説明

コンベアベルトアセンブリ

コンベアベルトアッセンブリは、物品を移動させるコンベアベルトと、モータにより駆動する駆動プーリと、非駆動プーリと、を備える。コンベアベルトは、エッジに近接してコンベアベルトの内側面上に設けられたVベルトを備える。各Vベルトは、駆動プーリおよび非駆動プーリの溝に受容される。Vベルトが溝に係合することにより、使用中にコンベアベルトが横方向に移動しなくなる。また、コンベアベルトは、コンベアベルトの対向するエッジを覆うように配設されたエッジシールを備える。別の実施例として、コンベアベルトアッセンブリは、互いに押圧され、かつギャップにより隔てられた2つのコンベアベルトアッセンブリを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を移動させるために用いられるとともに、コンベアベルトの横方向の移動を防止するVベルトを備えたコンベアベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
コンベアベルトは、種々の環境で利用される。例えば、一方の場所から他方の場所に商品、荷物または部品をそれぞれ移動させるために、小売店、空港または工場などで利用されている。また、コンベアベルトは、食物を調理するようにグリルに用いられている。食物はオペレータにより手でコンベアベルト上に置かれる。コンベアベルトの下に配置されたヒータ上をコンベアベルトが移動する際に、食物が加熱調理される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
コンベアベルトが移動する際に、コンベアベルトは、プーリから横方向に移動して滑り落ちてしまう場合がある。従来では、コンベアベルトの張力を調節して適切な張力にするために、種々の装置が用いられている。調節機構は、コンベアベルトの横方向の移動を防ぐように用いられている。しかし、従来の調節機構は、複雑であるという欠点を有する。コンベアベルトがプーリから横方向に移動するのを感知するセンサが必要とされる。その後、調節機構によってコンベアベルトが適切な位置に移動する。
【0004】
したがって、複雑な調節機構が不要であり、かつプーリから横方向に移動して滑り落ちることのないコンベアベルトが要求される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
コンベアベルトアッセンブリは、物品を移動させるように表面上を移動可能なコンベアベルトを備える。コンベアベルトアッセンブリは、駆動プーリおよび非駆動プーリを備える。コンベアベルトが表面上を移動するように、駆動モータにより駆動プーリが駆動する。
【0006】
コンベアベルトは、コンベアベルトのエッジに近接してコンベアベルトの内側面上に設けられたVベルトを備える。Vベルトは、コンベアベルトの内側面全体に亘って連続的に延びている。各Vベルトは、駆動プーリおよび非駆動プーリの溝に受容される。Vベルトが溝に係合することにより、コンベアベルトアッセンブリの使用時にコンベアベルトが横方向に移動しなくなる。また、コンベアベルトは、コンベアベルトの両エッジを覆うように配設されるとともにコンベアベルトの外側エッジに沿って連続的に延びるエッジシールを備える。
【0007】
別の実施例として、コンベアベルトアッセンブリは、ギャップにより隔てられた2つのコンベアベルトアッセンブリを備える。本実施例においては、2つのコンベアベルトのエッジシールが接点で接触して、これにより、ギャップ内の材料の漏出を防止するシールが形成される。
【0008】
本発明の上記および他の特徴は、以下の明細書および図面により明らかになるであろう。
【0009】
本発明の特徴および利点は、現在の好ましい実施例の詳細な説明によって当業者に明らかになるであろう。詳細な説明に付随する図面を以下に簡単に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1では、本発明のコンベアベルトアッセンブリ20が概略的に図示されている。コンベアベルトアッセンブリ20は、物品26を移動させるように表面24上を移動可能なコンベアベルト22を備える。コンベアベルトアッセンブリ20は、駆動プーリ28および非駆動プーリ30を備える。コンベアベルト22が表面24上を移動するように、駆動モータ32により駆動プーリ28が駆動する。
【0011】
図2では、駆動プーリ28およびコンベアベルト22の概略的な断面図が示されている。駆動プーリ28だけを図示、説明しているが、非駆動プーリ30が同様の特徴を備えるとともに同様の方法で作動することを理解されたい。
【0012】
コンベアベルト22は、コンベアベルト22の内側面36上にVベルト34を備える。好ましくは、Vベルト34はコンベアベルト22の対向するエッジ38の各々に近接する。一実施例においては、Vベルト34は、接着剤でコンベアベルト22に固定される。Vベルト34は、コンベアベルト22の内側面36全体に沿って連続的に延びている。つまり、Vベルト34は、エンドレス部材である。
【0013】
各Vベルト34は、駆動プーリ28の溝40に受容される。また、各Vベルト34は、非駆動プーリ30の溝40(図示せず)に受容される。溝40は、Vベルト34を受容するサイズおよび形状を有し、それにより、コンベアベルト22がプーリ28,30上に保持される。Vベルト34が溝40に係合することにより、コンベアベルトアッセンブリ20の運転中におけるコンベアベルト22の横方向の移動が防止される。Vベルト34および溝40が台形であることが望ましい。しかし、他の形状であってもよいことを理解されたい。
【0014】
また、さらに図3で図示するように、コンベアベルト22は、コンベアベルト22の対向する両エッジ38を覆うように配設されたエッジシール42を備える。エッジシール42は、コンベアベルト22の内側面36および外側面37に接触する。エッジシール42により、コンベアベルト22の表面上の材料が該表面から漏出または流出しなくなる。エッジシール42は、コンベアベルト22の外側エッジ38全体に亘って延びている。つまり、エッジシール42は、エンドレス部材である。
【0015】
一実施例においては、食物を調理するグリルつまり加熱コンポーネント上にコンベアベルト22を用いることができる。食物がコンベアベルト22に沿って移動する際に、加熱エレメントにより食物が加熱調理される。エッジシール42により、調理中に生じるグリースがコンベアベルト22の表面から漏出したり、こぼれ落ちたりしなくなる。
【0016】
コンベアベルト22をグリルとともに用いる場合には、コンベアベルト22は、低熱膨張率を有する適切な材料により製造されることが望ましい。一実施例においては、コンベアベルト22は、非粘着性のコーティングが施されたインバー(登録商標、Imphy S.A.Corporation(フランス、パリ)から市販されている)から製造される。インバー(登録商標)は、鉄およびニッケル36%からなる合金であり、微量元素を含んでいてもよい。一実施例では、インバー(登録商標)に施された非粘着性のコーティングは、テフロン(登録商標、E.I.DuPont Nemours and Company Corporation(米国デラウェア州ウィルミングトン)から市販されている)である。インバー(登録商標)は、低熱膨張率を有するため、加熱されてもほとんど膨張しない。インバー(登録商標)を開示したが、低熱膨張率を有する他の材料を用いてもよいことを理解されるであろう。
【0017】
図4では、コンベアベルトアッセンブリ120の別の実施例が図示されており、コンベアベルトアッセンブリ120は、ギャップ150により隔てられた2つのコンベアベルトアッセンブリ121a,121bを備える。コンベアベルト122a,122bの各々は、それぞれ表面124a,124b上を移動可能である。
【0018】
コンベアベルトアッセンブリアッセンブリ121a,121bの各々は、駆動プーリ128a,128bおよび非駆動プーリ130a,130bをそれぞれ備える。駆動プーリ128a,128bは、コンベアベルト122a,122bをそれぞれ移動させるように駆動モータ132a,132bにより駆動する。駆動コントローラ152により、コンベアベルト122a,122bの速度を同調させるように駆動モータ132a,132bにコントロール信号が送られる。物品126は、コンベアベルトアッセンブリ121a,121bの間のギャップ150を移動する。
【0019】
図5では、コンベアベルトアッセンブリ120のコンベアベルト122a,122bの断面図が概略的に図示されている。各コンベアベルト122a,122bは、コンベアベルト122a,122bの対向するエッジ138a,138bにそれぞれ近接するVベルト134a,134bをそれぞれ備える。Vベルト134a,134bは、コンベアベルト122a,122bの内側面136a,136b全体に沿ってそれぞれ連続的に延びている。つまり、Vベルト134a,134bは、エンドレス部材である。
【0020】
各Vベルト134a,134bは、駆動プーリ128a,128bの溝140a,140bおよび非駆動プーリ130a,130bの溝(図示せず)にそれぞれ受容される。溝140a,140bは、Vベルト134a,134bを受容するサイズおよび形状を有しており、これにより、コンベアベルト122a,122bが各プーリ128a,128b,130a,130b上に保持される。Vベルト134a,134bが溝140a,140bに係合することにより、コンベアベルトアッセンブリ120の運転時にコンベアベルト122a,122bが横方向に移動しなくなる。Vベルト134a,134bおよび溝140a,140bは、台形であることが望ましい。コンベアベルト122a,122bがグリルコンポーネントとともに用いられる場合には、Vベルト134a,134bにより、ギャップ150内のグリースおよび水がコンベアベルト122a,122bの外側面137a,137bに流出しないように防止される。
【0021】
また、各コンベアベルト122a,122bは、コンベアベルト122a,122bの対向する両エッジ138a,138bを覆うように配設されたエッジシール142a,142bをそれぞれ備える。また、エッジシール142a,142bは、コンベアベルト122a,122bの内側面136a,136bおよび外側面137a,137bに接触する。エッジシール142a,142bは、エンドレス部材である。
【0022】
コンベアベルトアッセンブリ122a,122bが互いに押圧されると、接点154においてエッジシール142a,142bが接触し、それにより、材料がギャップ150からの漏出、あるいはギャップ150への漏出を防ぐシールが形成される。コンベアベルトアッセンブリ122a,122bがグリルコンポーネントとともに用いられる場合には、エッジシール142a,142bにより、スチーム、蒸気およびグリースがギャップ150から周囲の空気に漏出しないように防止される。
【0023】
コンベアベルトアッセンブリ120は、2002年4月17日に出願され、同時係属中の特許出願番号10/124,629(名称:自動グリル)に記載された垂直グリルなどのグリルとともに用いられ得る。また、コンベアベルトアッセンブリ120は、2003年12月2日に出願され、同時係属中の特許出願番号10/726,017および代理人整理番号60246−197(名称:グリルコンポーネント)に記載されたようなグリルコンポーネントとともに用いられ得る。
【0024】
前述の記載は、本発明の原理を例示するものである。上記の教示を踏まえて種々の変更および改良が可能である。その他の場合には、本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内で、具体的に記載された例示的な実施例を用いて実施される。したがって、本発明の真の範囲および内容を決定するように添付の特許請求の範囲を検討されたい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のコンベアベルトアッセンブリの概略側面図。
【図2】グリルコンポーネントのコンベアベルトアッセンブリを示す概略断面図。
【図3】本発明のコンベアベルトの概略上面図。
【図4】本発明のコンベアベルトアッセンブリの別の実施例の概略図。
【図5】本発明のコンベアベルトアッセンブリの別の実施例の概略断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側面、外側面および一対のエッジを有するエンドレス部材と、
前記エンドレス部材の前記内側面上に固定された少なくとも1つのベルトと、
前記一対のエッジの少なくとも一方に配設された少なくとも1つのシールと、
を備えるエンドレス部材アセンブリ。
【請求項2】
前記エンドレス部材がコンベアベルトであることを特徴とする請求項1に記載のエンドレス部材アセンブリ。
【請求項3】
前記エンドレス部材が鉄およびニッケル36%を含有する合金であることを特徴とする請求項1に記載のエンドレス部材アセンブリ。
【請求項4】
前記エンドレス部材が非粘着性のコーティングをさらに有することを特徴とする請求項3に記載のエンドレス部材アセンブリ。
【請求項5】
駆動プーリ溝を有する駆動プーリと、非駆動プーリ溝を有する非駆動プーリと、をさらに備え、前記少なくとも1つのベルトが、前記駆動プーリ溝および前記非駆動プーリ溝の少なくとも一方に受容されることを特徴とする請求項1に記載のエンドレス部材アセンブリ。
【請求項6】
前記駆動プーリ溝および前記非駆動プーリ溝の前記少なくとも一方が実質的に台形であり、前記少なくとも1つのベルトが実質的に台形であることを特徴とする請求項5に記載のエンドレス部材アセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのベルトが、前記一対のエッジの少なくとも一方に近接することを特徴とする請求項1に記載のエンドレス部材アセンブリ。
【請求項8】
2つの前記ベルトをさらに備え、前記2つの前記ベルトの各々が、前記一対のエッジの一方に近接することを特徴とする請求項1に記載のエンドレス部材アセンブリ。
【請求項9】
2つの前記シールをさらに備え、前記2つの前記シールの各々が、前記一対のエッジの一方に配設されることを特徴とする請求項1に記載のエンドレス部材アセンブリ。
【請求項10】
第1の内側面、第1の外側面および一対の第1のエッジを有する第1のエンドレス部材と、
前記第1のエンドレス部材の前記第1の内側面上に配設されるとともに、前記一対の第1のエッジの各々にそれぞれ近接する2つの第1のベルトと、
前記一対の第1のエッジにそれぞれ配設された2つの第1のシールと、
前記エンドレス部材を駆動させる第1の駆動プーリと、
第1の非駆動プーリと、
を備える第1のエンドレス部材アッセンブリと、
第2の内側面、第2の外側面および一対の第2のエッジを有する第2のエンドレス部材と、
前記第2のエンドレス部材の前記第2の内側面上に配設されるとともに、前記一対の第2のエッジの各々にそれぞれ近接する2つの第2のベルトと、
前記一対の第2のエッジにそれぞれ配設された2つの第2のシールと、
前記エンドレス部材を駆動させる第2の駆動プーリと、
第2の非駆動プーリと、
を備える第2のエンドレス部材アッセンブリと、
前記第1のエンドレス部材アッセンブリと前記第2のエンドレス部材アッセンブリとの間のギャップと、
を備えるエンドレス部材アセンブリ。
【請求項11】
前記第1のエンドレス部材および前記第2のエンドレス部材がコンベアベルトであることを特徴とする請求項10に記載のエンドレス部材アセンブリ。
【請求項12】
前記2つの第1のベルトが前記一対の第1のエッジに近接し、前記2つの第2のベルトが前記一対の第2のエッジに近接することを特徴とする請求項10に記載のエンドレス部材アセンブリ。
【請求項13】
前記第1のエンドレス部材の前記2つの第1のシールと、前記第2のエンドレス部材の前記2つの第2のシールが接点において接触することを特徴とする請求項10に記載のエンドレス部材アセンブリ。
【請求項14】
前記第1の駆動プーリが第1の駆動溝をさらに備え、前記第2の駆動プーリが第2の駆動溝をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載のエンドレス部材アセンブリ。
【請求項15】
前記第1の非駆動プーリが第1の非駆動溝をさらに備え、前記第2の非駆動プーリが第2の非駆動溝をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載のエンドレス部材アセンブリ。
【請求項16】
前記2つの第1のベルトが、前記第1の駆動溝および前記第1の非駆動溝に係合し、前記2つの第2のベルトが、前記第2の駆動溝および前記第2の非駆動溝に係合することを特徴とする請求項16に記載のエンドレス部材アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−513035(P2007−513035A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542855(P2006−542855)
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/040783
【国際公開番号】WO2005/056437
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(596048880)キャリア・コマーシャル・リフリージレーション・インコーポレーテッド (20)
【出願人】(504386244)マクドナルズ・コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】