説明

コンデンサ及びその端子接続方法

【課題】接続を容易化するとともに、接続の信頼性を高めることにある。
【解決手段】コンデンサ素子(4)と、前記コンデンサ素子の素子端面(6)に設置されて陽極(陽極部8)又は陰極(陰極部10)に接続され、前記コンデンサ素子の側面方向に円弧状の第1の接続面(24)を有する集電板(14A、14B)と、前記集電板の前記接続面と同心円状の第2の接続面(40)を有する端子部材(陽極端子30A、陰極端子30B)とを備え、前記第1の接続面と前記第2の接続面とを溶接し(レーザ照射42)、前記集電板と前記端子部材とを接続したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサ素子と端子部材との接続技術に関し、たとえば、接続にレーザ溶接や電子ビーム溶接等を用いたコンデンサ及びその端子接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気二重層コンデンサ又は電解コンデンサでは、コンデンサ素子に外部端子が接続されている。この電気的接続に関し、素子の端面に集電端子を設けること(例えば、特許文献1)、巻回素子の一方の端面に陽極集電板、他方の端面に陰極集電板を設けること(例えば、特許文献2)、巻回素子の端面に露出した集電箔を覆って集電板を備え、集電板と集電箔とを溶接接続すること(例えば、特許文献3)、また、集電板を外装ケースと素子との接続や外部端子との接続に用いること(例えば、特許文献4)が知られている。
【0003】
また、積層型のコンデンサ素子では、素子端面側に接続端子を備えるものが知られている(例えば、特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−219857公報
【特許文献2】特開2001−068379公報
【特許文献3】特開2007−335156公報
【特許文献4】特開2010−093178公報
【特許文献5】特開平6−275476公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、コンデンサ素子と端子部材との間に集電板を備えた端子構造では、コンデンサ素子の陽極や陰極に接続された集電板と端子部材との接続し、コンデンサ素子の低抵抗化など、優れた電気的な特性が得られる。集電板と端子部材との接続は溶接によって行われる。
【0006】
溶接による接続では、溶接条件の一つである端子部材と集電板との整合状態が接続精度や接続の信頼性に影響する。
【0007】
斯かる要求や課題について、特許文献1〜5にはその開示や示唆はなく、それを解決する構成等についての開示や示唆はない。
【0008】
そこで、本発明のコンデンサ及びその端子接続方法の目的は、上記課題に鑑み、接続を容易化するとともに、接続の信頼性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のコンデンサは、陽極及び陰極を備えたコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子の素子端面に設置されて陽極又は陰極に接続され、前記コンデンサ素子の側面方向に円弧状の第1の接続面を有する集電板と、前記集電板の前記第1の接続面と同心円状の第2の接続面を有する端子部材と、を備え、前記第1の接続面と前記第2の接続面を一致させて溶接し、前記集電板と前記端子部材とを接続したものである。
【0010】
上記目的を達成するためには、上記コンデンサにおいて、より好ましくは前記コンデンサ素子の素子中心を基準に、前記第1の接続面及び前記第2の接続面が同心円面であってもよい。
【0011】
上記目的を達成するためには、上記コンデンサにおいて、より好ましくは前記集電板に、前記第1の接続面に沿う前記コンデンサ素子の素子端面を覆う覆い部を備えてもよい。
【0012】
上記目的を達成するためには、上記コンデンサにおいて、より好ましくは前記集電板は、前記素子端面の前記素子中心を基準に同心円面となる複数の前記第1の接続面を備え、前記コンデンサ素子の同一端面に形成された複数の電極部に設置されていてもよい。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明のコンデンサの端子接続方法は、コンデンサ素子の素子端面に設置されて陽極側又は陰極側に接続される集電板に、前記コンデンサ素子の側面方向に円弧状の第1の接続面を形成し、前記集電板に接続する端子部材に前記集電板の前記接続面と同心円状の第2の接続面を形成し、前記第1の接続面と前記第2の接続面とを揃え、前記コンデンサ素子、又は前記第1の接続面と前記第2の接続面にビームを照射する溶接手段を用い、前記コンデンサ素子又は溶接手段を回動させ、前記第1の接続面と前記第2の接続面とを溶接して前記集電板と前記端子部材とを接続する。
【0014】
上記目的を達成するためには、上記コンデンサの端子接続方法において、より好ましくは前記コンデンサ素子の素子中心を基準に、前記第1の接続面及び前記第2の接続面を同心円面に形成し、前記素子中心を回動中心にして前記コンデンサ素子又は前記溶接手段を回動させてよい。
【0015】
上記目的を達成するためには、上記コンデンサの端子接続方法において、より好ましくは前記集電板に、前記第1の接続面に沿う前記コンデンサ素子の素子端面を覆う覆い部を形成した集電板を用いてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のコンデンサ又はその製造方法によれば、次の何れかの効果が得られる。
【0017】
(1) コンデンサ素子に接続された集電板の第1の接続面と整合する第2の接続面を端子部材に備え、これら第1及び第2の接続面を溶接しているので、集電板と端子部材との接続を容易化でき、接続の信頼性を高めることができる。
【0018】
(2) レーザ溶接又は電子ビーム溶接の溶接精度を高めることができる。
【0019】
(3) 溶接工程を簡略化でき、接続処理の迅速化を図ることができる。
【0020】
そして、本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付図面及び各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの端子接続構造の一例を示す図である。
【図2】集電板およびコンデンサ素子の一例を示す斜視図である。
【図3】位置決めされた集電板及び外部端子に対するレーザ照射を示す斜視図である。
【図4】集電板及び外部端子に対するレーザ照射の一例を示す図である。
【図5】集電板及び外部端子に対するレーザ照射の変形例を示す図である。
【図6】集電板及び外部端子の溶接例を示す図である。
【図7】電気二重層コンデンサの一例を示す断面図である。
【図8】第2の実施の形態に係る集電板と外部端子との溶接手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔第1の実施の形態〕
【0023】
第1の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの端子構造及び端子接続方法について、図1を参照する。図1は集電板が接続されたコンデンサ素子及び封口板の一例を示している。
【0024】
この電気二重層コンデンサ2(図7)は、本発明のコンデンサの一例であって、コンデンサ素子4を備える。このコンデンサ素子4は陽極側及び陰極側の電極箔の間にセパレータを介在させて巻回した巻回素子であるが、この巻回素子に限定されない。即ち、陽極側及び陰極側の電極箔の間にセパレータを介在させて積層した積層素子であってもよい。
【0025】
コンデンサ素子4の素子端面6には陽極側及び陰極側の電極箔の縁部をセパレータの縁部より露出させ、素子端面6の半円部の一方には陽極部8、その半周部の他方には陰極部10が形成されている。陽極部8と陰極部10の間は絶縁間隔12により絶縁されている。陽極部8には陽極側の集電板14A、陰極部10には陽極側の集電板14Bが設置され、集電板14Aと集電板14Bとの間は、絶縁間隔16の設定により絶縁されている。
【0026】
陽極部8と集電板14Aは集電板14Aに設定された溶接部18でレーザ溶接や電子ビーム溶接により溶接され、電気的に接続されている。同様に、陰極部10と集電板14Bは集電板14Bに設定された溶接部18でレーザ溶接や電子ビーム溶接により溶接され、電気的に接続されている。各溶接部18はたとえば、45度の扇型状の面部であり、各集電板14A、14Bに形成されている。各溶接部18において、19はレーザ又は電子ビームの照射部を示している。
【0027】
コンデンサ素子4および集電板14A、14Bについて、図2を参照する。図2はコンデンサ素子および集電板を示している。
【0028】
コンデンサ素子4の素子端面6には、既述の陽極部8と陰極部10が素子中心に一定幅の絶縁間隔12を挟んで半円状に形成されている。一例であるコンデンサ素子4はたとえば、陽極側および陰極側の電極箔をこれら両者間に介在させたセパレータとともに巻回されており素子端面6が電極箔より幅の広いセパレータの縁部で形成されている。陽極部8はセパレータの縁部より張り出させた陽極側の電極箔で形成され、素子端面6に突出させた電極箔を素子中心21に向かって折りたたみ、偏平に成形されている。陰極部10も同様にセパレータの縁部より張り出させた陰極側の電極箔で形成され、素子端面6に突出させた電極箔を素子中心21に向かって折りたたみ、偏平に成形されている。
【0029】
また、陽極部8および陰極部10には、所定角度θとしてたとえば、30[ 度] の角度に切込み9を入れて区分され、中央に電極突出部11、この電極突出部11を挟んで集電板溶接部13が形成されている。集電板溶接部13は、電極突出部11より圧縮成形され、電極突出部11との間に段差が設けられている。
【0030】
各集電板14A、14Bには、図2に示すように、各溶接部18の間にたとえば、90度の扇型状の端子溶接部20が形成され、素子中心21に対応した円弧状の切欠き部23が形成れている。溶接部20には、端子設置面部22、第1の接続面24及び素子覆い部26が形成されている。
【0031】
端子設置面部22は外部端子を設置する面部であり、その形態はたとえば、平坦面部であって、外部端子である陽極端子30A又は陰極端子30Bが載置される。陽極端子30A又は陰極端子30Bの面部を平坦面とし、各陽極端子30A又は陰極端子30Bは端子設置面部22に密着させる。この端子設置面部22の背面側にはコンデンサ素子4側の陽極部8又は陰極部10の電極突出部11が挿入される凹部27が形成されている。
【0032】
接続面24は、コンデンサ素子4の側面側に向かう円弧状の面部である。素子覆い部26は、端子設置面部22と接続面24を段差として立ち下がり、コンデンサ素子4の素子端面6を覆う平坦面部である。即ち、各集電板14A、14Bに平坦な端子設置面部22を残し、円弧状に素子覆い部26を切削又は成形することにより、接続面24が端子設置面部22と素子覆い部26との段差で形成された円弧面である。接続面24の円弧面は、コンデンサ素子4の素子中心とするコンデンサ素子4と同一又は近似の同心円面である。
【0033】
封口板28は、硬質の絶縁性合成樹脂板からなるたとえば、円形の封口本体34を備え、この封口本体34の外面側縁部に封止リング36を備えている。封口本体34は外部端子である陽極端子30Aと陰極端子30Bをインサート成形したものであり、封口本体34の素子側端面には陽極端子30A、陰極端子30Bの接続端38が突出している。各接続端38の周面部には、第2の接続面40が形成されている。この接続面40は、集電板14A、14B側の接続面24と同一の円弧状の面部であって、接続面24と同一又は近似の同心円面である。したがって、陽極端子30A又は陰極端子30Bを集電板14A、14Bの端子設置面部22に設置すれば、接続面40を集電板14A、14Bの接続面24と一様の面部に整合させ、共通の同心円面に設定することができる。
【0034】
次に、集電板14A及び14Bと外部端子の溶接について、図3を参照する。図3は端子接続工程を示している。
【0035】
図3に示すコンデンサ素子4の素子端面6の陽極部8には陽極側の集電板14Aが設置されて溶接され、陰極部10には陰極側の集電板14Bが設置されて溶接されている。
【0036】
集電板14Aの端子設置面部22には陽極端子30A、集電板14Bの端子設置面部22には陰極端子30Bが設置されている。陽極端子30Aの接続面40は集電板14Aの接続面24に位置決めされ、一様な面部を形成している。同様に、陰極端子30Bの接続面40は集電板14Bの接続面24に位置決めされ、一様な面部を形成している。
【0037】
このように2つの面部を一様な面部に設定し、レーザ照射42を行い、接続面24、40を溶着させる。集電板14Aの端子設置面部22には陽極端子30Aが接続され、集電板14Bの端子設置面部22には陰極端子30Bが接続される。つまり、陽極端子30Aにはコンデンサ素子4の陽極部8、陰極端子30Bには陰極部10が接続される。
【0038】
各接続面24、40は同一の曲率半径を持つ円弧面であるので、レーザ照射42による溶着部が広範囲に設定される。
【0039】
このレーザ溶接について、図4を参照する。図4はレーザ照射角度及び溶接面の一例を示している。
【0040】
各集電板14A、14Bは、コンデンサ素子4の素子端面6の素子中心21を基準に設置され、コンデンサ素子4の陽極部8又は陰極部10に接続されている。そこで、各集電板14A、14Bの各端子溶接部20の接続面24は、素子中心21を基準にした円弧面を構成している。
【0041】
これに対し、図4に示すように、端子設置面部22に設置された陽極端子30A又は陰極端子30Bは、接続面40を接続面24に一致させる。レーザ照射装置44のレーザ出射部46を溶接面24、40に向けて設置する。
【0042】
レーザ出射部46と、接続面24、40のレーザ照射点48との距離をLとすれば、素子中心21を回動中心にしてレーザ照射装置44を矢印Nの方向に回転しても、距離Lを維持することができる。そして、レーザ照射点48を中心にレーザ照射装置44の回動角度θとし、この回動角度θを溶接範囲に設定すれば、接続面24、40に同一の距離Lで一様にレーザ照射42を行い、溶接をすることができる。レーザ照射42の距離Lが同一であるとともに、安定したレーザ照射42を連続して行え、均一な溶接処理を行うことができ、接続の信頼性を高めることができる。なお、レーザ照射装置44の回動に代え、図5に示すように、コンデンサ素子4を素子中心21を回動中心にして回転して溶接する構成としてもよい。
【0043】
この端子接続工程の一例について、既述のように図4の状態に設置する。この場合、レーザ照射装置44をコンデンサ素子4の素子中心21を中心に所定角度θだけ回転させてレーザ照射42を行い、陽極端子30A及び集電板14Aの溶接を行う。そして、コンデンサ素子4を反転(半回転)させてレーザ照射点48に向け、レーザ照射装置44に対向する陰極端子30B及び集電板14Bの接続面24、40を配置する。この状態でレーザ照射装置44を素子中心21に向け、既述の所定角度θだけ回転させてレーザ照射42を行い、溶接を行う。
【0044】
このレーザ溶接処理について、図6を参照する。図6は溶接部分を拡大して示している。
【0045】
図6に示すように、接続面24、40は一様に溶接され、溶接部50によって陽極端子30A(陰極端子30B)と集電板14A(14B)とが接続されている。この溶接の際、レーザ照射点48に対してレーザ照射42が行われるが、このレーザ照射42はアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中で行われる。
【0046】
また、集電板14A、14Bにある素子覆い部26でコンデンサ素子4側の陽極部8(陰極部10)が覆われるので、レーザ照射42やレーザ溶接で生成される飛翔物から陽極部8(陰極部10)及びコンデンサ素子4を防護することができる。
【0047】
このような端子接続構造を備える電気二重層コンデンサ2について、図7を参照する。図7は電気二重層コンデンサの一例を示している。
【0048】
図7に示す電気二重層コンデンサ2では、円筒状の外装ケース52にコンデンサ素子4が挿入され、コンデンサ素子4と一体化された封口板28が外装ケース52の開口部側に挿入されている。外装ケース52はたとえば、アルミニウムケースで構成すればよい。
【0049】
封口板28は、外装ケース52の絞り部54で位置決めされるとともに、外装ケース52の開口縁部56をカーリング処理して封止リング36に食い込ませることにより、外装ケース52に保持されている。また、コンデンサ素子4は、封口板28と外装ケース52の内底面との間に保持されている。
【0050】
この実施の形態では、コンデンサ素子4の素子端面6と封口板28との間には絶縁性リング58が設置されている。この絶縁性リング58が集電板14A、14Bの周囲面及びその近傍を覆い、外装ケース52とコンデンサ素子4側との絶縁が図られている。
【0051】
〔第2の実施の形態〕
【0052】
第2の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの端子接続方法、端子接続装置について、図8を参照する。図8は電気二重層コンデンサの端子接続方法及び端子接続装置の一例を示している。
【0053】
図8に示す端子接続装置60は、レーザ照射装置44A、44Bと、回転ディスク62を備えている。各レーザ照射装置44A、44Bは既述の素子中心21から同一距離に設定されている。回転ディスク62は、コンデンサ素子4を位置決めして回動させる手段である。この回転ディスク62の上面には、コンデンサ素子4を位置決めして固定する一対のチャック部64が回転ディスク62の直径方向に配置されている。
【0054】
このような端子接続装置60を用いれば、コンデンサ素子4を位置決めして固定された回転ディスク62を図8のAに示す位置から矢印Nで示す方向に、回転しながら、各レーザ照射装置44A、44Bからレーザ照射42を行えばよい。
【0055】
そして、図8のBに示すように、溶接範囲に設定された回動角度θ(図4)だけ回転ディスク62を回転した位置で停止すればよい。
【0056】
このような溶接方法及び溶接装置を用いれば、所定の溶接時間で2か所の溶接を同時に行うことができ、溶接処理の迅速化を図ることができる。
【0057】
〔他の実施の形態〕
【0058】
(1) 上記実施の形態では、端子部材として陽極端子30A及び陰極端子30Bを例示したが、これら陽極端子30A及び陰極端子30Bと集電板14A、14Bとの間に端子板を備えた構成であってもよい。
【0059】
(2) 上記実施の形態では、溶接手段としてレーザ溶接を例示したが、溶接エネルギを照射する溶接方法であればよく、たとえば、電子ビーム溶接を用いてもよい。
【0060】
(3) 上記実施の形態では、電気二重層コンデンサ2を例示したが、本発明はこれに限定されない。同一の構造及び方法は、電解コンデンサにも同様に適用でき、同様の効果が得られる。
【0061】
(4) 上記実施の形態では、コンデンサ素子4を中心に固定し、溶接箇所に対応して2つのレーザ照射装置44A、44Bを備えることにより、各レーザ照射装置44A、44Bを個別に所定角度θだけ回動させて溶接する構成に限定されない。コンデンサ素子4の複数の溶接箇所に対応するレーザ照射装置44を備え、このレーザ照射装置44を溶接箇所に走査し、複数の溶接箇所を単一のレーザ照射装置で溶接する構成としてもよい。
【0062】
(5) 上記実施の形態ではコンデンサ素子4の一方の素子端面6に陽極部8、陰極部10を備える構成としているが、これに限定されない。コンデンサ素子4の一方の素子端面6にたとえば陽極部8、他方の素子端面に陰極部10を形成し、これら陽極部8に集電板14A、陰極部10に集電板14Bを設置する構成としてもよい。
【0063】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明のコンデンサ及びその端子接続方法は、端子接続や接続工程の簡略化に寄与し、生産性や信頼性を高めることができ、有益である。
【符号の説明】
【0065】
2 電気二重層コンデンサ
4 コンデンサ素子
6 素子端面
8 陽極部
9 切込み
10 陰極部
11 電極突出部
13 集電板溶接部
14A、14B 集電板
20 端子溶接部
21 素子中心
22 端子設置面部
24 第1の接続面
26 素子覆い部
28 封口板
30A 陽極端子
30B 陰極端子
40 第2の接続面
42 レーザ照射
44、44A、44B レーザ照射装置
46 レーザ出射部
48 レーザ照射点
50 溶接部
52 外装ケース
60 端子接続装置
62 回転ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極及び陰極を備えたコンデンサ素子と、
前記コンデンサ素子の素子端面に設置されて陽極又は陰極に接続され、前記コンデンサ素子の側面方向に円弧状の第1の接続面を有する集電板と、
前記集電板の前記第1の接続面と同心円状の第2の接続面を有する端子部材と、
を備え、前記第1の接続面と前記第2の接続面を一致させて溶接し、前記集電板と前記端子部材とを接続したことを特徴とするコンデンサ。
【請求項2】
前記コンデンサ素子の素子中心を基準に、前記第1の接続面及び前記第2の接続面が同心円面であることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項3】
前記集電板に、前記第1の接続面に沿う前記コンデンサ素子の素子端面を覆う覆い部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンデンサ。
【請求項4】
前記集電板は、前記素子端面の前記素子中心を基準に同心円面となる複数の前記第1の接続面を備え、前記コンデンサ素子の同一端面に形成された複数の電極部に設置されていることを特徴とする請求項1ないし3に記載のコンデンサ。
【請求項5】
コンデンサ素子の素子端面に設置されて陽極側又は陰極側に接続される集電板に、前記コンデンサ素子の側面方向に円弧状の第1の接続面を形成し、
前記集電板に接続する端子部材に前記集電板の前記接続面と同心円状の第2の接続面を形成し、
前記第1の接続面と前記第2の接続面とを揃え、前記コンデンサ素子、又は前記第1の接続面と前記第2の接続面にビームを照射する溶接手段を用い、前記コンデンサ素子又は溶接手段を回動させ、
前記第1の接続面と前記第2の接続面とを溶接して前記集電板と前記端子部材とを接続する
ことを特徴とするコンデンサの端子接続方法。
【請求項6】
前記コンデンサ素子の素子中心を基準に、前記第1の接続面及び前記第2の接続面を同心円面に形成し、
前記素子中心を回動中心にして前記コンデンサ素子又は前記溶接手段を回動させる
ことを特徴とする請求項5に記載のコンデンサの端子接続方法。
【請求項7】
前記集電板に、前記1の接続面に沿う前記コンデンサ素子の素子端面を覆う覆い部を形成した集電板を用いることを特徴とする請求項5又は6に記載のコンデンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−174886(P2012−174886A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35484(P2011−35484)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000228578)日本ケミコン株式会社 (514)
【Fターム(参考)】