コンピュータを遠隔制御するためのシステム及び方法
コンピュータ用の遠隔制御システム及び対応する方法であって、そのシステム及び方法は、電磁スペクトルの複数の別個の部分から画像を受け取ることができる1つ以上の装置を有する画像取り込みユニットを備えるウェブ・カメラと、この画像をリモコン装置によって発生された、少なくとも1つのカーソル制御を行える信号に検出及び分離できる検出・分離モジュールと、カーソル制御を行える信号を受け取りかつ1つ以上のカーソル制御信号を発生する処理ユニットとを具備し、1つ以上のカーソル制御信号がリモコン装置の移動を示す信号を含み、この移動はコンピュータのディスプレイ上に表示されるカーソルの動きに変換可能である。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ウェブ・カメラは、ユーザが画像(通常、ユーザの画像)を他のコンピュータに同報通信することを可能にする一般的なコンピュータ周辺機器である。ウェブ・カメラは小型のカメラ(通常は、常にそうとは限らないが、ビデオカメラ)であり、その画像はインターネット、インスタント・メッセージ、又はPCビデオ会議アプリケーションを用いてアクセスされることができる。ウェブ・カメラという用語はそのような目的のために設計された低解像度のディジタル・ビデオカメラを説明するためにも使用されるが、非リアルタイム方法で記録するために使用されることもできる。
【0002】
ウェブにアクセス可能なカメラには、連続的に又は一定の間隔をおいてウェブ・サーバに画像をアップロードするディジタル・カメラが含まれる。これはPCに装着されたカメラ又は専用のハードウェアによって実現されうる。
【0003】
ウェブ・カメラは一般に、レンズ、イメージ・センサ、及び幾つかの支援電子部品を備えている。種々のレンズを使用でき、最も一般的なレンズはプラスチック・レンズであり、カメラの焦点を合わせるために回して入れたり出したりされることができる。調整を必要としない固定焦点レンズも使用できる。イメージ・センサは相補型金属酸化膜半導体(CMOS)又は電荷結合素子(CCD)とすることができる。前者は低価格のカメラによく使用されるが、CCDカメラは、低価格の範囲では必ずしもCMOSベースのカメラよりも性能が優れていることはない。顧客のウェブ・カメラは通常、毎秒約25フレームの速度のビデオ・グラフィックス・アレイ(VGA)領域の分解能を提供する。より高い分解能のカメラも使用できる。
【0004】
支援電子部品は、センサからの画像を読み取り、この画像をホストコンピュータに送信する機能を有する。携帯電話用カメラなどの幾つかのカメラは、「ダイ上」に支援電子部品が付いたCMOSセンサを使用する。すなわちセンサ及び支援電子部品は、1つのシリコン・チップ上に構築されて空間と製造コストを節約する。
【0005】
図1は、ウェブ・カメラ11と赤外線リモコン(IR)機構の両方を有する従来のパーソナル・コンピュータ・システム10を例示している。ウェブ・カメラ11はユーザの画像を取り込み、コンピュータ・システム10の他の構成部品と一緒に使用されて、例えばインターネットに接続された他のPCなどの他のサイトにこれらの画像を同報通信又は送信することができる。画像の捕捉や送信はリアルタイムで行われる。パーソナル・コンピュータ・システム10を制御するため(例えば、カーソルをモニタ20上に位置付けるため)に使用されることができる赤外線リモコン装置12もシステム10に関連している。リモコン装置12を動作するには、パーソナル・コンピュータ・システム10は、リモコン装置12によって送信された赤外線信号を受信することができ、次にこの信号を処理してパーソナル・コンピュータ・システム10内の望ましい制御機能を提供できる赤外線受信機14を備える必要がある。パーソナル・コンピュータ・システム10内で使用され、また任意の他のパーソナル・コンピュータ・システム内で一般的であるように、ウェブ・カメラ11と赤外線遠隔制御システム(赤外線受信機14、関連したソフトウェア又はファームウェア、及び赤外線リモコン装置12)は、別個の機能を有する分離された構成要素である。これらの別個の機能は、構成要素を購入するためにユーザに余分な金を負担させる。
【発明の概要】
【0006】
コンピュータ用の遠隔制御システムが開示される。このシステムは、複数のソースから画像を受け取ることができる1つ以上の装置を備える画像取り込みユニットを備えるウェブ・カメラと、この画像をリモコン装置によって発生された、少なくとも1つのカーソル制御を行える信号に検出及び分離できる検出・分離モジュールと、カーソル制御を行える信号を受け取り、1つ以上のカーソル制御信号を発生する処理ユニットとを備え、1つ以上のカーソル制御信号がリモコン装置の移動を示す信号を含み、この移動はコンピュータのディスプレイ上に表示されるカーソルの動きに変換され得る。
【0007】
コンピュータを遠隔制御する方法も開示される。この方法には、画像取り込み装置において複数のソースからの放射を含む画像信号を受け取るステップと、受け取られた画像信号においてカーソル制御を行える信号を検出するステップと、この画像信号からカーソル制御を行える信号を分離するステップと、分離されたカーソル制御を行える信号を処理して、カーソル制御信号を発生するステップと、及びこのカーソル制御信号をコンピュータのカーソル移動を制御することに適用するステップと、が含まれる。
【0008】
以下の図面を参照して、詳細な説明が行われる、これらの図面では同じ参照番号は同じ項目を指している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ウェブ・カメラを採用する従来のコンピュータ・システムを例示する図である。
【図2A】ウェブ・カメラがコンピュータ・システムの機能を遠隔制御できるように使用される、コンピュータ・システムの実施形態を例示する図である。
【図2B】ウェブ・カメラがコンピュータ・システムの機能を遠隔制御できるように使用される、コンピュータ・システムの実施形態を例示する図である。
【図2C】ウェブ・カメラがコンピュータ・システムの機能を遠隔制御できるように使用される、コンピュータ・システムの実施形態を例示する図である。
【図3A】図2A及び図2Bのコンピュータ・システムの制御機能を例示する図である。
【図3B】図2A及び図2Bのコンピュータ・システムの制御機能を例示する図である。
【図4A】図2A及び図2Bのコンピュータ・システムと一緒に使用される遠隔制御装置の実施形態を例示する図である。
【図4B】図2A及び図2Bのコンピュータ・システムと一緒に使用される遠隔制御装置の実施形態を例示する図である。
【図5】ウェブ・カメラを使用する遠隔制御を採用しているコンピュータ・システムの別の実施形態を例示する図である。
【図6】図2Aのウェブ・カメラの代表的な画像捕捉アレイと関連する電子部品を例示する図である。
【図7】赤外光を収集及び集束するために反射鏡を使用する遠隔制御装置の実施形態を例示する図である。
【図8】図2Aのウェブ・カメラを使用するオン・スクリーン式カーソルを制御するための代表的な回路構成を例示する図である。
【図9】ウェブ・カメラを使用する代表的なカーソル制御動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ウェブ・カメラは、ユーザが画像(通常、ユーザの画像)を他のコンピュータに同報通信することを可能にする一般的なコンピュータ周辺機器である。ウェブ・カメラは、電磁スペクトルの赤外線範囲からの送信を取り込むことができる。本願で開示されるように、ウェブ・カメラ・システムは、カーソルをコンピュータ・ディスプレイ上に位置付けるように、かつ他のコンピュータ制御機能を実行するように、リモコン装置によって与えられた赤外(IR)スペクトル信号又は他の可視信号を使用するように適合される。
【0011】
図2Aは、リモコン装置とウェブ・カメラを用いてオン・スクリーン式カーソル制御を行うためのシステム100の実施形態を例示している。システム100は、実施形態が図2Bに示されているより大きなコンピュータ・システムの一部である。図2Bでは、コンピュータ・システム200は、プロセッサ部210、ディスプレイ部220、及びキーボード230を備えている。他の標準的なコンピュータ構成部品も、コンピュータ・システム200に加えることができる。ディスプレイ部220は、例えば、フラット・パネル・ディスプレイなどの標準的なコンピュータ・モニタとすることができる。カーソル220がディスプレイ部220上に示されており、このカーソルは、例えばマウス235を含む幾つかの位置決め装置の1つをユーザが使用することによって位置付けられることができる。1つの実施形態では、コンピュータ・システム200はパーソナル・コンピュータである。しかしながら、他のコンピュータ・システムも、システム100と通信することができる。
【0012】
図2Aに戻ると、システム100は、ウェブ・カメラ110、赤外線リモコン120、及び関連する論理回路130を備えている。この論理回路130は、図2Bのプロセッサ部210の中に組み込まれることができる。このウェブ・カメラ110は、どのようなウェブ・カメラであってもよい。1つの実施形態では、ウェブ・カメラ110は、赤外線信号を検出するように設計されたセンサ(図2Aには示されていない)を備えている。この同じセンサは、ユーザの可視画像に対応する光も検出することができる。最後に、このセンサは、例えば発光ダイオード(LED、図示されていない)から放射された光を検出できる。そのようなLEDは、リモコン120に組み込まれることができる。ウェブ・カメラ110を経由してカーソル制御信号を受け取ることに加えて、システム100は、例えば図示のように配置された別個の赤外線受信機125を備えることができる。しかしながら、ウェブ・カメラ110が赤外線信号を受け取る(又はウェブ・カメラ110が他の制御信号を受け取る)機能を備えれば、別個の赤外線受信機は不要になる。
【0013】
このウェブ・カメラは、言うまでもなく、電磁スペクトルの種々の相異する部分からの電磁放射を取り込むことができる。これらの電磁スペクトルの種々の相違する部分には、本願で使用される場合は、例えば赤外放射や可視光が含まれる。これらは、本願で開示された実施形態の目的に対して、「異なる及び別個の」と考えられる。以下で説明されるように、処理回路及び/又は論理回路130は、ウェブ・カメラ110で受け取られた全電磁放射の中に望ましい赤外線信号が存在することを検出し、さらに処理するために赤外線信号を分離することができる。さらに、ウェブ・カメラ110は、リモコン120以外の物体からの赤外放射を受け取ることもできる。処理回路及び/又は論理回路130は、望ましい赤外線制御信号と不要な赤外放射との間を区別することができる。
【0014】
画像を取り込むウェブ・カメラ110を用いる動作に当たっては、リモコン120を操作するユーザは通常、リモコン120をウェブ・カメラ110の近くに向けて、次にリモコン120上の1つ以上のボタンを操作するだけである。これらのボタンの幾つかは、オン・スクリーン式カーソル222を動作させる信号を発生するように使用されうる。このように発生された信号は、赤外線信号IRsとすることができる。別の方法では、このように発生された信号は、電磁スペクトルの他の部分からの可視信号とすることができる。
【0015】
リモコン120からのカーソル制御用赤外線信号IRsは、大体において、ウェブ・カメラ110によって取り込まれる他の画像信号GIsと同時に受け取られる。信号IRsを他の画像信号GIs又はいずれかの他の赤外線信号と区別するために、ウェブ・カメラ110又は関連する処理回路は、赤外線信号IRsを検出して他の画像信号GIsから分離するように構成され得る。そのような検出は、例えば、リモコン120が発生する独特なパターンの赤外線信号IRsに基づいて行われる。次に処理回路は分離された赤外線信号IRsをさらに処理して、望ましいカーソル制御信号を発生する。
【0016】
図2Cを参照すると、画像信号Isは全体的画像信号GIs(例えば、ユーザのビデオ画像)及び赤外線信号IRsを含んでいる。画像信号Isはウェブ・カメラ110で受け取られて、赤外部分が例えば、検出・分離モジュール410(図7を参照のこと)によって検出及び分離される。
【0017】
図3A及び図3Bは、遠隔制御システム100のリモコン120が利用されているコンピュータ・システム200の関連部分を示している。図3Aは、遠隔制御信号が送信される前の、表示部220上に表示されたカーソル222の位置状態を示しており、図3Bは、遠隔制御信号が送信された後のカーソル222の位置状態を示している。
【0018】
1つの実施形態では、遠隔制御システム100は赤外光遠隔制御システムであり、赤外線信号IRsの1つとして位置検出信号PDLを遠隔制御信号として送信する光リモコン120と、その位置検出信号PDLを受信し、かつ信号の特定のパラメータに基づいてリモコン命令(リモコン120の置換え)の詳細を認識(検出)する1つ以上のリモコン受信機を、その主な構成部品として備えている。図3A及び図3Bで示された実施形態では、リモコン受信機はウェブ・カメラ110を備えている。この実施形態では、位置検出信号PDLは、ウェブ・カメラ110が検出できる独特なパターンを有する赤外線信号である。さらに、この赤外線信号IRsは、リモコン120によるカーソル222の初期制御及び他のオン・スクリーン機能の制御を可能にする赤外線イネーブル信号を含むことができる。
【0019】
コンピュータ・システム200では、システム100を用いるリモコンは、カーソル222に対して実行される。このカーソル222は、表示部220上で表示されるポインタとして示されている。ウェブ・カメラ110は、表示装置220の前面フレーム部分の中に含まれているように例示されているが、このウェブ・カメラ110は、例えば図1で示されているように他の位置に配置されることもできる。
【0020】
リモコン120は自由空間の中で動作される(例えば、パンされる)ため、リモコン120の中心軸121は第1の軸方向X(例えば、水平方向に対応する方向)、第2の軸方向Y(例えば、水平方向に直交する垂直方向に対応する方向)、又はこれらの方向に対して傾斜した方向に移動するように描写されうる。この第1の軸方向Xと第2の軸方向Yは直交するように示されているが、別の実施形態では、これらの軸が直角に近い角度で交差して、第1の軸方向X内の光信号と第2の軸方向Y内の光信号が区別され、検出されることができる。
【0021】
システム100は、リモコン120から送信された位置検出信号PDLがウェブ・カメラ110によって受け取られて、リモコン120のパニング状態が、受け取られまた検出された位置検出信号PDLの特定のパラメータ(例えば、絶対値及び相対比率)に基づいて検出されるように構成される。次に、これらの受け取られまた検出された位置検出信号PDLは、パニング状態(例えば、右及び左へのパニング)に従ってカーソル222を位置付けるために、コンピュータ・システム200の他の構成要素の中に含まれた論理回路130によって使用される。この論理回路130は、本願で使用される場合は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はその任意の組合せとすることができる。
【0022】
図3Aは、移動する前のカーソル222を示しており、図3Bは、移動軌跡222aに沿って移動した後のカーソル222を示している。すなわち、リモコン120が−Xから+Xまでパンされると、表示部220上に表示されたカーソル222は、パニングに対応してディスプレイ上で左(−X)から右(+X)までパンされる。
【0023】
カーソルのX−Y位置決め制御を達成するために、リモコン120は、図4Aに示されているように、位置検出信号PDLの送信方向に対応する位置基準としての機能を果たす基準軸として、中心軸121の周りに複数の発光素子(赤外光又は他の光信号を放射できる)を用いて構成されうる。第1の発光素子1231及び第2の発光素子1232はリモコン120の前面パネル128上に配置され、互いに離間されて、それらは水平方向でリモコン120の中心軸121に関して対称にされる。すなわち、中心軸121と水平方向Xとの間の交差点は原点と定義されて、第1の発光素子1231及び第2の発光素子1232がこの原点に関して対称に配列される。
【0024】
第1の発光素子1231は、光軸123aと光量分布特性又はパターンLD1を有する。第2の発光素子1232は、光軸123bと光量分布特性又はパターンLD2を有する。光軸123aと123bは、感度及び精度を向上させるために(図4Bを参照されたい)、中心軸121に対して反対方向に傾斜されて示されている。必要に応じて、同様の効果は、第1の発光素子1231と第2の発光素子1232との間の間隔を広げることによって達成されうる。
【0025】
1つの実施形態では、第1及び第2の発光素子1231、1232からの位置検出信号PDLは、これらの信号の放射タイミングを互いに相違させることによって区別されることができる。例えば、リモコン120は、時分割駆動システムを用いて第1の発光素子1231と第2の発光素子1232を駆動することによって、パルス位置変調(PPM)信号として位置検出光信号PDLを送信するように構成されうる。パルス位置変調は、散乱光、EMC(電磁的両立性)ノイズ、及び他の影響による効果を最小にする。
【0026】
第1の発光素子1231の光軸123aが、例えば、リモコン120を水平に移動することによってウェブ・カメラ110に直面される場合、この第1の発光素子1231からの光量は、第2の発光素子1232からの光量よりも大きくなる。このため、リモコン120の右方向への移動はウェブ・カメラ110によって検出されることができる。
【0027】
前述されたカーソル222の水平制御に加えて、同様のプロセス(発光素子1233及び1234)を用いて垂直制御を行うことができ、結果としてカーソル222の二次元位置制御を実行することができる。
【0028】
図4A及び図4Bは、十字形状で第4の発光素子1234に対する第1の発光素子1231の配列を示しているが、リモコン120がこの構成に限定されることはない。例えば、発光素子はT字形状又はL字形状に配列されることができる。すなわち、第1の軸方向X及び第2の軸方向Yのそれぞれにおいて、対応する2つの発光素子は中心軸121に対して対称に配列されうる。
【0029】
リモコン120は、カーソル222の赤外線制御を開始して、その後、カーソル222を所望の方向に移動するための種々の制御機能を備えることができる。1つの実施形態では、リモコン120は、赤外線リモコンを起動するために動作されるボタン122を備えている。ボタン122のその後の動作は、赤外線リモコン機能の電源をオフにすることである。
【0030】
さらに、図4A及び図4Bのリモコン120が4つの発光素子を用いて示されているが、このリモコン120はそのように限定されることはなく、発光素子を別の数や配列にすることもできる。例えば、リモコン120は、1つの発光素子しか使用しないことができる。この構成では、カーソル222を移動することは、リモコン120をパニングすることによって、やはり行うことができる。別の実施形態では、1つのボタンがトグル形式で赤外線制御を開始すること、その後カーソル222を位置付けることの両方を行うように動作する。他の手段も、カーソル222を始動させまた動作させることができる。このように、二次元にトグルを動作させることがカーソル222を二次元に移動させることに変換されて、リモコン120は静止又はほぼ静止の状態に維持される。
【0031】
さらにその上、同じボタン122又は類似のボタンが使用されて、カーソル222が、「ドラッグ・アンド・ドロップ」及び「アイテム選択」等の他の一般的なコンピュータ関連のカーソル動作を開始できるようにされる。
【0032】
他の手段も、オン・スクリーン式カーソルの二次元動作を制御することができる。1つの実施形態では、CCDのアレイを備えたウェブ・カメラ受信ユニットが、例えば、リモコン装置から認識されうる独特なパターンを有する赤外線信号IRsを含む光信号Isを受け取り、そしてCCDのアレイの全体にわたって信号IRsの動きをコンピュータ表示部220上の対応する位置と相関させる。この実施形態は、図5に例示されている。図示のように、コンピュータ・システム300は、CCDのアレイ315又は同様の画像取り込み装置を有するカメラ・システム310を備えている。プロセッサ330がカメラ・システム310に接続されている。このプロセッサ330は、とりわけ、CCDアレイ315によって取り込まれた画像情報を処理するように機能する。プロセッサ330は、今度は、カーソル322を示す表示部320に接続される。最後に、カーソル322をアクティブにしまた表示部320にわたって二次元の動きを制御するために、リモコン340が使用される。このリモコンは、カーソル制御部341及び発光装置343を備えている。
【0033】
図5には、起点Aから終点Bまでの表示部320上のカーソル322の平行移動も示されている。この平行移動は、リモコン340の動作によって制御されることができる。例えば、リモコン340を左から右に円弧Ax状にパニングすることによって、発光装置343の中心軸351は、CCDアレイ315上の点Aから点Bまで移動されて、その結果、中心軸353は現在はCCDアレイ315上の異なる点を指し示すことになる。このCCDアレイを横切る平行移動は、プロセッサ330によって検出及び処理されて、表示部320上の点Aから点Bまでカーソル322の対応する平行移動が行われる。
【0034】
前述された実施形態では、コンピュータ・システムの表示部は、常時オン・スクリーン式カーソルを表示できる。このオン・スクリーン式カーソルは、1つ以上の装置によって制御することができる。例えば、このオン・スクリーン式カーソルは、図2Bのマウス235によって制御されうる。しかしながら、リモコン装置(例えば、リモコン120及び340)が起動されている場合、オン・スクリーン式カーソルの制御は対応するリモコン装置によって行うことができる。そのような遠隔操作を可能にするために、ユーザはリモコン装置のカーソル制御部を操作できる。例えば、ユーザはカーソル制御部341(図5を参照のこと)を操作して、リモコン340からの光放射によってカーソル322の遠隔操作を行うことができる。
【0035】
図6は、図5のウェブ・カメラの一例としての画像取り込みアレイ及び関連した電子部品を例示している。図示のように、CCDアレイ315が回路基板316上に配置され、またこの回路基板には、種々の電子回路部品が装着されている。これらの電子部品は処理回路及び/又は論理回路130の部分として使用され、光信号Isを制御信号に変換して、オン・スクリーン式カーソル(例えば、図2Aのカーソル222)を移動させる。
【0036】
図7は、ウェブ・カメラ110と一緒に使用してカーソル222の位置付けを制御する(図2Bを参照のこと)、さらに別のリモコン装置の実施形態を例示している。図7では、光学ウィンドウ362が付いたリモコン360が示されている。光学ウィンドウ362の背後には反射器364があり、この反射器は他の光源からIR信号を取り込み、このIR信号を集束し、そしてこのIR信号をウェブ・カメラ110の画像取り込み装置に方向付ける。ここでは、IR信号が用いられてカーソル制御信号が作られる。リモコン360は、他の全ての点で図5に示されているリモコン340のように動作することができる。リモコン360と一緒に使用されうる他の赤外放射光源には、ウェブ・カメラ110自身が発生する赤外線信号、及び例えば室内灯(人工の光源)、太陽光及び同様の光源などの他の光源によって発生された赤外放射が含まれる。
【0037】
図8は、ウェブ・カメラを用いてオン・スクリーン式カーソルを制御するための代表的な回路である。図8に示されている回路の構成要素は、ウェブ・カメラ110(図2Aを参照)の中、及び/又はプロセッサ部210又は表示部220(図2Bを参照)の中に配置されうる。
【0038】
リモコン120(図2Aを参照)から放射された赤外線信号IRsは、検出・分離回路410によって受け取られる。この検出・分離回路410は、受け取られた信号IRsに対する独特なパターンを認識して、この信号IRsをウェブ・カメラ110で受け取られた他の信号GIsから分離する。このように分離された信号IRsはフォトダイオード411、又はウェブ・カメラ110の光受信ユニット内に含まれた同様なデバイスに送られ、光電変換され、そしてIR受信信号IRRsとしてIR受信信号処理ユニット420に入力される。
【0039】
このIR受信信号処理ユニット420は、前段において、信号IRRsを固定範囲(振幅)の信号に増幅して信号処理を確実に実行できるようにする増幅器421と、この増幅器421に接続されて、フィードバック・ループを形成して信号の振幅を固定範囲に調整するリミッタ422を備えている。他の増幅器及び帯域通過フィルタが増幅器421の下流に接続され、信号IRRsをさらに処理するために必要とされる。IR受信信号処理ユニット420は、変位検出ユニット430に対して入力信号IRRsのそれぞれに対応する位置検出信号PDsを出力する。
【0040】
変位検出ユニット430は、検出回路432、ノイズ・フィルタ434、及び演算処理ユニット(APU)450を備えている。検出回路432は、位置検出信号PDsに対して波形変換処理を実行して、入力信号IRRsのそれぞれに対応する位置検出出力信号PDoを得る。回路432は、変調波を含む位置検出受信信号PDsから変調波を除いて、エンベロープを得る。すなわち、位置検出出力信号PDoは、望ましいカーソル運動を示す振幅値に変換されうる。
【0041】
ノイズ・フィルタ434は、コンデンサ−抵抗(CR)フィルタ、インダクタ−コンデンサ(LC)フィルタ又は同様の回路配列を備えて、光受信信号処理ユニット420の中では除くことができないノイズを除去する。
【0042】
演算処理ユニット450は、位置検出出力信号PDoに対してディジタル演算を実行することによって、リモコン120の移動状態(変位)を検出して、制御信号Csをカーソル222の位置を制御するカーソル制御モジュール470に出力する。演算処理ユニット450とカーソル制御モジュール470は、ウェブ・カメラ110、表示部220、又は処理部210、又はこれらの構成要素の任意の組合せの中に収容された処理ユニットを用いるように構成されうる。さらに、処理機能は、ソフトウェア機能、ハードウェア機能、ファームウェア機能、又はその任意の組合せを含むことができる。
【0043】
図9は、図2Aのウェブ・カメラ110及び図2Bのコンピュータ・システムを用いる典型的なカーソル制御動作500を例示するフローチャートである。動作500はブロック501で開始する、ここでウェブ・カメラ110に電源が投入され、コンピュータ・システム200は動作している。ブロック505では、ウェブ・カメラ110は信号Isを受け取る。ブロック510では、検出・分離モジュール410は、信号Isが定義済みの赤外線信号を含んでいると判断して、この赤外線信号を他の信号GIsから分離する段階に移る。ブロック515において、処理ロジックが、この赤外線信号はリモコン120を用いてカーソル222を遠隔制御できるようにする信号であると判断する。ブロック520では、カーソル制御モジュールがプロセッサ部210から信号を受け取り、これによりリモコン120によってカーソル222の遠隔制御が可能になる。このカーソル222は、表示部220上に表示される。
【0044】
ブロック525では、ウェブ・カメラ110が、X−Y方向にリモコン120をパニング動作することに対応する位置検出信号PDLを受け取る(例えば、ウェブ・カメラ110が4つの分離信号PDLを受け取る)。受け取られた信号PDLは、ARU450によって電圧振幅信号に変換されて、制御信号Csが生じる(ブロック530)。カーソル制御モジュール470は、制御信号Csを受け取り(ブロック535)、それに応じてカーソル222を位置付ける。
【0045】
上記の内容は、幾つかの特定の実施形態を説明している。これらの実施形態は、以下のクレームの中で列挙された本発明を例示するものであり、これらの発明を限定するものと解釈してはならない。種々の変形例が、本発明の精神や範囲から逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。
【背景技術】
【0001】
ウェブ・カメラは、ユーザが画像(通常、ユーザの画像)を他のコンピュータに同報通信することを可能にする一般的なコンピュータ周辺機器である。ウェブ・カメラは小型のカメラ(通常は、常にそうとは限らないが、ビデオカメラ)であり、その画像はインターネット、インスタント・メッセージ、又はPCビデオ会議アプリケーションを用いてアクセスされることができる。ウェブ・カメラという用語はそのような目的のために設計された低解像度のディジタル・ビデオカメラを説明するためにも使用されるが、非リアルタイム方法で記録するために使用されることもできる。
【0002】
ウェブにアクセス可能なカメラには、連続的に又は一定の間隔をおいてウェブ・サーバに画像をアップロードするディジタル・カメラが含まれる。これはPCに装着されたカメラ又は専用のハードウェアによって実現されうる。
【0003】
ウェブ・カメラは一般に、レンズ、イメージ・センサ、及び幾つかの支援電子部品を備えている。種々のレンズを使用でき、最も一般的なレンズはプラスチック・レンズであり、カメラの焦点を合わせるために回して入れたり出したりされることができる。調整を必要としない固定焦点レンズも使用できる。イメージ・センサは相補型金属酸化膜半導体(CMOS)又は電荷結合素子(CCD)とすることができる。前者は低価格のカメラによく使用されるが、CCDカメラは、低価格の範囲では必ずしもCMOSベースのカメラよりも性能が優れていることはない。顧客のウェブ・カメラは通常、毎秒約25フレームの速度のビデオ・グラフィックス・アレイ(VGA)領域の分解能を提供する。より高い分解能のカメラも使用できる。
【0004】
支援電子部品は、センサからの画像を読み取り、この画像をホストコンピュータに送信する機能を有する。携帯電話用カメラなどの幾つかのカメラは、「ダイ上」に支援電子部品が付いたCMOSセンサを使用する。すなわちセンサ及び支援電子部品は、1つのシリコン・チップ上に構築されて空間と製造コストを節約する。
【0005】
図1は、ウェブ・カメラ11と赤外線リモコン(IR)機構の両方を有する従来のパーソナル・コンピュータ・システム10を例示している。ウェブ・カメラ11はユーザの画像を取り込み、コンピュータ・システム10の他の構成部品と一緒に使用されて、例えばインターネットに接続された他のPCなどの他のサイトにこれらの画像を同報通信又は送信することができる。画像の捕捉や送信はリアルタイムで行われる。パーソナル・コンピュータ・システム10を制御するため(例えば、カーソルをモニタ20上に位置付けるため)に使用されることができる赤外線リモコン装置12もシステム10に関連している。リモコン装置12を動作するには、パーソナル・コンピュータ・システム10は、リモコン装置12によって送信された赤外線信号を受信することができ、次にこの信号を処理してパーソナル・コンピュータ・システム10内の望ましい制御機能を提供できる赤外線受信機14を備える必要がある。パーソナル・コンピュータ・システム10内で使用され、また任意の他のパーソナル・コンピュータ・システム内で一般的であるように、ウェブ・カメラ11と赤外線遠隔制御システム(赤外線受信機14、関連したソフトウェア又はファームウェア、及び赤外線リモコン装置12)は、別個の機能を有する分離された構成要素である。これらの別個の機能は、構成要素を購入するためにユーザに余分な金を負担させる。
【発明の概要】
【0006】
コンピュータ用の遠隔制御システムが開示される。このシステムは、複数のソースから画像を受け取ることができる1つ以上の装置を備える画像取り込みユニットを備えるウェブ・カメラと、この画像をリモコン装置によって発生された、少なくとも1つのカーソル制御を行える信号に検出及び分離できる検出・分離モジュールと、カーソル制御を行える信号を受け取り、1つ以上のカーソル制御信号を発生する処理ユニットとを備え、1つ以上のカーソル制御信号がリモコン装置の移動を示す信号を含み、この移動はコンピュータのディスプレイ上に表示されるカーソルの動きに変換され得る。
【0007】
コンピュータを遠隔制御する方法も開示される。この方法には、画像取り込み装置において複数のソースからの放射を含む画像信号を受け取るステップと、受け取られた画像信号においてカーソル制御を行える信号を検出するステップと、この画像信号からカーソル制御を行える信号を分離するステップと、分離されたカーソル制御を行える信号を処理して、カーソル制御信号を発生するステップと、及びこのカーソル制御信号をコンピュータのカーソル移動を制御することに適用するステップと、が含まれる。
【0008】
以下の図面を参照して、詳細な説明が行われる、これらの図面では同じ参照番号は同じ項目を指している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ウェブ・カメラを採用する従来のコンピュータ・システムを例示する図である。
【図2A】ウェブ・カメラがコンピュータ・システムの機能を遠隔制御できるように使用される、コンピュータ・システムの実施形態を例示する図である。
【図2B】ウェブ・カメラがコンピュータ・システムの機能を遠隔制御できるように使用される、コンピュータ・システムの実施形態を例示する図である。
【図2C】ウェブ・カメラがコンピュータ・システムの機能を遠隔制御できるように使用される、コンピュータ・システムの実施形態を例示する図である。
【図3A】図2A及び図2Bのコンピュータ・システムの制御機能を例示する図である。
【図3B】図2A及び図2Bのコンピュータ・システムの制御機能を例示する図である。
【図4A】図2A及び図2Bのコンピュータ・システムと一緒に使用される遠隔制御装置の実施形態を例示する図である。
【図4B】図2A及び図2Bのコンピュータ・システムと一緒に使用される遠隔制御装置の実施形態を例示する図である。
【図5】ウェブ・カメラを使用する遠隔制御を採用しているコンピュータ・システムの別の実施形態を例示する図である。
【図6】図2Aのウェブ・カメラの代表的な画像捕捉アレイと関連する電子部品を例示する図である。
【図7】赤外光を収集及び集束するために反射鏡を使用する遠隔制御装置の実施形態を例示する図である。
【図8】図2Aのウェブ・カメラを使用するオン・スクリーン式カーソルを制御するための代表的な回路構成を例示する図である。
【図9】ウェブ・カメラを使用する代表的なカーソル制御動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ウェブ・カメラは、ユーザが画像(通常、ユーザの画像)を他のコンピュータに同報通信することを可能にする一般的なコンピュータ周辺機器である。ウェブ・カメラは、電磁スペクトルの赤外線範囲からの送信を取り込むことができる。本願で開示されるように、ウェブ・カメラ・システムは、カーソルをコンピュータ・ディスプレイ上に位置付けるように、かつ他のコンピュータ制御機能を実行するように、リモコン装置によって与えられた赤外(IR)スペクトル信号又は他の可視信号を使用するように適合される。
【0011】
図2Aは、リモコン装置とウェブ・カメラを用いてオン・スクリーン式カーソル制御を行うためのシステム100の実施形態を例示している。システム100は、実施形態が図2Bに示されているより大きなコンピュータ・システムの一部である。図2Bでは、コンピュータ・システム200は、プロセッサ部210、ディスプレイ部220、及びキーボード230を備えている。他の標準的なコンピュータ構成部品も、コンピュータ・システム200に加えることができる。ディスプレイ部220は、例えば、フラット・パネル・ディスプレイなどの標準的なコンピュータ・モニタとすることができる。カーソル220がディスプレイ部220上に示されており、このカーソルは、例えばマウス235を含む幾つかの位置決め装置の1つをユーザが使用することによって位置付けられることができる。1つの実施形態では、コンピュータ・システム200はパーソナル・コンピュータである。しかしながら、他のコンピュータ・システムも、システム100と通信することができる。
【0012】
図2Aに戻ると、システム100は、ウェブ・カメラ110、赤外線リモコン120、及び関連する論理回路130を備えている。この論理回路130は、図2Bのプロセッサ部210の中に組み込まれることができる。このウェブ・カメラ110は、どのようなウェブ・カメラであってもよい。1つの実施形態では、ウェブ・カメラ110は、赤外線信号を検出するように設計されたセンサ(図2Aには示されていない)を備えている。この同じセンサは、ユーザの可視画像に対応する光も検出することができる。最後に、このセンサは、例えば発光ダイオード(LED、図示されていない)から放射された光を検出できる。そのようなLEDは、リモコン120に組み込まれることができる。ウェブ・カメラ110を経由してカーソル制御信号を受け取ることに加えて、システム100は、例えば図示のように配置された別個の赤外線受信機125を備えることができる。しかしながら、ウェブ・カメラ110が赤外線信号を受け取る(又はウェブ・カメラ110が他の制御信号を受け取る)機能を備えれば、別個の赤外線受信機は不要になる。
【0013】
このウェブ・カメラは、言うまでもなく、電磁スペクトルの種々の相異する部分からの電磁放射を取り込むことができる。これらの電磁スペクトルの種々の相違する部分には、本願で使用される場合は、例えば赤外放射や可視光が含まれる。これらは、本願で開示された実施形態の目的に対して、「異なる及び別個の」と考えられる。以下で説明されるように、処理回路及び/又は論理回路130は、ウェブ・カメラ110で受け取られた全電磁放射の中に望ましい赤外線信号が存在することを検出し、さらに処理するために赤外線信号を分離することができる。さらに、ウェブ・カメラ110は、リモコン120以外の物体からの赤外放射を受け取ることもできる。処理回路及び/又は論理回路130は、望ましい赤外線制御信号と不要な赤外放射との間を区別することができる。
【0014】
画像を取り込むウェブ・カメラ110を用いる動作に当たっては、リモコン120を操作するユーザは通常、リモコン120をウェブ・カメラ110の近くに向けて、次にリモコン120上の1つ以上のボタンを操作するだけである。これらのボタンの幾つかは、オン・スクリーン式カーソル222を動作させる信号を発生するように使用されうる。このように発生された信号は、赤外線信号IRsとすることができる。別の方法では、このように発生された信号は、電磁スペクトルの他の部分からの可視信号とすることができる。
【0015】
リモコン120からのカーソル制御用赤外線信号IRsは、大体において、ウェブ・カメラ110によって取り込まれる他の画像信号GIsと同時に受け取られる。信号IRsを他の画像信号GIs又はいずれかの他の赤外線信号と区別するために、ウェブ・カメラ110又は関連する処理回路は、赤外線信号IRsを検出して他の画像信号GIsから分離するように構成され得る。そのような検出は、例えば、リモコン120が発生する独特なパターンの赤外線信号IRsに基づいて行われる。次に処理回路は分離された赤外線信号IRsをさらに処理して、望ましいカーソル制御信号を発生する。
【0016】
図2Cを参照すると、画像信号Isは全体的画像信号GIs(例えば、ユーザのビデオ画像)及び赤外線信号IRsを含んでいる。画像信号Isはウェブ・カメラ110で受け取られて、赤外部分が例えば、検出・分離モジュール410(図7を参照のこと)によって検出及び分離される。
【0017】
図3A及び図3Bは、遠隔制御システム100のリモコン120が利用されているコンピュータ・システム200の関連部分を示している。図3Aは、遠隔制御信号が送信される前の、表示部220上に表示されたカーソル222の位置状態を示しており、図3Bは、遠隔制御信号が送信された後のカーソル222の位置状態を示している。
【0018】
1つの実施形態では、遠隔制御システム100は赤外光遠隔制御システムであり、赤外線信号IRsの1つとして位置検出信号PDLを遠隔制御信号として送信する光リモコン120と、その位置検出信号PDLを受信し、かつ信号の特定のパラメータに基づいてリモコン命令(リモコン120の置換え)の詳細を認識(検出)する1つ以上のリモコン受信機を、その主な構成部品として備えている。図3A及び図3Bで示された実施形態では、リモコン受信機はウェブ・カメラ110を備えている。この実施形態では、位置検出信号PDLは、ウェブ・カメラ110が検出できる独特なパターンを有する赤外線信号である。さらに、この赤外線信号IRsは、リモコン120によるカーソル222の初期制御及び他のオン・スクリーン機能の制御を可能にする赤外線イネーブル信号を含むことができる。
【0019】
コンピュータ・システム200では、システム100を用いるリモコンは、カーソル222に対して実行される。このカーソル222は、表示部220上で表示されるポインタとして示されている。ウェブ・カメラ110は、表示装置220の前面フレーム部分の中に含まれているように例示されているが、このウェブ・カメラ110は、例えば図1で示されているように他の位置に配置されることもできる。
【0020】
リモコン120は自由空間の中で動作される(例えば、パンされる)ため、リモコン120の中心軸121は第1の軸方向X(例えば、水平方向に対応する方向)、第2の軸方向Y(例えば、水平方向に直交する垂直方向に対応する方向)、又はこれらの方向に対して傾斜した方向に移動するように描写されうる。この第1の軸方向Xと第2の軸方向Yは直交するように示されているが、別の実施形態では、これらの軸が直角に近い角度で交差して、第1の軸方向X内の光信号と第2の軸方向Y内の光信号が区別され、検出されることができる。
【0021】
システム100は、リモコン120から送信された位置検出信号PDLがウェブ・カメラ110によって受け取られて、リモコン120のパニング状態が、受け取られまた検出された位置検出信号PDLの特定のパラメータ(例えば、絶対値及び相対比率)に基づいて検出されるように構成される。次に、これらの受け取られまた検出された位置検出信号PDLは、パニング状態(例えば、右及び左へのパニング)に従ってカーソル222を位置付けるために、コンピュータ・システム200の他の構成要素の中に含まれた論理回路130によって使用される。この論理回路130は、本願で使用される場合は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はその任意の組合せとすることができる。
【0022】
図3Aは、移動する前のカーソル222を示しており、図3Bは、移動軌跡222aに沿って移動した後のカーソル222を示している。すなわち、リモコン120が−Xから+Xまでパンされると、表示部220上に表示されたカーソル222は、パニングに対応してディスプレイ上で左(−X)から右(+X)までパンされる。
【0023】
カーソルのX−Y位置決め制御を達成するために、リモコン120は、図4Aに示されているように、位置検出信号PDLの送信方向に対応する位置基準としての機能を果たす基準軸として、中心軸121の周りに複数の発光素子(赤外光又は他の光信号を放射できる)を用いて構成されうる。第1の発光素子1231及び第2の発光素子1232はリモコン120の前面パネル128上に配置され、互いに離間されて、それらは水平方向でリモコン120の中心軸121に関して対称にされる。すなわち、中心軸121と水平方向Xとの間の交差点は原点と定義されて、第1の発光素子1231及び第2の発光素子1232がこの原点に関して対称に配列される。
【0024】
第1の発光素子1231は、光軸123aと光量分布特性又はパターンLD1を有する。第2の発光素子1232は、光軸123bと光量分布特性又はパターンLD2を有する。光軸123aと123bは、感度及び精度を向上させるために(図4Bを参照されたい)、中心軸121に対して反対方向に傾斜されて示されている。必要に応じて、同様の効果は、第1の発光素子1231と第2の発光素子1232との間の間隔を広げることによって達成されうる。
【0025】
1つの実施形態では、第1及び第2の発光素子1231、1232からの位置検出信号PDLは、これらの信号の放射タイミングを互いに相違させることによって区別されることができる。例えば、リモコン120は、時分割駆動システムを用いて第1の発光素子1231と第2の発光素子1232を駆動することによって、パルス位置変調(PPM)信号として位置検出光信号PDLを送信するように構成されうる。パルス位置変調は、散乱光、EMC(電磁的両立性)ノイズ、及び他の影響による効果を最小にする。
【0026】
第1の発光素子1231の光軸123aが、例えば、リモコン120を水平に移動することによってウェブ・カメラ110に直面される場合、この第1の発光素子1231からの光量は、第2の発光素子1232からの光量よりも大きくなる。このため、リモコン120の右方向への移動はウェブ・カメラ110によって検出されることができる。
【0027】
前述されたカーソル222の水平制御に加えて、同様のプロセス(発光素子1233及び1234)を用いて垂直制御を行うことができ、結果としてカーソル222の二次元位置制御を実行することができる。
【0028】
図4A及び図4Bは、十字形状で第4の発光素子1234に対する第1の発光素子1231の配列を示しているが、リモコン120がこの構成に限定されることはない。例えば、発光素子はT字形状又はL字形状に配列されることができる。すなわち、第1の軸方向X及び第2の軸方向Yのそれぞれにおいて、対応する2つの発光素子は中心軸121に対して対称に配列されうる。
【0029】
リモコン120は、カーソル222の赤外線制御を開始して、その後、カーソル222を所望の方向に移動するための種々の制御機能を備えることができる。1つの実施形態では、リモコン120は、赤外線リモコンを起動するために動作されるボタン122を備えている。ボタン122のその後の動作は、赤外線リモコン機能の電源をオフにすることである。
【0030】
さらに、図4A及び図4Bのリモコン120が4つの発光素子を用いて示されているが、このリモコン120はそのように限定されることはなく、発光素子を別の数や配列にすることもできる。例えば、リモコン120は、1つの発光素子しか使用しないことができる。この構成では、カーソル222を移動することは、リモコン120をパニングすることによって、やはり行うことができる。別の実施形態では、1つのボタンがトグル形式で赤外線制御を開始すること、その後カーソル222を位置付けることの両方を行うように動作する。他の手段も、カーソル222を始動させまた動作させることができる。このように、二次元にトグルを動作させることがカーソル222を二次元に移動させることに変換されて、リモコン120は静止又はほぼ静止の状態に維持される。
【0031】
さらにその上、同じボタン122又は類似のボタンが使用されて、カーソル222が、「ドラッグ・アンド・ドロップ」及び「アイテム選択」等の他の一般的なコンピュータ関連のカーソル動作を開始できるようにされる。
【0032】
他の手段も、オン・スクリーン式カーソルの二次元動作を制御することができる。1つの実施形態では、CCDのアレイを備えたウェブ・カメラ受信ユニットが、例えば、リモコン装置から認識されうる独特なパターンを有する赤外線信号IRsを含む光信号Isを受け取り、そしてCCDのアレイの全体にわたって信号IRsの動きをコンピュータ表示部220上の対応する位置と相関させる。この実施形態は、図5に例示されている。図示のように、コンピュータ・システム300は、CCDのアレイ315又は同様の画像取り込み装置を有するカメラ・システム310を備えている。プロセッサ330がカメラ・システム310に接続されている。このプロセッサ330は、とりわけ、CCDアレイ315によって取り込まれた画像情報を処理するように機能する。プロセッサ330は、今度は、カーソル322を示す表示部320に接続される。最後に、カーソル322をアクティブにしまた表示部320にわたって二次元の動きを制御するために、リモコン340が使用される。このリモコンは、カーソル制御部341及び発光装置343を備えている。
【0033】
図5には、起点Aから終点Bまでの表示部320上のカーソル322の平行移動も示されている。この平行移動は、リモコン340の動作によって制御されることができる。例えば、リモコン340を左から右に円弧Ax状にパニングすることによって、発光装置343の中心軸351は、CCDアレイ315上の点Aから点Bまで移動されて、その結果、中心軸353は現在はCCDアレイ315上の異なる点を指し示すことになる。このCCDアレイを横切る平行移動は、プロセッサ330によって検出及び処理されて、表示部320上の点Aから点Bまでカーソル322の対応する平行移動が行われる。
【0034】
前述された実施形態では、コンピュータ・システムの表示部は、常時オン・スクリーン式カーソルを表示できる。このオン・スクリーン式カーソルは、1つ以上の装置によって制御することができる。例えば、このオン・スクリーン式カーソルは、図2Bのマウス235によって制御されうる。しかしながら、リモコン装置(例えば、リモコン120及び340)が起動されている場合、オン・スクリーン式カーソルの制御は対応するリモコン装置によって行うことができる。そのような遠隔操作を可能にするために、ユーザはリモコン装置のカーソル制御部を操作できる。例えば、ユーザはカーソル制御部341(図5を参照のこと)を操作して、リモコン340からの光放射によってカーソル322の遠隔操作を行うことができる。
【0035】
図6は、図5のウェブ・カメラの一例としての画像取り込みアレイ及び関連した電子部品を例示している。図示のように、CCDアレイ315が回路基板316上に配置され、またこの回路基板には、種々の電子回路部品が装着されている。これらの電子部品は処理回路及び/又は論理回路130の部分として使用され、光信号Isを制御信号に変換して、オン・スクリーン式カーソル(例えば、図2Aのカーソル222)を移動させる。
【0036】
図7は、ウェブ・カメラ110と一緒に使用してカーソル222の位置付けを制御する(図2Bを参照のこと)、さらに別のリモコン装置の実施形態を例示している。図7では、光学ウィンドウ362が付いたリモコン360が示されている。光学ウィンドウ362の背後には反射器364があり、この反射器は他の光源からIR信号を取り込み、このIR信号を集束し、そしてこのIR信号をウェブ・カメラ110の画像取り込み装置に方向付ける。ここでは、IR信号が用いられてカーソル制御信号が作られる。リモコン360は、他の全ての点で図5に示されているリモコン340のように動作することができる。リモコン360と一緒に使用されうる他の赤外放射光源には、ウェブ・カメラ110自身が発生する赤外線信号、及び例えば室内灯(人工の光源)、太陽光及び同様の光源などの他の光源によって発生された赤外放射が含まれる。
【0037】
図8は、ウェブ・カメラを用いてオン・スクリーン式カーソルを制御するための代表的な回路である。図8に示されている回路の構成要素は、ウェブ・カメラ110(図2Aを参照)の中、及び/又はプロセッサ部210又は表示部220(図2Bを参照)の中に配置されうる。
【0038】
リモコン120(図2Aを参照)から放射された赤外線信号IRsは、検出・分離回路410によって受け取られる。この検出・分離回路410は、受け取られた信号IRsに対する独特なパターンを認識して、この信号IRsをウェブ・カメラ110で受け取られた他の信号GIsから分離する。このように分離された信号IRsはフォトダイオード411、又はウェブ・カメラ110の光受信ユニット内に含まれた同様なデバイスに送られ、光電変換され、そしてIR受信信号IRRsとしてIR受信信号処理ユニット420に入力される。
【0039】
このIR受信信号処理ユニット420は、前段において、信号IRRsを固定範囲(振幅)の信号に増幅して信号処理を確実に実行できるようにする増幅器421と、この増幅器421に接続されて、フィードバック・ループを形成して信号の振幅を固定範囲に調整するリミッタ422を備えている。他の増幅器及び帯域通過フィルタが増幅器421の下流に接続され、信号IRRsをさらに処理するために必要とされる。IR受信信号処理ユニット420は、変位検出ユニット430に対して入力信号IRRsのそれぞれに対応する位置検出信号PDsを出力する。
【0040】
変位検出ユニット430は、検出回路432、ノイズ・フィルタ434、及び演算処理ユニット(APU)450を備えている。検出回路432は、位置検出信号PDsに対して波形変換処理を実行して、入力信号IRRsのそれぞれに対応する位置検出出力信号PDoを得る。回路432は、変調波を含む位置検出受信信号PDsから変調波を除いて、エンベロープを得る。すなわち、位置検出出力信号PDoは、望ましいカーソル運動を示す振幅値に変換されうる。
【0041】
ノイズ・フィルタ434は、コンデンサ−抵抗(CR)フィルタ、インダクタ−コンデンサ(LC)フィルタ又は同様の回路配列を備えて、光受信信号処理ユニット420の中では除くことができないノイズを除去する。
【0042】
演算処理ユニット450は、位置検出出力信号PDoに対してディジタル演算を実行することによって、リモコン120の移動状態(変位)を検出して、制御信号Csをカーソル222の位置を制御するカーソル制御モジュール470に出力する。演算処理ユニット450とカーソル制御モジュール470は、ウェブ・カメラ110、表示部220、又は処理部210、又はこれらの構成要素の任意の組合せの中に収容された処理ユニットを用いるように構成されうる。さらに、処理機能は、ソフトウェア機能、ハードウェア機能、ファームウェア機能、又はその任意の組合せを含むことができる。
【0043】
図9は、図2Aのウェブ・カメラ110及び図2Bのコンピュータ・システムを用いる典型的なカーソル制御動作500を例示するフローチャートである。動作500はブロック501で開始する、ここでウェブ・カメラ110に電源が投入され、コンピュータ・システム200は動作している。ブロック505では、ウェブ・カメラ110は信号Isを受け取る。ブロック510では、検出・分離モジュール410は、信号Isが定義済みの赤外線信号を含んでいると判断して、この赤外線信号を他の信号GIsから分離する段階に移る。ブロック515において、処理ロジックが、この赤外線信号はリモコン120を用いてカーソル222を遠隔制御できるようにする信号であると判断する。ブロック520では、カーソル制御モジュールがプロセッサ部210から信号を受け取り、これによりリモコン120によってカーソル222の遠隔制御が可能になる。このカーソル222は、表示部220上に表示される。
【0044】
ブロック525では、ウェブ・カメラ110が、X−Y方向にリモコン120をパニング動作することに対応する位置検出信号PDLを受け取る(例えば、ウェブ・カメラ110が4つの分離信号PDLを受け取る)。受け取られた信号PDLは、ARU450によって電圧振幅信号に変換されて、制御信号Csが生じる(ブロック530)。カーソル制御モジュール470は、制御信号Csを受け取り(ブロック535)、それに応じてカーソル222を位置付ける。
【0045】
上記の内容は、幾つかの特定の実施形態を説明している。これらの実施形態は、以下のクレームの中で列挙された本発明を例示するものであり、これらの発明を限定するものと解釈してはならない。種々の変形例が、本発明の精神や範囲から逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ用の遠隔制御システムであって、
複数のソースから画像を受け取ることができる1つ以上の装置を備える画像取り込みユニットを備えるウェブ・カメラと、
前記画像をリモコン装置によって発生された、少なくとも1つのカーソル制御を行える信号に検出及び分離できる検出・分離モジュールと、
前記カーソル制御を行える信号を受け取り、1つ以上のカーソル制御信号を発生する処理ユニットと、
を備え、
前記1つ以上のカーソル制御信号が前記リモコン装置の移動を示す信号を含み、前記移動はコンピュータのディスプレイ上に表示されるカーソルの移動に変換可能である、遠隔制御システム。
【請求項2】
前記複数のソースが電磁スペクトルの別個の部分からの放射を発するソースを含み、前記カーソル制御を行える信号が赤外線信号である、ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項3】
前記カーソルがX−Y面を移動できる、ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項4】
前記カーソル制御信号がカーソル・イネーブル信号を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項5】
前記カーソル制御信号がカーソル変換信号を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項6】
前記リモコン装置が、前記リモコン装置の動きを示す位置検出信号を発生するように配列された複数の発光素子を備える、ことを特徴とする請求項5に記載の遠隔制御システム。
【請求項7】
前記カーソル制御を行える信号が、1つ以上の発光ダイオードによって発生された可視範囲の信号である、ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項8】
画像取り込み素子のアレイをさらに含み、個々の画像取り込み素子が前記カーソル制御を行える信号を取り込み、処理ユニットが取り込まれた信号を処理し、前記画像取り込み素子の位置を前記コンピュータ・ディスプレイ上の対応する位置に位置付ける、ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項9】
前記画像取り込み素子が電荷結合素子(CCD)である、ことを特徴とする請求項8に記載の遠隔制御システム。
【請求項10】
コンピュータを遠隔制御する方法であって、
画像取り込み装置において複数のソースから発せられた放射を含む画像信号を受け取るステップと、
前記受け取られた画像信号においてカーソル制御を行える信号を検出するステップと、
前記画像信号から前記カーソル制御を行える信号を分離するステップと、
前記分離されたカーソル制御を行える信号を処理して、カーソル制御信号を発生するステップと、
前記カーソル制御信号をコンピュータ用カーソルの移動制御に対して適用するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記複数のソースが電磁スペクトルの別個の異なる部分からの放射を放出し、前記カーソル制御を行える信号が赤外線信号である、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記カーソル制御を行える信号がコンピュータ用カーソルの遠隔制御を開始する信号を含む、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記カーソル制御信号がX−Y方向の制御信号を含む、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を実行する信号を受け取って処理するステップと、
コンピュータ・ディスプレイ上に表示された項目のリストから1つの項目を選択する信号を受け取って処理するステップと、
をさらに含む、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータを遠隔制御するためのシステムであって、
ウェブ・カメラが受け取るための遠隔制御信号を発生できる遠隔制御手段と、
前記発生された遠隔制御信号を受け取る手段と、
前記受け取られた遠隔制御信号を検出し、前記受け取られた遠隔制御信号を前記ウェブ・カメラで受け取られた他の信号から分離するための検出・分離手段と、
前記分離された信号を処理してカーソル制御信号を与える手段と、
前記カーソル制御信号をコンピュータ用カーソルに適用する手段と、
を備えるシステム。
【請求項16】
前記遠隔制御手段が赤外線式遠隔制御手段を含む、ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記遠隔制御手段が、前記遠隔制御手段の外部の赤外光を収集及び収束する反射器を備える、ことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記赤外線式遠隔制御手段が、X−Y面において前記遠隔制御手段の動作を示すように構成された複数の赤外線放射素子を備える、ことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記遠隔制御手段が可視光信号を放射する手段を備える、ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記遠隔制御信号を受け取る手段がCMOS装置を備える、ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項1】
コンピュータ用の遠隔制御システムであって、
複数のソースから画像を受け取ることができる1つ以上の装置を備える画像取り込みユニットを備えるウェブ・カメラと、
前記画像をリモコン装置によって発生された、少なくとも1つのカーソル制御を行える信号に検出及び分離できる検出・分離モジュールと、
前記カーソル制御を行える信号を受け取り、1つ以上のカーソル制御信号を発生する処理ユニットと、
を備え、
前記1つ以上のカーソル制御信号が前記リモコン装置の移動を示す信号を含み、前記移動はコンピュータのディスプレイ上に表示されるカーソルの移動に変換可能である、遠隔制御システム。
【請求項2】
前記複数のソースが電磁スペクトルの別個の部分からの放射を発するソースを含み、前記カーソル制御を行える信号が赤外線信号である、ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項3】
前記カーソルがX−Y面を移動できる、ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項4】
前記カーソル制御信号がカーソル・イネーブル信号を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項5】
前記カーソル制御信号がカーソル変換信号を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項6】
前記リモコン装置が、前記リモコン装置の動きを示す位置検出信号を発生するように配列された複数の発光素子を備える、ことを特徴とする請求項5に記載の遠隔制御システム。
【請求項7】
前記カーソル制御を行える信号が、1つ以上の発光ダイオードによって発生された可視範囲の信号である、ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項8】
画像取り込み素子のアレイをさらに含み、個々の画像取り込み素子が前記カーソル制御を行える信号を取り込み、処理ユニットが取り込まれた信号を処理し、前記画像取り込み素子の位置を前記コンピュータ・ディスプレイ上の対応する位置に位置付ける、ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項9】
前記画像取り込み素子が電荷結合素子(CCD)である、ことを特徴とする請求項8に記載の遠隔制御システム。
【請求項10】
コンピュータを遠隔制御する方法であって、
画像取り込み装置において複数のソースから発せられた放射を含む画像信号を受け取るステップと、
前記受け取られた画像信号においてカーソル制御を行える信号を検出するステップと、
前記画像信号から前記カーソル制御を行える信号を分離するステップと、
前記分離されたカーソル制御を行える信号を処理して、カーソル制御信号を発生するステップと、
前記カーソル制御信号をコンピュータ用カーソルの移動制御に対して適用するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記複数のソースが電磁スペクトルの別個の異なる部分からの放射を放出し、前記カーソル制御を行える信号が赤外線信号である、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記カーソル制御を行える信号がコンピュータ用カーソルの遠隔制御を開始する信号を含む、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記カーソル制御信号がX−Y方向の制御信号を含む、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を実行する信号を受け取って処理するステップと、
コンピュータ・ディスプレイ上に表示された項目のリストから1つの項目を選択する信号を受け取って処理するステップと、
をさらに含む、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータを遠隔制御するためのシステムであって、
ウェブ・カメラが受け取るための遠隔制御信号を発生できる遠隔制御手段と、
前記発生された遠隔制御信号を受け取る手段と、
前記受け取られた遠隔制御信号を検出し、前記受け取られた遠隔制御信号を前記ウェブ・カメラで受け取られた他の信号から分離するための検出・分離手段と、
前記分離された信号を処理してカーソル制御信号を与える手段と、
前記カーソル制御信号をコンピュータ用カーソルに適用する手段と、
を備えるシステム。
【請求項16】
前記遠隔制御手段が赤外線式遠隔制御手段を含む、ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記遠隔制御手段が、前記遠隔制御手段の外部の赤外光を収集及び収束する反射器を備える、ことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記赤外線式遠隔制御手段が、X−Y面において前記遠隔制御手段の動作を示すように構成された複数の赤外線放射素子を備える、ことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記遠隔制御手段が可視光信号を放射する手段を備える、ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記遠隔制御信号を受け取る手段がCMOS装置を備える、ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2011−523138(P2011−523138A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512426(P2011−512426)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/065752
【国際公開番号】WO2009/148444
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(511076424)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (155)
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/065752
【国際公開番号】WO2009/148444
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(511076424)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (155)
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
【Fターム(参考)】
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