取り、制御部120を介して記録部130へ記録するダウンロード機能を備える。一つ以上のコンテンツについて、同時並行でダウンロードの実行が行われても良いし、さらに、同時並行できるダウンロードの本数には、装置の能力などによる制限があっても良い。
【0028】
コンテンツ処理装置100は、コンテンツのダウンロード開始時やコンテンツ出力時、もしくは各種サービスによって定められた時点で、コンテンツの利用やコンテンツのダウンロードに必要なライセンス情報について適切に取得し、管理を行うことができるランセンス管理機能を備える。
【0029】
記録部130は、ハードウェア的には、ハードディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの大容量記憶装置で、ダウンロードしたコンテンツや制御用情報、ライセンス情報などを保存するものである。
【0030】
コンテンツ処理装置100の制御部120は、図1に示されるように、DL実行制御部121とライセンス制御部122を有する。DL実行制御部121は、ダウンロード予定およびダウンロード実行中の複数のコンテンツについて、使用者に最適な順序で、ダウンロードの実行を制御するものである。ライセンス制御部122は、コンテンツの取得や利用などに必要なライセンスの取得や管理、制御を行うものである。
【0031】
より詳しくは、DL実行制御部121は、ダウンロードコンテンツの追加通知を受取った場合に、当該コンテンツをダウンロード予定コンテンツとして登録する。そして、ダウンロード対象となるコンテンツに関して、ライセンス制御部122からライセンス情報を取得する。その上で、各コンテンツにおける視聴期限などのライセンス情報の変更があれば、使用者にとって適切なダウンロード実行の優先順位を演算し、上記優先順位に従って、ダウンロードの実行を制御する。
【0032】
なお、DL実行制御部121は、ハードウェア、ソフトウェア等の性能によって、同時実行可能なダウンロード本数を制限してもよい。また、演算した各コンテンツの優先順位に応じて、ダウンロードの実行速度を調整してもよい。
【0033】
また、上記ライセンス制御部122は、コンテンツのダウンロード実行やコンテンツの再生など、コンテンツの取得や利用に必要なライセンスを取得する。そして、DL実行制御部121や出力部140などが、ダウンロードや、コンテンツ再生を実行する場合にライセンスを適切に管理し、ライセンスの内容が変更となった場合には、DL実行制御部121へ変更内容の通知を行う。
【0034】
なお、上記ライセンス制御部122は、ライセンスサーバ3からの通知や、ライセンスサーバ3へ定期的なアクセスなどにより、ライセンス情報を収集し、管理する。
【0035】
次に、本実施形態におけるシステムの動作例を、図面を参照しながら説明する。
【0036】
まず、DL実行制御部121が、ダウンロードコンテンツの追加通知を受け取り、ダウンロード対象として登録する場合について、図2に基づいて説明する。
【0037】
最初に、DL実行制御部121は、ダウンロードコンテンツとして追加通知されたコンテンツについて、ダウンロード予定のコンテンツとして登録処理を行う(FA01)。
【0038】
図3は、DL実行制御部121に収集及び管理されているライセンス情報を含む情報を、テーブル形式のリストとして示したものである。DL実行制御部121における情報管理や優先順位の演算では、当該リストを利用するが、リストの形式はテーブルに限定されない。また、演算される優先順位についても、数値による優先度で決める手法でなくてもよい。
【0039】
さらに、本実施形態では、ライセンス情報として、視聴期限のみを考慮しているが、これに限定されず、他のライセンス情報を利用しても良い。
【0040】
次に、DL実行制御部121は、FA01において新規登録されたコンテンツを含むダウンロード対象となる複数のコンテンツについて、ダウンロード実行の優先順位を演算する(FA02)。
【0041】
ここで、優先順位の演算では、例えば、図3のリストでは、(視聴期限までの残り時間)=(優先度)とし、優先度の小さいものほど、優先順位が上位にする。また、視聴期限が設定されていないものは、優先順位を下位にする。
【0042】
このようにすれば、視聴期限までの残り時間が少ないものについて、優先的にダウンロードを行い、早めに視聴ができるようになる。すなわち、ライセンス情報も考慮して、使用者にとって優先されるべきダウンロードを適切に行うようにすることができる。
【0043】
続いて、DL実行制御部121は、FA02の演算により変更された優先順位に応じて、新たにダウンロード実行対象となるコンテンツを決定し、現在実行中のダウンロードを停止し、決定したコンテンツのダウンロードを開始する(FA04)。
【0044】
次に、視聴期限などの、コンテンツのライセンス情報が変更された場合について、図4に基づいて説明する。
【0045】
最初に、DL実行制御部121は、ライセンス制御部122の通知、もしくは、ライセンス制御部122へのアクセスにより、ライセンス情報の変更が分かった場合、情報更新を行う(FA01)。例えば、ライセンス情報として、視聴期限情報が変更された場合には、図3のリストで、A列の視聴期限までの残り時間が更新されることになる。
【0046】
次に、DL実行制御部121は、更新されたライセンス情報も考慮して、新たにダウンロード実行の優先順位を演算する(FB02)。このとき、例えば、図3のリストでは、新たにF列の優先度を計算し直し、G列の優先順位の再演算を行う。
【0047】
続いて、DL実行制御部121は、FB02の演算によって優先順位が変更されたかどうかを判定する(FB03)。変更がない場合は、処理を終了する。変更がある場合は、現在ダウンロード実行中ではないコンテンツのダウンロードが優先され、当該コンテンツを実行対象とすべきかどうかを判定する。そして、ダウンロードの実行対象とすべき場合(FB04)、DL実行制御部は、現在ダウンロード実行中であるコンテンツのダウンロードを停止し、ダウンロードを優先すべきコンテンツのダウンロードを開始する。
【0048】
上記実施形態によれば、ダウンロードの対象となるコンテンツについて、視聴期限が短くなっても、これに対応して、ダウンロードの優先順位をあげることができるため、使用者は当該コンテンツを優先してダウンロードし、早めに視聴することができる。
【0049】
例えば、映像コンテンツを再生するライセンスとして、短い視聴期限と、より長い再生可能期限が設定される場合、コンテンツをダウンロードして、上記再生可能期限が設定されても、一度プログレッシブ再生すると、短い視聴期限に変更されてしまうことが起こりうる。この際、ライセンス情報を考慮しないで、ダウンロードの実行順序を変更しないと、短い視聴期限に変更されたコンテンツについては、視聴期限が過ぎてもダウンロードが完了しない事態が起こりうるが、上記実施形態によれば、このような事態を回避することができる。
【実施例2】
【0050】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0051】
上記第1の実施形態では、視聴期限等のライセンス情報が変更された場合、ダウンロード実行の優先順位を再計算し、再計算された優先順位に従い、即座にダウンロードの実行対象を変更していた。しかし、プログレッシブ再生により、コンテンツ内容を確認したことによって不要になったなど、再演算された優先順位を、即座には適用したくない場合が発生することもある。そこで、本実施形態では、優先順位の再計算後に、ポップアップやLED点灯等の通知手段によりダウンロードの実行対象となるコンテンツを変更するかどうかを通知し、使用者の同意を確認するようにする。
【0052】
本実施形態の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0053】
次に、本実施形態のシステムの動作を、図面を参照しながら説明する。
【0054】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、DL実行制御部121が、視聴期限などのライセンス情報の変更について、ライセンス制御部122から取得し、優先順位の再演算を行った後に、ポップアップやLED点灯等の通知手段によって使用者に確認する点である。
【0055】
使用者に確認するシーケンスについて、図5に基づいて説明する。
【0056】
ステップFC1からFC3までは、それぞれFB1からFB3までと同様である。
【0057】
ステップFC3で、優先順位の変更があった場合、DL実行制御部121は、優先順位が変更されたことを使用者に提示する(FC5)。その後、優先順位の変更に、使用者が同意するかどうかを確認する(FC06)。そして、使用者が同意しない場合は、処理を終了する。使用者が同意する場合は、ステップFC04において、ステップFB04と同様に、ダウンロードの実行対象を変更する。
【0058】
ステップFC05及びFC06における通知及び同意の確認を行う手段としては、出力部140を通じたポップアップ表示による選択操作、LED点灯に対応した所定操作、通信部110を介したメール送信に対する返信などが考えられる。
【0059】
図6は、ステップFC06における同意の確認を実施する場合に、出力部140上へのポップアップ表示を用いた一例である。利用者は同意するかどうかを画面上から選択して、ダウンロードの実行対象を変更するかどうかを選択できる。
【0060】
本実施形態によれば、ダウンロード実行の優先順位の変更を行うかどうか、使用者に確認を取ることにより、使用者にとって必要な優先順位で、ダウンロードを実行することができる。
【実施例3】
【0061】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0062】
上記第1の実施形態では、DL実行制御部121における優先順位の演算において、ライセンス情報として視聴期限までの残り時間のみを条件としていた。
【0063】
優先順位を決めるための条件としては、ほかにも別のライセンス情報や、コンテンツの利用状況や、使用者独自の優先基準も適用できると考えられる。そこで、本実施形態では、これらの条件を複数用いることにより、より決め細やかな優先順位を演算可能とする。なお、視聴期限以外のライセンス情報としては、コンテンツの再生を開始できる期限を定めた再生期限や、ダウンロードコンテンツを購入してからの経過時間などが考えられる。
【0064】
本実施形態の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0065】
次に、本実施形態でのシステムの動作を、図面を参照しながら説明する。
【0066】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、DL実行制御部121が、視聴期限以外のライセンス情報や、コンテンツの利用状況や、使用者独自の優先基準など、複数の情報も利用して優先順位の演算を行う点である。
【0067】
図7は、本実施形態において、DL実行制御部121に収集及び管理されている情報を、テーブル形式のリストとして示した一例であり、図3と同様のものである。
【0068】
ここで、リストに示された各情報の優先基準は以下の通りである。
【0069】
視聴期限までの残り時間Aについては、残り時間が少ないほど、優先して視聴する必要があるため、優先してダウンロードを完了しておく必要がある。
【0070】
再生期限までの残り期間Bについても、残り期間が少ないほど、優先して再生する必要があるため、優先してダウンロードを完了しておく必要がある。
【0071】
購入からの経過日数Cについては、購入したにも関わらず、ダウンロードがされていない日数が多くなるのを防ぐため、日数が多いものほど、優先してダウンロードを完了しておく必要がある。
【0072】
動作ステータスDについては、DL中にプログレッシブ再生して、その時点から視聴期限が設定される場合は、優先してダウンロードを完了しておく必要がある。
【0073】
ユーザの優先マークEについては、ほかのコンテンツよりも先に視聴しなければならない事情があるなど、ユーザの独自の基準がある場合には、優先してダウンロードを完了させる必要がある。
【0074】
本実施形態では、以上のような各情報の優先基準を踏まえて、どの情報をどれだけ重視するかによって、複数の情報を利用した優先順位の計算式を設定し、演算を行う。
【0075】
一例としては、A列とB列の数値の小さい方すなわちMin(A, B)からC列の数値を引いた値を優先度として、優先度の小さい順に優先順位とする。ただし、D列で示される動作ステータスで、コンテンツをプログレッシブ再生しているコンテンツWや、使用者がダウンロードの実行を優先的に行うようにマークしたコンテンツZについては、優先度で設定されるダウンロード優先順位より高い優先順位となるようにする。
【0076】
本実施形態によれば、上述した複数の優先基準を用いて、ダウンロードの優先順位を演算することにより、より決め細やかな優先順位を設定することができ、使用者の利便性を上げることができる。
【符号の説明】
【0077】
1 公共ネットワーク
2 コンテンツサーバ
3 ライセンスサーバ
4 ルータ
100 コンテンツ処理装置
110 通信部
120 制御部
121 DL実行制御部
122 ライセンス制御部
130 記録部
140 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してコンテンツのダウンロードを実行するコンテンツ処理装置であって、
前記コンテンツのダウンロードについて、優先順位を演算し、演算した優先順位に基づいて、ダウンロードを実行させるダウンロード実行制御部と、
前記ダウンロードをすべきコンテンツのライセンス情報を収集及び管理し、該ライセンス情報が変更された場合に、前記ダウンロード実行制御部に変更されたライセンス情報を通知するライセンス制御部と、を備え、
前記ダウンロード実行制御部は、前記ライセンス制御部から変更されたライセンス情報の通知を受けた場合に、変更されたライセンス情報に基づいて、優先順位を再演算し、再演算した優先順位に変更があった場合は、ダウンロードの実行順を変更させることを特徴とするコンテンツ処理装置。
【請求項2】
前記変更されるライセンス情報は、視聴期限であり、
前記ダウンロード実行制御部において、あるコンテンツの視聴期限が別のコンテンツの視聴期限より早まる場合は、あるコンテンツのダウンロードを別のコンテンツのダウンロードより優先させることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ処理装置。
【請求項3】
前記変更されるライセンス情報は、再生期限であり、
前記ダウンロード実行制御部において、あるコンテンツの再生期限が別のコンテンツの再生期限より早まる場合は、あるコンテンツのダウンロードを別のコンテンツのダウンロードより優先させることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ処理装置。
【請求項4】
前記ダウンロード実行制御部は、変更されたライセンス情報に加え、別のライセンス情報、コンテンツの利用状況及びダウンロードを利用する使用者の基準といった情報のうち任意の複数の情報をも考慮して、優先順位を再演算することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ処理装置。
【請求項5】
前記ダウンロード実行制御部で、再演算した優先順位に変更があった場合に、その旨を提示する通知手段と、
前記通知手段の提示に対し、変更してよいかどうかの確認を行う確認手段とを、さらに備え、
前記ダウンロード実行制御部は、前記確認手段により、変更してよいことが確認された場合に、ダウンロードの実行順を変更させることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ処理装置。
【請求項6】
前記通知手段は、コンテンツを出力する出力部によるポップアップ表示であり、前記確認手段は、ポップアップ表示による選択であることを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ処理装置。
【請求項7】
ネットワークを介して、複数のコンテンツのダウンロードを実行するコンテンツ処理方法であって、
前記複数のコンテンツのうちの1つについて、視聴期限が複数のコンテンツの中で一番早くなった場合に、視聴期限が一番早くなったコンテンツを他のコンテンツに優先させてダウンロードさせることを特徴とするコンテンツ処理方法。
【請求項8】
ネットワークを介して、複数のコンテンツのダウンロードを実行するコンテンツ処理方法であって、
前記複数のコンテンツのうちの1つについて、再生期限が複数のコンテンツの中で一番早くなった場合に、再生期限が一番早くなったコンテンツを他のコンテンツに優先させてダウンロードさせることを特徴とするコンテンツ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−278800(P2010−278800A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−129804(P2009−129804)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】