説明

コンピュータシステム

【課題】オプションボードにバッテリが搭載される場合でも、筐体内の温度に応じて冷却ファンを制御するコンピュータシステムを提供すること。
【解決手段】システムボードは、筐体内に設置され、発熱デバイスとシステムボード用制御部とが搭載され、オプションボードは、筐体内でシステムボードに接続され、バッテリとオプションボード用制御部とが搭載されている。温度センサは、筐体内の温度を測定して測定温度として出力する。オプションボード用制御部は、バッテリを充電していないときに第1仕様制御信号を出力し、バッテリを充電しているときに第2仕様制御信号を出力する。システムボード用制御部は、第1仕様制御信号が供給されている場合、測定温度に応じて第1の回転数により冷却ファンを稼動させ、第2仕様制御信号が供給されている場合、測定温度に応じて第1の回転数よりも多い第2の回転数により冷却ファンを稼動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能を追加可能なコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
システムボード、スロットが設置されたコンピュータシステムが知られている。コンピュータシステムには、更に、機能の追加のために、スロットを介してシステムボードに接続されるオプションボードが設置される。システムボード、オプションボードに搭載される部品が発熱するものである場合、コンピュータシステムには、更に、筐体内を冷却するための冷却ファンが設置される。
【0003】
例えば、特開2009−238020号公報に記載された技術では、システムボード(システムコントローラ)及び複数のオプションボードは、温度センサ、冷却ファンを具備し、システムボードは、更に、複数のオプションボードの識別情報とそのオプションボードの情報(温度センサ、冷却ファン)とが登録された領域管理テーブルと、複数の温度と複数の回転数とが登録されたファン制御テーブルとを具備し、領域管理テーブルを参照して、システムコントローラに接続されるオプションボード(接続オプションボード)を識別情報により識別し、ファン制御テーブルを参照して、複数の回転数のうちの、システムコントローラ及び接続オプションボードの温度センサが測定する温度に応じた回転数で、システムコントローラ及び接続オプションボードの冷却ファンを制御している。
【0004】
このため、特開2009−238020号公報に記載された技術によれば、筐体内の温度に応じて冷却ファンを制御することができる。しかし、オプションボードにはバッテリが搭載される場合がある。バッテリは充放電するため、バッテリが充電される場合の筐体内の温度は、バッテリが充電されない場合に比べて高くなる。このような場合について特開2009−238020号公報には記載されていない。
【0005】
他の技術として、特開平11−85323号公報には、冷却ファンの制御を行うことが記載されている。しかし、この技術は、バッテリパックの充電状態を監視してないため、バッテリパックの温度に応じたファン制御を実施していない。
【0006】
また、他の技術として、特開平10−126976号公報には、バッテリパックの温度が上昇したときに、バッテリの温度を段階的に減少するように制御する充電回路が記載されている。
【0007】
また、他の技術として、特開2007−323678号公報には、接続される装置(AC電源で動作する装置、バッテリで動作する装置)を考慮した環境温度で冷却ファンの回転数を制御することが記載されている。しかし、この技術は、バッテリが充電されるときに、節電のために、冷却ファンの回転数を下げている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−238020号公報
【特許文献2】特開平11−85323号公報
【特許文献3】特開平10−126976号公報
【特許文献4】特開2007−323678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、オプションボードにバッテリが搭載される場合がある。バッテリは充放電するため、バッテリが充電される場合の筐体内の温度は、バッテリが充電されない場合に比べて高くなる。特開2009−238020号公報に、特開平11−85323号公報、特開平10−126976号公報、特開2007−323678号公報の少なくとも1つを適用したとしても、バッテリが充電されるタイミングをトリガとして、ファン制御を行っていない。即ち、オプションボードに搭載される発熱デバイスを単純にバッテリに置き換えても、バッテリが充電されるタイミングをトリガとして、ファン制御を行うことはできない。
【0010】
本発明の課題は、オプションボードにバッテリが搭載される場合でも、筐体内の温度に応じて冷却ファンを制御することができるコンピュータシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のコンピュータシステムは、システムボードと、スロットと、オプションボードと、温度センサと、冷却ファンとを具備している。システムボードは、筐体内に設置され、通電により発熱するデバイスと、デバイスの実行結果を表すデータの入出力を行うシステムボード用制御部とが搭載れている。スロットは、筐体内に設置され、システムボードに接続されている。オプションボードは、筐体内に設置されるときにスロットに接続され、充電により発熱するバッテリと、システムボード用制御部との間でデータの入出力を行うオプションボード用制御部とが搭載されている。温度センサは、筐体内の温度を測定して測定温度として出力する。冷却ファンは、筐体内を冷却する。オプションボード用制御部は、バッテリを充電していないときに第1仕様制御信号をシステムボード用制御部に出力し、バッテリを充電しているときに第2仕様制御信号をシステムボード用制御部に出力する。システムボード用制御部は、第1仕様制御信号が供給されている場合、測定温度に応じて第1の回転数により冷却ファンを稼動させ、第2仕様制御信号が供給されている場合、測定温度に応じて第1の回転数よりも多い第2の回転数により冷却ファンを稼動させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のコンピュータシステムによれば、バッテリが充電されるタイミングをトリガとして、ファン制御を行っている。このため、オプションボードにバッテリが搭載される場合でも、筐体内の温度に応じて冷却ファンを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態によるコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、第1ファン回転数制御テーブル101を示している。
【図3】図3は、第2ファン回転数制御テーブル102を示している。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態によるコンピュータシステムの動作を示すフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態によるコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、本発明の第2実施形態によるコンピュータシステムの動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は、本発明の第3実施形態によるコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、本発明の第3実施形態によるコンピュータシステムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施形態によるコンピュータシステムについて詳細に説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【0016】
本発明の第1実施形態によるコンピュータシステムは、筐体1内に設置されたシステムボード17、スロット8、オプションボード3、第1温度センサ9、冷却ファン10を具備している。
【0017】
スロット8は、システムボード17に接続されている。
【0018】
システムボード17は、通電により発熱するデバイス5と、システムボード用制御部100とが搭載されている。デバイス5としてはCPU(Central Processing Unit)が例示される。システムボード用制御部100は、デバイス5の実行結果を表すデータの入出力を行う。システムボード用制御部100は、後述の第1、2ファン回転数制御テーブル101、102を備えている。
【0019】
オプションボード3は、筐体1内に設置されるときにスロット8に接続される。スロット8としてはPCIスロットが例示され、オプションボード3としては、PCIスロットに装着される拡張カードであるPCIカードが例示される。オプションボード3は、充電により発熱するバッテリ90と、オプションボード用制御部200とが搭載されている。オプションボード用制御部200は、バッテリ90を充電する機能と、システムボード用制御部100との間でデータの入出力を行う機能とを有している。
【0020】
第1温度センサ9は、筐体1内の温度を測定して第1測定温度TAとして出力する。第1温度センサ9としてはサーミスタが例示される。
【0021】
冷却ファン10は、筐体1内を冷却するために、筐体1内に1つ又は複数設けられている。
【0022】
図2は、第1ファン回転数制御テーブル101を示している。第1ファン回転数制御テーブル101には、複数の温度T1〜Tn(nは2以上の整数)と第1仕様における複数の回転数R11〜R1nとが登録されている。
【0023】
図3は、第2ファン回転数制御テーブル102を示している。第1ファン回転数制御テーブル101には、複数の温度T1〜Tnと、第2仕様における複数の回転数R21〜R2nとが登録されている。第2仕様における複数の回転数R21〜R2nは、それぞれ第1仕様における複数の回転数R11〜R1nよりも多い。
【0024】
図4は、本発明の第1実施形態によるコンピュータシステムの動作を示すフローチャートである。
【0025】
システムボード用制御部100は、オプションボード用制御部200との間でデータの入出力を行う(ステップS11)。
【0026】
ステップS11において、デバイス5は、通電により発熱する。このため、第1温度センサ9は、常時、筐体1内の温度を測定して第1測定温度TAとして出力する(ステップS12)。
【0027】
オプションボード用制御部200は、バッテリ90を充電していない。この場合、オプションボード用制御部200は、第1仕様制御信号C1をシステムボード用制御部100に出力する(ステップS13−NO)。
【0028】
システムボード用制御部100に第1仕様制御信号C1が供給されている場合、システムボード用制御部100は、第1ファン回転数制御テーブル101に登録された複数の温度T1〜Tnのうちの、第1測定温度TAに一致する温度を対象温度として選択する。次に、システムボード用制御部100は、第1ファン回転数制御テーブル101に登録された第1仕様における複数の回転数R11〜R1nのうちの、対象温度に対応する回転数を第1の回転数として選択する(ステップS14)。
【0029】
システムボード用制御部100は、第1の回転数により冷却ファン10を稼動させるための稼動制御信号20を冷却ファン10に出力し、冷却ファン10は、この稼動制御信号20に応じて第1の回転数により稼動する。ここで、稼動制御信号20は、PWM(パルス幅変調:Pulse Wide Modulator)信号である。即ち、バッテリ90が充電されていない場合、システムボード用制御部100は、第1測定温度TAに応じて第1の回転数により冷却ファン10を稼動させる(ステップS15)。
【0030】
一方、オプションボード用制御部200は、バッテリ90を充電している。この場合、オプションボード用制御部200は、第2仕様制御信号C2をシステムボード用制御部100に出力する(ステップS13−YES)。
【0031】
システムボード用制御部100に第2仕様制御信号C2が供給されている場合、システムボード用制御部100は、システムボード用制御部100は、第2ファン回転数制御テーブル102に登録された複数の温度T1〜Tnのうちの、第1測定温度TAに一致する温度を対象温度として選択する。次に、システムボード用制御部100は、第2ファン回転数制御テーブル102に登録された第2仕様における複数の回転数R21〜R2nのうちの、対象温度に対応する回転数を第2の回転数として選択する(ステップS16)。
【0032】
システムボード用制御部100は、第2の回転数により冷却ファン10を稼動させるための稼動制御信号20(PWM信号)を冷却ファン10に出力し、冷却ファン10は、この稼動制御信号20に応じて第2の回転数により稼動する。即ち、バッテリ90が充電されている場合、システムボード用制御部100は、第1測定温度TAに応じて、第1の回転数よりも多い第2の回転数により冷却ファン10を稼動させる(ステップS17)。
【0033】
前述したように、オプションボードにバッテリが搭載される場合がある。バッテリは充放電するため、バッテリが充電される場合の筐体内の温度は、バッテリが充電されない場合に比べて高くなる。特開2009−238020号公報に、特開平11−85323号公報、特開平10−126976号公報、特開2007−323678号公報の少なくとも1つを適用したとしても、バッテリが充電されるタイミングをトリガとして、ファン制御を行っていない。即ち、オプションボードに搭載される発熱デバイスを単純にバッテリに置き換えても、バッテリが充電されるタイミングをトリガとして、ファン制御を行うことはできない。
【0034】
一方、本発明の第1実施形態によるコンピュータシステムでは、オプションボード3がバッテリ90を充電していないときに第1仕様制御信号C1をシステムボード17に出力し、バッテリ90を充電しているときに第2仕様制御信号C2をシステムボード17に出力し、システムボード17は、第1仕様制御信号C1が供給されている場合、測定温度TAに応じて第1の回転数により冷却ファン10を稼動させ、第2仕様制御信号C2が供給されている場合、測定温度TAに応じて第1の回転数よりも多い第2の回転数により冷却ファン10を稼動させる。このように、本発明の第1実施形態によるコンピュータシステムによれば、バッテリ90が充電されるタイミングをトリガとして、ファン制御を行っている。このため、オプションボード3にバッテリ90が搭載される場合でも、筐体1内の温度に応じて冷却ファン10を制御することができる。
【0035】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態によるコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。第2実施形態では、第1実施形態と重複する説明を省略する。
【0036】
本発明の第2実施形態によるコンピュータシステムは、更に、筐体1内のデバイス5近傍に設置された第2温度センサ15を具備している。
【0037】
第2温度センサ15は、デバイス5の温度を測定して第2測定温度TBとして出力する。第2温度センサ15としてはサーミスタが例示される。
【0038】
図6は、本発明の第2実施形態によるコンピュータシステムの動作を示すフローチャートである。
【0039】
システムボード用制御部100は、オプションボード用制御部200との間でデータの入出力を行う(ステップS11)。
【0040】
ステップS11において、デバイス5は、通電により発熱する。このため、第1温度センサ9は、常時、筐体1内の温度を測定して第1測定温度TAとして出力する(ステップS12)。また、第2温度センサ15は、常時、デバイス5の温度を測定して第2測定温度TBとして出力する(ステップS21)。
【0041】
システムボード用制御部100は、第1、2測定温度TA、TBの平均値を測定温度TABとして算出する(ステップS22)。
【0042】
オプションボード用制御部200は、バッテリ90を充電していない。この場合、オプションボード用制御部200は、第1仕様制御信号C1をシステムボード用制御部100に出力する(ステップS13−NO)。
【0043】
システムボード用制御部100に第1仕様制御信号C1が供給されている場合、システムボード用制御部100は、第1ファン回転数制御テーブル101に登録された複数の温度T1〜Tnのうちの、測定温度TABに一致する温度を対象温度として選択する。次に、システムボード用制御部100は、第1ファン回転数制御テーブル101に登録された第1仕様における複数の回転数R11〜R1nのうちの、対象温度に対応する回転数を第1の回転数として選択する(ステップS14)。
【0044】
システムボード用制御部100は、第1の回転数により冷却ファン10を稼動させるための稼動制御信号20(PWM信号)を冷却ファン10に出力し、冷却ファン10は、この稼動制御信号20に応じて第1の回転数により稼動する。即ち、バッテリ90が充電されていない場合、システムボード用制御部100は、第1、2測定温度TA、TBに応じて第1の回転数により冷却ファン10を稼動させる(ステップS15)。
【0045】
一方、オプションボード用制御部200は、バッテリ90を充電している。この場合、オプションボード用制御部200は、第2仕様制御信号C2をシステムボード用制御部100に出力する(ステップS13−YES)。
【0046】
システムボード用制御部100に第2仕様制御信号C2が供給されている場合、システムボード用制御部100は、システムボード用制御部100は、第2ファン回転数制御テーブル102に登録された複数の温度T1〜Tnのうちの、測定温度TABに一致する温度を対象温度として選択する。次に、システムボード用制御部100は、第2ファン回転数制御テーブル102に登録された第2仕様における複数の回転数R21〜R2nのうちの、対象温度に対応する回転数を第2の回転数として選択する(ステップS16)。
【0047】
システムボード用制御部100は、第2の回転数により冷却ファン10を稼動させるための稼動制御信号20(PWM信号)を冷却ファン10に出力し、冷却ファン10は、この稼動制御信号20に応じて第2の回転数により稼動する。即ち、バッテリ90が充電されている場合、システムボード用制御部100は、第1、2測定温度TA、TBに応じて、第1の回転数よりも多い第2の回転数により冷却ファン10を稼動させる(ステップS17)。
【0048】
このように、本発明の第2実施形態によるコンピュータシステムによれば、オプションボード3にバッテリ90が搭載される場合でも、筐体1内の温度、デバイス5の温度に応じて冷却ファン10を制御することができる。
【0049】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態によるコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。第3実施形態では、第2実施形態と重複する説明を省略する。
【0050】
本発明の第3実施形態によるコンピュータシステムは、更に、筐体1内のバッテリ90近傍に設置された第3温度センサ91を具備している。
【0051】
第3温度センサ91は、バッテリ90の温度を測定して第3測定温度TCとして出力する。第3温度センサ91としてはサーミスタが例示される。
【0052】
図8は、本発明の第3実施形態によるコンピュータシステムの動作を示すフローチャートである。
【0053】
システムボード用制御部100は、オプションボード用制御部200との間でデータの入出力を行う(ステップS11)。
【0054】
ステップS11において、デバイス5は、通電により発熱する。このため、第1温度センサ9は、常時、筐体1内の温度を測定して第1測定温度TAとして出力する(ステップS12)。また、第2温度センサ15は、常時、デバイス5の温度を測定して第2測定温度TBとして出力する(ステップS21)。また、第3温度センサ91は、常時、バッテリ90の温度を測定して第3測定温度TCとして出力する(ステップS31)。
【0055】
システムボード用制御部100は、第1〜3測定温度TA、TB、TCの平均値を測定温度TABCとして算出する(ステップS32)。
【0056】
オプションボード用制御部200は、バッテリ90を充電していない。この場合、オプションボード用制御部200は、第1仕様制御信号C1をシステムボード用制御部100に出力する(ステップS13−NO)。
【0057】
システムボード用制御部100に第1仕様制御信号C1が供給されている場合、システムボード用制御部100は、第1ファン回転数制御テーブル101に登録された複数の温度T1〜Tnのうちの、測定温度TABCに一致する温度を対象温度として選択する。次に、システムボード用制御部100は、第1ファン回転数制御テーブル101に登録された第1仕様における複数の回転数R11〜R1nのうちの、対象温度に対応する回転数を第1の回転数として選択する(ステップS14)。
【0058】
システムボード用制御部100は、第1の回転数により冷却ファン10を稼動させるための稼動制御信号20(PWM信号)を冷却ファン10に出力し、冷却ファン10は、この稼動制御信号20に応じて第1の回転数により稼動する。即ち、バッテリ90が充電されていない場合、システムボード用制御部100は、第1〜3測定温度TA、TB、TCに応じて第1の回転数により冷却ファン10を稼動させる(ステップS15)。
【0059】
一方、オプションボード用制御部200は、バッテリ90を充電している。この場合、オプションボード用制御部200は、第2仕様制御信号C2をシステムボード用制御部100に出力する(ステップS13−YES)。
【0060】
システムボード用制御部100に第2仕様制御信号C2が供給されている場合、システムボード用制御部100は、システムボード用制御部100は、第2ファン回転数制御テーブル102に登録された複数の温度T1〜Tnのうちの、測定温度TABCに一致する温度を対象温度として選択する。次に、システムボード用制御部100は、第2ファン回転数制御テーブル102に登録された第2仕様における複数の回転数R21〜R2nのうちの、対象温度に対応する回転数を第2の回転数として選択する(ステップS16)。
【0061】
システムボード用制御部100は、第2の回転数により冷却ファン10を稼動させるための稼動制御信号20(PWM信号)を冷却ファン10に出力し、冷却ファン10は、この稼動制御信号20に応じて第2の回転数により稼動する。即ち、バッテリ90が充電されている場合、システムボード用制御部100は、第1〜3測定温度TA、TB、TCに応じて、第1の回転数よりも多い第2の回転数により冷却ファン10を稼動させる(ステップS17)。
【0062】
このように、本発明の第3実施形態によるコンピュータシステムによれば、オプションボード3にバッテリ90が搭載される場合でも、筐体1内の温度、デバイス5の温度、バッテリ90の温度に応じて冷却ファン10を制御することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 筐体、
3 オプションボード、
5 デバイス、
8 スロット、
9 第1温度センサ、
10 冷却ファン、
15 第2温度センサ、
17 システムボード、
90 バッテリ、
100 システムボード用制御部、
101 第1ファン回転数制御テーブル、
102 第2ファン回転数制御テーブル、
200 オプションボード用制御部、
R11〜R1n 第1仕様における回転数、
R21〜R2n 第2仕様における回転数、
T1〜Tn 温度、
TA 第1測定温度、
TAB 測定温度(平均値)、
TABC 測定温度(平均値)、
TB 第2測定温度、
TC 第3測定温度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に設置され、通電により発熱するデバイスと、システムボード用制御部とが搭載れたシステムボードと、
前記筐体内に設置され、前記システムボードに接続されたスロットと、
前記筐体内に設置されるときに前記スロットに接続され、充電により発熱するバッテリと、前記システムボード用制御部との間でデータの入出力を行うオプションボード用制御部とが搭載されたオプションボードと、
前記筐体内の温度を測定して測定温度として出力する温度センサと、
前記筐体内を冷却するための冷却ファンと
を具備し、
前記オプションボード用制御部は、前記バッテリを充電していないときに第1仕様制御信号を前記システムボード用制御部に出力し、前記バッテリを充電しているときに第2仕様制御信号を前記システムボード用制御部に出力し、
前記システムボード用制御部は、前記第1仕様制御信号が供給されている場合、前記測定温度に応じて第1の回転数により前記冷却ファンを稼動させ、前記第2仕様制御信号が供給されている場合、前記測定温度に応じて前記第1の回転数よりも多い第2の回転数により前記冷却ファンを稼動させる
コンピュータシステム。
【請求項2】
前記システムボードは、
複数の温度と第1仕様における複数の回転数とが登録された第1ファン回転数制御テーブルと、
複数の温度と、それぞれ前記第1仕様における複数の回転数よりも多い第2仕様における複数の回転数とが登録された第2ファン回転数制御テーブルと
を備え、
前記システムボード用制御部は、
前記第1仕様制御信号が供給されている場合、前記第1ファン回転数制御テーブルに登録された前記第1仕様における複数の回転数のうちの、前記測定温度に対応する回転数を前記第1の回転数として選択し、前記第1の回転数により前記冷却ファンを稼動させ、
前記第2仕様制御信号が供給されている場合、前記第2ファン回転数制御テーブルに登録された前記第2仕様における複数の回転数のうちの、前記測定温度に対応する回転数を前記第2の回転数として選択し、前記第2の回転数により前記冷却ファンを稼動させる
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記温度センサは、
前記筐体内の温度を測定して第1測定温度として出力する第1温度センサと、
前記デバイスの温度を測定して第2測定温度として出力する第2温度センサと
を含み、
前記システムボード用制御部は、前記第1、2測定温度の平均値を前記測定温度として算出し、前記測定温度に応じて前記第1又は2の回転数により前記冷却ファンを稼動させる
請求項1又は2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記温度センサは、
前記筐体内の温度を測定して第1測定温度として出力する第1温度センサと、
前記デバイスの温度を測定して第2測定温度として出力する第2温度センサと、
前記バッテリの温度を測定して第3測定温度として出力する第3温度センサと
を含み、
前記オプションボード用制御部は、前記バッテリを充電しているときに、前記第2仕様制御信号と共に、前記第3測定温度を前記システムボード用制御部に出力し、
前記システムボード用制御部は、前記第1〜3測定温度の平均値を前記測定温度として算出し、前記測定温度に応じて前記第1又は2の回転数により前記冷却ファンを稼動させる
請求項1又は2に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記システムボード用制御部は、前記第1又は2の回転数により前記冷却ファンを稼動させるための稼動制御信号を前記冷却ファンに出力し、
前記冷却ファンは、前記稼動制御信号に応じて前記第1又は2の回転数により稼動する
請求項1〜4のいずれかに記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記稼動制御信号は、PWM(パルス幅変調:Pulse Wide Modulator)信号である
請求項5に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
(a) 筐体内に設置され、通電により発熱するデバイスと、システムボード用制御部とが搭載れたシステムボードが、前記筐体内に設置されるときに前記スロットを介して前記システムボードに接続され、充電により発熱するバッテリと、オプションボード用制御部とが搭載されたオプションボードとの間でデータの入出力を行うステップと、
(b) 温度センサが、前記筐体内の温度を測定して測定温度として出力するステップと、
(c) 前記オプションボード用制御部が、前記バッテリを充電していないときに第1仕様制御信号を前記システムボード用制御部に出力するステップと、
(d) 前記オプションボード用制御部が、前記バッテリを充電しているときに第2仕様制御信号を前記システムボード用制御部に出力するステップと、
(e) 前記システムボード用制御部に前記第1仕様制御信号が供給されている場合、前記システムボード用制御部が、前記測定温度に応じて第1の回転数により冷却ファンを稼動させるステップと、
(f) 前記システムボード用制御部に前記第2仕様制御信号が供給されている場合、前記システムボード用制御部が、前記測定温度に応じて前記第1の回転数よりも多い第2の回転数により前記冷却ファンを稼動させるステップと
を具備するコンピュータシステムの冷却ファン制御方法。
【請求項8】
前記システムボードは、複数の温度と第1仕様における複数の回転数とが登録された第1ファン回転数制御テーブルと、複数の温度と、それぞれ前記第1仕様における複数の回転数よりも多い第2仕様における複数の回転数とが登録された第2ファン回転数制御テーブルとを備え、
前記(e)のステップは、
前記システムボード用制御部に前記第1仕様制御信号が供給されている場合、前記システムボード用制御部が、前記第1ファン回転数制御テーブルに登録された前記第1仕様における複数の回転数のうちの、前記測定温度に対応する回転数を前記第1の回転数として選択し、前記第1の回転数により前記冷却ファンを稼動させ、
前記(f)のステップは、
前記第2仕様制御信号が供給されている場合、前記第2ファン回転数制御テーブルに登録された前記第2仕様における複数の回転数のうちの、前記測定温度に対応する回転数を前記第2の回転数として選択し、前記第2の回転数により前記冷却ファンを稼動させる
請求項7に記載のコンピュータシステムの冷却ファン制御方法。
【請求項9】
前記温度センサは、前記筐体内の温度を測定して第1測定温度として出力する第1温度センサと、前記デバイスの温度を測定して第2測定温度として出力する第2温度センサとを含み、
前記(e)又は(f)のステップは、
前記システムボード用制御部は、前記第1、2測定温度の平均値を前記測定温度として算出し、前記測定温度に応じて前記第1又は2の回転数により前記冷却ファンを稼動させる
請求項7又は8に記載のコンピュータシステムの冷却ファン制御方法。
【請求項10】
前記温度センサは、前記筐体内の温度を測定して第1測定温度として出力する第1温度センサと、前記デバイスの温度を測定して第2測定温度として出力する第2温度センサと、前記バッテリの温度を測定して第3測定温度として出力する第3温度センサとを含み、
前記(d)のステップは、
前記オプションボード用制御部が、前記バッテリを充電しているときに、前記第2仕様制御信号と共に、前記第3測定温度を前記システムボード用制御部に出力し、
前記(e)又は(f)のステップは、
前記システムボード用制御部が、前記第1〜3測定温度の平均値を前記測定温度として算出し、前記測定温度に応じて前記第1又は2の回転数により前記冷却ファンを稼動させる
請求項7又は8に記載のコンピュータシステムの冷却ファン制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate