説明

コンピューター読取り可能な記録媒体、プリンタードライバープログラム、インストーラープログラム、プリンタードライバープログラムの更新方法

【課題】プリンタードライバープログラムを更新する際に、ユーザーに煩雑な作業を強いることなく更新処理を実行することが可能なプリンタードライバープログラム等、を提供する。
【解決手段】プリンタードライバープログラムは、所定の拡張子が付与されたデータであって、ユーザーが設定可能な前記プリンターの属性情報を含む環境設定ファイルを記憶する第1の手段と、拡張子から環境設定ファイルが記憶されているか否かを判断し、記憶が確認された環境設定ファイルから当該プリンタードライバープログラムで対応可能なプリンターの名称を表示させる第2の手段と、表示されたプリンターの名称が選択された際、選択されたプリンターに対応した環境設定ファイルを参照して処理を実行する第3の手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスト装置から印刷装置に印刷指示処理を実行させるためのプリンタードライバープログラム等に関し、特に、複数の印刷装置に対応可能なプリンタードライバープログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンター用のドライバープログラムはパーソナルコンピューター等のホスト装置に備えられており、ホスト装置はこのドライバープログラムに従ってプリンターに印刷指示を行う。この際、ドライバープログラムにより、ホスト装置内部で印刷対象の画像データと印刷条件などの制御コマンドを含んだプリンター用の印刷データが生成され、この印刷データがプリンターへ送信される。また、上記した印刷条件には、用紙サイズ、用紙の種類、又は解像度等の各種の項目があり、印刷指示時にこれら印刷条件を視覚的に選択できるようドライバープログラムはUI画面を生成し表示する。
【0003】
また、上記したドライバープログラムには、ネットワーク上に接続された複数のプリンターに対して共通に使用できるものが存在する(以下、このようなドライバープログラムを共通ドライバーと記載する。)。このような共通ドライバーでは、ネットワークを介して接続された各プリンターに対応する印刷条件を保持しており、ユーザーがUI画面上で、使用するプリンターに対応した印刷条件を参照したり、この印刷条件を変更することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−267088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の共通ドライバーでは、ホスト装置にプリンターを新たに接続する場合、新たに接続するプリンターの設定を行うため、共通ドライバープログラムを再インストールする必要があった。そのため、接続プリンターを増設するつど、共通ドライバープログラムを再インストールする必要があり、ユーザーにとって煩雑な作業を強いる結果となっていた。
【0006】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、プリンタードライバープログラムを更新する際に、ユーザーに煩雑な作業を強いることなく更新処理を実行することが可能なプリンタードライバープログラム等、を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明では、コンピューターに、複数のプリンターを制御する機能を付与するためのプログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な記録媒体であって、コンピューターに、所定の拡張子が付与されたデータであって、ユーザーが設定可能な前記プリンターの属性情報を含む環境設定ファイルを記憶する第1の手段と、前記拡張子を参照して前記環境設定ファイルが記憶されているか否かを判断し、記憶が確認された環境設定ファイルから当該プリンタードライバープログラムで対応可能なプリンターの名称を表示させる第2の手段と、前記表示されたプリンターの名称が選択された際、前記選択されたプリンターに対応した前記環境設定ファイルを参照して処理を実行する第3の手段と、を実行させるためのプログラムを記録した構成としてある。
【0008】
また、本発明の他の局面として、プリンタードライバープログラムは、コンピューターに複数のプリンターに対する処理を実行させるプリンタードライバープログラムであって、コンピューターを、記憶部に記憶された所定の拡張子が付与されたデータであって、ユーザーが設定可能な前記プリンターの属性情報を含む環境設定ファイルにおける前記拡張子を参照して前記環境設定ファイルが記憶されているか否かを判断し、記憶が確認された環境設定ファイルから当該プリンタードライバープログラムで対応可能なプリンターの名称を表示させる第2の手段と、前記表示されたプリンターの名称が選択された際、前記選択されたプリンターに対応した前記環境設定ファイルを参照して処理を実行する第3の手段と、を実行させる構成としてある。
【0009】
上記のように構成された発明では、第1の手段は、ユーザーが設定可能なプリンターの属性情報を含む環境設定ファイルを記憶し、第2の手段は、環境設定ファイルの拡張子の有無から環境設定ファイルが記憶されているか否かを判断し、記憶が確認された環境設定ファイルから当該プリンタードライバープログラムで対応可能なプリンターの名称を表示し、第3の手段は、表示されたプリンターの名称が選択された際、選択されたプリンターに対応した環境設定ファイルを参照して処理を実行する。
そのため、プリンタードライバープログラムと、このプリンタードライバープログラムが参照する環境設定ファイルは、所定の関連付けを保ったまま別々に記憶することができるため、プリンタードライバープログラムを更新する際に、再度プリンタードライバープログラムをインストールする必要がなく、ユーザーに煩雑な作業を強いることなく更新処理を実行することができる。
【0010】
そして、前記第2の手段は、当該プリンタードライバープログラムの起動時に、前回表示させた前記プリンターの名称を表示させる構成としてもよい。
上記のように構成された発明では、プリンタードライバープログラムの起動時にユーザーが使用するプリンターを選択する構成において適応することができる。
【0011】
また、新たな環境設定ファイルが記憶された場合は、前記第2の手段は、前記新たな環境設定ファイルに対応するプリンターの名称を表示させる構成としてもよい。
上記のように構成された発明では、新たにプリンターが追加された場合、ユーザーが表示された名称を目視することで、このプリンターが使用可能か否かを判断することができる。
【0012】
また、本発明は、インストーラープログラムや、プリンタードライバープログラムの更新にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一例としての印刷システムの構成を説明するブロック構成図である。
【図2】共通ドライバー70の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図3】共通ドライバー70が第2の機能を実現する際の処理を説明するフローチャートである。
【図4】共通ドライバー70が第2の機能を実現する際の処理を説明するフローチャートである。
【図5】ステップS130で作成されるフォルダーを説明するための図である。
【図6】ステップS240で更新されるフォルダーを説明するための図である。
【図7】共通ドライバー70における第2の処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】ステップS440で表示装置83に表示されるUI画面を説明するためのイメージ図である。
【図9】図7のステップS340により実行される更新処理を説明するフローチャートである。
【図10】設定変更画面を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図を参照しつつ下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。なお、同一の符号を付した箇所は同一又は同等の箇所を示し、その説明は繰返さない。
1.第1実施形態:
2.その他の実施形態:
【0015】
1.第1実施形態:
1.1.印刷システムの構成:
図1は、一例としての印刷システムの構成を説明するブロック構成図である。図1に示すように、印刷システム100は、ホストコンピューター80と、複数のプリンター(「プリンターA」,「プリンターB」,「プリンターC」)とがネットワーク上に接続されて構成されている。また、ネットワークはインターネットを介して製造元のサーバーとも接続している。そのため、ホストコンピューター80は、インターネット及びネットワークを介して製造元のサーバーから各種データをダウンロードすることができる。
【0016】
上記構成の印刷システム100において、ユーザーが、ホストコンピューター80を操作することで、プリンターA,プリンターB,プリンターCのいずれかに対して印刷データを印刷処理させることができる。具体的には、ホストコンピューター80は、プリンターA〜Cに対してその駆動を制御する共通プリンタードライバープログラム(以下、共通ドライバーと記載する。)70と、各プリンターA〜Cにおける個別の環境設定を保持する環境設定ファイル50とを記憶しており、所定のオペレーションプログラム及びアプリケーションの機能を連動させることで、各プリンターA〜Cに対して印刷処理を実行させる。
【0017】
更に、本発明に係る印刷システム100では、ホストコンピューター80に新たなプリンター(「プリンターD」)を接続した場合でも、プリンターDに対応する環境設定ファイルを共通ドライバー70が利用できるよう関連付けを行うため、共通ドライバー70を再インストールする必要がなく、ユーザーの利便性を高めることが可能となる。以下、本印刷システム100を構成する各部の機能をより詳細に説明する。
【0018】
ホストコンピューター80は、共通ドライバー70を実行するためのCPU81及びRAM82や、ユーザーインタフェースとしてのUI画面を表示するための表示装置83や、ユーザーからの操作入力を受け付ける操作入力部84、更には、所定のプログラム等を記憶するためのHDD85を備えて構成されている。また、HDD85には、上記した共通ドライバー70や、アプリケーションプログラム60、オペレーティングシステム(以下、OSと記載する)61、更には各プリンター毎の環境設定ファイル50が記憶されている。
【0019】
アプリケーションプログラム60は、例えば、文章作成ソフトウェア等によって構成され、所定のフォーマットで作成された印刷要求を生成し、この印刷要求を共通ドライバー70(CPU81)に出力する。
【0020】
共通ドライバー70は、アプリケーションプログラム60から送信された印刷要求に応じて、各プリンターに対応した印刷データを生成する。また、共通ドライバー70は、各プリンターに固有の環境設定ファイル50をファイル形式で保持し、上記印刷要求に応じて所定の環境設定ファイル50を参照しつつ、印刷データを生成する。
【0021】
図2は、共通ドライバー70の機能を説明するための機能ブロック図である。本発明に係る共通ドライバー70は、共通ドライバープログラムをCPU81が実行することにより実現される。また、共通ドライバー70は、ホストコンピューター80に新たなプリンターを接続する際、プリンターに対応した環境設定ファイル50をホストコンピューター80に記憶させる「第1の機能」(第1の手段)と、アプリケーションプログラム60からの印刷要求を受けて、印刷データを生成する「第2の機能」(第2の手段、第3の手段)と、ユーザーからの操作入力を受けてUI画面上で環境設定ファイル50の変更を行う「第3の機能」(第2の手段、第3の手段)とを備える。
【0022】
第1の機能では、共通ドライバー70は、新たなプリンターを増設する場合に、このプリンターに対応する環境設定ファイル50をHDD85に記憶し、記憶された環境設定ファイル50をファイル形式で管理する。このとき、共通ドライバー70が上記第1の機能のすべてを実現するのではなく、OS61のAPI(Application Programming Interface)の機能を活用して第1の機能を実現するものであってもよい。
【0023】
第2の機能では、共通ドライバー70は、アプリケーションプログラム60からの印刷要求を受けて、この印刷要求に応じた印刷データを生成し、生成した印刷データをユーザーが指定するプリンターに送信する。このとき、印刷処理を実行する各プリンターの指定は、UI画面上で実行される。
【0024】
第3の機能では、共通ドライバー70は、表示装置83上でUI画面を表示して、各プリンターの環境設定ファイル50の表示や、ユーザーからの環境設定ファイル50の変更を受け付ける。この場合も、第1の機能同様、OS61のAPIの機能を活用して上記第3の機能を実現するものであってもよい。
【0025】
ここで、環境設定ファイル50とは、プリンターのハード及びソフトにおいてユーザーが変更可能な設定値を記憶し、例えば、オプションで取り付け可能な給紙装置や、印刷処理時のフォント、解像度等を含むものである。本実施形態では、環境設定ファイル50は、「初期属性情報」と、「最新属性情報」とで構成される。更に、ホストコンピューター80は、環境設定ファイル50以外にも、「選択プリンター情報」を備えている。
【0026】
初期属性情報51は、デフォルトでのプリンターの各種パラメータを記憶するものである。そのため、ユーザーがUI画面上で各パラメータを変更しない場合は、印刷データの作成時に、CPU81はこの初期属性情報を参照する。
【0027】
最新属性情報52は、上記初期属性情報51と同一のパラメータを記憶するが、ユーザー等により各種パラメータの値の変更が加えられたファイルである。そのため、ユーザーが初期属性情報51を更新しない場合は、最新属性情報52は作成されない。
【0028】
選択プリンター情報53は、その時点で選択されているプリンターを表す情報である。共通ドライバー70は、複数のプリンターについての処理を行なうため、その時点で選択されているプリンターを決めておくことは効率的な処理を実現するのに適している。なお、選択プリンター情報53は、共通ドライバー70の第2又は第3の機能によって、他のプリンター情報に変更することが可能である。
【0029】
1.2.第1の機能:
以下、図3、4を参照して、共通ドライバー70の第1の機能を説明する。図3、図4は、共通ドライバー70が第2の機能を実現する際の処理を説明するフローチャートである。なお、図3では、共通ドライバー70及びプリンターA〜Cに対応する環境設定ファイル50a〜cを一括でインストールする処理を説明する。また、図4では、図3で示す処理の後に、プリンターDに対応する環境設定ファイル50dをインストールする構成を説明する。
【0030】
ユーザーが共通ドライバー70、インストーラープログラム、環境設定ファイル50a〜cが記憶された媒体をホストコンピューター80に読み取らせると、CPU81は、インストーラープログラムの指示に従って、共通ドライバー70をHDD85にコピー(記憶)する(ステップS110)。ここで、インストーラープログラムは、CPU81に、共通ドライバー70と環境設定ファイル50をホストコンピューター80に記憶させるための機能を付与させるものである。
【0031】
CPU81は、インストーラープログラムの指示に従って環境設定ファイル50a〜cを、HDD85に記憶する(ステップS120)。各環境設定ファイル50a〜cは、HDD85の所定のアドレスに記憶された後、ファイルアロケーションテーブル(以下、FATと記載する)で管理される。
【0032】
CPU81は、共通ドライバー70と、環境設定ファイル50a〜cを関連付けるフォルダーを作成する(ステップS130)。図5は、ステップS130で作成されるフォルダーを説明するための図である。図5に示すように、フォルダー名を「共通プリンタードライバ¥config¥」とするフォルダーが作成され、以後、環境設定ファイル50は、上記フォルダーを介してCPU81に管理される。また、「共通プリンタードライバ¥config¥」のフォルダー内で管理される各環境設定ファイル50には、拡張子「cff」が付与されており、CPU81は、この拡張子「cff」の有無により、HDD85に環境設定ファイル50が記憶されているか否かを判断する。
【0033】
CPU81は、共通ドライバー70、及び環境設定ファイル50a〜cをインストールしたこと表すUI画面を作成し、表示装置83に表示させる(ステップS140)。そのため、ユーザーは、表示装置83上に表示された画面を参照して共通ドライバー70及び環境設定ファイル50のインストールが完了したことを認識する。
【0034】
次に、図4を参照して、新たな「プリンターD」を増設する際、実行される処理を説明する。プリンターDをネットワークを介してホストコンピューター80に接続した状態で、ユーザーが製造元のサーバーからプリンターDに対応する環境設定ファイル50dをホストコンピューター80にダウンロードすると、CPU81は環境設定ファイル50dをホストコンピューター80のHDD85に記憶する(ステップS210)。
【0035】
次に、CPU81は、共通ドライバー70に従って、環境設定ファイル50dの拡張子を参照する(ステップS220)。仮に、ダウンロードされたファイルに拡張子「cff」が付与されていない場合は、CPU81は、このファイルを環境設定ファイル50とは認識しない(ステップS230)。
【0036】
ダウンロードしたファイルに拡張子「cff」が付与されている場合は(ステップS230)、CPU81は、図5に示すフォルダーを更新する(ステップS240)。図6は、ステップS240で更新されるフォルダーを説明するための図である。図6に示すように、「共通プリンタードライバ¥config¥」のフォルダー内に環境設定ファイル「プリンターD.cff」が追加される。
【0037】
CPU81は、プリンターDの接続設定が完了したことを表示装置83に表示させる(ステップS250)。そのため、ユーザーは、このUI画面を参照して、プリンターDの接続設定が完了されたことを認識する。以上、第1の機能を説明した。
【0038】
1.3.第2の機能:
図7は、共通ドライバー70における第2の処理を説明するためのフローチャートである。以下、図7を参照しつつ共通ドライバー70における第2の機能を説明する。
【0039】
アプリケーションプログラム60から印刷要求がCPU81に送信されると(ステップS310)、CPU81は共通ドライバー70をRAM82上に展開して、共通ドライバー70を起動する(ステップS320)。
【0040】
ここで、ユーザーがプリンターのモデル変更又は環境設定を変更するため、操作入力部84を操作して属性設定の変更を行うと(ステップS330、S340)表示装置83上に、UI画面としてプリンターA〜Dの名称が表示される。図8は、ステップS340で表示装置83に表示されるUI画面を説明するためのイメージ図である。このUI画面では、現時点で使用可能なプリンターである選択プリンター情報53に記憶された「プリンターA」が画面上部に表示され、変更可能なプリンターが画面下部にそれぞれ表示される。
【0041】
上記UI画面の作成は、CPU81が「共通プリンタードライバ¥config¥」のフォルダー内にある「cff」の拡張子が付与された環境設定ファイルの各名称から作成する。なお、具体的なプリンターのモデル及び環境設定を変更する処理は、「第3の機能」で説明するため、以下、選択プリンター情報53に記録されたプリンターAを使用して印刷処理を実行する流れを説明する。
【0042】
CPU81は、選択プリンター情報53を参照し、現時点で選択されているプリンターを判断する(ステップS350)。ここで、選択プリンター情報53には、プリンターAが記録されているため、CPU81は、プリンターAに対応した環境設定ファイル50aをフォルダー「共通プリンタードライバ¥config¥」から参照する(ステップS360)。このとき、CPU81は、拡張子「cff」を元に環境設定ファイル50の有無を判断する。
【0043】
具体的には、CPU81は、フォルダー「共通プリンタードライバ¥config¥」内の拡張子「cff」が付与されたデータのみを参照し、参照されたデータからプリンターAと同一の名称が付された環境設定ファイル50a「プリンターA.cff」を参照する。
【0044】
CPU81は、参照した環境設定ファイル50aを元に印刷データを生成し、生成した印刷データをプリンターAに送信する(ステップS370)。具体的には、CPU81は、「プリンターA.cff」の環境設定ファイル50aをHDD85から読み出し、読み出した環境設定ファイル50aを用いて印刷データを生成する。そして、CPU81は、生成した印刷データをネットワークを介してプリンターAに送信する。そのため、プリンターAは受信した印刷データを元に用紙に対して印刷処理を施す。以上、第2の機能を説明した。
【0045】
1.4.第3の機能:
以下、図9を参照して、共通ドライバー70の第3の機能を説明する。図9は、図7のステップS340により実行される更新処理を説明するフローチャートである。この更新処理は、ユーザーが属性設定を変更する際、実行される処理である。
【0046】
CPU81は、操作入力部84を介した属性設定要求を受信すると、まずは、選択プリンター情報53に記憶されたプリンターに対応する環境設定ファイル50を参照する(ステップS410)。
【0047】
CPU81は、ユーザーに各種設定の変更を実行させるためのUI画面を表示装置83に表示させる(ステップS420)。この状態で、CPU81は、モデル切換え要求を受信すると(ステップS430)、ユーザーにモデル切換えを実行させるため、図8に示すUI画面を表示装置83に表示させる(ステップS440)。
【0048】
CPU81は、モデル切換え要求の内容を受信すると(ステップS450)、選択プリンター情報53を受信したモデル切換え要求に応じて変更する(ステップS460)。なお、ここでは、プリンターAからプリンターBにモデルが変更されたものとする。
【0049】
その後、ステップS420に戻り、再度の変更要求を受け付ける。ここで、CPU81が、環境設定ファイル50bの各種パラメータの変更を行うための設定変更要求を受信すると(ステップS470)、ユーザーにプリンターBに対して環境設定ファイルの設定変更を実行させるUI画面(設定変更画面)を表示装置83に表示させる(ステップS480)。このとき、CPU81は、プリンターBに対応する環境設定ファイル50を参照し、この環境設定ファイル50における最新属性情報52又は初期属性情報51に記憶された各種パラメータを用いて設定変更画面を生成する。
【0050】
図10は、設定変更画面を説明するための図である。図10は、設定変更の一例として、「用紙サイズ」、「レイアウト」、「フォント」、「部数」、「用紙媒体」等の設定を変更する場合の設定変更画面である。表示装置83に図10に示す設定変更画面が表示された状態で、CPU81が操作入力部84を介して設定変更要求の内容を受信すると(ステップS490)、受信した変更内容に従って最新属性ファイルを更新する(ステップS500)。以後、更新された最新属性ファイルを使用して、プリンターBにおける印刷処理が実行される。以上、第3の機能を説明した。
【0051】
2.その他の実施形態:
本発明は、様々な実施形態が存在する。
例えば、共通ドライバー70の起動時に、図9に示すモデル切換え画面を表示装置83上に表示して、ユーザーに使用するプリンターを選択させるものであってもよい。
【0052】
また、環境設定ファイル50のファイル名称からプリンター名を判断することは一例であり、対応テーブル等を参照して、プリンターの名称を表示するものであってもよい。
【0053】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。即ち、上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること、上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、は本発明の一実施例として開示されるものである。
【符号の説明】
【0054】
50…環境設定ファイル、51…初期属性情報、52…最新属性情報、53…選択プリンター情報、60…アプリケーションプログラム、61…オペレーションシステム、70…共通ドライバー、80…ホストコンピューター、81…CPU、82…RAM、83…表示装置、84…操作入力部、85…HDD、100…印刷システム



【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューターに、複数のプリンターを制御する機能を付与するためのプログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な記録媒体であって、
コンピューターに、
所定の拡張子が付与されたデータであって、ユーザーが設定可能な前記プリンターの属性情報を含む環境設定ファイルを記憶する第1の手段と、
前記拡張子を参照して前記環境設定ファイルが記憶されているか否かを判断し、記憶が確認された環境設定ファイルから当該プリンタードライバープログラムで対応可能なプリンターの名称を表示させる第2の手段と、
前記表示されたプリンターの名称が選択された際、前記選択されたプリンターに対応した前記環境設定ファイルを参照して処理を実行する第3の手段と、を実行させるためのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【請求項2】
コンピューターに複数のプリンターに対する処理を実行させるプリンタードライバープログラムであって、
コンピューターを、
記憶部に記憶された所定の拡張子が付与されたデータであって、ユーザーが設定可能な前記プリンターの属性情報を含む環境設定ファイルにおける前記拡張子を参照して前記環境設定ファイルが記憶されているか否かを判断し、記憶が確認された環境設定ファイルから当該プリンタードライバープログラムで対応可能なプリンターの名称を表示させる第2の手段と、
前記表示されたプリンターの名称が選択された際、前記選択されたプリンターに対応した前記環境設定ファイルを参照して処理を実行する第3の手段と、して機能させるためのプリンタードライバープログラム。
【請求項3】
前記第2の手段は、当該プリンタードライバープログラムの起動時に、前回表示させた前記プリンターの名称を表示させることを特徴とする請求項2に記載のプリンタードライバープログラム。
【請求項4】
新たな環境設定ファイルが記憶された場合は、前記第2の手段は、前記新たな環境設定ファイルに対応するプリンターの名称を表示させることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載のプリンタードライバープログラム。
【請求項5】
コンピューターに複数のプリンターを制御する機能を付与するプログラムをインストールするためのインストーラープログラムであって、
コンピューターに、
所定の拡張子が付与されたデータであって、ユーザーが設定可能な前記プリンターの属性情報を含む環境設定ファイルを記憶させる機能と、
前記拡張子を参照して前記環境設定ファイルが記憶されているか否かを判断し、記憶が確認された環境設定ファイルから対応可能なプリンターの名称を表示させる第2の手段と、前記表示されたプリンターの名称が選択された際、前記選択されたプリンターに対応した前記環境設定ファイルを参照して処理を実行する第3の手段と、を当該コンピューターに実現させるためのプログラムを記憶させる機能と、を実行させるためのインストーラープログラム。
【請求項6】
コンピューターに複数のプリンターに対する処理を実行ささせるプリンタードライバープログラムの更新方法であって、
所定の拡張子が付与されたデータであって、ユーザーが設定可能な前記プリンターの属性情報を含む環境設定ファイルを受信した際に、同環境設定ファイルを記憶する第1の工程と、
前記拡張子から前記環境設定ファイルが記憶されているか否かを判断し、記憶が確認された環境設定ファイルから当該プリンタードライバープログラムで対応可能なプリンターの名称を表示する第2の工程と、
前記表示されたプリンターの名称が選択された際、前記選択されたプリンターに対応した前記環境設定ファイルを用いて、同プリンターに対する処理を受け付ける第3の工程と、を有し、
前記第1の工程により新たな環境設定ファイルを記憶した際、前記第2の工程は、前記新たに記憶した環境設定ファイルに対応したプリンターの名称を表示する、ことを特徴とするプリンタードライバープログラムの更新方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−211766(P2010−211766A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60093(P2009−60093)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】