説明

コンバイン

【課題】刈取搬送部の引継ぎ搬送装置から脱穀部の扱室へ穀稈を円滑に引き継ぐことができるものとし、刈取脱穀作業の能率を高める。
【解決手段】刈取搬送部(7)側の引継搬送装置(17)から脱穀部(6)側のフィードチェン(21)への穀稈引き継ぎ部に、脱穀部(6)の扱室(22)前部に備える穀稈挿入口(24)から前方に延出する入口漏斗(25)を設け、該入口漏斗(25)の上側にブラシ状掻込手段(33a)付きの掻込ベルト(33)を設け、該掻込ベルト(33)の左右一側に沿わせて前記フィードチェン(21)の始端部を並設し、搬送穀稈の上側あるいは下側に位置する前記掻込ベルト(33)を掻き込み駆動し、フィードチェン(21)の始端部と協働して搬送穀稈を扱室(22)に送り込む構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
脱穀装置の穀稈穂先挿入口の外側近傍部位に、穀稈穂先部長さ方向と平行な方向に一定幅を有する複数枚の弾性羽根を持った回転体を設け、これら弾性羽根によって穀稈挿入口を外側から順次閉鎖するようにして穀稈穂先部を挿入口から扱室内に送り込むようにしたものは、公知である。(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭48−37225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献の技術では、脱穀部の穀稈挿入口から前側に延出している入口漏斗の下側面に軸により回転する弾性羽根を設け、搬送穀稈を下方から支持し搬送するものである。従って、雑草の多い穀稈や多収量の穀稈の場合には、入口漏斗の穂先側で搬送穀稈が停滞する不具合が発生する。
【0005】
本発明はこのような不具合を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、刈取搬送部(7)側の引継搬送装置(17)から脱穀部(6)側のフィードチェン(21)への穀稈引き継ぎ部に、脱穀部(6)の扱室(22)前部に備える穀稈挿入口(24)から前方に延出する入口漏斗(25)を設け、該入口漏斗(25)の上側にブラシ状掻込手段(33a)付きの掻込ベルト(33)を設け、該掻込ベルト(33)の左右一側に沿わせて前記フィードチェン(21)の始端部を並設し、搬送穀稈の上側あるいは下側に位置する前記掻込ベルト(33)を掻き込み駆動し、フィードチェン(21)の始端部と協働して搬送穀稈を扱室(22)に送り込む構成としたことを特徴とするコンバインとする。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記掻込ベルト(33)を穂先側掻込ベルト(33b)と根元側掻込ベルト(33c)とに分割構成し、穂先側掻込ベルト(33b)を根元側掻込ベルト(33c)よりも高速で駆動する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとする。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記掻込ベルト(33)の上側に対向する部位に第2掻込ベルト(34)を配設し、掻込ベルト(33)と第2掻込ベルト(34)とで搬送穀稈を上下から挟持して掻き込む構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとする。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記掻込ベルト(33)及び第2掻込ベルト(34)を穂先側ベルトと根元側ベルトとにそれぞれ分割構成し、穂先側ベルトを根元側ベルトよりも高速で駆動する構成としたことを特徴とする請求項3記載のコンバインとする。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記掻込ベルト(33)及び第2掻込ベルト(34)にエンジンの動力を伝達するにあたり、エンジンの動力が伝達される脱穀伝動装置における脱穀クラッチの下手側から掻込伝動装置を分岐し、該掻込伝動装置から掻込ベルト(33)及び第2掻込ベルト(34)に動力を伝達する構成としたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコンバインとする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によると、掻き込み手段付きの掻込ベルト(33)を搬送穀稈の上側あるいは下側から作用させてフィードチェン(21)の始端側と協働で穀稈を掻き込むので、雑草の多い穀稈や多収量の穀稈でも、入口漏斗(25)の穂先側での搬送穀稈の停滞を回避しながら円滑に扱室(22)に掻き込むことができ、刈取脱穀作業の能率を高めることができる。
【0012】
請求項2記載の発明によると、請求項1記載の発明の効果に加えて、搬送の遅れがちとなる穀稈の穂先側を、高速で駆動される穂先側掻込ベルト(33b)で先行して掻き込むことで穂先側の遅れを回避し、低速の根元側掻込ベルト(33c)で搬送穀稈を所定量ずつ扱室(22)に掻き込み、穀稈の搬送乱れや搬送遅れを防止しながら脱穀部(6)へ確実に送り込み、脱穀負荷を安定させることができる。
【0013】
請求項3記載の発明によると、請求項1記載の発明の効果に加えて、入口漏斗(25)の上側の掻込ベルト(33)と第2掻込ベルト(34)とにより、搬送穀稈を上下から挟持して掻き込むので、搬送穀稈の穂先の供給遅れを回避し、扱室(22)に確実に送り込むことができる。
【0014】
請求項4記載の発明によるとは、請求項3記載の発明の効果に加えて、入口漏斗(25)上の搬送穀稈の全体を掻込ベルト(33)と第2掻込ベルト(34)により上下両側から挟持して掻き込みながら、高速の穂先側掻込ベルトで先行して掻き込むことで穀稈の穂先側の遅れを回避し、低速の根元側掻込ベルトで搬送穀稈を所定量ずつ扱室(22)に掻き込むことで、穀稈の搬送乱れや搬送遅れを防止し確実に送り込むことができる。
【0015】
請求項5記載の発明によると、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、エンジンから動力の伝達される脱穀伝動装置における脱穀クラッチの下手側から分岐した掻込伝動装置により掻込ベルト(33)及び第2掻込ベルト(34)を駆動するので、脱穀部(6)の他の駆動部分と共に掻込ベルト(33)及び第2掻込ベルト(34)を駆動することができ、フィードチェン(21)との協働作用で搬送穀稈を的確に掻き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】コンバインの全体側面図。
【図2】コンバインの全体平面図。
【図3】脱穀部の切断側面図。
【図4】脱穀部の切断平面図。
【図5】脱穀部の正面図。
【図6】脱穀部の切断平面図。
【図7】脱穀部の正面図。
【図8】脱穀部の切断側面図。
【図9】脱穀部の切断平面図。
【図10】脱穀部の切断側面図。
【図11】脱穀部の切断平面図。
【図12】脱穀部の正面図。
【図13】脱穀部の切断側面図。
【図14】脱穀部の切断平面図。
【図15】脱穀部の正面図。
【図16】脱穀部の切断側面図。
【図17】脱穀部の切断平面図。
【図18】脱穀部の正面図。
【図19】脱穀部の切断側面図。
【図20】脱穀部の切断平面図。
【図21】脱穀部の正面図。
【図22】脱穀部の切断側面図。
【図23】脱穀部の切断平面図。
【図24】脱穀部の正面図。
【図25】脱穀部の切断側面図。
【図26】脱穀部の切断平面図。
【図27】脱穀部の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例について説明する。まず、図1及び図2に基づき本発明を施すコンバインの全体構成について説明する。
コンバインの走行車台1の下方には左右のクローラ式走行装置2,2を配設し、走行車台1上には、右側前部に座席付きの操縦部3を、操縦部3の後方下部にはエンジンを備えた原動部4を、原動部4の後方には穀粒収納用のグレンタンク5を配設している。走行車台1の左側部に脱穀部6を搭載し、走行車台1の前側部には刈取搬送部7を昇降自在に設け、脱穀部6及びグレンタンク5の後方に排稾処理装置8を設けている。
【0018】
前記刈取搬送部7には、前側から後側にかけて複数の分草杆11,…、穀稈引起し装置12、…、掻込搬送装置13、刈刃装置14、集送搬送装置15、中継ぎ搬送装置(図示省略)、引継搬送装置17を設け、脱穀部6のフィードチェン21へ刈取穀稈を引継ぎ搬送するようにしている。
【0019】
しかして、圃場の穀稈を分草杆11,…により穀稈条列毎に分草して穀稈引起し装置12,…に案内し、次いで、穀稈引起装置12,…で引起し、引き起こした穀稈を掻込搬送装置13で後方へ掻き込み搬送して刈刃装置14で刈り取る。次いで、中継ぎ搬送装置(図示省略)で左右方向中央部へ集送しながら中継ぎ搬送し、引継搬送装置17を経て脱穀部6のフィードチェン21へ引き継ぎ搬送する。
【0020】
次に、図3乃至図5に基づき刈取搬送部7の引継搬送装置17から脱穀部6のフィードチェン21への搬送穀稈の引継ぎ搬送構成について説明する。
機体の左側に配設している脱穀部6の扱室22に扱胴23の扱胴軸23aを前後方向に沿うようにして配設し、扱室22の左側に前後方向に沿わせてフィードチェン21を配設している。扱室22の前側部に設けている穀稈挿入口24から前方に入口漏斗25を延出して設けている。入口漏斗25の上方で且つ扱胴23より前側にコンバインの進行方向に対して直交する左右方向に前側掻き込み軸31及び後側掻き込み軸32を軸架し、前側掻き込み軸31及び後側掻き込み軸32に左右方向幅広で且つ搬送面全面にブラシ状掻込手段33a,…を付設している掻込ベルト33を巻回している。
【0021】
また、扱室22の右側に二番処理胴26aを内装している二番処理室26、排塵処理胴27aを内装している排塵処理室27を設け、エンジンから脱穀クラッチを経由して脱穀伝動装置28に脱穀動力を伝達している。脱穀伝動装置28から二番伝動装置29に二番動力を分岐し、同一軸状に軸架している二番処理胴26a及び排塵処理胴27aに動力を伝達している。
【0022】
また、脱穀伝動装置28から掻き込み動力を掻込伝動装置30に分岐し、掻込ベルト33を駆動するようにしている。脱穀伝動装置28の軸部28aに取り付けている取出プーリ28bから伝動ベルト30a、プーリ30b、後側掻き込み軸32に掻き込み動力を伝達し、後側掻き込み軸32を経て掻込ベルト33を駆動している。
【0023】
そして、掻込ベルト33の回転方向をコンバインの進行方向左方向(図4の下側)から見て反時計方向の回転で、掻込ベルト33のブラシ状掻込手段33a,…が前側から後側に移動しながら下方の搬送穀稈に掻き込み作用をするようにしている。
【0024】
従来技術として、穀稈挿入口24から前側に延出している入口漏斗25には、その下側面に軸回りに回転する複数のベルト33を配設し、搬送穀稈を下方から支持し掻き込み搬送するものがある。
【0025】
このような構成では、雑草の多い穀稈や多収量の穀稈の場合には、入口漏斗25の穂先側で搬送穀稈が停滞しがちとなる。
しかし、前記構成では、ブラシ状掻込手段33a,…付きの掻込ベルト33を搬送穀稈の上側から作用させて上方から下方へ押え込むようにして扱室22に掻き込むので、雑草の多い穀稈や多収量の穀稈でも、入口漏斗25の穂先側での搬送穀稈の停滞や雑草の停滞を回避しながら円滑に掻き込み、扱室22での脱穀を円滑に行なうことができる。また、作業者が搬送穀稈を手で押し込むような危険な操作をする必要もなく安全である。また、ブラシ状掻込手段33a,…付きの掻込ベルト33により扱室22の前側部から籾の吹き出しを防止することができる。また、ブラシ状掻込手段33a,…付きの掻込ベルト33により搬送穀稈の露を落下させ、脱穀負荷を軽減することができる。
【0026】
次に、図6及び図7に示す実施例について説明する。
ブラシ状掻込手段33a,…付きの掻込ベルト33を、穂先側掻込ベルト33bと根元側掻込ベルト33cとに分割構成し、穂先側掻込ベルト33bを根元側掻込ベルト33cよりも高速で回転するようにしている。
【0027】
掻込伝動装置30で動力を伝達するにあたり、脱穀伝動装置28の軸部28aに穂先側取出プーリ28ba,根元側取付プーリ28bbを取り付け、後側掻き込み軸を同一軸心状に軸架している穂先側後側掻き込み軸32a,根元側後側掻き込み軸32bに分割構成している。
【0028】
また、掻込伝動装置30を穂先側伝動ベルト30aa,根元側伝動ベルト30ab、同一軸心状に軸架している穂先側後側掻き込み軸32a,根元側後側掻き込み軸32b、穂先側後側掻き込み軸32aに取り付けている小径の穂先側プーリ30ba、根元側後側掻き込み軸32bに取り付けている大径の根元側プーリ30bbで構成している。
【0029】
しかして、穂先側取出プーリ28ba、穂先側伝動ベルト30aa、小径の穂先側プーリ30ba、穂先側後側掻き込み軸32aを経由して穂先側掻込ベルト33bに高速動力を伝達し、また、根元側取付プーリ28bb、根元側伝動ベルト30ab、大径の根元側プーリ30bb、根元側後側掻き込み軸32bを経由して根元側掻込ベルト33cに低速動力を伝達している。
【0030】
前記構成によると、高速の穂先側掻込ベルト33bで搬送穀稈の遅れがちとなる穂先側を先行して掻き込み、搬送穀稈の乱れを回避しながら低速の根元側掻込ベルト33cにより搬送穀稈を定量ずつ掻き込み、搬送穀稈の乱れを防止し円滑に送り込むことができる。
【0031】
次に、図8及び図9により他の実施例について説明する。
前側掻き込み軸31、後側掻き込み軸32にブラシ状掻込手段33a,…付きの掻込ベルト33を搬送穀稈の下方に位置するように巻き架け、掻込ベルト33の回転方向をコンバインの進行方向左方向から見て時計回りの回転として、ブラシ状掻込手段33a,…の上側突出状態で前側から後側に移動する行程で穀稈を下側から支持して後側に掻き込むように構成している。このように構成しても、前記と同様の効果が期待できる。
【0032】
次に、図10乃至図12に基づき他の実施例について説明する。
掻込ベルト33を穂先側掻込ベルト33bと根元側掻込ベルト33cに分割構成し、これらの回転方向をコンバインの進行方向左側から見て時計回りの回転とし、ブラシ状掻込手段33a,…の上側突出状態で前側から後側に移動する行程で搬送穀稈を下側から支持し後側に掻き込むようにし、穂先側掻込ベルト33bを根元側掻込ベルト33cよりも高速で駆動している。
【0033】
次に、図13乃至図15に示す他の実施例について説明する。
掻込ベルト33の回転方向をコンバインの進行方向左側から見て時計回りの回転とし、ブラシ状掻込手段33a,…の上側突出状態で前側から後側に移動する行程で穀稈を下側から支持し掻き込むようにしている。その掻込ベルト33の所定間隔上方にブラシ状掻き込み手段34a,…付きの第2掻込ベルト34を配設し、第2掻込ベルト34の回転方向をコンバインの進行方向左側から見て反時計周りの回転とし、ブラシ状掻込手段33a,…の下側突出状態で前側から後側へ移動する行程で下方の搬送穀稈を掻き込むようにしている。
【0034】
しかして、下側の掻込ベルト33と上側の第2掻込ベルト34とで穀稈を挟み搬送するので、搬送穀稈の掻き込み作用をより確実なものとし、搬送穀稈の穂先側の遅れを防止することができる。
【0035】
また、このような構成において、下側の掻込ベルト33を穂先側掻込ベルト33bと根元側掻込ベルト33cとに分割し、上側の第2掻込ベルト34を第2穂先側掻込ベルト34bと第2根元側掻込ベルト34cに分割構成し、穂先側掻込ベルト33b及び第2穂先側掻込ベルト34bを根元側掻込ベルト33c及び第2根元側掻込ベルト34cよりも高速で駆動する構成としてもよい。
【0036】
なお、下側の掻込ベルト33あるいは上側の第2掻込ベルト34のいずれか一方を穂先側掻込ベルトと根元側掻込ベルトとに分割構成してもよい。
次に、図16乃至図18に示す他の実施例について説明する。
【0037】
搬送穀稈の下方に配設している掻込ベルト33の回転方向をコンバインの進行方向左側から見て時計回りの回転とし、ブラシ状掻込手段33a,…の上側突出状態で前側から後側に移動する行程で穀稈を下側から支持し掻き込むようにしている。そして、掻込ベルト33の前側部上方部位に所定間隔をおいてブラシ状掻き込み手段35a,…付きの第2掻き込み棒状回転体35を左右方向に沿うように配設し、第2棒状掻き込み回転体35の回転方向をコンバインの進行方向左側から見て反時計周りの回転としている。
【0038】
しかして、下側の掻込ベルト33と上側の第2掻き込み棒状回転体35とで穀稈を挟み掻き込み搬送するので、掻き込み作用をより確実にし入口漏斗25の前側部での搬送穀稈の遅れを防止し円滑に送り込むことができる。
【0039】
また、第2掻き込み棒状回転体35を掻込ベルト33の前側部全幅に沿うように長く構成し、搬送穀稈の穂先側及び根元側の全体に作用させるように構成してもよい。また、搬送穀稈の穂先側に対向するように短く構成してもよい。
【0040】
また、掻込ベルト33の前側部全幅の穂先側及び根元側に第2掻き込み棒状回転体35を作用するように長くした構成とし、第2掻き込み棒状回転体35を穂先側第2掻き込み棒状回転体35bと根元側第2掻き込み棒状回転体35cとに分割構成し、穂先側第2掻き込み棒状回転体35bを根元側第2掻き込み棒状回転体35cよりも高速で駆動するように構成してもよい。
【0041】
次に、図19乃至図21に示す他の実施例について説明する。
脱穀部6における穀稈挿入口24の前側に入口漏斗25を延出して設け、入口漏斗25の搬送穀稈の上方部位で且つ扱胴23より前側部位に、コンバインの進行方向に対して直交するように前側掻き込み軸31、後側掻き込み軸32を設けている。この前側掻き込み軸31、後側掻き込み軸32に周面にブラシ37a,38aを付設して前側棒状掻き込み回転体37、後側棒状掻き込み回転体38に構成し、これらをコンバインの進行方向左側から見て反時計周りの回転としている。
【0042】
しかして、前側棒状掻き込み回転体37及び後側棒状掻き込み回転体38が搬送穀稈の上側面に掻き込み作用し、搬送穀稈の遅れを防止し扱室22に確実に送り込むことができる。
【0043】
なお、前側棒状掻き込み回転体37、後側棒状掻き込み回転体38を搬送穀稈の穂先側にのみ作用するように短く構成したり、あるいは、搬送穀稈の穂先側及び根元側の双方に作用するように長く構成してもよい。
【0044】
また、前側棒状掻き込み回転体37、後側棒状掻き込み回転体38を搬送穀稈の穂先側及び根元側双方に作用するように長く構成し、穂先側棒状掻き込み回転体37b,38bと根元側棒状掻き込み回転体37c,38cとに分割構成し、穂先側棒状掻き込み回転体37b,38bを根元側棒状掻き込み回転体37c,38cよりも高速で駆動する構成としてもよい。
【0045】
次に、図22乃至図24に示す他の実施例について説明する。
脱穀部6における穀稈挿入口24の前側に入口漏斗25を前方に延出して設け、入口漏斗25の搬送穀稈の上方部位で且つ扱胴23より前側にコンバインの進行方向に対して直交するように前側掻き込み軸31、後側掻き込み軸32を軸架している。この前側掻き込み軸31、後側掻き込み軸32に周面にブラシ37a,38aを付設し前側棒状掻き込み回転体37、後側棒状掻き込み回転体38を構成し、これらをコンバインの進行方向左側から見て反時計周りの回転とし、ブラシ37a,38aの下側回転部の前側から後側に回動する行程で搬送穀稈を上側から押圧しながら後側に掻き込み搬送するようにしている。
【0046】
また、後側棒状掻き込み回転体38の下方部位に所定間隔開けて搬送穀稈の下方に位置するようにブラシ40a付きの第2後側棒状掻き込み回転体40を配設し、進行方向左側から見て時計回りの回転とし、上側回転部の前側から後側に回動する行程で搬送穀稈を下側から支持しながら後側に掻き込み搬送するようにしている。
【0047】
前記構成によると、前側棒状掻き込み回転体37及び後側棒状掻き込み回転体38が搬送穀稈の上側面に掻き込み作用し、第2後側棒状掻き込み回転体40が搬送穀稈の下側面に掻き込み作用し、搬送穀稈の遅れを防止しながら扱室22に確実に送り込むことができる。
【0048】
なお、前側棒状掻き込み回転体37、後側棒状掻き込み回転体38及び第2後側棒状掻き込み回転体40を搬送穀稈の穂先側にのみ作用するように短くしたり、あるいは、搬送穀稈の穂先側及び根元側の双方に作用するように長く構成してもよい。
【0049】
また、前側棒状掻き込み回転体37、後側棒状掻き込み回転体38を搬送穀稈の穂先側及び根元側双方に作用するように長く構成し、穂先側前側棒状掻き込み回転体37bと根元側前側棒状掻き込み回転体37cとに分割構成し、穂先側が根元側よりも高速で回転するように構成してもよい。
【0050】
また、前側棒状掻き込み回転体37を高速で駆動し、後側棒状掻き込み回転体38を低速で駆動すると、前側棒状掻き込み回転体37で穀稈の穂先側を先行して搬送し穂先側の遅れを防止しながら、後側棒状掻き込み回転体38で搬送穀稈を一定量ずつ扱室22に送り込み、脱穀負荷を抑えながら円滑に脱穀することができる。
【0051】
次に、図25乃至図27に示す他の実施例について説明する。
脱穀部6における穀稈挿入口24の前側に入口漏斗25を前方へ延出して設け、入口漏斗25における搬送穀稈の下方部位で且つ扱胴23より前側にコンバインの進行方向に対して直交するようにブラシ37a付きの前側棒状掻き込み回転体37、ブラシ38a付きの後側棒状掻き込み回転体38をそれぞれ設け、回転方向をコンバインの進行方向左側から見て時計回りの回転とし、上側回転部の前側から後側に回動する行程で搬送穀稈を下側から支持しながら掻き込み搬送するようにしている。
【0052】
また、後側棒状掻き込み回転体38の上方に搬送穀稈を隔てて対向した上方部位にブラシ40a付きの第2後側棒状掻き込み回転体40を平行に配設し、進行方向左側から見て反時計周りの回転とし、下側回転部の前側から後側に回動する行程で搬送穀稈を上側から押えながら後側に掻き込み搬送するようにしている。
【0053】
しかして、前側棒状掻き込み回転体37及び後側棒状掻き込み回転体38が搬送穀稈の下側面に掻き込み作用し、第2後側棒状掻き込み回転体40が搬送穀稈の上側面に掻き込み作用し、搬送穀稈の遅れを防止しながら扱室22に確実に送り込むことができる。
【0054】
また、前側棒状掻き込み回転体37を高速で駆動し、後側棒状掻き込み回転体38及び第2後側棒状掻き込み回転体40を前側棒状掻き込み回転体37よりも低速で駆動する構成とすると、高速で回転する前側棒状掻き込み回転体37で穀稈の穂先側を先行搬送して穂先側の遅れを防止しながら、低速で回転する後側棒状掻き込み回転体38及び第2後側掻き込み回転体40で搬送穀稈を一定量ずつ送り込み、脱穀負荷を抑えながら円滑に脱穀することができる。
【符号の説明】
【0055】
3 操縦部
5 グレンタンク
6 脱穀部
7 刈取搬送部
17 引継ぎ搬送装置
21 フィードチェン
22 扱室
24 穀稈挿入口
25 入口漏斗
33 掻込ベルト
33a ブラシ状掻込手段
33b 穂先側掻込ベルト
33c 根元側掻込ベルト
34 第2掻込ベルト
34b 第2穂先側掻込ベルト
34c 第2根元側掻込ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取搬送部(7)側の引継搬送装置(17)から脱穀部(6)側のフィードチェン(21)への穀稈引き継ぎ部に、脱穀部(6)の扱室(22)前部に備える穀稈挿入口(24)から前方に延出する入口漏斗(25)を設け、該入口漏斗(25)の上側にブラシ状掻込手段(33a)付きの掻込ベルト(33)を設け、該掻込ベルト(33)の左右一側に沿わせて前記フィードチェン(21)の始端部を並設し、搬送穀稈の上側あるいは下側に位置する前記掻込ベルト(33)を掻き込み駆動し、フィードチェン(21)の始端部と協働して搬送穀稈を扱室(22)に送り込む構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記掻込ベルト(33)を穂先側掻込ベルト(33b)と根元側掻込ベルト(33c)とに分割構成し、穂先側掻込ベルト(33b)を根元側掻込ベルト(33c)よりも高速で駆動する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記掻込ベルト(33)の上側に対向する部位に第2掻込ベルト(34)を配設し、掻込ベルト(33)と第2掻込ベルト(34)とで搬送穀稈を上下から挟持して掻き込む構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項4】
前記掻込ベルト(33)及び第2掻込ベルト(34)を穂先側ベルトと根元側ベルトとにそれぞれ分割構成し、穂先側ベルトを根元側ベルトよりも高速で駆動する構成としたことを特徴とする請求項3記載のコンバイン。
【請求項5】
前記掻込ベルト(33)及び第2掻込ベルト(34)にエンジンの動力を伝達するにあたり、エンジンの動力が伝達される脱穀伝動装置における脱穀クラッチの下手側から掻込伝動装置を分岐し、該掻込伝動装置から掻込ベルト(33)及び第2掻込ベルト(34)に動力を伝達する構成としたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−139119(P2012−139119A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292128(P2010−292128)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】