説明

コントローラ

【課題】用途の拡大と、施工性及び省エネルギー性の向上とを可能とするコントローラを提供することを目的としている。
【解決手段】運転モード設定手段4は、複数のセンサ2、3の検出結果の全てが、設定値以上のときに負荷装置8の運転をし、複数のセンサの2、3の検出結果の少なくとも1つが、設定値未満のときに負荷装置8の運転を停止するAND制御と、複数のセンサ2、3の検出結果の少なくとも1つが、設定値以上のときに負荷装置8の運転をし、複数のセンサ2、3の検出結果の全てが、設定値未満となったときに負荷装置8の運転を停止するOR制御と、のいずれかを運転条件の設定として受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コントローラに関し、特に、換気扇などの負荷を制御するコントローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
換気扇は、たとえば、人が滞在する空間の温度や湿度などを設定値に保つことや、農業などの第一次産業用途において、植物を育てるために温度と湿度を調整することなどに用いられる。このような換気扇の制御を行うコントローラには、負荷開閉部および温度センサと湿度センサを備え、センサにて検出した温度と湿度の増減割合やその検出値にもとづいて負荷開閉部を間欠的にオン/オフさせるものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−230745号公報(たとえば、明細書の段落[0025]及び図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コントローラは、温度または湿度のどちらかが設定値以上になったら負荷を運転させる場合や、温度と湿度の両方が設定値以上になったら負荷を運転させる場合などのように、ユーザーの使い方に応じて、制御方法を切り替えることができると汎用性の面から望ましい。すなわち、コントローラは、ユーザーの用途に応じて制御方法を切り替えることができると用途が広がるということである。
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、温度センサ及び湿度センサの検出結果に基づいて所定の制御を実行するものであり、両センサを状況に応じて使い分ける機能は有していない。したがって、特許文献1に記載の技術は、用途が限られていた。
【0005】
また、特許文献1に記載の技術において、制御方法を切り替えるために、たとえば温度センサ及び湿度センサの出力に対応してオン/オフする温度スイッチ及び湿度センサと、外部リレーとによって制御回路を構成する方法が考えられる。しかし、この方法では、温度スイッチ、湿度スイッチ、及び外部リレーなどを設けた回路を構成するため、配線が複雑になって施工性が悪くなったり、配線が複雑になることにより、電源と接続する際に極性を間違えてしまい各種機器が壊れてしまったりする可能性があった。
さらに、外部リレーなどを別途設けると、外部リレーによって消費エネルギーが増大する分、省エネルギー性が損なわれてしまう可能性があった。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、用途の拡大と、施工性及び省エネルギー性の向上とを可能とするコントローラを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るコントローラは、空調対象空間の環境情報を取得する複数のセンサが接続されたコントローラにおいて、負荷装置の運転及び停止をする負荷駆動部と、負荷装置の運転条件の設定を受け付ける運転モード設定手段と、複数のセンサの出力、及び運転モード設定手段が受け付けた設定に基づいて負荷駆動部を制御する制御部と、を有し、運転モード設定手段は、複数のセンサの検出結果の全てが、設定値以上のときに負荷装置の運転をし、複数のセンサの検出結果の少なくとも1つが、設定値未満のときに負荷装置の運転を停止するAND制御と、複数のセンサの検出結果の少なくとも1つが、設定値以上のときに負荷装置の運転をし、複数のセンサの検出結果の全てが、設定値未満となったときに負荷装置の運転を停止するOR制御と、のいずれかを運転条件の設定として受け付けるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るコントローラは、複数のセンサの出力に応じた負荷の運転/停止の制御方法であるAND制御及びOR制御を実行するにあたり、運転モード設定手段により切替可能となっている。これにより、本発明に係るコントローラは、外部リレーなどを別途設けなくともよい分、用途を拡大させることができる。
また、本発明に係るコントローラは、外部リレーなどを別途設ける必要がない分、施工性及び省エネルギー性が向上している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1に係るコントローラを説明するための概略構成図である。
【図2】図1に図示されるコントローラ及び負荷装置の設置例である。
【図3】図1に図示されるコントローラの動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態2に係るコントローラを説明するための概略構成図である。
【図5】図4に図示されるコントローラの動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態3に係るコントローラを説明するための概略構成図である。
【図7】図6に図示されるコントローラの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、実施の形態1に係るコントローラ7を説明するための概略構成図である。図2は、図1に図示されるコントローラ7及び負荷装置8の設置例である。なお、本実施の形態では、コントローラ7が制御するものが換気扇である場合を例に説明する。また、換気扇は、ファン及びモータから構成され、たとえば一般住宅、事務所、農業用のビニールハウスなどに設置されるものであるが、本実施の形態1では、図2に図示されるように、一般住宅に設置されている場合を例に説明する。
本実施の形態1に係るコントローラ7は、負荷の駆動・停止における制御に改良が加えられたものである。
【0011】
[構成説明]
コントローラ7は、負荷装置8の運転を制御するものである。このコントローラ7は、電源電圧を供給する電源1、及びコントローラ7によって制御される負荷装置8に接続されている。コントローラ7が設置される位置は、特に、限定されるものではないが、図2に図示されるようにたとえば室内X(空調対象空間)に設置される。
電源1は、コントローラ7に設けられた各種機器を駆動させるための電源電圧を供給するものである。
負荷装置8は、コントローラ7によって制御されるものである。この負荷装置8は、換気扇のモータに対応するものである。そして、このモータの運転を制御することで、室内Xと室外Yとの間で空気の入れ換えがなされ、室内Xの温度や湿度の調整が可能となっている。
【0012】
コントローラ7は、室内Xの温度を検出する温度センサ2(第1のセンサ)と、室内Xの湿度を検出する湿度センサ3(第2のセンサ)と、図3の説明で後述するOR制御及びAND制御を設定するための運転モード設定手段4と、温度センサ2及び湿度センサ3の検出結果及び運転モード設定手段4の設定に基づいて負荷装置8を制御する信号を出力する制御部5と、制御部5の出力に基づいて負荷装置8を制御する負荷駆動部6とを有している。
【0013】
温度センサ2は、室内Xの温度(環境情報)を検出するものである。この温度センサ2は、制御部5に接続されており、室内Xの温度の検出結果を制御部5に出力するものである。すなわち、温度センサ2は、室内Xの温度の検出結果を電圧信号として制御部5に出力するものである。温度センサ2は、コントローラ7に設けられているものとして説明するが、それに限定されるものではなく、たとえば住宅の壁などに設置され、有線又は無線によってコントローラ7と接続されていてもよい。また、温度センサ2は、たとえば熱電対などで構成するとよい。
【0014】
湿度センサ3は、室内Xの湿度(環境情報)を検出するものである。この湿度センサ3は、温度センサ2と同様に、制御部5に接続されており、室内Xの湿度の検出結果を制御部5に出力するものである。すなわち、湿度センサ3は、制御部5に接続されており、室内Xの湿度の検出結果を電圧信号として制御部5に出力するものである。湿度センサ3も温度センサ2と同様に、コントローラ7に設けられているものとして説明するが、それに限定されるものではなく、たとえば住宅の壁などに設置され、有線又は無線によってコントローラ7と接続されていてもよい。また、湿度センサ3の湿度の検出方式は、特に限定されるものではないが、たとえば電気抵抗方式を採用するとよい。
【0015】
運転モード設定手段4は、負荷装置8の駆動条件を入力するものである。すなわち、運転モード設定手段4は、コントローラ7が負荷装置8を制御するにあたり、OR(論理和)制御を実行するか、或いはAND(論理積)制御を実行するかを入力するものである。この運転モード設定手段4は、制御部5に接続されている。運転モード設定手段4は、たとえばコントローラ7に設けられるボタンなどで構成される。そして、ユーザーは、当該ボタンのオン/オフをすることによって、OR制御を実行するか、或いはAND制御を実行するかの入力が可能となっている。
【0016】
制御部5は、たとえばマイコンなどで構成されるものであり、温度センサ2、湿度センサ3、運転モード設定手段4、及び負荷駆動部6が接続されている。制御部5は、温度センサ2及び湿度センサ3の出力に基づいて、運転モード設定手段4で設定されたAND制御及びOR制御を実行するものである。そして、制御部5は、AND制御及びOR制御を実行することにより、負荷装置8の運転/停止を制御する信号を負荷駆動部6に出力するものである。
【0017】
ここで、AND制御とは、温度センサ2の検出結果及び湿度センサ3の検出結果の両方が設定値以上となったときに負荷装置8を運転させる制御である。また、AND制御では、温度センサ2の検出結果及び湿度センサ3の検出結果のいずれか一方が、設定値未満となると負荷装置8を停止させる。このAND制御は、OR制御に比べると、消費電力が小さい。
また、OR制御とは、温度センサ2の検出結果及び湿度センサ3の検出結果のいずれか一方が、設定値以上となると負荷装置8を運転させる制御である。また、OR制御では、温度センサ2の検出結果及び湿度センサ3の検出結果の両方が設定値未満となったときに負荷装置8を停止させる。
AND制御及びOR制御は、ユーザーの用途・目的などに合わせて選択されるものである。具体的には、AND制御は、ユーザーが、たとえば、温度と湿度の条件が整うと増殖する生物(カビなど)を抑制したいときに選択するとよい。一方、OR制御は、ユーザーが、人の滞在する居住空間の温度又は湿度が不快と感じるレベルになったら換気するようにしたいときに選択するとよい。
【0018】
負荷駆動部6は、たとえば機械式のリレーで構成されるものであり、制御部5、及び負荷装置8に接続されている。負荷駆動部6は、制御部5の出力に基づいて、負荷装置8のオン/オフ(運転/停止)を制御するものである。なお、負荷駆動部6は、機械式のリレーであるものとして説明するが、半導体を用いたスイッチング素子で構成してもよい。
【0019】
[動作説明]
図3は、図1のコントローラ7の動作を説明するためのフローチャートである。図3を参照して、コントローラ7の動作について説明する。
【0020】
(ステップS10)
制御部5は、運転モード設定手段4の設定が、AND制御であるか、OR制御であるかを判定する。
ユーザーによって運転モード設定手段4がAND制御に設定されている場合には、制御部5は、ステップS11に移行する。
ユーザーによって運転モード設定手段4がOR制御に設定されている場合には、制御部5は、ステップS15に移行する。
【0021】
(ステップS11)
制御部5は、温度センサ2の検出結果が、制御部5に予め設定される設定温度以上であるか否かを判定する。
温度センサ2の検出結果が設定温度未満である場合には、制御部5は、ステップS14に移行する。
温度センサ2の検出結果が設定温度以上である場合には、制御部5は、ステップS12に移行する。
【0022】
(ステップS12)
制御部5は、湿度センサ3の検出結果が、制御部5に予め設定される設定湿度以上であるか否かを判定する。
湿度センサ3の検出結果が設定湿度未満である場合には、制御部5は、ステップS14に移行する。
湿度センサ3の検出結果が設定湿度以上である場合には、制御部5は、ステップS13に移行する。
【0023】
(ステップS13)
制御部5は、負荷駆動部6に、負荷装置8の運転をする旨の信号を出力する。
なお、負荷駆動部6が、この運転信号を受け取ると、負荷駆動部6のリレーが負荷装置8を運転するよう制御される(リレーが閉じる)。これにより、負荷装置8に電力が供給されて負荷装置8が運転する。
【0024】
(ステップS14)
制御部5は、負荷駆動部6に、負荷装置8の停止をする旨の信号を出力する。
なお、負荷駆動部6が、この停止信号を受け取ると、負荷駆動部6のリレーが負荷装置8を停止するよう制御される(リレーが開く)。これにより、負荷装置8に電力が供給されなくなり、負荷装置8が停止する。
【0025】
このようにステップS11〜ステップS14のAND制御では、温度センサ2の検出結果が設定値以上(ステップS11でYes)及び湿度センサ3の検出結果が設定値以上(ステップS12でYes)となったときに負荷装置8を運転させる(ステップS13)。
また、AND制御では、温度センサ2の検出結果が設定値未満(ステップS11でNo)、湿度センサ3の検出結果が設定値未満(ステップS12でNo)のいずれか一方を満たすと負荷装置8を停止させる(ステップS14)。
【0026】
(ステップS15)
制御部5は、湿度センサ3の検出結果が、制御部5に予め設定される設定湿度以上であるか否かを判定する。
湿度センサ3の検出結果が設定湿度未満である場合には、制御部5は、ステップS16に移行する。
湿度センサ3の検出結果が設定湿度以上である場合には、制御部5は、ステップS17に移行する。
【0027】
(ステップS16)
制御部5は、温度センサ2の検出結果が、制御部5に予め設定される設定温度以上であるか否かを判定する。
温度センサ2の検出結果が設定温度未満である場合には、制御部5は、ステップS18に移行する。
温度センサ2の検出結果が設定温度以上である場合には、制御部5は、ステップS17に移行する。
【0028】
(ステップS17)
制御部5は、負荷駆動部6に、負荷装置8の運転をする旨の信号を出力する。
なお、負荷駆動部6が、この運転信号を受け取ると、負荷駆動部6のリレーが負荷装置8を運転するよう制御される。これにより、負荷装置8に電力が供給されて負荷装置8のファンが運転する。
【0029】
(ステップS18)
制御部5は、負荷駆動部6に、負荷装置8の停止をする旨の信号を出力する。
なお、負荷駆動部6が、この停止信号を受け取ると、負荷駆動部6のリレーが負荷装置8を停止するよう制御される。これにより、負荷装置8に電力が供給されなくなり、負荷装置8のファンが停止する。
【0030】
このようにステップS15〜ステップS18のOR制御では、湿度センサ3の検出結果が設定値以上(ステップS15でYes)、温度センサ2の検出結果が設定値以上(ステップS16でYes)のいずれか一方を満たす場合に負荷装置8を運転させる(ステップS17)。
また、OR制御では、湿度センサ3の検出結果が設定値未満(ステップS15でNo)及び温度センサ2の検出結果が設定値未満(ステップS16でNo)となったときに負荷装置8を停止させる(ステップS18)。
【0031】
なお、このAND制御及びOR制御であるが、ステップS11とステップS12とを入れ替え、さらに、ステップS15とステップS16とを入れ替えて構成してもよい。
また、本実施の形態1では、温度センサ2及び湿度センサ3を採用したものであるが、それに限定されるものではない。すなわち、温度センサ2及び湿度センサ3の代わりに、環境情報を取得するセンサを採用したものであってもよい。たとえば、そのようなものとして、日射センサや二酸化炭素センサがある。
【0032】
[実施の形態1に係るコントローラ7の有する効果]
本実施の形態1に係るコントローラ7は、AND制御及びOR制御を設定することができる運転モード設定手段4を有しているものである。すなわち、ユーザーが、運転モード設定手段4を設定することでAND制御又はOR制御を使い分けることができ、用途が拡大している。
また、本実施の形態1に係るコントローラ7は、温度スイッチ、湿度スイッチ、及び外部リレーなどを設けなくとも、AND制御及びOR制御を設定することができるため、その分、配線などが複雑になりにくく、施工性が向上している。
さらに、本実施の形態1に係るコントローラ7は、温度スイッチ、湿度スイッチ、及び外部リレーを設けないため、それらによって消費される電力が低減する分、省エネルギー性が向上している。
【0033】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2に係るコントローラ20を説明するための概略構成図である。なお、実施の形態2では、実施の形態1における相違点を中心に説明するものとする。
実施の形態2に係るコントローラ20は、温度センサ2の感度を設定する温度センサ感度設定手段9、及び湿度センサ3の感度を設定する湿度センサ感度設定手段10を有している。
実施の形態1では、設定温度以上であるか否か、設定湿度以上であるか否かにより負荷装置8の運転を制御するものであったが、それに加えて実施の形態2では、その設定温度の値(第1の閾値とも称する)及び設定湿度の値(第2の閾値とも称する)を設定可能となっている。すなわち、実施の形態2に係るコントローラ20は、ユーザーが温度センサ感度設定手段9及び湿度センサ感度設定手段10を入力することで、設定温度の値及び設定湿度の値の変更をすることができるようになっている。
【0034】
制御部5は、負荷装置8の回転数に対応する第1の閾値、及び第2の閾値が、設定可能となっている。なお、実施の形態2では、第1の閾値が3つ(3段階)、第2の閾値が3つ(3段階)設定可能となっている場合を例に説明する。ここで、第1の閾値、第2の閾値は、温度センサ2の出力、湿度センサ3の出力と絶対比較して負荷装置8をオン/オフさせるものである。たとえば、後述の高感度設定の場合、温度センサ2、湿度センサ3の信号が1(V)以上になったら負荷を動作するように制御する。
【0035】
温度センサ感度設定手段9は、温度センサ2の出力電圧に対する閾値である第1の閾値(以下、感度とも称する)を設定するものである。この温度センサ感度設定手段9は、たとえばコントローラ20に設けられるボタンなどで構成されるものである。そして、ユーザーは、当該ボタンによって、第1の閾値を設定することができる。たとえば、ユーザーが第1の閾値を3(V)から1(V)に設定を変更すると、その分、負荷装置8のオン/オフも高感度に変化することになる。
湿度センサ感度設定手段10は、湿度センサ3の出力電圧に対する閾値である第2の閾値を設定するものである。この湿度センサ感度設定手段10も、たとえばコントローラ20に設けられるボタンなどで構成されるものである。そして、ユーザーは、当該ボタンによって、第2の閾値を設定することができる。
なお、温度センサ感度設定手段9及び湿度センサ感度設定手段10は、運転モード設定手段4と別体である場合を例に説明するが、これらを同体とし、運転モード設定手段4で兼用するようにしてもよい。
【0036】
図5は、図4に図示されるコントローラ20の動作を説明するためのフローチャートである。図5を参照してコントローラ20の動作について説明する。なお、図5の説明では、温度センサ感度設定手段9に対する動作説明に限って説明しているが、湿度センサ感度設定手段10においても同様である。すなわち、下記の(ステップS20)〜(ステップS25)の説明において、「温度センサ2」を「湿度センサ3」とし、「温度センサ感度設定手段9」を「湿度センサ感度設定手段10」とし、さらに、「第1の閾値」を「第2の閾値」とすればよいということである。
【0037】
また、図5では、第1の閾値として1(V)、2(V)、及び3(V)を採用している例を図示しているがそれに限定されるものではない。さらに、第1の閾値が1(V)である場合は高感度設定と称し、第1の閾値が2(V)である場合は標準感度設定と称し、第1の閾値が3(V)である場合は低感度設定と称している。
【0038】
(ステップS20)
ユーザーは、温度センサ感度設定手段9により温度センサ2の出力電圧に対する第1の閾値の設定をする。
【0039】
(ステップS21)
制御部5は、温度センサ感度設定手段9による設定が、高感度設定であるか否かを判定する。
高感度設定である場合には、制御部5は、ステップS22に移行する。
高感度設定でない場合には、制御部5は、ステップS23に移行する。
【0040】
(ステップS22)
制御部5は、第1の閾値が1(V)になるように、第1の閾値を設定する。
【0041】
(ステップS23)
制御部5は、温度センサ感度設定手段9による設定が、低感度設定であるか否かを判定する。
低感度設定である場合には、制御部5は、ステップS24に移行する。
低感度設定でない場合には、制御部5は、ステップS25に移行する。
【0042】
(ステップS24)
制御部5は、第1の閾値が3(V)になるように、第1の閾値を設定する。
【0043】
(ステップS25)
制御部5は、第1の閾値が2(V)になるように、第1の閾値を設定する。
【0044】
なお、ここでは負荷動作条件を絶対値として記載したがそれに限定されるものではない。たとえば、高感度設定の場合には、所定の時間(たとえば、10分間)に温度センサ2の出力電圧が所定値(たとえば、1(V))上昇したら、負荷を動作させるようにしてもよい。さらに、本実施の形態2では、第1の閾値として3段階設定されている例を説明したが、たとえば4段階以上として、より細かく設定可能なものであってもよい。これにより、きめ細かな換気制御が可能となり、無駄な高負荷運転も抑制できるため省エネルギー性を向上させることができる。
【0045】
[実施の形態2に係るコントローラ20の有する効果]
本実施の形態2に係るコントローラ20は、実施の形態1に係るコントローラ7の奏する効果と同様の効果に加えて、次のような効果を奏する。コントローラ20は、温度センサ感度設定手段9により温度センサ2の出力電圧に対する第1の閾値を設定することができ、湿度センサ感度設定手段10により湿度センサ3の出力電圧に対する第2の閾値を設定することができる。
これにより、実施の形態1で説明した図3のステップS11及びステップS16の設定温度の値と、ステップS12及びステップS15の設定湿度の値とを変更することができる。すなわち、コントローラ20は、温度センサ2及び湿度センサ3の感度設定を行うことができるということである。したがって、コントローラ20は、きめ細かな換気制御や無駄な高負荷運転の抑制が可能となるため、省エネルギー性を向上させることができる。
【0046】
実施の形態3.
図6は、実施の形態3に係るコントローラを説明するための概略構成図である。なお、実施の形態3では、実施の形態1、2における相違点を中心に説明するものとする。
実施の形態3に係るコントローラ30は、実施の形態2のコントローラ20の構成に加えて、アナログ信号を出力する外部出力手段11を有しているものである。これにより、コントローラ30は、コントローラ30に接続される負荷駆動装置12にアナログ信号を出力することで、負荷駆動装置12に接続された負荷装置13を制御可能にしたものである。
【0047】
制御部5は、温度センサ2の出力と第3の閾値とを比較し、さらに、湿度センサ3の出力と第4の閾値とを比較し、当該比較結果に基づいて、負荷装置13を運転するための出力をするものである。なお、負荷装置13の運転強度はアナログ信号の大きさに対応し、アナログ信号の大きさは第2の閾値に対する大小に対応している。
【0048】
外部出力手段11は、制御部5の出力に基づいて負荷駆動装置12にアナログ信号を出力するものである。外部出力手段11は、制御部5及び負荷駆動装置12に接続される。
負荷駆動装置12は、外部出力手段11のアナログ信号に基づいて負荷装置13を制御するものである。負荷駆動装置12は、コントローラ30の外部出力手段11及び負荷装置13に接続される。この負荷駆動装置12は、たとえば汎用インバータなどで構成される。
負荷装置13は、負荷駆動装置12によって制御されるものである。負荷装置13は、負荷駆動装置12に接続される。
【0049】
図7は、図6に図示されるコントローラ30の動作を説明するためのフローチャートである。図7を参照してコントローラ30の動作について説明する。
【0050】
(ステップS30)
制御部5は、温度センサ2の出力及び湿度センサ3の出力と、第2の閾値とを比較する。
温度センサ2の出力の絶対値が第3の閾値に対して3(V)を超えている場合、又は湿度センサ3の出力の絶対値が第4の閾値を超えている場合に、制御部5は、ステップS31に移行する。
温度センサ2の出力の絶対値が第3の閾値に対して3(V)未満であって2(V)を超えている場合、又は湿度センサ3の出力の絶対値が第4の閾値に対して3(V)未満であって2(V)を超えている場合に、制御部5は、ステップS34に移行する。
温度センサ2の出力の絶対値が第3の閾値に対して2(V)未満であって1(V)を超えている場合、又は湿度センサ3の出力の絶対値が第4の閾値に対して2(V)未満であって1(V)を超えている場合に、制御部5は、ステップS37に移行する。
温度センサ2の出力の絶対値が第3の閾値と同じ値の場合、又は湿度センサ3の出力の絶対値が第4の閾値と同じ値の場合に、制御部5は、ステップS40に移行する。
温度センサ2の出力が第3の閾値未満であり、湿度センサ3の出力が第4の閾値未満である場合に、制御部5は、ステップS43に移行する。
【0051】
なお、図7のステップS31、S34、S37、S40、S43の文中における「超えている」とは、温度センサ2の出力の絶対値と、湿度センサ3の出力の絶対値とのうちの少なくとも一方がそれぞれ設定される閾値を超えていることを指す。
【0052】
(ステップS31)
制御部5は、外部出力手段11から負荷駆動装置12に、DC4(V)のアナログ信号を出力する。その後、ステップS32に移行する。
(ステップS32)
負荷駆動装置12は、制御部5から受け取ったDC4(V)のアナログ信号に基づき、負荷装置13の運転強度を特強に設定する。その後、ステップS33に移行する。
(ステップS33)
負荷装置13は、負荷駆動装置12の設定に基づいて、運転負荷が特強の運転をする。
【0053】
(ステップS34)
制御部5は、外部出力手段11から負荷駆動装置12に、DC3(V)のアナログ信号を出力する。その後、ステップS35に移行する。
(ステップS35)
負荷駆動装置12は、制御部5から受け取ったDC3(V)のアナログ信号に基づき、負荷装置13の運転強度を強に設定する。その後、ステップS36に移行する。
(ステップS36)
負荷装置13は、負荷駆動装置12の設定に基づいて、運転負荷が強の運転をする。
【0054】
(ステップS37)
制御部5は、外部出力手段11から負荷駆動装置12に、DC2(V)のアナログ信号を出力する。その後、ステップS38に移行する。
(ステップS38)
負荷駆動装置12は、制御部5から受け取ったDC2(V)のアナログ信号に基づき、負荷装置13の運転強度を中に設定する。その後、ステップS39に移行する。
(ステップS39)
負荷装置13は、負荷駆動装置12の設定に基づいて、運転負荷が中の運転をする。
【0055】
(ステップS40)
制御部5は、外部出力手段11から負荷駆動装置12に、DC1(V)のアナログ信号を出力する。その後、ステップS41に移行する。
(ステップS41)
負荷駆動装置12は、制御部5から受け取ったDC1(V)のアナログ信号に基づき、負荷装置13の運転強度を弱に設定する。その後、ステップS42に移行する。
(ステップS42)
負荷装置13は、負荷駆動装置12の設定に基づいて、運転負荷が弱の運転をする。
【0056】
(ステップS43)
制御部5は、外部出力手段11から負荷駆動装置12に、DC0(V)のアナログ信号を出力する。その後、ステップS44に移行する。
(ステップS44)
負荷駆動装置12は、制御部5から受け取ったDC0(V)のアナログ信号に基づき、負荷装置13の運転強度を停止設定する。その後、ステップS45に移行する。
(ステップS45)
負荷装置13は、負荷駆動装置12の設定に基づいて、運転を停止する。
【0057】
以上のステップS30〜ステップS45の制御は、実施の形態1、2で説明した制御に対して、次のように適用するとよい。たとえば、図3のステップS11、ステップS12、ステップS15及びステップS16に対して、図7におけるステップS30〜ステップS45の制御を具体的に実行するとよいということである。
一例として、AND制御における動作を説明する。すなわち、ステップS11及びステップS12のそれぞれが、ステップS30〜ステップS45の制御を具体的に実行する場合を例に説明する。なお、温度センサ2の出力電圧が3.5(V)であり、湿度センサ3の出力電圧が6(V)である場合を例にして説明する。また、第1の閾値及び第2の閾値は2(V)に設定されている場合を例にして説明する。
【0058】
(ステップS10)
制御部5は、運転モード設定手段4がAND制御に設定されているため、ステップS10からステップS11に移行する。
【0059】
(ステップS11)
制御部5は、ステップS11に移行すると、ステップS30の制御に移行する。
制御部5は、ステップS30で、温度センサ2の出力電圧と、第1の閾値とを比較する。ここで、温度センサ2の出力電圧が、3.5(V)であり、第1の閾値が2(V)であるため、制御部5は、ステップS30からステップS37を介してステップS38に移行して、負荷装置13の運転負荷を中に仮設定する。
【0060】
(ステップS12)
制御部5は、ステップS38からステップS12に移行すると、同様にステップS30の制御に移行する。ここで、湿度センサ3の出力電圧が6(V)であり、第2の閾値が2(V)であるため、制御部5は、ステップS31からステップS32を介してステップS33に移行して、負荷装置13の運転負荷を特強とする仮設定をする。
【0061】
(ステップS13)
制御部5は、ステップS11で運転負荷を中と仮設定し、ステップS12で運転負荷を特強とする仮設定をした。ここで、制御部5は、たとえば運転強度の高い方を優先するように設定されているものとし、負荷装置13を特強で運転させてもよい。また、制御部5は、仮設定された運転強度の中間をとる、すなわち、中と特強の間の強で負荷装置13を運転させてもよい。
【0062】
[実施の形態3に係るコントローラ30の有する効果]
本実施の形態3に係るコントローラ30は、実施の形態1、2に係るコントローラ7、20の奏する効果と同様の効果に加えて、次のような効果を奏する。すなわち、コントローラ30は、アナログ信号を出力する外部出力手段11を備えているので、当該アナログ信号を、汎用インバータなどで構成される負荷駆動装置12に出力することで、負荷装置13を制御することができる。これにより、コントローラ30に接続されていない負荷も駆動可能となり、幅広い用途に対応することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 電源、2 温度センサ、3 湿度センサ、4 運転モード設定手段、5 制御部、6 負荷駆動部、7、20、30 コントローラ、8 負荷装置、9 温度センサ感度設定手段、10 湿度センサ感度設定手段、11 外部出力手段、12 負荷駆動装置、13 負荷装置、X 室内、Y 室外。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調対象空間の環境情報を取得する複数のセンサが接続されたコントローラにおいて、
負荷装置の運転及び停止をする負荷駆動部と、
前記負荷装置の運転条件の設定を受け付ける運転モード設定手段と、
前記複数のセンサの出力、及び前記運転モード設定手段が受け付けた設定に基づいて前記負荷駆動部を制御する制御部と、
を有し、
前記運転モード設定手段は、
前記複数のセンサの検出結果の全てが、設定値以上のときに前記負荷装置の運転をし、前記複数のセンサの検出結果の少なくとも1つが、設定値未満のときに前記負荷装置の運転を停止するAND制御と、
前記複数のセンサの検出結果の少なくとも1つが、設定値以上のときに前記負荷装置の運転をし、前記複数のセンサの検出結果の全てが、設定値未満となったときに前記負荷装置の運転を停止するOR制御と、のいずれかを前記運転条件の設定として受け付ける
ことを特徴とするコントローラ。
【請求項2】
前記複数のセンサが第1のセンサ、及び第2のセンサより構成されるものにおいて、
前記運転モード設定手段は、
第1のセンサの出力に対する閾値である第1の閾値、第2のセンサの出力に対する閾値である第2の閾値の設定を受け付けるように構成されており、
前記制御部は、
前記第1のセンサの出力と前記第1の閾値との比較、及び前記第2のセンサの出力と前記第2の閾値との比較に基づいて、前記負荷装置の運転及び停止の信号を前記負荷駆動部に出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記複数のセンサが第1のセンサ、及び第2のセンサより構成されるものにおいて、
アナログ信号を出力する外部出力手段を有し、
前記制御部は、
前記第1のセンサの出力と第3の閾値との比較、及び前記第2のセンサの出力と第4の閾値との比較に基づいて、前記外部出力手段から前記アナログ信号を出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記第1のセンサは温度センサであり、前記第2のセンサは湿度センサである
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記負荷装置は、換気扇のモータである
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−68371(P2013−68371A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207738(P2011−207738)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】