説明

コンピュータプログラム、および、画像処理装置

【課題】 画像処理装置が備える画像処理機能の利用を促進する。
【解決手段】 画像処理装置の画像処理機能を実行するためのコンピュータプログラムは、操作画面を表示部に表示して、操作画面を介して複数種類の設定項目についての設定をユーザから受け付ける設定受付機能と、設定受付機能によって受け付けられた設定を使用して画像処理機能を画像処理装置に実行させる実行指示機能と、画像処理機能の実行実績を取得する実績取得機能と、実行実績が、目標実績に到達した場合に、操作画面の表示態様をユーザの操作に応じて変更するカスタマイズ機能を追加するカスタマイズ追加機能と、をコンピュータに実現させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理機能を実行可能な画像処理装置のための操作画面を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
トナーセーブ機能に関する設定や両面印刷機能に関する設定を含む複数種類の設定を使用して印刷機能を実行可能な印刷装置が知られている。ユーザがこのような印刷装置の印刷機能を十分に活用することは、困難である場合があった。例えば、特定の印刷機能を十分に活用するためには、多岐に亘る複雑な設定が要求され、ユーザはマニュアル等を用いて複雑な設定を学習する必要がある場合があった。
【0003】
特許文献1には、対象年齢が異なる複数種類の操作画面を準備する技術が開示されている。この技術では、ユーザの年齢情報をユーザに入力させて、ユーザの年齢に応じた操作画面を表示することにより、様々な年齢層のユーザに対して、理解しやすい操作画面を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−350799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、理解しやすい操作画面を提供するだけでは、ユーザに対して十分な動機付けとはならず、印刷機能の利用の促進には至らない可能性があった。このような課題は、印刷装置に限らず、画像処理機能を実行可能な画像処理装置に共通する課題であった。
【0006】
本発明の主な利点は、画像処理装置が備える画像処理機能の利用を促進する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]画像処理装置の画像処理機能を実行するためのコンピュータプログラムであって、
操作画面を表示部に表示して、前記操作画面を介して複数種類の設定項目についての設定をユーザから受け付ける設定受付機能と、
前記設定受付機能によって受け付けられた設定を使用して前記画像処理機能を前記画像処理装置に実行させる実行指示機能と、
前記画像処理機能の実行実績を取得する実績取得機能と、
前記実行実績が、目標実績に到達した場合に、前記操作画面の表示態様をユーザの操作に応じて変更するカスタマイズ機能を追加するカスタマイズ追加機能と、
をコンピュータに実現させる、コンピュータプログラム。
上記構成によれば、画像処理機能を実行して実行実績を積むと、操作画面のカスタマイズ機能が追加される。この結果、画像処理機能を実行することに対するインセンティブをユーザに付与して、画像処理機能の利用を促進することができる。
【0009】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、画像処理装置を管理する管理サーバ、上記コンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例における画像処理システム1000の概略構成を示す図である。
【図2】実績テーブル346の概要を示す図である。
【図3】プリンタドライバ起動処理の処理ステップを示すフローチャートである。
【図4】プリンタドライバM40が提供する操作画面の一例を示す図である。
【図5】カスタマイズモード印刷処理の処理ステップを示すフローチャートである。
【図6】カスタマイズ機能追加処理の処理ステップを示すフローチャートである。
【図7】カスタマイズ機能追加処理について説明するための図である。
【図8】一覧表示処理の処理ステップを示すフローチャートである。
【図9】実施例における状況一覧表TBの一例を示す図である。
【図10】変形例における状況一覧表TBaの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
A.実施例:
A−1.画像処理システムの構成:
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、実施例における画像処理システム1000の概略構成を示す図である。画像処理システム1000は、プリンタ200と、プリンタ200のユーザが利用するユーザ計算機300と、サーバ計算機400と、を備えている。プリンタ200と、ユーザ計算機300は、第1のローカルエリアネットワーク500に接続されている。サーバ計算機400は、第2のローカルエリアネットワーク600に接続されている。第1のローカルエリアネットワーク500と第2のローカルエリアネットワーク600は、インターネット700に接続されている。
【0012】
プリンタ200は、CPU(Central processing unit)210と、半導体メモリやハードディスクなどの記憶装置240と、ネットワークに接続するためのインタフェース(I/F)を含む通信部250と、液晶パネルなどの表示パネル260と、ユーザの操作を受け付ける各種のボタンやタッチパネルなどの操作部270と、周知の方式(例えば、レーザー、インクジェット)で印刷媒体に画像を形成する印刷実行部280と、を備えている。
【0013】
記憶装置240には、パネル制御プログラム242と、印刷制御プログラム244と、実績テーブル246とが格納されている。実績テーブル246の内容は、後述する実績テーブル346(図2)と同一である。
【0014】
CPU210は、パネル制御プログラム242を実行することにより、パネル制御部M20として機能するとともに、印刷制御プログラム244を実行することにより、印刷制御部M10として機能する。印刷制御部M10は、パネル制御部M20や、後述するプリンタドライバM40による印刷実行要求に従って、印刷実行部280を制御して印刷を実行する。印刷制御部M10と印刷実行部280は、印刷実行要求の内容に応じて、複数種類の印刷機能、および、これらの印刷機能の組み合わせを実行することができる。複数種類の印刷機能には、例えば、両面印刷機能、モノクロ印刷機能、カラー印刷機能、片面複数ページ印刷機能(例えば、2in1印刷機能)、印刷材節約機能(例えば、レーザプリンタにおけるトナーセーブ機能)、透かし印刷機能(ウォーターマーク印刷機能)が含まれる。
【0015】
パネル制御部M20は、印刷実行部280の印刷機能を実行するためのユーザインタフェースを提供する。具体的には、パネル制御部M20は、設定受付部M21と、実行要求部M22と、実績取得部M23と、実績レベル表示制御部M24と、目標実績表示制御部M25と、識別情報取得部M26と、カスタマイズ機能追加部M27と、を備えている。を備えている。パネル制御部M20の各機能部M21〜M27は、後述するプリンタドライバM40の同名の機能部M41〜M47と基本的に同一の機能を有する。
【0016】
ユーザ計算機300は、汎用のパーソナルコンピュータであり、CPU310と、記憶装置340と、ネットワークI/Fを含む通信部350と、液晶ディスプレイなどの表示部360と、キーボードやポインティングデバイスなどの操作部370と、を備えている。記憶装置340には、ドライバプログラム342と、アプリケーションプログラム344と、実績テーブル346と、が格納されている。
【0017】
CPU310は、アプリケーションプログラム344を実行することにより、文書作成や画像作成などのアプリケーションM30として機能するとともに、ドライバプログラム342を実行することにより、プリンタドライバM40として機能する。なお、各コンピュータプログラムは、CD−ROM、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。
【0018】
プリンタドライバM40は、プリンタ200の機能を実行するためのユーザインタフェースを提供する。具体的には、プリンタドライバM40は、設定受付部M41と、実行要求部M42と、実績取得部M43と、実績レベル表示制御部M44と、目標実績表示制御部M45と、識別情報取得部M46と、カスタマイズ機能追加部M47と、を備えている。
【0019】
設定受付部M41は、プリンタ200に対するユーザの実行指示を受け付けるための操作画面を表示部360に表示する。設定受付部M41は、操作画面を介して複数種類の設定項目についての設定をユーザから受け付ける。実行要求部M42は、プリンタ200に対する実行要求を行う。実行要求によって、プリンタ200の複数種類の印刷機能のうち、ユーザの実行指示によって指示された印刷機能を、プリンタ200に実行させる。実績取得部M43は、プリンタ200における印刷機能の実行実績を取得する。実績レベル表示制御部M44は、実行実績に応じた実績レベルを表示部360に表示する。目標実績表示制御部M45は、実績レベルの算出に用いる複数の目標実績のうち、少なくとも一部の目標実績の内容を表示部360に表示する。識別情報取得部M46は、ユーザを識別するユーザ識別情報(例えば、パスワード、ユーザID)を取得する。カスタマイズ機能追加部M47は、解除条件が満たされた場合に、操作画面のカスタマイズ機能を追加する。このカスタマイズ機能は、操作画面の表示態様をユーザの操作に応じて変更する機能である。解除条件は、ユーザによる印刷機能の実行実績が、所定の目標実績に到達したことを含む。
【0020】
図2は、実績テーブル346の概要を示す図である。実績テーブル346は、実績レベル表示制御部M44、目標実績表示制御部M45、カスタマイズ機能追加部M47によって参照されるテーブルである。実績テーブル346は、カウント対象項目の欄と、履歴記録用変数の欄と、目標実績の欄と、追加機能の欄と、実績ポイントの欄と、実績到達状況の欄と、を含んでいる。
【0021】
カウント対象項目の欄には、印刷機能の実行実績(実行履歴)としてカウントすべき複数の項目(カウント対象項目)が記述されている。例えば、図2に示すように、カウント対象項目には、「総印刷枚数」、「モノクロ印刷枚数」、「カラー印刷枚数」、「両面印刷枚数」、「別ページ複数枚印刷回数」、「同ページ複数枚印刷回数」が含まれる。別ページ複数枚印刷は、1部あたりに複数のページを含む原稿を複数の用紙に印刷することを意味する。同ページ複数枚印刷は、複数部数の原稿を印刷することによって、同じページを複数の用紙に印刷することを意味する。
【0022】
カウント対象項目には、上述のように、印刷機能の種類(例えば、モノクロ印刷機能、両面印刷機能、カラー印刷機能)ごとにカウントされる機能別項目(例えば、「モノクロ印刷枚数」、「カラー印刷枚数」、「両面印刷回数」)が含まれる。また、カウント対象項目には、印刷機能の種類に関係なくカウントされる一般項目(例えば、「総印刷枚数」)が含まれる。
【0023】
履歴記録用変数の欄には、カウント対象項目をカウントするための変数が記述されている。図2では、例えば、総印刷枚数をカウントする変数「total_print」、モノクロ印刷枚数をカウントする変数「mono_print」などが示されている。目標実績の欄には、1つのカウント対象項目に少なくとも1つずつ対応付けられた目標実績が記述されている。図2では、総印刷枚数には、2つの目標実績(「100枚」と「200枚」)が対応付けられており、モノクロ印刷枚数には、1つの目標実績(100枚)が対応付けられている。「モノクロ印刷枚数」や「両面印刷回数」などの機能別項目に対応付けられている目標実績は、モノクロ印刷機能、両面印刷機能などの特定の印刷機能について定められた機能別目標実績ということができる。
【0024】
追加機能の欄には、目標実績の欄に記述された複数の目標実績のうちの一部に対応付けられる追加機能が記述されている。追加機能は、ユーザによる実行実績が、対応する目標実績に到達していない場合には、その使用が禁止され、当該目標実績に到達した場合には、その使用が許容される(使用の禁止が解除される)カスタマイズ機能である。このカスタマイズ機能には、例えば、1)操作画面の背景画像(壁紙)の内容を変更する背景画像変更機能、2)操作画面に含まれる文字の表示態様(フォントの種類、文字の大きさ、太さなど)を変更する機能、3)操作画面の表記言語(日本語、英語、中国語など)を変更する機能、4)操作画面に対して装飾画像(例えば、特定のキャラクターの画像(アバターなど))を付加する機能、を含む。
【0025】
図2では、例えば、総印刷枚数について定められた目標実績(500枚)に、追加機能として「アバター設定機能」が対応付けられ、モノクロ印刷枚数について定められた目標実績(100枚)に、追加機能として「フォント変更機能」が対応付けられている。また、カラー印刷枚数について定められた目標実績(100枚)に、追加機能として「表記言語変更機能」が対応付けられ、両面印刷回数について定められた目標実績(20回)に、追加機能として「背景画像変更機能」が対応付けられている。
【0026】
実績ポイントの欄には、目標実績にそれぞれ1つずつ対応付けられた実績ポイントが記述されている。全ての実績ポイントを合計した値が100となるように、各実績ポイントの値が設定されている。実績到達状況の欄には、実際の実行実績が各目標実績に到達しているか否かが、目標実績ごとに記録されている。
【0027】
サーバ計算機400は、CPU410と、記憶装置440と、ネットワークI/Fを含む通信部450と、を備える汎用の計算機である。記憶装置440には、サーバプログラム(図示省略)とともに、ユーザ識別情報ファイル442と、履歴情報ファイル444とが格納されている。ユーザ識別情報ファイル442は、プリンタ200のユーザを識別するユーザ識別情報(例えば、ログインパスワード)が格納されたファイルである。履歴情報ファイル444は、プリンタ200における印刷機能の実行実績を表す履歴情報が格納されたファイルである。履歴情報は、具体的には、上述した複数の履歴記録用変数(図2)の値の集合である。ユーザ識別情報ファイル442に格納されたユーザ識別情報のそれぞれに、ユーザ1人分の履歴情報が対応付けられている。
【0028】
CPU410は、サーバプログラムを実行することにより、識別情報管理部M51、および、履歴情報管理部M52として機能する。識別情報管理部M51は、ユーザ識別情報ファイル442に格納されたユーザ識別情報を管理している。識別情報管理部M51は、ユーザ計算機300のプリンタドライバM40、あるいは、プリンタ200のパネル制御部M20からログインパスワードを受信する。識別情報管理部M51は、受信したログインパスワードと、ユーザ識別情報ファイル442に格納されたログインパスワードとを比較して、ログインを許容するか否かを判断する。また、識別情報管理部M51は、プリンタドライバM40、または、パネル制御部M20から新規登録のログインパスワードを受信する。識別情報管理部M51は、受信した新規登録のログインパスワードを、例えば、他のユーザ情報(ユーザ名など)と関連付けてユーザ識別情報ファイル442に格納する。
【0029】
履歴情報管理部M52は、履歴情報ファイル444を管理している。具体的には、履歴情報管理部M52は、ログインが許容されたログインパスワードに対応付けられた履歴情報を、ログインパスワードの送信元であるプリンタドライバM40、または、パネル制御部M20に対して送信する。また、プリンタドライバM40、または、パネル制御部M20から更新された履歴情報を受信して、履歴情報ファイル444の内容を更新する。
【0030】
本実施例におけるドライバプログラム342、および、パネル制御プログラム242は、請求項におけるコンピュータプログラムの一例である。また、本実施例におけるプリンタ200は、請求項における画像処理装置の一例である。また、本実施例におけるサーバ計算機400は、請求項における管理部の一例である。
【0031】
A−2.ドライバプログラム342の動作:
図3は、プリンタドライバ起動処理の処理ステップを示すフローチャートである。図4は、プリンタドライバM40が提供する操作画面の一例を示す図である。プリンタドライバ起動処理は、例えば、アプリケーションプログラム344の実行中に、ユーザによって印刷指示がなされた場合に開始される。
【0032】
プリンタドライバ起動処理が開始されると、プリンタドライバM40の識別情報取得部M46は、ログイン画面を表示部360に表示する(ステップS110)。図4(a)には、ログイン画面UI1が示されている。このログイン画面UI1は、3つのチェックボックスCB1〜CB3と、パスワード入力フィールドSP1と、入力完了ボタンBT1とを含んでいる。第1チェックボックスCB1は、カスタマイズモードを使用する場合にチェックされる。第2チェックボックスCB2は、カスタマイズモードを使用しない場合にチェックされる。第3チェックボックスCB3は、新規にユーザ登録を行う際にチェックされる。パスワード入力フィールドSP1には、ユーザ識別情報であるログインパスワードが入力される。ユーザは、これらの入力要素CB1〜CB3、SP1に、適宜に入力を行って、入力完了ボタンBT1を押下することによって、所望の情報を入力する。
【0033】
ステップS120では、識別情報取得部M46は、ユーザがカスタマイズモードを選択したか否かを判断する。すなわち、ログイン画面UI1において、第1チェックボックスCB1にチェックされた状態で、入力完了ボタンBT1が操作された場合には、識別情報取得部M46は、カスタマイズモードが選択されたと判断する。一方、ログイン画面UI1において、第2チェックボックスCB2にチェックされた状態で、入力完了ボタンBT1が操作された場合には、識別情報取得部M46は、通常モードが選択されたと判断する。
【0034】
通常モードが選択された場合には(ステップS120:NO)、プリンタドライバM40は、通常モードでの印刷処理を実行し(ステップS210)、処理を終了する。通常モードでの印刷処理では、後述するカスタマイズ機能の追加や実績レベルの表示は行われない。通常モードでの印刷処理については説明を省略する。
【0035】
カスタマイズモードが選択された場合には(ステップS120:YES)、識別情報取得部M46は、ユーザの新規登録が選択されたか否かを判断する(ステップS130)。すなわち、ログイン画面UI1において、ユーザが入力完了ボタンBT1を操作したときに、第3チェックボックスCB3にチェックがなされた状態であった場合には、識別情報取得部M46は、新規登録が選択されたと判断する。一方、第3チェックボックスCB3にチェックがなされていない場合には、識別情報取得部M46は、新規登録が選択されていないと判断する。
【0036】
新規登録である場合には(ステップS130:YES)、識別情報取得部M46は、新規登録情報をユーザから取得して、サーバ計算機400に対して送信する。具体的には、識別情報取得部M46は、ログイン画面UI1のパスワード入力フィールドSP1に入力されたログインパスワードを取得して、新規登録情報として送信する。また、識別情報取得部M46は、ユーザ名やユーザIDなどのその他の新規登録情報をユーザから取得して、ログインパスワードとともに、新規登録情報として送信しても良い。この場合には、識別情報取得部M46は、これらの情報をユーザから取得するための新規登録画面(図示省略)を表示部360に表示する。サーバ計算機400の識別情報管理部M51は、受信した新規登録情報をユーザ識別情報ファイル442に格納して管理する。
【0037】
新規登録情報を送信すると、プリンタドライバM40は、新規登録を行ったユーザのための初期化された履歴情報(初期値の履歴記録用変数の集合)を準備する(ステップS150)。初期化された履歴情報を準備すると、プリンタドライバM40は、ステップS180に処理を進める。新規登録でない場合には(ステップS130:NO)、識別情報取得部M46は、ログイン画面UI1のパスワード入力フィールドSP1に入力されたログインパスワードを取得して、サーバ計算機400に送信する(ステップS160)。
【0038】
ステップS170では、プリンタドライバM40の実績取得部M43は、ステップS160において送信したログインパスワードに対する応答として、履歴情報を取得できたか否かを判断する。送信したログインパスワードが正しい場合には、サーバ計算機400は、応答として、ログインパスワードに対応する履歴情報を送信するので、実績取得部M43は、当該履歴情報を取得することができる。一方で、送信したログインパスワードが正しくない場合には、実績取得部M43は、サーバ計算機400から履歴情報を取得することができない。履歴情報は、ログインパスワードによって特定されるユーザの過去の印刷実績を表す情報であると言える。
【0039】
履歴情報が取得できない場合には(ステップS170:NO)、ログインに失敗したと判断し、識別情報取得部M46は、ステップS110に戻って、ログイン画面UI1を表示する。一方、履歴情報が取得できた場合には(ステップS170:YES)、プリンタドライバM40は、ステップS180に処理を進める。
【0040】
ステップS180では、プリンタドライバM40は、ステップS170においてサーバ計算機400から取得した履歴情報、または、ステップS150において準備した初期化された履歴情報を、実績テーブル346に反映させる。具体的には、プリンタドライバM40は、実績テーブル346における履歴記録用変数の欄の変数値、および、目標到達状況の欄の内容(図2)を、履歴情報に基づいて更新する。
【0041】
ステップS190では、プリンタドライバM40は、実績テーブル346に基づいて、実績レベルを計算する。具体的には、プリンタドライバM40は、到達済み目標実績に対応付けられた実績ポイント(到達済み実績ポイント)の合計値を、実績レベルを表す値として計算する。到達済み目標実績は、実績テーブル346(図2)に記述された複数の目標実績のうち、履歴情報によって示される実行実績が到達済みの目標実績である。上述したように、複数の目標実績は、モノクロ印刷機能、両面印刷機能などの特定の印刷機能について定められた機能別目標実績を含む。機能別目標実績は、特定の印刷機能の実行実績がないと到達できない。この結果、特定の印刷機能の実行実績がないと、他の印刷機能の実行実績を大量に積み上げても、実績レベルを表す値は頭打ちとなり、特定値より大きくならない。言い換えれば、実績レベルを表す値の上限は、機能別目標実績が定められた1以上の特定の印刷機能のうち、実行された印刷機能の種類の数が多いほど高くなる。
【0042】
ステップS200では、プリンタドライバM40は、カスタマイズモード印刷処理を実行する。図5は、カスタマイズモード印刷処理の処理ステップを示すフローチャートである。ステップS300では、プリンタドライバM40の設定受付部M41は、ユーザの実行指示を受け付けるための操作画面UI2aを表示部360に表示する。このとき、実績レベル表示制御部M44は、操作画面UI2a上にて、実績レベル表示を行う。
【0043】
図4(b)には、操作画面UI2aの一例が図示されている。この操作画面UI2aは、タブTB1を操作することによって表示される印刷設定ページPG1と、タブTB2を操作することによって表示されるカスタマイズ設定ページPG2(後述する図7(a)参照)と、指示確定ボタンBT2や印刷中止ボタンBT3を含む主要操作ボタンBT2〜BT5と、を含んでいる。初期状態(実行実績がない状態)では、カスタマイズ設定ページPG2において設定出来る設定項目は存在しない。すなわち、初期状態では、操作画面UI2aに対するユーザによるカスタマイズは許容されていない。操作画面UI2aに対するユーザによるカスタマイズを許容するカスタマイズ機能は、後述するカスタマイズ機能追加処理によって追加される。
【0044】
操作画面UI2aは、複数種類の設定項目(具体的には、用紙サイズ、両面/片面選択、1枚の用紙の片面に印刷されるページ数、用紙方向、印刷部数、カラー/モノクロ選択などの設定項目)について、ユーザから設定を受け付ける複数の入力要素を含んでいる。ここでいう入力要素には、プルダウンメニューを用いて複数の選択肢の中から1つを選択的に入力させる選択フィールドPF1、PF2や、ラジオボタンRB1や、チェックボックスCB5や、整数値を入力させる数値入力フィールドVFなどが含まれる(図4(b))。そして、これらの入力要素の近傍には、設定項目の名称を記述した文字CH1、CH2が表示されている(図4(b))。
【0045】
例えば、第1選択フィールドPF1は、用紙サイズ(Paper Size)を選択するための入力要素である。第2選択フィールドPF2は、紙の種類(Media Type)、すなわち、標準紙、光沢紙など印刷に用いる紙の種類の選択を受け付けるための入力要素である。ラジオボタンRB1は、用紙方向、すなわち、印刷すべき画像の上下方向を用紙の長手方向と一致させた縦方向印刷を行うか、印刷すべき画像の上下方向を用紙の短手方向と一致させた横方向印刷を行うかの選択を受け付けるための入力要素である。数値入力フィールドVFは、印刷部数の入力を受け付けるための入力要素である。
【0046】
この操作画面UI2aは、さらに、実績レベル表示JDを含んでいる(図4(b))。実績レベル表示JDは、実績レベル表示であることを示すメッセージMSと、視覚的に実績レベルの程度を表す画像GGと、数値で実績レベルの程度を表す数値表示PTとを含んでいる。画像GGは、本実施例では、メーターを模式的に表す画像が用いられており、メーターの針の位置によって実績レベルの程度を表すように構成されている。数値表示PTは、上述した実績レベルの値を、単位に%(パーセント)を用いて表示するように構成されている。さらに、設定受付ページPGは、実績レベル表示JDの近傍に、一覧表示ボタンBTXを含んでいる。一覧表示ボタンBTXについては、後述する。
【0047】
ステップS310では、プリンタドライバM40は、ユーザによって印刷指示がされたか否かを判断する。具体的には、操作画面UI2aの指示確定ボタンBT2が押下された場合に、印刷指示がされたと判断する。プリンタドライバM40は、印刷指示がされない場合には(ステップS310:NO)、印刷指示がされるまで待機する。
【0048】
印刷指示がされた場合には(ステップS310:YES)、プリンタドライバM40の実行要求部M42は、印刷指示によって指示された印刷機能を実行させる印刷要求をプリンタ200(印刷実行部280)に対して行う(ステップS320)。具体的には、実行要求部M42は、操作画面UI2aの指示確定ボタンBT2が押下されたときに、操作画面UI2aにおいて設定されていた設定内容を取得する。実行要求部M42は、アプリケーションM30から印刷対象とする画像データを取得する。実行要求部M42は、印刷対象の画像データを、取得した設定内容に従って印刷するための印刷ジョブを生成し、当該印刷ジョブをプリンタ200に対して送信する。ユーザによって印刷指示がされた時点で、設定受付部M41は、操作画面UI2aの表示を終了する。
【0049】
ステップS330では、プリンタドライバM40は、プリンタ200が、ステップS330で行った印刷要求に基づく印刷を完了したか否かを判断する。具体的には、プリンタドライバM40は、プリンタ200から印刷完了を示す通知を受信した場合に、プリンタ200は印刷を完了したと判断する。プリンタ200が印刷を完了しない場合には(ステップS330:NO)、プリンタドライバM40は、印刷が完了するまで待機する。
【0050】
プリンタ200が印刷を完了した場合には(ステップS330:YES)、プリンタドライバM40は、印刷要求内容(完了した印刷の内容)に基づいて、ユーザの履歴情報を更新する(ステップS340)。具体的には、プリンタドライバM40は、印刷要求内容に対応する履歴記録用変数(図2参照)の値を更新する。ここで、1回の印刷要求に対応して、複数の履歴記録用変数が更新される場合がある。例えば、印刷要求内容が、モノクロ印刷である場合には、総印刷枚数に関する変数Total_printと、モノクロ印刷枚数に関する変数Mono_printと、が更新される。
【0051】
ステップS350では、プリンタドライバM40は、更新された履歴情報をサーバ計算機400に対して送信する。サーバ計算機400の履歴情報管理部M52は、プリンタドライバM40から受信した履歴情報に基づいて、履歴情報ファイル444の内容を更新する。このように、サーバ計算機400において、ユーザによるプリンタ200の印刷機能の実行実績がユーザごとに管理される。
【0052】
ステップS360では、プリンタドライバM40は、上述したプリンタドライバ起動処理のステップS180(図3)と同様に、更新された履歴情報を、実績テーブル346に反映させる。ステップS370では、上述したプリンタドライバ起動処理のステップS180(図3)と同様に、プリンタドライバM40は、実績テーブル346に基づいて、実績レベルを計算する。ステップS380では、プリンタドライバM40のカスタマイズ機能追加部M47は、カスタマイズ機能追加処理を実行する。
【0053】
図6は、カスタマイズ機能追加処理の処理ステップを示すフローチャートである。図7は、カスタマイズ機能追加処理について説明するための図である。ステップS410では、カスタマイズ機能追加部M47は、ユーザによる実行実績が新たに到達した目標実績はあるか否かを判断する。カスタマイズ機能追加部M47は、新たに到達した目標実績がない場合には(ステップS410:NO)、カスタマイズ機能追加処理を終了する。カスタマイズ機能追加部M47は、新たに到達した目標実績がある場合には(ステップS410:YES)、実績テーブル346を参照して、その到達済み目標実績に対応付けられた追加機能(追加すべきカスタマイズ機能)があるか否かを判断する(ステップS420)。
【0054】
カスタマイズ機能追加部M47は、到達済み目標実績に対応付けられた追加機能がない場合には(ステップS420:NO)、ステップS440に処理を進める。カスタマイズ機能追加部M47は、到達済み目標実績に対応付けられた追加機能がある場合には(ステップS420:YES)、追加機能を設定可能にする(ステップS430)。この結果、次回のカスタマイズモード印刷処理において表示される操作画面UI2aの内容が更新され、操作画面UI2aを介して、新たに追加されたカスタマイズ機能をユーザが使用可能になる。
【0055】
図7は、特定のカスタマイズ機能が追加機能として設定可能とされた後の操作画面UI2bの一例を示す図である。この例では、上述したアバター設定機能と、背景画像変更機能と、文字態様変更機能と、表記言語変更機能と、が設定可能とされた例を示している。図7(a)には、タブTB2を選択することによって表示されるカスタマイズ設定ページPG2の例が、図7(b)には、タブTB1を選択することによって表示される印刷設定ページPG1の例が、それぞれ示されている。
【0056】
アバター設定機能が設定可能になると、例えば、カスタマイズ設定ページPG2にアバター設定表示ST1が表示される(図7(a))。アバター設定表示ST1は、表示すべきアバターの設定をユーザから受け付ける表示である。ユーザは、アバター設定表示ST1に含まれるラジオボタンRB1を操作することによって、例えば、複数のアバターAV1〜AV3の中から1つのアバターを選択することができる。カスタマイズ設定ページPG2において選択されたアバター(図7の例では、アバターAV1)が、印刷設定ページPG1において表示される(図7(b))。
【0057】
背景画像変更機能が設定可能になると、例えば、カスタマイズ設定ページPG2に背景画像設定表示ST2が表示される(図7(a))。背景画像設定表示ST2は、表示すべき背景画像の設定をユーザから受け付ける表示である。ユーザは、背景画像設定表示ST2に含まれるラジオボタンRB2を操作することによって、例えば、複数の壁紙(背景画像)WP1〜WP3の中から1つの壁紙を選択することができる。カスタマイズ設定ページPG2において選択された壁紙(図7の例では、壁紙WP2)が、印刷設定ページPG1の背景に表示される(図7(b))。
【0058】
フォント変更機能が設定可能になると、例えば、印刷設定ページPG1におけるフォント変更の対象となる設定項目名(図7(b)の例では、用紙サイズ(Paper Size))の横にフォント変更ボタンFBが表示される。ユーザが、このフォント変更ボタンFBを押下すると、例えば、採用すべきフォントを選択するためのプルダウンメニューがポップアップ表示されて、ユーザによるフォントの選択が受け付けられる(図示省略)。
【0059】
フォント変更機能が設定可能になると、例えば、印刷設定ページPG1における表記言語変更の対象となる設定項目名(図7(b)の例では、紙の種類(Media Type))の横に表記言語変更ボタンLBが表示される。ユーザが、この表記言語変更ボタンLBを押下すると、例えば、採用すべき表記言語を選択するためのプルダウンメニューがポップアップ表示されて、ユーザによる表記言語の選択が受け付けられる(図示省略)。
【0060】
図7(b)には、フォント変更機能によって設定項目名を示す文字CH1のフォント、および、文字CH2の表記言語が、それぞれ変更された様子が示されている。
【0061】
図6のステップS440では、カスタマイズ機能追加部M47は、告知画面を表示する。図4(c)には、告知画面の一例が示されている。この告知画面UI3は、2種類のメッセージTX1、TX2を含んでいる。第1メッセージTX1は、ユーザによる実行実績が特定の目標実績に到達したことをユーザに告知するテキストである。第2メッセージTX2は、特定のカスタマイズ機能の設定が可能になったことをユーザに告知するテキストである。これらに加えて、告知画面UI3は、使用可能になった特定のカスタマイズ機能について説明するテキスト(カスタマイズ機能の概要、利用方法の説明など)を含んでも良い。
【0062】
カスタマイズ機能追加部M47は、新たに到達した到達済み目標実績があり、かつ、新たに追加されたカスタマイズ機能がある場合(すなわち、ステップS420:YESである場合)には、図4(c)に示す告知画面UI3のように、2種類のメッセージTX1、TX2を含む告知画面を表示する。一方、カスタマイズ機能追加部M47は、新たに到達した到達済み目標実績があるが、新たに追加されたカスタマイズ機能がない場合(すなわち、ステップS420:NOである場合)には、第1メッセージTX1を含み、第2メッセージTX2を含まない告知画面(図示省略)を表示する。以上説明したカスタマイズ機能追加処理が終了すると、プリンタドライバM40は、カスタマイズモード印刷処理を終了する(図5)。
【0063】
ユーザがカスタマイズモードを利用して印刷を繰り返し実行すると、上述したカスタマイズモード印刷処理が繰り返し実行され、ユーザによる印刷機能の実行実績が履歴情報としてサーバ計算機400に蓄積される。そして、その実行実績が、実績テーブル346に設定された全ての目標実績を達成すると、最終的には、全てのカスタマイズ機能について設定が受け付け可能となる。最終的な操作画面UI2bでは、最大値に到達した実績レベル(100%)が表示される。
【0064】
ここで、操作画面UI2bが表示されている間、プリンタドライバM40の目標実績表示制御部M45は、ユーザの実行実績の状況を示す状況一覧表を表示するための一覧表示処理を、上述したカスタマイズモード印刷処理と並列して実行している。図8は、一覧表示処理の処理ステップを示すフローチャートである。
【0065】
ステップS510では、目標実績表示制御部M45は、一覧表示ボタンBTX(図4(b)、図7(b))が押下されたか否かを判断する。目標実績表示制御部M45は、一覧表示ボタンBTXが押下されない場合には(ステップS510:NO)、一覧表示ボタンBTXが押下されるまで待機する。一覧表示ボタンBTXが押下された場合には(ステップS510:YES)、目標実績表示制御部M45は、状況一覧表TBを表示部360に表示する。
【0066】
図9は、状況一覧表TBの一例を示す図である。この状況一覧表TBは、実績テーブル346に記述された目標実績の内容を表現した複数の文章MCを含んでいる。また、状況一覧表TBは、複数の文章MCのうち、到達済み目標実績を表現した文章に対応付けられた文章MZ(本実施例では、「達成!!」)を含んでいる。この文章MZは、対応付けられた文章MCで表現された目標実績が到達済み目標実績であることを示している。本実施例では、状況一覧表TBは、実績テーブル346に設定されたすべての目標実績の内容と、それらの目標実績が到達済みであるか否かがユーザに識別可能に表示される。
【0067】
ステップS530では、目標実績表示制御部M45は、状況一覧表TBとともに表示される表示終了ボタンBTZ(図9)が押下されたか否かを判断する。目標実績表示制御部M45は、表示終了ボタンBTZが押下されない場合には(ステップS530:NO)、表示終了ボタンBTZが押下されるまで待機する。目標実績表示制御部M45は、表示終了ボタンBTZが押下された場合には(ステップS530:YES)、状況一覧表TBの表示を終了し(ステップS540)、一覧表示処理を終了する。
【0068】
以上説明した上記実施例によれば、ユーザが印刷機能を実行して実行実績を積むと、操作画面のカスタマイズ機能が追加される。この結果、印刷機能を実行することに対するインセンティブをユーザに付与して、プリンタ200の印刷機能の利用を促進することができる。
【0069】
さらに、実績テーブル346には、複数の目標実績が設定されており、カスタマイズ機能追加部M47は、到達済み目標実績の増加に応じて、制限対象項目についての制限を段階的に解除する。この結果、段階的に使用できるカスタマイズ機能が増加することが、ユーザにとって、印刷機能を使用しようとする動機付けとなるので、自発的な印刷機能の利用を促すことができる。
【0070】
さらに、実績テーブル346には、例えば、両面印刷機能、モノクロ印刷機能などの複数の印刷機能についてそれぞれ定められた複数の目標実績が設定されている。この結果、より多くのカスタマイズ機能を設定可能にするためには、複数の印刷機能をそれぞれ実行することが要求される。この結果、複数の印刷機能を使うことに対するインセンティブをユーザに付与して、複数の印刷機能の利用を促進することができる。
【0071】
カスタマイズ機能は、背景画像変更機能、アバター設定機能、フォント変更機能、表記言語変更機能など多岐に及ぶ。この結果、よりユーザの印刷機能の使用意欲を向上させることができる。
【0072】
さらに、実績テーブル346において、複数の目標実績にそれぞれ対応付けられた複数の実績ポイントが、これらの実績ポイントの合計値が100になるように設定されている。実績レベル表示制御部M44は、実績レベルとして、到達済み目標実績に対応付けられた到達済み実績ポイントの合計値を、単位にパーセントを用いて表示する(図4(b))。この結果、実績レベルの最高値(100パーセント)がユーザに容易に理解されるので、その最高値を表示させたいというユーザの意欲を向上して、より多くの種類の印刷機能の使用を促すことができる。
【0073】
さらに、目標実績表示制御部M45は、ユーザに対して、状況一覧表TBを表示する(図9)。この状況一覧表には、複数の機能別目標実績を含む目標実績の内容の表示と、これらの目標実績が到達済みであるか否かを示す表示が含まれる。この結果、カスタマイズ機能を追加させる方法をユーザが容易に認識することができる。
【0074】
さらに、実績取得部M43は、複数のユーザの履歴情報(印刷機能の実行実績)をユーザごとに管理するサーバ計算機400から、ログインパスワードによって識別されたユーザの履歴情報を取得する。そして、カスタマイズ機能追加部M47は、ユーザごとの実行実績に応じて、カスタマイズ機能を追加する。この結果、複数のユーザがユーザ計算機300を利用する場合において、ユーザごとに印刷機能の利用を効果的に促進することができる。
【0075】
上記では、ユーザ計算機300のプリンタドライバM40の具体的動作について説明したが、プリンタ200のパネル制御部M20によっても同様の動作を行うことによって、同様の作用・効果を実現することができる。この場合には、プリンタドライバM40によってユーザ計算機300の表示部360に表示される内容(図4、図7、図9)は、パネル制御部M20によってプリンタ200の表示パネル260に表示される。本実施例では、ユーザ計算機300のプリンタドライバM40と、プリンタ200のパネル制御部M20のうち、少なくとも一方を備えていれば良い。
【0076】
B.変形例:
この発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、以下の変形も可能である。
【0077】
(1)図10は、変形例における状況一覧表TBaの一例を示す図である。目標実績表示制御部M45は、図9に示す状況一覧表TBに代えて、図10に示す状況一覧表TBaを表示部360に表示しても良い。本変形例における状況一覧表TBaでは、目標実績の内容を表現した複数の文章MCのうち、ユーザの実行実績が到達していない未達目標実績についての文章の一部または全部が表示されない。表示されない文章の一部は、例えば、目標実績として設定されている印刷枚数や機能の使用回数の具体的な目標数値である。そして、この状況一覧表TBaでは、表示されない文章MCの一部または全部に代えて、「?(クエスチョンマーク)」が表示されている。このようにクエスチョンマークが表示されることによって、ユーザは、未達目標実績が存在することは認識できるものの、その内容の一部または全部を認識できない。
【0078】
本変形例によれば、内容の一部または全部が解らない未達目標実績が存在することをユーザが認識できる。この結果、未達目標実績の内容を探ったうえで、カスタマイズ機能の追加を実現した際にユーザに高い達成感を与えることができる。したがって、ユーザの探求意欲を刺激して、より多くの種類の印刷機能の使用を促すことができる。
【0079】
(2)上記実施例では、実績テーブル346において、目標実績と、追加対象のカスタマイズ機能とが対応付けられている。これに代えて、実績レベルの特定値(解除レベル)と、追加対象のカスタマイズ機能とが対応付けられていても良い。具体的には、実績レベル15%−フォント変更機能、 実績レベル20%−表記言語変更機能、 実績レベル35%−背景画像変更機能、...、というように対応付けられていても良い。
この場合には、カスタマイズ機能追加処理(図6)において、図6において破線で囲むステップS420aがステップS420に代えて実行される。すなわち、カスタマイズ機能追加部M47は、新たに到達した目標実績がある場合には(ステップS410:YES)、実績レベルが解除レベルに到達したか否かを判断する(ステップS420a)。そして、実績レベルが解除レベルに到達した場合には(ステップS420a:YES)、その解除レベルに対応付けられたカスタマイズ機能を設定可能とする(ステップS430)。こうすれば、どの目標実績に到達したかには関係なく、実績レベルが上昇するに連れて、予め定められた順番で、カスタマイズ機能の追加を実現することができる。例えば、カスタマイズ機能のうち、比較的、地味でインパクトの少ない機能を先に、派手でインパクトのある機能を後に、段階的に追加を行いたい場合などに有効である。
【0080】
一方で、上記実施例のように、目標実績とカスタマイズ機能を対応付ける場合は、例えば、到達した目標実績と関連するカスタマイズ機能を追加する場合などに有効である。具体的には、両面印刷機能の使用回数が多いユーザには、両面印刷機能に関する設定項目名のフォント変更機能や、表記言語変更機能を許容させることができる。こうすれば、ユーザは、カスタマイズが可能な内容から、自身が多用している印刷機能と、未使用または使用頻度の低い印刷機能を、認識することができる。この結果、ユーザに、未使用または使用頻度の低い印刷機能の利用を促すことができる。
【0081】
(3)上記実施例における画像処理システム1000は、ユーザ計算機300に加えて、図1において破線で示すように、他の1または複数のユーザ計算機800を備えても良い。他のユーザ計算機800の構成は、例えば、ユーザ計算機300の構成と同一である。この場合には、サーバ計算機400の履歴情報管理部M52は、複数のユーザ計算機300、800のそれぞれのプリンタドライバM40からの実行要求に基づく実行実績をユーザごとに一元管理することが好ましい。こうすれば、同じユーザが複数のユーザ計算機300、800を介して、プリンタ200の印刷機能を利用する場合であっても、一元管理された実行実績に応じてユーザごとにカスタマイズ機能の追加を実行できるので、ユーザごとに複数種類の印刷機能の利用を効果的に促進することができる。
【0082】
(4)上記実施例における画像処理システム1000は、プリンタ200に加えて、図1において破線で示すように、他の1または複数のプリンタ900を備えても良い。他のプリンタ900の構成は、例えば、プリンタ200の構成と同一である。この場合には、サーバ計算機400の履歴情報管理部M52は、複数のプリンタ200、900に対する実行実績をユーザごとに一元管理しても良い。こうすれば、同じユーザが同じ機能を有する複数のプリンタ200、900を利用する場合であっても、一元管理された実行実績に応じてユーザごとにカスタマイズ機能の追加を実行できるので、ユーザごとに複数種類の印刷機能の利用を効果的に促進することができる。
【0083】
(5)上記実施例では、複数種類の印刷機能を実行可能なプリンタ200が採用されているが、これに代えて、他の画像処理装置が採用されても良い。他の画像処理装置としては、光学素子を用いて対象物を表す画像データを生成する画像生成装置(デジタルカメラ、スキャナなど)、ファクシミリ、印刷、スキャニングなどを1つの筐体にて実行可能な複合機など採用可能である。例えば、デジタルカメラを採用すれば、デジタルカメラが備える複数種類の撮影機能(例えば、高画質撮影機能、逆光補正機能、被写体別色補正機能(例えば、人物用色補正、風景用色補正など)、オートフォーカス機能、マニュアルフォーカス機能)の利用を促進することができるユーザインタフェースを実現することができる。
【0084】
(6)サーバ計算機400は、1つの筐体の装置に限らず、複数の計算機を含む計算機システム(例えば、いわゆるクラウドコンピューティングを実現する分散型の計算機システム)によって構成されていても良い。
【0085】
(7)上記実施例において、履歴情報(実行実績)の管理は、サーバ計算機400に代えて、プリンタドライバM40において行っても良い。こうすれば、簡易な構成で、プリンタ200の印刷機能の利用を促進することができる。また、履歴情報(実行実績)の管理は、プリンタ200において行ってもよい。こうすれば、簡易な構成でありながら、複数のユーザ計算機からの実行実績をプリンタ200において一元管理することもできる。履歴情報の管理は、ユーザごとに行わずに、プリンタドライバM40ごとに行っても良い。こうすれば、ログイン画面UI1の表示などのログイン関連処理や、ユーザ識別情報(ログインパスワードなど)の管理処理を、省略することができるので、より簡易な構成で、プリンタ200の印刷機能の利用を促進することができる。なお、上記実施例では、プリンタドライバ起動処理を行う度にログイン処理を行っているが、これに限られない。例えば、ユーザ計算機300の起動時に、OS(Operating System)がログイン処理を行ってユーザから取得したユーザ識別情報(ユーザ名、及び/または、ログインパスワード)を用いて、履歴情報を管理しても良い。
【0086】
(8)上記実施例において、アバターや背景画像の設定等のカスタマイズ機能のためのユーザインターフェースは、図7(a)に示す態様に限られない。例えば、図7(a)に示す選択式に代えて、ユーザが所望の画像をアバターや背景画像として設定できる構成であっても良い。
【0087】
(9)上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0088】
200...プリンタ、242...パネル制御プログラム、246、346...実績テーブル、300...ユーザ計算機、342...ドライバプログラム、400...サーバ計算機、M20...パネル制御部、M40...プリンタドライバ、M21、M41...操作画面表示制御部、M22、M42...実行要求部、M23、M43...実績取得部、M24、M44...実績レベル表示制御部、M25、M45...目標実績表示制御部、M26、M46...識別情報取得部、M27、M47...カスタマイズ機能追加部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置の画像処理機能を実行するためのコンピュータプログラムであって、
操作画面を表示部に表示して、前記操作画面を介して複数種類の設定項目についての設定をユーザから受け付ける設定受付機能と、
前記設定受付機能によって受け付けられた設定を使用して前記画像処理機能を前記画像処理装置に実行させる実行指示機能と、
前記画像処理機能の実行実績を取得する実績取得機能と、
前記実行実績が、目標実績に到達した場合に、前記操作画面の表示態様をユーザの操作に応じて変更するカスタマイズ機能を追加するカスタマイズ追加機能と、
をコンピュータに実現させる、コンピュータプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンピュータプログラムであって、
複数の前記目標実績が設定されており、
前記カスタマイズ追加機能は、前記複数の目標実績のうち、前記実行実績が到達済みである到達目標実績の増加に応じて、複数の前記カスタマイズ機能を段階的に追加する、コンピュータプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のコンピュータプログラムであって、
複数の前記カスタマイズ機能はそれぞれに、複数の前記画像処理機能についてそれぞれ定められた複数の前記目標実績のいずれかに対応付けられており、
前記カスタマイズ追加機能は、前記実行実績が前記目標実績に到達した場合に、到達された前記目標実績に対応付けられた前記カスタマイズ機能を追加する、コンピュータプログラム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のコンピュータプログラムであって、
複数の前記目標実績にそれぞれ対応付けられた複数の実績ポイントであって、前記複数の実績ポイントの合計値は100である、前記複数の実績ポイントが設定されており、
前記複数の実績ポイントのうちの前記到達目標実績に対応付けられた到達実績ポイントの合計値をパーセントを単位にして前記表示部に表示する第1の表示制御機能を、コンピュータに実現させる、コンピュータプログラム。
【請求項5】
請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のコンピュータプログラムであって、さらに、
複数の前記目標実績のうち、少なくとも一部の目標実績の内容を前記表示部に表示するとともに、前記実行実績が前記少なくとも一部の目標実績に到達しているか否かをユーザが区別可能に表示する第2の表示制御機能をコンピュータに実現させる、コンピュータプログラム。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のコンピュータプログラムであって、
前記カスタマイズ機能は、前記操作画面の背景画像の内容、前記操作画面に含まれる文字の表示態様、および、前記操作画面の表記言語のうちの少なくとも1つを変更する機能、若しくは、前記操作画面に対して装飾画像を付加する機能を含む、コンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のコンピュータプログラムであって、さらに、
ユーザを識別するユーザ識別情報を取得する識別情報取得機能をコンピュータに実現させ、
前記実績取得機能は、複数のユーザの前記実行実績をユーザごとに管理する管理部から、前記ユーザ識別情報によって識別されたユーザの前記実行実績を取得し、
前記カスタマイズ追加機能は、前記識別されたユーザの前記実行実績に応じて、前記カスタマイズ機能を追加する、コンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のコンピュータプログラムであって、
前記管理部は、複数のコンピュータの前記実行要求機能に基づく前記実行実績を一元管理し、
前記カスタマイズ追加機能は、前記一元管理された前記実行実績に応じて、前記カスタマイズ機能を追加する、コンピュータプログラム。
【請求項9】
画像処理装置であって、
画像処理機能を実行する実行部と、
表示部と、
操作画面を前記表示部に表示し、前記操作画面を介して複数種類の設定項目についての設定をユーザから受け付ける設定受付部と、
前記設定受付部によって受け付けられた設定を使用して前記画像処理機能を前記実行部に実行させる実行要求部と、
前記画像処理機能の実行実績を取得する実績取得部と、
前記実行実績が、目標実績に到達した場合に、前記操作画面の表示態様をユーザの操作に応じて変更するカスタマイズ機能を追加するカスタマイズ追加部と、
を備える、画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−68669(P2013−68669A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205188(P2011−205188)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】