説明

コンピュータ装置

【課題】修理等を容易とするコンピュータ装置を実現する。
【解決手段】CPU10は、センサ60を介してサーバ装置200の機器の異常を示す異常情報を受信する。CPU10は、前記異常情報に対応する修理交換作業情報をデータベース300又は磁気ディスク装置70から読み出して電子ペーパー153に表示させる。データベース300及び磁気ディスク装置70のいずれにも前記異常情報に対応する修理交換作業情報が格納されていないときは、前記異常情報を電子ペーパー153に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子・情報分野において使用されるコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気的に書き換え可能で、書き換えた後は電力を供給しなくても表示内容を保持することが可能なシート状表示媒体として電子ペーパーが知られている。電子ペーパーは、特許文献1に開示された発明に係るツイストボール方式や、特許文献2に開示された発明に係るマイクロカプセル電気泳動方式などにより実現される。
【0003】
この電子ペーパーの利用方法の1つとして電子ペーパーを表示装置の材料とする方法がある。例えば特許文献3と4に開示された発明は、電子ペーパーをタッチパネルの部材とすることで、携帯性に優れ、操作性が良好なタッチパネルを実現している。
また、特許文献5には、電源オフ時に、スリープ機能動作時のデフォルト表示画面を表示させる技術が開示されている。
【0004】
ここで、異常(故障)発生時に、故障の内容や対処方法を表示する電子装置が存在するが、この種の装置を修理する場合、通常、作業者は、安全のため、装置の電源供給を停止して、故障機器の修理、交換作業を行う。この際、電源供給を停止する前に作業者は、表示された故障内容を紙片、冊子やデジタルカメラなどに予め記録しておく。しかし、記録を間違えたり、記録媒体を無くしてしまうことがあり、そのことにより、修理、交換作業に支障を来すという問題があった
【0005】
また、各装置には通常、販売会社名、品名、部品番号、製造番号、版数、適合規格等の製品情報が記載したラベルが貼り付けられている。このラベルの記載内容は必要に応じて更新される。しかし、ラベルを貼り間違ったり、貼り忘れてしまうことで誤った取扱が生じ、現場での修理、交換作業に支障を来すという問題もあった。
従来、電子ペーパー等の電源をオフしても表示を維持するタイプの表示媒体を用いて、この種の問題を解決する手法は提案されていない。
【特許文献1】特公平7−67754号公報
【特許文献2】特開2000−56341号公報
【特許文献3】特開2005−182737号公報
【特許文献4】特開2003−280812号公報
【特許文献5】特開2006−139145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたもので、修理等を容易とするコンピュータ装置の実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、第1の観点に係る本発明のコンピュータ装置は、
表示媒体を備えたコンピュータ装置であって、
電気的に書き換え可能で、電力が供給されない状態で表示内容を保持する表示媒体を備える表示装置と、
このコンピュータ装置で発生した異常を示す異常情報を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した異常への対処方法を特定する情報を取得する対処情報取得手段と、
前記検出手段が検出した異常を特定する情報と前記対処情報取得手段で取得した対処情報とを前記表示媒体に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
このコンピュータ装置で発生する複数の異常と該異常が発生したときに施す対処方法を表す情報とを対応付けて記憶する記憶手段を内部又は外部に備え、
前記表示制御手段は、前記記憶手段から異常に対応する対処方法を示す情報を取得する手段を備えてもよい。
【0009】
前記記憶手段は、対処情報を階層化して記憶しており、
前記表示媒体に表示させた対処情報のうちの何れかを指定する指定手段を備え、
前記表示制御手段は、前記指定手段で指定された対処情報の下位階層の情報を読み出して前記表示媒体に表示することもできる。
【0010】
また、前記表示媒体に表示させた対処情報のうちの何れかを指定する指定手段を備え、
前記対処情報は、タイトルと詳細情報とから構成され、
前記表示制御手段は、前記異常に対応する対処情報のタイトルを前記表示媒体に表示し、前記指定手段によりタイトルが指定されたときに、対応する詳細情報を前記表示媒体に表示させることもできる。
【0011】
上記目的を達成するため、第2の観点に係る本発明のコンピュータ装置は、
表示媒体を備えたコンピュータ装置であって、
電気的に書き換え可能で、電力が供給されない状態で表示内容を保持する表示媒体を備える表示装置と、
このコンピュータ装置の内部又は外部に備えられた、前記コンピュータ装置内の機器の製品を特定する製品情報を記憶する製品情報記憶手段と、
前記製品情報記憶手段に記憶された前記製品情報を更新する更新手段と、
前記製品情報記憶手段から読み出した前記製品情報を前記表示媒体に表示させる製品情報表示手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、修理等を容易とするコンピュータ装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係るサーバ管理システムについて図1〜図3を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、実施形態1に係るサーバ管理システムは、サーバ装置200と、ネットワーク250と、データベース300と、から構成される。
【0014】
データベース300は、修理交換作業テーブルを格納する。この修理交換作業テーブルとは、異常を特定する異常情報と修理交換作業情報を対応付けて格納するテーブルである。異常とは、故障、劣化、破損等を含み、修理交換作業情報とは、サーバ装置200内の機器や部品が故障等した際に、機器や部品の修理交換手順、使用上の注意事項、危険箇所などの修理交換作業に必要な情報を保守説明書や取扱説明書から抜粋した図や文書である。異常情報には、故障機器を特定する識別情報及び故障の内容等を示す情報を含む。
【0015】
ネットワーク250は、LAN(Local Area Network)等で構成され、サーバ装置200とデータベース300とを接続する。ネットワーク250として、データベース300がサーバ装置200の設置場所から遠隔地にある場合はLANに加えて、一般電話回線や専用線等の有線回線又は無線の回線を利用することもできる。
【0016】
サーバ装置200は、通信制御、ファイル管理等、ネットワーク250を管理する機器であり、システムボード50と、センサ60と、磁気ディスク装置70と、電源ユニット80と、電源制御回路90と、これらを収納する筐体100と、電子ペーパーユニット150とを備える。
【0017】
システムボード50はCPU(Central Processing Unit)10と、主記憶装置20と、プログラム記憶部30と、LANコントローラ40と、を搭載する基板であり、このシステムボード50上の回路は通信制御、ネットワーク上へのサービスの提供といったサーバ装置200の主機能を実現する。また、このシステムボード50の回路は、サーバ装置200内の機器の監視や制御を行う、いわゆるサーバ管理コントローラ(SMC:Server Management Controller)としての機能を実現する。
【0018】
CPU10は、プログラム記憶部30からサーバ装置200の制御プログラムを読み出して実行する。主記憶装置20は、RAM(Random Access Memory)等で構成され、CPU10のワークエリアとして機能する。プログラム記憶部30は、ROM(Read Only Memory)などで構成され、サーバ装置200の制御プログラムを格納する。LANコントローラ40は、ネットワーク250との接続を制御する機器である。
【0019】
センサ60は、サーバ装置200の各所に配置された温度センサ、電圧センサ、ファンの回転数センサ、開閉センサなどの各種センサから構成される。センサ60は、サーバ装置200を構成する各種機器の状態を一定時間ごとに監視し、機器の異常を検出したときは、異常信号をCPU10に送信する。
【0020】
磁気ディスク装置70は、HDD(Hard Disk Drive)等で構成され、修理交換作業テーブルと同じ内容の情報を格納する。電源ユニット80は、サーバ装置200に電源を供給する。電源制御回路90は、サーバ装置200への供給電力を制御する。
【0021】
電源ユニット80は、電子ペーパーユニット150の他、サーバ装置200内の各機器に電源を供給するためのユニットであり、図示しない電源スイッチの投入により電力の供給を開始する。
【0022】
電子ペーパーユニット150はサーバ装置200内の機器の異常情報又は修理交換作業情報を表示するための表示媒体であり、受信部151と、電子ペーパー153と、から構成される。また、電子ペーパーユニット150には、電源ユニット80から電力が供給される。
【0023】
受信部151は、CPU10から異常情報又は修理交換作業情報を受信し、これらを電子ペーパー153に転送する。
【0024】
電子ペーパー153は、マイクロカプセル電気泳動方式によって画像表示を行う電子ペーパーディスプレイである。そして、電源ユニット80からの電力が供給されている場合、CPU10は電子ペーパー153の表示内容を電気的に書き換えることができる。また、電子ペーパー153は、電源供給が遮断されても表示内容を保持し、表示内容を作業者が視認できるように表示し続ける。
【0025】
図2に示すように、筐体100は、トップカバー110を取り外すことで作業者が筐体100内部の機器を修理、交換できるように構成されている。電子ペーパーユニット150は、このトップカバー110の裏面に貼り付けられている。トップカバー110を取り外して裏返すことによって、作業者は電子ペーパーユニット150を視認できる。また、トップカバー110側のコネクタ111と筐体100側のコネクタ113とには、それぞれ電源ケーブル及び信号ケーブルが接続されている。コネクタ111とコネクタ113とを接続することで、電子ペーパーユニット150は電源ユニット80から電力の供給を受けることができ、受信部151はCPU10から表示内容を受信できる構成としている。
【0026】
作業者は、修理交換作業時は、トップカバー110を筐体100から取り外す。その際、修理交換作業を行いやすいようにコネクタ111に接続されているコネクタ113を引き抜く。そのため、電源ユニット80からの電源供給が遮断されるが、電子ペーパー153はその特性から表示内容を保持し、表示し続ける。
【0027】
図3に、CPU10の実行する異常情報表示処理のフローチャートを示す。電源ユニット80から電力が供給されると、CPU10は、プログラム記憶部30から制御プログラムを読み出して繰り返し実行する。この制御プログラムのメインフローの中で、センサ60がサーバ装置200内の機器の異常を検出した場合、CPU10は図3に示す、異常情報表示処理を開始する。
【0028】
CPU10は、センサ60が検出した、サーバ装置200を構成する機器の異常を示す異常情報を検索対象とする(ステップS20)。
【0029】
続いて、CPU10は、ネットワーク250を介して、検索対象に対応する修理交換作業情報をデータベース300が格納しているか否かを判別する(ステップS30)。データベース300が修理交換作業情報を格納しているときは(ステップS30:YES)、データベース300は修理交換作業情報をCPU10へ送信する。CPU10は受信した修理交換作業情報を電子ペーパー153に表示させ(ステップS40)、メインフローに処理を移行する。
【0030】
図4に示すように、データベース300が格納する修理交換作業テーブルS150は、異常情報S160と、これに対応する修理交換作業情報S170と、から構成される。例えば、CPU10がセンサ60を介して「電源ユニット異常」(S161)の異常情報を特定したとき、CPU10はこの異常情報(S161)を検索対象とする。そして、「電源ユニット異常」に対応する修理交換作業情報である、「1.故障した電源ユニットを確認します。2.電源ケーブルを取り外します。・・・」(S171)を修理交換作業テーブルS150から読み出す。
【0031】
データベース300が検索対象に対応する修理交換作業情報を格納していない場合(ステップS30:NO)、図3に示すようにCPU10は、磁気ディスク装置70が修理交換作業情報を格納しているか否かを判別する(ステップS50)。磁気ディスク装置70が修理交換作業情報を格納している場合(ステップS50:YES)、CPU10は磁気ディスク装置70から修理交換作業情報を読み出し、読み出した修理交換作業情報を電子ペーパー153に表示させ(ステップS60)、メインフローに処理を移行する。
【0032】
ステップS50において、磁気ディスク装置70が修理交換作業情報を格納していない場合(ステップS50:NO)、CPU10は、主記憶装置20から異常情報を読み出し、読み出した異常情報を電子ペーパー153に表示させ(ステップS70)、メインフローに処理を移行する。
【0033】
図3に示す処理を繰り返すことにより、サーバ装置200を構成する機器に異常が発生した場合、サーバ装置200は電子ペーパー153に、異常情報又は異常情報に対応する修理交換作業情報を表示する。
【0034】
異常情報又は修理交換作業情報が表示された場合、作業者は修理交換作業前に、安全のためサーバ装置200の電源供給を遮断する。電源供給が遮断されても、電子ペーパー153は、その特性により表示内容を保持するので、作業者は異常情報又は修理交換作業情報を確認しながら作業を行うことができる。このため、作業者の修理、交換時のミスを未然に防ぐことができる。また、紙媒体の保守説明書等を取り出してくる必要が無いため、作業時間及び保守のためのサーバ装置200の停止時間が短縮される。
【0035】
[実施形態2]
図5〜図7を参照して実施形態2に係るサーバ管理システムについて詳細に説明する。
図5に示すように、本実施形態に係るサーバ管理システムは、サーバ装置200aと、ネットワーク250aと、データベース300aとから構成される。ネットワーク250aとデータベース300aは、実施形態1のネットワーク200、データベース300と同様の構成である。そして、サーバ装置200aは実施形態1のサーバ装置200にタッチパネルユニット160aを追加したものと同様の構成である。
【0036】
タッチパネルユニット160aは、サーバ装置200aを作業者が操作するためのユニットであり、受信部161aと、電子ペーパー163aと、送信部165aと、タッチパネル167aと、から構成される。また、タッチパネルユニット160aには、電源ユニット80aから電力が供給される。
【0037】
受信部161aは、電子ペーパー163aに表示する内容をCPU10aから受信し、電子ペーパー163aに転送する。表示内容は、キーボードや操作ボタン等の操作用インターフェース、又は異常情報、或いは修理交換作業情報である。
【0038】
送信部165aは、タッチパネル167aから、作業者が押下した座標を特定するアナログ信号を受信し、これをデジタル信号に変換してCPU10aへ送信する。
【0039】
タッチパネル167aは、透明の抵抗膜方式のタッチパネルであり、作業者が物理的にタッチパネル167aを押下すると、押下した座標を特定するアナログ信号を操作信号として送信部165aへ送信する。このタッチパネル167aは、電子ペーパー163aと一体に成形されている。タッチパネル167aは透明であるから、作業者はタッチパネル167aを通して電子ペーパー163aの表示内容を視認できる。
【0040】
図6に示すように、タッチパネルユニット160aは筐体100aの上面に貼り付けられている。
【0041】
図7にCPU10aの実行する、サーバ装置200aの異常情報表示処理のフローチャートを示す。電源ユニット80aから電力が供給されると、CPU10aは、プログラム記憶部30aから制御プログラムを読み出して繰り返し実行する。この制御プログラムのメインフローの中で、センサ60aがサーバ装置200内の異常を検出した場合又はタッチパネルユニット160aの操作が行われた場合、CPU10は図3に示す、異常情報表示処理を開始する。
【0042】
CPU10aは、作業者がタッチパネルユニット160aの操作を行ったか否かを判別する(ステップT11)。タッチパネルユニット160aから、作業者の操作信号を受信したのであれば(ステップT11:YES)、CPU10aは、作業者により指定された異常情報を検索対象とする(ステップT13)。作業者はタッチパネル167aを操作することで、所望の異常情報を指定する。例えば、作業者が電源ユニットの異常に対応する修理交換作業について調べたい場合、異常情報として「電源ユニット異常」を、キーボード等のインターフェースを介して入力する。すると、CPU10は入力された異常情報を検索対象とする。
【0043】
作業者がタッチパネルユニット160aの操作を行っていないのであれば(ステップT11:NO)、CPU10aは、センサ60が検出した、サーバ装置200を構成する機器の異常を示す異常情報を検索対象とする(ステップT20)。ステップT13又はステップT20の後、CPU10aはステップT30の処理を行う。ステップT30からステップT70までの処理の内容は、実施形態1に係るステップS30からステップS70までの処理と同様である。
【0044】
図7に示す処理を行うことにより、サーバ管理システムを構成する機器に異常が発生した場合、サーバ装置200aは電子ペーパー163aに、異常情報又は修理交換作業情報を表示する。また、作業者は、タッチパネルを操作することで、電子ペーパー163aに所望の異常情報又は修理交換作業情報を表示させることができる。
【0045】
本実施形態では、作業者はタッチパネル上の仮想のキーボードや操作ボタンの操作によりサーバ装置200aを操作するので、物理的なキーボードや操作ボタンを必要としない。また、タッチパネルに異常情報又は修理交換作業情報を表示させるので液晶ディスプレイ等のモニタを必要としない。そのため、物理的なキーボード、操作ボタン、モニタ等のための空間を設ける必要が無く、空間を有効に使うことができる。
【0046】
[実施形態3]
図8及び図9を参照して実施形態3に係るサーバ装置200bについて詳細に説明する。図8に示すように、本実施形態に係るサーバ装置200bは筐体100bと、電子ペーパーユニット150bと、タッチパネルユニット160bと、から構成される。電子ペーパーユニット150bの構成は実施形態1に係る電子ペーパーユニット150と同様である。タッチパネルユニット160bの構成は実施形態2に係るタッチパネルユニット160aと同様である。
【0047】
サーバ装置200bは、電子ペーパーユニット150bを少なくとも1以上備える。これらの電子ペーパーユニット150bはサーバ装置200bを構成する機器や部品に貼り付けられている。大きさは貼り付ける対象により異なる。そして、これらの機器や部品の製品情報を表示するラベルとして使用される。ここで製品情報とは、機器や部品の製造会社名、販売会社名、品名、部品番号、製造番号、版数、適合規格などの機器や部品に関する情報である。
【0048】
筐体100bは、システムボード50bと、磁気ディスク装置70bと、電源ユニット80bと、電源制御回路90bと、を納めている。筐体100bは、実施形態1に係る筐体100よりセンサ60を取り除いた構成と同様である。但し、磁気ディスク装置70bは修理交換作業情報でなく、製品情報を格納する。
【0049】
図9に、CPU10bの実行する、製品情報更新処理のフローチャートを示す。電源ユニット80bから電力が供給されると、CPU10bは、プログラム記憶部30bから装置200bの制御プログラムを読み出して実行する。この制御プログラムのメインフローの中で、CPU10bは、磁気ディスク60bから製品情報を読み出して電子ペーパー150bに表示させ、また、タッチパネルユニット160bの操作が行われた場合、CPU10は図9に示す、製品情報更新処理を開始する。
【0050】
CPU10bは、作業者によるタッチパネルユニット160bの操作に従って磁気ディスク装置70bに格納されている製品情報を更新する(ステップU20)。
【0051】
ステップU20での更新の後、CPU10bは磁気ディスク60bから更新後の製品情報を読み出して電子ペーパー150bに表示させ(ステップU30)、メインフローに処理を移行する。
【0052】
図9に示す処理を行うことにより、作業者は、タッチパネルを操作することで、電子ペーパー163bに表示される製品情報を更新することができる。
【0053】
紙製のラベルに製品情報を記載していた従来のサーバ装置では、国内向け自社製品として組み上げたサーバ装置を海外向け自社製品として組み直す場合などに、製品情報を記載した紙製のラベルを貼り直すことで製品情報を更新する必要があった。これに対し、本実施形態では、電子ペーパーをラベルとして使用しているので、製品情報を更新する際にラベルを貼り替える手間が無い。そのため、紙製のラベルを貼り替える際の貼り忘れや貼り間違いといったミスを防ぐことができ、サーバ管理が容易となる。
【0054】
なお、実施形態1では、システムボード50をサーバ装置200の筐体100内に組み込む構成とし、また、サーバ装置200の主機能を実現するとしているが、サーバ装置200の主機能から独立してサーバ管理コントローラの機能のみ実現したものでもよいし、筐体100と物理的に分離した別の筐体に納め、筐体100とはRS−232Cなどのインターフェースで接続する構成としてもよい。また、システムボード50上の回路で実現するサーバ管理コントローラとしての機能は、システムボード50上に設けられた半導体部品で実現してもよいし、或いはサーバ装置200と独立したサーバ管理用の装置を別に設け、この装置上で実現する構成としてもよい。実施形態2、3についても同様である。
【0055】
実施形態1での、磁気ディスク装置70の格納する修理交換作業テーブルは、データベース300に格納された修理交換作業情報と全く同じものでなく、より簡略化された内容であってもよい。また、磁気ディスク装置70は、磁気テープ、フラッシュメモリ等、他の記憶手段に置き換えてもよい。
【0056】
実施形態1での電子ペーパー153は、電気的に書き換えることができ、電源を供給しなくとも表示内容を保持できる特性を持ったディスプレイであれば、その種類は問わない。例えばツイストボール方式の電子ペーパーであってもよい。実施形態2、3についても同様である。
【0057】
実施形態1の電子ペーパーユニット150について、本実施形態ではトップカバー110に電子ペーパーユニット150を貼り付ける構成としているが、筐体100の別の場所に貼り付けてもよいし、筐体100から離れた、作業者が見やすい場所に設置してもよい。また、装置200は電子ペーパーユニット150を1枚に限らず、複数枚備えてもよい。
【0058】
実施形態1にかかるサーバ管理システムはデータベース300を備えているが、データベースを備えない構成としてもよい。具体的には、図1に示したサーバ管理システムがデータベース300を備えず、図3に示したフローチャートにおいて、CPU10はステップS20の後、ステップS30及びステップS40の処理を行わず、ステップS50の処理を行う構成であってもよい。
【0059】
実施形態2のタッチパネル167aは、一体成形でなく、単に接着剤等を用いて電子ペーパーと貼り合わせる構造であってもよいし、抵抗膜方式のみならず、超音波式、静電容量式等、他の方式でもよいのは勿論である。
【0060】
実施形態2のタッチパネルユニット160aは、本実施形態では、筐体100aの上面に貼り付ける構成としているが、筐体100aから離れた操作しやすい場所にタッチパネルユニット160aを配置する構成としてもよい。
【0061】
実施形態2では、実施形態1に係る電子ペーパーユニット150と同様の電子ペーパーユニットをさらに備え、異常情報及び修理交換作業情報をCPU10aがタッチパネルユニット160aでなく、別途設けた電子ペーパーユニットに表示させる構成としてよい。そして、タッチパネルユニット160aは物理的なキーボードに代替するものであるから、異常情報に対応する修理交換作業情報の検索のみならず、サーバ装置200aの操作全般を行うことができる。そして、タッチパネルユニット160aは1枚に限らず複数枚備えてもよい。
【0062】
実施形態3では、サーバ装置200bは、装置に備えられたタッチパネルの操作により機器や部品の製品情報を更新しているが、遠隔地に備えられた入力手段により、ネットワークを経由して、製品情報を更新する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】実施形態1に係るサーバ管理システムの全体図である。
【図2】実施形態1に係る電子ペーパーユニット及び筐体の斜視図である。
【図3】実施形態1に係るサーバ装置の異常情報表示処理を示すフローチャートである。
【図4】実施形態1に係る修理交換作業テーブルの構成の一例である。
【図5】実施形態2に係るサーバ管理システムの全体図である。
【図6】実施形態2に係るタッチパネルユニット及び筐体の斜視図である。
【図7】実施形態2に係るサーバ装置の異常情報表示処理を示すフローチャートである。
【図8】実施形態3に係るサーバ装置の全体図である。
【図9】実施形態3に係るサーバ装置の製品情報更新処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
10 CPU
20 主記憶装置
30 プログラム記憶部
40 LANコントローラ
50 システムボード
60 センサ
70 磁気ディスク装置
80 電源ユニット
90 電源制御回路
100 筐体
110 トップカバー
150 電子ペーパーユニット
200 サーバ装置
250 ネットワーク
300 データベース
160a タッチパネルユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示媒体を備えたコンピュータ装置であって、
電気的に書き換え可能で、電力が供給されない状態で表示内容を保持する表示媒体を備える表示装置と、
このコンピュータ装置で発生した異常を示す異常情報を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した異常への対処方法を特定する情報を取得する対処情報取得手段と、
前記検出手段が検出した異常を特定する情報と前記対処情報取得手段で取得した対処情報とを前記表示媒体に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項2】
このコンピュータ装置で発生する複数の異常と該異常が発生したときに施す対処方法を表す情報とを対応付けて記憶する記憶手段を内部又は外部に備え、
前記表示制御手段は、前記記憶手段から異常に対応する対処方法を示す情報を取得する手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、対処情報を階層化して記憶しており、
前記表示媒体に表示させた対処情報のうちの何れかを指定する指定手段を備え、
前記表示制御手段は、前記指定手段で指定された対処情報の下位階層の情報を読み出して前記表示媒体に表示させる、
ことを特徴とする請求項2に記載のコンピュータ装置。
【請求項4】
前記表示媒体に表示させた対処情報のうちの何れかを指定する指定手段を備え、
前記対処情報は、タイトルと詳細情報とから構成され、
前記表示制御手段は、前記異常に対応する対処情報のタイトルを前記表示媒体に表示し、前記指定手段によりタイトルが指定されたときに、対応する詳細情報を前記表示媒体に表示する、
ことを特徴とする請求項2に記載のコンピュータ装置。
【請求項5】
表示媒体を備えたコンピュータ装置であって、
電気的に書き換え可能で、電力が供給されない状態で表示内容を保持する表示媒体を備える表示装置と、
このコンピュータ装置の内部又は外部に備えられた、前記コンピュータ装置内の機器の製品を特定する製品情報を記憶する製品情報記憶手段と、
前記製品情報記憶手段に記憶された前記製品情報を更新する更新手段と、
前記製品情報記憶手段から読み出した前記製品情報を前記表示媒体に表示させる製品情報表示手段と、
を備えることを特徴とするコンピュータ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−158789(P2008−158789A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−346524(P2006−346524)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】