コンベヤ
【課題】展開・格納作業の簡便性、及び処理物排出時の処理物の搬送性を確保しつつ、輸送時の格納状態におけるベルトのずれを抑制することができるコンベヤを提供する。
【解決手段】自走式処理機の機体に搭載された処理装置からの処理物を機体外に搬送し排出するコンベヤ106であって、その処理物の搬送路における上流側端部と下流側端部の間に設けた屈曲点145を支点として回動することにより屈曲されて機体に沿うように格納可能なコンベヤ106において、コンベヤ106の上流側端部及び下流側端部に掛け回したコンベヤベルト137の屈曲点145よりも下流側部分に、コンベヤベルト137の搬送面上方から側方にかけて配置され、回動自在に取り付けられる複数のベルトガード165,166を備え、複数のベルトガード165,166間を接続する連結部材169の移動に伴って、ベルトガード165,166でコンベヤベルト137の搬送面を押える。
【解決手段】自走式処理機の機体に搭載された処理装置からの処理物を機体外に搬送し排出するコンベヤ106であって、その処理物の搬送路における上流側端部と下流側端部の間に設けた屈曲点145を支点として回動することにより屈曲されて機体に沿うように格納可能なコンベヤ106において、コンベヤ106の上流側端部及び下流側端部に掛け回したコンベヤベルト137の屈曲点145よりも下流側部分に、コンベヤベルト137の搬送面上方から側方にかけて配置され、回動自在に取り付けられる複数のベルトガード165,166を備え、複数のベルトガード165,166間を接続する連結部材169の移動に伴って、ベルトガード165,166でコンベヤベルト137の搬送面を押える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョークラッシャ、シュレッダ、木材破砕機、土質改良機、スクリーン等の被処理物を処理する自走式処理機に搭載された処理装置からの処理物を搬送して排出するコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
被処理物に処理を施して所望の状態にするための処理装置を搭載した自走式処理機としては、例えば、被破砕物を破砕処理するジョークラッシャやシュレッダ、木材破砕機等を含む自走式破砕機、土砂等を土質改良材と混合して改質する自走式土質改良機、選別対象物を粒度に応じて選別する自走式スクリーン等、用途に応じて様々な種類のものが存在しており、投入・搬入された被処理物に対して処理装置で処理を施し、処理装置からの処理物をコンベヤ等により機体外に搬送して排出する。
【0003】
例えば、自走式処理機の1つとして、分級した選別物を粒度別に三方向に排出する三分級タイプの振動スクリーンが知られているが、この種の振動スクリーンでは、後方から処理装置である篩装置上方に延在する投入用コンベヤにより被処理物をスクリーンに運び、選別処理が施された選別物の粒径の違いに応じて、機体の前方、及び、左右側方に延在するコンベヤにより搬送し排出する(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2000−509644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術のように、処理装置からの処理物をコンベヤによって機体外に搬送して排出する構成の自走式処理機では、機体の大きさ(幅、長さ、高さ)が一般道路の輸送制限を越える場合も多く、この場合には、輸送の際に各コンベヤを折り畳む等して機体を輸送制限内に収めなければならない。
【0006】
一般的なコンベヤは、上流側端部と下流側端部にコンベヤベルを掛け回して構成されているが、コンベヤを折り畳む際、そのコンベヤベルトがキャリアローラから外れてしまうことがあるため、コンベヤの展開・格納作業をスムーズに行うためには、コンベヤベルトのずれを抑制することが必要である。
【0007】
しかしながら、コンベヤベルトを保持する部材を設けようとした場合、コンベヤベルト上を搬送される搬送物が引っかかってこぼれたり、搬送物との衝突によって破損したりすることがあるため、格納時のコンベヤベルトのズレを効果的に抑制することは容易ではなかった。
【0008】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、展開・格納作業の簡便性、及び処理物排出時の処理物の搬送性を確保しつつ、輸送時の格納状態におけるベルトのずれを抑制することができるコンベヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)自走式処理機の機体に搭載された処理装置からの処理物を機体外に搬送し排出するコンベヤであって、前記処理物の搬送路における上流側端部と下流側端部の間に設けた1つ以上の屈曲点を支点として回動することにより屈曲されて機体に沿うように格納可能なコンベヤにおいて、前記コンベヤの上流側端部及び下流側端部に掛け回したコンベヤベルトの前記屈曲点よりも下流側部分に、それぞれ前記コンベヤベルトの搬送面上方から側方にかけて配置され、回動自在に取り付けられる複数のベルトガードと、前記複数のベルトガード間を接続する連結部材とを備え、前記連結部材の移動に伴って、前記複数のベルトガードが前記コンベヤベルトの搬送面を押えるものとする。
【0010】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記コンベヤベルトの搬送面と反対側の面の下方から側方にかけて配置され、前記複数のベルトガードの少なくとも何れか1つに取り付けられた下側ベルトガードを備え、前記ベルトガードの回動に伴って、前記下側ベルトガードが前記ベルトガードと一体的に回動して前記コンベヤベルトの搬送面と反対側の面を押えるものとする。
【0011】
(3)上記(2)において、好ましくは、前記ベルトガードが前記コンベヤベルトの搬送面に対して寝た姿勢、又は、立ち上がった姿勢の何れかになるように前記連結部材を固定する固定部材を備えたものとする。
【0012】
(4)また、上記(2)において、好ましくは、前記下側ベルトガードは、前記コンベヤベルトの搬送面上方から側方にかけて配置された前記ベルトガードと連結部材とを合わせた重量よりも重く設定されたものとする。
【0013】
(5)上記(4)において、好ましくは、前記コンベヤが前記屈曲点から屈曲されて格納されるのに伴って、前記ベルトガードが機体外装又はメインコンベヤフレームに設けられた緩衝部材に当たって前記コンベヤベルトの搬送面に対して寝た姿勢になるものとする。
【0014】
(6)また、上記(4)において、好ましくは、前記屈曲点よりも上流側に設けられた固定部材と前記連結部材とを繋いだ紐状部材を備え、前記コンベヤが前記屈曲点から屈曲されて格納されるのに伴って、前記連結部材が前記紐状部材に引かれて前記複数のベルトガードをコンベヤベルトの搬送面に対して寝た姿勢にするものとする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、展開・格納作業の簡便性、及び処理物排出時の処理物の搬送性を確保しつつ、輸送時の格納状態におけるベルトのずれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態に係る自走式振動スクリーンのコンベヤ展開時の全体構成を表す側面図である。
【図2】第1の実施形態に係る自走式振動スクリーンのコンベヤ展開時の全体構成を表す平面図である。
【図3】第1の実施形態に係る自走式振動スクリーンのコンベヤ展開時の全体構成を表す正面図である。
【図4】第1の実施形態に係る自走式振動スクリーンのコンベヤ格納時の全体構成を表す側面図である。
【図5】第1の実施形態に係る自走式振動スクリーンのコンベヤ格納時の全体構成を表す平面図である。
【図6】第1の実施形態に係る自走式振動スクリーンのコンベヤ格納時の全体構成を表す正面図である。
【図7】第1の実施の形態に係るコンベヤの構成を示す側面図である。
【図8】第1の実施の形態に係るコンベヤの構成を示す上面図である。
【図9】第1の実施の形態に係るコンベヤの構成をコンベヤベルトを省略して示す上面図である。
【図10】第1の実施の形態に係るコンベヤの搬送動作時の姿勢の上側および下側ベルトガード付近を拡大して示す図である。
【図11】第1の実施の形態に係るコンベヤの機体輸送時の姿勢の上側および下側ベルトガード付近を拡大して示す図である。
【図12】第2の実施の形態に係るコンベヤの搬送動作時の姿勢の上側および下側ベルトガード付近を拡大して示す図である。
【図13】第2の実施の形態に係るコンベヤの機体輸送時の姿勢の上側および下側ベルトガード付近を拡大して示す図である。
【図14】第3の実施の形態に係るコンベヤの搬送動作時の姿勢の上側および下側ベルトガード付近を拡大して示す図である。
【図15】従来技術のコンベヤを機体に格納した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係るコンベヤを搭載した自走式処理機として自走式振動スクリーンを例に挙げ、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
<第1の実施の形態>
まず、本実施の形態に係る自走式振動スクリーンに一般的なコンベヤを用いた場合を例に挙げ、自走式振動スクリーンの基本構成について説明する。
【0019】
図1及び図4は第1の実施形態に係る自走式振動スクリーンの全体構成を表す側面図、図2及び5は平面図、図3及び図6は正面図であり、図1〜図3はコンベヤの展開時の全体構成を、図4〜図6はコンベヤの格納時の全体構成をそれぞれ表している。なお、図5及び図6においては、各コンベヤのコンベヤベルトを省略して示している。また、以下において、図1及び図4における右側・左側をそれぞれ自走式スクリーンの前側・後側とする。
【0020】
図1〜図6において、自走式振動スクリーン100は、走行体1と、被選別物(被処理物)の受け入れ部であるホッパコンベヤ3と、ホッパコンベヤ3に受け入れた被選別物を前方に搬送するメインコンベヤ4と、メインコンベヤ4から供給された被選別物を粒度に応じて篩い分けて3つの種類に選別する篩装置5と、篩装置5で篩い分けられた選別物(処理物)のうち最も粒径の大きな種類の選別物を搬送して排出するオーバーコンベヤ6と、篩装置5で篩い分けられた中間粒径の選別物を搬送して排出するミドルコンベヤ7と、篩装置5で篩い分けられた最も粒径の小さな種類の選別物を搬送して排出するアンダーコンベヤ8と、搭載機器の動力源を内蔵したパワーユニット(動力装置)9とを備えている。
【0021】
走行体1は、左右一対の走行装置10と、これら走行装置10上に設けた本体フレーム11とで構成されている。走行装置10は、左右のトラックフレーム12と、これらトラックフレーム12の前後にそれぞれ設けた従動輪13及び駆動輪14と、出力軸を駆動輪14に連結した走行用油圧モータ15と、左右の従動輪13及び駆動輪14にそれぞれ掛け回した無限軌道履帯16とを備えている。本体フレーム11は、トラックフレーム12の上部に連結され、前後方向に延在している。
【0022】
ホッパコンベヤ3は、被選別物を受け入れるホッパ21と、ホッパ21内に収容された送りコンベヤ22(図2参照)とを備えている。ホッパ21の前端部は本体フレーム11の後端部上に固定されており、後側半分を超える部分が本体フレーム11よりも後方に突き出して配置されている。このホッパ21の内壁面は下方に縮径するように傾斜しており、被選別物を送りコンベヤ22の搬送面上に導く役割を果たしている。送りコンベヤ22は、ホッパコンベヤ3の前方に水平もしくは上り傾斜に延在している。また、本体フレーム11から突き出したホッパ21の後端部分にはアウトリガー23が設けられており、振動を伴う選別作業時等でもアウトリガー23を地面に設置させることによって機体が安定に支持される。また、ホッパ21の上部にはチッピンググリット(固定篩)24が設けられている。このチッピンググリット24は、篩面が機体右側に下るように傾斜していて、被選別物が投入された際に篩面上に残った岩石や礫等の大きな異物を機体右側に落下させる。
【0023】
メインコンベヤ4は、送りコンベヤ22で搬送された被選別物を篩装置5に供給するものであり、送りコンベヤ22前方の放出端の下方に位置する基端部から篩装置5の篩面の前端部近傍の上方に位置する放出端まで上り傾斜に延在している。このメインコンベヤ4は、コンベヤフレーム26と、コンベヤフレーム26の前後両端に回転自在に設けられたヘッドプーリ及びテールプーリ(図示せず)と、ヘッドプーリ及びテールプーリに掛け回したコンベヤベルト27(図2参照)と、ヘッドプーリに連結したメインコンベヤ用油圧モータ28とを備えており、メインコンベヤ用油圧モータ28でヘッドプーリを駆動させることによってヘッドプーリ及びテールプーリ間でコンベヤベルト27を循環駆動させる。また、コンベヤフレーム26の基端側は、本体フレーム11に対して回動軸(図示せず)を介して上下に揺動可能に連結されている。コンベヤフレーム26の放出端側は、篩装置5のベースフレーム35に対してリンクアーム29を介して連結されている。コンベヤフレーム26は、稼動時には基端側から放出端側にかけて直線状に延在するよう配置されるが、移動時等には途中の関節部でピン30(図3参照)を支点に放出端側が基端側に対して下方に屈曲可能な構成となっている。
【0024】
篩装置5は、枠状の装置本体31の内部に装着された上下二段の篩部材(図示せず)で被選別物を粒度に応じて篩い分けて3つの種類に選別する。装置本体31は篩装置5のベースフレーム35上に弾性体(例えばバネ)を介して振動可能に支持されている。ベースフレーム35の後部側は、本体フレーム11の前部に固定した支持部材32に回動軸(図示せず)を介して連結されている。支持部材32は本体フレーム11に対して上方に突出しており、篩装置5の回動軸はこの支持部材32の上端部近傍に設けられている。ベースフレーム35の前部側は、支持棹33を介して支持部材32に連結されている。また、装置本体31に装着された上下の篩部材は、下段に比べて上段の目が粗くなっており、最も大きな粒径(以下、オーバーサイズと適宜記載する)の選別物が上段の篩部材上に残り、さらに、それよりも粒径が小さく上段の篩部材を通過した選別物のうちで比較的大きな粒径(以下、ミドルサイズと適宜記載する)の選別物が下段の篩部材上に残り、そして、最も小さな粒径(以下、アンダーサイズと適宜記載する)の選別物が下段の篩部材を通過する。稼動時の篩装置5の姿勢は後方側に向かって下り傾斜となっており(図1参照)、上下の篩部材の篩面が後方に下る方向に傾斜しているので、上下の各篩部材上に残ったオーバーサイズ及びミドルサイズの選別物は装置本体5の振動に伴って篩面上を下り落ち、下段の篩部材を通過したアンダーサイズの選別物は篩装置5を通過して下方に落下する。
【0025】
オーバーコンベヤ6は、篩装置5の上段の篩部材の篩面上を下り落ちたオーバーサイズの選別物を搬送し機体側方の一方側(本例では左側)に排出するものであり、放出端に向かって斜めに立ち上がるように配置されている。このオーバーコンベヤ6は、コンベヤフレーム36と、コンベヤフレーム36の両端に回転自在に設けられたヘッドプーリ及びテールプーリ(図示せず)に掛け回したコンベヤベルト37と、ヘッドプーリに連結したオーバーコンベヤ用油圧モータ38と、篩装置5の上段の篩部材の放出端部から延びるシュート34が臨むようにコンベヤフレーム36上に設けたホッパ39とを備えており、オーバーコンベヤ用油圧モータ38でヘッドプーリを駆動させることによってヘッドプーリ及びテールプーリ間でコンベヤベルト37を循環駆動させ、ホッパ39で受けたオーバーサイズの選別物を機体側方(左方)に搬送して排出する。また、コンベヤフレーム36の基端部は、本体フレーム11に対して回動軸40(図3参照)を介して上下に揺動可能に連結されており、オーバーコンベヤ揺動シリンダ48(図3参照)によって上下に揺動される。また、コンベヤフレーム36は途中の関節部でピン(図示せず)を支点に基端側に対して放出端側が選別物搬送方向に向かって左側(機体後方側)に屈曲可能になっており、機体の移動時や輸送時にはオーバーコンベヤ格納シリンダ(図示せず)によって放出端側が機体後方に折り畳まれ格納される(図4参照)。
【0026】
ミドルコンベヤ7は、篩装置5の下段の篩部材の篩面上を下り落ちたミドルサイズの選別物を搬送し機体側方の他方側(本例では右側)に排出するものであり、アンダーコンベヤ6の前隣に、放出端に向かって斜めに立ち上がるように配置されている。このミドルコンベヤ7はオーバーコンベヤ6とほぼ同様の構成を有しており、コンベヤフレーム41と、コンベヤフレーム41の両端に回転自在に設けられたヘッドプーリ及びテールプーリ(図示せず)に掛け回したコンベヤベルト42と、ヘッドプーリに連結したミドルコンベヤ用油圧モータ43と、篩装置5の下段の篩部材の放出端部から延びるシュート(図示せず)が臨むようにコンベヤフレーム41上に設けたホッパ(図示せず)とを備えており、ミドルコンベヤ用油圧モータ43でヘッドプーリを駆動させることによってヘッドプーリ及びテールプーリ間でコンベヤベルト42を循環駆動させ、ホッパで受けたミドルサイズの選別物を機体側方(右方)に搬送して排出する。また、コンベヤフレーム41の基端部は、本体フレーム11に対して回動軸47(図3参照)を介して上下に揺動可能に連結されており、ミドルコンベヤ揺動シリンダ44によって上下に揺動する。また、コンベヤフレーム41は途中の関節部でピン45(図4参照)を支点に基端側に対して放出端側が選別物搬送方向に向かって右側(機体後方側)に屈曲可能になっており、機体の移動時や輸送時にはミドルコンベヤ格納シリンダ46(図4参照)によって放出端側が機体後方に折り畳まれ格納される(図4参照)。
【0027】
アンダーコンベヤ8は、篩装置5の下段の篩部材を通過したアンダーサイズの選別物を搬送し機体前方に排出するものであり、篩装置5の下方から機体前方の放出端に向かって斜めに立ち上がるように配置されている。このアンダーコンベヤ8は、コンベヤフレーム51と、コンベヤフレーム51の両端に回転自在に設けられたヘッドプーリ及びテールプーリ(図示せず)に掛け回したコンベヤベルト52と、ヘッドプーリに連結したアンダーコンベヤ用油圧モータ53とを備えており、アンダーコンベヤ用油圧モータ53でヘッドプーリを駆動させることによってヘッドプーリ及びテールプーリ間でコンベヤベルト52を循環駆動させ、下段の篩部材を通過したアンダーサイズの選別物を機体前方に搬送し排出する。また、コンベヤフレーム51の基端部は、本体フレーム11の前部の支持部材32における上下方向の中間部に回動軸(図示せず)を介して上下に揺動可能に連結されている。コンベヤフレーム51の中間部は、篩装置揺動シリンダ54を介して支持部材32の下端部近傍に、支持棹55を介して篩装置5のベースフレーム35にそれぞれ連結されており、篩装置揺動シリンダ54の伸縮に伴って篩装置8及びメインコンベヤ4とともにアンダーコンベヤ8が上下に揺動する。アンダーコンベヤ8はまた、その基端側に対してピン56を介して放出端側が上方に折り曲げ可能な構成であり、基端側の先端部近傍がアンダーコンベヤ揺動シリンダ57を介して篩装置5のベースフレーム35に連結されるとともに、放出端側はアンダーコンベヤ格納シリンダ58を介して基端側に連結されている。アンダーコンベヤ揺動シリンダ57の伸縮に伴って篩装置5やメインコンベヤ4とは別個に本体フレーム11に対してアンダーコンベヤ8が単独で上下に揺動し、アンダーコンベヤ格納シリンダ58の伸縮に伴ってアンダーコンベヤ8の放出端側が基端側に対して上下に揺動する。
【0028】
パワーユニット9は、エンジンや油圧ポンプ、コントロールバルブ等、機体各所に搭載した作動装置の動力源を内蔵しており、本体フレーム11上の走行装置10の上方位置に搭載されている。このパワーユニット9は、メインコンベヤ4の下側で、かつ、ホッパコンベヤ3とオーバーコンベヤ6の間に位置している。
【0029】
本発明に係るコンベヤは、上記のような自走式処理機のオーバーコンベヤ6やミドルコンベヤ8に換えて用いられるものである。以下、その詳細について図面を参照しつつ説明する。なお、本例では、上記自走式振動スクリーン100において、オーバーコンベヤ6に換えて本発明のコンベヤ106を適用した場合を例にとり説明する。
【0030】
図7〜図9は、本実施の形態に係るコンベヤの構成を示す図であり、図7は側面図、図8は上面図、図9はコンベヤベルトを省略して示す上面図である。
【0031】
図7〜図9において、本発明のコンベヤ106は、選別物を搬送し機体側方の一方側(本例では左側)に排出するものであり、放出端に向かって斜めに立ち上がるように配置されている。このコンベヤ106は、コンベヤフレーム136と、コンベヤフレーム136の両端に回転自在に設けられたヘッドプーリ160及びテールプーリ161に掛け回したコンベヤベルト137と、ヘッドプーリ160に連結したコンベヤ用油圧モータ138とを備えており、コンベヤ用油圧モータ138でヘッドプーリ160を駆動させることによってヘッドプーリ160及びテールプーリ161間でコンベヤベルト137を循環駆動させ、選別物を機体側方(左方)に搬送して排出する。
【0032】
コンベヤフレーム136は、コンベヤフレーム136の基端部であって本体フレーム11対して固定された第3フレーム136cと、第3フレーム136cのコンベヤフレーム136における排出端側(下流側)に回動軸140を介して上下に揺動可能に連結されており、第3フレーム136cとの間に設けられた揺動シリンダ162によって上下に揺動される第2フレーム136bと、第2フレームの排出端側(下流側)にピン145を支点に第2フレーム136b側に対して放出端側が機体後方側(選別物搬送方向に向かって左側)に屈曲可能に設けられ、機体輸送時等にはコンベヤ格納シリンダ146によって放出端側が機体後方に折り畳まれる第1フレーム136aとから構成されている。また、コンベヤフレーム136には、選別物の搬送動作時にコンベヤベルト137を下方から支持する複数(本例では9つ)のガイドローラ163a〜163iが長手方向に間隔をあけて並べて配置されている。
【0033】
第1フレーム136aは、一端にヘッドプーリ160を有し、他端を第2フレーム136bに対して屈曲点であるピン145により回動可能に接続された棒状の部材であり、コンベヤベルト137の幅内に収まるように形成されている。その第1フレーム136aの途中には、コンベヤ106の幅方向に、コンベヤベルト137両側の外側まで延在する複数のベース部材164a〜164eが設けられており、第1フレーム136aの長手方向に間隔をあけて並べて配置されている。そして、第1フレーム136aの各ベース部材164a〜164e上には、複数のガイドローラ163a〜163eが配置されている。
【0034】
また、コンベヤ106の屈曲点より下流側に位置する第1フレーム136aは、ガイドローラ163b,163dの排出端側隣に、コンベヤベルト137の搬送面上方から側方にかけて配置され、その両端をベース部材164b,164dに回動部165a,166aを支点に選別物の搬送方向に向って回動自在に取り付けられた少なくとも1つ(本例では2つ)の上側ベルトガード165,166を備えている。この上側ベルトガード165には、コンベヤベルト137の下方から側面にかけて配置され、回動部165aを支点として上側ベルトガード165と一体的に回動自在に設けられた下側ベルトガード167が備えられている。
【0035】
また、上側ベルトガード165,166の機体前方側、すなわち、コンベヤ106が機体に格納されたときに上側となる側(本例では、選別物の搬送方向に向って右側)には、上側ベルトガード165,166を連結する連結部材169が搬送方向に沿って配置されており、上側ベルトガード165,166のそれぞれに対して回動自在に接続されている。この連結部材169は、上側ベルトガード165,166が配置されたベース部材164b,164d部分から基端部側のベース部材164e付近まで延在するよう配置されており、基端部側の端部に長手方向に間隔をあけて並べて設けられた2つの固定穴169a,169bの何れかにおいて、ベース部材164eに設けられた固定部168に着脱可能なネジ等により固定されている。そして、上側ベルトガード165,166、及び、下側ベルトガード167は、連結部材169の固定穴169a,169bのどちらで固定部168に固定するかにより、コンベヤ106を展開して選別物を搬送する搬送動作時の姿勢と、コンベヤ106を格納して機体を輸送(移動)する機体輸送時の姿勢とを変える。
【0036】
ここで、コンベヤ106の各ベルトガード165〜167の搬送動作時の姿勢と機体輸送時の姿勢について、図10及び図11を参照しつつ詳細に説明する。
【0037】
図10及び図11はコンベヤの上側および下側ベルトガード付近を拡大して示す図であり、図10は各ベルトガードが搬送動作時の姿勢である場合を、図11は機体輸送時の姿勢である場合をそれぞれ示している。
【0038】
図10に示すように、連結部材169の2つの固定穴169a,169bのうち基端部側の固定穴169aで固定部168に固定した場合、上側ベルトガード165,166は連結部材169を介してコンベヤ106の上方に第1フレーム136aに対してほぼ垂直に立つ姿勢で保持される。また、下側ベルトガード167も同様に、コンベヤ106の下側に第1フレーム136aに対してほぼ垂直な姿勢で保持される。つまり、言い替えると、上側ベルトガード165,166はコンベヤ106の搬送面に対して、下側ベルトガード167は搬送面と反対側の面に対して、それぞれほぼ垂直に立つ姿勢で保持される。このとき、コンベヤ106のコンベヤベルト137と各ベルトガード165〜167の間には十分な間隔が確保されるので、コンベヤベルト137の循環駆動による選別物搬送時のコンベヤベルト137と各ベルトガード165〜167の接触、及び、コンベヤベルト137上を搬送される選別物と各ベルトガード165〜167の接触・衝突を防止することができる。
【0039】
図11に示すように、連結部材169の2つの固定穴169a,169bのうち先端側の固定穴169bで固定部168に固定した場合、上側ベルトガード165,166は連結部材169を介して、基端部側に回動され、コンベヤベルト137の搬送面を押えて搬送面に対して寝た姿勢で保持される。また、下側ベルトガードも同様に、先端側に回動され、コンベヤベルト137の搬送面と反対側の面を押えて搬送面と反対側の面に対して寝た姿勢で保持される。このように、各ベルトガード165〜167が寝た姿勢になることにより、コンベヤベルト137に接触してコンベヤフレーム163側に押えるとともに、コンベヤベルト137の幅方向への移動を抑制することができるので、機体の輸送や移動時のようにコンベヤ106を格納する場合においても、コンベヤベルト137のコンベヤ106からずれるのを抑制することができる。
【0040】
以上のように構成した本実施の形態の効果を従来技術と比較しつつ説明する。
【0041】
図15は、従来技術のコンベヤを格納した状態を示す図である。
【0042】
処理装置からの処理物をコンベヤによって機体外に搬送して排出する構成の自走式処理機では、機体の大きさ(幅、長さ、高さ)が一般道路の輸送制限を越える場合も多く、この場合には、輸送の際に各コンベヤを折り畳む等して機体を輸送制限内に収めなければならない。一般的なコンベヤは、上流側端部と下流側端部にコンベヤベルを掛け回して構成されているが、コンベヤを折り畳む際、そのコンベヤベルトがキャリアローラから外れてしまうことがあるため、コンベヤの展開・格納作業をスムーズに行うためには、コンベヤベルトのずれを抑制することが必要である。
【0043】
しかしながら、従来技術として図15に示すように、コンベヤベルト42を跨いで保持する部材90a〜90cを設ける場合、コンベヤ7の格納性を確保するために部材90a〜90cのコンベヤベルト42からの高さを低く設定すると、コンベヤベルト42上を搬送される選別物が引っかかってこぼれたり、選別物との衝突によって破損したりしてしまうという問題がある。また、選別物の搬送性を確保するために部材90a〜90cのコンベヤベルト42からの高さを高く設定すると、格納性が低下してしまうほか、格納時のコンベヤベルトのズレを効果的に抑制することができない。
【0044】
これに対し、本実施の形態においては、コンベヤ106の上流側端部及び下流側端部に掛け回したコンベヤベルト137の搬送面上方から側方にかけて配置され、回動自在に取り付けられた上側ベルトガード165,166を備え、上側ベルトガード165,166を回動することによりコンベヤベルト137の搬送面を押えて、コンベヤベルト137を保持するように構成した。これにより、コンベヤ106の展開時には上側ベルトガード165,166を回動させ、コンベヤ106のコンベヤベルト137と各ベルトガード165,166の間に十分な間隔が確保されるようにして、コンベヤベルト137の循環駆動による選別物搬送時のコンベヤベルト137と上側ベルトガード165,166の接触、及び、コンベヤベルト137上を搬送される選別物と上側ベルトガード165,166の接触・衝突を防止することができる。また、コンベヤ106の格納時にはコンベヤベルト137を跨いで配置した上側ベルトガード165,166を回動させて寝た姿勢にし、上側ベルトガード165,166がコンベヤベルト137に接触してコンベヤフレーム163側に押えるようにしたので、コンベヤベルト137がコンベヤ106からずれるのを抑制しつつ、コンベヤ106の機体に対する格納性を向上することができる。したがって、展開・格納作業の簡便性、及び処理物排出時の処理物の搬送性を確保しつつ、輸送時の格納状態におけるベルトのずれを抑制することができる。
【0045】
また、下側ベルトガード167を、コンベヤベルト137の搬送面と反対の面の下方から側方にかけて配置し、回動部165aを支点として上側ベルトガード165と一体的に回動自在に設け、コンベヤベルト137の搬送面と反対側を押えるように構成したので、さらに効果的にコンベヤベルト137のずれを抑制することができる。
【0046】
なお、本実施の形態においては、ガイドローラを配置するベース部材164a,164bに上側ベルトガード165,166を設ける構成としたが、ベルトガード用のベース部材を別途設ける構成としても良い。この場合にも本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、第1の実施のコンベヤにおけるベルトガードの姿勢の維持及び変更する構成を変えたものである。
【0048】
図12及び図13は、本実施の形態のコンベヤ106Aの上側および下側ベルトガード付近を拡大して示す図であり、図12は各ベルトガードが搬送動作時の姿勢である場合を、図13は機体輸送時の姿勢である場合をそれぞれ示している。図中、第1の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付し説明を省略する。
【0049】
図12及び図13において、本実施の形態のコンベヤ106Aは、第1の実施形態と同様に選別物を搬送し機体側方の一方側に排出するものであり、放出端に向かって斜めに立ち上がるように配置されている。
【0050】
コンベヤ106Aの第1フレーム136aの途中には、コンベヤ106の幅方向に、コンベヤベルト137両側の外側まで延在する複数のベース部材164a〜164eが設けられており、第1フレーム136aの長手方向に間隔をあけて並べて配置されている。そして、第1フレーム136aの各ベース部材164a〜164e上には、複数のガイドローラ163a〜163eが配置されている。
【0051】
また、第1フレーム136aは、ガイドローラ163b,163dの排出端側隣にコンベヤベルト137の搬送面上方から側方にかけて配置され、その両端をベース部材164b,164dに回動部165a,166aを支点に選別物の搬送方向に向って回動自在に取り付けられた少なくとも1つ(本例では2つ)の上側ベルトガード165,166を備えている。この上側ベルトガード165には、コンベヤベルト137の搬送面と反対側の面の下方から側方にかけて配置された下側ベルトガード167Aが備えられており、回動部165aを支点として上側ベルトガード165と一体的に回動自在に設けられている。また、上側ベルトガード165,166の機体前方側(選別物の搬送方向に向って右側)には、上側ベルトガード165,166を連結する連結部材169Aが搬送方向に沿って配置されており、上側ベルトガード165,166のそれぞれに対して回動自在に接続されている。
【0052】
下側ベルトガード167Aは、基端部側への回動時に、第1フレーム136aの長手方向に対してほぼ垂直となる位置でベース部材164bの保持部170に接触し、それ以上の基端部側への回動が制限されるように備えられている。したがって、下側ベルトガード167Aと一体的に回動される上側ベルトガード165も同様に、第1フレーム136aの長手方向に対してほぼ垂直となる位置から先端部側への回動が制限される。また、下側ベルトガード167Aは、自重による基端部側への回動時に上側ベルトガード165,166を先端側に回動させて立ち上がらせる(つまり、搬送面に対して立ち上がった姿勢で保持する)だけの十分な重量を有しており、コンベヤ106Aを展開した状態では、選別物を搬送する搬送動作時の姿勢を保持することができる(図12参照)。このとき、コンベヤ106Aのコンベヤベルト137と各ベルトガード165,166,167Aの間には十分な間隔が確保されるので、コンベヤベルト137の循環駆動による選別物搬送時のコンベヤベルト137と各ベルトガード165,166,167Aの接触、及び、コンベヤベルト137上を搬送される選別物と各ベルトガード165,166,167Aの接触・衝突を防止することができる。また、コンベヤ106Aを機体に格納した場合には、ベルトガード165,166が機体外装又はメインコンベヤ4のコンベヤフレーム26(すなわち、メインコンベヤフレーム)に設けられた緩衝部材(図示せず)に接触して、ベルトガード165,166,167Aが回動されて寝た姿勢になり、コンベヤベルト137に接触してコンベヤフレーム163側に押えている(図13参照)。したがって、機体の輸送や移動時のようにコンベヤ106を格納する場合においても、コンベヤベルト137のコンベヤ106からずれるのを抑制することができる。
【0053】
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0054】
以上のように構成した本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0055】
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、第1の実施のコンベヤにおけるベルトガードの姿勢の維持及び変更する構成を変えたものである。
【0056】
図14は、本実施の形態のコンベヤ106Bの上側および下側ベルトガード付近を拡大して示す図であり、各ベルトガードが搬送動作時の姿勢である場合を代表して示している。
【0057】
図14において、本実施の形態のコンベヤ106Bは、第1の実施形態と同様に選別物を搬送し機体側方の一方側に排出するものであり、放出端に向かって斜めに立ち上がるように配置されている。
【0058】
コンベヤ106Bの第1フレーム136aの途中には、コンベヤ106の幅方向に、コンベヤベルト137両側の外側まで延在する複数のベース部材164a〜164eが設けられており、第1フレーム136aの長手方向に間隔をあけて並べて配置されている。そして、第1フレーム136aの各ベース部材164a〜164e上には、複数のガイドローラ163a〜163eが配置されている。
【0059】
また、第1フレーム136aは、ガイドローラ163b,163dの排出端側隣にコンベヤベルト137の搬送面上方から側方にかけて配置され、その両端をベース部材164b,164dに回動部165a,166aを支点に選別物の搬送方向に向って回動自在に取り付けられた少なくとも1つ(本例では2つ)の上側ベルトガード165,166を備えている。この上側ベルトガード165には、コンベヤベルト137の搬送面と反対側の面の下方から側方にかけて配置された下側ベルトガード167Bが備えられており、回動部165aを支点として上側ベルトガード165と一体的に回動自在に設けられている。また、上側ベルトガード165,166の機体前方側(選別物の搬送方向に向って右側)には、上側ベルトガード165,166を連結する連結部材169Bが搬送方向に沿って配置されており、上側ベルトガード165,166のそれぞれに対して回動自在に接続されている。この連結部材169Bは、上側ベルトガード165,166が配置されたベース部材164b,164d部分から基端部側のベース部材164e付近まで延在するよう配置されており、その基端部側の端部には穴174が設けられている。
【0060】
下側ベルトガード167Bは、基端部側への回動時に、第1フレーム136aの長手方向に対してほぼ垂直となる位置でベース部材164bの保持部170に接触し、それ以上の基端部側への回動が制限されるように備えられている。したがって、下側ベルトガード167Bと一体的に回動される上側ベルトガード165も同様に、第1フレーム136aの長手方向に対してほぼ垂直となる位置から先端部側への回動が制限される。また、下側ベルトガード167Bは、自重による基端部側への回動時に上側ベルトガード165,166を先端側に回動させて立ち上がらせる(つまり、搬送面に対して立ち上がった姿勢で保持する)だけの十分な重量を有しており、コンベヤ106Bを展開した状態では、選別物を搬送する搬送動作時の姿勢を保持することができる(図12参照)。このとき、コンベヤ106Bのコンベヤベルト137と各ベルトガード165,166,167Bの間には十分な間隔が確保されるので、コンベヤベルト137の循環駆動による選別物搬送時のコンベヤベルト137と各ベルトガード165,166,167Bの接触、及び、コンベヤベルト137上を搬送される選別物と各ベルトガード165,166,167Bの接触・衝突を防止することができる。
【0061】
連結部材169Bの基端部側の端部に設けられた穴174には、緩衝ばね173を介して紐状部材であるワイヤ172の一端が接続されており、そのワイヤ172の他端は、屈曲点よりも上流側に設けられた固定部材、すなわち、第2フレーム136bの幅方向の連結部材169Bと同じ側に設けられた保持部171に接続されている。この保持部171は、ばね等の力によって軸中心に回転しワイヤ172を巻き取る機能を有しており、コンベヤ106Bを展開して選別物を搬送する搬送動作時には、ベルトガード165,166,167Bの自重による立ち上がりの妨げにならない程度の力で、ワイヤ172の弛み分が巻き取られている。
【0062】
また、コンベヤ106Bを機体に格納した場合、すなわち、第2フレーム136bに対して第1フレーム136aを機体後方側(図14中奥側)に屈曲した場合は、コンベヤ106Bの展開時と比較して、連結部材169Bと保持部171の距離が遠くなる。このとき、保持部171に巻き取られたワイヤ172の緩み分は全て開放され、さらに、連結部材169Bがワイヤ172を介して保持部171側に引っ張られる。これにより、上側ベルトガード165,166は連結部材169Bを介して基端部側に回動されてコンベヤベルト137の搬送面を押えて搬送面に対して寝た姿勢になり、その姿勢で保持される。すなわち、コンベヤ106が屈曲点から屈曲されて格納されるのに伴って、連結部材169Bがワイヤ172に引かれて上側ベルトガード165,166を搬送面に対して寝た姿勢にして搬送面を押える。また、下側ベルトガードも同様に、先端側に回動された姿勢(搬送面に対して寝た姿勢)で保持される。このとき、各ベルトガード165,166,167Bは、コンベヤベルト137に接触して第1コンベヤフレーム163a側に押えるとともに、コンベヤベルト137の幅方向への移動を抑制することができるので、機体の輸送や移動時のようにコンベヤ106Bを格納する場合においても、コンベヤベルト137のコンベヤ106Bからずれるのを抑制することができる。
【0063】
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0064】
以上のように構成した本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0065】
1 走行体
3 ホッパコンベヤ
4 メインコンベヤ
5 篩装置
6 オーバーコンベヤ
7 ミドルコンベヤ
8 アンダーコンベヤ
9 パワーユニット(動力装置)
100 自走式振動スクリーン(自走式処理機)
106,106A,106B コンベヤ
136 コンベヤフレーム
137 コンベヤベルト
163a〜163e ガイドローラ
164a〜164e ベース部材
165,166 上側ベルトガード
167,167A,167B 下側ベルトガード
168 固定部
169,169A,169B 連結部材
169a,169b 固定穴
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョークラッシャ、シュレッダ、木材破砕機、土質改良機、スクリーン等の被処理物を処理する自走式処理機に搭載された処理装置からの処理物を搬送して排出するコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
被処理物に処理を施して所望の状態にするための処理装置を搭載した自走式処理機としては、例えば、被破砕物を破砕処理するジョークラッシャやシュレッダ、木材破砕機等を含む自走式破砕機、土砂等を土質改良材と混合して改質する自走式土質改良機、選別対象物を粒度に応じて選別する自走式スクリーン等、用途に応じて様々な種類のものが存在しており、投入・搬入された被処理物に対して処理装置で処理を施し、処理装置からの処理物をコンベヤ等により機体外に搬送して排出する。
【0003】
例えば、自走式処理機の1つとして、分級した選別物を粒度別に三方向に排出する三分級タイプの振動スクリーンが知られているが、この種の振動スクリーンでは、後方から処理装置である篩装置上方に延在する投入用コンベヤにより被処理物をスクリーンに運び、選別処理が施された選別物の粒径の違いに応じて、機体の前方、及び、左右側方に延在するコンベヤにより搬送し排出する(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2000−509644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術のように、処理装置からの処理物をコンベヤによって機体外に搬送して排出する構成の自走式処理機では、機体の大きさ(幅、長さ、高さ)が一般道路の輸送制限を越える場合も多く、この場合には、輸送の際に各コンベヤを折り畳む等して機体を輸送制限内に収めなければならない。
【0006】
一般的なコンベヤは、上流側端部と下流側端部にコンベヤベルを掛け回して構成されているが、コンベヤを折り畳む際、そのコンベヤベルトがキャリアローラから外れてしまうことがあるため、コンベヤの展開・格納作業をスムーズに行うためには、コンベヤベルトのずれを抑制することが必要である。
【0007】
しかしながら、コンベヤベルトを保持する部材を設けようとした場合、コンベヤベルト上を搬送される搬送物が引っかかってこぼれたり、搬送物との衝突によって破損したりすることがあるため、格納時のコンベヤベルトのズレを効果的に抑制することは容易ではなかった。
【0008】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、展開・格納作業の簡便性、及び処理物排出時の処理物の搬送性を確保しつつ、輸送時の格納状態におけるベルトのずれを抑制することができるコンベヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)自走式処理機の機体に搭載された処理装置からの処理物を機体外に搬送し排出するコンベヤであって、前記処理物の搬送路における上流側端部と下流側端部の間に設けた1つ以上の屈曲点を支点として回動することにより屈曲されて機体に沿うように格納可能なコンベヤにおいて、前記コンベヤの上流側端部及び下流側端部に掛け回したコンベヤベルトの前記屈曲点よりも下流側部分に、それぞれ前記コンベヤベルトの搬送面上方から側方にかけて配置され、回動自在に取り付けられる複数のベルトガードと、前記複数のベルトガード間を接続する連結部材とを備え、前記連結部材の移動に伴って、前記複数のベルトガードが前記コンベヤベルトの搬送面を押えるものとする。
【0010】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記コンベヤベルトの搬送面と反対側の面の下方から側方にかけて配置され、前記複数のベルトガードの少なくとも何れか1つに取り付けられた下側ベルトガードを備え、前記ベルトガードの回動に伴って、前記下側ベルトガードが前記ベルトガードと一体的に回動して前記コンベヤベルトの搬送面と反対側の面を押えるものとする。
【0011】
(3)上記(2)において、好ましくは、前記ベルトガードが前記コンベヤベルトの搬送面に対して寝た姿勢、又は、立ち上がった姿勢の何れかになるように前記連結部材を固定する固定部材を備えたものとする。
【0012】
(4)また、上記(2)において、好ましくは、前記下側ベルトガードは、前記コンベヤベルトの搬送面上方から側方にかけて配置された前記ベルトガードと連結部材とを合わせた重量よりも重く設定されたものとする。
【0013】
(5)上記(4)において、好ましくは、前記コンベヤが前記屈曲点から屈曲されて格納されるのに伴って、前記ベルトガードが機体外装又はメインコンベヤフレームに設けられた緩衝部材に当たって前記コンベヤベルトの搬送面に対して寝た姿勢になるものとする。
【0014】
(6)また、上記(4)において、好ましくは、前記屈曲点よりも上流側に設けられた固定部材と前記連結部材とを繋いだ紐状部材を備え、前記コンベヤが前記屈曲点から屈曲されて格納されるのに伴って、前記連結部材が前記紐状部材に引かれて前記複数のベルトガードをコンベヤベルトの搬送面に対して寝た姿勢にするものとする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、展開・格納作業の簡便性、及び処理物排出時の処理物の搬送性を確保しつつ、輸送時の格納状態におけるベルトのずれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態に係る自走式振動スクリーンのコンベヤ展開時の全体構成を表す側面図である。
【図2】第1の実施形態に係る自走式振動スクリーンのコンベヤ展開時の全体構成を表す平面図である。
【図3】第1の実施形態に係る自走式振動スクリーンのコンベヤ展開時の全体構成を表す正面図である。
【図4】第1の実施形態に係る自走式振動スクリーンのコンベヤ格納時の全体構成を表す側面図である。
【図5】第1の実施形態に係る自走式振動スクリーンのコンベヤ格納時の全体構成を表す平面図である。
【図6】第1の実施形態に係る自走式振動スクリーンのコンベヤ格納時の全体構成を表す正面図である。
【図7】第1の実施の形態に係るコンベヤの構成を示す側面図である。
【図8】第1の実施の形態に係るコンベヤの構成を示す上面図である。
【図9】第1の実施の形態に係るコンベヤの構成をコンベヤベルトを省略して示す上面図である。
【図10】第1の実施の形態に係るコンベヤの搬送動作時の姿勢の上側および下側ベルトガード付近を拡大して示す図である。
【図11】第1の実施の形態に係るコンベヤの機体輸送時の姿勢の上側および下側ベルトガード付近を拡大して示す図である。
【図12】第2の実施の形態に係るコンベヤの搬送動作時の姿勢の上側および下側ベルトガード付近を拡大して示す図である。
【図13】第2の実施の形態に係るコンベヤの機体輸送時の姿勢の上側および下側ベルトガード付近を拡大して示す図である。
【図14】第3の実施の形態に係るコンベヤの搬送動作時の姿勢の上側および下側ベルトガード付近を拡大して示す図である。
【図15】従来技術のコンベヤを機体に格納した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係るコンベヤを搭載した自走式処理機として自走式振動スクリーンを例に挙げ、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
<第1の実施の形態>
まず、本実施の形態に係る自走式振動スクリーンに一般的なコンベヤを用いた場合を例に挙げ、自走式振動スクリーンの基本構成について説明する。
【0019】
図1及び図4は第1の実施形態に係る自走式振動スクリーンの全体構成を表す側面図、図2及び5は平面図、図3及び図6は正面図であり、図1〜図3はコンベヤの展開時の全体構成を、図4〜図6はコンベヤの格納時の全体構成をそれぞれ表している。なお、図5及び図6においては、各コンベヤのコンベヤベルトを省略して示している。また、以下において、図1及び図4における右側・左側をそれぞれ自走式スクリーンの前側・後側とする。
【0020】
図1〜図6において、自走式振動スクリーン100は、走行体1と、被選別物(被処理物)の受け入れ部であるホッパコンベヤ3と、ホッパコンベヤ3に受け入れた被選別物を前方に搬送するメインコンベヤ4と、メインコンベヤ4から供給された被選別物を粒度に応じて篩い分けて3つの種類に選別する篩装置5と、篩装置5で篩い分けられた選別物(処理物)のうち最も粒径の大きな種類の選別物を搬送して排出するオーバーコンベヤ6と、篩装置5で篩い分けられた中間粒径の選別物を搬送して排出するミドルコンベヤ7と、篩装置5で篩い分けられた最も粒径の小さな種類の選別物を搬送して排出するアンダーコンベヤ8と、搭載機器の動力源を内蔵したパワーユニット(動力装置)9とを備えている。
【0021】
走行体1は、左右一対の走行装置10と、これら走行装置10上に設けた本体フレーム11とで構成されている。走行装置10は、左右のトラックフレーム12と、これらトラックフレーム12の前後にそれぞれ設けた従動輪13及び駆動輪14と、出力軸を駆動輪14に連結した走行用油圧モータ15と、左右の従動輪13及び駆動輪14にそれぞれ掛け回した無限軌道履帯16とを備えている。本体フレーム11は、トラックフレーム12の上部に連結され、前後方向に延在している。
【0022】
ホッパコンベヤ3は、被選別物を受け入れるホッパ21と、ホッパ21内に収容された送りコンベヤ22(図2参照)とを備えている。ホッパ21の前端部は本体フレーム11の後端部上に固定されており、後側半分を超える部分が本体フレーム11よりも後方に突き出して配置されている。このホッパ21の内壁面は下方に縮径するように傾斜しており、被選別物を送りコンベヤ22の搬送面上に導く役割を果たしている。送りコンベヤ22は、ホッパコンベヤ3の前方に水平もしくは上り傾斜に延在している。また、本体フレーム11から突き出したホッパ21の後端部分にはアウトリガー23が設けられており、振動を伴う選別作業時等でもアウトリガー23を地面に設置させることによって機体が安定に支持される。また、ホッパ21の上部にはチッピンググリット(固定篩)24が設けられている。このチッピンググリット24は、篩面が機体右側に下るように傾斜していて、被選別物が投入された際に篩面上に残った岩石や礫等の大きな異物を機体右側に落下させる。
【0023】
メインコンベヤ4は、送りコンベヤ22で搬送された被選別物を篩装置5に供給するものであり、送りコンベヤ22前方の放出端の下方に位置する基端部から篩装置5の篩面の前端部近傍の上方に位置する放出端まで上り傾斜に延在している。このメインコンベヤ4は、コンベヤフレーム26と、コンベヤフレーム26の前後両端に回転自在に設けられたヘッドプーリ及びテールプーリ(図示せず)と、ヘッドプーリ及びテールプーリに掛け回したコンベヤベルト27(図2参照)と、ヘッドプーリに連結したメインコンベヤ用油圧モータ28とを備えており、メインコンベヤ用油圧モータ28でヘッドプーリを駆動させることによってヘッドプーリ及びテールプーリ間でコンベヤベルト27を循環駆動させる。また、コンベヤフレーム26の基端側は、本体フレーム11に対して回動軸(図示せず)を介して上下に揺動可能に連結されている。コンベヤフレーム26の放出端側は、篩装置5のベースフレーム35に対してリンクアーム29を介して連結されている。コンベヤフレーム26は、稼動時には基端側から放出端側にかけて直線状に延在するよう配置されるが、移動時等には途中の関節部でピン30(図3参照)を支点に放出端側が基端側に対して下方に屈曲可能な構成となっている。
【0024】
篩装置5は、枠状の装置本体31の内部に装着された上下二段の篩部材(図示せず)で被選別物を粒度に応じて篩い分けて3つの種類に選別する。装置本体31は篩装置5のベースフレーム35上に弾性体(例えばバネ)を介して振動可能に支持されている。ベースフレーム35の後部側は、本体フレーム11の前部に固定した支持部材32に回動軸(図示せず)を介して連結されている。支持部材32は本体フレーム11に対して上方に突出しており、篩装置5の回動軸はこの支持部材32の上端部近傍に設けられている。ベースフレーム35の前部側は、支持棹33を介して支持部材32に連結されている。また、装置本体31に装着された上下の篩部材は、下段に比べて上段の目が粗くなっており、最も大きな粒径(以下、オーバーサイズと適宜記載する)の選別物が上段の篩部材上に残り、さらに、それよりも粒径が小さく上段の篩部材を通過した選別物のうちで比較的大きな粒径(以下、ミドルサイズと適宜記載する)の選別物が下段の篩部材上に残り、そして、最も小さな粒径(以下、アンダーサイズと適宜記載する)の選別物が下段の篩部材を通過する。稼動時の篩装置5の姿勢は後方側に向かって下り傾斜となっており(図1参照)、上下の篩部材の篩面が後方に下る方向に傾斜しているので、上下の各篩部材上に残ったオーバーサイズ及びミドルサイズの選別物は装置本体5の振動に伴って篩面上を下り落ち、下段の篩部材を通過したアンダーサイズの選別物は篩装置5を通過して下方に落下する。
【0025】
オーバーコンベヤ6は、篩装置5の上段の篩部材の篩面上を下り落ちたオーバーサイズの選別物を搬送し機体側方の一方側(本例では左側)に排出するものであり、放出端に向かって斜めに立ち上がるように配置されている。このオーバーコンベヤ6は、コンベヤフレーム36と、コンベヤフレーム36の両端に回転自在に設けられたヘッドプーリ及びテールプーリ(図示せず)に掛け回したコンベヤベルト37と、ヘッドプーリに連結したオーバーコンベヤ用油圧モータ38と、篩装置5の上段の篩部材の放出端部から延びるシュート34が臨むようにコンベヤフレーム36上に設けたホッパ39とを備えており、オーバーコンベヤ用油圧モータ38でヘッドプーリを駆動させることによってヘッドプーリ及びテールプーリ間でコンベヤベルト37を循環駆動させ、ホッパ39で受けたオーバーサイズの選別物を機体側方(左方)に搬送して排出する。また、コンベヤフレーム36の基端部は、本体フレーム11に対して回動軸40(図3参照)を介して上下に揺動可能に連結されており、オーバーコンベヤ揺動シリンダ48(図3参照)によって上下に揺動される。また、コンベヤフレーム36は途中の関節部でピン(図示せず)を支点に基端側に対して放出端側が選別物搬送方向に向かって左側(機体後方側)に屈曲可能になっており、機体の移動時や輸送時にはオーバーコンベヤ格納シリンダ(図示せず)によって放出端側が機体後方に折り畳まれ格納される(図4参照)。
【0026】
ミドルコンベヤ7は、篩装置5の下段の篩部材の篩面上を下り落ちたミドルサイズの選別物を搬送し機体側方の他方側(本例では右側)に排出するものであり、アンダーコンベヤ6の前隣に、放出端に向かって斜めに立ち上がるように配置されている。このミドルコンベヤ7はオーバーコンベヤ6とほぼ同様の構成を有しており、コンベヤフレーム41と、コンベヤフレーム41の両端に回転自在に設けられたヘッドプーリ及びテールプーリ(図示せず)に掛け回したコンベヤベルト42と、ヘッドプーリに連結したミドルコンベヤ用油圧モータ43と、篩装置5の下段の篩部材の放出端部から延びるシュート(図示せず)が臨むようにコンベヤフレーム41上に設けたホッパ(図示せず)とを備えており、ミドルコンベヤ用油圧モータ43でヘッドプーリを駆動させることによってヘッドプーリ及びテールプーリ間でコンベヤベルト42を循環駆動させ、ホッパで受けたミドルサイズの選別物を機体側方(右方)に搬送して排出する。また、コンベヤフレーム41の基端部は、本体フレーム11に対して回動軸47(図3参照)を介して上下に揺動可能に連結されており、ミドルコンベヤ揺動シリンダ44によって上下に揺動する。また、コンベヤフレーム41は途中の関節部でピン45(図4参照)を支点に基端側に対して放出端側が選別物搬送方向に向かって右側(機体後方側)に屈曲可能になっており、機体の移動時や輸送時にはミドルコンベヤ格納シリンダ46(図4参照)によって放出端側が機体後方に折り畳まれ格納される(図4参照)。
【0027】
アンダーコンベヤ8は、篩装置5の下段の篩部材を通過したアンダーサイズの選別物を搬送し機体前方に排出するものであり、篩装置5の下方から機体前方の放出端に向かって斜めに立ち上がるように配置されている。このアンダーコンベヤ8は、コンベヤフレーム51と、コンベヤフレーム51の両端に回転自在に設けられたヘッドプーリ及びテールプーリ(図示せず)に掛け回したコンベヤベルト52と、ヘッドプーリに連結したアンダーコンベヤ用油圧モータ53とを備えており、アンダーコンベヤ用油圧モータ53でヘッドプーリを駆動させることによってヘッドプーリ及びテールプーリ間でコンベヤベルト52を循環駆動させ、下段の篩部材を通過したアンダーサイズの選別物を機体前方に搬送し排出する。また、コンベヤフレーム51の基端部は、本体フレーム11の前部の支持部材32における上下方向の中間部に回動軸(図示せず)を介して上下に揺動可能に連結されている。コンベヤフレーム51の中間部は、篩装置揺動シリンダ54を介して支持部材32の下端部近傍に、支持棹55を介して篩装置5のベースフレーム35にそれぞれ連結されており、篩装置揺動シリンダ54の伸縮に伴って篩装置8及びメインコンベヤ4とともにアンダーコンベヤ8が上下に揺動する。アンダーコンベヤ8はまた、その基端側に対してピン56を介して放出端側が上方に折り曲げ可能な構成であり、基端側の先端部近傍がアンダーコンベヤ揺動シリンダ57を介して篩装置5のベースフレーム35に連結されるとともに、放出端側はアンダーコンベヤ格納シリンダ58を介して基端側に連結されている。アンダーコンベヤ揺動シリンダ57の伸縮に伴って篩装置5やメインコンベヤ4とは別個に本体フレーム11に対してアンダーコンベヤ8が単独で上下に揺動し、アンダーコンベヤ格納シリンダ58の伸縮に伴ってアンダーコンベヤ8の放出端側が基端側に対して上下に揺動する。
【0028】
パワーユニット9は、エンジンや油圧ポンプ、コントロールバルブ等、機体各所に搭載した作動装置の動力源を内蔵しており、本体フレーム11上の走行装置10の上方位置に搭載されている。このパワーユニット9は、メインコンベヤ4の下側で、かつ、ホッパコンベヤ3とオーバーコンベヤ6の間に位置している。
【0029】
本発明に係るコンベヤは、上記のような自走式処理機のオーバーコンベヤ6やミドルコンベヤ8に換えて用いられるものである。以下、その詳細について図面を参照しつつ説明する。なお、本例では、上記自走式振動スクリーン100において、オーバーコンベヤ6に換えて本発明のコンベヤ106を適用した場合を例にとり説明する。
【0030】
図7〜図9は、本実施の形態に係るコンベヤの構成を示す図であり、図7は側面図、図8は上面図、図9はコンベヤベルトを省略して示す上面図である。
【0031】
図7〜図9において、本発明のコンベヤ106は、選別物を搬送し機体側方の一方側(本例では左側)に排出するものであり、放出端に向かって斜めに立ち上がるように配置されている。このコンベヤ106は、コンベヤフレーム136と、コンベヤフレーム136の両端に回転自在に設けられたヘッドプーリ160及びテールプーリ161に掛け回したコンベヤベルト137と、ヘッドプーリ160に連結したコンベヤ用油圧モータ138とを備えており、コンベヤ用油圧モータ138でヘッドプーリ160を駆動させることによってヘッドプーリ160及びテールプーリ161間でコンベヤベルト137を循環駆動させ、選別物を機体側方(左方)に搬送して排出する。
【0032】
コンベヤフレーム136は、コンベヤフレーム136の基端部であって本体フレーム11対して固定された第3フレーム136cと、第3フレーム136cのコンベヤフレーム136における排出端側(下流側)に回動軸140を介して上下に揺動可能に連結されており、第3フレーム136cとの間に設けられた揺動シリンダ162によって上下に揺動される第2フレーム136bと、第2フレームの排出端側(下流側)にピン145を支点に第2フレーム136b側に対して放出端側が機体後方側(選別物搬送方向に向かって左側)に屈曲可能に設けられ、機体輸送時等にはコンベヤ格納シリンダ146によって放出端側が機体後方に折り畳まれる第1フレーム136aとから構成されている。また、コンベヤフレーム136には、選別物の搬送動作時にコンベヤベルト137を下方から支持する複数(本例では9つ)のガイドローラ163a〜163iが長手方向に間隔をあけて並べて配置されている。
【0033】
第1フレーム136aは、一端にヘッドプーリ160を有し、他端を第2フレーム136bに対して屈曲点であるピン145により回動可能に接続された棒状の部材であり、コンベヤベルト137の幅内に収まるように形成されている。その第1フレーム136aの途中には、コンベヤ106の幅方向に、コンベヤベルト137両側の外側まで延在する複数のベース部材164a〜164eが設けられており、第1フレーム136aの長手方向に間隔をあけて並べて配置されている。そして、第1フレーム136aの各ベース部材164a〜164e上には、複数のガイドローラ163a〜163eが配置されている。
【0034】
また、コンベヤ106の屈曲点より下流側に位置する第1フレーム136aは、ガイドローラ163b,163dの排出端側隣に、コンベヤベルト137の搬送面上方から側方にかけて配置され、その両端をベース部材164b,164dに回動部165a,166aを支点に選別物の搬送方向に向って回動自在に取り付けられた少なくとも1つ(本例では2つ)の上側ベルトガード165,166を備えている。この上側ベルトガード165には、コンベヤベルト137の下方から側面にかけて配置され、回動部165aを支点として上側ベルトガード165と一体的に回動自在に設けられた下側ベルトガード167が備えられている。
【0035】
また、上側ベルトガード165,166の機体前方側、すなわち、コンベヤ106が機体に格納されたときに上側となる側(本例では、選別物の搬送方向に向って右側)には、上側ベルトガード165,166を連結する連結部材169が搬送方向に沿って配置されており、上側ベルトガード165,166のそれぞれに対して回動自在に接続されている。この連結部材169は、上側ベルトガード165,166が配置されたベース部材164b,164d部分から基端部側のベース部材164e付近まで延在するよう配置されており、基端部側の端部に長手方向に間隔をあけて並べて設けられた2つの固定穴169a,169bの何れかにおいて、ベース部材164eに設けられた固定部168に着脱可能なネジ等により固定されている。そして、上側ベルトガード165,166、及び、下側ベルトガード167は、連結部材169の固定穴169a,169bのどちらで固定部168に固定するかにより、コンベヤ106を展開して選別物を搬送する搬送動作時の姿勢と、コンベヤ106を格納して機体を輸送(移動)する機体輸送時の姿勢とを変える。
【0036】
ここで、コンベヤ106の各ベルトガード165〜167の搬送動作時の姿勢と機体輸送時の姿勢について、図10及び図11を参照しつつ詳細に説明する。
【0037】
図10及び図11はコンベヤの上側および下側ベルトガード付近を拡大して示す図であり、図10は各ベルトガードが搬送動作時の姿勢である場合を、図11は機体輸送時の姿勢である場合をそれぞれ示している。
【0038】
図10に示すように、連結部材169の2つの固定穴169a,169bのうち基端部側の固定穴169aで固定部168に固定した場合、上側ベルトガード165,166は連結部材169を介してコンベヤ106の上方に第1フレーム136aに対してほぼ垂直に立つ姿勢で保持される。また、下側ベルトガード167も同様に、コンベヤ106の下側に第1フレーム136aに対してほぼ垂直な姿勢で保持される。つまり、言い替えると、上側ベルトガード165,166はコンベヤ106の搬送面に対して、下側ベルトガード167は搬送面と反対側の面に対して、それぞれほぼ垂直に立つ姿勢で保持される。このとき、コンベヤ106のコンベヤベルト137と各ベルトガード165〜167の間には十分な間隔が確保されるので、コンベヤベルト137の循環駆動による選別物搬送時のコンベヤベルト137と各ベルトガード165〜167の接触、及び、コンベヤベルト137上を搬送される選別物と各ベルトガード165〜167の接触・衝突を防止することができる。
【0039】
図11に示すように、連結部材169の2つの固定穴169a,169bのうち先端側の固定穴169bで固定部168に固定した場合、上側ベルトガード165,166は連結部材169を介して、基端部側に回動され、コンベヤベルト137の搬送面を押えて搬送面に対して寝た姿勢で保持される。また、下側ベルトガードも同様に、先端側に回動され、コンベヤベルト137の搬送面と反対側の面を押えて搬送面と反対側の面に対して寝た姿勢で保持される。このように、各ベルトガード165〜167が寝た姿勢になることにより、コンベヤベルト137に接触してコンベヤフレーム163側に押えるとともに、コンベヤベルト137の幅方向への移動を抑制することができるので、機体の輸送や移動時のようにコンベヤ106を格納する場合においても、コンベヤベルト137のコンベヤ106からずれるのを抑制することができる。
【0040】
以上のように構成した本実施の形態の効果を従来技術と比較しつつ説明する。
【0041】
図15は、従来技術のコンベヤを格納した状態を示す図である。
【0042】
処理装置からの処理物をコンベヤによって機体外に搬送して排出する構成の自走式処理機では、機体の大きさ(幅、長さ、高さ)が一般道路の輸送制限を越える場合も多く、この場合には、輸送の際に各コンベヤを折り畳む等して機体を輸送制限内に収めなければならない。一般的なコンベヤは、上流側端部と下流側端部にコンベヤベルを掛け回して構成されているが、コンベヤを折り畳む際、そのコンベヤベルトがキャリアローラから外れてしまうことがあるため、コンベヤの展開・格納作業をスムーズに行うためには、コンベヤベルトのずれを抑制することが必要である。
【0043】
しかしながら、従来技術として図15に示すように、コンベヤベルト42を跨いで保持する部材90a〜90cを設ける場合、コンベヤ7の格納性を確保するために部材90a〜90cのコンベヤベルト42からの高さを低く設定すると、コンベヤベルト42上を搬送される選別物が引っかかってこぼれたり、選別物との衝突によって破損したりしてしまうという問題がある。また、選別物の搬送性を確保するために部材90a〜90cのコンベヤベルト42からの高さを高く設定すると、格納性が低下してしまうほか、格納時のコンベヤベルトのズレを効果的に抑制することができない。
【0044】
これに対し、本実施の形態においては、コンベヤ106の上流側端部及び下流側端部に掛け回したコンベヤベルト137の搬送面上方から側方にかけて配置され、回動自在に取り付けられた上側ベルトガード165,166を備え、上側ベルトガード165,166を回動することによりコンベヤベルト137の搬送面を押えて、コンベヤベルト137を保持するように構成した。これにより、コンベヤ106の展開時には上側ベルトガード165,166を回動させ、コンベヤ106のコンベヤベルト137と各ベルトガード165,166の間に十分な間隔が確保されるようにして、コンベヤベルト137の循環駆動による選別物搬送時のコンベヤベルト137と上側ベルトガード165,166の接触、及び、コンベヤベルト137上を搬送される選別物と上側ベルトガード165,166の接触・衝突を防止することができる。また、コンベヤ106の格納時にはコンベヤベルト137を跨いで配置した上側ベルトガード165,166を回動させて寝た姿勢にし、上側ベルトガード165,166がコンベヤベルト137に接触してコンベヤフレーム163側に押えるようにしたので、コンベヤベルト137がコンベヤ106からずれるのを抑制しつつ、コンベヤ106の機体に対する格納性を向上することができる。したがって、展開・格納作業の簡便性、及び処理物排出時の処理物の搬送性を確保しつつ、輸送時の格納状態におけるベルトのずれを抑制することができる。
【0045】
また、下側ベルトガード167を、コンベヤベルト137の搬送面と反対の面の下方から側方にかけて配置し、回動部165aを支点として上側ベルトガード165と一体的に回動自在に設け、コンベヤベルト137の搬送面と反対側を押えるように構成したので、さらに効果的にコンベヤベルト137のずれを抑制することができる。
【0046】
なお、本実施の形態においては、ガイドローラを配置するベース部材164a,164bに上側ベルトガード165,166を設ける構成としたが、ベルトガード用のベース部材を別途設ける構成としても良い。この場合にも本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、第1の実施のコンベヤにおけるベルトガードの姿勢の維持及び変更する構成を変えたものである。
【0048】
図12及び図13は、本実施の形態のコンベヤ106Aの上側および下側ベルトガード付近を拡大して示す図であり、図12は各ベルトガードが搬送動作時の姿勢である場合を、図13は機体輸送時の姿勢である場合をそれぞれ示している。図中、第1の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付し説明を省略する。
【0049】
図12及び図13において、本実施の形態のコンベヤ106Aは、第1の実施形態と同様に選別物を搬送し機体側方の一方側に排出するものであり、放出端に向かって斜めに立ち上がるように配置されている。
【0050】
コンベヤ106Aの第1フレーム136aの途中には、コンベヤ106の幅方向に、コンベヤベルト137両側の外側まで延在する複数のベース部材164a〜164eが設けられており、第1フレーム136aの長手方向に間隔をあけて並べて配置されている。そして、第1フレーム136aの各ベース部材164a〜164e上には、複数のガイドローラ163a〜163eが配置されている。
【0051】
また、第1フレーム136aは、ガイドローラ163b,163dの排出端側隣にコンベヤベルト137の搬送面上方から側方にかけて配置され、その両端をベース部材164b,164dに回動部165a,166aを支点に選別物の搬送方向に向って回動自在に取り付けられた少なくとも1つ(本例では2つ)の上側ベルトガード165,166を備えている。この上側ベルトガード165には、コンベヤベルト137の搬送面と反対側の面の下方から側方にかけて配置された下側ベルトガード167Aが備えられており、回動部165aを支点として上側ベルトガード165と一体的に回動自在に設けられている。また、上側ベルトガード165,166の機体前方側(選別物の搬送方向に向って右側)には、上側ベルトガード165,166を連結する連結部材169Aが搬送方向に沿って配置されており、上側ベルトガード165,166のそれぞれに対して回動自在に接続されている。
【0052】
下側ベルトガード167Aは、基端部側への回動時に、第1フレーム136aの長手方向に対してほぼ垂直となる位置でベース部材164bの保持部170に接触し、それ以上の基端部側への回動が制限されるように備えられている。したがって、下側ベルトガード167Aと一体的に回動される上側ベルトガード165も同様に、第1フレーム136aの長手方向に対してほぼ垂直となる位置から先端部側への回動が制限される。また、下側ベルトガード167Aは、自重による基端部側への回動時に上側ベルトガード165,166を先端側に回動させて立ち上がらせる(つまり、搬送面に対して立ち上がった姿勢で保持する)だけの十分な重量を有しており、コンベヤ106Aを展開した状態では、選別物を搬送する搬送動作時の姿勢を保持することができる(図12参照)。このとき、コンベヤ106Aのコンベヤベルト137と各ベルトガード165,166,167Aの間には十分な間隔が確保されるので、コンベヤベルト137の循環駆動による選別物搬送時のコンベヤベルト137と各ベルトガード165,166,167Aの接触、及び、コンベヤベルト137上を搬送される選別物と各ベルトガード165,166,167Aの接触・衝突を防止することができる。また、コンベヤ106Aを機体に格納した場合には、ベルトガード165,166が機体外装又はメインコンベヤ4のコンベヤフレーム26(すなわち、メインコンベヤフレーム)に設けられた緩衝部材(図示せず)に接触して、ベルトガード165,166,167Aが回動されて寝た姿勢になり、コンベヤベルト137に接触してコンベヤフレーム163側に押えている(図13参照)。したがって、機体の輸送や移動時のようにコンベヤ106を格納する場合においても、コンベヤベルト137のコンベヤ106からずれるのを抑制することができる。
【0053】
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0054】
以上のように構成した本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0055】
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、第1の実施のコンベヤにおけるベルトガードの姿勢の維持及び変更する構成を変えたものである。
【0056】
図14は、本実施の形態のコンベヤ106Bの上側および下側ベルトガード付近を拡大して示す図であり、各ベルトガードが搬送動作時の姿勢である場合を代表して示している。
【0057】
図14において、本実施の形態のコンベヤ106Bは、第1の実施形態と同様に選別物を搬送し機体側方の一方側に排出するものであり、放出端に向かって斜めに立ち上がるように配置されている。
【0058】
コンベヤ106Bの第1フレーム136aの途中には、コンベヤ106の幅方向に、コンベヤベルト137両側の外側まで延在する複数のベース部材164a〜164eが設けられており、第1フレーム136aの長手方向に間隔をあけて並べて配置されている。そして、第1フレーム136aの各ベース部材164a〜164e上には、複数のガイドローラ163a〜163eが配置されている。
【0059】
また、第1フレーム136aは、ガイドローラ163b,163dの排出端側隣にコンベヤベルト137の搬送面上方から側方にかけて配置され、その両端をベース部材164b,164dに回動部165a,166aを支点に選別物の搬送方向に向って回動自在に取り付けられた少なくとも1つ(本例では2つ)の上側ベルトガード165,166を備えている。この上側ベルトガード165には、コンベヤベルト137の搬送面と反対側の面の下方から側方にかけて配置された下側ベルトガード167Bが備えられており、回動部165aを支点として上側ベルトガード165と一体的に回動自在に設けられている。また、上側ベルトガード165,166の機体前方側(選別物の搬送方向に向って右側)には、上側ベルトガード165,166を連結する連結部材169Bが搬送方向に沿って配置されており、上側ベルトガード165,166のそれぞれに対して回動自在に接続されている。この連結部材169Bは、上側ベルトガード165,166が配置されたベース部材164b,164d部分から基端部側のベース部材164e付近まで延在するよう配置されており、その基端部側の端部には穴174が設けられている。
【0060】
下側ベルトガード167Bは、基端部側への回動時に、第1フレーム136aの長手方向に対してほぼ垂直となる位置でベース部材164bの保持部170に接触し、それ以上の基端部側への回動が制限されるように備えられている。したがって、下側ベルトガード167Bと一体的に回動される上側ベルトガード165も同様に、第1フレーム136aの長手方向に対してほぼ垂直となる位置から先端部側への回動が制限される。また、下側ベルトガード167Bは、自重による基端部側への回動時に上側ベルトガード165,166を先端側に回動させて立ち上がらせる(つまり、搬送面に対して立ち上がった姿勢で保持する)だけの十分な重量を有しており、コンベヤ106Bを展開した状態では、選別物を搬送する搬送動作時の姿勢を保持することができる(図12参照)。このとき、コンベヤ106Bのコンベヤベルト137と各ベルトガード165,166,167Bの間には十分な間隔が確保されるので、コンベヤベルト137の循環駆動による選別物搬送時のコンベヤベルト137と各ベルトガード165,166,167Bの接触、及び、コンベヤベルト137上を搬送される選別物と各ベルトガード165,166,167Bの接触・衝突を防止することができる。
【0061】
連結部材169Bの基端部側の端部に設けられた穴174には、緩衝ばね173を介して紐状部材であるワイヤ172の一端が接続されており、そのワイヤ172の他端は、屈曲点よりも上流側に設けられた固定部材、すなわち、第2フレーム136bの幅方向の連結部材169Bと同じ側に設けられた保持部171に接続されている。この保持部171は、ばね等の力によって軸中心に回転しワイヤ172を巻き取る機能を有しており、コンベヤ106Bを展開して選別物を搬送する搬送動作時には、ベルトガード165,166,167Bの自重による立ち上がりの妨げにならない程度の力で、ワイヤ172の弛み分が巻き取られている。
【0062】
また、コンベヤ106Bを機体に格納した場合、すなわち、第2フレーム136bに対して第1フレーム136aを機体後方側(図14中奥側)に屈曲した場合は、コンベヤ106Bの展開時と比較して、連結部材169Bと保持部171の距離が遠くなる。このとき、保持部171に巻き取られたワイヤ172の緩み分は全て開放され、さらに、連結部材169Bがワイヤ172を介して保持部171側に引っ張られる。これにより、上側ベルトガード165,166は連結部材169Bを介して基端部側に回動されてコンベヤベルト137の搬送面を押えて搬送面に対して寝た姿勢になり、その姿勢で保持される。すなわち、コンベヤ106が屈曲点から屈曲されて格納されるのに伴って、連結部材169Bがワイヤ172に引かれて上側ベルトガード165,166を搬送面に対して寝た姿勢にして搬送面を押える。また、下側ベルトガードも同様に、先端側に回動された姿勢(搬送面に対して寝た姿勢)で保持される。このとき、各ベルトガード165,166,167Bは、コンベヤベルト137に接触して第1コンベヤフレーム163a側に押えるとともに、コンベヤベルト137の幅方向への移動を抑制することができるので、機体の輸送や移動時のようにコンベヤ106Bを格納する場合においても、コンベヤベルト137のコンベヤ106Bからずれるのを抑制することができる。
【0063】
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0064】
以上のように構成した本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0065】
1 走行体
3 ホッパコンベヤ
4 メインコンベヤ
5 篩装置
6 オーバーコンベヤ
7 ミドルコンベヤ
8 アンダーコンベヤ
9 パワーユニット(動力装置)
100 自走式振動スクリーン(自走式処理機)
106,106A,106B コンベヤ
136 コンベヤフレーム
137 コンベヤベルト
163a〜163e ガイドローラ
164a〜164e ベース部材
165,166 上側ベルトガード
167,167A,167B 下側ベルトガード
168 固定部
169,169A,169B 連結部材
169a,169b 固定穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走式処理機の機体に搭載された処理装置からの処理物を機体外に搬送し排出するコンベヤであって、前記処理物の搬送路における上流側端部と下流側端部の間に設けた1つ以上の屈曲点を支点として回動することにより屈曲されて機体に沿うように格納可能なコンベヤにおいて、
前記コンベヤの上流側端部及び下流側端部に掛け回したコンベヤベルトの前記屈曲点よりも下流側部分に、それぞれ前記コンベヤベルトの搬送面上方から側方にかけて配置され、回動自在に取り付けられる複数のベルトガードと、
前記複数のベルトガード間を接続する連結部材とを備え、
前記連結部材の移動に伴って、前記複数のベルトガードが前記コンベヤベルトの搬送面を押えることを特徴とするコンベヤ。
【請求項2】
請求項1記載のコンベヤにおいて、
前記コンベヤベルトの搬送面と反対側の面の下方から側方にかけて配置され、前記複数のベルトガードの少なくとも何れか1つに取り付けられた下側ベルトガードを備え、
前記ベルトガードの回動に伴って、前記下側ベルトガードが前記ベルトガードと一体的に回動して前記コンベヤベルトの搬送面と反対側の面を押えることを特徴とするコンベヤ。
【請求項3】
請求項2記載のコンベヤにおいて、
前記ベルトガードが前記コンベヤベルトの搬送面に対して寝た姿勢、又は、立ち上がった姿勢の何れかになるように前記連結部材を固定する固定部材を備えたことを特徴とするコンベヤ。
【請求項4】
請求項2記載のコンベヤにおいて、
前記下側ベルトガードは、前記コンベヤベルトの搬送面上方から側方にかけて配置された前記ベルトガードと連結部材とを合わせた重量よりも重く設定されたことを特徴とするコンベヤ。
【請求項5】
請求項4記載のコンベヤにおいて、
前記コンベヤが前記屈曲点から屈曲されて格納されるのに伴って、前記ベルトガードが機体外装又はメインコンベヤフレームに設けられた緩衝部材に当たって前記コンベヤベルトの搬送面に対して寝た姿勢になることを特徴とするコンベヤ。
【請求項6】
請求項4記載のコンベヤにおいて、
前記屈曲点よりも上流側に設けられた固定部材と前記連結部材とを繋いだ紐状部材を備え、
前記コンベヤが前記屈曲点から屈曲されて格納されるのに伴って、前記連結部材が前記紐状部材に引かれて前記複数のベルトガードを搬送面に対して寝た姿勢にすることを特徴とするコンベヤ。
【請求項1】
自走式処理機の機体に搭載された処理装置からの処理物を機体外に搬送し排出するコンベヤであって、前記処理物の搬送路における上流側端部と下流側端部の間に設けた1つ以上の屈曲点を支点として回動することにより屈曲されて機体に沿うように格納可能なコンベヤにおいて、
前記コンベヤの上流側端部及び下流側端部に掛け回したコンベヤベルトの前記屈曲点よりも下流側部分に、それぞれ前記コンベヤベルトの搬送面上方から側方にかけて配置され、回動自在に取り付けられる複数のベルトガードと、
前記複数のベルトガード間を接続する連結部材とを備え、
前記連結部材の移動に伴って、前記複数のベルトガードが前記コンベヤベルトの搬送面を押えることを特徴とするコンベヤ。
【請求項2】
請求項1記載のコンベヤにおいて、
前記コンベヤベルトの搬送面と反対側の面の下方から側方にかけて配置され、前記複数のベルトガードの少なくとも何れか1つに取り付けられた下側ベルトガードを備え、
前記ベルトガードの回動に伴って、前記下側ベルトガードが前記ベルトガードと一体的に回動して前記コンベヤベルトの搬送面と反対側の面を押えることを特徴とするコンベヤ。
【請求項3】
請求項2記載のコンベヤにおいて、
前記ベルトガードが前記コンベヤベルトの搬送面に対して寝た姿勢、又は、立ち上がった姿勢の何れかになるように前記連結部材を固定する固定部材を備えたことを特徴とするコンベヤ。
【請求項4】
請求項2記載のコンベヤにおいて、
前記下側ベルトガードは、前記コンベヤベルトの搬送面上方から側方にかけて配置された前記ベルトガードと連結部材とを合わせた重量よりも重く設定されたことを特徴とするコンベヤ。
【請求項5】
請求項4記載のコンベヤにおいて、
前記コンベヤが前記屈曲点から屈曲されて格納されるのに伴って、前記ベルトガードが機体外装又はメインコンベヤフレームに設けられた緩衝部材に当たって前記コンベヤベルトの搬送面に対して寝た姿勢になることを特徴とするコンベヤ。
【請求項6】
請求項4記載のコンベヤにおいて、
前記屈曲点よりも上流側に設けられた固定部材と前記連結部材とを繋いだ紐状部材を備え、
前記コンベヤが前記屈曲点から屈曲されて格納されるのに伴って、前記連結部材が前記紐状部材に引かれて前記複数のベルトガードを搬送面に対して寝た姿勢にすることを特徴とするコンベヤ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−218870(P2012−218870A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85728(P2011−85728)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
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