説明

コンテンツ情報処理システム、方法

ユーザが通信を介して希望するコンテンツを取得することができるとともに、コンテンツ配給者にとっても利益を損なわれない仕組みを提供できる。劇場3の識別情報と、当該劇場3で上映する映像コンテンツを登録しておき、会員2から映像コンテンツの視聴要求を受付けた場合に、視聴要求されたコンテンツを上映している劇場3を特定し、配信要求された映像コンテンツをネットワークを介して会員2に配信し、上記視聴要求を受けた映像コンテンツを上映している劇場に対して、会員2に配信された映像コンテンツに応じたインセンティブを与えることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、電話回線、インターネット、LAN(Local Area Network)、放送網などの通信を介して配信したコンテンツに関する情報を処理する技術に関する。
【背景技術】
従来から、インターネットなどのネットワークを介して映画などのコンテンツを配信するシステム及びサービスが提供されている。
映画などのコンテンツを配信する方法としては、宣伝のためにダイジェスト版を配信したり、実際の映像の画質を落とした映像データを配信したりすることが行われていた。これにより、実際の劇場で上映される映画と、ネットワークを介して配信する映画のコンテンツとを差別化し、実際に劇場に足を運ぶ人が減少しないように配慮されていた。
また、インターネット上で映画のコンテンツが配信されると、劇場に実際に足を運ぶ顧客が減少するのを防止するため、映画を上映する劇場などの場所と、映画のコンテンツの配信を受ける視聴者が住んでいる場所とが一致するときには、視聴者に対する映画のコンテンツの配信を禁止するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】 特開2002−84515号公報(第1−7ページ、第1図)
しかし、上述のいずれの形態によっても、コンテンツを物理的な物で、あるいは通信を介さずに現実にリアルな場所でユーザに提供するコンテンツ供給者にとっては、ユーザに対して通信を介してコンテンツが配信されてしまうと、コンテンツ供給者からリアルな場で実際にコンテンツの供給を受けるユーザ(例えば、劇場で映画を見る視聴者、レンタルビデオ店でビデオテープをレンタルするユーザなど)が減少するといった不利益が発生するという問題があった。
このような問題は特に、一般にコンテンツ供給はその店舗や劇場などある地域の顧客がユーザとなっているが、その地域に住んでいる或いはその地域でよく出向くユーザに対してコンテンツが配信されると、コンテンツ供給者としては大きく利益が損なわれてしまうという問題があった。
また、上述のように劇場がある場所の近くに住んでいる人に対して映画の配信を禁止したのでは、劇場の近くに住んでいる最も劇場の顧客となる可能性が高い人がコンテンツにアクセスする機会を制限することとなり、却って映画に対する興味を低下させてしまい、劇場及び視聴者にとって必ずしも利益をもたらすものではないという問題があった。
さらに、映画を見る人は必ず近くの劇場に足を運ぶとは限らず、劇場の設備やサービスなどに応じて遠くの劇場に行くことも多く、必ずしも現状と合致していないという問題もあった。
このような問題は、映画に限らず、例えば、レンタルビデオや、デジタル化された本や新聞、それから音楽、地図などのコンテンツを配信する場合にも同様な問題があった。
本発明は、上述の問題点等を解決するためになされたものであって、ユーザにとっては希望する映画のコンテンツの配信を受けることができるとともに、当該コンテンツをリアルな場所で供給しているコンテンツ供給者にとっても利益が損なわれない仕組みを提供することを課題とする。
【発明の開示】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点にかかるコンテンツ情報処理装置は、ユーザに対してリアルな場所で提供されるコンテンツの情報と、当該コンテンツを提供するコンテンツ供給者の情報とを関連付けて記憶する第1の記憶手段と、上記ユーザの端末に対してネットワークを介して配信されたコンテンツの情報を特定する視聴情報処理手段と、少なくとも上記特定されたユーザに配信されたコンテンツの情報を含む視聴履歴情報を記憶する視聴履歴記憶手段と、上記視聴履歴情報から上記ユーザにより視聴されたコンテンツの情報を抽出し、上記第1の記憶手段を参照して上記抽出したコンテンツに関連付けられているコンテンツ供給者を特定し、特定されたコンテンツ供給者に対して上記ユーザに配信されたコンテンツの内容及び数に応じて所定のインセンティブを与えるインセンティブ手段とを有することを特徴とする。
ユーザに対してリアルな場所でコンテンツを供給するとは、インターネットなどの通信を介さずにコンテンツを提供する場合であって、例えば、映画であれば劇場で上映したり、ビデオであればこれを販売あるいはレンタルしたり、本や新聞であればこれを販売するなど物理的に供給することなどをいう。
コンテンツ供給者の情報とは、コンテンツ供給者の識別情報などを含む情報をいう。
上記ユーザの端末に対してコンテンツを配信する配信手段を更に有してもよい。
また、ユーザに対してネットワークを介してコンテンツを配信するコンテンツ配信端末と通信を介して接続可能に構成し、上記視聴情報処理手段は、上記コンテンツ配信者の端末からユーザに対して配信されたコンテンツの視聴履歴情報を取得するようにしてもよい。
また、少なくとも上記ユーザの識別情報と、ユーザが所属する地域を表す所属地域情報を記憶する第2の記憶手段を更に有し、上記第1の記憶手段には、さらにコンテンツ供給者が所属する所属地域情報が記憶されており、上記インセンティブ手段は、上記第2の記憶手段を参照して上記コンテンツを配信したユーザの地域情報を特定すると共に、上記第1の記憶手段を参照して当該特定した地域に属するコンテンツ供給者を特定し、特定したコンテンツ供給者に対して上記ユーザに配信したコンテンツに応じたインセンティブを与えるようにしてもよい。
ここで、地域情報とは、コンテンツ供給者又はユーザの住所又は居所、或いはこれらの者が自ら自分の地域として定めた地域をいう。
また、上記視聴者が属する地域を表す所属地域情報の登録を受け付けて、上記第2の記憶手段に記憶する登録手段を更に有してもよい。
また、上記視聴情報処理手段は、上記コンテンツ供給者に対して視聴履歴情報を提供してもよい。
また、上記視聴情報処理手段は、上記第1の記憶手段を参照して、ユーザが視聴したコンテンツに関連付けて登録されているコンテンツ供給者の情報をユーザに提供し、このコンテンツ供給者の中から上記ユーザが選択した所望のコンテンツ供給者の情報を受け付け、上記インセンティブ手段は、上記ユーザから受け付けたコンテンツ供給者に対してインセンティブを与えるようにしてもよい。
また、上記第1の記憶手段には、コンテンツ供給者の広告情報が更に記憶されており、上記視聴情報処理手段は、ユーザに対してコンテンツ供給者の情報を提供する際に、併せて上記第1の記憶手段に記憶されているコンテンツ供給者の広告情報をユーザに提供するようにしてもよい。
上記ユーザとコンテンツ供給者とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶手段を更に有し、上記インセンティブ手段は、上記ユーザ情報記憶手段を参照して、ユーザが視聴したコンテンツに関するインセンティブを上記関連付けられているコンテンツ供給者に与えるようにしてもよい。
また、上記インセンティブ手段は、上記コンテンツの配信を受けたユーザから徴収した料金のうちから所定の割合の料金を上記コンテンツ供給者にインセンティブとして配分するようにしてもよい。
上記コンテンツは、劇場で上映する映像コンテンツであり、上記コンテンツ供給者は、劇場及び/又は映像コンテンツの配給者であってもよい。
なお、劇場とは、映像コンテンツが上映され、これを複数の人が見ることができる場所をいう。劇場の情報には、劇場を識別するための識別情報などをいい、例えば、劇場のIDや劇場名などでもよい。
本発明の一の観点に係るコンテンツ情報処理システムは、ユーザの端末に対してネットワークを介してコンテンツを配信する配信装置と、配信装置により配信されたコンテンツに関する情報処理を行うサーバから構成されたシステムであって、上記サーバは、上記配信装置により、上記ユーザの端末に対して配信されたコンテンツの情報を特定する視聴情報処理手段と、ユーザに対してリアルな場所で提供されるコンテンツの情報と、当該コンテンツを提供するコンテンツ供給者の情報とを関連付けて記憶する第1の記憶手段と、少なくとも上記特定されたユーザに配信されたコンテンツの情報を含む視聴履歴情報を記憶する視聴履歴記憶手段と、上記視聴履歴情報から上記ユーザにより視聴されたコンテンツの情報を抽出し、上記第1の記憶手段を参照して上記抽出したコンテンツに関連付けられているコンテンツ供給者を特定し、特定されたコンテンツ供給者に対して上記ユーザに配信されたコンテンツの内容及び数に応じて所定のインセンティブを与えるインセンティブ手段とを有することを特徴とする。
本発明の一の観点に係るコンテンツ情報処理方法は、コンピュータにより実行される方法であって、コンピュータが、ユーザに対してリアルな場所で提供されるコンテンツの情報と、当該コンテンツを提供するコンテンツ供給者の情報とを関連付けて記憶する処理と、上記ユーザの端末に対してネットワークを介して配信されたコンテンツの情報を特定する処理と、少なくとも上記特定されたユーザに配信されたコンテンツの情報を含む視聴履歴情報を記憶する処理と、上記視聴履歴情報から上記ユーザにより視聴されたコンテンツの情報を抽出し、上記第1の記憶手段を参照して上記抽出したコンテンツに関連付けられているコンテンツ供給者を特定し、特定されたコンテンツ供給者に対して上記ユーザに配信されたコンテンツの内容及び数に応じて所定のインセンティブを与える処理とを行うことを特徴とする。
本発明にかかるコンピュータプログラムは、コンピュータに対して、ユーザに対してリアルな場所で提供されるコンテンツの情報と、当該コンテンツを提供するコンテンツ供給者の情報とを関連付けて記憶する処理と、上記ユーザの端末に対してネットワークを介して配信されたコンテンツの情報を特定する処理と、少なくとも上記特定されたユーザに配信されたコンテンツの情報を含む視聴履歴情報を記憶する処理と、上記視聴履歴情報から上記ユーザにより視聴されたコンテンツの情報を抽出し、上記第1の記憶手段を参照して上記抽出したコンテンツに関連付けられているコンテンツ供給者を特定し、特定されたコンテンツ供給者に対して上記ユーザに配信されたコンテンツの内容及び数に応じて所定のインセンティブを与える処理とを実行させることを特徴とする。また、このコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録してもよい。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明にかかるコンテンツ情報処理装置及びコンピュータプログラムを適用したシステムの一実施形態を示した全体構成の概略図。
図2は、本実施形態にかかる会員データベースに記憶されるデータの一例を示した図。
図3は、本実施形態にかかる劇場データベースに記憶されるデータの一例を示した図。
図4は、本実施形態にかかる配給会社データベースに記憶されるデータの一例を示した図。
図5は、本実施形態にかかるコンテンツ管理データベースに記憶されるデータの一例を示した図。
図6は、本実施形態にかかる視聴履歴データベースに記憶されるデータの一例を示した図。
図7は、本実施形態にかかる支払管理データベースに記憶されるデータの一例を示した図。
図8は、本実施形態にかかる料金テーブルに記憶されるデータの一例を示した図。
図9は、本発明にかかるコンテンツ配信方法の第1の実施形態のコンテンツ配信方法の処理の流れを示した処理フロー。
図10は、図9に引き続き、第1の実施形態にかかるコンテンツ配信方法の処理の流れを示した処理フロー。
図11は、本実施形態にかかる会員登録画面の一例を示した図。
図12は、第1の実施形態にかかるコンテンツ選択画面の一例を示した図。
図13は、本発明にかかるコンテンツ配信方法の第2の実施形態の処理の流れを示した処理フロー。
図14は、図13に引き続き、第1の実施形態にかかるコンテンツ配信方法の処理の流れを示した処理フロー。
図15は、第2の実施形態にかかるコンテンツ選択画面の一例を示した図。
図16は、本発明にかかるコンテンツ配信方法の第3の実施形態の処理の流れを示した処理フロー。
図17は、図14に引き続き、第1の実施形態にかかるコンテンツ配信方法の処理の流れを示した処理フロー。
図18は、第3の実施形態にかかる会員登録画面の一例を示した図。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、図面を参照して、本発明にかかる一実施形態について説明する。
本発明にかかるコンテンツ情報処理装置及びコンピュータプログラムを適用した一実施形態を図1に示す。
図1に示したシステムは、管理サーバ1と、この管理サーバ1に対してインターネットを介して接続可能に構成された複数の端末2から構成されている。
また、本実施形態では、映画を上映する劇場3、映画の映像コンテンツを劇場及び管理サーバ1に提供する配給会社4が存在する。なお、これら劇場3及び配給会社4それぞれにインターネット接続可能な端末を配置し、Webページ或いは電子メールなどにより管理サーバ1との間で情報の送受信ができるようにしてもよい。
端末2は、ユーザ及び視聴者としての会員が使用するコンピュータであって、所定のブラウザなどによりインターンネット接続可能に構成されている。この端末2は、所定の映像ファイルを再生するためのビューアプログラムを保持しており、これにより管理サーバ1から送信された映像コンテンツを受信して再生することができるように構成されている。このビューアプログラムとしては既存のものを使用することができる。
この端末2としては、例えば、いわゆるパソコンや、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistance)などにより構成することができる。なお、端末2は、所定の場所に配置されて使用される固定型の端末であってもよいし、視聴者が持ち歩くことができる移動型或いは携帯型の端末であってもよい。
管理サーバ1は、本発明にかかるコンテンツ情報処理装置を構成する。
管理サーバ1は、コンピュータにより構成され、CPU(Central Processing Unit)、CPUが実行するコンピュータプログラム、コンピュータプログラムやその他のデータを記憶することができるRAM、ROMなどの内部メモリ及びハードディスクドライブなどの外部記憶装置により、図1に示した機能ブロックを構成することができる。
図1に示した機能ブロックは、会員データベース101、劇場データベース102、配給会社データベース103、コンテンツ管理データベース104、視聴履歴データベース105、支払管理データベース106、料金テーブル107、劇場情報処理部108、会員情報処理部109、視聴情報処理部110、配信処理部111、決済処理部112から構成されている。
また、管理サーバ1には、マウスやキーボードなどの入力部11と、ディスプレイやプリンタなどの出力部12が接続されており、これにより情報の入力又は出力ができるようになっている。
会員データベース101は、会員となっている視聴者の情報をデータベース化したものである。
この会員データベース101には、例えば、図2に示すように会員の識別情報としての会員ID及び氏名と、会員の住所、所属地域、所属劇場ID、決済情報が記憶できるようになっている。
所属地域は、会員の住所又は居所などが存在する地域、あるいは会員が自ら選択した地域である。この地域は、例えば、都道府県単位でもよいし、市町村などの所定の行政区画を基準にしてもよいし、また管理サーバ1の管理者側で任意に区分した地域であってもよい。
所属劇場IDは、会員と関連付けられている劇場3を特定するための識別情報である。
所属劇場IDは、各劇場3を識別するために付与された識別情報である。なお、所属劇場IDに代えて劇場名など劇場3を識別できる情報を記憶してもよい。
決済情報は、会員が視聴したコンテンツに応じた料金を支払うための情報であって、例えば銀行口座情報やクレジットカード番号などが含まれる。
なお、所属する地域、所属劇場IDが必要ない場合には、これらを記憶しなくともよい。
また、この他に会員のE−mailアドレスや、会員が好きな映画の種類やジャンルなどの情報を記憶するようにしてもよい。
劇場データベース102は、映画を上映する劇場3に関する情報をデータベース化したものである。
この劇場データベース102には、例えば、図3に示すように劇場3を識別するための劇場ID及び劇場名、劇場の所在地、対象地域、当該劇場3で上映しているコンテンツのコンテンツID、決済情報などが記憶できるようになっている。
対象地域は、当該劇場3が属している地域を表す情報である。この対象地域は、会員の所属地域と対応しており、例えば、都道府県単位でもよいし、市町村などの所定の行政区画を基準にしてもよいし、また管理者側で任意に区分した地域により区分してもよい。
決済情報は、会員が視聴したコンテンツに応じて支払われる料金を受け取るための決済情報であって、例えば、劇場3の銀行口座情報などが記憶される。
配給会社データベース103は、映画の映像コンテンツを配給している配給会社4に関する情報をデータベース化したものである。
この配給会社データベース103には、図4に示すように、配給会社4を識別するための配給会社ID及び配給会社名、配給会社4の所在地、対象地域、配給会社4に支払われる料金を受け取るための銀行口座情報などの決済情報が記憶できるようになっている。
コンテンツ管理データベース104は、映画のコンテンツをデータベース化したものである。
このコンテンツ管理データベース104には、例えば、図5に示すように、コンテンツを識別するためのコンテンツID及びタイトル、これを配給している配給会社4の配給会社ID、上映期間、映像データとしてのコンテンツファイルが記憶できるようになっている。
上映期間は、コンテンツをインターネットにより会員に配信できる期間を表している。この期間は配給会社4が決定してもよいし、管理サーバ1の管理者が決定してもよく任意である。なお、この上映期間は、実際の劇場3でのコンテンツの上映期間とリンクしていてもよいしリンクしなくともよい。
視聴履歴データベース105は、会員が視聴した履歴情報をデータベース化したものである。
この視聴履歴データベース105には、履歴情報として、例えば、図6に示すように視聴した会員を特定するための会員ID、視聴した日時を特定するための視聴日時、視聴したコンテンツを表すコンテンツID、視聴に応じた料金を配給する劇場3を特定するための劇場IDが記憶できるようになっている。
支払管理データベース106は、劇場3及び配給会社4に対して支払う料金の管理を行うためのデータベースである。
この支払管理データベース106には、図7に示すように、支払先IDとしての劇場ID又は配給会社IDと、支払金額、支払日、支払が完了したか否かを表す支払状況などの情報が記憶できるようになっている。
料金テーブル107は、コンテンツを視聴した際、会員に対して請求する料金を記憶したものである。この料金テーブル107には、例えば、図8に示すように年齢毎に1回の視聴料金が記憶できるようになっている。
なお、料金テーブル107は、全てのコンテンツ及び劇場3で共通としてもよいし、また各コンテンツ又は劇場3ごとに設けてもよく任意である。また、料金の決め方としては、例えば、新作映画のコンテンツであれば高く旧作であれば安くしてもよいし、劇場3での観客動員数が多い映画のコンテンツであれば高く、観客動員数が少ない映画のコンテンツであれば安くしてもよい。また、会員の年齢や性別に応じて料金を変更してもよく、例えば、小学生以下は800円、中高校は1200円、大人は1800円などとしてもよい。
劇場情報処理部108は、劇場3又は配給会社4の識別情報と、当該劇場3で上映する又は配給会社4が配給した映画の映像コンテンツ又は当該映像コンテンツIDとを関連付けて登録する処理を行う。
なお、登録処理は、劇場3又は配給会社4がそれぞれ端末2を使用してインターネットのWebページ上から行ってもよいし、また所定の用紙に記載した内容を管理サーバ側で入力部11から入力するようにしてもよく任意である。
会員情報処理部109は、会員の所属地域情報などの会員情報を登録する処理を行う。
会員情報の登録は、例えば、会員情報処理部109が所定の会員登録用のWebページ上から入力された情報を受付けることにより行うことができる。
また、会員情報処理部109は、新規会員に対して会員IDを発行したり、会員の認証処理をしたりすることもできる。
視聴情報処理部110は、会員からのコンテンツデータの配信要求を受付ける処理を行う。この配信要求の受付は、例えば、視聴情報処理部110がコンテンツデータ配信要求用のWebページから、会員が配信を希望するコンテンツIDやコンテンツ名などの所定の情報を受付けることにより行うことができる。
また、視聴情報処理部110は、インセンティブとしての料金を配分する劇場3を特定する処理を行う。
配信処理部111は、会員から配信要求されたコンテンツをインターネットを介して会員端末2に配信する処理を行う配信手段を構成する。
なお、コンテンツの配信の方法は、ストリーミングでもよいし、あるいは会員からのダウンロード要求によりコンテンツの映像ファイルを会員端末2に送信するようにしてもよく任意である。
決済処理部112は、会員に配信した映像コンテンツに応じて、劇場3や配給会社4に対して支払うインセンティブとしての料金を計算する処理を行う。
また、決済処理部112は、計算した結果に基づいて、会員及び劇場3等の決済情報に基づいて会員から料金を徴収し、徴収した料金の中から劇場3や配給会社4に支払う処理を行うことができる。なお、この料金徴収及び支払いの処理は、例えば、図示しない所定の銀行やクレジットカード会社の決済システムに対して決済要求を行うようにしてもよい。
次に、本発明にかかるコンテンツ配信方法の第1の実施形態について図9を参照して説明する。
図9において、まず劇場3及び配給会社4が、所定の端末等を用いて、劇場情報、及び配給者情報を登録する(S101)。これにより、劇場情報処理部108は登録された劇場3の情報を劇場データベース102に登録する。また、劇場3又は配給会社4から映像コンテンツが登録された場合には、これをコンテンツ管理データベース104に記憶する。
なお、対象地域については、劇場情報処理部108が登録された劇場3又は配給会社4の所在地情報から当該劇場3又は配給会社4の対象地域を割り振るようにしてもよいし、劇場3及び配給会社4がその対象地域を選択するようにしてもよい。
会員となろうとする者は、端末2を用いて会員登録用のWebページにアクセスし、所定の会員情報を入力して管理サーバ1に対して会員登録要求を行うと(S102)、会員情報処理部109は、入力された会員情報を受付け、これを会員データベース101に記憶する(S103)。
この会員登録用のWebページとしては、例えば図11に示すように、会員登録を行う者の氏名、住所、E−mailアドレス、決済情報などを入力する入力欄1001と、これに加えて洋画、邦画などの好きな映画の種類や、SFやアニメーションなどの映画のジャンルを入力する入力欄1002を設けてもよい。そして、登録要求を行う者が、端末2を使用してこの入力画面の各項目を入力し、登録ボタン1003をWebページ上でクリックすることにより登録要求を行えるようにしてもよい。
登録要求がされると、会員情報処理部109は、入力された住所に基づいて会員の所属地域を振り分け、これを会員データベース101に記憶登録する(S104)。
この所属地域の振り分け処理は、例えば、会員情報処理部109が、入力された住所のうち都道府県名や市町村名を抽出して、これを地域情報として登録してもよいし、また会員自ら地域を選択させる場合には、当該選択された地域に振り分けるようにしてもよい。
なお、予め所属地域を会員に選択させるようにしてもよく、この場合には会員情報処理部109は、選択された地域を所属地域として会員データベース101に記憶する。
会員情報の登録がされると、会員情報処理部109は会員に対して会員IDを発行して通知するとともに、会員データベース101に記憶する(S105)。
この会員IDの発行は、会員情報処理部109が受付け順に昇順の番号を付すなどの所定の規則に基づいて行うことができる。そして、この会員IDの発行処理により会員登録が完了する。
会員が所望のコンテンツを管理サーバ1から取得して視聴する場合、会員は端末2を用いてコンテンツ配信要求受付用のWebページにアクセスし、発行された会員IDを認証用のWebページに入力してログイン要求を行うと(S106)、会員情報処理部109が会員データベース101を参照して、入力された会員IDが登録されている正しい会員IDか否か認証する(S107)。
認証の結果、会員IDが正しくない場合には、会員情報処理部109が会員端末2に対して入力された会員IDが正しくない旨通知して上述の処理S106のログイン処理に戻る。
また、認証の結果、会員IDが正しい場合には、視聴情報処理部110がコンテンツ管理データベース104の上映期間などを参照して、現在上映期間中のコンテンツを抽出し、その情報を一覧として会員端末2に送信する(S108)。
一例としては、図12に示すように、視聴情報処理部110が、抽出した現在視聴可能なコンテンツのWebページ上にコンテンツのタイトル一覧1101と、各コンテンツを選択可能な選択ボタン1102を表示し、会員が視聴を希望するコンテンツを選択できるようにしてもよい。
会員が端末2を使用して、コンテンツ一覧から希望するコンテンツの選択ボタンをクリックするなどしてコンテンツを選択し、配信要求を送信すると(S109)、視聴情報処理部110がこのコンテンツ配信要求を受付ける(S110)。
視聴情報処理部110は、会員データベース101を参照して、当該会員の所属地域を特定する(S111)。
そして、視聴情報処理部110は、劇場データベース102を参照して、特定した会員の所属地域と同じ地域情報を有し、かつ会員が視聴要求を行ったコンテンツIDが上映コンテンツIDとして登録されている劇場3を特定する(S112)。
そして、視聴情報処理部110は、視聴履歴データベース105に、特定した劇場ID、視聴要求した会員の会員ID、視聴日時、視聴要求されたコンテンツIDを記憶する(S113)。
配信処理部111は、コンテンツ管理データベース104を参照して、会員から配信要求されたコンテンツを、インターネットを通じて当該会員端末2に配信する(S114)。
これにより視聴者は端末2を使用してコンテンツを視聴することができる(S115)。この配信は、配信処理部111がストリーミングにより会員端末2に配信を行ってもよいし、また会員からのダウンロード要求によりコンテンツのファイル配信してもよく任意である。
そして、視聴情報処理部110が、会員が視聴した履歴情報を劇場3及び配給会社4に通知して(S116)、コンテンツの配信処理が完了する。なお、この通知は、所定のWebページや電子メールなどを使って、劇場3が管理しているコンピュータに通知するようにしてもよいし、また一ヶ月など所定の期間毎に郵便などにより通知してもよい。
また、通知する内容は会員が視聴したコンテンツのコンテンツID、タイトル、日時などを含んでもよい。
引き続き図10において、コンテンツ配信が完了すると、所定のタイミングで決済処理部112が、視聴履歴データベース105を参照して、会員に対して請求する料金と、劇場3及び配給会社4の配分する料金を計算し、支払管理データベース106に記憶する(S117)。視聴者に請求する料金計算は、例えば、決済処理部112が料金テーブル107を参照してコンテンツの視聴回数などに応じて料金を計算することができる。
そして、決済処理部112が、会員データベース101の決済情報に基づいて、クレジットカード会社のシステムなどを通じて会員から料金を徴収する(S118)。
決済処理部112は、徴収した料金から劇場3及び配給会社4の決済情報に基づいて、両者に料金を配分して(S119)、処理を終了する。
この劇場3と配給会社4への配分は、予め劇場3と配給会社4との間で配分する割合を定めておき、その割合に応じてそれぞれに配分すればよい。また劇場3が複数ある場合には、各劇場3に均等に配分するようにしてもよいし、観客動員数や、上映日数、上映期間が早い劇場3か又は遅い劇場3かなど、各条件に応じて劇場3間で定められた割合により配分するようにしてもよい。
このように上述の第1の実施形態によれば、劇場3で実際にコンテンツを上映する劇場3の情報と、当該劇場3で上映しているコンテンツに関する情報を登録しておき、当該コンテンツをインターネットを介して配信した場合に、視聴情報処理部110が、会員が視聴要求を行ったコンテンツIDが上映コンテンツIDとして登録されている劇場3を特定し、決済処理部112が特定された劇場3に対して、インセンティブとしての料金を配分するようにしたことから、インターネット等を通じて劇場3で上映されるコンテンツが配信されたとしても、その分に応じた利益が映画を実際に上映している劇場3に対しても配分され、劇場3としては会員が劇場3で映画を見た場合と同様に利益を上げることができ、利益を損なうことがなくなるという効果を奏することができる。
また、上述の第1の実施形態によれば、劇場3の情報として地域情報を、また視聴者の情報として所属地域をそれぞれ登録しておき、インターネットを通じて視聴者にコンテンツを配信した場合に、視聴情報処理部110がユーザの所属地域に適合した地域情報を有する劇場3を特定し、決済処理部112が特定された劇場3に対して、インセンティブとしての料金を配分するようにしたことから、劇場3としては、顧客として最も期待できる劇場3がある地域に住んでいる或いはその地域でよく出向くユーザに対してコンテンツが配信されたとしても、配信された分に応じた料金が配分されるため、会員が劇場3で映画を見た場合と同様に利益を上げることができ、利益を損なうことがなくなる。
また、視聴情報処理部110が、視聴者が視聴したコンテンツの識別情報などの履歴情報を特定した劇場3に通知するようにしたことから、劇場3に対して個別独自に会員に対してサービス(例えば、劇場3の優待券やポイントサービスなど)を提供する機会ができる。
また、劇場3と関連付けるコンテンツは、現在上映されているコンテンツだけでなくとも、今後上映予定或いは過去に上映した映画のコンテンツであってもよい。これにより、現在上映していなくとも、劇場3はインセンティブを受けることができ、上映時期が異なる劇場3間での衡平をはかることができる。
次に、本発明にかかる第2の実施形態について説明する。なお、上述の第1の実施形態と同一の構成、同一の処理については同一の符号を付して説明を省略する。
第2の実施形態では、会員がコンテンツを選択するとともに、劇場3も選択するようにした例である。
図13において、上述の第1実施形態と同様にS109までの処理が行われ、会員がコンテンツ一覧から視聴するコンテンツを選択すると、視聴情報処理部110は、会員データベース101を参照して当該会員の所属地域を特定する(S210)。
会員の所属地域を特定すると、視聴情報処理部110は、劇場データベース102を参照して、特定した会員の所属地域と同じ地域情報を有し、かつ会員が視聴要求を行ったコンテンツIDが上映コンテンツIDとして登録されている劇場情報を全て抽出する(S211)。
視聴情報処理部110は、抽出した劇場情報の一覧をWebページ上に表示してユーザに選択するよう要求する(S212)。
なお、この選択要求を行う際、図15に示すように、視聴情報処理部110が、劇場3の一覧2001として、劇場名2002、地域2003、選択ボタン2004の他に予め各劇場3が登録した広告情報2005を合わせて表示するようにしてもよい。広告情報としては、例えば、劇場3のWebページのURLなど各劇場3が任意に決定してもよい。また広告の内容としては、例えば、その劇場3を指定した会員に対して視聴回数や料金に応じてポイント付与したり、指定席や劇場3の優待券を配布したりするようにしてもよい。
そして、会員により選択された劇場ID等を視聴履歴データベース105に記憶する(S215)。
そして、以下、図14に示すように、上述のS113以下の処理と同様の処理を行い、コンテンツの配信、料金の計算及び決済処理を行い処理を終了する。
このように、上述の第2の実施形態によれば、コンテンツごとにそのコンテンツに対応する映画を上映する劇場3の情報を併せて会員に通知し、会員が選択した劇場3に対して料金を配分するようにしたことから、会員としては自分の好みの劇場3を選択することができる。これにより、例えば会員が応援したい劇場3やお気に入りの劇場3を優先的に選択する機会を提供することができる。
また、会員が劇場3を選択する際、会員に対して各劇場3の広告情報を提供するようにしたことから、会員としては各劇場3からのサービスを受けることができるし、さらに劇場3としてもコンテンツを配信した顧客に対して広告をすることで、実際に来場してもらえる可能性が高くなり、劇場3の興行収入の増加も期待できる。また、これにより劇場3同士が広告により競争を行うことで、劇場3同士がより良いサービスを会員に提供するようになる。
なお、上述の各実施形態では、視聴情報処理部110が、会員が視聴要求を行ったコンテンツIDが上映コンテンツIDとして登録されており、かつ、会員の所属地域に適合した地域情報を有する劇場3を特定する例について説明したが、このいずれか一つの条件を満たす劇場3に対してインセンティブを与えるようにしてもよい。即ち、視聴情報処理部110が、会員が視聴要求を行ったコンテンツIDが上映コンテンツIDとして登録されている劇場3を特定し、この劇場3だけで料金を配分するようにしてもよい。また、視聴情報処理部110が会員の所属地域に適合した地域情報を有する劇場3を特定し、この劇場3だけで料金を配分するようにしてもよい。
また、視聴情報処理部110が、会員が視聴要求を行ったコンテンツIDが適合している劇場3の上映コンテンツIDを特定する処理は、上述の各実施形態のように、会員に対してコンテンツを配信する際に行ってもよいし、また料金を計算する際に行ってもよく、任意である。同様に、視聴情報処理部110が、会員の所属地域に適合した地域情報を有する劇場3を特定する処理は、上述の各実施形態のように、会員に対してコンテンツを配信する際に行ってもよいし、また料金を計算する際に行ってもよく、任意である。
なお、配分する料金を計算する際に行う場合には、視聴情報処理部110が、視聴履歴データベース105を参照して処理を行ってもよい。
次に本発明にかかる第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、会員登録の際に予め各会員が属する劇場3を登録しておき、会員が視聴するごとに登録されている劇場3に対して料金を配分するようにした例である。なお、上述の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図16において、まず劇場3及び配給会社4が、所定の端末等を用いて、劇場情報、及び配給者情報を登録する(S301)。この際、劇場情報処理部108は、登録された劇場3又は配給会社4の所在地情報から、当該劇場3又は配給会社4の対象地域を割り振ることができる。なお、劇場3及び配給会社4の対象地域は、劇場3又は配給会社4が選択するようにしてもよい。
会員となろうとする者は、端末2を用いて会員登録用のWebページにアクセスし、所定の登録情報を入力して管理サーバ1に対して会員登録要求を行うと(S302)、会員情報処理部109は、入力された登録情報を受付け、これを会員データベース101に記憶する(S303)。
この会員登録用のWebページとしては、例えば図18に示すように、視聴者の氏名、住所、E−mailアドレス、決済情報、所属する所属劇場3などを入力する入力欄3001と、これに加えて洋画、邦画などの好きな映画の種類や、SFやアニメーションなどの映画のジャンルを入力する入力欄3002を設け、これを視聴者が端末2から入力し、登録ボタン3003をページ上でクリックすることにより登録要求が行えるようにしてもよい。
なお、所属する劇場3については一つだけでなく複数の劇場3を登録するようにしてもよい。
また会員が劇場3を選択する際に、劇場3の一覧と、各劇場3が会員に対して行っているサービスの広告情報などを提供して、その劇場3一覧の中から会員に所望の劇場3を選択してもらうようにしてもよい。
会員情報の登録がされると、会員情報処理部109は視聴者に対して会員IDを発行し、会員データベース101に記憶する(S304)。この会員IDの発行は、会員情報処理部109が受け付け順に昇順の番号を付すなどの所定の規則に基づいて行うことができる。
会員がコンテンツの配信を受ける場合、会員が会員端末2を用いて、コンテンツ配信要求受付用のWebページにアクセスし、発行されたID認証用のWebページに入力してログイン要求を行うと(S305)、会員情報処理部109が会員データベース101を参照して、会員IDが登録されているか否か判別認証する(S306)。
認証の結果、会員IDが正しくない場合には、再度会員端末2に対して入力された会員IDが正しくない旨通知して、上述の処理S305に戻る。
また、認証の結果、会員IDが正しい場合には、視聴情報処理部110がコンテンツ管理データベース104を参照して、現在視聴可能なコンテンツデータを抽出して送信し、例えば前述の図12のようにWebページ上に一覧表示して、希望のコンテンツを選択できるようにする(S307)。
会員が会員端末2を使用して、Webページ上のコンテンツ一覧から希望するコンテンツの選択ボタンをクリックしてコンテンツの配信要求を行うと(S308)、視聴情報処理部110がこのコンテンツ配信要求を受付ける(S309)。
視聴要求がされると、配信処理部111はコンテンツ管理データベース104を参照して、配信要求されたコンテンツをインターネットを通じて当該会員端末2に配信する(S310)。これにより視聴者は端末2を使用してコンテンツを視聴することができる(S311)。
そして、視聴情報処理部110は、会員データベース101を参照して、当該会員が所属している劇場3を特定し、当該劇場3に対して会員がコンテンツの視聴を行ったことを通知する(S312)。
視聴情報処理部110は、視聴履歴データベース105に、会員の所属劇場3の劇場ID、視聴要求した会員の会員ID、視聴時間、視聴要求されたコンテンツIDを記憶する(S313)。
視聴が終了すると、所定のタイミングで決済処理部112が視聴履歴データベース105を参照して、会員に対して請求する料金と、料金テーブル107に基づいて、劇場3及び配給会社4の配分する料金を計算し、支払管理データベース106に記憶する(S314)。
そして、決済処理部112が、会員データベース101の決済情報に基づいて、クレジットカード会社のシステムなどを通じて会員から料金を徴収する(S315)。
決済処理部112は、徴収した料金から劇場3及び配給会社4に対して、予め定められた割合で料金を配分して(S316)、処理を終了する。
このように上述の第3の実施形態によれば、決済処理部112が配信するコンテンツに関連付けられた劇場3に対して、会員が視聴したコンテンツに応じて料金を配分するようにしたことから、インターネット等を通じて劇場3で上映されるコンテンツが配信されたとしても、映画を上映する劇場3に対しても会員が視聴した分に応じた利益が配分され、劇場3としては会員が劇場3で映画を見た場合と同様に利益を上げることができ、利益を損なうことがなくなる。
また、会員毎に所属劇場を決めておくことにより、劇場3側は会員がインターネットを通じて視聴する毎に安定的に料金が配分されることになり、コンテンツ配信により観客動員数が減少してもこれを補うことができる。
また、会員の視聴回数や支払った料金額などに応じて劇場3は会員にインセンティブを与えることもでき、これにより視聴した会員が実際に劇場3へ来場することを促すことも可能となる。
上述の各実施形態では、インセンティブとして劇場3に対して料金を配分する例について説明したが、インセンティブとしてはこれに限定されるものではなく、例えば、所定のポイントや有価価値などでもよい。
上述の各実施形態では、視聴者が会員の場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、会員制でなくとも広く一般の視聴者を対象としてもよい。この場合には、視聴する際に、最初に上述の会員登録と同様の情報を視聴者に入力してもらうようにしてもよい。
上述の実施形態は、映像コンテンツを配信する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、コンテンツとしてはレンタルビデオのビデオ映像、デジタル化された新聞、本、音楽、地図、ゲームなどのコンテンツを含んでもよい。
例えば、コンテンツ供給者をレンタルビデオ店やビデオ販売店としてもよい。この場合、上述の各実施形態のようにして、管理サーバ1から配信された映画等のコンテンツの内容及び数を管理し、その内容に応じて所定のレンタルビデオ店又は販売店がインセンティブを受け取れるようにしてもよい。
なお、この場合、管理サーバ1にレンタルビデオ店等の所在地等の情報と共に、当該レンタルビデオ店等が仕入れたビデオテープの本数を記憶しておき、決済処理部112がインセンティブの配分を行う際に、レンタルビデオ店等が当該映画のビデオを仕入れた数に応じて受け取れるインセンティブの金額等を多くなるように計算するようにしてもよい。一例として、5本仕入れたレンタルビデオ店等に対してはインセンティブの金額が1.5倍、10本仕入れたレンタルビデオ店等に対しては2倍の金額となるようにしてもよい。
また、ユーザに対してインセンティブを与えるようにしてもよい。例えば、管理サーバ1からネットワークを介して映画等のコンテンツを配信後、所定期間内(例えば、1週間内)にその映画を鑑賞したユーザの情報を管理サーバ1が会員データベース101に記憶しておく。そして、その映画がビデオ化され販売又はレンタルされた時に、決済処理部112が、会員データベース101を参照して所定期間内に映画を鑑賞したユーザを抽出し、これのユーザに対しては配当を多く受け取れる(例えば、Web上での公開後1週間以内にその映画の配信を受けて見ていたユーザに対しては、インセンティブが2倍となる)ようにしてもよい。これにより、ユーザに対してもインセンティブを与えることが出来るし、早期にユーザに映画を見てもらう切っ掛けを与えることができる。
また、ユーザが映画などのコンテンツに投資できるように、後でインターネット経由で販売され、売れそうなものを予め購入し、それによって配当を得る権利を有するようにしてもよい。また、インターネット経由の鑑賞者は自分が見た映画を友人に電子メールで紹介できるようにしてもよい。また、これにより友人がその映画を見た場合に、元の紹介者に所定のインセンティブを与えるようにしてもよい。
上述の実施形態は、インターネットを介して処理を行う例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電話回線、LAN、或いは放送網或いはこれらを組み合わせてシステムを構成してもよい。また、通信は有線、無線のいずれでもよい。
また、上記各実施形態において、各所リブを複数のコンピュータにより分散させて処理してもよいし、また各データベースを保持するコンピュータを分散させ、これらの協働によりシステムを構成してもよく任意である。例えば、上述の例では、管理サーバ1がユーザに対してコンテンツを配信した例について説明したが、これに限らず、管理サーバ1とは別にコンテンツ配信装置を設けるようにしてもよい。この場合、管理サーバ1はコンテンツ配信装置からネットワーク等を介してユーザの視聴情報を取得し、当該視聴情報に基づいてインセンティブを分配する処理を行うようにすることができる。
本実施形態にかかる管理サーバ1用のコンピュータプログラムは、これを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体(FD、CD−ROM等)に格納して流通させてもよい。
また、管理サーバ1用コンピュータプログラムを搬送波に重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワークの掲示板(BBS)に当該プログラムを掲示し、これをネットワークを介して配信するようにしてもよい。
なお、上述の機能をOS(Operating System)が分担又はOSとアプリケーションプログラムの共同により実現する場合等には、OS以外の部分のみをコンピュータプログラムとして、またこのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な媒体に格納してもよい。
【産業上の利用可能性】
本発明によれば、ユーザが通信を介して希望するコンテンツを取得することができるとともに、コンテンツ配給者にとっても利益を損なわれない仕組みを提供できる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに対してリアルな場所で提供されるコンテンツの情報と、当該コンテンツを提供するコンテンツ供給者の情報とを関連付けて記憶する第1の記憶手段と、
上記ユーザの端末に対してネットワークを介して配信されたコンテンツの情報を特定する視聴情報処理手段と、
少なくとも上記特定されたユーザに配信されたコンテンツの情報を含む視聴履歴情報を記憶する視聴履歴記憶手段と、
上記視聴履歴情報から上記ユーザにより視聴されたコンテンツの情報を抽出し、上記第1の記憶手段を参照して上記抽出したコンテンツに関連付けられているコンテンツ供給者を特定し、特定されたコンテンツ供給者に対して上記ユーザに配信されたコンテンツの内容及び数に応じて所定のインセンティブを与えるインセンティブ手段と、
を有することを特徴とするコンテンツ情報処理装置。
【請求項2】
上記ユーザの端末に対してコンテンツを配信する配信手段を更に有する、
請求項1記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項3】
ユーザに対してネットワークを介してコンテンツを配信するコンテンツ配信端末と通信を介して接続可能に構成されており、
上記視聴情報処理手段は、上記コンテンツ配信者の端末からユーザに対して配信されたコンテンツの視聴履歴情報を取得する、
請求項1記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項4】
少なくとも上記ユーザの識別情報と、ユーザが所属する地域を表す所属地域情報を記憶する第2の記憶手段を更に有し、
上記第1の記憶手段には、さらにコンテンツ供給者が所属する所属地域情報が記憶されており、
上記インセンティブ手段は、上記第2の記憶手段を参照して上記コンテンツを配信したユーザの地域情報を特定すると共に、上記第1の記憶手段を参照して当該特定した地域に属するコンテンツ供給者を特定し、特定したコンテンツ供給者に対して上記ユーザに配信したコンテンツに応じたインセンティブを与える、
請求項1〜3のいずれかの項に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項5】
上記視聴者が属する地域を表す所属地域情報の登録を受け付けて、上記第2の記憶手段に記憶する登録手段を更に有する、
請求項4記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項6】
上記視聴情報処理手段は、上記コンテンツ供給者に対して視聴履歴情報を提供する、
請求項1〜3のいずれかの項に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項7】
上記視聴情報処理手段は、上記第1の記憶手段を参照して、ユーザが視聴したコンテンツに関連付けて登録されているコンテンツ供給者の情報をユーザに提供し、このコンテンツ供給者の中から上記ユーザが選択した所望のコンテンツ供給者の情報を受け付け、
上記インセンティブ手段は、上記ユーザから受け付けたコンテンツ供給者に対してインセンティブを与える、
請求項1〜3のいずれかの項に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項8】
上記第1の記憶手段には、コンテンツ供給者の広告情報が更に記憶されており、
上記視聴情報処理手段は、ユーザに対してコンテンツ供給者の情報を提供する際に、併せて上記第1の記憶手段に記憶されているコンテンツ供給者の広告情報をユーザに提供する、
請求項7記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項9】
上記ユーザとコンテンツ供給者とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶手段を更に有し、
上記インセンティブ手段は、上記ユーザ情報記憶手段を参照して、ユーザが視聴したコンテンツに関するインセンティブを上記関連付けられているコンテンツ供給者に与える、
請求項1〜3のいずれかの項に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項10】
上記インセンティブ手段は、上記コンテンツの配信を受けたユーザから徴収した料金のうちから所定の割合の料金を上記コンテンツ供給者にインセンティブとして配分する、
請求項1〜9のいずれかの項に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項11】
上記コンテンツは、劇場で上映する映像コンテンツであり、
上記コンテンツ供給者は、劇場及び/又は映像コンテンツの配給者である、
請求項1〜10のいずれかの項に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項12】
上記ユーザの端末に対してネットワークを介してコンテンツを配信する配信装置と、上記配信装置により配信されたコンテンツに関する情報処理を行うサーバから構成されたシステムであって、
上記サーバは、
上記配信装置により、上記ユーザの端末に対して配信されたコンテンツの情報を特定する視聴情報処理手段と、
ユーザに対してリアルな場所で提供されるコンテンツの情報と、当該コンテンツを提供するコンテンツ供給者の情報とを関連付けて記憶する第1の記憶手段と、
少なくとも上記特定されたユーザに配信されたコンテンツの情報を含む視聴履歴情報を記憶する視聴履歴記憶手段と、
上記視聴履歴情報から上記ユーザにより視聴されたコンテンツの情報を抽出し、上記第1の記憶手段を参照して上記抽出したコンテンツに関連付けられているコンテンツ供給者を特定し、特定されたコンテンツ供給者に対して上記ユーザに配信されたコンテンツの内容及び数に応じて所定のインセンティブを与えるインセンティブ手段と、
を有する、
ことを特徴とするコンテンツ情報処理システム。
【請求項13】
コンピュータにより実行される方法であって、
コンピュータが、
ユーザに対してリアルな場所で提供されるコンテンツの情報と、当該コンテンツを提供するコンテンツ供給者の情報とを関連付けて記憶する処理と、
上記ユーザの端末に対してネットワークを介して配信されたコンテンツの情報を特定する処理と、
少なくとも上記特定されたユーザに配信されたコンテンツの情報を含む視聴履歴情報を記憶する処理と、
上記視聴履歴情報から上記ユーザにより視聴されたコンテンツの情報を抽出し、上記第1の記憶手段を参照して上記抽出したコンテンツに関連付けられているコンテンツ供給者を特定し、特定されたコンテンツ供給者に対して上記ユーザに配信されたコンテンツの内容及び数に応じて所定のインセンティブを与える処理と、
を行うことを特徴とするコンテンツ情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータに対して、
ユーザに対してリアルな場所で提供されるコンテンツの情報と、当該コンテンツを提供するコンテンツ供給者の情報とを関連付けて記憶する処理と、
上記ユーザの端末に対してネットワークを介して配信されたコンテンツの情報を特定する処理と、
少なくとも上記特定されたユーザに配信されたコンテンツの情報を含む視聴履歴情報を記憶する処理と、
上記視聴履歴情報から上記ユーザにより視聴されたコンテンツの情報を抽出し、上記第1の記憶手段を参照して上記抽出したコンテンツに関連付けられているコンテンツ供給者を特定し、特定されたコンテンツ供給者に対して上記ユーザに配信されたコンテンツの内容及び数に応じて所定のインセンティブを与える処理と、
を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項15】
コンピュータに対して、
ユーザに対してリアルな場所で提供されるコンテンツの情報と、当該コンテンツを提供するコンテンツ供給者の情報とを関連付けて記憶する処理と、
上記ユーザの端末に対してネットワークを介して配信されたコンテンツの情報を特定する処理と、
少なくとも上記特定されたユーザに配信されたコンテンツの情報を含む視聴履歴情報を記憶する処理と、
上記視聴履歴情報から上記ユーザにより視聴されたコンテンツの情報を抽出し、上記第1の記憶手段を参照して上記抽出したコンテンツに関連付けられているコンテンツ供給者を特定し、特定されたコンテンツ供給者に対して上記ユーザに配信されたコンテンツの内容及び数に応じて所定のインセンティブを与える処理と、
を実行させるコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【国際公開番号】WO2004/059545
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【発行日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−562940(P2004−562940)
【国際出願番号】PCT/JP2003/016727
【国際出願日】平成15年12月25日(2003.12.25)
【出願人】(503007276)株式会社ウェブアイ (1)
【出願人】(505134567)
【出願人】(501091833)メキキ・クリエイツ株式会社 (56)
【Fターム(参考)】