説明

コンテンツ配信サーバ、コンテンツ配信システムおよびユーザ端末装置

【課題】乗物の運行状況に応じたコンテンツを配信できるようにする。
【解決手段】車内サーバ200は、車内アクセスポイント290を介して列車番号211を列車110内の携帯端末400に送信する。列車110が予定時刻に駅120に到着しなかった場合、車内サーバ200は、列車110が遅れたことを知らせる情報として列車番号211と遅れ情報212とをアクセスポイント間通信により構内サーバ300に送信する。構内サーバ300は、列車番号211と遅れ情報212とを対応付けて記憶する。携帯端末400は、列車110内で受信した列車番号211を構内アクセスポイント390を介して構内サーバ300に送信する。構内サーバ300は、列車番号211に対応する遅れ情報212に基づいて遅れサービス311を生成し、生成した遅れサービス311を構内アクセスポイント390を介して携帯端末400に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、列車やバスなどの交通機関を利用する利用者にコンテンツを配信するためのコンテンツ配信サーバ、コンテンツ配信システムおよびユーザ端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、情報提供サービスとして、カーナビゲーションシステム(カーナビ)や携帯電話のナビアプリ(道案内するアプリケーションプログラム)などにおいてGPS(Global Positioning System)情報に応じて地図情報を配信するものがある。
また、インターネットに構築した専用サイトのURL(Uniform Resource Locator)をFeliCa(登録商標)RWやQRコード(登録商標)を使って提供するサービスがある。この方式はインターネットに専用サイトを構築する必要があるため運用コストがかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−343288号公報
【特許文献2】特開2002−207921号公報
【特許文献3】特開2001−336948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人が特に欲しいと思う情報は自分の行動範囲内の情報であり、人の行動範囲は旅行や出張などを除けば特定のエリアに限られる場合が多い。
そこで、特定エリアに関するローカル情報を利用者に効率的に提供することが望まれる。
【0005】
本発明は、例えば、乗物を利用したユーザに対して乗物の運行状況に応じたコンテンツを効率的に提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコンテンツ配信サーバは、
乗物毎に乗物を識別する乗物識別情報と乗物の運行状況を示す乗物運行情報とを対応付けて含んだ第一のテーブルと、乗物の運行状況毎に乗物運行情報とコンテンツとを対応付けて含んだ第二のテーブルとを記憶する記憶部と、
乗物が到着地に到着したときに、前記乗物に乗っていたユーザによって所持されるユーザ端末装置であって前記乗物に備わる乗物無線装置から前記乗物を識別する乗物識別情報を受信するユーザ端末装置によって送信される前記乗物の前記乗物識別情報を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記乗物の前記乗物識別情報に対応付けられた乗物運行情報を前記第一のテーブルに基づいて特定し、特定した前記乗物運行情報に対応付けられたコンテンツを前記第二のテーブルから取得し、取得した前記コンテンツを前記ユーザ端末装置に配信する配信部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えば、乗物を利用したユーザに対して乗物の運行状況に応じたコンテンツを効率的に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1におけるコンテンツ配信システム100の概要図。
【図2】実施の形態1における車内サーバ200と構内サーバ300との機能構成図。
【図3】実施の形態1におけるコンテンツ配信システム100のコンテンツ配信方法を示すフローチャート。
【図4】実施の形態1における遅れ情報テーブル313と遅れサービステーブル312とを示す図。
【図5】実施の形態2におけるコンテンツ配信システム100の概要図。
【図6】実施の形態2における携帯端末400の機能構成図。
【図7】実施の形態2におけるコンテンツ配信システム100のアクセス方法を示すフローチャート。
【図8】実施の形態3におけるコンテンツ配信システム100のコンテンツ取得方法のフローチャートと登録カテゴリテーブル412と取得コンテンツ管理テーブル413と車内コンテンツ管理テーブル218とを示す図。
【図9】実施の形態4におけるコンテンツ配信システム100のリアル投稿方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
移動環境における近距離無線通信(無線LAN、Bluetooth(登録商標)など)を利用したコンテンツ配信方法について説明する。
また、乗物内のコンテンツ配信サーバと乗物が到着する到着地のコンテンツ配信サーバとが連携し、運行状況に応じたコンテンツを配信するコンテンツ配信方法について説明する。
【0010】
以下、列車を利用する利用者に対してコンテンツを配信するコンテンツ配信方法を説明するが、本コンテンツ配信方法は利用者が列車以外の乗物(バス、タクシー、船舶など)を利用する場合に適用しても構わない。
また、本実施の形態では、乗り物の遅れを示す乗物運行情報に基づいて利用者にサービスを提供する方法について説明する。但し、乗物運行情報は乗物の遅れ情報以外の情報であっても構わない。
【0011】
図1は、実施の形態1におけるコンテンツ配信システム100の概要図である。
実施の形態1におけるコンテンツ配信システム100の概要について、図1に基づいて説明する。
【0012】
コンテンツ配信システム100は、列車110内に車内サーバ200と車内アクセスポイント290とを有する。
車内サーバ200は列車110内で車内用のコンテンツを配信する装置であり、車内アクセスポイント290は列車110内で無線通信を行う装置である。
【0013】
利用者は、列車110内で携帯端末400の所定のアプリケーションプログラム(以下、ユーザアプリ)を起動して車内アクセスポイント290と通信を接続し、車内サーバ200から車内用のコンテンツを取得する。
車内サーバ200は、車内アクセスポイント290と通信を接続している各携帯端末400に車内用のコンテンツを配信する。
【0014】
また、車内サーバ200は、車内アクセスポイント290を用いて各携帯端末400に列車番号211を配信する。
【0015】
携帯端末400は、スマートフォン、携帯電話、携帯ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistants)(登録商標)、ノート型パソコンなど、無線通信機能を有する装置である。
【0016】
コンテンツとは、特定の情報(文字、画像、音声など)を有するデータである。
【0017】
コンテンツ配信システム100は、駅120の構内に構内サーバ300と構内アクセスポイント390とを有する。
構内サーバ300は駅構内で駅構内用のコンテンツを配信する装置であり、構内アクセスポイント390は駅構内で無線通信を行う装置である。
【0018】
利用者は、駅構内で携帯端末400のユーザアプリを起動して構内アクセスポイント390と通信を接続し、構内サーバ300から駅構内用のコンテンツを取得する。
構内サーバ300は、構内アクセスポイント390と通信を接続している各携帯端末400に駅構内用のコンテンツを配信する。
【0019】
また、列車110が予定時刻に駅120に到着しなかった場合、車内サーバ200は、列車110が遅れたことを知らせる情報として列車番号211と遅れ情報212とをアクセスポイント間通信により構内サーバ300に送信する。
構内サーバ300は、列車番号211と遅れ情報212とを構内アクセスポイント390から受信し、受信した列車番号211と遅れ情報212とを対応付けて記憶する。
携帯端末400は、列車110内で受信した列車番号211を構内アクセスポイント390に無線で送信する。
構内サーバ300は、列車番号211を構内アクセスポイント390を介して受信し、受信した列車番号211に対応する遅れ情報212に基づいて遅れサービス311を生成する。構内サーバ300は、生成した遅れサービス311を携帯端末400に送信する。
【0020】
遅れサービス311とは、列車110の遅れに対応するサービスとして利用者に提供するデータ(電子クーポン、電子マネーなど)である。
【0021】
図2は、実施の形態1における車内サーバ200と構内サーバ300との機能構成図である。
実施の形態1における車内サーバ200と構内サーバ300との機能構成について、図2に基づいて説明する。
【0022】
車内サーバ200は、車内情報配信部201、車内情報管理部202、サーバ間連携部203および車内情報記憶部209を備える。
【0023】
車内情報配信部201は、列車番号211や車内コンテンツ219(車内用のコンテンツ)を車内アクセスポイント290を用いて携帯端末400に配信する。
【0024】
車内情報管理部202は、車内コンテンツ219を更新し、車内コンテンツ219の更新時刻を記録する。
車内情報管理部202は、列車110の発着時刻が遅れた場合に遅れ情報212を生成し、遅れ情報212の生成時刻を記録する。新しい車内コンテンツ219や列車110の遅れを示すデータは所定の装置から通知されるものとする。
【0025】
サーバ間連携部203は、列車番号211と遅れ情報212とを車内アクセスポイント290を用いて構内サーバ300に通知する。
【0026】
車内情報記憶部209は、列車番号211、遅れ情報212、車内コンテンツ219など、車内サーバ200が使用する各種データを記憶する。
【0027】
構内サーバ300は、構内情報配信部301、構内情報管理部302、サーバ間連携部303および構内情報記憶部309を備える。
【0028】
構内情報配信部301は、構内コンテンツ319(駅構内用のコンテンツ)を構内アクセスポイント390を用いて携帯端末400に配信する。
構内情報配信部301は、列車110の遅れ時間に応じた遅れサービス311を遅れサービステーブル312に基づいて特定し、特定した遅れサービス311を構内アクセスポイント390を用いて携帯端末400に提供する。
【0029】
構内情報管理部302は、構内コンテンツ319を更新し、構内コンテンツ319の更新時刻を記録する。
【0030】
サーバ間連携部303は、列車番号211と遅れ情報212とを構内アクセスポイント390を用いて車内サーバ200から受信する。
サーバ間通信部303は、受信した列車番号211と遅れ情報212とを遅れ情報テーブル313に設定する。
【0031】
構内情報記憶部309は、遅れサービス311、遅れサービステーブル312、遅れ情報テーブル313、構内コンテンツ319など、構内サーバ300が使用する各種データを記憶する。
【0032】
図3は、実施の形態1におけるコンテンツ配信システム100のコンテンツ配信方法を示すフローチャートである。
実施の形態1におけるコンテンツ配信システム100のコンテンツ配信方法について、図3に基づいて説明する。
【0033】
S110において、利用者は、携帯端末400を持って列車110に乗車する。
【0034】
S120において、利用者は、列車110内で携帯端末400のユーザアプリを起動する。
ユーザアプリを起動された携帯端末400は、車内アクセスポイント290と通信を接続する。
【0035】
S130において、車内サーバ200の車内情報配信部201は、列車番号211と車内コンテンツ219とを車内アクセスポイント290を介して携帯端末400に送信する。
携帯端末400は、列車番号211と車内コンテンツ219とを車内アクセスポイント290から受信し、受信した列車番号211と車内コンテンツ219とを記憶し、車内コンテンツ219をディスプレイに表示する。
【0036】
例えば、車内コンテンツ219として、列車の情報(コンテンツ)を選択するメニュー画面、列車110に関する列車情報、列車110が走行している地域の地域情報が挙げられる。
車内情報配信部201はメニュー画面のデータを携帯端末400に送信し、携帯端末400はメニュー画面を表示する(図3参照)。メニュー画面で“1.列車情報”が選択された場合、携帯端末400は列車情報を車内情報配信部201に要求し、車内情報配信部201は列車情報を携帯端末400に送信し、携帯端末400は列車情報を表示する。列車情報に音声が含まれる場合、携帯端末400はスピーカーから音声を出力する。
【0037】
S140において、列車110が予定時刻より遅れて駅120に到着したものとする。
列車110が駅120に到着するとき又は列車110が駅120に到着する前に、所定の装置から車内サーバ200に列車110の遅れに関する情報(例えば、遅れ時間)が通知される。
車内サーバ200の車内情報管理部202は、通知された情報に基づいて遅れ情報212を生成する。遅れ情報212には列車110の遅れ時間と遅れ情報212の発行時刻(生成時刻)とが含まれる。
【0038】
S150において、車内サーバ200のサーバ間連携部203は、車内アクセスポイント290を介して列車番号211と遅れ情報212とを構内サーバ300に送信する。
構内サーバ300のサーバ間連携部303は、構内アクセスポイント390を介して列車番号211と遅れ情報212とを受信し、受信した列車番号211と遅れ情報212とを遅れ情報テーブル313に設定する。
【0039】
図4は、実施の形態1における遅れ情報テーブル313と遅れサービステーブル312とを示す図である。
サーバ間連携部303は、列車番号211と遅れ情報212(発行時刻、遅れ時間)とを図4に示すように遅れ情報テーブル313に設定する。
遅れ情報テーブル313は、「列車番号」「発行時刻」「遅れ時間」を対応付けるデータである。
【0040】
遅れサービステーブル312は、「サービスID」「サービス内容」「遅れ時間」を対応付けるデータである。
サービスIDは遅れサービス311を識別する値を示し、サービス内容はサービスIDで識別される遅れサービス311の内容を示す。
遅れサービステーブル312の遅れ時間の「10〜30分」は10分以上30分未満、「30〜60分」は30分以上60分未満、「60分〜」は60分以上を示している。
【0041】
図3に戻り、コンテンツ配信方法の説明を続ける。
【0042】
S160において、携帯端末400は、構内アクセスポイント390と通信を接続する。このとき、携帯端末400と車内アクセスポイント290との通信の接続は停止しているものとする。つまり、携帯端末400と車内アクセスポイント290との通信は切断されているものとする。
【0043】
S170において、携帯端末400は、列車110内で受信した列車番号211を構内アクセスポイント390を介して構内サーバ300に送信する。
構内サーバ300の構内情報配信部301は、構内アクセスポイント390を介して列車番号211を受信する。
【0044】
S180において、構内サーバ300の構内情報配信部301は、携帯端末400から受信した列車番号211が遅れ情報テーブル313に設定されているか否かを判定する。
携帯端末400から受信した列車番号211が遅れ情報テーブル313に設定されている場合、構内情報配信部301は、当該列車番号211に対応する遅れ時間を特定する。構内情報配信部301は、特定した遅れ時間に対応する遅れサービス311を遅れサービステーブル312に基づいて特定し、特定した遅れサービス311を構内アクセスポイント390を介して携帯端末400に送信する。
【0045】
例えば、携帯端末400から列車番号「1」が送信された場合、構内情報配信部301は図4の遅れ情報テーブル313を検索し、遅れ時間「40分」を特定する。次に、構内情報配信部301は、図4の遅れサービステーブル312を検索し、遅れ時間「40分」に対応する遅れサービス311のサービスID「2」を特定する。そして、構内情報配信部301は、サービスID「2」で識別される遅れサービス311(コーヒー無料券)を携帯端末400に送信する。
【0046】
また、構内情報配信部301は、遅れ情報212の発行時刻に基づいて遅れサービス311を提供する有効期限を定めてもよい。
例えば、構内情報配信部301は、列車番号211の受信時刻と遅れ情報テーブル313に設定されている発行時刻との時刻差を算出し、算出した時刻差と所定の有効時間とを比較する。算出した時刻差が所定の有効時間を超えている場合、構内情報配信部301は遅れサービス311を携帯端末400に送信しない。
【0047】
図3に戻り、S180の続きを説明する。
【0048】
S180において、構内サーバ300の構内情報配信部301は、遅れサービス311の他に構内コンテンツ319を構内アクセスポイント390を介して携帯端末400に送信する。
携帯端末400は、遅れサービス311と構内コンテンツ319とを構内アクセスポイント390から受信し、受信した遅れサービス311と構内コンテンツ319とを記憶し、遅れサービス311と構内コンテンツ319とをディスプレイに表示する。
【0049】
例えば、構内コンテンツ319として、駅の情報(コンテンツ)を選択するメニュー画面、駅構内で開催されるイベントの情報、利用者から投稿された投稿情報、遅れサービス311として発行されたクーポンが挙げられる。
構内情報配信部301はメニュー画面のデータを携帯端末400に送信し、携帯端末400はメニュー画面を表示する(図3参照)。メニュー画面で“1.イベント”が選択された場合、携帯端末400はイベント情報を構内情報配信部301に要求し、構内情報配信部301はイベント情報を携帯端末400に送信し、携帯端末400はイベント情報を表示する。イベント情報に音声が含まれる場合、携帯端末400はスピーカーから音声を出力する。
メニュー画面で“5.特別クーポン”が選択された場合、携帯端末400は構内サーバ300から受信した遅れサービス311を表示する。利用者は、遅れサービス311を表示した携帯端末400を提示して所定のサービスを受ける。
また、携帯端末400は、メニュー画面で“5.特別クーポン”が選択されたときに列車番号211を送信し(S170)、遅れサービス311を受信(S180)しても構わない。
【0050】
なお、遅れサービス311と構内コンテンツ319は、常に両方が存在するのではなくどちらか一方のみしか存在しない場合もありえる。メニュー画面は、存在する情報で構成される。
また、図3のフローチャートでは列車110が遅れて駅120に到着した場合(S140)に車内サーバ200が列車番号211と遅れ情報212とを構内サーバ300に送信する(S150)。一方、S140において列車110が駅120に遅れずに到着した場合、S150において、車内サーバ200は、正常に運行したことを示す正常運転情報(乗物運行情報の一例)を遅れ情報212の代わりに構内サーバ300へ送信する。構内情報記憶部309に含まれる各種データには、正常運転時のサービス用のテーブル(遅れ情報テーブル313や遅れサービステーブル312に相当するテーブル)も含まれるものとする。
さらに、遅れ情報212や正常運転情報以外の乗物運行情報としては、車両の混雑度などの可変的な情報が考えられる。さらに、乗物運行情報は、乗り物の種別(列車の場合は、新幹線、特急列車、特別列車等)、乗り物の種別と降車駅との組み合わせ等の不変的な情報であってもよい。この場合、構内情報記憶部309には、各種の乗物運行情報に対応するサービス用のテーブルを記憶する。
【0051】
以下に、コンテンツ配信システム100の各装置が備えるハードウェアデバイスについて説明する。
【0052】
車内サーバ200、車内アクセスポイント290、構内サーバ300、構内アクセスポイント390および携帯端末400は、CPU(Central Processing
Unit)を備えている。CPUは、バスを介してROM、RAM、通信ボードやその他のハードウェアデバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー)と接続され、これらを制御する。
通信ボードは、有線または無線で、LAN(Local Area Network)、インターネット、電話回線などの通信網に接続する。
ROM、RAMまたはその他の記憶装置(例えば、磁気ディスク装置)には、OS(オペレーティングシステム)、プログラム群、ファイル群が記憶される。
プログラム群には、実施の形態において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが含まれる。プログラムは、CPUにより読み出され実行される。すなわち、プログラムは、「〜部」としてコンピュータを機能させるものであり、また「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
ファイル群には、実施の形態において説明する「〜部」で使用される各種データ(入力、出力、判定結果、計算結果、処理結果など)が含まれる。
実施の形態において構成図およびフローチャートに含まれている矢印は主としてデータや信号の入出力を示す。
実施の形態において「〜部」として説明するものは「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの組み合わせのいずれで実装されても構わない。
【0053】
実施の形態1において、インターネットを介せず、携帯端末400に付属する近距離無線通信(無線LAN)を使ったコンテンツ配信方法について説明した。
コンテンツ配信方法が有する特徴を以下に示す。
【0054】
(1)情報(コンテンツ)を配信するアクセスポイントを情報を配信したい場所に設置する。そして、ユーザがアクセスポイントの近辺に近づくと、ユーザが持つ端末のアプリケーションに自動的に情報をダウンロードする。
(2)列車や駅に設置される情報配信装置(サーバ)が連携することで、その場に応じたリアルタイムな情報を提供する。例えば、ユーザが乗ってきた電車(列車)に設置されている情報配信サーバ(車内サーバ)が電車に関する情報(遅れ、混雑状況など)を、電車が到着した駅に設置された情報配信サーバ(構内サーバ)に通知する。ユーザは駅に到着するとこれまで乗車してきた電車の情報を反映した情報(例えば、遅れサービス)を駅で取得できる。
【0055】
FeliCaRW(リーダ・ライタ)やQRコードを用いて情報を提供する場合、FeliCaRWやQRコードを配置した地点でしか情報を提供することができない。つまり、ユーザは、FeliCaRWやQRコードという物理的なインターフェースに接触しなければ情報を取得することができない。
一方、実施の形態1で説明したコンテンツ配信方法では、無線が到達する無線通信エリア内(設定された面内)で情報を提供することができる。つまり、ユーザは、情報提供エリア(無線通信エリア)内ならどこでも情報を取得することができる。
【0056】
実施の形態1では、列車110の遅れが生じたときに遅れサービス311を提供する形態を説明したが、その他の運行状況に応じて特定のコンテンツを提供しても構わない。例えば、列車内が混雑しているときや列車内の温度が所定の温度より高い(または低い)ときに所定の動画、音楽、ゲームソフト、電子クーポンなどを提供してもよい。
【0057】
また、列車と駅との組み合わせの他にバスとバス停、タクシーとタクシー乗り場、フェリー・遊覧船と船乗り場などの組み合わせを対象にしてコンテンツを配信しても構わない。
【0058】
実施の形態1において、以下のような情報提供システム(コンテンツ配信システム100)について説明した。情報提供システムの構成の一例として、実施の形態1で説明した構成のうち対応する構成を括弧内に示す。
【0059】
情報提供システムは、乗物処理装置(車内サーバ200)、乗物無線装置(車内アクセスポイント290)、到着地処理装置(構内サーバ300)および到着地無線装置(構内アクセスポイント390)を有する。
乗物処理装置は、乗物(列車110)に設置され、乗物を識別する乗物識別情報(列車番号211)と乗物の運行状況を示す乗物運行情報(遅れ情報212)とを生成する。
乗物無線装置は、乗物に設置され無線通信を行う。
到着地処理装置は、乗物が到着する到着地(駅120)に設定され、乗物を利用したユーザに提供する提供情報(構内コンテンツ319)を生成する。
到着地無線装置は、到着地に設置され無線通信を行う。
【0060】
乗物処理装置は、乗物識別情報を乗物を利用しているユーザが所持するユーザ端末装置(携帯端末400)へ乗物無線装置を用いて送信する。
乗物処理装置は、乗物が到着地に到着したときに乗物識別情報と乗物運行情報とを到着地処理装置へ乗物無線装置を用いて送信する。
到着地処理装置は、乗物処理装置により送信された乗物識別情報と乗物運行情報とを到着地無線装置を用いて受信し、受信した乗物運行情報に基づいて乗物の運行状況によって異なる提供情報を生成し、生成した提供情報を乗物識別情報に対応付けて記憶する。
到着地処理装置は、乗物を利用したユーザが所持するユーザ端末装置から乗物識別情報を到着地無線装置を用いて受信し、受信した乗物識別情報に対応付けて記憶した提供情報をユーザ端末装置へ到着地無線装置を用いて送信する。
【0061】
乗物処理装置は、乗物の運行に遅延が発生した場合に遅延時間を乗物運行情報に含める。
到着地処理装置は、遅延時間毎に遅延時間に対応付けて特定の遅延対応情報(遅れサービス311)を予め記憶し、乗物処理装置から受信した乗物運行情報に基づいて乗物運行情報に含まれる遅延時間に対応付けて記憶した遅延対応情報を提供情報に含める。
【0062】
実施の形態2.
携帯端末400からアクセスポイントへのアクセス方法について説明する。
【0063】
図5は、実施の形態2におけるコンテンツ配信システム100の概要図である。
実施の形態2におけるコンテンツ配信システム100の概要について、図5に基づいて説明する。
【0064】
実施の形態1で説明したように、駅X、Yや列車Nにはサーバおよびアクセスポイントが設置される。また、駅Xが位置する街Aにも街中サーバ500および街中アクセスポイント590が設置される。
【0065】
街Aに住んでいる利用者は、通勤の際、携帯端末400を持って駅Xに向かい、駅Xで列車Nに乗って会社の最寄り駅Yで列車Nから降りる。
このとき、携帯端末400は、街A、駅X、列車N、駅Yの各所でアクセスポイントに接続し、各所のコンテンツを取得する。
これにより、利用者は、自分がいる場所の情報を得ることができる。
【0066】
街A、駅X、列車N、駅Yそれぞれのアクセスポイントには所定のSSID(Service Set IDentifier)が設定されている。SSIDの管理を容易にするため、同じ種類の場所(駅X、Y)に設置されたアクセスポイントには同じSSID(EKI)を設定している。
また、携帯端末400のユーザアプリには、各アクセスポイントのSSIDが予め設定されている。例えば、携帯端末400は各アクセスポイントのSSIDテーブルが設定されたユーザアプリをダウンロードして記憶する。また、携帯端末400は新たなアクセスポイントのSSIDテーブルをユーザアプリの更新データとしてダウンロードして記憶する。
【0067】
携帯端末400は、SSIDテーブルに記憶している複数のSSIDを一つずつ順番に読み出し、読み出したSSIDと同じSSIDが設定されたアクセスポイントが無線通信エリア内に存在するかチェックする。
該当するアクセスポイントが存在する場合、携帯端末400は、当該アクセスポイントと通信を接続してコンテンツを取得する。
【0068】
通常、SSIDはアクセスポイントから発信される。そして、携帯端末は、アクセスポイントから発信されたSSIDを検出した場合に検出したSSIDを発信したアクセスポイントと通信を接続する。
実施の形態2では、SSIDはアクセスポイントからは発信されず、携帯端末400に予め記憶される。そして、携帯端末400は、予め記憶されたSSIDを用いてアクセスポイントを自発的に検出する。
これにより、コンテンツ配信システム100で使用されるSSIDを隠蔽し、コンテンツ配信システム100のセキュリティを強化することができる。
【0069】
図6は、実施の形態2における携帯端末400の機能構成図である。
実施の形態2における携帯端末400の機能構成について、図6に基づいて説明する。
【0070】
携帯端末400は、アクセスポイント接続部401、コンテンツ取得部402、コンテンツ表示部403、情報投稿部404および端末記憶部409を備える。
【0071】
アクセスポイント接続部401は、アクセスポイント接続テーブル(SSIDテーブル)411に予め設定されるSSIDを用いてアクセスポイントを検出し、検出したアクセスポイントと通信を接続する。
【0072】
コンテンツ取得部402は、アクセスポイントと無線で通信し、アクセスポイントを介してコンテンツ配信サーバ(車内サーバ200、構内サーバ300または街中サーバ500)からコンテンツをダウンロードする。
【0073】
コンテンツ表示部403は、コンテンツ取得部402によりダウンロードされたコンテンツをディスプレイに表示する。
また、コンテンツ表示部403は、コンテンツに含まれる音声データを生成してスピーカーから音声を出力する。
【0074】
情報投稿部404は、アクセスポイントと無線で通信し、利用者に入力された投稿情報をコンテンツ配信サーバにアップロードする。
【0075】
端末記憶部409は、ユーザアプリ、ダウンロードしたコンテンツ、アクセスポイント接続テーブル411など、携帯端末400が使用する各種データを記憶する。
【0076】
図7は、実施の形態2におけるコンテンツ配信システム100のアクセス方法を示すフローチャートである。
携帯端末400がアクセスポイントにアクセスするアクセス方法について、図7に基づいて説明する。
【0077】
S210において、利用者は携帯端末400を操作し、携帯端末400にインストールされているコンテンツ配信システム100用のユーザアプリを起動する。
【0078】
S220において、ユーザアプリを起動された携帯端末400は、コンテンツ配信システム100のアクセスポイントと通信を接続する。
携帯端末400は、通信を接続したアクセスポイントを介してコンテンツ配信サーバ(街中サーバ500、構内サーバ300または車内サーバ200)からコンテンツをダウンロードし、ダウンロードしたコンテンツを表示し、またコンテンツの音声を出力する。
S220の詳細(S221〜S227)について後述する。
【0079】
S230において、利用者は携帯端末400を操作してユーザアプリを終了する。
【0080】
次に、S220の詳細(S221〜S227)について説明する。
S221〜S227は、ユーザアプリが動作している間、定期的に実行される。
【0081】
S221において、アクセスポイント接続部401はアクセスポイント接続テーブル411からSSIDを一つ選択し、選択したSSIDを無線で送信する。
各アクセスポイントは、SSIDを受信した場合、受信したSSIDと自己のSSIDとを比較する。受信したSSIDと自己のSSIDとが一致する場合、アクセスポイントはSSIDが一致したことを示す応答情報を無線で送信する。
例えば、アクセスポイント接続部401は図5に示したアクセスポイント接続テーブル411から一番目に設定されているSSID「MACHI」を選択し、選択したSSID「MACHI」を無線で送信する。SSID「MACHI」を送信した場所が街Aであれば街中アクセスポイント590(MACHI)から応答情報が送信され、SSID「MACHI」を送信した場所が駅X、列車N、駅Yであればアクセスポイントから応答情報は送信されない。
【0082】
S222において、アクセスポイント接続部401はSSIDが一致したことを示す応答情報をアクセスポイントから受信できたか否かを判定する。
アクセスポイントの応答情報を受信できた場合(YES)、S223に進む。
アクセスポイントの応答情報を受信できなかった場合(NO)、S221に戻る。S221において、アクセスポイント接続部401は未選択のSSIDを新たに選択し、新たに選択したSSIDを送信する。
S221とS222とは、アクセスポイントから応答情報を受信するまで又は未送信のSSIDが無くなるまで繰り返し実行される。未送信のSSIDが無くなりいずれのSSIDに対しても応答情報を受信できなかった場合、アクセスポイント接続部401は一定時間の経過を待ってS221とS222とを再び実行する。
【0083】
S223において、アクセスポイント接続部401は、応答情報を送信したアクセスポイントと通信(コネクション)を接続する。通信を接続する際、アクセスポイント接続部401とアクセスポイントとの間で通信方式(例えば、通信データの暗号化方式)が決定される。また、利用者を認証するためにユーザIDとパスワードとがアクセスポイント接続部401によってアクセスポイントへ送信される。ユーザIDやパスワードは利用者により携帯端末400に入力され又は携帯端末400に予め設定される。ユーザIDとパスワードとの組み合わせは携帯端末400に一つ設定されてもよいし、アクセスポイント(SSID)毎に設定されてもよい。
【0084】
S224において、コンテンツ配信サーバの情報配信部は、アクセスポイントを介してコンテンツを配信する。
携帯端末400のコンテンツ取得部402は、通信を接続したアクセスポイントからコンテンツを受信し、受信したコンテンツを端末記憶部409に記憶する。
【0085】
S225において、アクセスポイント接続部401は、アクセスポイントとの通信を切断する。
アクセスポイントとの通信を接続し続けずに一度切断することにより、携帯端末400の無線通信機能を独占してしまうことを防ぐことができる。例えば、アクセスポイントとの通信を切断後、次にアクセスポイントと通信を接続するまでの間、利用者は携帯端末400をインターネットに接続することができる。
【0086】
S226において、コンテンツ表示部403は、端末記憶部409に記憶されたコンテンツをディスプレイに表示する。また、コンテンツに音声データが含まれる場合、コンテンツ表示部403は音声データを再生して音声をスピーカーから出力する。
【0087】
S227において、アクセスポイント接続部401は所定時間が経過するまで待機する。所定時間の経過後、S221に戻る。
【0088】
実施の形態1、2において、以下のような情報提供システム(コンテンツ配信システム100)について説明した。情報提供システムの構成の一例として、実施の形態1、2で説明した構成のうち対応する構成を括弧内に示す。
【0089】
乗物無線装置(車内アクセスポイント290)は、乗物無線装置を識別する識別情報(SSID)を予め記憶する。
到着地無線装置(構内アクセスポイント390)は、到着地無線装置を識別する識別情報を予め記憶する。
【0090】
情報提供システムは、さらに、
ユーザが所持するユーザ端末装置(携帯端末400)であって、乗物無線装置の識別情報と到着地無線装置の識別情報とを予め記憶するユーザ端末装置を有する。
ユーザ端末装置は、乗物無線装置の識別情報を用いて乗物無線装置と無線通信を接続する通信接続処理を行い、乗物無線装置と無線通信を接続できた場合に乗物無線装置を介して乗物処理装置(車内サーバ200)から乗物識別情報を受信する。
ユーザ端末装置は、乗物無線装置と無線通信を接続できない場合に到着地無線装置の識別情報を用いて到着地無線装置と無線通信を接続する通信接続処理を行う。ユーザ端末装置は、到着地無線装置と無線通信を接続できた場合に到着地無線装置を介して到着地処理装置(構内サーバ300)へ乗物識別情報(列車番号211)を送信する。ユーザ端末装置は、到着地無線装置を介して到着地無線装置から提供情報(遅れサービス311)を受信する。
【0091】
乗物無線装置は、乗物無線装置を識別するSSIDを識別情報として予め記憶する。
到着地無線装置は、到着地無線装置を識別するSSIDを識別情報として予め記憶する。
ユーザ端末装置は、乗物無線装置のSSIDと到着地無線装置のSSIDとを予め記憶する。
乗物無線装置と到着地無線装置とはSSIDを送信せず、ユーザ端末装置が乗物無線装置のSSIDと到着地無線装置のSSIDとのいずれかを無線で送信する。
乗物無線装置と到着地無線装置とは、ユーザ端末装置から送信されたSSIDと自己のSSIDとが一致する場合にユーザ端末装置と無線通信を接続する。
【0092】
情報提供システムは、乗物(列車110)が経由する経由地(駅X、駅Y)毎に到着地処理装置と到着地無線装置とを有する。
各経由地の到着地無線装置は同じSSID(EKI)を記憶し、ユーザ端末装置は、各経由地の到着地無線装置を識別するSSIDとして一つのSSID(EKI)を記憶する。
【0093】
実施の形態3.
コンテンツを取得する対象のカテゴリを登録しておき、登録されたカテゴリのうちコンテンツが更新されたカテゴリのコンテンツのみを取得するコンテンツ取得方法について説明する。
【0094】
図8は、実施の形態3におけるコンテンツ配信システム100のコンテンツ取得方法を示すフローチャートを示す。
また、図8は、登録カテゴリテーブル412と取得コンテンツ管理テーブル413と車内コンテンツ管理テーブル218とを示す。
図7で説明したコンテンツ取得処理(S224)について、図8に基づいて説明する。
【0095】
携帯端末400の端末記憶部409には、登録カテゴリテーブル412と取得コンテンツ管理テーブル413とが記憶される。
【0096】
登録カテゴリテーブル412には、ユーザアプリに登録されたカテゴリを識別する「カテゴリID」が設定される。
【0097】
図7に示すテーブルの説明において、カテゴリIDで識別されるカテゴリに属するコンテンツを「当該コンテンツ」という。
【0098】
取得コンテンツ管理テーブル413は「サーバID」「カテゴリID」「更新ID」を対応付ける。
サーバIDは、当該コンテンツを配信したコンテンツ配信サーバを識別する情報である。
更新IDは、当該コンテンツが更新(生成)された時刻を「YYYYMMDDhhmmss」の形式で示す。「YYYY」「MM」「DD」「hh」は西暦、月、日、時、分、秒を示す。
【0099】
コンテンツ配信サーバ(車内サーバ200、構内サーバ300および街中サーバ500)の記憶部には、コンテンツ管理テーブルが記憶される。例えば、車内サーバ200の車内情報記憶部209には車内コンテンツ管理テーブル218が記憶される。
コンテンツ管理テーブルは、「カテゴリID」「情報取得アドレス」「更新ID」を対応づける。
情報取得アドレスは、当該コンテンツが記憶されている記憶領域を特定するアドレスをURI(Uniform Resource Identifier)の形式で示す。
【0100】
次に、コンテンツ取得処理(S224)を説明する。
【0101】
S224−1において、携帯端末400のコンテンツ取得部402は、登録カテゴリテーブル412に設定されているカテゴリIDを一つ選択する。
例えば、コンテンツ取得部402は、登録カテゴリテーブル412の1番目に設定されているカテゴリID「列車情報」を選択する。
以下、選択したカテゴリIDを「選択カテゴリID」という。
【0102】
S224−2において、携帯端末400のコンテンツ取得部402は、選択カテゴリIDをアクセスポイントに送信する。
コンテンツ配信サーバの情報配信部は、アクセスポイントを介して選択カテゴリIDを受信し、受信した選択カテゴリIDで識別されるカテゴリに属するコンテンツを特定する。コンテンツ配信サーバの情報配信部は、特定したコンテンツの更新ID(更新時刻)をアクセスポイントを介して携帯端末400に送信する。
携帯端末400のコンテンツ取得部402は、アクセスポイントから選択カテゴリIDに対応するコンテンツの更新IDを受信する。
【0103】
例えば、携帯端末400のコンテンツ取得部402は、選択カテゴリID「列車情報」を列車Nの車内アクセスポイント290を介して車内サーバ200に送信する。
車内サーバ200の車内情報配信部201は、車内コンテンツ管理テーブル218を検索して選択カテゴリID「列車情報」に対応する更新ID「20100329102900」を特定する。車内サーバ200の車内情報配信部201は、特定した更新IDを車内アクセスポイント290を介して携帯端末400に送信する。
携帯端末400のコンテンツ取得部402は、車内アクセスポイント290から選択カテゴリID「列車情報」に対応する更新ID「20100329102900」を受信する。
【0104】
S224−3において、携帯端末400のコンテンツ取得部402は、選択カテゴリIDに対応する更新IDを取得コンテンツ管理テーブル413に基づいて特定する。
コンテンツ取得部402は、特定した更新ID(現在更新ID)とアクセスポイントから受信した更新ID(最新更新ID)とを比較し、選択カテゴリIDに対応するコンテンツが更新されたか否かを判定する。
現在更新IDが最新更新IDより大きい場合(NO)、当該コンテンツは前回の取得時から更新されていないのでS224−6に進む。
現在更新IDより最新更新IDが大きい場合(YES)、当該コンテンツは前回の取得時から更新されているのでS224−4に進む。
【0105】
例えば、選択カテゴリIDが「列車情報」である場合、現在更新IDは図8の取得コンテンツ管理テーブル413において「20100328193000」であり、最新更新IDは図8の車内コンテンツ管理テーブル218において「20100329102900」である。
この場合、「2010328193000(現在更新時刻)<20100329102900(最新更新時刻)」なので、選択カテゴリID「列車情報」に対応するコンテンツは更新されている。
【0106】
S224−4において、携帯端末400のコンテンツ取得部402は、選択カテゴリIDに対応するコンテンツをアクセスポイントを介してコンテンツ配信サーバに要求する。
コンテンツ配信サーバの情報配信部は、要求されたコンテンツ(最新コンテンツ)をアクセスポイントを介して携帯端末400に送信する。
携帯端末400のコンテンツ取得部402は、アクセスポイントから最新のコンテンツを受信する。コンテンツには更新IDが設定されているものとする。
【0107】
S224−5において、携帯端末400のコンテンツ取得部402は、受信したコンテンツを端末記憶部409に記憶し、取得コンテンツ管理テーブル413に選択カテゴリIDに対応付けて設定されている更新IDを最新コンテンツに設定されている更新IDで更新する。
【0108】
S224−6において、携帯端末400のコンテンツ取得部402は、未選択のカテゴリIDが登録カテゴリテーブル412に残っているか否かを判定する。
未選択のカテゴリIDが残っている場合(YES)、S224−1に戻る。コンテンツ取得部402はS224−1で未選択のカテゴリIDを新たに選択し、新たに選択したカテゴリIDについてS224−2〜5を実行する。
全てのカテゴリIDを選択済みの場合(NO)、コンテンツ取得処理(S224)は終了する。
【0109】
上記の処理により、多数のコンテンツのうち登録カテゴリに属するコンテンツであって更新されたコンテンツのみを取得することができる。これにより、無駄な通信を減らし、電力の消費量を削減することができる。
【0110】
実施の形態1〜3において、以下のような情報提供システム(コンテンツ配信システム100)について説明した。情報提供システムの構成の一例として、実施の形態1〜3で説明した構成のうち対応する構成を括弧内に示す。
【0111】
乗物処理装置(車内サーバ200)は、特定の情報を乗物情報(車内コンテンツ219)として記憶すると共に乗物情報の更新時刻を更新IDとして記憶する。
到着地処理装置(構内サーバ300)は、特定の情報を到着地情報(構内コンテンツ319)として記憶すると共に到着地情報の更新時刻を更新IDとして記憶する。
ユーザ端末装置(携帯端末400)は、乗物情報と乗物情報の更新ID(更新時刻)とを記憶していない場合に乗物無線装置(車内アクセスポイント290)を介して乗物処理装置から乗物情報と乗物情報の更新IDとを受信し、受信した乗物情報と乗物情報の更新IDとを記憶する。
ユーザ端末装置は、乗物情報と乗物情報の更新IDとを記憶している場合であって記憶している乗物情報の更新IDより乗物処理装置に記憶されている乗物情報の更新IDが大きい場合に乗物無線装置を介して乗物処理装置から乗物情報と乗物情報の更新IDとを新たに受信する。ユーザ端末装置は、記憶している乗物情報と乗物情報の更新IDとを新たに受信した乗物情報と乗物情報の更新IDとで更新する。
ユーザ端末装置は、到着地情報と到着地情報の更新IDとを記憶していない場合に到着地無線装置(構内アクセスポイント390)を介して到着地処理装置から到着地情報と到着地情報の更新IDとを受信し、受信した到着地情報と到着地情報の更新IDとを記憶する。
ユーザ端末装置は、到着地情報と到着地情報の更新IDとを記憶している場合であって記憶している到着地情報の更新IDより到着地処理装置に記憶されている到着地情報の更新IDが大きい場合に、到着地無線装置を介して到着地処理装置から到着地情報と到着地情報の更新IDとを新たに受信する。ユーザ端末装置は、記憶している到着地情報と到着地情報の更新時刻とを新たに受信した到着地情報と到着地情報の更新時刻とで更新する。
【0112】
実施の形態4.
利用者が携帯端末400を用いて情報を投稿し、情報が投稿された地域にいる利用者の携帯端末400に投稿情報を配信するリアル投稿方法について説明する。
【0113】
図9は、実施の形態4におけるコンテンツ配信システム100のリアル投稿方法を示すフローチャートである。
実施の形態4におけるコンテンツ配信システム100のリアル投稿方法について、図9に基づいて説明する。
【0114】
携帯端末400はアクセスポイントと通信を接続しているものとする。
【0115】
S310において、利用者は投稿する情報を携帯端末400に入力する。
【0116】
S320において、携帯端末400の情報投稿部404は入力された投稿情報をアクセスポイントを介してコンテンツ配信サーバに送信する。
コンテンツ配信サーバの情報管理部は、投稿情報を受信し、受信した投稿情報をコンテンツとして記憶部に記憶する。
【0117】
S330において、コンテンツ配信サーバの情報配信部は、投稿情報をアクセスポイントを介して配信する。つまり、投稿情報はアクセスポイントに接続している複数の携帯端末400に配信される。
【0118】
利用者が情報を投稿することにより、同じ地域にいる複数の利用者間で情報を共有することができる。
例えば、利用者は街Aで見つけた情報を街Aにいる自分以外の利用者に知らせることができる。
また、駅Xで待ち合わせをした利用者は待ち合わせに遅れた人に投稿情報を伝言として残すことができる。
【0119】
実施の形態1〜4において、以下のような情報提供システム(コンテンツ配信システム100)について説明した。情報提供システムの構成の一例として、実施の形態1〜4で説明した構成のうち対応する構成を括弧内に示す。
【0120】
ユーザ端末装置(携帯端末400)は、ユーザが入力した情報を投稿情報として記憶する。
ユーザ端末装置は、乗物無線装置(車内アクセスポイント290)と無線通信を接続できた場合に乗物無線装置を介して乗物処理装置(車内サーバ200)へ投稿情報を送信する。ユーザ端末装置は、到着地無線装置(構内アクセスポイント390)と無線通信を接続できた場合に到着地無線装置を介して到着地処理装置(構内サーバ300)へ投稿情報を送信する。
乗物処理装置は、ユーザ端末装置から投稿情報を乗物無線装置を介して受信し、受信した投稿情報を乗物情報(車内コンテンツ219)に含め、投稿情報を含んだ乗物情報を乗物無線装置と無線通信を接続している複数のユーザ端末装置へ送信する。
到着地処理装置は、ユーザ端末装置から投稿情報を到着地無線装置を介して受信し、受信した投稿情報を到着地情報(構内コンテンツ319)に含め、投稿情報を含んだ到着地情報を到着地無線装置と無線通信を接続している複数のユーザ端末装置へ送信する。
【符号の説明】
【0121】
100 コンテンツ配信システム、110 列車、120 駅、200 車内サーバ、201 車内情報配信部、202 車内情報管理部、203 サーバ間連携部、209 車内情報記憶部、211 列車番号、212 遅れ情報、218 車内コンテンツ管理テーブル、219 車内コンテンツ、290 車内アクセスポイント、300 構内サーバ、301 構内情報配信部、302 構内情報管理部、303 サーバ間連携部、309 構内情報記憶部、311 遅れサービス、312 遅れサービステーブル、313 遅れ情報テーブル、319 構内コンテンツ、390 構内アクセスポイント、400 携帯端末、401 アクセスポイント接続部、402 コンテンツ取得部、403 コンテンツ表示部、404 情報投稿部、409 端末記憶部、411 アクセスポイント接続テーブル、412 登録カテゴリテーブル、413 取得コンテンツ管理テーブル、500 街中サーバ、590 街中アクセスポイント。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物毎に乗物を識別する乗物識別情報と乗物の運行状況を示す乗物運行情報とを対応付けて含んだ第一のテーブルと、乗物の運行状況毎に乗物運行情報とコンテンツとを対応付けて含んだ第二のテーブルとを記憶する記憶部と、
乗物が到着地に到着したときに、前記乗物に乗っていたユーザによって所持されるユーザ端末装置であって前記乗物に備わる乗物無線装置から前記乗物を識別する乗物識別情報を受信するユーザ端末装置によって送信される前記乗物の前記乗物識別情報を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記乗物の前記乗物識別情報に対応付けられた乗物運行情報を前記第一のテーブルに基づいて特定し、特定した前記乗物運行情報に対応付けられたコンテンツを前記第二のテーブルから取得し、取得した前記コンテンツを前記ユーザ端末装置に配信する配信部と
を備えることを特徴とするコンテンツ配信サーバ。
【請求項2】
前記受信部は、前記到着地に備わる到着地無線装置を介して前記乗物識別情報を前記ユーザ端末装置から受信し、
前記配信部は、前記到着地無線装置を介して前記コンテンツを前記ユーザ端末装置に配信する
ことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項3】
前記第一のテーブルは、前記乗物運行情報として乗物の遅延時間を示し、
前記第二のテーブルは、乗物の遅延時間の範囲毎に乗物運行情報とコンテンツとを対応付けて含む
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項4】
請求項1から請求項3いずれかに記載のコンテンツ配信サーバを備えることを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項5】
乗物に乗るユーザによって所持されるユーザ端末装置であって、
前記乗物に備わる乗物無線装置から前記乗物を識別する乗物識別情報を受信し、
前記乗物が到着地に到着したときに、前記乗物無線装置から受信した前記乗物識別情報をコンテンツ配信サーバに送信し、
前記コンテンツ配信サーバから配信されるコンテンツであって前記乗物の運行状況に応じたコンテンツを受信する
ことを特徴とするユーザ端末装置。
【請求項6】
前記ユーザ端末装置は、前記到着地に備わる到着地無線装置を介して前記乗物識別情報を前記コンテンツ配信サーバに送信し、前記到着地無線装置を介して前記コンテンツを前記コンテンツ配信サーバから受信する
ことを特徴とする請求項5記載のユーザ端末装置。
【請求項7】
前記ユーザ端末装置は、
前記乗物無線装置の識別情報と前記到着地無線装置の識別情報とを予め記憶し、
前記乗物無線装置の識別情報を用いて前記乗物無線装置と無線通信を接続する通信接続処理を行い、
前記乗物無線装置と無線通信を接続できた場合に前記乗物無線装置から前記乗物識別情報を受信し、
前記乗物無線装置と無線通信を接続できない場合に前記到着地無線装置の識別情報を用いて前記到着地無線装置と無線通信を接続する通信接続処理を行い、
前記到着地無線装置と無線通信を接続できた場合に前記到着地無線装置を介して前記コンテンツ配信サーバへ前記乗物識別情報を送信して前記到着地無線装置を介して前記コンテンツ配信サーバから前記コンテンツを受信する
ことを特徴とする請求項6記載のユーザ端末装置。
【請求項8】
前記ユーザ端末装置は、
前記乗物無線装置の識別情報として前記乗物無線装置を識別するSSID(Service Set Identifier)を予め記憶すると共に、前記到着地無線装置の識別情報として前記到着地無線装置を識別するSSIDを予め記憶し、
前記乗物無線装置の前記SSIDを送信することによって、前記乗物無線装置が無線の到達範囲内に存在する場合に前記乗物無線装置と無線通信を接続し、
前記到着地無線装置の前記SSIDを送信することによって、前記到着地無線装置が無線の到達範囲内に存在する場合に前記到着地無線装置と無線通信を接続する
ことを特徴とする請求項7記載のユーザ端末装置。
【請求項9】
前記ユーザ端末装置は、前記乗物が到着する複数の到着地それぞれの到着地無線装置を識別するSSIDとして一つのSSIDを記憶し、前記SSIDを用いて前記複数の到着地のいずれかの到着地無線装置と無線通信を接続する
ことを特徴とする請求項8記載のユーザ端末装置。
【請求項10】
前記ユーザ端末装置は、
前記乗物に関する乗物情報と前記乗物情報の更新時刻とを提供する乗物処理装置から前記乗物無線装置を介して前記乗物情報と前記乗物情報の更新時刻とを受信し、受信した前記乗物情報と前記乗物情報の更新時刻とを記憶し、
前記乗物処理装置内の乗物情報が更新されることによって、記憶している前記乗物情報の更新時刻と前記乗物処理装置内の乗物情報の更新時刻とが一致しない場合、前記乗物無線装置を介して前記乗物処理装置から更新後の乗物情報と更新後の乗物情報の更新時刻とを新たに受信し、記憶している前記乗物情報と前記乗物情報の更新時刻とを新たに受信した更新後の乗物情報と更新後の乗物情報の更新時刻とで更新する
ことを特徴とする請求項6から請求項9いずれかに記載のユーザ端末装置。
【請求項11】
前記ユーザ端末装置は、
ユーザが入力した情報を投稿情報として記憶し、
前記乗物無線装置と無線通信を接続できた場合に前記乗物無線装置を介して前記乗物処理装置へ前記投稿情報を送信し、
前記乗物処理装置から前記乗物無線装置を介して他のユーザの投稿情報を受信する
ことを特徴とする請求項10記載のユーザ端末装置。
【請求項12】
前記ユーザ端末装置は、
前記到着地に関する到着地情報と前記到着地情報の更新時刻とを提供する到着地処理装置から前記到着地無線装置を介して前記到着地情報と前記到着地情報の更新時刻とを受信し、受信した前記到着地情報と前記到着地情報の更新時刻とを記憶し、
前記到着地処理装置内の到着地情報が更新されることによって、記憶している前記到着地情報の更新時刻と前記到着地処理装置内の到着地情報の更新時刻とが一致しない場合、前記到着地無線装置を介して前記到着地処理装置から更新後の到着地情報と更新後の到着地情報の更新時刻とを新たに受信し、記憶している前記到着地情報と前記到着地情報の更新時刻とを新たに受信した更新後の到着地情報と更新後の到着地情報の更新時刻とで更新する
ことを特徴とする請求項6から請求項11いずれかに記載のユーザ端末装置。
【請求項13】
前記ユーザ端末装置は、
ユーザが入力した情報を投稿情報として記憶し、
前記到着地無線装置と無線通信を接続できた場合に前記到着地無線装置を介して前記到着地処理装置へ前記投稿情報を送信し、
前記到着地処理装置から前記乗物無線装置を介して他のユーザの投稿情報を受信する
ことを特徴とする請求項12記載のユーザ端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−231518(P2012−231518A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−150197(P2012−150197)
【出願日】平成24年7月4日(2012.7.4)
【分割の表示】特願2010−130756(P2010−130756)の分割
【原出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】