説明

コンテンツ推薦システム、通信端末装置及びコンテンツ推薦方法

【課題】 コンテンツが蓄積された通信端末装置に対して、効果的なコンテンツの推薦ができるようにする。
【解決手段】 蓄積したコンテンツに関するリストを端末装置10の外部に転送し、その転送されたリストと、予め用意された複数のリストとをサーバ装置1側で比較して、予め用意された複数のリストの中から、転送されたリストとの一致度が高いリストを取り出し、その取り出されたリストと、転送されたリストとを比較して、取り出されたリストにだけ存在するコンテンツを、推薦コンテンツとして決定して、その推薦コンテンツに関する情報を、コンテンツを蓄積した端末装置10側に送るようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、携帯電話端末の如き通信端末装置に対してコンテンツを推薦するコンテンツ推薦システム及びコンテンツ推薦方法、並びにそのシステムに適用される通信端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話端末の如き通信端末装置に、比較的大容量の半導体メモリやハードディスクドライブ装置などのデータ記憶部を設けて、そのデータ記憶部に楽曲データ(音楽データ)を記憶させて、その端末装置で楽曲を再生させるようなことが普及している。携帯電話端末の場合、楽曲データのダウンロードについても、無線電話回線を経由して楽曲が蓄積されたサーバにアクセスして、そのサーバからダウンロードすることが可能であり、サーバに用意された様々な音楽を楽しむことができる。
【0003】
特許文献1には、楽曲データを蓄積したサーバにアクセスして、そのサーバに蓄積された楽曲の中から選んだユーザ所望の楽曲をダウンロードすることについての記載がある。特許文献1に記載されたものは、パーソナルコンピュータ装置をインターネットに接続して、サーバにアクセスするシステムであるが、携帯電話端末の場合にも、基本的な原理は同じである。
【特許文献1】特開2002−73041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなシステムが普及するに従って、サーバ側に用意される楽曲の数は非常に膨大な数になる傾向にあり、そのサーバに用意された膨大な数の楽曲の中から、ユーザが所望の楽曲を探す作業は、簡単ではない。
【0005】
このため、予め登録されたユーザ(が所持する端末装置)に対して、このようなシステムを運用する側から、各ユーザに対して、そのユーザの好みに適合した楽曲を推薦するメールなどを送信して、ユーザが楽曲を選ぶ際の候補を推薦することが、従来行われている。
【0006】
ところが、従来のシステムでの楽曲の推薦は、例えばユーザ登録する際に、そのユーザの好みのジャンルを登録して、その登録されたジャンルでの新曲を推薦したり、或いは、そのユーザが購入(ダウンロード)した楽曲と同じ演奏者の、他の楽曲を推薦するなどであった。
【0007】
従って、従来の推薦処理では、それなりにユーザ毎にカスタマイズされた推薦ではあるが、実際に個々のユーザがダウンロードして持っている楽曲の傾向と完全に一致した推薦であるとは言えない問題があった。特許文献1にも、サーバ側で自動的に選曲することについての記載があるが、予め登録されたジャンルなどに基づく程度であり、高度な楽曲推薦が行われているとは言えない。
【0008】
なお、ここまでの説明では、オーディオデータである楽曲データを端末装置にダウンロードさせて蓄積させる場合の問題について説明したが、楽曲データ以外のコンテンツデータをダウンロードして蓄積させる場合にも同様の問題がある。
【0009】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、コンテンツが蓄積された通信端末装置に対して、効果的なコンテンツの推薦ができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、蓄積したコンテンツに関するリストを外部に転送し、その転送されたリストと、予め用意された複数のリストとを比較して、予め用意された複数のリストの中から、転送されたリストとの一致度が高いリストを取り出し、その取り出されたリストと、転送されたリストとを比較して、取り出されたリストにだけ存在するコンテンツを、推薦コンテンツとして決定して、その推薦コンテンツに関する情報を、コンテンツを蓄積した側に送るようにしたものである。
【0011】
このようにしたことで、予め用意された複数のリストとして、例えば他のユーザから送られたリストとすることで、実際に各ユーザが所持しているコンテンツそのものが比較されて、同じようなコンテンツを所持する傾向があるユーザのリストを判断材料として、推薦するコンテンツが決定する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、同じようなコンテンツを所持する傾向があるユーザのリストを判断材料として、推薦するコンテンツが決定するので、非常に各ユーザの個人的な好みの傾向を反映した推薦が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
本例においては、携帯電話端末として構成された無線通信端末装置を、サーバ装置にアクセスして使用するシステムとしたものである。
【0014】
図1は、本例のシステム構成例を示した図である。本例においては、携帯電話端末装置10を用意して、その携帯電話端末装置10に、コンテンツデータをダウンロードして蓄積できる構成としてある。ここでは、蓄積されるコンテンツとして、楽曲データとしてある。
【0015】
楽曲データは、この携帯電話端末装置10が、無線電話回線などによる無線通信を行ってインターネットに接続し、そのインターネット上の所定アドレスのサーバ装置1にアクセスして、そのサーバ装置1からダウンロードする構成としてある。サーバ装置1側には、楽曲データを蓄積するデータベース2が用意されて、携帯電話端末装置10からの要求で多数の楽曲を、端末装置10に送信することができる。
【0016】
ここで本例の場合には、図1に示すように、携帯電話端末装置10に蓄積されて再生可能な楽曲のリスト(以下そのリストをプレイリストと称する)を、サーバ装置1に送るようにしてある(処理a)。プレイリストについては、例えば、楽曲のタイトル(曲名)、演奏者名(アーティスト名)などを、それぞれの楽曲ごとに持ったリストである。作曲者名、アルバム名、ジャンル情報などのより詳細な情報を持たせても良い。
【0017】
サーバ装置1では、その送られたプレイリストを、サーバ装置1側に予め蓄積されたプレイリストと比較して、推薦曲を決める楽曲データの検索を行う(処理b)。その検索で、選び出された推薦曲(以下リコメンド楽曲と称する)の一覧のデータを、携帯電話端末装置10に送信する(処理c)。リコメンド楽曲の一覧の送信については、例えば携帯電話端末装置10からアクセスがあって、直ぐにリコメンド楽曲が選定できる場合には、そのアクセス中の端末装置10に返送させる。或いは、リコメンド楽曲の一覧のデータを、電子メールとして、サーバ装置1から端末装置10に送信してもよい。このようにして送信されたリコメンド楽曲の一覧を端末装置10で表示させて、ユーザが確認することで、その中から聴取したい楽曲を選び出して、サーバ装置1側からダウンロードするシステム構成としてある。楽曲のダウンロードを行う際には、課金などの処理を行うようにしてもよい。
【0018】
なお、携帯電話端末装置10とサーバ装置1との通信については、両装置を近接させて、無線信号や赤外線信号の伝送で、直接的に通信を行うようにしてもよい。例えば、サーバ装置1を、CD(Compact Disc)などのコンテンツ記録媒体を販売する店に設置して、そのサーバ装置1に近接させた端末装置10との間で、後述する近距離無線通信などでデータ転送させて、同様の処理を行うようにしてもよい。この場合、サーバ装置1に接続されたデータベース2は、プレイリストのデータだけを持つようにして、コンテンツそのものである楽曲データは、持たないようにしてもよい。
【0019】
次に、本例のシステムで使用される携帯電話端末装置10の構成例を、図2を参照して説明する。本例の携帯電話端末装置10は、無線電話用の基地局と無線通信を行うための無線電話通信用アンテナ11を備え、そのアンテナ11が無線電話通信用の通信回路12に接続してあり、制御部19の制御で、基地局との間で無線通信を行うようにしてある。通信回路12で通話用の通信を行う際には、受信した音声データを音声データ処理部13に供給して音声データの受信処理を行ってからスピーカ14に供給して出力させ、また、マイクロフォン15が拾って音声データ処理部13で処理された送信用の音声データを通信回路12に供給して送信させる。
【0020】
この携帯電話端末装置10は、液晶ディスプレイなどで構成された表示部16と、操作キーなどで構成された操作部17を備える。表示部16には、メール文、ウェブにアクセスさせた画面などを表示させることができ、操作部17は、電話番号やメール文などの入力操作や、各種モード設定などが行える。後述する推薦する楽曲の一覧の画面などの、楽曲再生に関する画面についても、表示部16に表示させる。
【0021】
これらの端末装置10内の各ブロックは、制御ライン23を介して制御部19などと接続してあり、またデータライン24を介してデータ転送を行える構成としてあり、メモリ18に必要なデータを記憶させるようにしてある。このメモリ18には、携帯電話端末として必要なデータだけでなく、楽曲再生に必要なデータについても記憶させてもよい。例えば、この端末装置10にダウンロードされて蓄積した楽曲のリストであるプレイリストを、メモリ18が記憶してもよい。また、メモリ18とは別に、大容量のデータ記憶手段であるハードディスクドライブ装置30を備え、この端末装置10に入力されたデータやダウンロードされたデータなどを蓄積するようにしてある。コンテンツデータである楽曲データについても、ハードディスクドライブ装置30を使用して記憶(記録)させる構成としてある。
【0022】
また、この端末装置10への電話回線を介した着信や、各種警告を行うために、端末そのものを振動させる振動モータなどで構成される振動部21と、発光ダイオードなどで構成される発光部22とを備え、制御部19の制御で、振動や発光を行う。これらの振動部21や発光部22は、携帯電話端末として着信などを知らせる告知手段として使用される。
【0023】
また、本例の携帯電話端末10は、非接触ICカード機能部40を備える。この非接触ICカード機能部40は、アンテナ42が接続された近距離通信部41を有し、リーダ・ライタとの間で、数cm程度の非常に近接した距離での近接無線通信を行う。この近接無線通信を行う際には、リーダ・ライタ側からの電波を受信して得られる電力で、近距離通信部41を作動させることも可能であるが、本例においては携帯電話端末10内の電源回路(図示せず)から供給される電源で、近距離通信部41を作動させるようにしてある。
【0024】
近距離通信部41は、ICカード機能を実行する際に、課金や認証に必要なデータをメモリ18(又は課金データ制御部41内の図示しないメモリ)から読み出して、リーダ・ライタと近接無線通信でやり取りを行う。例えば、交通機関の乗車券として機能させる場合には、乗車券(定期券)として有効な区間、有効期間、或いは乗車券として引き落とすことが可能なチャージ金額などのデータや、この端末(ICカード)の所持者に関する個人情報などを、近距離通信部41がリーダ・ライタに送って、課金処理や認証処理を行うようにしてある。映画やコンサートなどのチケット、会員証、代金決済用のカード、クレジットカードなどとして使用する場合には、それらの認証に必要な情報についても、やり取りされる。
【0025】
さらに本例の携帯電話端末装置10は、カメラ部50を備え、静止画又は動画の撮影が行える構成としてあり、撮影された画像データや音声データは、ハードディスクドライブ装置30でハードディスクなどに記録(記憶)させるようにしてある。さらに、音楽再生部60を備えて、ハードディスクなどに記録(記憶)された楽曲データのスピーカ又はヘッドホンからの再生についても行える構成としてある。また、携帯電話端末として電話やメールの着信などを知らせるために、音楽再生部60で楽曲データを再生させるようにしてもよい。なお、ハードディスクドライブ装置30でハードディスクに記録される楽曲データとしては、サーバ装置1(図1)側からダウンロードした楽曲以外に、例えばこの端末装置10を、ユーザが所持するパーソナルコンピュータ装置(図示せず)に接続して、そのコンピュータ装置に蓄積された楽曲データを転送させたものでもよい。或いは、メモリカードなどの記憶媒体を介して、この端末装置にデータを取り込ませるようにしてもよい。
【0026】
次に、図1に示したサーバ装置1の構成例について、図3を参照して説明する。本例のサーバ装置1は、例えばインターネットにアクセス可能なコンピュータ装置を使用して構成され、制御部1aと、外部インターフェイス1bと、リコメンド楽曲検索部1cとを備えて、外部インターフェイス1bを経由したアクセスに基づいて、リコメンド楽曲検索部1cが、データベース2に蓄積されたプレイリストと、アクセスがあった端末装置側から送られたプレイリストとを比較して、候補となるプレイリストを選定し、その候補プレイリストから、リコメンド楽曲を探し出す処理を行う構成としてある。
【0027】
データベース2には、このサーバ装置1が配信可能な楽曲のデータが記憶されているとともに、このサーバ装置1にアクセスがあった端末装置から送られたそれぞれのプレイリストを記憶させるようにしてある。この記憶されたプレイリストが、それ以後にリコメンド楽曲検索で使用される、データベース2に蓄積されたプレイリストの1つとなる。従って、データベース2は、サーバ装置1にアクセスがあった多数の端末装置10のプレイリストを蓄積している。
【0028】
また、サーバ装置1は、通常のコンピュータ装置が備える表示部1dや操作部1eについても備える。
【0029】
次に、本例の携帯電話端末装置10がサーバ装置1にアクセスして、携帯電話端末装置10が持つプレイリストをサーバ装置1に送った場合に行われる処理を、図4以降を参照して説明する。まず、図4のフローチャートを参照して、リコメンド楽曲を決める全体的な処理について説明すると、サーバ装置1に端末装置10からプレイリストが送られると、サーバ装置1のデータベース2内に蓄積された複数のプレイリストと、端末装置10から送られて受信したプレイリストとの比較処理が行われる(ステップS11)。
【0030】
その比較で、データベース2内に蓄積された複数のプレイリストの中から、端末装置10から送られたプレイリストと一致度が高いプレイリストを複数取り出す。ここでの一致度が高いとは、例えば、楽曲の曲名と演奏者名が一致する数で判断し、その一致する数が、最も高いプレイリストから順に、ランキングする処理を行う(ステップS12)。このとき、曲名以外のその他の情報(例えばアルバム名、ジャンル名など)の一致度を考慮して、一致度を判断してもよい。
【0031】
次に、そのランキングされたプレイリストの中から、一致度の高い上位の所定数のプレイリストだけを、検索対象として選定する(ステップS13)。この選定時には、例えば予め決められた所定個(例えば10個)のプレイリストを選定する。或いは、曲名などの一致度が一定比率以上のプレイリストを、全て検索対象として選定してもよい。
【0032】
そして、その選定された全てのプレイリストと、端末装置10から送られて受信したプレイリストとが比較され、その比較に基づいてリコメンド楽曲の検索が行われる(ステップS14)。ここでのリコメンド楽曲の検索処理としては、例えば、選定された全てのプレイリストの中から、端末装置10から送られて受信したプレイリストにない全ての楽曲を取り出す処理が行われる。
【0033】
そして、その取り出された全ての楽曲について、最も多くのプレイリストにある曲から順にランキングを行う(ステップS15)。そのランキングされた曲の中で、上位の所定の複数曲(又は最上位の1曲)をリコメンド楽曲として決定し、その決定されたリコメンド楽曲に関する情報(タイトル、演奏者名など)の一覧のデータを作成し、その作成した一覧のデータを、端末装置10に返送させる。
【0034】
なお、ステップS15でのランキングの際に、重複して複数のプレイリストに示された楽曲が全く存在しなかった場合には、「同一な楽曲」という定義を、演奏者名と解釈して、演奏者名に限って、重複して含まれているかを検索して、候補となる楽曲を選び出すようにしてもよい。同一の演奏者名の曲についても重複している楽曲が存在しない場合には、リコメンド対象楽曲なしとする。
【0035】
次に、この図4のフローチャートでのそれぞれのステップでの、より具体的な処理例について説明する。図5は、図4のフローチャートのステップS11での、プレイリストの比較処理に用いる検索基準例を示した図である。受信したプレイリストに格納されている楽曲の集合をN(u)とし、データベース内にある1つのプレイリストp1に格納されている楽曲の集合をN(p1)とする。このとき、集合N(u)と集合N(p1)との積集合の要素数(楽曲数)を、プレイリストp1の点数とする。この点数は、ランキング付けの際に利用される。
【0036】
このような比較処理は、サーバ装置のデータベースに格納されている全てのプレイリストに対して順に実行される。即ち、例えば図6に示すように、プレイリストL1〜Ln(nは任意の複数)が格納されているとすると、それぞれのプレイリストが、受信したプレイリストL0と比較されて、その比較結果に基づいてランキング結果が得られる。
【0037】
図7は、リコメンド楽曲の選定処理例を示した図である。ここでは、説明を簡単にするために、2つのプレイリストp1,p2内の楽曲の集合N(p1),N(p2)と、受信したプレイリスト内の楽曲の集合N(u)とから、リコメンド楽曲の候補を選定する処理を示してある。この図7に示すように、受信したプレイリスト内の楽曲の集合N(u)に存在する楽曲を除いた上で、各集合N(p1),N(p2)で重なる楽曲の集合を、リコメンド対象とする。
【0038】
このようにして選定されたリコメンド対象の楽曲から、図8に示すように、より多くのプレイリストに含まれている楽曲をランキングの上位にする処理を行い、その上位から数曲又は1曲を、リコメンドする曲として決定する。なお、このリコメンドする曲を決定する際には、プレイリスト数だけからはランキングの下位であっても、発売されてから時間があまり経過していない楽曲については、リコメンドする曲に含めたり、特定の一人だけが持っている楽曲をリコメンドする曲に加えたり、受信したプレイリスト内のジャンルにない曲については除外するなど、なんらかの処理を行うようにしてもよい。また、このシステムの運用者が、リコメンドしたい楽曲を予め設定して、演奏者やジャンルなどからの判断で一覧中に加えるようにしてもよい。これにより、発売前の楽曲についても、リコメンドできるようになる。
【0039】
このようにして、ユーザに推薦する楽曲を決定することで、実際に各ユーザが所持している楽曲そのものが比較されて、同じような楽曲を所持する傾向があるユーザのリストを判断材料として、推薦する楽曲が決定するので、非常に各ユーザの個人的な好みの傾向を反映した良好な推薦が可能になる。
【0040】
なお、本例のシステムのサーバ装置1を運用開始させた直後には、データベース2にプレイリストが蓄積されてなく、そのままではリコメンド曲を決定できないが、予めサンプルとしてプレイリストを用意して、そのサンプルを使用し、ある程度の数のプレイリストが集まった段階で、初期設定されたサンプルデータは使用しないようにしてもよい。
【0041】
なお、上述した実施の形態では、サーバ装置へのプレイリストの送信は、そのプレイリストの送信のためにアクセスなどを行って、リコメンド楽曲のデータを得るための専用の操作を必要としたが、何らかの通信処理などと同時に行うようにしてもよい。例えば、図9に示すように、CDなどのコンテンツ記録媒体の販売店のレジスタ3に、非接触ICカードで代金の決済を行うためのリーダ・ライタ4を接続しておく。そして、商品(CD)9を購入(又はレンタル)するために、ユーザが携帯電話端末装置10の非接触ICカード機能40を使用して、リーダ・ライタ4に近接させて、代金決済用の近距離無線通信を行ったとする。このとき、リーダ・ライタ4との通信で、携帯電話端末装置10が持つプレイリストを、レジスタ3側に転送させ、そのレジスタ3からリコメンド楽曲検出用のサーバに送るようにする。このようにしたことで、ユーザはリコメンド楽曲のデータを得るための専用の操作などが必要なくなる。
【0042】
また、上述した実施の形態では、携帯電話端末装置に、楽曲データを蓄積させて、その蓄積された楽曲データのリストを送って、推薦曲の一覧を返送させるようにしたが、その他の各種端末装置に通信機能を備えさせて、サーバ側にアクセスさせて、同様の推薦曲のデータを得るようにしてもよい。例えば、PDA(Personal Digital Assistance)などのデータ処理端末装置に、インターネットにアクセス可能な通信機能などを内蔵させて、その端末装置に蓄積させたコンテンツのリストに基づいて、同様の処理を行うようにしてもよい。端末装置が所持するコンテンツについても、楽曲データ以外のコンテンツでもよい。例えば、電子書籍データのリストに基づいて、同様の処理を行ってもよい。
【0043】
また、図1に示した例では、推薦曲の一覧を生成させる処理を、専用に用意されたサーバで行う構成としたが、サーバ装置である必要はない。例えば、ユーザが所持する携帯電話端末装置を、別のユーザが所持する携帯電話端末装置と通信して、プレイリストの交換などを行って、他のユーザのプレイリストを集めて、集められた他のユーザのプレイリストの中から、自分のプレイリストと一致度が高いリストを選び出して、その選び出した出したリスト中の自分が持っていない楽曲を検出して、一覧として端末装置に表示させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施の形態によるシステム構成例を示した説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態による端末装置の構成例を示したブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態によるサーバの構成例を示したブロック図である。
【図4】本発明の一実施の形態によるリコメンド楽曲検索処理例を示したフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態によるプレイリストの比較処理に用いる検索基準例を示した説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態によるプレイリストの比較処理例を示した説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態によるリコメンド楽曲の集合選定例を示した説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態によるリコメンド楽曲の順序決め処理例を示した説明図である。
【図9】本発明の他の実施の形態による例(代金支払いと同時に伝送を行う例)を示した説明図である。
【符号の説明】
【0045】
1…サーバ装置、1a…制御部、1b…外部インターフェイス、1c…リコメンド楽曲検索部、1d…表示部、1e…操作部、2…データベース、10…携帯電話端末装置、11…アンテナ、12…無線電話用通信回路、13…音声処理部、14…スピーカ、15…マイクロフォン、16…表示部、17…操作部、18…メモリ、19…制御部、21…振動部、22…発光部、23…制御ライン、24…データライン、30…ハードディスクドライブ装置、40…非接触ICカード機能部、41…近距離通信部、42…アンテナ、50…カメラ部、60…音楽再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを蓄積する第1の通信装置と、該第1の装置と通信を行う第2の装置とで構成されるコンテンツ推薦システムにおいて、
前記第1の通信装置として、
コンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積部と、
前記コンテンツ蓄積部が蓄積したコンテンツに関するリストを記憶するリスト記憶部と、
前記リスト記憶部に記憶されたリストを送信し、外部から推薦コンテンツのデータを受信する通信部と、
前記通信部で受信した推薦コンテンツの一覧を表示させる表示部とを備え、
前記第2の通信装置として、
前記端末装置から送信された前記リストを受信し、推薦コンテンツのデータを送信させる通信部と、
前記通信部が受信した複数の前記リストを蓄積するリスト蓄積部と、
前記リスト蓄積部に蓄積された複数のリストの中から、前記通信部が受信したリストとの一致度が高いリストを取り出し、その取り出されたリストと、前記通信部が受信したリストとを比較して、前記取り出されたリストにだけ存在するコンテンツを、推薦コンテンツとして決定して、その推薦コンテンツに関する情報を前記通信部から送信させる推薦コンテンツ検索部とを備えたことを特徴とする
コンテンツ推薦システム。
【請求項2】
請求項1記載のコンテンツ推薦システムにおいて、
前記推薦コンテンツ検索部は、前記一致度が高いリストを複数取り出し、その取り出された複数のリストの中で、前記通信部が受信したリストにないコンテンツのランキングを行い、そのランキングの上位のコンテンツを、推薦コンテンツとして決定することを特徴とする
コンテンツ推薦システム。
【請求項3】
コンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積部と、
前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツに関するリストを記憶するリスト記憶部と、
前記リスト記憶部に記憶されたリストを送信し、外部から推薦コンテンツのデータを受信する通信部と、
前記通信部で受信した推薦コンテンツの一覧を表示させる表示部とを備え、
前記表示部で表示させる推薦コンテンツは、前記リスト中のコンテンツを判断材料として選ばれるとともに、前記リストに存在しないコンテンツであることを特徴とする
通信端末装置。
【請求項4】
請求項3記載の通信端末装置において、
前記通信部が受信する推薦コンテンツの一覧は、外部に予め用意された複数のリストの中から、前記リスト記憶部に記憶されたリストとの一致度が高いリストを取り出し、その取り出されたリストと、前記記憶されたリストとを比較して、前記取り出されたリストにだけ存在するコンテンツを、推薦コンテンツとして決定したものであることを特徴とする
通信端末装置。
【請求項5】
請求項4記載の通信端末装置において、
さらに、前記一致度が高いリストを複数取り出し、その取り出された複数のリストの中で、前記記憶したリストにないコンテンツのランキングを行い、そのランキングの上位のコンテンツを、推薦コンテンツとして決定することを特徴とする
通信端末装置。
【請求項6】
請求項4記載の通信端末装置において、
前記コンテンツは、楽曲のコンテンツであり、楽曲の曲名、演奏者名、アルバム名の少なくとも1つから、前記一致度の判断を行うことを特徴とする
通信端末装置。
【請求項7】
請求項3記載の通信端末装置において、
前記通信部は、代金決済用の近距離無線通信を行う通信部であり、
前記通信部でのリストの送信は、前記代金決済用の近距離無線通信を行う際に同時に行うことを特徴とする
通信端末装置。
【請求項8】
蓄積したコンテンツに関するリストを外部に転送し、
その転送されたリストと、予め用意されたコンテンツ所持状態に関する複数のリストとを比較して、予め用意された複数のリストの中から、前記転送されたリストとの一致度が高いリストを取り出し、
その取り出されたリストと、前記転送されたリストとを比較して、前記取り出されたリストにだけ存在するコンテンツを、推薦コンテンツとして決定して、その推薦コンテンツに関する情報を前記コンテンツを蓄積した側に送ることを特徴とする
コンテンツ推薦方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−254241(P2006−254241A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−70051(P2005−70051)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】