説明

コンバインのモニタ表示装置

【課題】コンバインのモニタ表示装置において、グレンタンクの満杯近くの表示を判り易くする。
【解決手段】グレンタンク4に、穀粒センサSE1,SE2,SE3と、最上部の穀粒センサSE3の上方の満杯穀粒センサSEfを設け、表示切換スイッチSW1のON操作により液晶表示部12bの表示画面を通常画面から車体表示画面、メンテナンスモード表示画面に切り換え、通常画面では車速表示12c、穀粒貯溜表示12d、燃料残存量表示12e及びエンジンの負荷回転数表示12fをする。通常画面で、穀粒センサSE1,SE2の穀粒検出に従い貯溜量表示図形を順次増加修正し、上部の穀粒センサSE3が穀粒を検出すると、満杯直前の多量貯溜図形表示と満杯が近い旨の文字表示をし、満杯穀粒センサSEfが穀粒を検出すると、満杯図形表示と満杯である旨の文字表示をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインのモニタ表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインのモニタ表示装置において、脱穀部、刈取部、運転席を備え、収穫作業動作状況を表示する総合表示器を運転席近傍の操作部に設け、総合表示器のモニタ表示部を、車速の表示と、コントローラの情報表示に、切換スイッチの操作により切り換えるものは、公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−251939号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、コンバインのモニタ表示装置において、モニタ表示器の作業走行状態のモニタ表示からメンテナンスモードへ迅速に移行してメンテナンスモードの設定作業能率を高めると共に、グレンタンクの穀粒貯溜状態をオペレータに分かりやすく表示しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、グレンタンク(4)に、穀粒の貯溜レベルを順次検出する複数の穀粒センサ(SE1,SE2,SE3)を設け、該複数の穀粒センサ(SE1,SE2,SE3)のうちの最上部の穀粒センサ(SE3)の上方に満杯穀粒センサ(SEf)を設け、前記操縦部(3)に設けたモニタ表示器(12)には液晶表示部(12b)と表示切換スイッチ(SW1)とホーン停止スイッチ(SW2)を設け、前記表示切換スイッチ(SW1)のON操作によって液晶表示部(12b)の表示画面を通常画面から車体表示画面及びメンテナンスモード表示画面に変更可能に構成し、前記液晶表示部(12b)の通常画面では、車速表示(12c)とグレンタンク(4)の穀粒貯溜表示(12d)と燃料残存量表示(12e)とエンジンの負荷回転数表示(12f)を行い、前記通常画面でグレンタンク(4)の貯溜量を表示するにあたり、前記複数の穀粒センサ(SE1,SE2,SE3)のうちの下段の穀粒センサ(SE1)が穀粒を検出しないグレンタンク空図形表示から前記複数の穀粒センサ(SE1,SE2,SE3)が穀粒を検出するに従って順次増加するグレンタンク貯溜量増加図形表示を行い、前記最上部の穀粒センサ(SE3)が穀粒を検出すると、満杯直前のグレンタンク多量貯溜図形表示とグレンタンクの満杯が近い旨の文字表示及び又は音声報知を行い、前記満杯穀粒センサ(SEf)が穀粒を検出すると、グレンタンク満杯図形表示とグレンタンク満杯である旨の文字表示及び又は音声報知をする構成としたことを特徴とするコンバインのモニタ表示装置とする。
【0005】
前記構成によると、表示切換スイッチ(SW1)のON操作により、液晶表示部(12b)の表示画面が通常画面から車体表示画面及びメンテナンスモード表示画面に変更され、液晶表示部(12b)の通常画面では、車速表示(12c)、グレンタンク(4)の穀粒貯溜表示(12d)、燃料残存量表示(12e)及びエンジンの負荷回転数表示(12f)が表示される。
【0006】
また、通常画面でのグレンタンク(4)の穀粒貯溜量表示は、下段の穀粒センサ(SE1)の検出なしのグレンタンク空図形表示から複数の穀粒センサ(SE1,SE2,SE3)の穀粒検出に従って順次増加するグレンタンク貯溜量増加図形表示がなされ、上部の穀粒センサ(SE3)が穀粒を検出すると、満杯直前のグレンタンク多量貯溜図形表示とグレンタンクの満杯が近い旨の文字表示及び又は音声報知がなされる。また、満杯穀粒センサ(SEf)が穀粒を検出すると、グレンタンク満杯図形表示とグレンタンク満杯である旨の文字表示及び又は音声報知がなされる。
【0007】
請求項2の発明は、前記グレンタンク(4)が満杯の状態では穀粒満杯の図形を表示し、穀粒の排出が進み上部及び中間の穀粒センサ(SE3、SE2)が穀粒なしを検出するに従って、液晶表示部(12b)の通常画面においてグレンタンク貯溜量を順次減少する図形を表示し、穀粒の排出が進み下部の穀粒センサ(SE1)が穀粒なしを検出すると、グレンタンク極少量貯溜の図形表示とその旨の文字表示及び又は音声報知をする構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインのモニタ表示装置とする。
【0008】
前記構成によると、請求項1発明の前記作用に加えて、グレンタンク(4)の満杯状態から穀粒を排出する際には、通常画面のグレンタンク穀粒貯溜表示が、満杯の図形表示から穀粒の排出が進み上部及び中間の穀粒センサ(SE3、SE2)が穀粒なしを検出するに従って、グレンタンク貯溜量が順次減少する図形表示がなされ、また、穀粒の排出が進み下部の穀粒センサ(SE1)が穀粒なしを検出すると、極少量の穀粒貯溜図形表示とその旨の文字表示及び又は音声報知がなされる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によると、グレンタンク4の穀粒貯溜量が満杯近くあるいは満杯になると、モニタ表示画面にグレンタンク満杯間近あるいは満杯の図形表示並びにその旨の文字表示及び音声報知をするので、オペレータと補助作業者はグレンタンク4の穀粒多量貯溜状態を確実に知ることができる。
【0010】
請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、グレンタンク4の穀粒排出終了間近になると、極少量貯溜の図形表示並びにその旨の文字表示及び音声報知をするので、オペレータと補助作業者はグレンタンク4の穀粒排出の終了が近いことを確実に知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に示すこの発明の実施の形態について説明する。
まず、図1により本発明を備えたコンバインの全体構成について説明する。図1にはコンバインの全体側面図が図示されている。コンバインの走行車体1の下方には左右走行クローラ2,2を配設し、走行車体1上には、右側前部に座席付きの操縦部3を、その後方にはエンジン(図示省略)及び穀粒収納用のグレンタンク4を配設し、走行車体1の左側部に脱穀部5を搭載し、脱穀部5の下方には選別部6を設け、走行車体1の前側部には刈取搬送部7を昇降自在に設けている。また、脱穀部5及びグレンタンク4の後方に排稾処理装置8を設けている。
【0012】
次に、図2に基づき操縦部3について説明する。
操縦部3の座席3aの前側部には、フロント操作ボックス3bを、左側部にはサイド操作ボックス3cを設けている。フロント操作ボックス3bの右側端部にパワステアリングレバー11を、正面部にモニタ表示器12を設けている。サイド操作ボックス3cには、前側から後側にかけてスイッチの入切を表示するスイッチパネル13、エンジンの燃料噴射量を調節するアクセルレバー14、エンジンからの走行動力及び作業動力を無段変速する無段変速装置(図示省略)変速用の主変速レバー15、副変速装置(図示省略)変速用の副変速レバー16、刈取搬送部7及び脱穀部5への動力入切用の刈取脱穀クラッチレバー17を配設している。
【0013】
なお、前記パワステアリングレバー11は、機体の進行方向を操舵したり、あるいは、刈取搬送部7を昇降するもので、パワステアリングレバー11を左側に操作すると、倒し操作量に応じて機体走行方向が左側に方向操舵され、右側に操作すると右側に操舵修正される。また、パワステアリングレバー11を前方に操作すると、刈取搬送部7が下降し、後方に操作すると上昇する構成である。
【0014】
次に、図4に基づきコンバインのモニタ表示装置のブロック構成について説明する。
モニタ表示制御コントローラC1、刈取走行制御コントローラC2及び車体水平制御コントローラC3を近接配置し、これらコントローラC1,C2,C3をCAN通信等のコントローラ間通信手段C1aを経由してモニタ表示制御コントローラC1のモニタ表示項目選択手段C1bに接続し、モニタ表示項目選択手段C1bからモニタ表示制御手段C1c、液晶出力回路C1dを経て、モニタ表示器12の液晶本体12aにモニタ表示するように構成している。また、モニタ表示器12に設けた表示切換スイッチSW1、ホーン停止スイッチSW2をデジタル信号入力処理回路を経由して、モニタ表示項目選択手段C1bに入力している。
【0015】
モニタ表示器12の中央部には、図3に示すように液晶表示部12bを設けている。この液晶表示部12bの通常画面では、秒速及び時速で車速を表示する車速表示12c、グレンタンク4の穀粒貯溜表示12d、燃料残存量表示12e、及び、エンジンの負荷回転数表示12f、エンジンの高負荷表示灯12gを表示をするように構成している。また、モータ表示器12の左右両側部には、左右ウインカ表示ランプL1,L2、前照灯表示ランプL3、後照灯表示ランプL4、ホーン表示ランプL5、表示切換スイッチSW1、ホーン停止スイッチSW2を設けている。
【0016】
また、前記表示切換スイッチSW1をON操作する毎に、液晶表示部12bが前記通常画面から車体表示画面、メンテナンスモード画面に順次切り換えられる。そして、表示切換スイッチSW1のON操作にもかかわらず、前記刈取走行制御コントローラC2、車体水平制御コントローラC3からのモニタ情報が得られないと判断した場合には、当該コントローラのモニタ情報を表示せずに、次の表示切換スイッチSW1のON操作により次の順位のモニタ情報を表示するようにしている。
【0017】
図5(A)はモニタ表示の切換状態を示すもので、例えば、モニタ表示制御コントローラC1に刈取走行制御コントローラC2及び車体水平制御コントローラC3が接続されている場合には、表示切換スイッチSW1の第1のON操作により、通常画面の「エンジンの負荷表示、走行速度、グレンタンク4の穀粒収納量及び燃料残存量」が表示される。次いで、表示切換スイッチSW1の第2のON操作により、「車体水平制御による車体傾斜状態」が表示され、表示切換スイッチSW1の第3のON操作により、「車体水平制御による車高状態」が表示される。
【0018】
また、モニタ表示制御コントローラC1に車体水平制御コントローラC3が接続されていない場合(あるいは、通信回線の故障の場合)には、図5(B)に示すように、表示切換スイッチSW1の第1のON操作により、通常画面の「エンジンの負荷表示、走行速度、グレンタンク4の穀粒収納量及び燃料残存量」が図5(A)と同様に表示される。次いで、表示切換スイッチSW1の第2のON操作をしても、「車体水平制御による車体傾斜状態」のモニタ情報が受信されていない場合には、モニタ表示がされない。また次いで、表示切換スイッチSW1の第3のON操作をしても、「車体水平制御による車高状態」のモニタ情報が受信されてないときには、モニタ表示はされない。
【0019】
次に、図6及び図7に基づき液晶表示部12bの通常画面の他の実施形態について説明する。
液晶表示部12bの表示画面が、表示切換スイッチSW1をON操作する毎に、通常画面から車体表示画面、メンテナンスモード表示画面に変更するモニタ表示装置において、図6に示すように、グレンタンク4の穀粒貯溜具合を順次検出するように所定間隔毎に例えば3個の下部穀粒センサSE1,中間穀粒センサSE2,上部穀粒センサSE3を設けている。この上部穀粒センサSE3の上方に満杯穀粒センサSEfを設け、これらセンサの検出情報をモニタ表示制御コントローラC1C1に入力するように構成している。
【0020】
しかして、液晶表示部12bの通常画面において、グレンタンク4が空で下段穀粒センサSE1が穀粒検出なしのOFFのときには、図7(A)に示すように、グレンタンク4の空図形表示をする。次いで、下段穀粒センサSE2が穀粒を検出してONになると、図7(B)に示すように、貯溜量に応じた少量貯溜の図形表示をする。次いで、上部穀粒センサSE3が穀粒を検出してONになると、図7(C)に示すように、満杯直前の多量貯溜図形表示をすると共に、「間もなくタンクが満杯になります」と文字表示をする。次いで、満杯穀粒センサSEfが穀粒を検出してONになると、図7(D)に示すように、満杯図形表示をすると共に、「タンク満杯です。排出してください」との文字表示をする。
【0021】
また、次ぎのように構成してもよい。上部穀粒センサSE3がONした場合には、多量貯溜の図形表示、及び、「間もなくタンクが満杯になります」との文字表示すると共に、ブザーを所定回数鳴らすようにする。次いで、満杯穀粒センサSEfがONすると、満杯貯溜の図形表示、及び、「タンク満杯です。排出してください」の文字表示をすると共に、ブザーの断続音を鳴らし、満杯穀粒センサSEfがOFFするとブザーを停止する。なお、前記ホーン停止スイッチSW2をONするとブザー音を停止することができる。
【0022】
前記構成によると、グレンタンク4の穀粒貯溜量が満杯近くあるいは満杯になると、モニタ表示画面に図形表示、文字表示及び音声報知をして報知するので、オペレータと補助作業者はグレンタンク4の満杯及び満杯の近いことを確実に知ることができる。
【0023】
次に、図8に基づきグレンタンク4の穀粒排出時のモニタ表示について説明する。
通常画面において、グレンタンク4の満杯時には、図8(A)に示すように、グレンタンク4の穀粒満杯図形表示をし、次いで、穀粒の排出が進み、上部穀粒センサSE3がONからOFFになると、図7(B)に示すように、多量貯溜図形表示をする。次いで、穀粒の排出が更に進み中間穀粒センサSE2がONからOFFなると、図8(C)に示すように、少量貯溜の図形表示をする。次いで、穀粒の排出が進み下部穀粒センサSE1がONからOFFになると、図8(D)に示すように、極少量貯溜の図形表示をし、次いで、所定時間経過すると、図8(E)に示すように、極少量貯溜の図形表示をすると共に、「間もなく排出が終了します」の文字表示をし、次いで、所定時間が経過すると、図8(F)に示すように、穀粒排出完了の図形表示すると共に、ブザーの音声報知をし、所定時間経過すると、この図形表示及び音声報知を停止する。
【0024】
前記構成によると、グレンタンク4の穀粒の排出終了間近になると、極少量貯溜の図形表示と「間もなく排出が終了します」の文字表示をし、また、排出が完了すると穀粒の排出完了の図形表示とブザーの音声報知をするので、オペレータと補助作業者は穀粒排出の終了予告状態及び排出終了状態を確実に知ることができる。
【0025】
次に、図9に基づきモニタ表示の他の実施形態について説明する。
液晶表示部12bの表示画面は、通常画面の表示状態で表示切換スイッチSW1をON操作する毎に、図9(A〜C)に示すように、車体表示画面、メンテナンスモード画面、通常画面に順次切り換えられる。
【0026】
また、メンテナンスモードにおいて、表示切換スイッチSW1とホーン停止スイッチSW2を同時にONすると、図9(D)に示すように、第1の選択画面である整備モードに移行し、故障箇所を容易に把握できるように構成している。整備モードに移行した後に、表示切換スイッチSW1とホーン停止スイッチSW2を同時にONする毎に、選択画面であるチエックモード画面、センサ調整モード画面、異常履歴表示モードに順次切り換えられる。各選択画面では、これら画面に設けているスイッチ類を操作し選択モードの設定調整作業を実行する。さお、選択モード画面では、表示切換スイッチSW1をONする毎にモード選択画面を順次切り換え、また、ホーン停止スイッチSW2をONすると、当該モードを終了するように構成している。
【0027】
前記構成によると、コンバインの稼働状態を表示するモニタ表示器12を利用して、整備モードに迅速に移行し、整備モードでは整備に必要な項目を迅速に入手チエックでき、整備作業を容易迅速に行なうことができる。
【0028】
次に、図10に基づきモニタ表示の他の実施形態について説明する。
液晶表示部12bの表示画面が通常画面表示状態で表示切換スイッチSW1をON操作すると、、図10(A〜C)に示すように、メンテナンスモード画面、車体表示画面、通常画面に順次切り換えられる。
【0029】
また、メンテナンスモードにおいて例えばホーン停止スイッチSW2をONすると、図10(E)に示すように、メンテナンス選択画面のエンジン始動設定モードに移行し、ホーン停止スイッチSW2をONする毎に、図10(F〜H)に示すように、液晶コントラスト調整モード、メンテナンス情報モード、モード選択モードに切り換えられる。そして、これら選択画面の上側部左右両側に設けている戻るスイッチ、進むスイッチ、及び、下側部左側の選択画面移動用の表示切換スイッチSW1、下側部右側の選択画面決定用のホーン停止スイッチSW2を操作し、選択モードの設定調整作業を実行する。
【0030】
前記構成によると、コンバインの稼働状態を表示するモニタ表示器12を利用して、メンテナンスモードに迅速に移行することができ、また、メンテナンスモードでは選択画面に設けたスイッチ及びモニタ表示器12に設けたスイッチを操作することにより、容易迅速に設定作業をすることができる。
【0031】
次に、図11に基づきモニタ表示の他の実施形態について説明する。
液晶表示部12bの表示画面が通常画面の表示状態で表示切換スイッチSW1をON操作する毎に、図11(A〜C)に示すように、メンテナンスモード画面、車体表示画面、通常画面に順次切り換えられる。
【0032】
また、図11(D)に示すよう、メンテナンスモードにおいて、例えば表示切換スイッチSW1及びホーン停止スイッチSW2を同時にONすると選択画面が順次切り換えられ、図11(E〜I)に示すようにに、例えばエンジン始動設定画面、液晶コントラスト調整画面、メンテナンス情報画面、モード選択画面及びACD(走行)モード選択画面に切り換えられる。
【0033】
そして、これら画面の上側部左右両側に設けている戻るスイッチ、進むスイッチ、及び、下側部左側の選択画面移動用の表示切換スイッチSW1、下側部右側の選択画面決定用のホーン停止スイッチSW2を操作し、選択画面の設定調整をする。
【0034】
また、ACD(走行)モード選択画面を選択した場合には、表示画面の進むスイッチをONして、図11(J〜K)に示すように、選択画面の表示を変更し、表示切換スイッチSW1のON操作で「標準」「疎植」の選択変更をし、ホーン停止スイッチSW2をONすることにより、走行操舵制御装置を標準株間制御用の「標準」、あるいは、疎間隔株間用の「疎植」に切り換え設定することができる。
【0035】
前記構成によると、コンバインの稼働状態を表示するモニタ表示器12を利用して、メンテナンスモードに迅速に移行し、また、メンテナンスモードでは選択画面に設けたスイッチ及びモニタ表示器12に設けたスイッチを操作することにより、メンテナンスモードを容易迅速に実行することができる。また、メンテナンスモードにACD(走行)モード選択機能を追加することにより、走行操舵制御装置を標準株間制御用、あるいは、疎間隔株間用に迅速に切り換え、刈取条件の適応性を高めることができる。
【0036】
次に、図12に基づきモニタ表示の他の実施形態について説明する。
液晶表示部12bの表示画面が通常画面の状態で表示切換スイッチSW1をON操作する毎に、、図12(A〜C)に示すように、メンテナンスモード画面、車体表示画面、通常画面に順次切り換えるように構成している。
【0037】
また、メンテナンスモードにおいて、例えばホーン停止スイッチSW2をONすることにより、図12(E〜I)に示すように、選択画面であるエンジン始動設定画面、液晶コントラスト調整画面、メンテナンス情報画面、モード選択画面、負荷警報モード選択画面を順次切換表示する。そして、これら選択画面の上側部左右両側に設けている戻るスイッチ、進むスイッチ、下側部左右両側に設けている表示切換スイッチSW1及びホーン停止スイッチSW2を操作し、選択モードの調整をする。また、負荷警報モード選択画面を選択した場合には、表示画面の進むスイッチをONして、図12(J〜K)に示すように、選択画面の「ON」「OFF」の選択マークを移動調整し、ホーン停止スイッチSW2をONすることにより「ON」「OFF」の決定をし、エンジンの過負荷制御装置における警報有り、あるいは、警報なしを選択する。
【0038】
前記構成によると、コンバインの稼働状態を表示するモニタ表示器12を利用して、メンテナンスモードに迅速に移行し、また、メンテナンスモードでは表示画面に設けたスイッチ及びモニタ表示器12に設けたスイッチを操作することにより、メンテナンスモードを容易迅速に実行することができる。また、メンテナンスモードに負荷警報選択モードを追加することにより、エンジンの過負荷制御装置における警報有り、あるいは、警報なしを選択し、ブザー音をオペレータの好みに合わせてON/OFFすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバイン操縦部の平面図
【図3】モニタ表示器の拡大正面図
【図4】制御ブロック図
【図5】モニタ表示器の表示内容を示す図
【図6】グレンタンクの側面図、正面図
【図7】モニタ表示器の表示内容を示す図
【図8】モニタ表示器の表示内容を示す図
【図9】モニタ表示器の表示内容を示す図
【図10】モニタ表示器の表示内容を示す図
【図11】モニタ表示器の表示内容を示す図
【図12】モニタ表示器の表示内容を示す図
【符号の説明】
【0040】
1 走行車体
2 走行クローラ
3 操縦部
4 グレンタンク
7 刈取搬送部
12 モニタ表示器
12b 液晶表示部
12c 車速表示
12d グレンタンクの穀粒貯溜表示
12e 燃料残存量表示
12f エンジンの負荷回転数表示
SE1 下部穀粒センサ
SE2 中間部穀粒センサ
SE3 上部穀粒センサ
SEf 満杯穀粒センサ
SW1 表示切換スイッチ
SW2 ホーン停止スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グレンタンク(4)に、穀粒の貯溜レベルを順次検出する複数の穀粒センサ(SE1,SE2,SE3)を設け、該複数の穀粒センサ(SE1,SE2,SE3)のうちの最上部の穀粒センサ(SE3)の上方に満杯穀粒センサ(SEf)を設け、前記操縦部(3)に設けたモニタ表示器(12)には液晶表示部(12b)と表示切換スイッチ(SW1)とホーン停止スイッチ(SW2)を設け、前記表示切換スイッチ(SW1)のON操作によって液晶表示部(12b)の表示画面を通常画面から車体表示画面及びメンテナンスモード表示画面に変更可能に構成し、前記液晶表示部(12b)の通常画面では、車速表示(12c)とグレンタンク(4)の穀粒貯溜表示(12d)と燃料残存量表示(12e)とエンジンの負荷回転数表示(12f)を行い、前記通常画面でグレンタンク(4)の貯溜量を表示するにあたり、前記複数の穀粒センサ(SE1,SE2,SE3)のうちの下段の穀粒センサ(SE1)が穀粒を検出しないグレンタンク空図形表示から前記複数の穀粒センサ(SE1,SE2,SE3)が穀粒を検出するに従って順次増加するグレンタンク貯溜量増加図形表示を行い、前記最上部の穀粒センサ(SE3)が穀粒を検出すると、満杯直前のグレンタンク多量貯溜図形表示とグレンタンクの満杯が近い旨の文字表示及び又は音声報知を行い、前記満杯穀粒センサ(SEf)が穀粒を検出すると、グレンタンク満杯図形表示とグレンタンク満杯である旨の文字表示及び又は音声報知をする構成としたことを特徴とするコンバインのモニタ表示装置。
【請求項2】
前記グレンタンク(4)が満杯の状態では穀粒満杯の図形を表示し、穀粒の排出が進み上部及び中間の穀粒センサ(SE3、SE2)が穀粒なしを検出するに従って、液晶表示部(12b)の通常画面においてグレンタンク貯溜量を順次減少する図形を表示し、穀粒の排出が進み下部の穀粒センサ(SE1)が穀粒なしを検出すると、グレンタンク極少量貯溜の図形表示とその旨の文字表示及び又は音声報知をする構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインのモニタ表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2009−254280(P2009−254280A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106743(P2008−106743)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】