説明

コンバイン

【課題】刈取前処理部側の穂先搬送装置を省略して、コンバインを安価でコンパクトに構成することができるものでありながら刈取前処理部の多条刈り化に対応できるものとする。
【解決手段】第1の手段として、チェン式の株元搬送装置(39)とラグ式の穂先搬送装置(40)とから穀稈供給搬送装置(54)を構成すると共に、株元搬送装置(39)のチェン(42)によって駆動される駆動式の掻込回転体(46)とこれに噛合する従動式の掻込回転体(48)とから中間掻込装置(52)を構成して、該中間掻込装置(52)を穀稈供給搬送装置(54)の搬送経路における複数の箇所に配置する。第2の手段として、平面視において屈折ないし湾曲した形状の搬送経路を有する穀稈供給搬送装置(54)を構成すると共に、上述の中間掻込装置(52)を穀稈供給搬送装置(54)の搬送経路における屈折部ないし湾曲部に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、特に多条刈りのコンバインにおいては、分草装置と引起装置と掻込装置と刈刃装置と株元搬送装置と穂先搬送装置とを備える刈取前処理部の後方にフィードチェンを備える脱穀部を設け、刈取前処理部における株元搬送装置と脱穀部におけるフィードチェンとの間に穀稈供給搬送装置を設けている。また、この穀稈供給搬送装置は、穀稈の株元側を挟持搬送するチェン式の株元搬送装置と穀稈の穂先側を係止搬送するラグ式の穂先搬送装置とから構成されている。
【0003】
そして、例えば特許文献1及び2に示すように、刈取前処理部側から穀稈供給搬送装置始端部への穀稈の引き継ぎを良好に行わせるために、この穀稈供給搬送装置における穂先搬送装置の始端部にラグ式の掻込装置を設ける技術がある。
【特許文献1】特開平10−313645号公報
【特許文献2】特開2002−101731号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来の技術は、刈取前処理部における穂先搬送装置の終端部から穀稈供給搬送装置の始端部への穀稈の引継ぎを良好に行わせるものであり、刈取前処理部に穂先搬送装置を設けることが必須であって、この穂先搬送装置を備えるが故にコンバインの製造コストが高くなり、また、刈取前処理部をコンバインの車体側へ接近配置しにくいためにコンバインの全長が大きくなる欠点があった。
【0005】
また、上述の特許文献1及び2記載の構成では、穀稈供給搬送装置の始端部における穀稈の引継ぎ性能は向上するものの、この始端部だけからの穀稈取り込み能力には限界があり、多条刈りに対応することができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上述の如き課題を解決するために、次のような技術的手段を講じる。
即ち、請求項1記載の発明は、分草装置(31)と引起装置(32)と掻込装置(35)と刈刃装置(36)とを備える刈取前処理部(6)の後方にフィードチェン(17)を備える脱穀部(4)を設け、前記刈取前処理部(6)における掻込装置(35)と前記脱穀部(4)におけるフィードチェン(17)との間に穀稈供給搬送装置(54)を設けるにあたり、穀稈の株元側を挟持搬送するチェン式の株元搬送装置(39)と穀稈の穂先側を係止搬送するラグ式の穂先搬送装置(40)とから前記穀稈供給搬送装置(54)を構成すると共に、前記株元搬送装置(39)のチェン(42)によって駆動される駆動式の掻込回転体(46)と該駆動式の掻込回転体(46)に噛合する従動式の掻込回転体(48)とから中間掻込装置(52)を構成して、該中間掻込装置(52)を前記穀稈供給搬送装置(54)の搬送経路における複数の箇所に配置したことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0007】
これにより、コンバイン作業においては、植立穀稈を分草装置31によって分草し、分草穀稈を引起装置32によって引起し、引起穀稈を掻込装置35によって掻き込みながら刈刃装置36によって刈り取る。そして、刈り取った穀稈を、刈取前処理部側の掻込装置35の終端部ないし該掻込装置35から続く株元搬送装置の終端部から穀稈供給搬送装置54へ引き継ぐのであるが、この際、刈取穀稈は、刈取前処理部6側の掻込装置35の終端部ないし該掻込装置35から続く株元搬送装置の終端部から穀稈供給搬送装置54側に設ける中間掻込装置52によって該穀稈供給搬送装置54の搬送経路に引き継がれる。これによって、刈取前処理部6側に穂先搬送装置を設ける必要がなくなり、この刈取前処理部6側の穂先搬送装置を省略することにより、コンバインの製造コストが低減する。また、このように刈取前処理部6側の穂先搬送装置を省略することによって、該刈取前処理部6をコンバインの車体側へ接近させることができ、コンバインの全長を短縮することが可能となる。また、刈取前処理部6の刈取条数に応じて中間掻込装置52を配置することにより、刈取前処理部6の多条刈り化に対応することができる。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、分草装置(31)と引起装置(32)と掻込装置(35)と刈刃装置(36)とを備える刈取前処理部(6)の後方にフィードチェン(17)を備える脱穀部(4)を設け、前記刈取前処理部(6)における掻込装置(35)と前記脱穀部(4)におけるフィードチェン(17)との間に穀稈供給搬送装置(54)を設けるにあたり、穀稈の株元側を挟持搬送するチェン式の株元搬送装置(39)と穀稈の穂先側を係止搬送するラグ式の穂先搬送装置(40)とから平面視において屈折ないし湾曲した形状の搬送経路を有する穀稈供給搬送装置(54)を構成すると共に、前記株元搬送装置(39)のチェン(42)によって駆動される駆動式の掻込回転体(46)と該駆動式の掻込回転体(46)に噛合する従動式の掻込回転体(48)とから中間掻込装置(52)を構成して、該中間掻込装置(52)を前記穀稈供給搬送装置(54)の搬送経路における屈折部ないし湾曲部に配置したことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0009】
これにより、コンバイン作業においては、植立穀稈を分草装置31によって分草し、分草穀稈を引起装置32によって引起し、引起穀稈を掻込装置35によって掻き込みながら刈刃装置36によって刈り取る。そして、刈り取った穀稈を、刈取前処理部側の掻込装置35の終端部ないし該掻込装置35の終端部から続く株元搬送装置の終端部から穀稈供給搬送装置54へ引き継ぐのであるが、この際、刈取穀稈は、刈取前処理部6側の掻込装置35の終端部ないし該掻込装置35の終端部から続く株元搬送装置の終端部から穀稈供給搬送装置54側に設ける中間掻込装置52によって該穀稈供給搬送装置54の搬送経路に引き継がれる。従って、刈取前処理部6側に穂先搬送装置を設ける必要がなく、この刈取前処理部6側の穂先搬送装置を省略することにより、コンバインの製造コストが低減する。また、このように刈取前処理部6側の穂先搬送装置を省略することによって、該刈取前処理部6をコンバインの車体側へ接近させることができ、コンバインの全長を短縮することが可能となる。また、穀稈供給搬送装置54の搬送経路を平面視において屈折ないし湾曲した形状とすることによってこの穀稈供給搬送装置54における左右方向の搬送経路を長くして多条の穀稈の刈取作業に対応させることができ、また、このように刈取前処理部6の刈幅を大きくしても、穀稈供給搬送装置54の搬送経路における屈折部ないし湾曲部に中間掻込装置52を配置することによって、刈取前処理部6側の掻込装置35の終端部ないし該掻込装置35の終端部に続く株元搬送装置の終端部から穀稈供給搬送装置54の搬送経路への穀稈の引継ぎを良好に行わせることができる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によると、刈取前処理部6側の穂先搬送装置を省略できてコンバインを安価に提供することができると共に、この刈取前処理部6側の穂先搬送装置を省略することによって該刈取前処理部6を車体側に接近配置してコンバインの全長をコンパクトに構成することができるものでありながら、刈取前処理部6の多条刈り化に対応することができる。
【0011】
また、請求項2記載の発明によると、刈取前処理部6側の穂先搬送装置を省略できてコンバインを安価に提供することができると共に、この刈取前処理部6側の穂先搬送装置を省略することによって該刈取前処理部6を車体側に接近配置してコンバインの全長をコンパクトに構成することができるものでありながら、刈取前処理部6の多条刈り化に対応することができ、しかも、穀稈供給搬送装置54の搬送経路における屈折部ないし湾曲部に中間掻込装置52を配置することによって、刈取前処理部6側の掻込装置35の終端部ないし該掻込装置35の終端部に続く株元搬送装置の終端部から穀稈供給搬送装置54の搬送経路への穀稈の引継ぎを良好に行うことができ、刈取作業を円滑に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明におけるコンバインの構成について説明する。
このコンバインは、機台フレーム1の下側にクローラ式の走行装置2を備え、該機台フレーム1の上側に脱穀部3と操縦部4とグレンタンク5とを搭載し、機台フレーム1の前側に刈取前処理部6を昇降自在に設けて構成する。
【0013】
前記走行装置2は、エンジン7の出力を、ベルト伝動機構8を介して静油圧式無段変速装置9の油圧ポンプ10へ入力し、該静油圧式無段変速装置9の油圧モータ11の出力を主変速レバー12の前後傾動操作によって無段変速してミッション13へ入力し、左右の車軸14,14を駆動して走行する構成である。尚、前記ミッション13内には、左右の車軸14,14への駆動力の伝達を切って機体を左右に操向する左右のサイドクラッチ15,15を設け、該左右のサイドクラッチ15,15の遮断操作を操縦部4に設けた操向レバー16の左右傾動操作によって行わせるように構成する。
【0014】
前記脱穀部3は、機台フレーム1の左側に搭載するもので、外側の扱口に沿ってフィードチェン17を設け、上側の扱室内に扱胴18および処理胴を設けると共に、該扱室下側の選別室内には、揺動選別棚と送風唐箕と一番横送り螺旋と二番横送り螺旋とを設けて構成し、該脱穀部3の後側には排藁搬送装置19によって搬送される排藁を裁断処理する排藁カッター20を設ける。
【0015】
前記操縦部4は、機台フレーム1の前部右側に搭載するもので、前側の操縦パネル21と左側の側部操作パネル22と操縦席23とから構成する。そして、前記操縦パネル21には操向レバー16と表示部24とハンドルフレーム25とを設けると共に、前記側部操作パネル22には主変速レバー12と副変速レバーとスロットルレバーと刈取脱穀クラッチレバー(いずれも図示省略)とを設ける。尚、前記操縦席23の下側にエンジン7が収蔵される構成である。
【0016】
前記グレンタンク5は、機台フレーム1の後部右側に搭載するもので、合成樹脂材によってブロー成形して構成し、後側には穀粒排出オーガ26を立設する。
前記刈取前処理部6は、後フレーム27を機台フレーム1の前側に立設した刈取懸架台28に上下回動自在に軸支し、該後フレーム27を斜め前方下方へ延出させて該後フレーム27の前端部にギヤケース29を取り付け、該ギヤケース29の前側に7本の分草パイプ30を設けて該分草パイプ30の前端部に分草装置31としての分草板を取り付け、該分草装置31の後側にラグ式の引起装置32を斜設し、該引起装置32の後側に掻込ベルト33及び掻込スターホイル34からなる刈取前処理部側の掻込装置35を設け、該掻込装置35の下側にバリカン式の刈刃装置36を設けて構成する。
【0017】
そして、前記後フレーム27の後上端部に対して、伝動ケース37とU字形状の支持フレーム38とを上下回動自在に支持し、前記伝動ケース37側に対して、穀稈の株元側を挟持搬送するチェン式の株元搬送装置39と穀稈の穂先側を係止搬送するラグ式の穂先搬送装置40とを一体的に設ける。該株元搬送装置39は、前記伝動ケース37から駆動される駆動スプロケット41と、伝動ケース37と一体のフレームを操縦部4の前側まで延長して該延長端部に設けた従動スプロケットに対して、株元搬送チェン42を巻き掛けて構成する。また、前記穂先搬送装置40は、前記伝動ケース37から駆動される駆動スプロケット43と、伝動ケース37と一体のフレームを操縦部4の前側まで延長して該延長端部に設けた従動スプロケットに対して、多数のラグ44を起伏自在に備えた穂先搬送チェン45を巻き掛けて構成する。このように構成する前記株元搬送装置39の株元搬送チェン42の搬送側と前記穂先搬送装置40の穂先搬送チェン45の搬送側とは、平面視においてその全長の2点で屈折した形状とし、前側の屈折点よりも前側の搬送経路を前記操縦部4の前側に配置して、該搬送経路の始端部を既刈側の2条を掻き込む刈取前処理部6側の掻込装置35の後側に望ませて配置する。
【0018】
そして、前記前側の屈折点に駆動式の掻込スターホイル(駆動式の掻込回転体)46を配置して、該駆動式の掻込スターホイル46と同軸に設けた入力スプロケット47を前記株元搬送チェン42に噛み合わせ、該駆動式の掻込スターホイル46に対して従動式の掻込スターホイル(従動式の掻込回転体)48を噛み合わせる。また、前記後側の屈折点に駆動式の掻込スターホイル(駆動式の掻込回転体)46を配置して、該駆動式の掻込スターホイル46と同軸に設けた入力スプロケット47を前記株元搬送チェン42に噛み合わせ、該駆動式の掻込スターホイル46に対して従動式の掻込スターホイル(従動式の掻込回転体)48を噛み合わせる。これら前後の従動式の掻込スターホイル48,48は、いずれも前記支持フレーム38及び該支持フレーム38の自由端部から分岐した前側の支持フレーム49と後側の支持フレーム50とによって支持する。これら駆動式の掻込スターホイル(駆動式の掻込回転体)と従動式の掻込スターホイル(従動式の掻込回転体)48とによって前後の中間掻込装置52,52が構成される。また、該前側の支持フレーム49と後側の支持フレーム50とには前側の挟持杆51aと後側の挟持杆51bとをスプリング53,53を介して支持し、該前側の挟持杆51aを前側の中間掻込装置52と後側の中間掻込装置52との間において株元搬送チェン42側に付勢して設け、前記後側の挟持杆51bを後側の中間掻込装置52よりも後側において株元搬送チェン42側に付勢して設ける。以上のように構成した穀稈供給搬送装置54は、前記刈取懸架台28側に取り付けた電動モータ55によって連動ロッド56及び支持アーム57を介してその始端部を上下調節することにより、扱ぎ深さ調節自在に構成する。尚、前記株元搬送チェン42の終端部は前記フィードチェン17の始端部に接近させ、側面視において重合するように配置する。
【0019】
更に、前記前後の中間掻込装置52,52のうちの前後の従動式の掻込スターホイル48,48と同軸で従動駆動されるラグ式の穂先掻込装置58,58を設け、該ラグ式の穂先掻込装置58,58を、夫々、前方の刈取前処理部6側の掻込装置35,35の上方ないし引起装置32,32の後側近傍まで延出させる。前記穂先掻込装置58,58への伝動は、前記中間掻込装置52,52の従動式の掻込スターホイル48,48の回転軸に設けた駆動スプロケット59,59に多数のラグを起伏自在に取り付けた穂先掻込チェン60,60を巻き掛けて構成する。これにより、刈取前処理部6側の掻込装置35,35から中間掻込装置52,52への穀稈の引継ぎを円滑に行うことができるようになる。
【0020】
図6に基づいて伝動機構を補足説明すると、前記ミッション13の刈取出力軸61からテンションクラッチを有するベルト伝動機構を介して刈取入力軸62へ駆動力を入力し、該刈取入力軸62から後フレーム27内の伝動軸63を介してギヤケース29内の横伝動軸64に駆動力が入力され、該横伝動軸64からベベルギヤ機構を介して左右および中間の引起伝動軸65を駆動し、該引起伝動軸65の上端部から引起装置32を駆動すると共に、該引起伝動軸65の上下方向中間部からベベルギヤ機構及び伝動軸66を介して刈取前処理部6側の掻込装置35が駆動されるよう構成する。また、前記横伝動軸64からベベルギヤ機構及びクランクシャフト67を介してバリカン式の刈刃装置36が駆動されるように構成する。
【0021】
尚、前記伝動ケース37から駆動される駆動スプロケット41の軸芯と前記前側の中間掻込装置52の駆動式の掻込スターホイル46の軸芯とを結ぶ直線に対して、前記後側の中間掻込装置52の駆動式の掻込スターホイル46の軸芯のほうが外側に突出した構成であり、これによって後側の屈折部が形成される。
【0022】
また、前記前側の中間掻込装置52の駆動式の掻込スターホイル46と前記後側の中間掻込装置52の駆動式の掻込スターホイル46とを同一形状として共用できるものとし、また、前記前側の中間掻込装置52の従動式の掻込スターホイル48と前記後側の中間掻込装置52の従動式の掻込スターホイル48とを同一形状として共用できるものとする。これにより、製造コストを低減することができる。
【0023】
また、前記中間掻込装置52,52における駆動式の掻込スターホイル46の軸芯よりも、従動式の掻込スターホイル48の軸芯のほうをより大きく傾斜させる。これにより、該従動式の掻込スターホイル48の前端部を刈取前処理部6側の掻込装置35の終端部ないし該掻込装置35の終端部に続く株元搬送装置の終端部の上側に接近させることができ、丈の短い穀稈でも良好に引き継いで搬送することができる。
【0024】
また、上述のように、前後の従動式の掻込スターホイル48,48を、いずれも支持フレーム38及び該支持フレーム38の自由端部から分岐した前側の支持フレーム49と後側の支持フレーム50とによって支持する構成のため、これら前後の従動式の掻込スターホイル48,48を独立した支持フレームで支持する構成に比較して、安価に提供することができる。また、この前後の従動式の掻込スターホイル48,48を支持する前側の支持フレーム49と後側の支持フレーム50とは、いずれも穂先搬送装置40の上方を迂回して配置されるため、搬送穀稈の邪魔になりにくく、穀稈搬送を円滑に行うことができる。
【0025】
また、前記前側の挟持杆51aを前側の中間掻込装置52と後側の中間掻込装置52との間において株元搬送チェン42側に付勢して設け、前記後側の挟持杆51bを後側の中間掻込装置52よりも後側において株元搬送チェン42側に付勢して設けることにより、搬送穀稈を確実に搬送することができる。
【0026】
また、刈取前処理部6における左側の掻込スターホイル34部から左株元搬送チェン68を後方へ延出して設け、刈取前処理部6における中間部の掻込スターホイル34部から中株元搬送チェン69を後方へ延出して設け、刈取前処理部6における右側の掻込スターホイル34部から右株元搬送チェン70を左後方へ延出して設ける。これにより、左株元搬送チェン68と中株元搬送チェン69とから前後の中間掻込装置52,52を介して穀稈供給搬送装置54へ刈取穀稈を引き継ぐことができ、刈取前処理部6側の高い位置に穂先搬送装置を設けなくても、刈取穀稈の引継ぎ搬送を円滑に行うことができる。
【0027】
また、前記穀稈供給搬送装置54における穂先搬送装置40の前端部の高さと、前側の中間掻込装置52に設ける穂先掻込装置58の前端部の高さと、後側の中間掻込装置52に設ける穂先掻込装置58の前端部の高さとを略同じ高さに配置することにより、引継ぎ穀稈の株揃いがよくなり、円滑に脱穀処理することができる。
【0028】
また、前記左株元搬送チェン68の終端部を中株元搬送チェン69の終端部よりも高い位置に配置することにより、該中株元搬送チェン69の終端部を前側の中間掻込装置52の高さに合わせながら、左株元搬送チェン68の終端部を後側の中間掻込装置52の高さに合わせることができ、搬送穀稈の株揃いをよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】コンバインの説明用平面図である。
【図2】コンバインの要部の説明図である。
【図3】コンバインの説明用側面図である。
【図4】コンバインの要部の説明用側面図である。
【図5】コンバインの要部の説明用拡大側面図である。
【図6】コンバインの伝動機構の説明図である。
【符号の説明】
【0030】
4 脱穀部
6 刈取前処理部
17 フィードチェン
31 分草装置
32 引起装置
35 掻込装置
36 刈刃装置
39 株元搬送装置
40 穂先搬送装置
42 チェン(株元搬送チェン)
46 駆動式の掻込回転体
48 従動式の掻込回転体
52 中間掻込装置
54 穀稈供給搬送装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
分草装置(31)と引起装置(32)と掻込装置(35)と刈刃装置(36)とを備える刈取前処理部(6)の後方にフィードチェン(17)を備える脱穀部(4)を設け、前記刈取前処理部(6)における掻込装置(35)と前記脱穀部(4)におけるフィードチェン(17)との間に穀稈供給搬送装置(54)を設けるにあたり、穀稈の株元側を挟持搬送するチェン式の株元搬送装置(39)と穀稈の穂先側を係止搬送するラグ式の穂先搬送装置(40)とから前記穀稈供給搬送装置(54)を構成すると共に、前記株元搬送装置(39)のチェン(42)によって駆動される駆動式の掻込回転体(46)と該駆動式の掻込回転体(46)に噛合する従動式の掻込回転体(48)とから中間掻込装置(52)を構成して、該中間掻込装置(52)を前記穀稈供給搬送装置(54)の搬送経路における複数の箇所に配置したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
分草装置(31)と引起装置(32)と掻込装置(35)と刈刃装置(36)とを備える刈取前処理部(6)の後方にフィードチェン(17)を備える脱穀部(4)を設け、前記刈取前処理部(6)における掻込装置(35)と前記脱穀部(4)におけるフィードチェン(17)との間に穀稈供給搬送装置(54)を設けるにあたり、穀稈の株元側を挟持搬送するチェン式の株元搬送装置(39)と穀稈の穂先側を係止搬送するラグ式の穂先搬送装置(40)とから平面視において屈折ないし湾曲した形状の搬送経路を有する穀稈供給搬送装置(54)を構成すると共に、前記株元搬送装置(39)のチェン(42)によって駆動される駆動式の掻込回転体(46)と該駆動式の掻込回転体(46)に噛合する従動式の掻込回転体(48)とから中間掻込装置(52)を構成して、該中間掻込装置(52)を前記穀稈供給搬送装置(54)の搬送経路における屈折部ないし湾曲部に配置したことを特徴とするコンバイン。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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