説明

コンデンサ用タンタル粉末の製造方法

コンデンサ用タンタル粉末の製造方法は、(1)酸化タンタルと第1の還元剤粉末とを均一に混合することによって低酸化状態のタンタル粉末を得る工程であって、還元反応を水素及び/又は不活性若しくは真空ガス下で進行させる第1の還元工程と、(2)工程1で得られた低酸化状態のタンタル粉末と第2の還元剤粉末とを均一に混合することによってより高酸化状態のタンタル粉末を得る工程であって、還元反応を水素及び/又は不活性若しくは真空ガス下で進行させる第2の還元工程と、(3)工程2で得られた高酸化状態のタンタル粉末と第3の還元剤粉末とを均一に混合することによって最終的なタンタル粉末を得る工程であって、還元反応を水素及び/又は不活性若しくは真空ガス下で進行させる第3の還元工程とを含む。還元剤の酸化生成物及び残留還元剤を各還元工程後に反応生成物から除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサ用タンタル粉末の製造方法に関し、特に、タンタルの酸化物を希土類金属又はそれらの水素化物で還元することによってタンタル粉末を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、電子装置及び電子回路の小型化及び周波数向上の要求に伴い、タンタルコンデンサは、比容量を向上させ、等価直列抵抗(ESR)を低減することが絶えず必要とされてきた。したがって、タンタル粉末は、比容量を向上させるように、より微細で、均一な粒径を有することが必要である。タンタル粉末の比容量をさらに向上させるために、ますます多くの研究がタンタル粉末の製造方法に向けられてきた。
【0003】
フルオタンタル酸カリウムナトリウム還元は、金属タンタル粉末を製造するための最も一般的な方法であることが周知である。この方法では、KCl、NaCl、KF及びNaFなどの不活性塩を加えることによって、タンタル粉末の粒径及び比表面積などの物理特性を制御する。不活性塩の量を増加させると、得られるタンタル粉末が微細になる。即ち、形成される金属の表面積が増大する。しかし、還元プロセスを通じてのタンタル金属の生成容量は、不活性塩の濃度の増加とともに相応に低下する。一般には、フルオタンタル酸カリウムをナトリウムとともに撹拌する還元プロセスを採用して、100,000uFV/g未満の比容量を有するコンデンサ用粉末を製造することが経済的である。より微細な初期粒径を有するタンタル粉末を製造する場合は、希釈剤の比率及び/又は撹拌速度を増大させて、凝集の程度をより小さくする必要がある。これにより、反応プロセスを制御することがより困難になり、製造コストが増大する。加えて、このプロセスは、高通電電圧のタンタル粉末をもたらす。このタンタル粉末は、不利な電気特性を示す。
【0004】
また、いくつかの特許には、タンタルの酸化物をアルカリ金属、アルカリ土類金属及びそれらの水素化物で還元することによるタンタル粉末の製造が開示されている。しかし、当該反応は、大量の熱が放出され、高温が生成される発熱反応である。酸化物は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属と直に接触するため、反応時間が非常に短く、放熱量が極めて大きく、制御不可能な反応である。しかし、反応温度を完全に制御することができないため、タンタル粉末の粒径は還元温度によって制御され、コンデンサの製造に好適な粒径を有する粉末を再現的に得ることができる。米国特許第6136062号には、酸化ニオブ及び酸化タンタルを金属マグネシウムで還元することによってニオブ粉末及びタンタル粉末を製造するための方法であって、第1の還元段階において、平均組成が(Nb、Ta)O(x=0.5から1.5)に対応するまで、化学量論量の1.25〜5倍の量の還元剤を使用することによって還元を実施し、第2の段階の前に、第1の段階による還元生成物を酸で洗浄して、反応で生成された過剰の還元性金属及び還元性金属の酸化物を除去する方法が開示されている。より大きな比面積を有するタンタル粉末をこの方法によって製造することができるが、この方法には以下の欠点がある。過剰の還元剤が使用され、酸による洗浄に大量の酸を使用する必要がある。加えて、この方法は、2段階還元を含み、第1段階の還元において還元の程度を厳密に制御する必要があるため、この方法は、技術面で複雑であり、効率が低い。
【0005】
中国特許公開第1425542号には、酸化タンタルをアルカリ金属又はアルカリ土類金属により2段階で還元することによってタンタル粉末を製造するための方法が開示されている。しかし、この方法は、装置の非常に高度な耐腐食性を必要とする。
【0006】
特開2003−129115には、酸化タンタルをアルカリ金属、アルカリ土類金属及び/又は希土類金属により2段階で還元することによってタンタル粉末を製造するための方法が開示されている。第1の段階において、実質的にアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を使用して蒸気還元を実施し、第2の段階において、第1の段階で生成されたタンタルのより低い原子価の酸化物を液相で希土類金属により還元する。しかし、第1の段階の制御は極めて複雑である。したがって、超高比容量のタンタル粉末を製造するこの方法は、さほど好適でない。
【0007】
中国特許公開第1449879号には、ナノグレードタンタル粉末を製造するための方法であって、五酸化タンタル及び還元剤(ナトリウムなど)の一部又はすべてをアンモニアの液化温度(−34℃)より低い温度で液体アンモニアに溶解させ、五酸化タンタルが溶解したアンモニア溶液と、還元剤が溶解したアンモニア溶液とを混合して反応させ、ナノグレードタンタル粉末を生成し、次いで生成物を分離及び精製して、純粋なナノグレードタンタル粉末(20〜60nm)を得る。次いで、空気中で安定したタンタル粉末を、一連の処理測定を介して得る。しかし、この方法によって製造されたタンタル粉末は、酸素、窒素及びナトリウムの高含有量の3種類の不純物を含み、この方法は動作が複雑であり、コストが高いため、工業的製造を達成することができない。
【0008】
したがって、コンデンサの分野では、均一な粒径、低酸素含有量及び高比容量を有するタンタル粉末が依然として必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6136062号
【特許文献2】中国特許公開第1425542号
【特許文献3】特開2003−129115
【特許文献4】中国特許公開第1449879号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、本発明において、酸化タンタルを希土類金属又はそれらの水素化物で還元することによるタンタル粉末の製造により達成される。本発明の方法は、ニオブ及びバナジウム粉末の製造にも好適である。
【0011】
本発明は、3つの還元工程を介して酸化タンタル粉末を還元することによって超高比容量のタンタル粉末を製造するための方法であって、
(1)酸化タンタル粉末と第1の還元剤粉末とを均一に混合し、次いで水素及び/又は不活性ガス或いは真空雰囲気中で還元反応を実施して亜酸化タンタル粉末を得る工程であって、前記第1の還元剤が、希土類金属、希土類金属の水素化物及びそれらの混合物からなる群から選択される第1の還元工程と、
(2)不純物が除去された、工程(1)により得られた亜酸化タンタル粉末と、第2の還元剤粉末とを均一に混合し、水素及び/又は不活性ガス或いは真空雰囲気中で還元反応を実施して、高酸素含有量を有するタンタル粉末を得る工程であって、前記第2の還元剤が、希土類金属、希土類金属の水素化物及びそれらの混合物からなる群から選択される第2の還元工程と、
(3)不純物が除去された、工程(2)により得られた、高酸素含有量を有するタンタル粉末と、第3の還元剤粉末とを均一に混合し、次いで水素及び/又は不活性ガス或いは真空雰囲気中で還元反応を実施して、コンデンサに好適なタンタル金属粉末を得る工程であって、前記第3の還元剤がマグネシウム又はマグネシウム合金である第3の還元工程と
を含み、各還元工程後に、還元剤の酸化生成物及び残留還元剤を反応生成物から除去する方法を提供する。
【0012】
本明細書において、希土類金属は、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジミウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロジウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムを含み、また、それらの合金又はあらゆる混合物であり得る。
【0013】
第3の還元剤は、マグネシウム又はマグネシウム合金粉末である。マグネシウム合金は、マグネシウムに加えて、カルシウム、亜鉛及び希土類金属からなる群から選択される1つ又は複数の元素を含む。第3の還元剤は、好ましくは、マグネシウム、イットリウム−マグネシウム合金、カルシウム−マグネシウム合金、ランタン−マグネシウム合金、マグネシウム−亜鉛合金である。
【0014】
第1の還元反応工程において、酸化タンタル粉末は、第1の還元剤、即ち希土類金属又はそれらの水素化物の粉末によって還元される。第1の還元剤の量は、好ましくは、酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.3〜0.65倍に調整され、第1の還元剤により形成された酸化物、又は残留する第1の還元剤は、好ましくは、不純物の除去後に得られた亜酸化タンタル粉末における第1の還元剤の残留量が100ppm未満になるように、無機酸によって溶解されて除去される。第1の還元反応工程において、反応温度は、好ましくは400〜1000℃であり、反応時間は、好ましくは3〜10時間である。加えて、第1の反応工程により得られた亜酸化タンタル粉末は、7〜12.5重量%である。
【0015】
第2の還元反応工程において、亜酸化タンタル粉末は、第2の還元剤、即ち希土類金属又はそれらの水素化物を使用することによって還元される。第2の還元剤の量は、好ましくは、亜酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.4〜0.85倍に調整され、第2の還元剤により形成された酸化物、又は残留する第2の還元剤は、好ましくは、不純物の除去後に得られた、高酸素含有量を有するタンタル粉末における第2の還元剤の残留量が100ppm未満になるように、無機酸によって溶解されて除去される。第2の還元反応工程において、反応温度は、好ましくは400〜1000℃であり、反応時間は、好ましくは3〜10時間である。加えて、第2の還元工程により得られた、高酸素含有量を有するタンタル粉末における酸素含有量は、1.5〜4重量%である。
【0016】
第3の還元反応工程において、第2の還元工程で生成された、高酸素含有量を有するタンタル粉末は、第3の還元剤を使用することによって還元され、第3の還元剤の量は、好ましくは、高酸素含有量を有するタンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の1.0〜2.0倍に調整され、第3の還元剤により形成された酸化物、又は残留する第3の還元剤は、好ましくは、最終的に得られるタンタル粉末における第3の還元剤の残留量が100ppm未満になるように、無機酸によって溶解されて除去される。第3の還元反応工程において、反応温度は、好ましくは300〜900℃であり、反応時間は、好ましくは2〜6時間である。
【0017】
コンデンサの陽極材料として、タンタル粉末は、自動成形の製造要件を満たさなければならないことにより、良好な粒子形状及び良好な流動性を有さなければならないため、最終的に得られるタンタル粉末が、流動性、相溶性及び多孔性等の良好な物理特性を有するように、第1の還元反応工程を実施する前に、酸化タンタルの粉末を凝集させるべきである。
【0018】
本発明の実施形態によれば、酸化タンタルの粉末を凝集させる場合は、N、P、S、B等の元素を含むドープ剤を加えて、第1、第2又は第3の還元工程における、酸化タンタル粉末、亜酸化タンタル粉末、又は高酸素含有量を有するタンタル粉末の比表面積の低下を抑制する。
【0019】
製造すべきタンタル粉末の比容量に応じて、第3の還元反応工程を実施する前に、N、P、S、B等の元素を含む適切な量のドープ剤を加えて、第3の還元反応工程における、高酸素含有量を有するタンタル粉末の比表面積の低下を抑制することによって、より高い比容量を得ることができる。
【0020】
前記3つの還元工程によって得られたタンタル粉末は、一次粒子の粒径が20nmから8μmであり、BET比表面積が2m/g〜10m/gである。3つの還元工程によって得られたタンタル粉末が電解質コンデンサの陽極に製造される場合は、前記陽極は、約100,000から約400,000CV/gの比容量を有する。
【0021】
本発明による方法において、原料の粒径は、生成物の特性に重要な影響を及ぼす。原料の粒径が大きすぎると、得られるタンタル粉末は、粒径が大きすぎることにより比容量が小さくなり、原料の粒径が小さすぎると、生成物の比容量にあまり貢献せず、製造コストが大きくなりすぎる。用いられる酸化タンタル粉末の粒径は、好ましくは0.02〜8μm、より好ましくは0.03〜5μmである。
【0022】
本発明による方法に使用される無機酸は、塩酸、硝酸、硫酸及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは塩酸である。無機酸水溶液の濃度は、5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%、より好ましくは10〜15%である。最終的に得られるタンタル粉末における残留希土類金属の量が100ppmになるように生成物を酸で洗浄する。
【0023】
本発明による方法に使用される乾燥方法は、特に限定されないが、空気乾燥、オーブンによる乾燥、真空乾燥を含む(ただし、それらに限定されない)。タンタル粉末をオーブンで乾燥する場合は、乾燥温度は、残留タンタル粉末の物理特性及び化学特性に影響を与えない限り特に限定されない。乾燥温度は、好ましくは60〜130℃である。
【0024】
本発明のよる方法において、希土類金属の水素化物を還元剤として採用する場合は、希土類金属の過剰の水素化物が還元プロセスにおいて高温で希土類金属及び水素に分解されるため、生成物中の過剰の還元剤は、希土類金属の形をとることになる。
【0025】
本発明の方法によって得られたタンタル粉末の粒子は、珊瑚形、海綿形、球形、板形、アングル形又はそれらの組合せである。
【0026】
本発明の方法において、タンタル粉末は、また、希土類金属又はそれらの水素化物を還元剤とする1工程又は2工程還元によって製造される。用いられる還元剤が多すぎると、製造されるタンタル粉末は、3工程還元によって製造されるタンタル粉末より容量が小さくなる。フルオロタンタル酸カリウムをナトリウムで還元することによってタンタル粉末を製造する方法と比較して、製造コストが高い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】例1で得られたタンタル粉末の10000倍の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】例3で得られたタンタル粉末の20000倍の走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】例5で得られたタンタル粉末の20000倍の走査型電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施形態において、酸化タンタルは、3つの工程で、希土類金属又はそれらの水素化物、及びマグネシウム含有合金により還元される。
【0029】
1つの工程又は2つの工程によりタンタル粉末を製造する方法では、3工程還元方法と比較して、還元剤の添加が過剰であり、熱放出量が多く、還元温度が高いため、製造されるタンタル粉末は、比容量が小さい。
【0030】
したがって、より高い比容量のタンタル粉末を得るために、好ましくは、本発明による3工程還元方法が用いられる。
【0031】
第1の還元工程において、亜酸化タンタル粉末が得られ、その酸素含有量は7重量%から12.5重量%である。次いで、第1の還元工程で生成された希土類金属の酸化物及びそれらの残留希土類金属を除去し、次いで第2の還元工程において、第1の還元工程で生成された亜酸化タンタル粉末を希土類金属又はそれらの水素化物でさらに還元して、高酸素含有量を有するタンタル粉末を得る。
【0032】
第1の工程から得られた亜酸化タンタル粉末における酸素含有量が7%未満であることが必要である場合は、第1の工程において酸素が過剰に還元されるため、過剰の還元剤を採用しなければならないことにより、反応プロセスで大量の熱が生成するため、粒子が粗くなり、高比容量のタンタル粉末を容易に製造することができない。一方、酸素含有量が、12.5%を超えると、第2の還元工程において過剰の還元剤を採用しなければならないことにより、反応プロセスで大量の熱が生成するため、粒子が粗くなり、さらには過燃焼する。
【0033】
第2の還元工程において、高酸素含有量を有するタンタル粉末が得られ、その酸素含有量が、1.5重量%から4重量%である。次いで、第3の還元工程において、第2の還元工程で生成された希土類金属の酸化物及び残留希土類金属を除去し、第2の還元工程において生成された、高酸素含有量を有するタンタル粉末をマグネシウム又はマグネシウム合金粉末でさらに還元して、超高比容量のタンタル粉末を得る。
【0034】
第2の還元工程から得られた、高酸素含有量を有するタンタル粉末における酸素含有量が1.5%未満である場合は、第2の還元工程において酸素が過剰に還元されるため、過剰の還元剤を採用しなければならないことにより、反応プロセスで大量の熱が生成するため、粒子が粗くなり、高比容量のタンタル粉末を容易に製造することができない。一方、酸素含有量が4.0%を超える場合は、第3の還元工程において過剰の還元剤を採用しなければならないことにより、反応プロセスで大量の熱が生成するため、粒子が粗くなり、さらには過燃焼する。
【0035】
第1の還元工程を実施する前に、酸化タンタルの粉末を凝集させる必要がある。凝集の目的は、最終的に得られるタンタル粉末が、流動性、相溶性及び多孔性などの良好な物理特性を有しながら、それらの比表面積がわずかに減少するように、微細粉末を凝集させて、−325メッシュの微粉末になる球状の第2の粒子を形成する。
【0036】
本発明による還元方法の最初の2つの工程は固体−固体反応であるため、原料としての酸化タンタルの粉末の物理特性は、最終的に、最終のタンタル粉末の物理特性に影響を与える。したがって、酸化タンタルの凝集を実施することができる。
【0037】
加えて、最終的に得られる亜酸化タンタル粉末が、流動性、相溶性、多孔性などの良好な物理特性を有するように、第2の還元工程から得られた、高酸素含有量を有するタンタル粉末の物理特性に応じて、第3の還元工程を実施する前に、高酸素含有量を有するタンタル粉末を適切に凝集させることもできる。
【0038】
高酸素含有量を有する酸化タンタル粉末又はタンタル粉末を凝集させる場合は、製造されたタンタル粉末が非常に大きな比表面積を有するように、N、P、S、B等の元素を含むドープ剤を加えて、第1、第2又は第3の還元反応工程における、酸化タンタル粉末、亜酸化タンタル粉末、又は高酸素含有量を有するタンタル粉末の粒子の成長によって引き起こされるタンタル粉末の比表面積の低下をさらに抑制する。
【0039】
第3の還元反応工程において、マグネシウム又はマグネシウム合金粉末を使用して、第2の還元工程で生成された、高酸素含有量を有するタンタル粉末を還元する場合は、還元剤の量は、好ましくは、高酸素含有量を有するタンタル粉末に保持された酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の1.0〜2.0倍に調整され、還元剤は、好ましくは、最終的に得られるタンタル粉末における還元剤の残留量は150ppm未満になるように、無機酸によって溶解されて除去される。還元剤の量が、化学量論量の1.0倍未満である場合は、還元反応が不十分であり、製造されたタンタル粉末における酸素含有量が大きすぎる。還元剤の量が化学量論量の2.0倍を超える場合は、残留希土類金属又はそれらの水素化物の量が増加するため、後続の酸洗浄に使用される酸の量が増加し、同時に製造コストが増大する。
【0040】
第3の還元剤の量が、高酸素含有量を有するタンタル粉末に保持された酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の1.0〜2.0倍に調整される場合は、製造されたタンタル粉末の酸素含有量は5000から20000ppmである。
【0041】
第1の還元工程に用いられる酸化タンタルは、特に限定されないが、好ましくは五酸化タンタルである。
【0042】
第1、第2の還元工程に用いられる還元剤は、好ましくは、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジミウム、又はそれらの水素化物若しくはそれらの混合物及び合金の少なくとも1種である。第3の還元工程に用いられる還元剤は、好ましくは、マグネシウム、或いはマグネシウムとカルシウム、亜鉛、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム及び/又はネオジミウムから形成された合金の粉末である。合金粉末は、それに含まれる金属の融点又は還元反応速度が低く、酸素分の還元が容易であり、除去が容易であるという利点を有する。
【0043】
第1、第2及び第3の還元工程において、用いられる真空雰囲気並びに水素ガス及び/又は用いられる不活性ガス雰囲気は、特に限定されないが、安全な製造の観点から、水素ガス及び/又は不活性ガス雰囲気の圧力が0.15MPaを超えない。
【0044】
第1、第2又は第3の還元工程において、還元剤を酸化タンタル若しくは亜酸化タンタル、又は高酸素含有量のタンタルの粉末と均一に混合し、Mo坩堝内に充填し、水素ガス及び/又は不活性ガス或いは真空雰囲気中にて一定の温度及び時間で反応させる。第1、第2及び第3の還元反応工程における還元剤の添加量がある程度制御されるため、最終的に得られるタンタル粉末は、粒径が均一であり、不純物の含有量が小さく、比表面積が大きく、比容量が高い。
【0045】
第1及び第2の還元工程の反応温度は、好ましくは400〜1000℃である。反応温度が1000℃を超えると、還元剤の融点に達するか、又はそれを超え、次いで反応が固体−固体反応から液体−固体反応に変化するため、反応速度が速くなって、低酸化状態のタンタル酸化物及びタンタル粉末が焼成されることによって、粉末が粗くなる。したがって、反応温度は、好ましくは1000℃を超えない。一方、温度が400℃未満であると、反応が不十分である。
【0046】
第1及び第2の還元工程の反応時間は、好ましくは3〜10時間である。この時間で、還元反応は実質的に完了する。反応時間が10時間を超えると、保持時間が長すぎて反応生成物の粒子が粗くなり、製造コストが増大する。反応時間が3時間未満であると、反応時間が短すぎて反応が不十分になる。
【0047】
第3の反応工程における反応温度は、好ましくは300〜900℃である。以上に記載したように、3工程還元によって製造されたタンタル粉末は、超高比容量を有する。反応温度が900℃を超えると、反応速度が速いためにタンタル粉末が焼成され、粉末が粗くなる。したがって、還元温度は、好ましくは900℃を超えない。一方、温度が300℃未満であると、反応が不十分である。
【0048】
第3の還元工程の反応時間は、好ましくは2〜6時間である。この時間で、還元反応は実質的に完了する。反応時間が6時間を超えると、保持時間が長すぎて反応生成物の粒子が粗くなり、製造コストが増大する。反応時間が2時間未満であると、反応時間が短すぎて反応が不十分になる。
【0049】
第3の還元工程プロセスにおいて、合金粉末を使用する効果は、タンタル粉末の良好な酸素含有量減少効果を達成するように、温度を下げて、タンタル粉末における酸素含有量を減少させるか、又は合金のより低い融点を介して単一の還元性金属の反応速度を低下させると同時に、タンタル粉末の比表面積の低下を可能な限り抑えることである。
【0050】
好適な実施形態において、第1及び第2の還元工程で生成された希土類金属の酸化物及び残留希土類又はそれらの水素化物を、無機酸で酸洗浄し、次いで水で洗浄することによって除去する。
【0051】
粒子の平均粒径をFsss法によって測定する。赤外線吸収酸素分析装置を使用することによって酸素含有量を測定する。比表面積をBET法によって測定する。比嵩密度(SBD)をSCOTT法によって測定する。
【0052】
電気特性の測定:150mgのタンタル粉末を圧縮して、4.5〜5.5g/cmの密度及び3.0mmの直径を有する成形体とし、真空炉にて1000〜1500℃の温度で20〜30分にわたって焼成し、焼成成形体に0.1%リン酸溶液中で60〜90℃にて16〜200Vの電圧を印加して陽極を形成し、次いで陽極成形体の容量及び漏れ電流を測定する。
【実施例】
【0053】
本発明をさらに説明するために、本発明の好適な実施形態を、それにより本発明の目的、特徴及び利点を明確に把握できる図面を参照しながら実施例により説明する。しかし、これらの説明は、本発明の特徴及び利点をさらに説明するために使用されるにすぎず、本発明を限定するものではない。
【0054】
(例1)
60メッシュ篩を通過した300gの五酸化タンタル粉末(Fsss平均粒径:1.04μm、SBD:0.89g/cm)と、50メッシュ篩を通過した210gの水素化ネオジミウム粉末(酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.43倍に対応する)とを均一に混合し、モリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で800℃に加熱し、4時間保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内の粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化ネオジミウム及び残留金属ネオジミウムを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させた。亜酸化タンタル粉末を得て、その酸素含有量を測定したところ12.1重量%であった。
【0055】
50メッシュ篩を通過した水素化ネオジミウム粉末を、得られた亜酸化タンタル粉末に加えた。水素化ネオジミウム粉末の量は、亜酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.75倍に対応する。均一に混合し、混合物をモリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で840℃に加熱し、6時間保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内のタンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化ネオジミウム及び残留金属ネオジミウムを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて、酸素含有量が3.15重量%である、高酸素含有量を有するタンタル粉末を得た。
【0056】
10メッシュ篩を通過したマグネシウム粉末を、得られた高酸素含有量を有するタンタル粉末に加えた。マグネシウム粉末の量は、高酸素含有量を有するタンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の1.8倍に対応する。均一に混合し、混合物をモリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で500〜800℃にて3時間保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内のタンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化マグネシウム及び残留金属マグネシウムを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて、比較的純粋なタンタル粉末を得た。それらの酸素含有量、Fsss平均粒径、SBD及びBET比表面積を測定した。それらの結果を表1に示した。以下の方法により電気特性を測定した。以上で得られたタンタル粉末を圧縮して、5.0g/cmの密度及び3.0mmの直径を有する成形体とし、真空炉にて1300℃の温度で20分間にわたって焼成して、タンタル焼成成形体を得て、焼成成形体に0.1%リン酸溶液中で85℃にて20Vの電圧を印加してタンタル陽極を形成した。陽極の比電気容量及び漏れ電流を表1に示した。
【0057】
(例2)
60メッシュ篩を通過した300gの五酸化タンタル粉末(Fsss平均粒径:1.04μm、SBD:0.89g/cm)と、50メッシュ篩を通過した120gのイットリウム粉末(酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.4倍に対応する)とを均一に混合し、モリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で800℃に加熱した。次いで、水素を反応容器に導入した。モリブデン坩堝を7時間にわたって800〜920℃に保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内の粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化イットリウム及び残留金属イットリウムを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させた。亜酸化タンタル粉末を得て、その酸素含有量を測定したところ9.4重量%であった。
【0058】
50メッシュ篩を通過したイットリウム粉末を、得られた亜酸化タンタル粉末に加えた。イットリウム粉末の量は、亜酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.8倍に対応する。均一に混合し、混合物をモリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で880℃に加熱した。次いで、水素を反応容器に導入した。モリブデン坩堝を5時間保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内のタンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化イットリウム及び残留金属イットリウムを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて、酸素含有量が1.98重量%である、高酸素含有量を有するタンタル粉末を得た。
【0059】
20メッシュ篩を通過したイットリウム−マグネシウム合金(MgY)粉末を、得られた高酸素含有量を有するタンタル粉末に加えた。イットリウム−マグネシウム合金(MgY)粉末の量は、高酸素含有量を有するタンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の1.4倍に対応する。均一に混合し、混合物をモリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で600℃に加熱し、水素を導入し、5時間にわたって600〜820℃に保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内のタンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化マグネシウム、酸化イットリウム及び残留金属マグネシウム及びイットリウムを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて、比較的純粋なタンタル粉末を得た。それらの酸素含有量、Fsss平均粒径、SBD及びBET比表面積を測定した。それらの結果を表1に示した。以下の方法により電気特性を測定した。以上で得られたタンタル粉末を圧縮して、5.0g/cmの密度及び3.0mmの直径を有する成形体とし、真空炉にて1300℃で20分間にわたって焼成して、タンタル焼成成形体を得て、焼成成形体に0.1%リン酸溶液中で85℃にて20Vの電圧を印加してタンタル陽極を形成した。陽極の比電気容量及び漏れ電流を表1に示した。
【0060】
(例3)
80メッシュ篩を通過した300gの五酸化タンタル(Fsss平均粒径:0.75μm、SBD:0.51g/cm)と、60メッシュ篩を通過した250gの水素化ランタン粉末(酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.54倍に対応する)とを均一に混合し、モリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で800℃に加熱し、800℃に8時間保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内の粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化ランタン及び残留金属ランタンを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させた。低酸化状態の亜酸化タンタル粉末を得て、その酸素含有量を測定したところ8.7重量%であった。
【0061】
60メッシュ篩を通過した水素化ランタン粉末を、得られた亜酸化タンタル粉末に加えた。水素化ランタン粉末の量は、亜酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.6倍に対応した。均一に混合し、混合物をモリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で加熱し、6時間にわたって600〜800℃に保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内のタンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化ランタン及び残留金属ランタンを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて、酸素含有量が2.15重量%である、高酸素含有量を有するタンタル粉末を得た。
【0062】
20メッシュ篩を通過したランタン−マグネシウム合金(MgLa)粉末を、得られた高酸素含有量を有するタンタル粉末に加えた。ランタン−マグネシウム合金(MgLa)粉末の量は、高酸素含有量を有するタンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の1.75倍に対応する。均一に混合し、混合物をモリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で600℃に加熱し、水素を導入し、4時間にわたって600〜820℃に保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内のタンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化マグネシウム、酸化ランタン並びに残留金属マグネシウム及びランタンを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて、比較的純粋なタンタル粉末を得た。それらの酸素含有量、Fsss平均粒径、SBD及びBET比表面積を測定した。それらの結果を表1に示した。以下の方法により電気特性を測定した。以上で得られたタンタル粉末を圧縮して、5.0g/cmの密度及び3.0mmの直径を有する成形体とし、真空炉にて1200℃で20分間にわたって焼成して、タンタル焼成成形体を得て、焼成成形体に0.1%リン酸溶液中で85℃にて20Vの電圧を印加してタンタル陽極を形成した。陽極の比電気容量及び漏れ電流を表1に示した。
【0063】
(例4)
80メッシュ篩を通過した300gの五酸化タンタル(Fsss平均粒径:0.5μm、SBD:0.32g/cm)と、60メッシュ篩を通過した210gのランタン粉末(酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.45倍に対応する)とを均一に混合し、モリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で600℃に加熱し、水素を反応容器に導入し、5時間にわたって600〜800℃に保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内の粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化ランタン及び残留金属ランタンを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させた。低酸化状態のタンタル粉末を得て、その酸素含有量を測定したところ10.8重量%であった。
【0064】
60メッシュ篩を通過した水素化ランタン粉末を、得られた亜酸化タンタル粉末に加えた。水素化ランタン粉末の量は、亜酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.7倍に対応した。均一に混合し、混合物をモリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で600℃に加熱し、次いで水素を反応容器に導入し、7時間にわたって600〜800℃に保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内のタンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化ランタン及び残留金属ランタンを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて、酸素含有量が2.43重量%である、高酸素含有量を有するタンタル粉末を得た。
【0065】
20メッシュ篩を通過したマグネシウム−亜鉛合金(MgZn)粉末を、得られた高酸素含有量を有するタンタル粉末に加えた。マグネシウム−亜鉛合金(MgZn)粉末の量は、高酸素含有量を有するタンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の1.3倍に対応した。均一に混合し、混合物をモリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で520℃に加熱し、3時間保持し、次いで真空にして700℃に加熱し、3時間保持した(真空法により、金属亜鉛の大部分を抽出し、残留する亜鉛を酸洗浄によって除去した)。保持が完了すると、アルゴンを反応容器に導入して正圧とし、次いで冷却した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内のタンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、還元剤の酸化物及び残留還元剤を除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて、比較的純粋なタンタル粉末を得た。それらの酸素含有量、Fsss平均粒径、SBD及びBET比表面積を測定した。それらの結果を表1に示した。以下の方法により電気特性を測定した。以上で得られたタンタル粉末を圧縮して、5.0g/cmの密度及び3.0mmの直径を有する成形体とし、真空炉にて1150℃で20分間にわたって焼成して、タンタル焼成成形体を得て、焼成成形体に0.1%リン酸溶液中で85℃にて20Vの電圧を印加してタンタル陽極を形成した。陽極の比電気容量及び漏れ電流を表1に示した。
【0066】
(例5)
80メッシュ篩を通過した300gの五酸化タンタル(Fsss平均粒径:0.2μm、SBD:0.20g/cm)と、60メッシュ篩を通過した220gのセリウム粉末(酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.42倍に対応する)とを均一に混合し、モリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で600℃に加熱し、水素を反応容器に導入し、4時間にわたって600〜800℃に保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内の粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化セリウム及び残留金属セリウムを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させた。低酸化状態のタンタル粉末を得て、その酸素含有量を測定したところ11.28重量%であった。
【0067】
60メッシュ篩を通過したセリウム粉末を、得られた亜酸化タンタル粉末に加えた。セリウム粉末の量は、亜酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.68倍に対応した。均一に混合し、混合物をモリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で600℃に加熱し、次いで水素を反応容器に導入し、9時間にわたって600〜800℃に保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内のタンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化セリウム及び残留金属セリウムを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて、酸素含有量が3.08重量%である、高酸素含有量を有するタンタル粉末を得た。
【0068】
得られた高酸素含有量を有するタンタル粉末を凝集させ、次いで20メッシュ篩を通過したカルシウム−マグネシウム合金(MgCa)粉末を加えた。カルシウム−マグネシウム合金粉末の量は、高酸素含有量を有するタンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の1.48倍に対応した。均一に混合し、モリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で500〜800℃にて4時間保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内のタンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、酸化マグネシウム、酸化カルシウム並びに残留金属マグネシウム及びカルシウムを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて、比較的純粋なタンタル粉末を得た。それらの酸素含有量、Fsss平均粒径、SBD及びBET比表面積を測定した。それらの結果を表1に示した。以下の方法により電気特性を測定した。以上で得られたタンタル粉末を圧縮して、5.0g/cmの密度及び3.0mmの直径を有する成形体とし、真空炉にて1150℃で20分間にわたって焼成して、タンタル焼成成形体を得て、焼成成形体に0.1%リン酸溶液中で85℃にて20Vの電圧を印加してタンタル陽極を形成した。陽極の比電気容量及び漏れ電流を表1に示した。
【0069】
(例6)
100メッシュ篩を通過した300gの五酸化タンタル(Fsss平均粒径:0.1μm、SBD:0.19g/cm)と、80メッシュ篩を通過した200gのランタン粉末(酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.36倍に対応する)とを均一に混合し、モリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で600℃に加熱し、水素を反応容器に導入し、8時間にわたって600〜800℃に保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内の粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解によりランタン及び残留金属ランタンを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させた。低酸化状態のタンタル粉末を得て、その酸素含有量を測定したところ10.53重量%であった。
【0070】
80メッシュ篩を通過したイットリウム粉末を、得られた亜酸化タンタル粉末に加えた。イットリウム粉末の量は、亜酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.82倍に対応した。均一に混合し、混合物をモリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で600℃に加熱し、次いで水素を反応容器に導入し、9時間にわたって600〜800℃に保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内のタンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化イットリウム及び残留金属イットリウムを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて、酸素含有量が3.67重量%である、高酸素含有量を有するタンタル粉末を得た。
【0071】
60メッシュ篩を通過したイットリウム−マグネシウム合金(MgY)粉末を、得られた高酸素含有量を有するタンタル粉末に加えた。イットリウム−マグネシウム合金粉末の量は、高酸素含有量を有するタンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の1.2倍及びその重量の0.2倍に対応した。均一に混合し、混合物をモリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で600℃に加熱した。次いで、水素を反応容器に導入し、6時間にわたって600〜780℃に保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内のタンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、酸化マグネシウム、酸化イットリウム並びに残留金属マグネシウム及びイットリウムを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて、比較的純粋なタンタル粉末を得た。それらの酸素含有量、Fsss平均粒径、SBD及びBET比表面積を測定した。それらの結果を表1に示した。以下の方法により電気特性を測定した。以上で得られたタンタル粉末を圧縮して、5.0g/cmの密度及び3.0mmの直径を有する成形体とし、真空炉にて1100℃で10分間にわたって焼成して、タンタル焼成成形体を得て、焼成成形体に0.1%リン酸溶液中で85℃にて16Vの電圧を印加してタンタル陽極を形成した。陽極の比電気容量及び漏れ電流を表1に示した。
【0072】
(例7)
第1の還元工程における水素化ランタン粉末の添加量を270g(酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論の0.55倍に対応する)に変えたことを除いては例3の方法に従って、残りの条件は同じであった。得られた低酸化状態のタンタル粉末の酸素含有量を測定したところ8.48%であった。
【0073】
60メッシュ篩を通過した水素化ランタン粉末を、得られた亜酸化タンタル粉末に加えた。水素化ランタン粉末の量は、亜酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.50倍に対応する。均一に混合し、混合物をモリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で加熱し、6時間にわたって600〜800℃に保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内のタンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化ランタン及び残留金属ランタンを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させた。高酸素含有量を有するタンタル粉末の酸素含有量を測定したところ2.34%であった。
【0074】
20メッシュ篩を通過したランタン−マグネシウム合金(MgLa)粉末を、得られた高酸素含有量を有するタンタル粉末に加えた。ランタン−マグネシウム合金(MgLa)粉末の量は、高酸素含有量を有するタンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の1.15倍に対応した。均一に混合し、混合物をモリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で600℃に加熱した。次いで、水素を反応容器に導入し、5時間にわたって600〜820℃に保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内のタンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、酸化マグネシウム、酸化ランタン並びに残留金属マグネシウム及びランタンを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて、比較的純粋なタンタル粉末を得た。それらの酸素含有量、Fsss平均粒径、SBD及びBET比表面積を測定した。それらの結果を表1に示した。以下の方法により電気特性を測定した。以上で得られたタンタル粉末を圧縮して、5.0g/cmの密度及び3.0mmの直径を有する成形体とし、真空炉にて1200℃で20分間にわたって焼成して、タンタル焼成成形体を得て、焼成成形体に0.1%リン酸溶液中で85℃にて20Vの電圧を印加してタンタル陽極を形成した。陽極の比電気容量及び漏れ電流を表1に示した。
【0075】
(例8)
例5の方法に従って、第1及び第2の還元工程の条件は完全に同一であった。第2の工程から得られた高酸素含有量を有するタンタル粉末の酸素含有量を測定したところ3.08%であった。
【0076】
20メッシュ篩を通過したイットリウム−マグネシウム合金(MgY)粉末を、得られた高酸素含有量を有するタンタル粉末に加えた。イットリウム−マグネシウム合金(MgY)粉末の量は、高酸素含有量を有するタンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の1.35倍に対応した。均一に混合し、混合物をモリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で600℃に加熱した。次いで、水素を反応容器に導入し、4時間にわたって600〜800℃に保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内のタンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、酸化マグネシウム、酸化イットリウム並びに残留金属マグネシウム及びイットリウムを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて、比較的純粋なタンタル粉末を得た。それらの酸素含有量、Fsss平均粒径、SBD及びBET比表面積を測定した。それらの結果を表1に示した。電気特性を以下の方法によって測定した。以上で得られたタンタル粉末を圧縮して、5.0g/cmの密度及び3.0mmの直径を有する成形体とし、真空炉にて1150℃で20分間にわたって焼成して、タンタル焼成成形体を得て、焼成成形体に0.1%リン酸溶液中で85℃にて20Vの電圧を印加してタンタル陽極を形成した。陽極の比電気容量及び漏れ電流を表1に示した。
【0077】
(比較例1)
50メッシュ篩を通過した200gの五酸化タンタル(Fsss平均粒径:1.6μm、SBD:0.95g/cm)と、50メッシュ篩を通過した240gのイットリウム粉末(酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の1.2倍に対応する)とを均一に混合し、モリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で880℃に加熱し、水素を反応容器に充填し、8時間保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内の粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化イットリウム及び残留金属イットリウムを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて、比較的純粋なタンタル粉末を得た。タンタル粉末の酸素含有量、Fsss平均粒径、SBD及びBET比表面積を測定し、それらの結果を表1に示した。以下の方法により電気特性を測定した。以上で得られたタンタル粉末を圧縮して、5.0g/cmの密度及び3.0mmの直径を有する成形体とし、真空炉にて1500℃で30分間にわたって焼成して、タンタル焼成成形体を得て、焼成成形体に0.1%リン酸溶液中で85℃にて30Vの電圧を印加してタンタル陽極を形成した。陽極の比電気容量及び漏れ電流を表1に示した。
【0078】
(比較例2)
60メッシュ篩を通過した300gの五酸化タンタル(Fsss平均粒径:1.4μm、SBD:0.89g/cm)と、50メッシュ篩を通過した340gの水素化ネオジミウム粉末(酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.7倍に対応する)とを均一に混合し、モリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で900℃に加熱し、8時間保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内の亜酸化タンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、溶解により酸化ネオジミウム及び残留金属ネオジミウムを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて亜酸化タンタル粉末を得た。酸素含有量を測定したところ6.4重量%であった。
【0079】
50メッシュ篩を通過した水素化ネオジミウム粉末を、得られた亜酸化タンタル粉末に加えた。水素化ネオジミウム粉末の量は、亜酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の1.2倍に対応する。均一に混合し、モリブデン坩堝に入れた。材料が充填されたモリブデン坩堝を密閉反応容器に入れ、真空にしてアルゴンを充填し、アルゴン雰囲気中で880℃に加熱し、6時間保持した。冷却及び不動態化が完了すると、モリブデン坩堝内のタンタル粉末を取り出し、10重量%の塩酸に浸漬させて、酸化ネオジミウム及び残留金属ネオジミウムを除去し、次いで粉末を脱イオン水で濾過洗浄し、乾燥させて、比較的純粋なタンタル粉末を得た。それらの酸素含有量、Fsss平均粒径、SBD及びBET比表面積を測定した。それらの結果を表1に示した。以下の方法により電気特性を測定した。以上で得られたタンタル粉末を圧縮して、5.0g/cmの密度及び3.0mmの直径を有する成形体とし、真空炉にて1300℃の温度で20分間にわたって焼成して、タンタル焼成成形体を得て、焼成成形体に0.1%リン酸溶液中で85℃にて20Vの電圧を印加してタンタル陽極を形成した。陽極の比電気容量及び漏れ電流を表1に示した。
【表1】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
3つの還元工程を介して酸化タンタル粉末を還元することによってコンデンサ用の超高比容量のタンタル粉末を製造するための方法であって、
(1)酸化タンタル粉末と第1の還元剤粉末とを均一に混合し、次いで水素及び/又は不活性ガス或いは真空雰囲気中で還元反応を実施して亜酸化タンタル粉末を得る工程であって、前記第1の還元剤が、希土類金属、希土類金属の水素化物及びそれらの混合物からなる群から選択される第1の還元工程と、
(2)不純物が除去された、工程(1)により得られた亜酸化タンタル粉末と、第2の還元剤粉末とを均一に混合し、水素及び/又は不活性ガス或いは真空雰囲気中で還元反応を実施して、高酸素含有量を有するタンタル粉末を得る工程であって、前記第2の還元剤が、希土類金属、希土類金属の水素化物及びそれらの混合物からなる群から選択される第2の還元工程と、
(3)不純物が除去された、工程(2)により得られた、高酸素含有量を有するタンタル粉末と、第3の還元剤粉末とを均一に混合し、次いで水素及び/又は不活性ガス或いは真空雰囲気中で還元反応を実施して、コンデンサに好適なタンタル金属粉末を得る工程であって、前記第3の還元剤がマグネシウム又はマグネシウム合金である第3の還元工程と
を含み、各還元工程後に、還元剤の酸化生成物及び残留還元剤を反応生成物から除去する上記方法。
【請求項2】
前記酸化タンタルが五酸化タンタルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の還元剤又は前記第2の還元剤が、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジミウム、サマリウム、ユーロピウム及びそれらの水素化物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記マグネシウム合金が、マグネシウムに加えて、カルシウム、亜鉛及び希土類金属からなる群から選択される1つ又は複数の元素をさらに含み、前記第3の還元剤が、好ましくは、マグネシウム、イットリウム−マグネシウム合金、カルシウム−マグネシウム合金、ランタン−マグネシウム合金又はマグネシウム−亜鉛合金である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の還元工程における前記還元剤の量が、前記酸化タンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.3〜0.65倍であり、前記第1の還元工程における反応温度が400〜1000℃であり、反応時間が3〜10時間である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の還元工程における前記還元剤の量が、亜酸化タンタルにおける酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の0.4〜0.85倍であり、前記第2の還元工程における反応温度が400〜1000℃であり、反応時間が3〜10時間である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第3の還元工程における前記還元剤の量が、高酸素含有量を有するタンタル粉末における酸素分を除去するのに必要な還元剤の化学量論量の1.0〜2.0倍であり、前記第3の還元工程における反応温度が300〜900℃であり、反応時間が2〜6時間である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の還元工程の前に、前記酸化タンタル粉末を凝集させる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第3の還元工程の前に、高酸素含有量を有するタンタル粉末を凝集させる、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−530846(P2012−530846A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516480(P2012−516480)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【国際出願番号】PCT/CN2010/000414
【国際公開番号】WO2010/148627
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(507313113)ニンシア オリエント タンタル インダストリー カンパニー、 リミテッド (4)
【Fターム(参考)】