説明

コンベア上の軌道の調整装置

本発明は、軌道を調整する装置であって、複数の軌道(1)の幅を同時に調整するように壁(11)を移動させる機構を有する装置に関する。装置は、軌道(1)をコンベアの長手方向中央軸に対して横方向にずらす手段も有する。この手段は、壁(11)の支持構造と壁(11)の移動手段との間に配置されたキャリッジ(39)を有し、キャリッジ(39)は、一組の軌道(1)の幅を変更せずに軌道(1)を横方向にずらすように、適切な手段を用いて横方向に移動可能であり、かつ各支持構造に設けられた滑り路システムによって案内される。上記の構成により、列数が偶数から奇数へと切り換わることがあるボトルまたは他の物体の列を、必要に応じて案内することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばボトルなどの物体を案内する、コンベアを横切って配置されるレーンの調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなレーンは、製品または物体がいくつかの軌道に沿って到着する必要のあるあらゆる用途で使用される。従って、例えば、このようなレーンは、ボトルなどの物体を箱詰め及び/またはペレット詰めする装置で使用される。このようなレーンは、これらのボトルをいくつかの列に正確に位置させることができ、従って、例えば適切な取り扱い工具を用いてボトルを取り出すことができる。
【0003】
このような装置を多目的化するには、レーンの幅を、様々な形式の物体、特に箱詰め及び/またはペレット詰めされるボトルに適合するように変更できるのが有利である。
【0004】
欧州特許第1507722号明細書は、ボトル、缶などを搬送するコンベア上のレーンの幅を任意にかつ同時に調整することを可能にする装置を記載している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、この種の設備の汎用性を向上させる、この種の設備の改良を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるレーン調整装置は、一方では、上述の文献に記載されているように、複数のレーンを区画する複数の壁を移動させる機構を有し、機構は、複数の壁に作用してレーンの幅を同時に調整する連携された駆動システムからなり、複数の壁が、コンベアと一体化された複数の支持構造に固定された複数の横方向滑り路で案内され、コンベアの長手方向中央軸に対して横方向に複数のレーンを移動させる移動手段を有し、移動手段は、支持構造と複数の壁を駆動する連携された駆動システムとの間に挿入され複数の壁の支持構造毎に設けられたキャリッジ状支持体からなり、複数のキャリッジは、レーンの幅を変えずにすべてのレーンを横方向に移動させるように、適切な手段の作用の下で移動することができ、それによって、必要に応じて、列数が偶数から奇数へと切り換わることがあるボトルなどの列を案内することができる。
【0007】
このような設備の汎用性を向上させるだけでなく、レーンの位置を、集中制御によって、横方向に、極めて迅速かつ容易に調整することができる。
【0008】
本発明の他の構成によれば、レーンの横方向位置を調整する装置は、複数の支持構造のところに位置する複数のキャリッジを同時に移動させる移動機構を有し、移動機構は、キャリッジ同士を連結し、すべてのレーンの横方向位置をコンベアの中央対称軸に対して一括して調整することのできる、軸の形状の連結手段を有する。
【0009】
さらに、本発明によれば、各キャリッジを移動させる移動機構は、キャリッジ上に位置するラックと、軸のシステムを介して各キャリッジに作用する制御部材によって駆動されるピニオンと、からなり、軸は、例えばレーンの一つで問題が生じたときにレーンへの操作員のアクセスを妨げないように横方向に位置している。
【0010】
本発明の他の構成によれば、レーンの幅を調整することができる壁の駆動システムは、キャリッジに取り付けられた2つのラップアラウンドホイールの間に張られた無端ベルトまたは無端チェーンを有し、チェーンは、キャリッジ上に直接位置する適切な手段によって駆動され、チェーンの2つのストランドは、壁を案内する滑り路システムに平行であり、チェーンの2つのストランドはそれぞれ、チェーンによって駆動される、マスタ壁と呼ばれる壁の一つに固定されており、マスタ壁と呼ばれる壁は、複数の壁の離隔距離を調整するシステムによって他の壁を駆動する。
【0011】
さらに、本発明によれば、複数の壁の離隔距離を調整するシステムは、複数の壁の一つに連結されたレバーと、レバーと他の壁の各々との間に挿入された、互いに平行なリンクロッドと、を有し、リンクロッドは、レバーと共に、相似三角形の二辺を形成し、コンベアの長手方向軸と直交する同一鉛直平面内に位置している。
【0012】
この調整装置は、各レーンの位置及び幅を、これらのレーンを構成する可動壁の操作に関してなんらの手間なく、極めて簡単に、かつ、とりわけ人間工学的に、任意に変更することを可能にする。
【0013】
この装置は、各レーンの調整精度を高め、かつ一般に、ミスの恐れなく設備を完全に安全に動作させることができるという利点も有する。
【0014】
本発明の他の構成によれば、複数の壁を支持する各支持構造は、複数の壁を案内し移動させるすべての機構を収納するボックス構造を有し、ボックス構造は、コンベア上の横方向に位置する縦材に連結され、縦材と共に、コンベアの上方に位置する一種の門型フレームを形成しており、門型フレームは、回収ステーションの両側に位置し、補助門型フレームは、上流側の、レーンの入口に位置している。
【0015】
さらに、本発明によれば、各キャリッジは、支持構造のボックス構造のリムに沿って案内され、案内は、リムに形成された水平方向長穴と、キャリッジに固定された滑り金と、によって行われる。
【0016】
本発明の他の構造によれば、調整機構は、キャリッジを移動させる軸システムと壁を移動させる軸システムの2つの軸システムを有し、軸システムはそれぞれ、2つの門型フレームの間を延びるマスタ軸と、対応する無端チェーンによって対応するマスタ軸に連結された従動軸と、を有し、各軸は一般に、操作員の各レーンへのアクセスを妨げない横方向の位置にある。
【0017】
さらに、本発明によれば、各壁は、互いに連結された2つの部分、すなわち、回収ステーションのところに位置する下流側部分と、鉛直軸の周りで下流側部分と連結され、隣接する上流側部分と共に、一種の口部または漏斗状部分を形成する上流側部分と、を有し、上流側部分は、壁を駆動する駆動システムによってその上流側端部で操作され、上流側部分を駆動する駆動システムは、上流側部分の入り口がより広い間隔となるように、最初から設定を異ならせることによって、下流側部分を駆動する他の駆動システムと位相がずらされている。
【0018】
本発明の他の構成によれば、壁の幅を調整する調整システムは、1枚の側壁の位置を迅速に変更し側壁を引き込む手段を有し、側壁を引き込む手段は、特にレバー上の、対応するリンクロッドの端部に位置しており、レバーは、リンクロッドに形成された切り欠きに係合する押しボタンを有し、リンクロッドは、最初の設定に容易に戻るのを可能にするエンドストップをさらに有している。
【0019】
本発明を、以下の記述及び一例として与えられた添付の図面によって、詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、例えば無端ベルト型コンベア(3)などのコンベア(2)の端部に設置されたレーン(1)のシステムを示している。1つだけ図示されている上部ストランドがボトル(4)などの物体を支持し搬送し、ボトル(4)は、複数のレーン(1)に沿って、矢印(5)で示される方向に進行する。
【0021】
コンベアベルトは、コンベア(2)の全体構造の一部を形成する台板(6)の上を滑動する。コンベアベルトは、コンベア(3)の下流側端部の、コンベア構造の一方の側面(8)に位置する歯車モータユニット(7)を用いて、従来の方法に従って駆動される。
【0022】
このレーンシステムは、一般に、例えばボトル(4)を箱詰め及び/またはパレット詰めする設備の、回収ステーション(10)に位置している。このステーション(10)では、図1,2に示すように、ボトル(4)は、例えば、ヘッドがハンドリング工具または他の何らかの工具と組み合わされたグリッパヘッド型の図示しない適切な手段に渡されるように整列させられる。
【0023】
図1,2では、レーン(1)のシステムは、コンベアベルト(3)の上方の鉛直面内を回収ステーション(10)の全長にわたって、場合によってはそのかなり上流側まで延びる、金属その他の材料で作られたプレート形状の複数の壁(11)からなっている。
【0024】
これらの複数の壁(11)は、門型フレーム形状の構造体で支持されており、図示の例では、コンベア及び回収ステーション(10)の下流側端部に位置する門型フレーム(12)と、回収ステーション(10)のすぐ上流側に位置する門型フレーム(13)と、門型フレーム(13)の上流側に位置し、入口門型フレームと呼ばれる補助門型フレーム(14)と、が設けられている。
【0025】
これらの様々な門型フレーム(12,13,14)は、複数の壁(11)を支持し、その間隔を維持するように構成されている。門型フレームはさらに、各レーンの幅を調整する手段、すなわち、様々な形式のボトル(4)に設備を容易に適合させるように壁(11)同士の間の離隔距離を調整することを可能にする手段と、レーン間の幅を変更せずにレーンを形成する壁(11)を一斉にコンベアの中央鉛直面に対して横方向に移動させる手段と、を有している。この構成によって、グリッパヘッドの位置を変更する場合に、レーンの位置をグリッパヘッドに対して調整することが可能となる。
【0026】
各門型フレーム(12,13,14)は、壁(11)を案内し移動させる様々な手段を含みコンベア(2)の上方を横方向に延びるボックス構造(15)と、コンベア(2)構造の側面(8)から鉛直方向に延びる縦材(17,18)と、で構成されている。
【0027】
上流側の門型フレーム(13,14)の高さは、コンベア(2)上にあるボトル(4)の高さに応じて選択される。下流側の門型フレーム(12)の高さは、このフレームが、回収ステーション(10)において空間を占有することのないように単に壁(11)の端部の上方に位置しているだけであるため、上流側の門型フレームとは異なっている。
【0028】
図1,2から、縦材(18)がコンベアの側面(8)から横方向にずれており、縦材(18)が取り付けブラケット(19)で側面に固定されていることがわかるであろう。この横方向のずれは、壁(11)を制御するための以下に述べる様々な手段が設けられていることによって生じている。
【0029】
各壁(11)は、複数のボックス構造(15)に組み込まれた滑り路システムによって支持され案内される。滑り路システムについては、図3,5,7〜9に関連して以下に詳述する。各壁(11)は、制御部材(21)によって作動させられる移動機構にも固定されている。この制御部材(21)は、壁同士の離隔距離の調整を可能にし、その結果、各レーンの幅の調整を可能にする。
【0030】
各壁(11)はまた、各レーン(1)の横方向位置、すなわち、コンベアの中央長手方向面及びコンベア軸に対する各レーン(1)の位置を調整することができる第2の制御部材(22)の作用を受ける。この部材(22)は、各レーンの幅を変更せずにすべてのレーン(1)を横方向に移動させることができ、偶数列から奇数列へ切り換わるなどにより列数が変わることのあるボトル等の列を必要に応じて案内することができる。
【0031】
これらの2つの部材(21,22)は、門型フレーム(14)で一つにまとめられている。2つの部材(21,22)はまた、門型フレーム(13,12)の間を延びる2つの軸システムを介して、門型フレーム(13,12)に作用する。つまり、図1,2には、
−上流側の門型フレーム(13,14)間に位置する軸(23)と、ケーシング(25)の内部に位置する無端チェーンによって軸(23)に連結され、ステーション(10)の全長にわたって門型フレーム(12,13)の間を延びる軸(24)と、からなる第1の軸システムと、
−同様に門型フレーム(13,14)間に位置する軸(26)と、無端チェーン(28)によって軸(26)に連結され、上流側の門型フレーム(14)と下流側の門型フレーム(12)との間を延びる軸(27)と、を有する第2の軸システムと、
が示されている。
【0032】
これらの様々な軸システムは、操作員が各レーンにアクセスするのを妨げないように横方向に位置している。軸システムについても、以下に、特に図4に関連して詳述する。
【0033】
門型フレーム(12,13,14)の各ボックス構造(15)は、壁(11)を移動させる様々な手段、特に、これらの複数の壁同士の離隔距離を相互に調整するシステム(30)を含んでいる。
【0034】
この調整システム(30)は、全体が容易に理解できるように、他の制御手段と共に、図3に機能ブロック図の形で示されている。
【0035】
図3はさらに、ボックス構造(15)とコンベア(2)の側面(8)に固定された縦材(17,18)とからなる門型フレーム(14)の細部を概略的に示している。このコンベア(2)のベルト(3)は、図示の例では6つのレーンで案内されるボトル(4)を支持している。
【0036】
ボトル(4)を案内する複数のレーンは、滑り路システムと組み合わされてレーンがコンベアのベルト(3)の上方を横方向に移動するのを可能にする壁(11)によって区画されている。
【0037】
各門型フレーム(12,13,14)において、これらの壁(11)はその上部位置に、ボックス構造(15)に固定された滑り路(32)と協働する、滑り金(31)の形状の案内部材を有している。
【0038】
すべての壁(11)は前述の調整システム(30)に連結されている。調整システム(30)は、特に中央壁である、壁(11)の一つに連結されたレバー(33)と、このレバー(33)を中央壁の両側にある他の壁(11)に連結するリンクロッド(34)と、を有している。
【0039】
複数のリンクロッド(34)は互いに平行であり、レバー(33)と共に相似三角形の二辺を形成しており、複数の壁(11)を、同じ離隔距離となるように、同時に調整することができる。
【0040】
これらの三角形の第3の辺は、滑り路(32)と平行な線(35)からなっており、この線は、レバー(33)の連結軸と、対応する壁(11)に位置するリンクロッド(34)の連結軸と、を通っている。
【0041】
複数のリンクロッド(34)は、同一平面内に位置しており、この平面はコンベアの長手方向軸と直交する鉛直面である。リンクロッド(34)のこの構成によって、壁(11)の上方の空間を空けておくことが可能となり、従って、必要に応じて各レーンに沿って通過するボトルに介入し、必要に応じてボトルを起立させるかまたは取り除くことができる。
【0042】
各レーンの幅は、図3からわかるように滑り路(32)の上方に位置する壁(11)の駆動システムを用いて、ボトル(4)の形式に適合するように調整される。
【0043】
この駆動システムは、2つのホイール(37,38)の間に張られた無端ベルトまたはチェーン(36)を有している。ホイール(37,38)は、キャリッジ状の支持体(39)に取り付けられており、一方のホイール(38)が制御部材(21)によって作動させられる。
【0044】
この制御部材(21)はノブの形をしており、キャリッジ(39)に固定されキャリッジ(39)と共に移動することができるハウジング(40)に設けられている。ハウジング(40)は、制御部材の動きをホイール(38)に伝達する適切な手段を有している。
【0045】
無端ベルトまたはチェーン(36)の上部ストランド及び下部ストランドは、各アーム(41,42)によって壁(11)の一つに連結されている。アーム(41,42)は、例えば、マスタ壁として働く端から2番目の側壁(11)に連結されている。
【0046】
従って、ホイール(38)を制御部材(21)及びチェーン(36)を介して動かすと、アーム(41,42)及びマスタ壁(11)が、場合に応じて、互いに離反しまたは接近する。そして、リンクロッド(34)及びレバー(33)を介して、従動壁と呼ばれる他のすべての壁(11)が、さらにまったく同じように、互いに離反しまたは接近する。
【0047】
キャリッジ(39)は、コンベア(2)の横方向に位置する別の滑り路システムによってボックス構造(15)内を案内される。この滑り路システムについては、図6,7に関連して後述する。
【0048】
キャリッジ(39)は、制御部材(22)によって移動させられる。制御部材(22)は、キャリッジ(39)の横方向への移動を可能にし、その結果、すべての壁(11)の一体的な移動が可能となる。この移動は、チェーン(36)、アーム(41,42)、リンクロッド(34)、及びレバー(33)によって行われる。壁(11)の幅を調整する機構全体がキャリッジ(39)と共に移動する。
【0049】
キャリッジ(39)は、例えば、歯付きホイール(44)と協働するラック(43)を備え、歯付きホイール(44)は制御部材(22)によって回転させられる。制御部材(22)は、部材(21)と同様手動または機械駆動で操作され、適切な機構、例えば、ボックス構造(15)に固定されたハウジング(45)内に位置する減速歯車によって、歯付きホイール(44)を作動させる。
【0050】
図6に示されているキャリッジ(39)の行程Cは、コンベアあるいはより正確にはコンベアベルト(3)の中央軸に対してレーンの位置を変更するように構成されている。行程Cは、中央壁(11)、または中央壁(11)の両側に位置する2つのレーン(1)のうちの一方の中央面、を中央軸に揃えることができるように選択される。
【0051】
行程Cは、レーンの最大幅の2分の1程度である。
【0052】
制御部材(21)の作用の下での複数の壁(11)の移動、及びこれらの壁の横方向への一体的な移動は、図1,2に関連して上述した軸システムを介して、他の門型フレームのボックス構造(15)内に位置する他のシステム(30)に伝達される。
【0053】
これらの軸システムについて、図4の機能ブロック図で詳細に説明する。
【0054】
まず、場合に応じて、各壁(11)を同時に離反または接近させるように、各壁(11)を駆動する駆動システムが設けられている。この駆動システムは、ホイール(37,38)の各対の間に張られた無端チェーン(36)からなっている。
【0055】
門型フレーム(13,14)に位置するホイール(38)はいずれも、駆動軸である同一の軸(23)に取り付けられている。下流側の門型フレーム(12)に位置するホイール(38)は、軸(24)に取り付けられており、軸(24)は、軸(23)に取り付けられたホイール(47)と軸(24)に取り付けられたホイール(48)との間に張られた無端チェーン(46)によって駆動される。
【0056】
軸(23)は、例えば、角度伝達型の装置(50)と組み合わされた制御部材(21)によって回転させられる。
【0057】
軸(23,24)は、キャリッジ(39)に固定された軸受内を案内され、軸(23,24)は、ホイール(37,38)の各対を支持する複数のキャリッジ(39)と同時に移動する。
【0058】
上述のように、図1,2では、チェーン(46)はケーシング(25)に配置されており、ケーシング(25)は、別の軸システムの軸(27)によって底部の近くで直接案内される。
【0059】
軸(24)は、キャリッジ(39)の移動の作用の下で移動し、かつ軸(27)に連結されている。このため、軸(24)は、その各端部に、チェーン(36)用のホイール(38)との玉継手連結部、及びホイール(38)を駆動するチェーン(46)用のホイール(48)との玉継手連結部を有していてもよい。
【0060】
壁(11)の上流側の延長部と協働する他の移動機構を制御するために、軸(23)または軸(24)を延長することが可能である。ただし、そのような延長部は図示されていない。
【0061】
各レーンの全体的な並進移動を可能にする軸システムは、複数の門型フレーム(12,13,14)の構造内で案内されるいくつかの軸からなっている。従って、上流側の門型フレーム(13,14)の歯付きホイール(44)は、各門型フレーム(13,14)のボックス構造(15)に固定された軸受(51)内を案内される同一の軸(26)に取り付けられている。
【0062】
下流側の門型フレーム(12)の歯付きホイール(44)は、軸(27)によって駆動される。軸(27)は、下流側の門型フレーム(12)のボックス構造(15)に位置する軸受(51)内を案内されるとともに、門型フレーム(14)の縦材(18)に位置する軸受(52)内を案内される。
【0063】
各ホイール(44)は、壁(11)を駆動するシステムを支持するキャリッジ(39)、特に各レーンの幅を調整する無端チェーン(36)のホイール(37,38)を支持するキャリッジ(39)、に属するラック(43)と協働する。
【0064】
軸(26)は、例えば角度伝達部材(54)と組み合わされた移動部材(22)によって駆動される。
【0065】
駆動軸(26)と従動軸(27)との連結は、各々が軸(26,27)に取り付けられたホイール(56,57)の間に張られたチェーン(28)によって実現される。
【0066】
この場合も、各軸を延長し、各レーンの間隔調整を変更せずに各レーン(1)の上流側延長部の全体的な並進移動を制御することが可能である。
【0067】
図5〜9に、各ボックス構造(15)に組み込まれた様々な機構の実施形態が詳しく示されている。下流側のボックス構造(12)は上流側に位置するボックス構造(13,14)の鏡像であるため、大きく異なる構造であることが知られている。
【0068】
図5に示すように、壁(11)を案内する滑り路(32)は、ボックス構造(15)の頂面の下方に位置している。各壁(11)は、その上部に滑り金(31)を有しており、滑り金(31)の下端には、対応するリンクロッド(34)またはレバー(33)を連結するピボットピン(59)が備えられている。これらの複数のピボットピン(59)は、コンベアの長手方向軸に平行であり、無端チェーン(36)の上部ストランドとほぼ同じ高さに位置している。無端チェーン(36)は2つのホイール(37,38)の間に張られており、これらのホイール(37,38)はキャリッジ(39)に取り付けられている。
【0069】
キャリッジ(39)は、U字形断面部材の形をしており、図6に示されている長穴(61)によってボックス構造(15)の垂直リム(60)上を案内される。
【0070】
図7は、機能ブロック図で示した図5の拡大断面図である。滑り金(62)を介してボックス構造(15)の垂直リム(60)で支持され案内されるキャリッジ(39)を備えたボックス構造が示されている。これらの滑り金(62)は、図6に示されている対応する各長穴(61)内を案内される。
【0071】
このキャリッジ(39)は、無端チェーン(36)を案内するのに使用されるホイール(37)とともに示されており、このチェーン(36)の下部ストランドは、アーム(41)を介して壁(11)の一つを駆動する。
【0072】
さらに、図7には、ボックス構造(15)の頂面に固定された滑り路(32)と、壁(11)の上端に位置する滑り金(31)も示されている。
【0073】
図8は、レバー(33)のピボットピン(59)の位置における、ボックス構造(15)の断面図である。このピン(59)は、滑り金(31)の下端に固定され、中央壁(11)のところに位置している。
【0074】
調整システム全体、すなわち、レバー(33)とリンクロッド(34)とが、門型フレームの下方の空間を過度に占有してボトルの流れを妨害することのないよう、壁(11)の上部に位置していることが認識されよう。
【0075】
各レーンの幅の調整量は、例えば60mmから105mmの範囲とすることができる。
【0076】
図9は、チェーン(36)と協働するホイール(38)の軸(23)を通るとともに、ラック(43)と協働する歯付きホイール(44)の軸(26)を通る、ボックス構造(15)の断面図である。
【0077】
このラック(43)は、キャリッジ(39)に固定されている。ラック(43)は、歯付きホイール(44)と噛み合っており、ハウジング(45)から操作させられる軸(26)によって駆動され、さらに、図1,2,4に示すように、無端チェーン(28)を介して軸(27)を駆動する。
【0078】
無端チェーン(28)が、ボックス構造(15)内の、ボックス構造(15)の前部リム(63)と滑り路(32)との間に位置するホイール(56)によって駆動されることに留意されたい。
【0079】
歯付きホイール(44)とそれに組み合わされたラック(43)との作用の下で、キャリッジ(39)はボックス構造(15)内を横方向に移動し、制御部材(21)のハウジング(40)と軸(23)とを、キャリッジ(39)ともに動かす。
【0080】
図6は、ボックス構造(15)の垂直リム(60)に設けられ、軸(23)がキャリッジ(39)と同時に横方向に移動するのを可能にする切り欠き(64,64’)を示している。リム(60)の左側に示されている第2の切り欠き(64’)は特殊な構成であり、2枚のマスタ壁(11)を動かすのに使用される無端チェーン(36)が周りに巻かれるホイール(37)を連結するピボットピンの端部を、設定に応じて、通過させることができる。
【0081】
図6を再び参照すると、キャリッジ(39)の横方向移動を制御する軸(26)の軸受(51)が、切り欠き(64)の上方に設けられている。
【0082】
図2を参照すると、門型フレーム(13,14)のボックス構造(15)の垂直リム(60)には、キャリッジ(39)を案内する働きをする長穴(61)と、各々が軸(23)とホイール(37)の軸を通過させる切り欠き(64,63’)とが、示されている。
【0083】
図2に示されている構成では、ハウジング(40)に設けられた長穴を通過する軸(26)の端部も示されている。
【0084】
図10は、リンクロッド(34)のレバー(33)への取り付け部分の細部を示している。ある種の大形のボトルの場合、または作業レーンの数を変更する場合、1枚または2枚以上の側壁(11)を引き込んで、複数の門型フレームの縦材(17)、(18)のいずれにも干渉しないようにすることができることが、実際有利である。
【0085】
このために、対応するリンクロッド(34)が、滑り可能な組立体によってレバー(33)に固定されている。レバー(33)はその端部に、リンクロッド(34)の端部に形成された切り欠きと協働する押しボタン(65)を備えた機構を有している。この押しボタン(65)は、リンクロッド(34)の、レバー(33)、特にそのピボットピン(66)との固定を解除し、リンクロッド(34)を状況に適した位置に位置させるのを可能にする。リンクロッド(34)の端部には、最初の設定に容易に戻るのを可能にするエンドストップ(67)が備えられている。
【0086】
図1に示すように、各壁(11)は、2つの部分、すなわち、回収ステーションと同じ高さに位置する下流側部分(11’)と、上流側部分(11’’)と、からなっている。上流側部分(11’’)は、隣接する上流側部分(11’’)と共に一種の口部または漏斗状部分を形成するように下流側部分(11’)と連結されている。
【0087】
2つの部分(11’,11’’)は、2つの門型フレーム(13,14)の間の、ボトル(4)の走行面、すなわち、コンベアベルト(3)に垂直な軸の周りで連結されている。
【0088】
この連結部は、壁(11)の上部に位置するヒンジ(68)からなっている。
【0089】
壁(11)は、その下部に、ラベルから離れた領域でボトル(4)のガイドとして働くストリップ状ブレード(69)を有していてもよい。ブレード(69)は、各壁を補強する働きもする。
【0090】
上流側部分(11’’)の端部は、上述の移動機構を用いて操作される。しかし、上流側の壁の離隔距離を調整する機構は、他の機構に対して位相がわずかにずれている。すなわち、各レーン(1)の上流側入口は実際の口部を形成するようにより広くなっている。
【0091】
この位相ずれは、門型フレーム(14)に収納された上流側機構の無端チェーン(36)上のアーム(41,42)の設定を異ならせることによって得られる。従って、例えば、回収ステーション(10)での幅が80mmであるレーン(1)の場合、各レーンの口部での幅は90mm程度である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】正面から見た、本発明によるレーンシステムの斜視図である。
【図2】背面から見た、同じレーンシステムの同じく斜視図である。
【図3】レーン調整装置の機能ブロック図である。
【図4】各レーンの幅を調整するとともにすべてのレーンを横方向に移動させるのに使用される2つの軸システムの、同じく機能ブロック図である。
【図5】レーン調整装置、特に入口ボックス構造に収納されたレーン調整装置の一実施形態を示す正面図である。
【図6】入口門型フレームのボックス構造の一方のリム、特に下流側リムの図である。
【図7】図5の7−7線に沿った拡大断面図である。
【図8】図5の8−8線に沿った拡大断面図である。
【図9】図5の9−9線に沿った拡大断面図である。
【図10】リンクロッドの運転レバーへの取り付け部分の細部を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回収ステーション(10)を有する終端コンベア上でボトル(4)型の物体を案内する複数のレーン(1)を調整する装置であって、前記複数のレーンを区画する複数の壁(11)を移動させる機構を有し、該機構は、前記複数の壁(11)に作用して前記レーン(1)の幅を同時に調整する連携された駆動システムからなり、前記複数の壁(11)が、前記コンベアの上方に位置する複数の支持構造に固定された複数の横方向滑り路(32)で案内される装置において、
前記コンベアの長手方向中央軸に対して横方向に前記複数のレーン(1)を移動させる移動手段を有し、該移動手段は、前記支持構造と前記複数の壁(11)を駆動する前記連携された駆動システムとの間に挿入され前記支持構造毎に設けられたキャリッジ状支持体(39)からなり、複数の前記キャリッジ(39)は、前記レーン(1)の幅を変えずにすべての前記レーン(1)を横方向に移動させるように、適切な手段の作用の下で横方向に移動することができ、かつ前記複数の支持構造に形成された滑り路システムによって案内されることを特徴とする、レーン調整装置。
【請求項2】
前記複数の支持構造内に位置する複数の前記キャリッジ(39)を移動させる移動機構を有し、前記移動機構は、前記キャリッジ(39)同士を連結し、すべての前記レーン(1)の横方向位置を前記コンベアの中央対称軸に対して一括して調整することのできる、軸の形状の連結手段を有することを特徴とする、請求項1に記載のレーン調整装置。
【請求項3】
前記各キャリッジ(39)を移動させる前記移動機構は、前記キャリッジ上に位置するラック(43)と、軸(26,27)のシステムを介して各キャリッジ(39)に作用する制御部材(22)によって駆動されるピニオン(44)と、からなり、前記軸(26,27)は、前記レーン(1)へのアクセスを妨げないように横方向に位置していることを特徴とする、請求項2に記載のレーン調整装置。
【請求項4】
前記レーン(1)の幅を調整することができる前記壁(11)の前記駆動システムは、前記キャリッジ(39)に取り付けられた2つのラップアラウンドホイール(37,38)の間に張られた無端ベルトまたは無端チェーン(36)を有し、前記チェーン(36)は、前記キャリッジ(39)上に直接位置する適切な手段によって駆動され、前記チェーン(36)の2つのストランドは、前記壁(11)を案内する前記滑り路(32)システムに平行であり、前記チェーン(36)の前記2つのストランドはそれぞれ、前記チェーン(36)によって駆動される、マスタ壁と呼ばれる前記壁(11)の一つに固定されており、前記マスタ壁と呼ばれる前記壁(11)は、前記複数の壁の離隔距離を調整するシステム(30)によって他の前記壁を駆動することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のレーン調整装置。
【請求項5】
前記複数の壁(11)の離隔距離を調整する前記システム(30)は、
前記複数の壁(11)の一つに連結されたレバー(33)と、
前記レバー(33)と他の前記壁(11)の各々との間に挿入された、互いに平行なリンクロッド(34)と、を有し、
前記リンクロッド(34)は、前記レバー(33)と共に、相似三角形の二辺を形成し、前記コンベアの前記長手方向軸と直交する同一鉛直平面内に位置していることを特徴とする、請求項4に記載のレーン調整装置。
【請求項6】
前記複数の壁(11)を支持する各支持構造は、前記複数の壁(11)を案内し移動させるすべての機構を収納するボックス構造(15)を有し、前記ボックス構造(15)は、前記コンベア上の横方向に位置する縦材(17,18)に連結され、前記縦材(17)と共に、前記コンベアの上方に位置する一種の門型フレームを形成しており、前記門型フレーム(12,13)は、前記回収ステーション(10)の両側に位置し、前記門型フレーム(14)は、前記門型フレーム(13)の上流側の、前記レーンの入口に位置していることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のレーン調整装置。
【請求項7】
各キャリッジ(39)は、前記支持構造の前記ボックス構造(15)のリム(60)に沿って案内され、案内は、前記リム(60)に形成された水平方向長穴(61)と、前記キャリッジ(39)に固定された滑り金(62)と、によって行われることを特徴とする、請求項6に記載のレーン調整装置。
【請求項8】
調整機構は、前記キャリッジ(39)を移動させる軸システムと前記壁を移動させる軸システムの2つの軸システムを有し、前記軸システムはそれぞれ、前記2つの門型フレーム(13,14)の間を延びるマスタ軸(23,26)と、対応する無端チェーン(28,46)によって対応する前記マスタ軸に連結された従動軸(24,27)と、を有し、前記軸(24)は、前記門型フレーム(13)から下流側の前記門型フレーム(12)まで延び、前記軸(23,24)の間に配置された前記チェーン(46)は、前記軸(27)によって案内されるケーシング(25)内を延び、前記軸(27)は、前記門型フレーム(14)から下流側の前記門型フレーム(12)まで延び、前記各軸は一般に、操作員の前記各レーン(1)へのアクセスを妨げない位置にあることを特徴とする、請求項6に記載のレーン調整装置。
【請求項9】
前記各壁(11)は、互いに連結された2つの部分、すなわち、前記回収ステーション(10)のところに位置する下流側部分(11’)と、鉛直軸の周りで前記下流側部分(11’)と連結され、隣接する上流側部分(11’’)と共に、一種の口部または漏斗状部分を形成する上流側部分(11’’)と、を有し、前記上流側部分(11’’)は、前記壁(11)を駆動する前記駆動システムによってその上流側端部で操作され、前記上流側部分(11’’)を駆動する前記駆動システムは、前記上流側部分(11’’)の入り口がより広い間隔となるように、最初から設定を異ならせることによって、前記下流側部分(11’)を駆動する他の前記駆動システムと位相がずらされていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のレーン調整装置。
【請求項10】
1枚の前記側壁(11)の位置を迅速に変更し前記側壁を引き込む手段を有し、前記側壁を引き込む手段は、特に前記レバー(33)上の、対応する前記リンクロッド(34)の端部に位置しており、前記レバーは、前記リンクロッド(34)に形成された切り欠きに係合する押しボタン(65)を有し、前記リンクロッド(34)は、最初の設定に容易に戻るのを可能にするエンドストップ(67)をさらに有している、請求項5から9に記載のレーン調整装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−521381(P2009−521381A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548005(P2008−548005)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/FR2006/002834
【国際公開番号】WO2007/074230
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(504102770)シデル パルティシパション (46)
【氏名又は名称原語表記】SIDEL PARTICIPATIONS
【Fターム(参考)】