説明

コンテンツ表示システム、コンテンツ表示方法、コンテンツ表示端末及びプログラム

【課題】利用者が本文コンテンツを読む妨げにならないように参照コンテンツを表示するコンテンツ表示システム等を提供する。
【解決手段】端末3は、「用語の選択」の入力イベントを検出すると(S2の「用語の選択」)、表示中のページにおいて指定された重要語32と、表示中のページのページ番号31とを取得し(S3)、重要語32とページ番号31とに基づいて重要語ファイル22を検索し、表示対象の参照コンテンツを決定し(S4)、ページ番号31に基づいて重要語ファイル22を検索し、重要語リストを抽出し(S5)、重要語リストに含まれる重要語の文字装飾を変更することによって、表示対象の参照コンテンツ42を加工し(S6)、加工された表示対象の参照コンテンツ42を表示する(S7)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示中の電子書籍の本文コンテンツに関連する参照コンテンツを表示するコンテンツ表示システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子書籍の普及に伴い、電子書籍を閲覧するための端末やソフトウエアの利便性を向上するための様々な手法が提案されている。例えば、特許文献1には、電子書籍に出てくる言葉に関連する適切な情報を迅速に取得可能な電子書籍表示装置等が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の電子書籍表示装置等では、利用者の指示により、電子書籍のコンテンツの中の利用者により指定された文字列であるキーワードに関連するキーワード関連情報の、インターネットに接続されているサーバからの取得を制御し、キーワード関連情報を更新する間隔である第1の更新間隔を設定し、キーワード関連情報の記憶手段への記憶を制御し、第1の更新間隔に基づいて、記憶手段に記憶されているキーワード関連情報を更新する期限を過ぎているか否かを判定し、期限を過ぎている場合、キーワード関連情報をサーバから取得するようにキーワード関連情報の取得を制御し、記憶手段に記憶されているキーワード情報をサーバから取得されたキーワード関連情報に更新し、記憶手段に記憶されているキーワード関連情報の取得を制御する場合には、電子書籍に出てくる言葉に関連する情報を保存することができる。また、電子書籍に出てくる言葉に関連する適切な情報を迅速に取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−331056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、表示中の電子書籍の本文コンテンツに関連する参照コンテンツ(例えば、特許文献1における「電子書籍に出てくる言葉に関連する適切な情報」など)のコンテンツ量が多い場合、本文コンテンツを読む妨げになることが考えられる。例えば、利用者が、歴史書の電子書籍における「足利義昭」について書かれたページを閲覧中に、「織田信長」に関連する参照コンテンツの表示を指示した場合を考える。この場合、利用者は、「足利義昭」に関係する情報(例えば、「織田信長」と「足利義昭」との関係など)のみを閲覧したい。しかしながら、「織田信長」に関連する参照コンテンツには、「足利義昭」との関係の他に、「徳川家康」や「豊臣秀吉」等との関係、「桶狭間の戦い」や「長篠の戦い」等の説明等の様々な情報が含まれている。つまり、参照コンテンツのコンテンツ量が多い場合、利用者は、大量の情報の中から所望の情報を探さなければならない。ひいては、利用者は、本文コンテンツを読み進めることができず、本文コンテンツを読む妨げになる。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、利用者が本文コンテンツを読む妨げにならないように参照コンテンツを表示するコンテンツ表示システム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために第1の発明は、電子書籍の本文コンテンツのページ識別情報ごとに、前記本文コンテンツの各ページに登場する重要語と、前記重要語に関連する参照コンテンツの識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、表示中のページにおいて指定された前記重要語と、表示中のページの前記ページ識別情報とを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記重要語と前記ページ識別情報とに基づいて前記記憶手段を検索し、表示対象の前記参照コンテンツを決定する決定手段と、前記取得手段によって取得された前記ページ識別情報に基づいて前記記憶手段を検索し、重要語リストを抽出する抽出手段と、前記決定手段によって決定された表示対象の前記参照コンテンツに対して、前記抽出手段によって抽出された前記重要語リストに含まれる前記重要語の文字装飾を変更する加工手段と、前記加工手段によって加工された表示対象の前記参照コンテンツを表示する表示手段と、を具備することを特徴とするコンテンツ表示システムである。第1の発明によって、利用者は、参照コンテンツのどこを閲覧すれば良いか、容易に判別することができる。ひいては、利用者は、すぐに本文コンテンツを読み進めることができ、参照コンテンツの表示処理が、本文コンテンツを読む妨げにならない。
【0008】
第1の発明における前記加工手段は、前記重要語毎に、或いは前記重要語の品詞毎に、異なる文字装飾に変更することが望ましい。これによって、利用者は、参照コンテンツのどこを閲覧すれば良いか、容易に判別することができるとともに、閲覧すべき箇所を見落とすことが無い。
【0009】
第1の発明における前記表示手段は、前記本文コンテンツと前記参照コンテンツを並列表示することが望ましい。これによって、利用者は、本文コンテンツの重要語と参照コンテンツの重要語とを比較して閲覧することができる。
【0010】
第2の発明は、電子書籍の本文コンテンツのページ識別情報ごとに、前記本文コンテンツの各ページに登場する重要語と、前記重要語に関連する参照コンテンツの識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段を具備するコンテンツ表示システムにおけるコンテンツ表示方法であって、表示中のページにおいて指定された前記重要語と、表示中のページの前記ページ識別情報とを取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された前記重要語と前記ページ識別情報とに基づいて前記記憶手段を検索し、表示対象の前記参照コンテンツを決定する決定ステップと、前記取得ステップによって取得された前記ページ識別情報に基づいて前記記憶手段を検索し、重要語リストを抽出する抽出ステップと、前記決定ステップによって決定された表示対象の前記参照コンテンツに対して、前記抽出ステップによって抽出された前記重要語リストに含まれる前記重要語の文字装飾を変更する加工ステップと、前記加工ステップによって加工された表示対象の前記参照コンテンツを表示する表示ステップと、を含むことを特徴とするコンテンツ表示方法である。第2の発明は、第1の発明と同様の効果を奏する。
【0011】
第3の発明は、電子書籍の本文コンテンツのページ識別情報ごとに、前記本文コンテンツの各ページに登場する重要語と、前記重要語に関連する参照コンテンツの識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、表示中のページにおいて指定された前記重要語と、表示中のページの前記ページ識別情報とを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記重要語と前記ページ識別情報とに基づいて前記記憶手段を検索し、表示対象の前記参照コンテンツを決定する決定手段と、前記取得手段によって取得された前記ページ識別情報に基づいて前記記憶手段を検索し、重要語リストを抽出する抽出手段と、前記決定手段によって決定された表示対象の前記参照コンテンツに対して、前記抽出手段によって抽出された前記重要語リストに含まれる前記重要語の文字装飾を変更する加工手段と、前記加工手段によって加工された表示対象の前記参照コンテンツを表示する表示手段と、を具備することを特徴とするコンテンツ表示端末である。第3の発明は、第1の発明及び第2の発明と同様の効果を奏する。
【0012】
第4の発明は、コンピュータを、電子書籍の本文コンテンツのページ識別情報ごとに、前記本文コンテンツの各ページに登場する重要語と、前記重要語に関連する参照コンテンツの識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、表示中のページにおいて指定された前記重要語と、表示中のページの前記ページ識別情報とを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記重要語と前記ページ識別情報とに基づいて前記記憶手段を検索し、表示対象の前記参照コンテンツを決定する決定手段と、前記取得手段によって取得された前記ページ識別情報に基づいて前記記憶手段を検索し、重要語リストを抽出する抽出手段と、前記決定手段によって決定された表示対象の前記参照コンテンツに対して、前記抽出手段によって抽出された前記重要語リストに含まれる前記重要語の文字装飾を変更する加工手段と、前記加工手段によって加工された表示対象の前記参照コンテンツを表示する表示手段と、して機能させるためのプログラムである。第4の発明を汎用のコンピュータにインストールすることによって、第1の発明又は第2の発明を得ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、利用者が本文コンテンツを読む妨げにならないように参照コンテンツを表示するコンテンツ表示システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンテンツ表示システムの構成例を示す図である。
【図2】サーバのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【図3】サーバの記憶部に記憶されるデータベースを示す図である。
【図4】重要語ファイルの一例を示す図である。
【図5】コンテンツ表示処理を説明するフローチャートである。
【図6】本文コンテンツの画面表示例を示す図である。
【図7】参照コンテンツの一例を示す図である。
【図8】参照コンテンツ及び本文コンテンツの画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0016】
[本発明の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係るコンテンツ表示システム1の構成例を示す図である。コンテンツ表示システム1は、表示中の電子書籍の本文コンテンツに関連する参照コンテンツを表示するシステムである。
【0017】
図1に示すコンテンツ表示システム1は、サーバ2、端末3がネットワーク5を介して相互に接続されることで構成される。なお、サーバ2、端末3の数は、任意であり、それぞれ複数設けることも勿論可能である。
【0018】
サーバ2は、CPU(Central
Processing Unit)、ROM(Read Only
Memory)、RAM(Random Access
Memory)、HDD(Hard Disc Drive)等からなるコンピュータシステムであり、端末3からネットワーク5を介して受信した、参照コンテンツの提示要求に基づいて、サーバ2に記憶されている参照コンテンツを検索し、検索した参照コンテンツを検索結果として提示(返信)する。
【0019】
端末3は、CPU、ROM、RAM、HDD、入力部、および表示部などを実装したコンピュータである。端末3は、表示部に電子書籍の本文コンテンツを表示する。また、端末3は、利用者による入力情報を受け付けて、ネットワーク5を介してサーバ2に参照コンテンツの提示要求を送信し、サーバ2から参照コンテンツを受信して、表示部に参照コンテンツを表示する。
【0020】
ネットワーク5は、LAN(Local
Area Network)やインターネット等のネットワークであり、有線、無線は特に問わない。
【0021】
図2は、サーバ2のハードウェアの構成例を示すブロック図である。なお、図2のハードウェア構成は一例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。また、端末3もサーバ2と同様の構成を有する。
【0022】
サーバ2(端末3)を実現するコンピュータは、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15等が、バス16を介して接続される。
【0023】
制御部11は、CPU、ROM、RAM等で構成される。CPUは、記憶部12、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス16を介して接続された各装置を駆動制御し、サーバ2(端末3)が行う後述する処理を実現する。ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS(Basic Input/Output System)等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。RAMは、揮発性メモリであり、記憶部12、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部11が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
【0024】
記憶部12は、HDDであり、制御部11が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等が格納される。プログラムに関しては、OS(オペレーティングシステム)に相当する制御プログラムや、後述する処理をコンピュータに実行させるためのアプリケーションプログラムが格納されている。これらの各プログラムコードは、制御部11により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
【0025】
通信部13は、通信制御装置、通信ポート等を有し、コンピュータとネットワーク5間の通信を媒介する通信インターフェイスであり、ネットワーク5を介して、他のコンピュータ間との通信制御を行う。
【0026】
入力部14は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー、タッチパネル等の入力装置を有する。入力部14を介して、コンピュータに対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
【0027】
表示部15は、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。バス16は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。尚、入力部14及び表示部15は、タッチパネル付ディスプレイのように、一体となっていても良い。
【0028】
図3は、サーバ2の記憶部12に記憶されるデータベースを示す図である。図3に示すように、サーバ2の記憶部12には、参照コンテンツDB(データベース)21が記憶される。
【0029】
参照コンテンツDB21は、電子書籍に登場する複数の重要語ごとに、関連する参照コンテンツを保持する。参照コンテンツDB21は、例えば、複数の電子書籍から汎用的に参照される参照コンテンツを保持する。複数の電子書籍から汎用的に参照される参照コンテンツの場合、コンテンツ量が多くなる傾向がある。本発明の実施の形態では、コンテンツ量が多い参照コンテンツであっても、利用者が本文コンテンツを読む妨げにならないように表示する。
【0030】
図4は、重要語ファイル22の一例を示す図である。重要語ファイル22は、電子書籍ごとに作成されるファイルである。重要語ファイル22には、ページ番号31ごとに、重要語32及び参照コンテンツ名33が記憶されている。
【0031】
ページ番号31は、電子書籍の本文コンテンツのページ番号(ページ識別情報)を示す。重要語32は、電子書籍の本文コンテンツの各ページに登場する重要なキーワード(用語)を示す。参照コンテンツ名33は、重要語32に関連する参照コンテンツのファイル名(識別番号)を示す。
【0032】
本発明の実施の形態では、図5に示すコンテンツ表示処理を実行する前に、例えば、サーバ2が、電子書籍の本文コンテンツを形態素解析し、重要語抽出技術(公知技術)等により、重要なキーワードの抽出を行う。そして、サーバ2は、抽出された重要なキーワードが登場するページ番号をページ番号31とし、抽出された重要なキーワードを重要語32とし、重要語32に関連付ける参照コンテンツのファイル名を参照コンテンツ名33として、重要語ファイル22を作成する。作成された重要語ファイル22は、電子書籍の本文コンテンツとともに、端末3に配信され、端末3の記憶部12に記憶される。
【0033】
図4に示す例では、ページ番号31が「5」のページに対して、重要語32が4つ(「織田信長」、「武田信玄」、「足利義昭」、「本能寺の変」)抽出されている。また、「織田信長」に対しては参照コンテンツ名33が「odanobunaga.html」の参照コンテンツ、「武田信玄」に対しては参照コンテンツ名33が「takedashingen.html」の参照コンテンツ、「足利義昭」に対しては参照コンテンツ名33が「ashikagayoshiaki.html」の参照コンテンツ、「本能寺の変」に対しては参照コンテンツ名33が「honnoujinohen.html」の参照コンテンツが関連付けられている。
【0034】
図5は、コンテンツ表示処理を説明するフローチャートである。図5に示すフローチャートは、端末3の制御部11が実行する。以下では、図5に基づいてコンテンツ表示処理を説明しながら、必要に応じて図6〜図8を参照する。図5に示すフローチャートでは、電子書籍の本文コンテンツが端末3の表示部15に表示されている状態が前提となる。
【0035】
図6は、本文コンテンツの画面表示例41を示す図である。図6に示すように、本文コンテンツは、参照コンテンツが閲覧可能な用語について、他の文字の文字装飾と異なる文字装飾によって表示(ハイライト表示)される。これによって、利用者は、どの用語が参照コンテンツを閲覧できるかを容易に判別することができる。
【0036】
図6に示す画面表示例41では、「本能寺の変」、「織田信長」、「足利義昭」、「武田信玄」が、参照コンテンツが閲覧可能な用語である。これらの用語には、他の文字の文字装飾と異なる文字装飾として、傍線が引かれている。尚、当然ながら、参照コンテンツが閲覧可能な用語の文字装飾は、図6に示す文字装飾に限定されるものではない。例えば、文字装飾の違いとしては、文字色の違い、文字サイズの違い、文字フォント(明朝体、ゴシック体等)の違い、スタイル(標準、斜体、太字等)の違い、傍線の有無、傍点の有無、囲み線の有無等が考えられる。
【0037】
電子書籍の閲覧の開始が指示されると、端末3の制御部11は、図6に示すように本文コンテンツを表示部15に表示し、入力イベント待ちの状態となる(S1)。ここで、入力イベントとは、利用者が、入力部14を介して何らかの入力を行うことである。端末3の制御部11は、割込処理によって入力イベントを検出すると、S2の判定処理に進む。
【0038】
端末3の制御部11は、入力イベントの内容を判定する(S2)。図5では、一例として、3つの入力イベント(「用語の選択」、「ページ送りの指示」、「参照コンテンツの非表示」)を図示している。
【0039】
「用語の選択」は、利用者が、入力部14を介して、表示部15に表示されている表示中のページにおいて、参照コンテンツが閲覧可能な用語を1つ指定することである。入力部14及び表示部15がタッチパネル付ディスプレイの場合、利用者は、用語の表示領域を指先等によって触れる動作(タップ動作)を行うことによって、「用語の選択」を行う。
【0040】
「ページ送りの指示」は、利用者が、入力部14を介して、表示部15に表示されている表示中のページにおいて、次のページの表示を指示することである。入力部14及び表示部15がタッチパネル付ディスプレイの場合、利用者は、ページ送りの指示領域を指先等によって触れる動作(タップ動作)を行うことによって、「ページ送りの指示」を行う。図6に示すように、電子書籍の本文コンテンツが縦書きの場合、ページ送りの指示領域は、例えば、画面の左下の領域である。或いは、利用者は、画面に指先等を触れた状態で、指先等をスライドする動作(フリック動作)を行うことによって、「ページ送りの指示」を行うこともできる。
【0041】
「参照コンテンツの非表示の指示」は、表示部15に参照コンテンツが表示されている場合、利用者が、入力部14を介して、参照コンテンツの非表示を指示することである。入力部14及び表示部15がタッチパネル付ディスプレイの場合、利用者は、参照コンテンツ非表示の指示領域を指先等によって触れる動作(タップ動作)を行うことによって、「参照コンテンツの非表示の指示」を行う。図6に示すように、電子書籍の本文コンテンツが縦書きの場合、参照コンテンツ非表示の指示領域は、例えば、参照コンテンツが閲覧不可能な用語の表示領域である。
【0042】
制御部11は、「用語の選択」の入力イベントを検出すると(S2の「用語の選択」)、表示中のページにおいて指定された重要語32(=参照コンテンツが閲覧可能な用語)と、表示中のページのページ番号31とを取得する(S3)。以下では、表示中のページにおいて指定された重要語32が「織田信長」、表示中のページのページ番号31が「5」の場合を例にして説明する。
【0043】
次に、制御部11は、S3において取得された重要語32とページ番号31とに基づいて重要語ファイル22を検索し、表示対象の参照コンテンツを決定する(S4)。S3において取得された重要語32が「織田信長」、ページ番号31が「5」なので、制御部11は、図4に示す重要語ファイル22から、参照コンテンツ名33が「odanobunaga.html」の参照コンテンツを表示対象として特定する。
【0044】
制御部11は、表示対象の参照コンテンツを決定すると、ネットワーク5を介してサーバ2に参照コンテンツの提示要求を送信する。提示要求には、表示対象の参照コンテンツの識別情報(「odanobunaga.html」)が含まれる。サーバ2は、端末3からネットワーク5を介して受信した、参照コンテンツの提示要求に基づいて、参照コンテンツDB21に記憶されている参照コンテンツを検索し、検索した参照コンテンツを検索結果として端末3に返信する。端末3は、サーバ2から参照コンテンツを受信して、後続の処理に用いる。
【0045】
次に、制御部11は、S3において取得されたページ番号31に基づいて重要語ファイル22を検索し、重要語リストを抽出する(S5)。但し、参照コンテンツに関連する用語は重要語リストに含めないものとする。S3において取得されたページ番号31が「5」なので、制御部11は、図4に示す重要語ファイル22から、重要語32が「織田信長」、「武田信玄」、「足利義昭」、「本能寺の変」のうち、参照コンテンツに関連する用語の「織田信長」を除き、「武田信玄」、「足利義昭」、「本能寺の変」の3つの重要語を、重要語リストとして抽出する。
【0046】
次に、制御部11は、S4において決定された表示対象の参照コンテンツに対して、S5において抽出された重要語リストに含まれる重要語の文字装飾を変更することによって、表示対象の参照コンテンツを加工し(S6)、加工された表示対象の参照コンテンツを表示部15に表示する(S7)。文字装飾の変更としては、例えば、文字色の変更、文字サイズの変更、文字フォント(明朝体、ゴシック体等)の変更、スタイル(標準、斜体、太字等)の変更、傍線有無の変更、傍点有無の変更、囲み線有無の変更等が考えられる。
【0047】
図7は、参照コンテンツ42の一例を示す図である。図7に示す参照コンテンツ42は、全ての文字に対して同一の文字装飾がなされている。S6では、制御部11は、参照コンテンツ42に対して、重要語リスト(「武田信玄」、「足利義昭」、「本能寺の変」)に含まれる重要語である「足利義昭」、「本能寺の変」の文字装飾を変更する。これによって、利用者は、参照コンテンツ42のどこを閲覧すれば良いか、容易に判別することができる。ひいては、利用者は、すぐに本文コンテンツを読み進めることができ、参照コンテンツ42の表示処理が、本文コンテンツを読む妨げにならない。
【0048】
図8は、参照コンテンツ42及び本文コンテンツの画面表示例43を示す図である。制御部11は、図8に示す画面表示例43のように、本文コンテンツと参照コンテンツ42を並列表示する。これによって、利用者は、本文コンテンツの重要語と参照コンテンツ42の重要語とを比較して閲覧することができる。
【0049】
制御部11は、少なくとも、指定された重要語32(「織田信長」)に重ならない位置に、参照コンテンツ42を表示する。また、可能であれば、制御部11は、指定された重要語32以外の重要語32(「武田信玄」、「足利義昭」、「本能寺の変」)に重ならない位置に、参照コンテンツ42を表示することが望ましい。
【0050】
図8の画面表示例43では、「足利義昭」が実線の囲み線によって囲まれている。また、「本能寺の変」が点線の囲み線によって囲まれている。このように、制御部11は、重要語毎に、或いは重要語の品詞毎に、異なる文字装飾に変更することが望ましい。これによって、利用者は、参照コンテンツ42のどこを閲覧すれば良いか、容易に判別することができるとともに、閲覧すべき箇所を見落とすことが無い。
【0051】
図5の説明に戻る。制御部11は、S7の処理後、入力イベント待ちの状態(S1)に戻る。
【0052】
制御部11は、「ページ送りの指示」の入力イベントを検出すると(S2の「ページ送りの指示」)、参照コンテンツ42が表示されている場合には、参照コンテンツ42の表示処理を終了し(S8)、次ページを表示する(S9)。これによって、参照コンテンツ42が次ページに表示されないので、利用者は、煩わしさを感じることがない。
【0053】
また、制御部11は、「参照コンテンツの非表示」の入力イベントを検出すると(S2の「参照コンテンツの非表示」)、参照コンテンツ42が表示されている場合には、参照コンテンツ42の表示処理を終了する(S10)。これによって、利用者は、参照コンテンツ42と重なっていた本文コンテンツの一部を閲覧することができる。
【0054】
[発明の実施の形態における効果]
1.端末3の制御部11は、参照コンテンツ42に対して、重要語リストに含まれる重要語の文字装飾を変更することによって、参照コンテンツ42を加工し、加工された参照コンテンツ42を表示部15に表示する。これによって、利用者は、参照コンテンツ42のどこを閲覧すれば良いか、容易に判別することができる。ひいては、利用者は、すぐに本文コンテンツを読み進めることができ、参照コンテンツ42の表示処理が、本文コンテンツを読む妨げにならない。
【0055】
2.端末3の制御部11は、参照コンテンツ42を加工する際、重要語毎に、或いは重要語の品詞毎に、異なる文字装飾に変更する。これによって、利用者は、参照コンテンツ42のどこを閲覧すれば良いか、容易に判別することができるとともに、閲覧すべき箇所を見落とすことが無い。
【0056】
3.端末3の制御部11は、図8に示す画面表示例43のように、本文コンテンツと参照コンテンツ42を並列表示する。これによって、利用者は、本文コンテンツの重要語と参照コンテンツ42の重要語とを比較して閲覧することができる。
【0057】
[変形例]
1.本発明の適用例として、サーバ2と端末3とによって構成されるコンテンツ表示システム1と、コンテンツ表示システム1によるコンテンツ表示方法を説明したが、本発明の適用例は、これに限定されない。例えば、サーバ2の記憶部12に記憶される参照コンテンツDB21を、端末3の記憶部12に記憶するように構成することによって、本発明は、端末3のみからなるコンテンツ表示端末に対しても適用することができる。また、本発明は、コンピュータを、コンテンツ表示端末として機能させるためのプログラムに対しても適用することができる。また、本発明は、参照コンテンツDB21から参照コンテンツを取得することに代えて、インターネットを介した外部サーバから参照コンテンツを取得するようにしても良い。
【0058】
2.前述の説明では、電子書籍の本文コンテンツを含むファイルと、重要語ファイル22とを別ファイルとしたが、本発明は、これに限定されない。例えば、電子書籍の本文コンテンツを含むファイルと、重要語ファイル22とを1つのファイルとして端末3に配信するようにしても良い。また、参照コンテンツ42が単一の電子書籍ごとに作成される場合、電子書籍の本文コンテンツを含むファイルと、重要語ファイル22と、参照コンテンツ42とを1つのファイルとして端末3に配信するようにしても良い。
【0059】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係るコンテンツ表示システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0060】
1………コンテンツ表示システム
2………サーバ
3………端末
21………参照コンテンツDB
22………重要語ファイル
31………ページ番号
32………重要語
33………参照コンテンツ名
41、43………画面表示例
42………参照コンテンツ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子書籍の本文コンテンツのページ識別情報ごとに、前記本文コンテンツの各ページに登場する重要語と、前記重要語に関連する参照コンテンツの識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
表示中のページにおいて指定された前記重要語と、表示中のページの前記ページ識別情報とを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記重要語と前記ページ識別情報とに基づいて前記記憶手段を検索し、表示対象の前記参照コンテンツを決定する決定手段と、
前記取得手段によって取得された前記ページ識別情報に基づいて前記記憶手段を検索し、重要語リストを抽出する抽出手段と、
前記決定手段によって決定された表示対象の前記参照コンテンツに対して、前記抽出手段によって抽出された前記重要語リストに含まれる前記重要語の文字装飾を変更する加工手段と、
前記加工手段によって加工された表示対象の前記参照コンテンツを表示する表示手段と、
を具備することを特徴とするコンテンツ表示システム。
【請求項2】
前記加工手段は、前記重要語毎に、或いは前記重要語の品詞毎に、異なる文字装飾に変更する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ表示システム。
【請求項3】
前記表示手段は、前記本文コンテンツと前記参照コンテンツを並列表示する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンテンツ表示システム。
【請求項4】
電子書籍の本文コンテンツのページ識別情報ごとに、前記本文コンテンツの各ページに登場する重要語と、前記重要語に関連する参照コンテンツの識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段を具備するコンテンツ表示システムにおけるコンテンツ表示方法であって、
表示中のページにおいて指定された前記重要語と、表示中のページの前記ページ識別情報とを取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得された前記重要語と前記ページ識別情報とに基づいて前記記憶手段を検索し、表示対象の前記参照コンテンツを決定する決定ステップと、
前記取得ステップによって取得された前記ページ識別情報に基づいて前記記憶手段を検索し、重要語リストを抽出する抽出ステップと、
前記決定ステップによって決定された表示対象の前記参照コンテンツに対して、前記抽出ステップによって抽出された前記重要語リストに含まれる前記重要語の文字装飾を変更する加工ステップと、
前記加工ステップによって加工された表示対象の前記参照コンテンツを表示する表示ステップと、
を含むことを特徴とするコンテンツ表示方法。
【請求項5】
電子書籍の本文コンテンツのページ識別情報ごとに、前記本文コンテンツの各ページに登場する重要語と、前記重要語に関連する参照コンテンツの識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
表示中のページにおいて指定された前記重要語と、表示中のページの前記ページ識別情報とを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記重要語と前記ページ識別情報とに基づいて前記記憶手段を検索し、表示対象の前記参照コンテンツを決定する決定手段と、
前記取得手段によって取得された前記ページ識別情報に基づいて前記記憶手段を検索し、重要語リストを抽出する抽出手段と、
前記決定手段によって決定された表示対象の前記参照コンテンツに対して、前記抽出手段によって抽出された前記重要語リストに含まれる前記重要語の文字装飾を変更する加工手段と、
前記加工手段によって加工された表示対象の前記参照コンテンツを表示する表示手段と、
を具備することを特徴とするコンテンツ表示端末。
【請求項6】
コンピュータを、
電子書籍の本文コンテンツのページ識別情報ごとに、前記本文コンテンツの各ページに登場する重要語と、前記重要語に関連する参照コンテンツの識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
表示中のページにおいて指定された前記重要語と、表示中のページの前記ページ識別情報とを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記重要語と前記ページ識別情報とに基づいて前記記憶手段を検索し、表示対象の前記参照コンテンツを決定する決定手段と、
前記取得手段によって取得された前記ページ識別情報に基づいて前記記憶手段を検索し、重要語リストを抽出する抽出手段と、
前記決定手段によって決定された表示対象の前記参照コンテンツに対して、前記抽出手段によって抽出された前記重要語リストに含まれる前記重要語の文字装飾を変更する加工手段と、
前記加工手段によって加工された表示対象の前記参照コンテンツを表示する表示手段と、
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−61699(P2013−61699A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197855(P2011−197855)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】