コードの取り付け構造
【課題】必ずしも樹脂や接着剤を使用しなくとも筐体内部へのコード引き込み口からの浸水が防止でき、なおかつコードに結び目を作ったり、結束バンドでコードを縛ったりしなくともコードが抜けないコードの取り付け構造を提供すること。
【解決手段】アンテナユニットのボトムケース1にコード引き込み口11を形成し、ブッシュ20を引き込み口11位置に嵌挿させ、その連通孔にコードを挿通させてその基端寄りをボトムケース1内に配置させる。一方、ホルダー22を引き込み口11に面した位置においてビス31によって固定する際にホルダー22に形成された押圧爪28によってコード21の先端寄りを押圧するとともにブッシュ保持片29をブッシュ20の溝部25に挿入させブッシュ20の外方への移動を阻止するようにする。
【解決手段】アンテナユニットのボトムケース1にコード引き込み口11を形成し、ブッシュ20を引き込み口11位置に嵌挿させ、その連通孔にコードを挿通させてその基端寄りをボトムケース1内に配置させる。一方、ホルダー22を引き込み口11に面した位置においてビス31によって固定する際にホルダー22に形成された押圧爪28によってコード21の先端寄りを押圧するとともにブッシュ保持片29をブッシュ20の溝部25に挿入させブッシュ20の外方への移動を阻止するようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外に設置される電気又は電子機器の筐体から延出される電線を通すための中空で可撓性のあるコードの筐体への取り付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、GPS(Global Positioning System)、ETCあるいは地上波デジタルテレヴィジョン等の車両の外側(天井面)に取り付けられる車外アンテナユニットでは給電線や電源線等の電線を防水性かつ可撓性のあるコードに収納して筐体から延出させ車内に導入するようにしている。これら以外でもこのように屋外に設置される電気又は電子機器の筐体で有線伝送方式を採用するものでは筐体に形成したコード引き込み口からの浸水の防止を図る必要がある。また、コードが一旦屋外に露出されることとなるため、接触等の不用意な外力によって簡単にコードが外れてしまわないようにしっかりとコードの抜け防止を図る必要がある。
従来では浸水についてはコード引き込み口から樹脂や接着剤を充填してコード引き込み口の隙間を埋めるようにし、コードの抜け防止としてはコードに結び目を作ったり、結束バンドでコードを縛って抜けないようにしたりしている。樹脂や接着剤の充填はコードの抜け防止としての役割もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−34672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、浸水防止として上記のように樹脂や接着剤を充填する場合では、その充填作業の面倒さと充填後に固化するまで装置を静置しなければならず、作業に待機時間を要することとなり時間が無駄になる。また、コードに結び目を作る場合には結び目が大きくなるためスペースが取られることとなり、結束バンドでコードを縛る場合でもやはり結束バンドの収容スペースが必要となる。また、強く引っ張った場合には結び目が締まって小さくなりコード引き込み口から抜けてしまう可能性もある。
このようなコードの抜け防止の先行技術の1つとして特許文献1を挙げる。特許文献1ではその図1に示すようにケーブル(コードに相当)Mを抜ける方向に引っ張るとケーブルMの表面に食い込んでケーブルMが保持される(抜けるのを防止できる)弾性爪28が開示されている。しかし、特許文献1は単にケーブルMの抜け止めの技術に関するものである。屋外に設置される機器においてはコード引き込み口からの浸水も効果的に防止できなくてはならず、そのため必ずしも樹脂や接着剤を使用しなくとも浸水が防止でき、なおかつコードに結び目を作ったり、結束バンドでコードを縛ったりしなくともコードが抜けないようなコードの取り付け構造が望まれていた。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、その目的は、必ずしも樹脂や接着剤を使用しなくとも筐体内部へのコード引き込み口からの浸水が防止でき、なおかつコードに結び目を作ったり、結束バンドでコードを縛ったりしなくともコードが抜けないコードの取り付け構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第1の手段では、屋外に設置される電気又は電子機器の筐体の壁部にコード引き込み口を形成し、外周に係合部を有するとともに前記筐体内外を連通させる連通孔を有するブッシュを前記係合部が前記筐体内側に配置されるように前記コード引き込み口に嵌挿して同コード引き込み口を封塞し、内部に電線が収納された可撓性のあるコードを前記ブッシュの前記連通孔に挿通させてその基端寄りを前記筐体内部に配置させる一方、ホルダーを前記コード引き込み口に面した位置において前記筐体側に対して固定手段によって固定し、その固定に伴って前記ホルダーに併設されたコード押圧部によって前記コードの先端寄りを前記筐体側に押圧するとともに前記ホルダーに併設された被係合部を前記ブッシュの前記係合部に係合させ、前記ブッシュの外方への移動を阻止するようにしたことをその要旨とする。
このような構成では、嵌挿されたブッシュによってコード引き込み口は封塞され、ブッシュの連通孔によって筐体内外が連通されることとなる。そしてその連通孔内に引き込まれた可撓性のあるコードの基端寄りはホルダーの固定に伴ってコード押圧部によって筐体側に押圧されて脱落が防止される。一方、ブッシュも係合部と被係合部との係合関係によって外方への移動が阻止されることとなる。このように、ブッシュの存在によって浸水が防止でき、なおかつコードもブッシュもいずれもホルダーの保持機能によってコードに外方に引かれるような力が働いても容易に抜けてしまうことはない。
【0006】
第2の手段では第1の手段に加えて、前記係合部は前記ブッシュの周方向に沿って断面凹状に形成された溝部であって、前記被係合部は前記溝部に嵌合されることをその要旨とする。
このように被係合部が溝部に係合されることでブッシュは外側だけでなく内側にも移動できないように規制されるためブッシュがコード引き込み口を封塞した状態で安定的に保持されることとなる。
【0007】
第3の手段では第1又は第2の手段に加えて、前記コード外周面は前記ブッシュの前記連通孔に挿通されている部分において前記連通孔内周面と互いに面接触していることをその要旨とする。
これによって連通孔とコードの隙間から水が浸入する可能性がより少なくなる。そのためコードの断面形状は連通孔の断面形状と略一致して、コードを無理嵌め状態で挿通させることが好ましい。
【0008】
第4の手段では第1〜3のいずれかの手段に加えて、前記筐体側には前記コードを保持する保持部が形成されたコード保持フレームが設けられ、前記ホルダーは前記コード押圧部を介して前記コードを前記コード保持フレーム方向に押圧することをその要旨とする。このようにコード保持フレームの保持部によってコードが保持されているため、ホルダー側のコード押圧部による押圧によってコードが押圧方向から横ずれして外れてしまうことがない。また、コードが横ずれしないため、押圧力が逃げずにしっかりとコードを挟持することができる。
【発明の効果】
【0009】
上記各発明によれば、ブッシュがコード引き込み口を封塞するため浸水が防止できるとともに、ブッシュの連通孔から筐体内部に引き込まれたコードはホルダーによって押さえられ、併せてブッシュもホルダーによって保持されることとなるため、コードに結び目を作ったり、結束バンドでコードを縛ったりしなくともコード及びブッシュが抜けてしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明にかかる実施例のアンテナユニットの分解斜視図。
【図2】(a)は同じ実施例における筐体の部分拡大平面図、(b)は(a)におけるA−A線での断面図。
【図3】(a)は同じ実施例においてボトムケースにコードを取り付けた状態の平面図、(b)は(a)におけるB−B線での断面図。
【図4】(a)はホルダーの側面図、(b)は同じく平面図、(c)は同じく背面図。
【図5】(a)は同じ実施例におけるブッシュの側面図、(b)は(a)の部分断面図。
【図6】(a)は同じ実施例におけるボトムケースの斜視図、(b)はボトムケースのコード引き込み口付近の断面図。
【図7】(a)は係合前、(b)は係合途中のブッシュに対するホルダーのブッシュ保持片の係合作用を説明する説明図。
【図8】(a)〜(c)はコードとブッシュを固定するためのホルダーの取り付け工程を説明する説明図。
【図9】ボトムケースのコード引き込み口付近の構成の平面図。
【図10】コードの径と小フレームの切り欠き部1の間隔を説明する説明図。
【図11】(a)は他の実施例のホルダーの平面図、(b)は同じく側面図。
【図12】(a)は他の実施例のホルダーの平面図、(b)は同じく側面図。
【図13】(a)は他の実施例のホルダーの平面図、(b)は同じく側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、屋外に設置される電子機器としてのアンテナユニットは、ボトムケース1とアッパーケース2を備えている。ボトムケース1及びアッパーケース2はプラスチック成型品(例えばポリカーボネート製)であって、隅丸長方形の平面形状とされている。ボトムケース1は底板3と、同底板3の周縁から垂直に立ち上がり底板3を包囲する第1の周壁4によって基本的な骨格が構成されている。第1の周壁4の上縁全周には上方に突起するほぞ部4aが形成されている。
アッパーケース2はその周辺寄りが緩やかな斜状をもって形成されている天板5と、同天板5の周縁から垂直に下垂する第2の周壁6によって基本的な骨格が構成されている。第2の周壁6の下縁にはほぞ部4aに対応する溝部5aが形成されている。図2に示すように、ボトムケース1とアッパーケース2とをパッキン9を介して溝部5aにほぞ部4aを嵌挿させるように組み合わせることで筐体8が構成される。筐体8として組み立てられた状態で扁平な外観とされる。
【0012】
図2(a)(b)、図3(a)(b)及び図6(a)(b)等に示すように、ボトムケース1の第1の周壁4の一部をなす対向するいずれかの短辺位置にはコード引き込み口11が形成されている。ボトムケース1には内外をトンネル状に連通して形成される断面円形形状の筒状部12が形成されており、筒状部12における軸方向に沿って延出された断面円形の透孔12aがコード引き込み口11に相当する。筒状部12のボトムケース1側の内端位置にはリング状に内側に張り出した当接部12bが形成されている。
ボトムケース1の内側位置であって当接部12bに面した底板3上には一対のホルダー用スタッド13が立設されている。図9に示すように、両ホルダー用スタッド13は筒状部12の中心を通る軸線Lnを挟んだ等距離位置に底板3と一体成形によって形成されている。両ホルダー用スタッド13の間隔は後述するコード径と一致する。両ホルダー用スタッド13は上方に開口した断面円形の筒体であって、内周面に図示しない雌ねじが螺設されている。両ホルダー用スタッド13の前方方向(筒状部12から離間する方向)にはコード保持フレームとしての小フレーム14が底板3と一体成形によって形成されている。小フレーム14は一定の肉厚の薄肉の板片を平面形状においてチャンネル形状に構成した外観を呈しており、平面視において前記軸線Lnを挟んだ線対称形状とされている。小フレーム14のコード引き込み口11に対面した中央位置上部には半円形状の切り欠き部15が形成されている。ボトムケース1の底板3の第1の周壁4の四方の角位置にはスタッド17が底板3と一体成形によって形成されている。各スタッド17は上下方向(つまりボトムケース1の内外)に開口した断面円形の筒体とされている。
【0013】
上記のような構成のボトムケース1のコード引き込み口11にはブッシュ20を介して可撓性のある塩化ビニル製のコード21の基端側が引き込まれホルダー22によって固定されている。図2、図3及び図5等に示すように、ブッシュ20は弾性を有する合成ゴム製の円筒体であって、軸方向に沿ってコード21を挿通させるための断面円形の連通孔23が形成されている。ブッシュ20は大径の本体部20aと小径の挿入部20bとから構成されている。本体部20aの外周には複数段(ここでは3段)のリング部24が形成されている。挿入部20bの外径は筒状部12における当接部12bの内径と一致する。本体部20aの外径は前記筒状部12の透孔12aの内径よりも若干小さめに構成され、リング部24における外径は逆に透孔12aの内径よりも若干大きめに構成されている。本体部20aと挿入部20bの接続部分には均等な深さの係合部としての溝部25が全周に渡って形成されている。
ブッシュ20の取り付けは次のように行われる。まず、ボトムケース1の筒状部12に対して外方からブッシュ20の挿入端側となる挿入部20b側を嵌挿させていく。この際にリング部24の外径は筒状部12の内径よりも若干大きいため、ブッシュ20は無理嵌め状に筒状部12内に押し込まれることとなる。ブッシュ20が押し込まれていくと挿入部20bは若干無理嵌め状に当接部12bを通過させられる。溝部25が挿入部20bよりもボトムケース1側に進出させられた状態で本体部20aが当接部12bに当接しブッシュ20の押し込みが完了する。
【0014】
このようにブッシュ20が取り付けられた状態でコード21の基端側はブッシュ20の連通孔23に対して若干無理嵌め状に挿通させられボトムケース1内に進出させられる。コード21はホルダー用スタッド13の対向する側面間に挟持された状態で小フレーム14に形成された切り欠き部15上に載置される(図1の状態)。図10に示すように、本実施例では切り欠き部15の間隔d1はコード21の直径d2よりも若干小さく構成されているため、コード21は切り欠き部15に無理嵌めされることとなって、あたかも切り欠き部15によって挟持されるような作用が与えられる。
【0015】
ホルダー22は合金製の板体をプレス成型して得られる金属製部材であって、図1及び図4(a)〜(c)に示すように、左右両側位置がアーチ状に切り欠かれるとともに後方が略方形に切り欠かれた本体板部27と、本体板部27の前端位置から前方斜め下方に向って屈曲状に突出する押圧爪28と、本体板部27の後端左右位置から下方に垂直に下垂する被係合部としての一対のブッシュ保持片29とを備えている。本体板部27のアーチ状に切り欠かれた部分はビス挿通部30とされている。ブッシュ保持片29の間隔d3はブッシュ20の溝部25位置の内径d4と一致する。
ホルダー22の取り付けは次のように行われる。図1及び図8(a)に示すように、小フレーム14の切り欠き部15上にコード21が載置された状態で、図7(a)のようにブッシュ20の上方にブッシュ保持片29を配置し、図7(b)のようにブッシュ20の溝25の両側位置に挿入し溝25に沿ってスライドさせながら下降させていく。これによってブッシュ20は溝25がブッシュ保持片29に係合して外方への移動が阻止される。同時に押圧爪28の先端をコード21の上面に当接させる。ビス挿通部30はちょうどホルダー用スタッド13に照合させられる。この状態で図8(b)のようにホルダー22の本体板部27はホルダー用スタッド13から若干浮いた状態とされる。そして、ビス31をホルダー用スタッド13に締結させることで図8(c)のように押圧爪28をコード21の上面に食い込ませてホルダー22を固定させる。
【0016】
図1及び図2に示すように、上記のような構成のボトムケース1内にはアンテナユニットの本体となる基板ユニット35が配設される。基板ユニット35はアンテナモジュール36を搭載するとともに図示しない高周波回路、ベースバンド回路、フィルタ回路等の集積回路を備えアンテナモジュール36とともに受信装置を構成する。基板ユニット35は基板本体37の四隅の透孔38を前記スタッド17に照合させ、図1に示すようにボルト39及びナット40によってスタッド17上に固定される。基板ユニット35から延出される給電線及び電源線Lはコード21内を通って図示しない車両内に導入されることとなる。
【0017】
以上のような構成のアンテナユニットでは次のような効果が奏される。
(1)コード21は無理嵌め状にブッシュ20に挿通され、ブッシュ20もコード引き込み口11に対して外方から無理嵌め状に嵌挿させているため、コード引き込み口11から筐体8内部に水が浸入しにくい構造となっている。また、ブッシュ20は元々無理嵌め状に嵌挿されていることに加え、ホルダー22によってしっかりと押し込まれた位置で固定されているため、外方に(内方にも)変位することがなく、ブッシュ20の防水性に支障が生じることがない。その結果、樹脂や接着剤の充填がなくとも十分な防水性が確保できる。
(2)ホルダー22の押圧爪28はホルダー22が固定されることでコード21の上面に斜めに食い込むこととなり、コード21を外方に引き抜く力に対してつっかい棒として機能するためコード21が極めて抜けにくくなっている。
(3)コード21はホルダー22の押圧爪28によって押圧された際に下面側でその近傍に形成された小フレーム14によって支持される。このとき、小フレーム14はコード21に対してごく狭い幅で線状にコード21を支持することとなるため、ホルダー22と協働してしっかりとコード21を保持することができる。しかも小フレーム14は、コード21の引き抜き方向となる軸線方向に対して交叉する方向(ここでは直交方向)で支持することとなるため引き抜き力に対する抵抗力が大きくなる。同時にホルダー22のブッシュ保持片29はブッシュ20の溝25がブッシュ保持片29に係合されることとなってブッシュ20の外方への移動も阻止される。つまり、ホルダー22を所定の位置に固定することによってコード21とブッシュ20の両方を同時にしっかりと固定できることとなるとともに、1つのホルダー22のみによってコード21とブッシュ20の両方の固定作用に対応できるため、部品点数が減り、作業効率も向上することとなる。
(4)小フレーム14には半円形状の切り欠き部15が形成され、コード21がこの切り欠き部15に配置されるため、コード21が横ずれすることなくホルダー22の押圧力を受けることとなって装着作業が効率化する。また、筐体8内部でのコード21の横ずれが防止されることから、基板ユニット35への給電線や電源線等の電線の接続に不具合が生じるおそれが減る。
(5)一対のホルダー用スタッド13の間隔は後述するコード径と一致するため、この間を通るコード21がぴったりとスタッド13間に嵌り横ずれすることがないので、装着作業が効率化するとともに筐体8内部でのコード21の横ずれが防止されることから、基板ユニット35への給電線や電源線等の電線の接続に不具合が生じるおそれが減る。
【0018】
本発明を、以下のように具体化して実施してもよい。
・上記実施例ではホルダー22のコード押圧部を本体板部27の前端に形成された押圧爪28としたが、他の形状を採用することも自由である。
例えば図11に示すように本体板部27を中抜きしてそれを斜めに折り曲げて押圧爪41としたり、図12に示すように同じく本体板部27を中抜きして、下方に向って押圧突起42を突出させたり、図13に示すように本体板部27にパンチング(プレス成形)で押圧突起43を突出させたりすることが考えられる。
・小フレーム14の切り欠き部15は半円形状でなくとも左右方向にずれることのない形状(V字状やその他の中央が低い曲線)でもよい。また、小フレーム14自体の形状も上記実施例に限定されない。
・ボトムケース1及びアッパーケース2の材質、コード21の材質、ブッシュ20の材質は上記以外でも構わない。
・ブッシュ20の形状について上記は一例であって、他の形状を採用することも自由である。
・ビス31以外の固定手段でホルダー22を固定するようにしてもよい。
・ボトムケース1及びアッパーケース2のように複数のケースを組み合わせて筐体8を構成する場合において、上記以外の構成で組み立てるようにしても構わない。
・他の電気又は電子機器の筐体に応用することも可能である。
・コード21内に収納される電線は、コード21と一体的にモールド成形しても、中空に構成したコード21内に後から挿入するようにしてもよい。
・その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において変更した態様で実施することは自由である。
【符号の説明】
【0019】
1…筐体の一部をなすボトムケース、2…筐体の一部をなすアッパーケース、8…筐体、11…コード引き込み口、20…ブッシュ、21…コード、22…ホルダー、25…係合部としての溝部、28,41…コード押圧部としての押圧爪、29…被係合部としてのブッシュ保持片、42,43…コード押圧部としての押圧突起、31…固定手段としてのビス。
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外に設置される電気又は電子機器の筐体から延出される電線を通すための中空で可撓性のあるコードの筐体への取り付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、GPS(Global Positioning System)、ETCあるいは地上波デジタルテレヴィジョン等の車両の外側(天井面)に取り付けられる車外アンテナユニットでは給電線や電源線等の電線を防水性かつ可撓性のあるコードに収納して筐体から延出させ車内に導入するようにしている。これら以外でもこのように屋外に設置される電気又は電子機器の筐体で有線伝送方式を採用するものでは筐体に形成したコード引き込み口からの浸水の防止を図る必要がある。また、コードが一旦屋外に露出されることとなるため、接触等の不用意な外力によって簡単にコードが外れてしまわないようにしっかりとコードの抜け防止を図る必要がある。
従来では浸水についてはコード引き込み口から樹脂や接着剤を充填してコード引き込み口の隙間を埋めるようにし、コードの抜け防止としてはコードに結び目を作ったり、結束バンドでコードを縛って抜けないようにしたりしている。樹脂や接着剤の充填はコードの抜け防止としての役割もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−34672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、浸水防止として上記のように樹脂や接着剤を充填する場合では、その充填作業の面倒さと充填後に固化するまで装置を静置しなければならず、作業に待機時間を要することとなり時間が無駄になる。また、コードに結び目を作る場合には結び目が大きくなるためスペースが取られることとなり、結束バンドでコードを縛る場合でもやはり結束バンドの収容スペースが必要となる。また、強く引っ張った場合には結び目が締まって小さくなりコード引き込み口から抜けてしまう可能性もある。
このようなコードの抜け防止の先行技術の1つとして特許文献1を挙げる。特許文献1ではその図1に示すようにケーブル(コードに相当)Mを抜ける方向に引っ張るとケーブルMの表面に食い込んでケーブルMが保持される(抜けるのを防止できる)弾性爪28が開示されている。しかし、特許文献1は単にケーブルMの抜け止めの技術に関するものである。屋外に設置される機器においてはコード引き込み口からの浸水も効果的に防止できなくてはならず、そのため必ずしも樹脂や接着剤を使用しなくとも浸水が防止でき、なおかつコードに結び目を作ったり、結束バンドでコードを縛ったりしなくともコードが抜けないようなコードの取り付け構造が望まれていた。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、その目的は、必ずしも樹脂や接着剤を使用しなくとも筐体内部へのコード引き込み口からの浸水が防止でき、なおかつコードに結び目を作ったり、結束バンドでコードを縛ったりしなくともコードが抜けないコードの取り付け構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第1の手段では、屋外に設置される電気又は電子機器の筐体の壁部にコード引き込み口を形成し、外周に係合部を有するとともに前記筐体内外を連通させる連通孔を有するブッシュを前記係合部が前記筐体内側に配置されるように前記コード引き込み口に嵌挿して同コード引き込み口を封塞し、内部に電線が収納された可撓性のあるコードを前記ブッシュの前記連通孔に挿通させてその基端寄りを前記筐体内部に配置させる一方、ホルダーを前記コード引き込み口に面した位置において前記筐体側に対して固定手段によって固定し、その固定に伴って前記ホルダーに併設されたコード押圧部によって前記コードの先端寄りを前記筐体側に押圧するとともに前記ホルダーに併設された被係合部を前記ブッシュの前記係合部に係合させ、前記ブッシュの外方への移動を阻止するようにしたことをその要旨とする。
このような構成では、嵌挿されたブッシュによってコード引き込み口は封塞され、ブッシュの連通孔によって筐体内外が連通されることとなる。そしてその連通孔内に引き込まれた可撓性のあるコードの基端寄りはホルダーの固定に伴ってコード押圧部によって筐体側に押圧されて脱落が防止される。一方、ブッシュも係合部と被係合部との係合関係によって外方への移動が阻止されることとなる。このように、ブッシュの存在によって浸水が防止でき、なおかつコードもブッシュもいずれもホルダーの保持機能によってコードに外方に引かれるような力が働いても容易に抜けてしまうことはない。
【0006】
第2の手段では第1の手段に加えて、前記係合部は前記ブッシュの周方向に沿って断面凹状に形成された溝部であって、前記被係合部は前記溝部に嵌合されることをその要旨とする。
このように被係合部が溝部に係合されることでブッシュは外側だけでなく内側にも移動できないように規制されるためブッシュがコード引き込み口を封塞した状態で安定的に保持されることとなる。
【0007】
第3の手段では第1又は第2の手段に加えて、前記コード外周面は前記ブッシュの前記連通孔に挿通されている部分において前記連通孔内周面と互いに面接触していることをその要旨とする。
これによって連通孔とコードの隙間から水が浸入する可能性がより少なくなる。そのためコードの断面形状は連通孔の断面形状と略一致して、コードを無理嵌め状態で挿通させることが好ましい。
【0008】
第4の手段では第1〜3のいずれかの手段に加えて、前記筐体側には前記コードを保持する保持部が形成されたコード保持フレームが設けられ、前記ホルダーは前記コード押圧部を介して前記コードを前記コード保持フレーム方向に押圧することをその要旨とする。このようにコード保持フレームの保持部によってコードが保持されているため、ホルダー側のコード押圧部による押圧によってコードが押圧方向から横ずれして外れてしまうことがない。また、コードが横ずれしないため、押圧力が逃げずにしっかりとコードを挟持することができる。
【発明の効果】
【0009】
上記各発明によれば、ブッシュがコード引き込み口を封塞するため浸水が防止できるとともに、ブッシュの連通孔から筐体内部に引き込まれたコードはホルダーによって押さえられ、併せてブッシュもホルダーによって保持されることとなるため、コードに結び目を作ったり、結束バンドでコードを縛ったりしなくともコード及びブッシュが抜けてしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明にかかる実施例のアンテナユニットの分解斜視図。
【図2】(a)は同じ実施例における筐体の部分拡大平面図、(b)は(a)におけるA−A線での断面図。
【図3】(a)は同じ実施例においてボトムケースにコードを取り付けた状態の平面図、(b)は(a)におけるB−B線での断面図。
【図4】(a)はホルダーの側面図、(b)は同じく平面図、(c)は同じく背面図。
【図5】(a)は同じ実施例におけるブッシュの側面図、(b)は(a)の部分断面図。
【図6】(a)は同じ実施例におけるボトムケースの斜視図、(b)はボトムケースのコード引き込み口付近の断面図。
【図7】(a)は係合前、(b)は係合途中のブッシュに対するホルダーのブッシュ保持片の係合作用を説明する説明図。
【図8】(a)〜(c)はコードとブッシュを固定するためのホルダーの取り付け工程を説明する説明図。
【図9】ボトムケースのコード引き込み口付近の構成の平面図。
【図10】コードの径と小フレームの切り欠き部1の間隔を説明する説明図。
【図11】(a)は他の実施例のホルダーの平面図、(b)は同じく側面図。
【図12】(a)は他の実施例のホルダーの平面図、(b)は同じく側面図。
【図13】(a)は他の実施例のホルダーの平面図、(b)は同じく側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、屋外に設置される電子機器としてのアンテナユニットは、ボトムケース1とアッパーケース2を備えている。ボトムケース1及びアッパーケース2はプラスチック成型品(例えばポリカーボネート製)であって、隅丸長方形の平面形状とされている。ボトムケース1は底板3と、同底板3の周縁から垂直に立ち上がり底板3を包囲する第1の周壁4によって基本的な骨格が構成されている。第1の周壁4の上縁全周には上方に突起するほぞ部4aが形成されている。
アッパーケース2はその周辺寄りが緩やかな斜状をもって形成されている天板5と、同天板5の周縁から垂直に下垂する第2の周壁6によって基本的な骨格が構成されている。第2の周壁6の下縁にはほぞ部4aに対応する溝部5aが形成されている。図2に示すように、ボトムケース1とアッパーケース2とをパッキン9を介して溝部5aにほぞ部4aを嵌挿させるように組み合わせることで筐体8が構成される。筐体8として組み立てられた状態で扁平な外観とされる。
【0012】
図2(a)(b)、図3(a)(b)及び図6(a)(b)等に示すように、ボトムケース1の第1の周壁4の一部をなす対向するいずれかの短辺位置にはコード引き込み口11が形成されている。ボトムケース1には内外をトンネル状に連通して形成される断面円形形状の筒状部12が形成されており、筒状部12における軸方向に沿って延出された断面円形の透孔12aがコード引き込み口11に相当する。筒状部12のボトムケース1側の内端位置にはリング状に内側に張り出した当接部12bが形成されている。
ボトムケース1の内側位置であって当接部12bに面した底板3上には一対のホルダー用スタッド13が立設されている。図9に示すように、両ホルダー用スタッド13は筒状部12の中心を通る軸線Lnを挟んだ等距離位置に底板3と一体成形によって形成されている。両ホルダー用スタッド13の間隔は後述するコード径と一致する。両ホルダー用スタッド13は上方に開口した断面円形の筒体であって、内周面に図示しない雌ねじが螺設されている。両ホルダー用スタッド13の前方方向(筒状部12から離間する方向)にはコード保持フレームとしての小フレーム14が底板3と一体成形によって形成されている。小フレーム14は一定の肉厚の薄肉の板片を平面形状においてチャンネル形状に構成した外観を呈しており、平面視において前記軸線Lnを挟んだ線対称形状とされている。小フレーム14のコード引き込み口11に対面した中央位置上部には半円形状の切り欠き部15が形成されている。ボトムケース1の底板3の第1の周壁4の四方の角位置にはスタッド17が底板3と一体成形によって形成されている。各スタッド17は上下方向(つまりボトムケース1の内外)に開口した断面円形の筒体とされている。
【0013】
上記のような構成のボトムケース1のコード引き込み口11にはブッシュ20を介して可撓性のある塩化ビニル製のコード21の基端側が引き込まれホルダー22によって固定されている。図2、図3及び図5等に示すように、ブッシュ20は弾性を有する合成ゴム製の円筒体であって、軸方向に沿ってコード21を挿通させるための断面円形の連通孔23が形成されている。ブッシュ20は大径の本体部20aと小径の挿入部20bとから構成されている。本体部20aの外周には複数段(ここでは3段)のリング部24が形成されている。挿入部20bの外径は筒状部12における当接部12bの内径と一致する。本体部20aの外径は前記筒状部12の透孔12aの内径よりも若干小さめに構成され、リング部24における外径は逆に透孔12aの内径よりも若干大きめに構成されている。本体部20aと挿入部20bの接続部分には均等な深さの係合部としての溝部25が全周に渡って形成されている。
ブッシュ20の取り付けは次のように行われる。まず、ボトムケース1の筒状部12に対して外方からブッシュ20の挿入端側となる挿入部20b側を嵌挿させていく。この際にリング部24の外径は筒状部12の内径よりも若干大きいため、ブッシュ20は無理嵌め状に筒状部12内に押し込まれることとなる。ブッシュ20が押し込まれていくと挿入部20bは若干無理嵌め状に当接部12bを通過させられる。溝部25が挿入部20bよりもボトムケース1側に進出させられた状態で本体部20aが当接部12bに当接しブッシュ20の押し込みが完了する。
【0014】
このようにブッシュ20が取り付けられた状態でコード21の基端側はブッシュ20の連通孔23に対して若干無理嵌め状に挿通させられボトムケース1内に進出させられる。コード21はホルダー用スタッド13の対向する側面間に挟持された状態で小フレーム14に形成された切り欠き部15上に載置される(図1の状態)。図10に示すように、本実施例では切り欠き部15の間隔d1はコード21の直径d2よりも若干小さく構成されているため、コード21は切り欠き部15に無理嵌めされることとなって、あたかも切り欠き部15によって挟持されるような作用が与えられる。
【0015】
ホルダー22は合金製の板体をプレス成型して得られる金属製部材であって、図1及び図4(a)〜(c)に示すように、左右両側位置がアーチ状に切り欠かれるとともに後方が略方形に切り欠かれた本体板部27と、本体板部27の前端位置から前方斜め下方に向って屈曲状に突出する押圧爪28と、本体板部27の後端左右位置から下方に垂直に下垂する被係合部としての一対のブッシュ保持片29とを備えている。本体板部27のアーチ状に切り欠かれた部分はビス挿通部30とされている。ブッシュ保持片29の間隔d3はブッシュ20の溝部25位置の内径d4と一致する。
ホルダー22の取り付けは次のように行われる。図1及び図8(a)に示すように、小フレーム14の切り欠き部15上にコード21が載置された状態で、図7(a)のようにブッシュ20の上方にブッシュ保持片29を配置し、図7(b)のようにブッシュ20の溝25の両側位置に挿入し溝25に沿ってスライドさせながら下降させていく。これによってブッシュ20は溝25がブッシュ保持片29に係合して外方への移動が阻止される。同時に押圧爪28の先端をコード21の上面に当接させる。ビス挿通部30はちょうどホルダー用スタッド13に照合させられる。この状態で図8(b)のようにホルダー22の本体板部27はホルダー用スタッド13から若干浮いた状態とされる。そして、ビス31をホルダー用スタッド13に締結させることで図8(c)のように押圧爪28をコード21の上面に食い込ませてホルダー22を固定させる。
【0016】
図1及び図2に示すように、上記のような構成のボトムケース1内にはアンテナユニットの本体となる基板ユニット35が配設される。基板ユニット35はアンテナモジュール36を搭載するとともに図示しない高周波回路、ベースバンド回路、フィルタ回路等の集積回路を備えアンテナモジュール36とともに受信装置を構成する。基板ユニット35は基板本体37の四隅の透孔38を前記スタッド17に照合させ、図1に示すようにボルト39及びナット40によってスタッド17上に固定される。基板ユニット35から延出される給電線及び電源線Lはコード21内を通って図示しない車両内に導入されることとなる。
【0017】
以上のような構成のアンテナユニットでは次のような効果が奏される。
(1)コード21は無理嵌め状にブッシュ20に挿通され、ブッシュ20もコード引き込み口11に対して外方から無理嵌め状に嵌挿させているため、コード引き込み口11から筐体8内部に水が浸入しにくい構造となっている。また、ブッシュ20は元々無理嵌め状に嵌挿されていることに加え、ホルダー22によってしっかりと押し込まれた位置で固定されているため、外方に(内方にも)変位することがなく、ブッシュ20の防水性に支障が生じることがない。その結果、樹脂や接着剤の充填がなくとも十分な防水性が確保できる。
(2)ホルダー22の押圧爪28はホルダー22が固定されることでコード21の上面に斜めに食い込むこととなり、コード21を外方に引き抜く力に対してつっかい棒として機能するためコード21が極めて抜けにくくなっている。
(3)コード21はホルダー22の押圧爪28によって押圧された際に下面側でその近傍に形成された小フレーム14によって支持される。このとき、小フレーム14はコード21に対してごく狭い幅で線状にコード21を支持することとなるため、ホルダー22と協働してしっかりとコード21を保持することができる。しかも小フレーム14は、コード21の引き抜き方向となる軸線方向に対して交叉する方向(ここでは直交方向)で支持することとなるため引き抜き力に対する抵抗力が大きくなる。同時にホルダー22のブッシュ保持片29はブッシュ20の溝25がブッシュ保持片29に係合されることとなってブッシュ20の外方への移動も阻止される。つまり、ホルダー22を所定の位置に固定することによってコード21とブッシュ20の両方を同時にしっかりと固定できることとなるとともに、1つのホルダー22のみによってコード21とブッシュ20の両方の固定作用に対応できるため、部品点数が減り、作業効率も向上することとなる。
(4)小フレーム14には半円形状の切り欠き部15が形成され、コード21がこの切り欠き部15に配置されるため、コード21が横ずれすることなくホルダー22の押圧力を受けることとなって装着作業が効率化する。また、筐体8内部でのコード21の横ずれが防止されることから、基板ユニット35への給電線や電源線等の電線の接続に不具合が生じるおそれが減る。
(5)一対のホルダー用スタッド13の間隔は後述するコード径と一致するため、この間を通るコード21がぴったりとスタッド13間に嵌り横ずれすることがないので、装着作業が効率化するとともに筐体8内部でのコード21の横ずれが防止されることから、基板ユニット35への給電線や電源線等の電線の接続に不具合が生じるおそれが減る。
【0018】
本発明を、以下のように具体化して実施してもよい。
・上記実施例ではホルダー22のコード押圧部を本体板部27の前端に形成された押圧爪28としたが、他の形状を採用することも自由である。
例えば図11に示すように本体板部27を中抜きしてそれを斜めに折り曲げて押圧爪41としたり、図12に示すように同じく本体板部27を中抜きして、下方に向って押圧突起42を突出させたり、図13に示すように本体板部27にパンチング(プレス成形)で押圧突起43を突出させたりすることが考えられる。
・小フレーム14の切り欠き部15は半円形状でなくとも左右方向にずれることのない形状(V字状やその他の中央が低い曲線)でもよい。また、小フレーム14自体の形状も上記実施例に限定されない。
・ボトムケース1及びアッパーケース2の材質、コード21の材質、ブッシュ20の材質は上記以外でも構わない。
・ブッシュ20の形状について上記は一例であって、他の形状を採用することも自由である。
・ビス31以外の固定手段でホルダー22を固定するようにしてもよい。
・ボトムケース1及びアッパーケース2のように複数のケースを組み合わせて筐体8を構成する場合において、上記以外の構成で組み立てるようにしても構わない。
・他の電気又は電子機器の筐体に応用することも可能である。
・コード21内に収納される電線は、コード21と一体的にモールド成形しても、中空に構成したコード21内に後から挿入するようにしてもよい。
・その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において変更した態様で実施することは自由である。
【符号の説明】
【0019】
1…筐体の一部をなすボトムケース、2…筐体の一部をなすアッパーケース、8…筐体、11…コード引き込み口、20…ブッシュ、21…コード、22…ホルダー、25…係合部としての溝部、28,41…コード押圧部としての押圧爪、29…被係合部としてのブッシュ保持片、42,43…コード押圧部としての押圧突起、31…固定手段としてのビス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外に設置される電気又は電子機器の筐体の壁部にコード引き込み口を形成し、外周に係合部を有するとともに前記筐体内外を連通させる連通孔を有するブッシュを前記係合部が前記筐体内側に配置されるように前記コード引き込み口に嵌挿して同コード引き込み口を封塞し、内部に電線が収納された可撓性のあるコードを前記ブッシュの前記連通孔に挿通させてその基端寄りを前記筐体内部に配置させる一方、ホルダーを前記コード引き込み口に面した位置において前記筐体側に対して固定手段によって固定し、その固定に伴って前記ホルダーに併設されたコード押圧部によって前記コードの先端寄りを前記筐体側に押圧するとともに前記ホルダーに併設された被係合部を前記ブッシュの前記係合部に係合させ、前記ブッシュの外方への移動を阻止するようにしたことを特徴とするコードの取り付け構造。
【請求項2】
前記係合部は前記ブッシュの周方向に沿って断面凹状に形成された溝部であって、前記被係合部は前記溝部に嵌合されることを特徴とする請求項1に記載のコードの取り付け構造。
【請求項3】
前記コード外周面は前記ブッシュの前記連通孔に挿通されている部分において前記連通孔内周面と互いに面接触していることを特徴とする請求項1又は2に記載のコードの取り付け構造。
【請求項4】
前記筐体側には前記コードを保持する保持部が形成されたコード保持フレームが設けられ、前記ホルダーは前記コード押圧部を介して前記コードを前記コード保持フレーム方向に押圧することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコードの取り付け構造。
【請求項1】
屋外に設置される電気又は電子機器の筐体の壁部にコード引き込み口を形成し、外周に係合部を有するとともに前記筐体内外を連通させる連通孔を有するブッシュを前記係合部が前記筐体内側に配置されるように前記コード引き込み口に嵌挿して同コード引き込み口を封塞し、内部に電線が収納された可撓性のあるコードを前記ブッシュの前記連通孔に挿通させてその基端寄りを前記筐体内部に配置させる一方、ホルダーを前記コード引き込み口に面した位置において前記筐体側に対して固定手段によって固定し、その固定に伴って前記ホルダーに併設されたコード押圧部によって前記コードの先端寄りを前記筐体側に押圧するとともに前記ホルダーに併設された被係合部を前記ブッシュの前記係合部に係合させ、前記ブッシュの外方への移動を阻止するようにしたことを特徴とするコードの取り付け構造。
【請求項2】
前記係合部は前記ブッシュの周方向に沿って断面凹状に形成された溝部であって、前記被係合部は前記溝部に嵌合されることを特徴とする請求項1に記載のコードの取り付け構造。
【請求項3】
前記コード外周面は前記ブッシュの前記連通孔に挿通されている部分において前記連通孔内周面と互いに面接触していることを特徴とする請求項1又は2に記載のコードの取り付け構造。
【請求項4】
前記筐体側には前記コードを保持する保持部が形成されたコード保持フレームが設けられ、前記ホルダーは前記コード押圧部を介して前記コードを前記コード保持フレーム方向に押圧することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコードの取り付け構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−166460(P2011−166460A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27157(P2010−27157)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】
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