説明

コンピュータのデータ・エントリ方法および装置

【目的】 バーコード手法を用いるデータの入力および操作のための容易で迅速な方法と装置を提供する。
【構成】 特定の研究機器コンピュータ・システムへのデータの入力において一般に使用される運用指令はコード表示が割当てられる。これらのバーコードを、研究機器に一時的または恒久的に添付できるカード上に印刷され、バーコード・リーダにより読取ることができ、これによりユーザがキーボード・インターフェースの必要なしに機器に命令を与えることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータのデータ入力操作方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】医療テスト手順の自動化が進歩するに伴い、比較的「手の掛からない」機器、即ち操作に要求される専門家の時間数を短縮する機器の提供がますます要求されるようになってきた。このことは、コンピュータ技術を用いて試料を追跡してテスト・データを収集記録する多数の機器の開発をもたらし、かかるシステムは、長い期間にわたり周期的あるいは連続的に試料を監視する時に特に有効である。
【0003】しかし、このようなシステムは、システムに入出する試料の記録ならびに周期的な状態検査などのため専門家の時間を著しく要するという短所から免れない。更に、このような入力は、一般に、非常に壊れやすく、ある研究室環境には耐え得ないキーボード・インターフェースを介して行われる。
【0004】このため、より効率的なデータ・エントリ・システムが望ましい。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、バーコード技術を用いるデータのエントリおよび操作のための容易で迅速な方法を提供する。概要を述べれば、システムに対するデータ入力において一般に使用される運用指令(本文では、運用指令とは所望の結果を得るため行われる1つ以上のコンピュータ指令を意味する)は、バーコード表示が割当てられる。このバーコードは、一時的あるいは恒久的に、機器それ自体あるいはオペレータが容易に接近し得る場所に取付けることができるカード上に印刷される。
【0006】これらのコードは、バーコード・リーダにより読取ることができ、このため、ユーザがキーボード・インターフェースの必要なしに機器に指令することを可能にする。このことは、著しく試料の処理能力を増し、ユーザの効率を高める。
【0007】
【実施例】本発明の方法においては、コンピュータ化された機器におけるデータの操作あるいはエントリのため一般に使用される指令は、コンピュータにプログラムされたバーコード識別が割当てられる。このため、各バーコードは、バーコードがバーコード・リーダによって読取られてコンピュータと通信される時それに続くコンピュータに対する一つの指令または一連の指令を表わすことになる。
【0008】この指令リストは、(バーコード表示のための)スペース制限を念頭に置けばユーザの必要に従って大きくも小さくもなることが理解されよう。望ましい実施態様においては、このシステムは自動化されたバクテリア血液培養アナライザと関連して使用され、バーコードにフォーマット化された指令は下記のものを含む。即ち、1.正の除去2.負の除去3.サンプル・バイアルのエントリ4.サンプル・バイアルの識別5.エラーの解明a.サンプル・バイアルの逸失b.サンプル・バイアルの返還c.不良ステーションこれらは、キーボード入力のためのコンピュータ・メニューに含まれるものと同じ指令である。
【0009】このように、バーコード・カードの使用により、オペレータに要求される最小の労力で容易かつ効率的に操作を行うことを可能にする。望ましい実施態様において、カードに印刷された各バーコードは、例えばデータ入力、データ削除などのバーコード識別の近くに指令のテキスト記述を伴う。このため、不慣れなオペレータがデータ入力および操作を行うため比較的短い時間で訓練し得る。
【0010】更に、バーコード・カードの使用は、外国語の用語をコンピュータにプログラムすることを必要とせずに、装置を外国において使用することを可能にする。バーコード自体がコンピュータに対して運用指令を送るので、英語以外の外国語による運用指令のテキスト記述によるコードを添付するだけでよく、直接コンピュータに対する指令は同じままである。このため、オペレータは、コードを自分の母国語で読むことができ、バーコードをコンピュータに入力するためバーコードを使用することができる。このことは、ラベルの翻訳が必要とされるだけで、外国においてこのように装備されたどんな機器の使用も大幅に容易にする。
【0011】本発明の望ましい実施態様は医療研究室の機器の分野にあるが、本発明の方法は、データ・エントリおよび操作を行うどんな機器においても用途を有することが理解されよう。要約すれば、全てのこのような機器において、運用指令はバーコード・リーダによるバーコード識別を用いて入力される。
【0012】本文に示した本発明の多くの変更および修正が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく可能である。本文に述べた特定の実施態様は単に例示として示され、本発明は頭書の特許請求の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 運用指令が入力されるコンピュータにおけるデータのエントリまたは操作のための方法において、(i)個々のバーコード識別を1つ以上の前記運用指令に割当てるステップと、(ii)所望の運用指令と対応する前記バーコード識別が前記コンピュータに入力される時、前記コンピュータが所望の運用指令を実行するように、前記バーコード識別の各々をコンピュータにプログラミングするステップと、(iii)前記バーコード識別を前記コンピュータに入力して所望の運用指令を実行するステップとを含む方法。
【請求項2】 複数の運用指令がバーコード識別を割当てられる請求項1記載の方法。
【請求項3】 前記バーコードがカード上に印刷される請求項2記載の方法。
【請求項4】 前記カードが、前記運用指令に対する前記バーコード識別に近接して各運用指令のテキスト記述を含む請求項3記載の方法。
【請求項5】 コンピュータにおけるデータのエントリおよび操作のための手段を含む機器において、(i)バーコード識別がシステムに入力される時、所望の運用指令がコンピュータにより実行されるように、各々が個々の運用指令と対応する複数のバーコード識別を含むカードと、(ii)前記バーコード識別を前記機器へ入力する手段と、を設けてなる機器。
【請求項6】 前記カードが、前記運用指令に対するバーコード識別に近接して各運用指令のテキスト記述を含む請求項5記載の機器。
【請求項7】 前記バーコード識別を入力する前記手段がバーコード・リーダである請求項5記載の機器。
【請求項8】 請求項5に記載の医療研究機器。
【請求項9】 請求項5に記載の血液培養アナライザ。
【請求項10】 運用指令が、正の除去、負の除去、サンプル・バイアルのエントリ、サンプル・バイアルの識別、およびエラーの解明を含む請求項9記載の血液培養アナライザ。

【公開番号】特開平5−298075
【公開日】平成5年(1993)11月12日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−1208
【出願日】平成5年(1993)1月7日
【出願人】(591007332)ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー (4)
【氏名又は名称原語表記】BECTON DICKINSON AND COMPANY