コードシンボル読取装置およびその制御プログラム
【課題】多様なデザイン要素を持ったデザインバーコード等に対しても、コード領域を切り出す仕組みを提供し、未読を防止できるコードシンボル読取装置およびその制御プログラムを提供する。
【解決手段】コードシンボル読取装置は、エリアイメージセンサに結像した撮像画像の多階調画像信号を出力する撮像部120と、前記撮像部から出力された前記多階調画像信号に対して所定の階調値を有したラインパターンを上書きするライン書込部21と、前記ライン書込部によって編集された多階調画像信号の画像から読み取るべきコードシンボルの領域を切り出すシンボル領域切出部22と、前記シンボル領域切出部から出力される画像領域を対象にコードシンボルを読み取るコードシンボル読取部23とを具備する。
【解決手段】コードシンボル読取装置は、エリアイメージセンサに結像した撮像画像の多階調画像信号を出力する撮像部120と、前記撮像部から出力された前記多階調画像信号に対して所定の階調値を有したラインパターンを上書きするライン書込部21と、前記ライン書込部によって編集された多階調画像信号の画像から読み取るべきコードシンボルの領域を切り出すシンボル領域切出部22と、前記シンボル領域切出部から出力される画像領域を対象にコードシンボルを読み取るコードシンボル読取部23とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コードシンボル読取装置およびその制御プログラムに関し、例えば、バーコード読取装置等に適用される。
【背景技術】
【0002】
商品に付されたバーコード等のコードシンボルの画像を取得して、商品データを出力するコードシンボル読取装置として、CCD(Charge Coupled Device Image Sensor)撮像素子等のエリアイメージセンサを使用したものがある(例えば、特許文献1参照)。このようなコードシンボル読取装置では、CCD撮像素子で得られる画像データから対象とするバーコードの画像情報を抽出し、この画像情報を解析して商品データを取得する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、エリアイメージセンサを使用したコードシンボル読取装置においては、画像データからバーコード領域を切り出し、その切り出された領域に対してバーコードのデコード処理を行う方法が考えられる。予めバーコード領域を切り出すことによって、デコード処理を高速化することが可能であり、デコードの確率も高くなる。ここで、予めバーコード領域を正確に切り出すためには、バーコードが示す形状の特徴を利用する方法が考えられる。
【0004】
しかしながら、最近では、バーコードのバー幅の規定を保証しながらも従来のバーコードの形状とは異なるデザイン主体のバーコード(以下、デザインバーコードと称す)が出現している。このようなデザインバーコード等の場合、従来型のバーコードを対象にしたバーコード切り出し方式では対応できず、そのため、未読が発生する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の一態様に係るコードシンボル読取装置は、エリアイメージセンサに結像した撮像画像の多階調画像信号を出力する撮像部と、前記撮像部から出力された前記多階調画像信号に対して所定の階調値を有するラインパターンを上書きするライン書込部と、前記ライン書込部によって編集された多階調画像信号の画像から読み取るべきコードシンボルの領域を切り出すシンボル領域切出部と、前記シンボル領域切出部から出力される画像領域を対象にコードシンボルを読み取るコードシンボル読取部とを具備する。
【0006】
この発明の一態様に係るコードシンボル読取装置の制御プログラムは、エリアイメージセンサを備えたコードシンボル読取装置に、前記エリアイメージセンサに結像した撮像画像の多階調画像信号に対して所定の階調値を有するラインパターンを上書きする手順と、前記上書きする手順によって編集された多階調画像信号の画像から読み取るべきコードシンボルの領域を切り出す手順と、前記シンボルの領域を切り出す手順により処理される画像領域を対象にコードシンボルを読み取る手順とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、多様なデザイン要素を持ったデザインバーコード等に対しても、コード領域を切り出す仕組みを提供し、未読を防止できるコードシンボル読取装置およびその制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るバーコードスキャナの外観を示す斜視図。
【図2】第1の実施形態に係るコードシンボル読取装置の構成例を示す図。
【図3】第1の実施形態に係るコードシンボル読取装置の制御プログラムを示す図。
【図4】第1の実施形態に係る一般的なバーコードの一例を示す図。
【図5】第1の実施形態に係るデザインバーコードの一例を示す図。
【図6】第1の実施形態に係るデザインバーコードのその他の一例を示す図。
【図7】第1の実施形態に係るコードシンボル読取装置のバーコード読取動作を示すフロー図。
【図8】第1の実施形態に係るコードシンボル読取装置の上書きラインパターン(1)を示す図。
【図9】第1の実施形態に係る上書き処理後のデザインバーコードを示す図。
【図10】第1の実施形態に係る上書き処理後のデザインバーコードを示す図。
【図11】変形例に係るコードシンボル読取装置のバーコード読取動作を示すフロー図。
【図12】変形例に係るコードシンボル読取装置の上書きラインパターン(2)を示す図。
【図13】変形例に係るコードシンボル読取装置の上書きラインパターン(3)を示す図。
【図14】変形例に係るコードシンボル読取装置の上書きラインパターン(4)を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、コードシンボル読取装置として、縦型のバーコードスキャナに用いられるコードシンボル読取装置を一例に挙げて説明する。尚、この説明においては、全図にわたり共通の部分には共通の参照符号を付す。
【0010】
[第1の実施形態]
<1.構成例>
1−1.バーコードスキャナ10の外観構成例
まず、図1を用いて、この発明の第1の実施形態に係るバーコードスキャナ10の外観構成例について説明する。
【0011】
図示するように、バーコードスキャナ10は、コードシンボル読取装置100の高さを変更する昇降機能を備え、オペレータによる読取操作を行い易くしたものである。バーコードスキャナ10は、商品が入れられたカゴ等が置かれるサッカー台11(又はカウンタ台)に立設されている。
【0012】
このバーコードスキャナ10には、案内溝12を有する一対の支柱13と、この案内溝12に沿って昇降自在に案内されるコードシンボル読取装置100とが設けられている。このように、本例に係るコードシンボル読取装置は、外観上、コードシンボル読取装置100として示されている。コードシンボル読取装置100の上方には、表示部16とキーボード17とが設けられている。
【0013】
本実施の形態に係るバーコードスキャナ10の構成において、オペレータは、コードシンボル読取装置100の前方に商品を配置し、商品に付されたバーコードを読み取る。従って、本例に係るコードシンボル読取装置100の出力は、読み取ったバーコード読み取り情報のみとなる。
【0014】
1−2.コードシンボル読取装置100の構成例
次に、図2を用い、コードシンボル読取装置100の構成例について説明する。
図示するように、コードシンボル読取装置100は、制御の主体となるコードシンボル装置100全体を制御するCPU(Central Processing Unit:制御部)51を搭載している。このCPU51には、バス52を介してROM(Read Only Memory)53と、RAM(Random Access Memory)54と、通信インタフェース(I/F)55と、バーコード読取部101と、および撮像部120とが電気的に接続されている。
【0015】
通信インタフェース(I/F)55には、販売店舗内のLAN(Local Area Network)58を介してPOS(Point of Sales)サーバ60が接続されている。
【0016】
POSサーバ60は、例えば、店舗で販売する全ての商品の価格や商品名等のデータを予め格納する商品データベースを有している。POSサーバ60は、コードシンボル読取装置100との間で、商品の精算処理に関する情報の授受および商品の精算処理結果の記録を行う。より詳細には、POSサーバ60は、コードシンボル読取装置100からLAN58を介して送信されてくる商品に付されたバーコードのデコードデータを商品データベースに照会し、当該デコードデータに対応する商品の価格や商品名等のデータを読み出し、全ての商品の各価格を合計して精算額データを求める。表示部16、キーボード(操作入力部)17、およびコードシンボル読取装置100は、POSサーバ60に接続され、制御される。
【0017】
ROM53には、バーコード読取部101に係る制御プログラムが予め格納されていても良い。
【0018】
RAM54には、例えば、撮像部120の撮像により取得された画像や、バーコード画像をデコードした結果であるデコードデータ等を格納するためのワークエリアが形成される。図示するように、後述するバーコード読取動作(S11〜S18)の際、RAM54の上記ワークエリアには、例えば、ROM53やバーコード読取部101等からロードされ、バーコード読取動作(S11〜S18)を実行する制御プログラムが一時的に格納される。バーコード読取動作は、CPU51等の制御部により実行される。
【0019】
撮像部120は、エリアイメージセンサに結像した撮像画像の多階調画像信号を、バーコード読取部101に出力する。尚、この撮像部120は、例えば、CCD撮像素子等として、バーコード読取部101内に搭載されていても良い。
【0020】
バーコード読取部101は、CPU51の制御に従い、撮像部120から入力された多階調画像信号に対して、所定のバーコードデータの読取動作を行い、バーコード情報としてバス52に出力する。バーコードデータの読取動作の詳細については、後述する。
【0021】
1−3.制御プログラム
次に、図3を用い、本例に係るコードシンボル読取装置100の制御プログラムについて説明する。また、この制御プログラムは、より具体的には、上記のように、RAM54上のワークエリアに展開されてCPU(制御部)51により制御実行される。
【0022】
図示するように、本例に係るバーコード読取部101は、制御プログラムとして、ライン書込部21、シンボル領域切出部22、コードシンボル読取部23、および上書きパターン切替部25を少なくとも備える。
【0023】
ライン書込部21は、撮像部120から出力された前記多階調画像信号に対して所定の階調値を有したラインパターンを上書きする。
【0024】
シンボル領域切出部22は、上記ライン書込部21によって編集された多階調画像信号の画像から読み取るべきコードシンボルの領域を切り出す。より具体的には、後述する図9、図10に示すように、シンボル領域切出部22は、バーコードのスペース部の多階調画像信号に近似する値により分離された画像信号のうち、独立した構成バーが存在する側の画像信号(本例では、下側の画像信号)を切り出す。
【0025】
コードシンボル読取部23は、上記シンボル領域切出部22から出力される画像領域を対象にコードシンボルを読み取る。
【0026】
上書きパターン切替部25は、後述の変形例で詳述するように、ライン書込部21により上書きされるラインパターンを切り替える。より詳細については、バーコード読取動作の際に説明する。
【0027】
尚、上記制御プログラムは、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、光学ディスク、半導体メモリ等のコンピュータ(情報処理装置)に読み取り可能な記録媒体に格納することが可能である。格納された本例に係る制御プログラムは、上記記憶媒体により記録されたデータの構造によりコンピュータが行う処理内容が特定される。
【0028】
<2.バーコードの形態について>
次に、図4乃至図6を用い、本例に係るバーコードの形態について説明する。
図4は、一般的なバーコードの一例の形態を示す図である。図示するように、この一般的なバーコードでは、構成バーのそれぞれが、独立分離して存在している。そのため、所定のアルゴリズム(同じ長さでかつ同一方向に傾いたバーの集合体を検出する方式)を正常に機能させることができ、その結果、バーコード領域の検出(切り出すこと)ができない事態が生じることはない。
一方、図5および図6は、デザインバーコードの一例の形態を示す図である。
【0029】
図5に示されるデザインバーコード(1)では、構成バーの一端を結合させるようにして全体が”矢印状”となるデザインDA1が施されている。図6に示されるデザインバーコード(2)では、構成バーの一端を結合させて”長方形状”となるデザインDA2が施されている。
【0030】
ここで、これらのデザインバーコードであっても、構成バーのバー幅ピッチは規定を満たしている。そのため、例えば、レーザ方式のコードシンボル読取装置の場合では、図4に示す一般的なバーコードと同様に、バーコード上を走査できれば、デコードが可能であるとも思われる。
【0031】
しかしながら、エリアイメージセンサを使用したコードシンボル読取装置においては、高効率にデコード処理を行うために、撮像部から出力された多階調画像データからバーコード領域を切り出す処理を行う。このとき、バーコード領域を検出する為の情報として、バーコードを構成するバーに着目し、同じ長さでかつ同一方向に傾いたバーの集合体を検出するアルゴリズムを用いる。
【0032】
そのため、図5、図6で示したデザインバーコードの場合、構成バーの一端がデザイン化のための線(DA1,DA2)と接触しており、個々のバーが独立分離して存在していない。そうすると前記アルゴリズム(同じ長さでかつ同一方向に傾いたバーの集合体を検出する方式)が機能せず、その結果、バーコード領域の検出(切り出すこと)ができない事態が生じ、未読(コードシンボルが読取不可能であること)が発生する。
【0033】
そこで、本例に係るコードシンボル読取装置およびそのコードシンボル読取動作では、上書きのラインパターンを、撮像部から出力された多階調画像データに重畳させ、バーコードを分断処理する。
【0034】
その結果、分裂した一方(本例では、下側)の領域を、バーコード領域として検出することが可能となるので、バーコード領域として切り出して、その後のデコード処理でバーコードのデコードが可能になる。従って、図5、図6等に示すデザインバーコードであっても、未読が発生することはない。
【0035】
尚、上書きするラインパターンについては、バーの延設方向に交差するように、複数のラインパターンを用意することが有効である。これは、読み取り対象のバーコードの方向が予め検知できないためであり、複数のパターンを、例えばフレーム毎に切り替えることで全方向に読取動作が対応可能になる。詳細については、後述する。
【0036】
<3.バーコード読取動作>
次に、本例に係るコードシンボル読取装置のバーコード読取動作ついて、図7に示す処理手順フローに沿って説明する。
【0037】
(ステップST11)
まず、CPU51は、撮像部120により撮像された多階調画像データを、RAM54に一時的に格納する。
【0038】
(ステップST12)
続いて、CPU51は、前記多階調画像データに対して、所定の階調値をもつラインパターンを上書きする。ここで、上記の所定の階調値とは、バーコードのスペース部の多階調画像信号に近似する値であり、一般的に言えば白地の多階調画像信号と同等の階調値を設定する。また、ラインの傾き角度、位置、本数なども予め設定可能とする。
【0039】
例えば、本例の場合、このステップST12の際に上書きされるラインパターンは、図8のように示される。図示する上書きラインパターン(1)は、バーの延設方向に対して交差するように(紙面で横方向)複数のラインが配置されるパターンである。
【0040】
図示する上書きラインパターン(1)を、撮像部から出力された多階調画像データに重畳させ、分断処理した後のデザインバーコードは、例えば、図9、図10のように示される。
【0041】
図中の矢印で示すように、上書きラインパターン(1)を多階調画像データに重畳させた結果、デザインバーコード(1)、(2)を、続くステップST13の際に、それぞれ上下に分断して判定することができる。そして、分裂した一方(本例では、下側)の領域を、バーコード領域として検出することが可能となる。さらに、バーコード領域として切り出して検出した領域は、その後のデコード処理でバーコードのデコードが可能になる。従って、図5、図6等に示したデザインバーコード(1)、(2)であっても、未読が発生することはない。
【0042】
(ステップST13)
続いて、こうして得られた多階調画像に対してバーコード候補切り出し処理を行う。切り出し処理は、例えば、前記多階調画像データを所定の閾値で2値化して、同じ長さでかつ同一方向に傾いた領域(個々のバーを想定)の集合体を検出する。
【0043】
本例では、上記ステップST12に際に上書きラインパターン(1)を多階調画像データに重畳させる。そのため、バーが繋がったデザインバーコード(1)、(2)であっても、前記ラインパターンの上書きで、バーコードが分裂した領域について、バーコード領域を切り出すことが出来る。
【0044】
(ステップST14)
続いて、条件に合致した候補領域の存在を検証する。この際、候補領域がある場合(Yes)には、次の処理(ステップST15)に進む。一方、候補領域がない場合(No)には、次の画像入力(ステップST18)を介して、再びステップST11に戻る。
【0045】
(ステップST15)
続いて、このバーコード読取処理ステップでは、前記切り出されたバーコード候補領域を対象に、デコード処理を行う。
【0046】
(ステップST16)
続いて、デコード処理の結果が完了したか否かを判定する。デコードが完了した場合(Yes)には、前記デコード結果を送出するために次のステップST17に進む(ステップST17)。一方、デコード処理が未完の場合(No)には、次の画像入力ステップ(ステップST18)を介して、再びステップST11に戻る。
【0047】
(ステップST17)
続いて、上記デコードが完了したバーコード情報結果を送信する。以上ここまでのステップ(ST11〜ST17)で、1フレーム(1画像)のバーコード読取動作が終了する。
(ステップST18)
続いて、全てのフレームについてのバーコード読取処理が終了したか否かを判定する。全フレームについてバーコード読取処理が終了した場合(Yes)には、このバーコード読取動作を終了する(End)。一方、全フレームについてのバーコード読取処理が終了いない場合(No)には、再びステップST11に戻る。例えば、本例の場合のバーコード読取動作においては、数〜数十フレームについてバーコード読取処理が実行される。
【0048】
[変形例(その他の上書きラインパターンに切り替える一例)]
次に、図11乃至図14を用いて、変形例に係るコードシンボル読取装置について、説明する。この変形例は、その他の上書きラインパターンに切り替える一例に関するものである。この説明において、上記第1の実施形態と重複する部分の詳細な説明を省略する。
【0049】
<バーコード読取動作>
本例に係るバーコード読取動作について、図11に沿って説明する。
図示するように、本例に係るバーコード読取動作は、ステップST22を更に実行する点で、上記第1の実施形態と相違する。
【0050】
(ステップST22)
ステップST21の後、CPU51は、上記多階調画像データに対して行う、上書きラインパターンを切り替える。
例えば、本例の場合、CPU51は、上記図8に示した上書きラインパターン(1)から、図12に示す上書きラインパターン(2)に切り替える。図示する切り替えられた上書きラインパターン(2)は、バーの延設方向に対して交差するように(紙面で縦方向)複数のラインが配置されるパターンである。
以後、上記第1の実施形態と同様のステップST23〜ST29を繰り返す。
尚、上記ステップST22の際に切り替える上書きラインパターンについては、バーの延設方向に交差するように、更に方向が異なる複数のラインパターンを用意することが有効である。例えば、図13、図14に示す上書きラインパターン(3)、(4)は、バーの延設方向に対して交差するように(紙面で斜め方向)複数のラインが配置されるパターンである。このように、複数の上書きラインパターンを用意するのは、ラインパターン上書きのステップS23の時点で、読み取り対象のバーコードの方向が予め検知できないためである。
【0051】
また、上書きラインパターンを切り替える頻度については、必要に応じ、1フレーム毎でも良いし、複数フレーム毎に切り替えても良い。
【0052】
上記のように、本例では、複数の上書きラインパターンを切り替えることができる点で、全方向に読取対応が可能となり、バーコードを切り出しでき、未読防止に対して更に有利である。
【0053】
以上、第1の実施形態および変形例を用いて本発明の説明を行ったが、この発明は上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記各実施形態および変形例には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態および変形例比較例に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0054】
51…CPU、52…ROM、53…RAM、55…通信I/F、100…コードシンボル読取装置、120…撮像部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開平9−62763号公報
【技術分野】
【0001】
この発明は、コードシンボル読取装置およびその制御プログラムに関し、例えば、バーコード読取装置等に適用される。
【背景技術】
【0002】
商品に付されたバーコード等のコードシンボルの画像を取得して、商品データを出力するコードシンボル読取装置として、CCD(Charge Coupled Device Image Sensor)撮像素子等のエリアイメージセンサを使用したものがある(例えば、特許文献1参照)。このようなコードシンボル読取装置では、CCD撮像素子で得られる画像データから対象とするバーコードの画像情報を抽出し、この画像情報を解析して商品データを取得する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、エリアイメージセンサを使用したコードシンボル読取装置においては、画像データからバーコード領域を切り出し、その切り出された領域に対してバーコードのデコード処理を行う方法が考えられる。予めバーコード領域を切り出すことによって、デコード処理を高速化することが可能であり、デコードの確率も高くなる。ここで、予めバーコード領域を正確に切り出すためには、バーコードが示す形状の特徴を利用する方法が考えられる。
【0004】
しかしながら、最近では、バーコードのバー幅の規定を保証しながらも従来のバーコードの形状とは異なるデザイン主体のバーコード(以下、デザインバーコードと称す)が出現している。このようなデザインバーコード等の場合、従来型のバーコードを対象にしたバーコード切り出し方式では対応できず、そのため、未読が発生する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の一態様に係るコードシンボル読取装置は、エリアイメージセンサに結像した撮像画像の多階調画像信号を出力する撮像部と、前記撮像部から出力された前記多階調画像信号に対して所定の階調値を有するラインパターンを上書きするライン書込部と、前記ライン書込部によって編集された多階調画像信号の画像から読み取るべきコードシンボルの領域を切り出すシンボル領域切出部と、前記シンボル領域切出部から出力される画像領域を対象にコードシンボルを読み取るコードシンボル読取部とを具備する。
【0006】
この発明の一態様に係るコードシンボル読取装置の制御プログラムは、エリアイメージセンサを備えたコードシンボル読取装置に、前記エリアイメージセンサに結像した撮像画像の多階調画像信号に対して所定の階調値を有するラインパターンを上書きする手順と、前記上書きする手順によって編集された多階調画像信号の画像から読み取るべきコードシンボルの領域を切り出す手順と、前記シンボルの領域を切り出す手順により処理される画像領域を対象にコードシンボルを読み取る手順とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、多様なデザイン要素を持ったデザインバーコード等に対しても、コード領域を切り出す仕組みを提供し、未読を防止できるコードシンボル読取装置およびその制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るバーコードスキャナの外観を示す斜視図。
【図2】第1の実施形態に係るコードシンボル読取装置の構成例を示す図。
【図3】第1の実施形態に係るコードシンボル読取装置の制御プログラムを示す図。
【図4】第1の実施形態に係る一般的なバーコードの一例を示す図。
【図5】第1の実施形態に係るデザインバーコードの一例を示す図。
【図6】第1の実施形態に係るデザインバーコードのその他の一例を示す図。
【図7】第1の実施形態に係るコードシンボル読取装置のバーコード読取動作を示すフロー図。
【図8】第1の実施形態に係るコードシンボル読取装置の上書きラインパターン(1)を示す図。
【図9】第1の実施形態に係る上書き処理後のデザインバーコードを示す図。
【図10】第1の実施形態に係る上書き処理後のデザインバーコードを示す図。
【図11】変形例に係るコードシンボル読取装置のバーコード読取動作を示すフロー図。
【図12】変形例に係るコードシンボル読取装置の上書きラインパターン(2)を示す図。
【図13】変形例に係るコードシンボル読取装置の上書きラインパターン(3)を示す図。
【図14】変形例に係るコードシンボル読取装置の上書きラインパターン(4)を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、コードシンボル読取装置として、縦型のバーコードスキャナに用いられるコードシンボル読取装置を一例に挙げて説明する。尚、この説明においては、全図にわたり共通の部分には共通の参照符号を付す。
【0010】
[第1の実施形態]
<1.構成例>
1−1.バーコードスキャナ10の外観構成例
まず、図1を用いて、この発明の第1の実施形態に係るバーコードスキャナ10の外観構成例について説明する。
【0011】
図示するように、バーコードスキャナ10は、コードシンボル読取装置100の高さを変更する昇降機能を備え、オペレータによる読取操作を行い易くしたものである。バーコードスキャナ10は、商品が入れられたカゴ等が置かれるサッカー台11(又はカウンタ台)に立設されている。
【0012】
このバーコードスキャナ10には、案内溝12を有する一対の支柱13と、この案内溝12に沿って昇降自在に案内されるコードシンボル読取装置100とが設けられている。このように、本例に係るコードシンボル読取装置は、外観上、コードシンボル読取装置100として示されている。コードシンボル読取装置100の上方には、表示部16とキーボード17とが設けられている。
【0013】
本実施の形態に係るバーコードスキャナ10の構成において、オペレータは、コードシンボル読取装置100の前方に商品を配置し、商品に付されたバーコードを読み取る。従って、本例に係るコードシンボル読取装置100の出力は、読み取ったバーコード読み取り情報のみとなる。
【0014】
1−2.コードシンボル読取装置100の構成例
次に、図2を用い、コードシンボル読取装置100の構成例について説明する。
図示するように、コードシンボル読取装置100は、制御の主体となるコードシンボル装置100全体を制御するCPU(Central Processing Unit:制御部)51を搭載している。このCPU51には、バス52を介してROM(Read Only Memory)53と、RAM(Random Access Memory)54と、通信インタフェース(I/F)55と、バーコード読取部101と、および撮像部120とが電気的に接続されている。
【0015】
通信インタフェース(I/F)55には、販売店舗内のLAN(Local Area Network)58を介してPOS(Point of Sales)サーバ60が接続されている。
【0016】
POSサーバ60は、例えば、店舗で販売する全ての商品の価格や商品名等のデータを予め格納する商品データベースを有している。POSサーバ60は、コードシンボル読取装置100との間で、商品の精算処理に関する情報の授受および商品の精算処理結果の記録を行う。より詳細には、POSサーバ60は、コードシンボル読取装置100からLAN58を介して送信されてくる商品に付されたバーコードのデコードデータを商品データベースに照会し、当該デコードデータに対応する商品の価格や商品名等のデータを読み出し、全ての商品の各価格を合計して精算額データを求める。表示部16、キーボード(操作入力部)17、およびコードシンボル読取装置100は、POSサーバ60に接続され、制御される。
【0017】
ROM53には、バーコード読取部101に係る制御プログラムが予め格納されていても良い。
【0018】
RAM54には、例えば、撮像部120の撮像により取得された画像や、バーコード画像をデコードした結果であるデコードデータ等を格納するためのワークエリアが形成される。図示するように、後述するバーコード読取動作(S11〜S18)の際、RAM54の上記ワークエリアには、例えば、ROM53やバーコード読取部101等からロードされ、バーコード読取動作(S11〜S18)を実行する制御プログラムが一時的に格納される。バーコード読取動作は、CPU51等の制御部により実行される。
【0019】
撮像部120は、エリアイメージセンサに結像した撮像画像の多階調画像信号を、バーコード読取部101に出力する。尚、この撮像部120は、例えば、CCD撮像素子等として、バーコード読取部101内に搭載されていても良い。
【0020】
バーコード読取部101は、CPU51の制御に従い、撮像部120から入力された多階調画像信号に対して、所定のバーコードデータの読取動作を行い、バーコード情報としてバス52に出力する。バーコードデータの読取動作の詳細については、後述する。
【0021】
1−3.制御プログラム
次に、図3を用い、本例に係るコードシンボル読取装置100の制御プログラムについて説明する。また、この制御プログラムは、より具体的には、上記のように、RAM54上のワークエリアに展開されてCPU(制御部)51により制御実行される。
【0022】
図示するように、本例に係るバーコード読取部101は、制御プログラムとして、ライン書込部21、シンボル領域切出部22、コードシンボル読取部23、および上書きパターン切替部25を少なくとも備える。
【0023】
ライン書込部21は、撮像部120から出力された前記多階調画像信号に対して所定の階調値を有したラインパターンを上書きする。
【0024】
シンボル領域切出部22は、上記ライン書込部21によって編集された多階調画像信号の画像から読み取るべきコードシンボルの領域を切り出す。より具体的には、後述する図9、図10に示すように、シンボル領域切出部22は、バーコードのスペース部の多階調画像信号に近似する値により分離された画像信号のうち、独立した構成バーが存在する側の画像信号(本例では、下側の画像信号)を切り出す。
【0025】
コードシンボル読取部23は、上記シンボル領域切出部22から出力される画像領域を対象にコードシンボルを読み取る。
【0026】
上書きパターン切替部25は、後述の変形例で詳述するように、ライン書込部21により上書きされるラインパターンを切り替える。より詳細については、バーコード読取動作の際に説明する。
【0027】
尚、上記制御プログラムは、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、光学ディスク、半導体メモリ等のコンピュータ(情報処理装置)に読み取り可能な記録媒体に格納することが可能である。格納された本例に係る制御プログラムは、上記記憶媒体により記録されたデータの構造によりコンピュータが行う処理内容が特定される。
【0028】
<2.バーコードの形態について>
次に、図4乃至図6を用い、本例に係るバーコードの形態について説明する。
図4は、一般的なバーコードの一例の形態を示す図である。図示するように、この一般的なバーコードでは、構成バーのそれぞれが、独立分離して存在している。そのため、所定のアルゴリズム(同じ長さでかつ同一方向に傾いたバーの集合体を検出する方式)を正常に機能させることができ、その結果、バーコード領域の検出(切り出すこと)ができない事態が生じることはない。
一方、図5および図6は、デザインバーコードの一例の形態を示す図である。
【0029】
図5に示されるデザインバーコード(1)では、構成バーの一端を結合させるようにして全体が”矢印状”となるデザインDA1が施されている。図6に示されるデザインバーコード(2)では、構成バーの一端を結合させて”長方形状”となるデザインDA2が施されている。
【0030】
ここで、これらのデザインバーコードであっても、構成バーのバー幅ピッチは規定を満たしている。そのため、例えば、レーザ方式のコードシンボル読取装置の場合では、図4に示す一般的なバーコードと同様に、バーコード上を走査できれば、デコードが可能であるとも思われる。
【0031】
しかしながら、エリアイメージセンサを使用したコードシンボル読取装置においては、高効率にデコード処理を行うために、撮像部から出力された多階調画像データからバーコード領域を切り出す処理を行う。このとき、バーコード領域を検出する為の情報として、バーコードを構成するバーに着目し、同じ長さでかつ同一方向に傾いたバーの集合体を検出するアルゴリズムを用いる。
【0032】
そのため、図5、図6で示したデザインバーコードの場合、構成バーの一端がデザイン化のための線(DA1,DA2)と接触しており、個々のバーが独立分離して存在していない。そうすると前記アルゴリズム(同じ長さでかつ同一方向に傾いたバーの集合体を検出する方式)が機能せず、その結果、バーコード領域の検出(切り出すこと)ができない事態が生じ、未読(コードシンボルが読取不可能であること)が発生する。
【0033】
そこで、本例に係るコードシンボル読取装置およびそのコードシンボル読取動作では、上書きのラインパターンを、撮像部から出力された多階調画像データに重畳させ、バーコードを分断処理する。
【0034】
その結果、分裂した一方(本例では、下側)の領域を、バーコード領域として検出することが可能となるので、バーコード領域として切り出して、その後のデコード処理でバーコードのデコードが可能になる。従って、図5、図6等に示すデザインバーコードであっても、未読が発生することはない。
【0035】
尚、上書きするラインパターンについては、バーの延設方向に交差するように、複数のラインパターンを用意することが有効である。これは、読み取り対象のバーコードの方向が予め検知できないためであり、複数のパターンを、例えばフレーム毎に切り替えることで全方向に読取動作が対応可能になる。詳細については、後述する。
【0036】
<3.バーコード読取動作>
次に、本例に係るコードシンボル読取装置のバーコード読取動作ついて、図7に示す処理手順フローに沿って説明する。
【0037】
(ステップST11)
まず、CPU51は、撮像部120により撮像された多階調画像データを、RAM54に一時的に格納する。
【0038】
(ステップST12)
続いて、CPU51は、前記多階調画像データに対して、所定の階調値をもつラインパターンを上書きする。ここで、上記の所定の階調値とは、バーコードのスペース部の多階調画像信号に近似する値であり、一般的に言えば白地の多階調画像信号と同等の階調値を設定する。また、ラインの傾き角度、位置、本数なども予め設定可能とする。
【0039】
例えば、本例の場合、このステップST12の際に上書きされるラインパターンは、図8のように示される。図示する上書きラインパターン(1)は、バーの延設方向に対して交差するように(紙面で横方向)複数のラインが配置されるパターンである。
【0040】
図示する上書きラインパターン(1)を、撮像部から出力された多階調画像データに重畳させ、分断処理した後のデザインバーコードは、例えば、図9、図10のように示される。
【0041】
図中の矢印で示すように、上書きラインパターン(1)を多階調画像データに重畳させた結果、デザインバーコード(1)、(2)を、続くステップST13の際に、それぞれ上下に分断して判定することができる。そして、分裂した一方(本例では、下側)の領域を、バーコード領域として検出することが可能となる。さらに、バーコード領域として切り出して検出した領域は、その後のデコード処理でバーコードのデコードが可能になる。従って、図5、図6等に示したデザインバーコード(1)、(2)であっても、未読が発生することはない。
【0042】
(ステップST13)
続いて、こうして得られた多階調画像に対してバーコード候補切り出し処理を行う。切り出し処理は、例えば、前記多階調画像データを所定の閾値で2値化して、同じ長さでかつ同一方向に傾いた領域(個々のバーを想定)の集合体を検出する。
【0043】
本例では、上記ステップST12に際に上書きラインパターン(1)を多階調画像データに重畳させる。そのため、バーが繋がったデザインバーコード(1)、(2)であっても、前記ラインパターンの上書きで、バーコードが分裂した領域について、バーコード領域を切り出すことが出来る。
【0044】
(ステップST14)
続いて、条件に合致した候補領域の存在を検証する。この際、候補領域がある場合(Yes)には、次の処理(ステップST15)に進む。一方、候補領域がない場合(No)には、次の画像入力(ステップST18)を介して、再びステップST11に戻る。
【0045】
(ステップST15)
続いて、このバーコード読取処理ステップでは、前記切り出されたバーコード候補領域を対象に、デコード処理を行う。
【0046】
(ステップST16)
続いて、デコード処理の結果が完了したか否かを判定する。デコードが完了した場合(Yes)には、前記デコード結果を送出するために次のステップST17に進む(ステップST17)。一方、デコード処理が未完の場合(No)には、次の画像入力ステップ(ステップST18)を介して、再びステップST11に戻る。
【0047】
(ステップST17)
続いて、上記デコードが完了したバーコード情報結果を送信する。以上ここまでのステップ(ST11〜ST17)で、1フレーム(1画像)のバーコード読取動作が終了する。
(ステップST18)
続いて、全てのフレームについてのバーコード読取処理が終了したか否かを判定する。全フレームについてバーコード読取処理が終了した場合(Yes)には、このバーコード読取動作を終了する(End)。一方、全フレームについてのバーコード読取処理が終了いない場合(No)には、再びステップST11に戻る。例えば、本例の場合のバーコード読取動作においては、数〜数十フレームについてバーコード読取処理が実行される。
【0048】
[変形例(その他の上書きラインパターンに切り替える一例)]
次に、図11乃至図14を用いて、変形例に係るコードシンボル読取装置について、説明する。この変形例は、その他の上書きラインパターンに切り替える一例に関するものである。この説明において、上記第1の実施形態と重複する部分の詳細な説明を省略する。
【0049】
<バーコード読取動作>
本例に係るバーコード読取動作について、図11に沿って説明する。
図示するように、本例に係るバーコード読取動作は、ステップST22を更に実行する点で、上記第1の実施形態と相違する。
【0050】
(ステップST22)
ステップST21の後、CPU51は、上記多階調画像データに対して行う、上書きラインパターンを切り替える。
例えば、本例の場合、CPU51は、上記図8に示した上書きラインパターン(1)から、図12に示す上書きラインパターン(2)に切り替える。図示する切り替えられた上書きラインパターン(2)は、バーの延設方向に対して交差するように(紙面で縦方向)複数のラインが配置されるパターンである。
以後、上記第1の実施形態と同様のステップST23〜ST29を繰り返す。
尚、上記ステップST22の際に切り替える上書きラインパターンについては、バーの延設方向に交差するように、更に方向が異なる複数のラインパターンを用意することが有効である。例えば、図13、図14に示す上書きラインパターン(3)、(4)は、バーの延設方向に対して交差するように(紙面で斜め方向)複数のラインが配置されるパターンである。このように、複数の上書きラインパターンを用意するのは、ラインパターン上書きのステップS23の時点で、読み取り対象のバーコードの方向が予め検知できないためである。
【0051】
また、上書きラインパターンを切り替える頻度については、必要に応じ、1フレーム毎でも良いし、複数フレーム毎に切り替えても良い。
【0052】
上記のように、本例では、複数の上書きラインパターンを切り替えることができる点で、全方向に読取対応が可能となり、バーコードを切り出しでき、未読防止に対して更に有利である。
【0053】
以上、第1の実施形態および変形例を用いて本発明の説明を行ったが、この発明は上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記各実施形態および変形例には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態および変形例比較例に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0054】
51…CPU、52…ROM、53…RAM、55…通信I/F、100…コードシンボル読取装置、120…撮像部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開平9−62763号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリアイメージセンサに結像した撮像画像の多階調画像信号を出力する撮像部と、
前記撮像部から出力された前記多階調画像信号に対して所定の階調値を有するラインパターンを上書きするライン書込部と、
前記ライン書込部によって編集された多階調画像信号の画像から読み取るべきコードシンボルの領域を切り出すシンボル領域切出部と、
前記シンボル領域切出部から出力される画像領域を対象にコードシンボルを読み取るコードシンボル読取部とを具備すること
を特徴とするコードシンボル読取装置。
【請求項2】
前記ライン書込部において上書きするラインパターンを切り替えるラインパターン切替部を更に具備すること
を特徴とする請求項1に記載のコードシンボル読取装置。
【請求項3】
前記所定の階調値は、バーコードのスペース部の多階調画像信号に近似する値であること
を特徴とする請求項1または2に記載のコードシンボル読取装置。
【請求項4】
前記ライン書込部が上書きするパターンは、バーの延設方向に対して交差するように複数のラインが配置されるパターンであること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコードシンボル読取装置。
【請求項5】
前記シンボル領域切出部は、前記バーコードのスペース部の多階調画像信号に近似する値により分離された画像信号のうち、独立した構成バーが存在する側の画像信号を切り出すこと
を特徴とする請求項3に記載のコードシンボル読取装置。
【請求項6】
エリアイメージセンサを備えたコードシンボル読取装置に、
前記エリアイメージセンサに結像した撮像画像の多階調画像信号に対して所定の階調値を有するラインパターンを上書きする手順と、
前記上書きする手順によって編集された多階調画像信号の画像から読み取るべきコードシンボルの領域を切り出す手順と、
前記シンボルの領域を切り出す手順により処理される画像領域を対象にコードシンボルを読み取る手順と
を実行させるための制御プログラム。
【請求項1】
エリアイメージセンサに結像した撮像画像の多階調画像信号を出力する撮像部と、
前記撮像部から出力された前記多階調画像信号に対して所定の階調値を有するラインパターンを上書きするライン書込部と、
前記ライン書込部によって編集された多階調画像信号の画像から読み取るべきコードシンボルの領域を切り出すシンボル領域切出部と、
前記シンボル領域切出部から出力される画像領域を対象にコードシンボルを読み取るコードシンボル読取部とを具備すること
を特徴とするコードシンボル読取装置。
【請求項2】
前記ライン書込部において上書きするラインパターンを切り替えるラインパターン切替部を更に具備すること
を特徴とする請求項1に記載のコードシンボル読取装置。
【請求項3】
前記所定の階調値は、バーコードのスペース部の多階調画像信号に近似する値であること
を特徴とする請求項1または2に記載のコードシンボル読取装置。
【請求項4】
前記ライン書込部が上書きするパターンは、バーの延設方向に対して交差するように複数のラインが配置されるパターンであること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコードシンボル読取装置。
【請求項5】
前記シンボル領域切出部は、前記バーコードのスペース部の多階調画像信号に近似する値により分離された画像信号のうち、独立した構成バーが存在する側の画像信号を切り出すこと
を特徴とする請求項3に記載のコードシンボル読取装置。
【請求項6】
エリアイメージセンサを備えたコードシンボル読取装置に、
前記エリアイメージセンサに結像した撮像画像の多階調画像信号に対して所定の階調値を有するラインパターンを上書きする手順と、
前記上書きする手順によって編集された多階調画像信号の画像から読み取るべきコードシンボルの領域を切り出す手順と、
前記シンボルの領域を切り出す手順により処理される画像領域を対象にコードシンボルを読み取る手順と
を実行させるための制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−8344(P2011−8344A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148904(P2009−148904)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]