説明

コンテンツ蓄積再生装置

【課題】視聴予約コンテンツの使用量を加算した使用可能容量を空き容量として表示することにより、録画予約番組のための実際の使用可能容量を表示する。
【解決手段】本発明のコンテンツ蓄積再生装置100は、コンテンツを記憶する記憶部160と、コンテンツの視聴予約および録画予約を受け付ける予約受付部110と、コンテンツ情報に基づき視聴予約コンテンツを視聴開始可能時刻以前に取得し、取得した視聴予約コンテンツを前記コンテンツ情報と関連付けて記憶部160に記憶させて管理する予約管理部120と、予約受付部110による録画予約受付時に、記憶部160の空き容量を算出し、視聴予約コンテンツによる記憶部160の使用量を記憶部160の空き容量に加算して記憶部160の使用可能容量を算出し、当該使用可能容量を記憶部160の空き容量として表示部170に表示するように制御する制御部180とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視聴可能期間が設定されたコンテンツを、コンテンツ配信サーバからネットワーク経由でダウンロードして視聴するコンテンツ配信サービスに用いる、コンテンツ蓄積再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ワンセグの普及により、「携帯端末でテレビ放送を視聴するというスタイル」が一般的に普及している。また、地上波放送の難視聴地域においても番組を視聴できるように、IP網による番組配信も検討されている。IP網による番組配信サービスとしては、地上波放送の再放送の他、「コンテンツ」をダウンロードしてから視聴する番組配信サービスも提供されている。「コンテンツ」とは、メディアが記録・伝送し、人間が観賞するひとまとまりの情報、すなわち、映像や画像、音楽、文章、あるいはそれらの組み合わせたもの(番組など)を意味するものである。
【0003】
新たに作成したコンテンツを配信する場合、コンテンツの価値を高めるためにコンテンツのプロモーション活動が盛んに行われている。このようなプロモーション活動においてはコンテンツに関する情報をコンテンツホルダ(コンテンツの所有者;コンテンツに関して著作権など何らかの権利を保有している人や団体の総称)が管理できるようにする必要がある。そのため、予めコンテンツをダウンロードしてから再生するようなコンテンツ配信サービスにおいても、コンテンツ自体の視聴可能期間(再生可能期間)を制限する方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照のこと)。
また、上記のようなコンテンツ配信サービスに適用可能な録画再生装置としては、複数の録画予約された番組の内、他の録画予約された番組の録画開始時刻より前に録画が終了する番組を「一時録画」として録画予約を受け付け、他の録画予約された番組のために記憶領域が不足した時点で「一時録画」により録画された番組を上書きすることにより、他の録画予約された番組のための使用可能容量(空き容量)を増やして実際の使用可能容量に対応させるようにした番組録画方法が提案されている(例えば、特許文献3を参照のこと)。
【特許文献1】特開2003−22339号公報
【特許文献2】特開2006−202390号公報
【特許文献3】特開2003−179851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
IP網による番組配信サービスの問題点としては、テレビ放送のように予め決められたスケジュールに沿って番組をリアルタイムで配信する場合、複数のユーザが番組を視聴する時間が重なることにより配信サーバへのアクセスが集中し、配信レートが低下したりバッファリングの時間が長くなったりすることが挙げられる。
この問題を解消するために、スケジュールに沿ってリアルタイムで配信する必要のある番組(例えば、ニュースなどの生放送番組)以外の番組(ドラマなどの録画番組)については、視聴予約に応じて予めサーバの負荷が少ないときにダウンロードすることを可能とするとともに、コンテンツの再生可能期間制限(視聴可能期間制限)により番組開始時刻以前には再生できないよう制限をかけておき、番組開始時刻になると、ユーザがあたかも予め決められたスケジュールに沿ってリアルタイムでコンテンツをダウンロードしながら再生しているかのように見せるという方法が提案されている。しかし、この方法を用いた場合、予めダウンロードしたコンテンツは録画再生装置の記憶部の記憶領域を占有して、記憶部の空き容量を減少させてしまう。また、従来、録画再生装置の記憶部の空き容量表示では、録画予約時に録画再生装置の記憶部に存在するデータ量に基づいて空き容量を決定するため、ユーザが記憶部に記憶されていることを意識していない予めダウンロードされた視聴予約番組も記憶部に存在するデータとして扱われ、空き容量が算出されてしまう。
【0005】
本発明は、視聴予約されたコンテンツを予めダウンロードするようなコンテンツ配信サービスを提供する際に、視聴予約コンテンツによる記憶部の使用量を考慮して記憶部の空き容量を表示することにより、録画予約された番組のための実際の使用可能容量に対応する空き容量を表示するコンテンツ蓄積再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係るコンテンツ蓄積再生装置は、コンテンツを記憶する記憶部と、前記記憶部の空き容量を算出するとともに、削除可能なコンテンツによる前記記憶部の使用量を前記記憶部の空き容量に加算して前記記憶部の使用可能容量を算出し、当該使用可能容量を前記記憶部の空き容量として表示手段に表示するように制御する制御部と、を具備して成ることを特徴とする。
【0007】
上記本発明の請求項1に係るコンテンツ蓄積再生装置の好適例としては、前記削除可能なコンテンツは、番組開始時刻前にダウンロードされた視聴予約番組であること、および、前記削除可能なコンテンツは、視聴済みの録画コンテンツであること、がある。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の請求項4に係るコンテンツ蓄積再生装置は、コンテンツを記憶する記憶部と、コンテンツの視聴予約および録画予約を受け付ける予約受付部と、前記予約受付部により視聴予約として受け付けたコンテンツを、当該視聴予約コンテンツのコンテンツ情報に基づき当該視聴予約コンテンツの視聴開始可能時刻以前に取得し、取得した視聴予約コンテンツを前記コンテンツ情報と関連付けて前記記憶部に記憶させて管理を行う予約管理部と、前記予約受付部により録画予約を受け付ける際に、前記記憶部の空き容量を算出するとともに、前記視聴予約コンテンツによる前記記憶部の使用量を前記記憶部の空き容量に加算して前記記憶部の使用可能容量を算出し、当該使用可能容量を前記記憶部の空き容量として表示手段に表示するように制御する制御部と、を具備して成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、削除可能なコンテンツによる記憶部の使用量や視聴予約コンテンツによる前記記憶部の使用量を記憶部の空き容量に加算して算出した使用可能容量を前記記憶部の空き容量として表示手段に表示するから、視聴予約されたコンテンツを予めダウンロードするようなコンテンツ配信サービスを提供する際に、録画予約番組のための実際の使用可能容量を空き容量として表示するコンテンツ蓄積再生装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明のコンテンツ蓄積再生装置を用いる第1実施形態のコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。このコンテンツ配信システムは、コンテンツ蓄積再生装置100と、コンテンツ配信サーバ200と、コンテンツ蓄積再生装置100およびコンテンツ配信サーバ200を接続するネットワーク300とを具備して成り、コンテンツ蓄積再生装置100はユーザ側に設置されており、コンテンツ配信サーバ200はコンテンツ配信サービス提供業者側に設置されている。
なお、以下の説明においては、コンテンツ全般を示す場合には「コンテンツ」という用語を用い、特に放送型コンテンツを示す場合には「番組」という用語を用いる。また、コンテンツ全般の再生を示す場合には「再生」という用語を用い、「番組」の再生を示す場合には「視聴」という用語を用い、コンテンツ全般および放送型コンテンツの両方を示す場合には上記用語をカッコ書きで併記する。
【0011】
コンテンツ配信サーバ200は、コンテンツ管理部210と、記憶部220と、通信部230とを具備して成る。コンテンツ配信サーバ200は、必要に応じて、視聴予約コンテンツ(視聴予約番組)の視聴開始可能時刻情報(再生開始可能時刻情報)の参照先となる時刻情報を生成する参照時刻生成部240を備えてもよい。
コンテンツ管理部210は、コンテンツ配信者の登録操作に応じて、コンテンツを記憶部220に登録(記憶)するとともに、当該コンテンツのコンテンツ情報を内部に登録(記憶)するものである。
コンテンツ情報は、図2に示すように、視聴予約コンテンツ(視聴予約番組)の視聴開始可能時刻情報(再生開始可能時刻情報)および視聴可能終了時刻情報(再生可能終了時刻情報)、ならびに、コンテンツ容量情報(番組容量情報)等により構成されている。上記コンテンツ情報を構成する各情報は、暗号化等の手法によって保護されており、ユーザが改竄できないようになっている。
通信部230は、ユーザが選択したコンテンツをコンテンツ蓄積再生装置100にダウンロードさせるために、ネットワーク300を介してコンテンツ蓄積再生装置100と通信を行うものである。
【0012】
コンテンツ蓄積再生装置100は、携帯電話機、ネットワーク接続機能付きノート型パーソナルコンピュータ(例えば無線LAN搭載ノートパソコン)、ネットワーク接続機能付き携帯ゲーム機、ネットワーク接続機能付きポータブルAV(Audio Visual)プレーヤ等を含む携帯型端末として構成することができ、さらに、ネットワーク接続機能付きデスクトップ型パーソナルコンピュータ、ネットワーク接続機能付き専用端末等の据置型端末としても構成することができる。
【0013】
コンテンツ蓄積再生装置100は、予約受付部110と、予約管理部120と、通信部130と、コンテンツ管理部140と、コンテンツ再生部150と、記憶部160と、表示部170と、予約受付部110〜表示部170を接続される制御部180とを具備して成る。なお、本実施形態のコンテンツ蓄積再生装置100は表示部を内蔵しているが、表示部を内蔵せず外部の表示部(ディスプレイ等)を用いる構成とすることも可能である。
【0014】
予約受付部110は、これから配信(放送)されるコンテンツ(番組)の一覧表を取得したユーザが一覧表の中から選択したコンテンツ(番組)の視聴予約および録画予約を受け付けるものである。上記一覧表には、定期的に配信(放送)されるコンテンツ(番組)を翌週以降も自動的に予約できるような選択肢を用意すると便利である。また、ユーザが検索ワードやコンテンツ(番組)のジャンルといった条件を入力すると、その条件に該当するコンテンツ(番組)を選択できるような手段を上記一覧表に設けてもよい。なお、コンテンツの視聴予約とは、ユーザがコンテンツを視聴するために予約することを意味し、記憶部160に記憶(保存)された視聴予約コンテンツは、当該コンテンツの視聴終了時刻以後に自動的に消去(削除)されるものとする。また、コンテンツの録画予約とは、ユーザがコンテンツを録画するために予約することを意味し、記憶部160に記憶(保存)された録画予約コンテンツは、ユーザが消去(削除)のための操作を行わない限り記憶部160に記憶(保存)されているものとする。
【0015】
予約管理部120は、予約受付部110により視聴予約として受け付けたコンテンツ(番組)を、当該視聴予約コンテンツのコンテンツ情報に基づき当該視聴予約コンテンツの視聴開始可能時刻以前に取得(ダウンロード)し、取得した視聴予約コンテンツを前記コンテンツ情報と関連付けて記憶部160に記憶させて管理を行うものであり、ユーザが視聴予約として選択したコンテンツ(番組)は視聴予約コンテンツ(視聴予約番組)として予約管理部120に登録される。予約管理部120は、予約受付部110により録画予約として受け付けたコンテンツ(番組)を取得(ダウンロード)し、取得した録画予約コンテンツを記憶部160に記憶させて管理を行うものである。また、ユーザが録画予約として選択したコンテンツ(番組)は録画予約コンテンツ(録画予約番組)として予約管理部120に登録される。また、予約管理部120は、図2に示すような視聴予約コンテンツ(視聴予約番組)の視聴開始可能時刻情報(再生開始可能時刻情報)および視聴可能終了時刻情報(再生可能終了時刻情報)、ならびに、コンテンツ容量情報(番組容量情報)を含むコンテンツ情報を取得して、ダウンロードリストに登録する。また、予約管理部120は、録画予約コンテンツ(録画予約番組)のコンテンツ容量情報(番組容量情報)を含むコンテンツ情報を取得して、ダウンロードリストに登録する。なお、ユーザが新たに予約を行った場合や予約を取り消した場合には、ダウンロードリストの更新を行うものとする。
視聴予約コンテンツのダウンロード時に記憶部160の空き容量が十分ある場合には、ユーザの視聴パターンやユーザの予約状況から、視聴予約されていない番組であってもユーザが視聴する可能性の高い番組も視聴予約するようにしてもよい。また、視聴予約コンテンツのダウンロード時に記憶部160の空き容量が十分ではないと判断された場合には、その旨をユーザに通知するようにしてもよい。
【0016】
通信部130は、ユーザが選択したコンテンツをダウンロードするために、ネットワーク300を介してコンテンツ配信サーバ200と通信を行うものである。
コンテンツ管理部140は、視聴予約コンテンツ(視聴予約番組)の視聴開始可能時刻情報(再生開始可能時刻情報)および視聴可能終了時刻情報(再生可能終了時刻情報)より成る視聴予約コンテンツの視聴可能期間情報(再生可能期間情報)と、GPSやコンテンツ配信サーバ200から取得した参照時刻情報または内部クロック等を利用して取得した時刻情報とを比較することにより、記憶部160に記憶(保存)されているコンテンツが視聴(再生)可能か否かを判断するものである。
【0017】
コンテンツ再生部150は、コンテンツ管理部140により記憶部160に記憶(保存)されているコンテンツが視聴(再生)可能であると判断された場合に、当該コンテンツを再生するものである。
なお、ユーザがコンテンツ(番組)の視聴を開始するときに、そのコンテンツ(番組)が視聴予約されており、ダウンロードが終了していて、視聴可能期間内(再生可能期間内)であると判断された場合には、ダウンロードされたコンテンツ(番組)が再生されるが、視聴予約されていないコンテンツ(番組)であったり、視聴予約されているコンテンツ(番組)であるが全くダウンロードされていなかったりした場合には、放送波やIPストリーミングによる再生に切り換えるものとする。また、視聴予約されているコンテンツ(番組)であるがダウンロードが途中で中断されて不完全な場合には、当該コンテンツ(番組)のダウンロード済みの部分まで再生した後、放送波やIPストリーミングによる再生に切り換えるようにしてもよい。あるいは、再生中にもコンテンツ(番組)のダウンロードを継続して、できる限り長くダウンロード済みのコンテンツ(番組)を再生できるようにしてもよい。その場合、ストリーミング再生を行うユーザからのアクセスが番組開始時に集中することが予想されるので、コンテンツ(番組)の放送開始時刻より後にずらしてダウンロードを開始するようにしてもよい。
【0018】
記憶部160は、予約管理部120からの指示に基づいて、視聴予約コンテンツおよび録画予約コンテンツ(以下、録画コンテンツともいう)を記憶(保存)するとともに、上記コンテンツ情報を登録するためのダウンロードリストを記憶(保存)するものである。
表示部170は、コンテンツ管理部140により記憶部160に記憶(保存)されているコンテンツが視聴(再生)可能であると判断された場合、当該コンテンツを再生してユーザに視聴させたり、ユーザによるコンテンツの選択時にコンテンツ(番組)の一覧表やコンテンツ情報を表示したりするものである。なお、本発明では、情報を画像情報として表示するディスプレイ等の表示部を用いているが、情報を音声情報として表示する音声表示装置を併用してもよい。
【0019】
制御部180は、接続された予約受付部110〜表示部170の動作を制御するものであり、以下の(1)〜(3)の機能を有している。
(1)記憶部160の空き容量を算出するとともに、削除可能なコンテンツによる記憶部160の使用量を記憶部160の空き容量に加算して記憶部160の使用可能容量を算出し、当該使用可能容量を記憶部160の空き容量として表示部170に表示するように制御する機能。
(2)予約受付部110により録画予約を受け付ける際に、記憶部160の空き容量を算出するとともに、視聴予約コンテンツによる記憶部160の使用量を記憶部160の空き容量に加算して記憶部160の使用可能容量を算出し、当該使用可能容量を記憶部160の空き容量として表示部170に表示するように制御する機能。
(3)録画予約時に、当該録画予約コンテンツ(録画予約番組)による記憶部160の使用量と、上記(1)、(2)によって算出した記憶部160の使用可能容量とを比較して、当該録画予約コンテンツ(録画予約番組)を録画するために必要とする記憶容量が使用可能容量より大きい場合には、表示部170に「予約不可」を表示させるように制御し、当該録画予約コンテンツ(録画予約番組)を録画するために十分な使用可能容量があれば、予約管理部120により当該録画予約コンテンツ(録画予約番組)をダウンロードリストに登録させるように制御する機能。
【0020】
なお、削除可能なコンテンツとしては、「番組開始時刻前にダウンロードされた視聴予約番組」および「視聴済みの録画予約コンテンツ(録画コンテンツ)」がある。
「視聴予約」は、予約した番組の放送開始時刻をユーザに知らせて、視聴アプリケーションを起動して当該視聴予約番組のダウンロードを開始し、当該視聴予約番組をリアルタイム(オンタイム)で視聴させることを目的としており、予約した番組を録画する「録画予約」とは目的が異なるため、ユーザは、視聴予約番組が予めダウンロードされて自分のコンテンツ蓄積再生装置100の記憶部160に記憶(保存)されている場合、そのこと認識していない。視聴予約番組を記憶部160に記憶(保存)する行為は、放送開始時刻にユーザ(視聴者)が同時にダウンロードを開始することによりコンテンツ配信サーバ200に集中する負荷を分散させるために「放送開始時刻前に予めダウンロードさせておきたい」という、サーバ側の都合によるものである。したがって、視聴予約番組は、ダウンロードができなかったとしても、放送開始時刻にリアルタイム(オンタイム)でダウンロードすることができるので、削除しても構わないコンテンツである。
また、「視聴済みの録画予約コンテンツ」は、例えば、視聴制限のあるコンテンツにおいて、視聴可能期間内ではあるが、当該コンテンツに設定された「視聴可能回数(1回または複数回)」だけ視聴を行った結果、記憶部160に残しておいても視聴(再生)できないため、削除しても構わないコンテンツである。なお、視聴可能期間の設定されたコンテンツであって、「視聴しない内に視聴可能期間が終了してしまった録画予約コンテンツ」も、記憶部160に残しておいても視聴(再生)できないため、削除しても構わないコンテンツである。上記「視聴済みの録画予約コンテンツ」および「視聴しない内に視聴可能期間が終了してしまった録画予約コンテンツ」は、無条件で削除するとユーザの意に反する場合があるので、削除する前に「削除する旨の警告」を表示したり、削除後に、削除した録画予約コンテンツについて、「削除した旨の情報」を記憶部160に残しておくようにすることが好ましい。
【0021】
次に、本発明のコンテンツ蓄積再生装置100における録画予約時の記憶部160の空き容量(残量)の表示動作を、「番組」の場合を用いて図3〜図8に基づいて説明する。
【0022】
コンテンツ蓄積装置100は、録画予約画面において、録画可能な記憶容量を表示部170に表示するが、通常は、図3に示すように、記憶部160の空き容量(残量)を録画可能な記憶容量として表示する。図3の例では、記憶部160の全記憶容量を100Gbyteとしたとき、使用中領域が96Gbyteであるため、空き容量は4Gbyteとなる。
しかし、図4に示すように、視聴予約番組がダウンロードされている場合、その視聴予約番組の使用量(占有容量)も使用中領域に含まれるため、実際の録画可能な記憶容量より少ない容量が表示されることになる。
したがって、実際の録画可能な記憶容量を表示させるためには、図5に示すように、図3、図4における空き容量にダウンロード済み視聴予約番組の使用量を加えた使用可能容量を算出すればよい。図3の例では、記憶部160の全記憶容量を100Gbyteとしたとき、使用中領域が80Gbyteであるため、使用可能容量は20Gbyteとなる。
【0023】
図6は本発明のコンテンツ蓄積再生装置における録画予約時の動作を示すシーケンス図である。まず、表示部170に表示された「一覧表」を見たユーザにより録画予約番組が選択されると、当該録画予約番組は予約管理部120に登録される。次に、制御部180は、予約管理部120に登録されている視聴予約番組による記憶部160の使用量(視聴予約番組が複数の場合は合計使用量)を参照することにより、後述する図7に示すようにして記憶部160の使用可能容量を算出する。この使用可能容量は、制御部180によって予約管理部120に通知されるとともに、表示部170に表示される。その後、制御部180は、当該録画予約番組を録画するために必要な記憶部160の記憶容量と、後述する図7に示すようにして算出した記憶部160の使用可能容量とを比較し、当該録画予約番組を録画するために必要な記憶容量が使用可能容量より大きい場合には、予約管理部120によって表示部170に「予約不可」を表示させるように制御し、当該録画予約番組の録画に十分な使用可能容量があれば、予約管理部120により当該録画予約番組を記憶部160内のダウンロードリストに登録させるとともに、表示部170に「予約完了」を表示させるように制御する。
【0024】
図7は本発明のコンテンツ蓄積再生装置において実施される記憶部の使用可能容量の算出処理を示すフローチャートである。まず、図7のステップS11では、要求されているものが「視聴予約番組の使用量を考慮しない、記憶部160の空き容量」であるか、「視聴予約番組の使用量を考慮した、記憶部160の使用可能容量」であるかを判定し、「視聴予約番組の使用量を考慮しない、記憶部160の空き容量」であればステップS12以降に進み、「視聴予約番組の使用量を考慮した、記憶部160の使用可能容量」であればステップS14以降に進む。なお、「視聴予約番組の使用量を考慮しない、記憶部160の空き容量」は、オペレーションシステム(OS)等によって視聴予約された視聴予約コンテンツの記憶容量も記憶部160の使用量に含める場合の、記憶部160の空き容量が必要になった場合に用いられるものである。
【0025】
空き容量の要求時に進むステップS12では、記憶部160の全記憶容量から使用中容量を減算することにより記憶部160の空き容量を算出(取得)し、次のステップS13では、記憶部160の空き容量を予約管理部120に通知する。この記憶部160の空き容量は、制御部180の表示指令に基づいて表示部170に表示されることになる。
【0026】
一方、使用可能容量の要求時に進むステップS14では、記憶部160の全記憶容量から使用中容量を減算することにより記憶部160の空き容量を算出(取得)し、次のステップS15では、視聴予約番組による記憶部160の使用量を取得し、次のステップS16では、記憶部160の空き容量に視聴予約番組による記憶部160の使用量を加算した記憶部160の使用可能容量を算出(取得)する。そして、次のステップS17では、使用可能容量を記憶部160の空き容量として予約管理部120に通知する。この記憶部160の空き容量は、制御部180の表示指令に基づいて表示部170に表示されることになる。
【0027】
なお、図7はコンテンツ蓄積再生装置100の記憶部160にコンテンツとしての番組(動画像データ)を記憶(保存)する場合を示しているが、コンテンツ蓄積再生装置100の記憶部160に、カメラ機能によってコンテンツとしての静止画像データを記憶(保存)したり、音楽データダウンロード機能によってコンテンツとしての音楽データをダウンロードして記憶(保存)したりする場合にも本発明を適用することができる。その場合、図8のフローチャートのステップS21では、記憶部160の全記憶容量から使用中容量を減算することにより記憶部160の空き容量を算出(取得)し、次のステップS22では、視聴予約番組による記憶部160の使用量を取得し、次のステップS23では、記憶部160の空き容量に視聴予約番組による記憶部160の使用量を加算した記憶部160の使用可能容量を算出(取得)する。次のステップS24では、要求されているものが「音楽データの録音可能時間(ダウンロード可能時間;ダウンロード可能曲数に換算してもよい)」であるか、「静止画像データの保存可能枚数」であるかを判定し、「音楽データの録音可能時間」であれば、ステップS25で使用可能容量を録音可能時間に変換して、記憶部160の空き容量として予約管理部120に通知し、「静止画像データの保存可能枚数」であれば、ステップS26で使用可能容量を保存可能枚数に変換して、記憶部160の空き容量として予約管理部120に通知する。
【0028】
本発明のコンテンツ蓄積再生装置100によれば、削除可能なコンテンツによる記憶部160の使用量である、予約管理部120に登録された視聴予約番組による記憶部160の使用量を前記記憶部160の空き容量に加算して算出した使用可能容量を記憶部160の空き容量として表示部170に表示するので、視聴予約されたコンテンツ(番組)を予めダウンロードするようなコンテンツ配信サービスを提供する際に、録画予約番組のための実際の使用可能容量を空き容量として表示部170に表示することができ、記憶部160の空き容量の表示精度が向上する。
また、本発明のコンテンツ蓄積再生装置100によれば、コンテンツ配信サーバ200の負荷の低いときに視聴予約番組をダウンロードしておくことにより、配信サーバの負荷を低減することが可能になる。
さらに、本発明のコンテンツ蓄積再生装置100によれば、番組等の動画像データに限らず、カメラ機能によって撮影した静止画像データや、ダウンロード機能によってダウンロードした音楽データを記憶部160に記憶(保存)する場合にも、視聴予約番組による記憶部160の使用量を加算した記憶部160の空き容量を静止画像データの保存可能枚数や音楽データの録音可能時間に変換して表示することができるため、記憶部160の記憶領域をより有効に使用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のコンテンツ蓄積再生装置を用いる第1実施形態のコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のコンテンツ蓄積再生装置に配信されるコンテンツのコンテンツ情報を示す図である。
【図3】本発明のコンテンツ蓄積再生装置における録画予約時の記憶部の空き容量を説明するための図である。
【図4】本発明のコンテンツ蓄積再生装置における録画予約時の記憶部の空き容量を説明するための図である。
【図5】本発明のコンテンツ蓄積再生装置における録画予約時の記憶部の空き容量を説明するための図である。
【図6】本発明のコンテンツ蓄積再生装置における録画予約時の記憶部の空き容量の表示動作を説明するためのシーケンス図である。
【図7】本発明のコンテンツ蓄積再生装置において実施される記憶部の使用可能容量の算出処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明のコンテンツ蓄積再生装置において実施される記憶部の使用可能容量の算出処理を適用して使用可能容量を静止画像データの保存可能枚数や音楽データの録音可能時間に変換して表示する例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0030】
100 コンテンツ蓄積再生装置
110 予約受付部
120 予約管理部
130 通信部
140 コンテンツ管理部
150 コンテンツ再生部
160 記憶部
170 表示部
180 制御部
200 コンテンツ配信サーバ
210 コンテンツ管理部
220 記憶部
230 通信部
240 参照時刻生成部
300 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを記憶する記憶部と、
前記記憶部の空き容量を算出するとともに、削除可能なコンテンツによる前記記憶部の使用量を前記記憶部の空き容量に加算して前記記憶部の使用可能容量を算出し、当該使用可能容量を前記記憶部の空き容量として表示手段に表示するように制御する制御部と、を具備して成ることを特徴とするコンテンツ蓄積再生装置。
【請求項2】
前記削除可能なコンテンツは、番組開始時刻前にダウンロードされた視聴予約番組であることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ蓄積再生装置。
【請求項3】
前記削除可能なコンテンツは、視聴済みの録画コンテンツであることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ蓄積再生装置。
【請求項4】
コンテンツを記憶する記憶部と、
コンテンツの視聴予約および録画予約を受け付ける予約受付部と、
前記予約受付部により視聴予約として受け付けたコンテンツを、当該視聴予約コンテンツのコンテンツ情報に基づき当該視聴予約コンテンツの視聴開始可能時刻以前に取得し、取得した視聴予約コンテンツを前記コンテンツ情報と関連付けて前記記憶部に記憶させて管理を行う予約管理部と、
前記予約受付部により録画予約を受け付ける際に、前記記憶部の空き容量を算出するとともに、前記視聴予約コンテンツによる前記記憶部の使用量を前記記憶部の空き容量に加算して前記記憶部の使用可能容量を算出し、当該使用可能容量を前記記憶部の空き容量として表示手段に表示するように制御する制御部と、を具備して成ることを特徴とするコンテンツ蓄積再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−111779(P2009−111779A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282437(P2007−282437)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】