説明

コードレスポインティングデバイス

【課題】 安定したポインティング動作が可能で、しかも小型軽量化とコスト低減を図ることができるコードレスのポインティングデバイスを提供する。
【解決手段】 コードレスマウスの電源として充電式電池11を使用し、また、マウス本体1に充電部16を有するACアダプタ15を接続可能とし、充電部16により充電式電池11を満充電まで充電し、次の使用を可能にした。また、組み込まれる充電式電池11として10C以上の電流で急速充電できるリチウムイオン二次電池が用いられことも特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータの操作に用いられるコードレスポインティングデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にパーソナルコンピュータは、入力手段としてキーボードが用いられているが、これ以外にポインティングデバイスも無くてはならないものとして用いられている。
【0003】
ポインティングデバイスには、マウスやトラックボールなどがあり、これらはUSBやPS2などのインターフェイスによりパーソナルコンピュータに接続されている。この場合、一般的なポインティングデバイスは、パーソナルコンピュータとの間をケーブルで繋がれ、パーソナルコンピュータから供給される電源により所定の動作を行うようになっている。
【0004】
ところが、パーソナルコンピュータとの間をケーブルで繋いだものは、ポインティングデバイスを操作する際に、ケーブルが邪魔になることが多く、ポインティングデバイス自身の動きに制約を与えるなど操作の妨げになることがある。
【0005】
そこで、最近になってパーソナルコンピュータとの間を接続するケーブルを除去したコードレスのポインティングデバイスが用いられるようになっている。このようなコードレスのポインティングデバイスは、ブルートゥースや独自の無線規格などのインターフェイスによりパーソナルコンピュータとの間の通信を行うもので、ケーブルを全く必要としない。
【0006】
ところが、ポインティングデバイスをコードレスにすることは、従来ではケーブルを介してパーソナルコンピュータから電源が供給されていたものを、ポインティングデバイス自身で電源を用意する必要がある。
【0007】
このため、コードレスのポインティングデバイスにはアルカリ乾電池などを電源として搭載したものがある。
【特許文献1】特開2000−232423号公報
【特許文献2】特開2000−105631号公報
【特許文献3】特開2005−123183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、このように乾電池を電源とするものは、乾電池の容量が少なくなると電池交換が必要となり、予備として用意しておく乾電池の費用などコストがかかり、また、これら予備の乾電池を忘れると、ポインティングデバイスそのものが使用できなくなるという問題があった。
【0009】
そこで、最近になって特許文献1及び特許文献2に開示されるように電源として充電可能な二次電池を用いたものが考えられている。このような二次電池を用いれば、乾電池のような電池交換が必要でなくなるので、コスト的に安価にできるとともに、予備の乾電池を忘れたことによりポインティングデバイスそのものが使用できなくなるような不都合を回避できる。
【0010】
ところが、二次電池を電源として使用した場合、電池残量が問題となり、仮に残量が少なくなった状態でポインティングデバイスを使用し続けると、ポインティングデバイスからパーソナルコンピュータに送られる無線信号を安定して維持するのが難しくなる。
【0011】
このため、二次電池の電池残量が常に所定値以上を維持できるように、頻繁に二次電池を充電するような工夫が必要であり、例えば充電器を兼ねた置台を用意し、ポインティングデバイスを使用しないときは、ポインティングデバイスを置台に載置することで二次電池を充電するようなことが考えられる。
【0012】
しかし、例えば、CADでの使用、DRAWソフトなどによるデザイン作業での使用、ゲームでの使用など、ポインティングデバイスの使用頻度が高く連続して使用するような用途の場合、ポインティングデバイスを置台に載置する機会が少なくなって電池切れを招くことがある。電池切れをした場合は、一般に用いられる例えばニッケル水素蓄電池の場合で、普通充電で12時間程度、急速充電で2〜3時間の充電時間が必要になるため、この間、ポインティングデバイスの使用ができなくなる。
【0013】
そこで、ポインティングデバイスを長時間連続して使用できるようにするため、容量の大きな二次電池を搭載することが考えられる。しかし、このような大容量の二次電池は、それ自体大きなものであるため、このような二次電池をポインティングデバイス内に組み込めば、ポインティングデバイス全体が大型で重量も大きなものになり、使い勝手の極めて悪いものになってしまう。
【0014】
一方、ポインティングデバイスの二次電池の充電に用いられる充電器を兼ねた置台は、ポインティングデバイスからの無線信号を受信する受信機を内蔵したものがある。このような置台は、パーソナルコンピュータとの接続にUSBを使用しており、充電器によるポインティングデバイスの充電は、USBからの給電を利用して行うようにしている。ところが、USBの許容電流は、規格により最大500mA程度までであり、このため、ポインティングデバイスの充電に、これ以上の電流を要求される場合は、使用することができない。
【0015】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、安定したポインティング動作が可能で、しかも小型軽量化とコスト低減を図ることができるコードレスポインティングデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1記載の発明は、コンピュータのディスプレイ上でポインタを移動させるための位置情報を出力するとともに、該位置情報を無線信号に変換し前記コンピュータに送信可能にしたポインティングデバイス本体と、前記ポインティングデバイス本体内部に設けられ、該ポインティングデバイス本体の電源として用いられる10C以上の電流で急速充電可能な充電式電池と、を具備したことを特徴としている。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、さらに充電手段を有し、該充電手段は、前記ポインティングデバイス本体に電気的に接続可能で、該接続状態で前記充電式電池を充電する充電部を有することを特徴としている。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記充電手段は、前記コンピュータの充電に用いられる充電手段を兼ねることを特徴としている。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記コードレスポインティングデバイス本体は、前記充電式電池の電池残量を表示する電池残量表示手段を有することを特徴としている。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、さらに前記充電式電池の過充電、過放電及び過電流の少なくとも一つを検出し、前記充電式電池の充電又は放電を停止させる監視保護手段を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、安定したポインティング動作が可能で、しかも小型軽量化とコスト低減を図ることができるコードレスポインティングデバイスを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0023】
(第1の実施の形態)
図1(a)(b)は、本発明の第1の実施の形態に適用されコードレスマウスの概略構成を示すものである。
【0024】
図1において、1はマウス本体で、このマウス本体1は、底面に位置特定用の光源(不図示)を有し、マウス本体1のスライド操作にともなう移動方向及び移動量を光学的に検知して不図示のパーソナルコンピュータのディスプレイ上のポインタを移動させるための位置情報を出力する。また、マウス本体1の上面前方には、クリックボタン2a、2bが設けられている。これらクリックボタン2a、2bは、ユーザの指先により押し操作されるもので、前記ディスプレイ上のポインタにより指示された領域のクリックやドラッグなどを指示する。また、クリックボタン2a、2bの間には、ホイール3が回転可能に設けられている。ホイール3は、その回転操作により前記ディスプレイ上の画面のスクロールを指示する。
【0025】
マウス本体1の後側端部には、ACアダプタ接続端子4が設けられている。このACアダプタ接続端子4は、穴部内に配置される筒状の正側電極4aと、この正側電極4aの中心軸上に配置される棒状の負側電極4bを有するもので、後述する充電手段としてのACアダプタ15のプラグ19が電気的に接続される。なお、ACアダプタ接続端子4は、マウス本体1の側面や底面などにあってもよいし、正側電極4aの穴部に蓋が付いたものでも構わない。
【0026】
マウス本体1の側面には、電池残量表示部5が設けられている。この電池残量表示部5は、後述する充電式電池11の放電状態を表示するもので、電池残量が所定値以上で発光体を点灯し、電池残量が所定値より低下すると点滅する。ここでの発光体としては、例えばLEDが用いられる。この場合、例えば、充電残量が所定値以上のときは青色のLED、電池残量が所定値より低下すると赤色のLEDをそれぞれ点灯するようにしても良い。
【0027】
図2は、このように構成されたコードレスマウスの回路構成を示している。なお、図2は、上述した図1と同一部分には同符号を付している。
【0028】
図2において、11は充電式電池で、この充電式電池11は、前記マウス本体1内部に設けられている。充電式電池11には、急速充電が可能なリチウムイオン二次電池が用いられる。リチウムイオン二次電池は、アルミニウムラミネートフィルムからなる外装部材による容器と、この容器内に収容された非水電解質と、前記容器内に収納されアルミニウム箔よりなる正極集電体にリチウムコバルト酸化物を正極作用物質として含む正極層が担持された正極と、前記容器内に収納されアルミニウム箔よりなる負極集電体に平均粒子径が1μm以下の粒度分布を有するチタン酸リチウムを負極活物質粒子として含む負極層が担持された負極とを備えた構造を有している。
【0029】
ここで、リチウムイオン二次電池についてさらに詳細に説明する。かかる、リチウムイオン二次電池は、リチウムチタン酸化物を活物質として含む負極を備えている。活物質であるリチウムチタン酸化物は、特許文献3に開示される通り、リチウムを吸蔵・放出可能な材料であり、リチウムイオンの挿入・離脱が1.4Vから1.7V/Li付近で行われる。このため、この二次電池は大電流での急速充電を行っても、従来の負極活物質に炭素材料を用いた場合と比べてリチウムの析出が起こらずに安全性を確保できる。また、リチウムの吸蔵放出に伴う膨張収縮が生じるのを抑制することができるため、20C電流の急速充電を繰り返し行った際にも負極活物質の構造破壊を抑えることができる。その結果、充放電を繰り返し行った場合においても長い寿命を維持できる。電池の電位としては2.4V程度であることから、従来のニッケル水素蓄電池やニッケルカドミウム蓄電池の2本直列分に相当するため、使用本数で50%の減量化が達成できる。
【0030】
具体的には、以下のような方法で組み立てたリチウムイオン二次電池は20Cで3分間充電することにより約80%電池容量まで充電することが可能な急速充電二次電池であることが確認されている。ここで、『C』は充放電率を表す単位であり、完全放電から完全充電(または完全充電から完全放電)までを定電流充電した場合に計算上1時間で行えるレートを1Cとして表現する。1/10時間の場合、10Cと表現する。したがって、例えば20C充電とは、1C充電の20倍の電流が必要になる。
【0031】
<負極の作製>
活物質として、平均粒子径5μmでLi吸蔵電位が1.55V(vs.Li/Li+)のチタン酸リチウム(Li4Ti512)粉末と、導電剤として平均粒子径0.4μmの炭素粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを重量比で90:7:3となるように配合し、これらをn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散してスラリーを調製した。
【0032】
なお、活物質の粒子径の測定には、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所株式会社 型番SALD−300)を用いた。まず、ビーカー等に試料約0.1gを入れた後、界面活性剤と1〜2mLの蒸留水を添加して十分に攪拌し、攪拌水槽に注入した。2秒間隔で、64回光強度分布を測定し、粒度分布データを解析し、累積度数分布が50%の粒径(D50)を平均粒子径とした。
【0033】
次いで、厚さ10μmのアルミニウム箔(純度99.99%)を負極集電体に前記スラリーを塗布し、乾燥した後、プレスを施すことにより電極密度2.4g/cm3の負極を作製した。
【0034】
<正極の作製>
活物質としてリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)と、導電材として黒鉛粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを重量比で87:8:5となるように配合し、これらをn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散させてスラリーを調製した。厚さ15μmのアルミニウム箔(純度99.99%)にスラリーを塗布し、乾燥した後、プレスすることにより電極密度3.5g/cm3の正極を作製した。
【0035】
<二次電池の組み立て>
容器(外装部材)の形成材料として、厚さが0.1mmのアルミニウム含有ラミネートフィルムを用意した。このアルミニウム含有ラミネートフィルムのアルミニウム層は、膜厚約0.03mmであった。アルミニウム層を補強する樹脂には、ポリプロピレンを使用した。このラミネートフィルムを熱融着で貼り合わせることにより、容器(外装部材)を得、さらに金属アルミニウムの容器に収めた。
【0036】
次いで、前記正極に正極端子を電気的に接続すると共に、前記負極に負極端子を電気的に接続した。厚さ12μmのポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータを正極に密着させて被覆した。セパレータで被覆された正極に負極を対向するように重ね、これらを渦巻状に捲回して電極群を作製した。この電極群をプレスして扁平状に成形した。容器(外装部材)に扁平状に成形した電極群を挿入した。
【0037】
エチレンカーボネート(EC)とγ−ブチルラクトン(GBL)が体積比(EC:GBL)で1:2の割合で混合された有機溶媒にリチウム塩であるLiBF4を1.5mol/L溶解させ、液状の非水電解質を調製した。得られた非水電解質を前記容器内に注液し、リチウム二次電池を組み立てた。このようなリチウム二次電池は、満充電時電圧2.8V、放電終止電圧1.5Vで使用することができる。
【0038】
この実施の形態では、前記充電式電池11として、10C以上の電流で急速充電可能なリチウムイオン二次電池が使用される。勿論、かかる充電式電池11は、上述した20Cで3分間充電することにより約80%電池容量まで充電可能なものである。
【0039】
このような充電式電池11には、制御手段としての制御部12が接続されている。制御部12には、前記クリックボタン2a(2b)、電池残量表示部5が接続され、さらに通信部13が接続されている。また、制御部12は、電池残量監視手段121、位置情報検出手段122を有している。電池残量監視手段121は、前記充電式電池11の放電状態を監視し、電池残量が所定値以上で電池残量表示部5の発光体を点灯し、電池残量が所定値より低下すると発光体を点滅させる。位置情報検出手段122は、前記マウス本体1底面に回転自在に支持されたボール(不図示)の移動方向及び移動量に応じた位置情報を検出する。
【0040】
さらに、制御部12は、位置情報検出手段122で検出した位置情報を、クリックボタン2a(2b)及びホイール3の操作情報などとともに通信部13で無線信号に変換し、不図示のパーソナルコンピュータに送信させる。
【0041】
充電式電池11には、監視保護手段として監視保護回路14が設けられている。この監視保護回路14は、充電式電池11の状態を監視するもので、かかる監視結果に応じて不図示のスイッチを駆動して充電式電池11の充放電を停止させる。この場合、監視保護回路14は、充電式電池11の過充電、過放電及び過電流を監視する。そして、充電式電池11の充電電圧が所定値の範囲では、充電式電池11の充放電を許容し、充電式電池11の充電電圧が所定値以上になると過充電と判断し前記スイッチ(不図示)を開放して充電式電池11の充電を停止させ、また、充電式電池11の充電電圧が所定値以下になると過放電と判断し前記スイッチ(不図示)を開放して充電式電池11の放電を停止させる。さらに充電式電池11の放電電流が所定値以上になると、過電流と判断し前記スイッチ(不図示)を開放して充電式電池11の放電を停止させる。これにより、充電式電池11が過充電状態になって電解液の分解によりガスが発生し、電池内部の圧力が上昇して漏液するのを防止し、また、充電式電池11が過放電状態になって負極の集電体の銅が電解液で溶解し電池性能を劣化させるのを防止する。このような監視保護回路14は、モジュール化され、前記充電式電池11内部に一体に組み込まれるものが用いられる。
なお、監視保護回路14は、充電式電池11の過充電、過放電及び過電流の少なくとも一つを監視するものであっても良い。
【0042】
充電式電池11には、前記ACアダプタ接続端子4が接続されている。この場合、ACアダプタ接続端子4の正側電極4aに充電式電池11の正極端子、負側電極4bに充電式電池11の負極端子が接続されている。
【0043】
マウス本体1のACアダプタ接続端子4には、ACアダプタ15が接続可能になっている。ACアダプタ15は、充電手段として充電部16とAC/DCコンバータ17を有している。充電部16は、AC/DCコンバータ17より出力される直流電力により前記充電式電池11を満充電まで充電する。AC/DCコンバータ17は、交流電力を直流電力に変換するもので、ここでは、電源コード18を介して供給される100Vの商用電源から3V程度の直流電圧を発生する。
【0044】
ACアダプタ15には、図3に示すように前記マウス本体1のACアダプタ接続端子4に対応するプラグ19が接続されている。このプラグ19は、筒状の正側電極19aと、この正側電極19aの中心軸上に絶縁体を介して配置される筒状の負側電極19bを有するもので、これら正側電極19a及び負側電極19bを前記充電部16の正負出力端子に接続されている。そして、前記正側電極19aを前記ACアダプタ接続端子4の筒状をした正側電極4a内に挿入し、同時に前記筒状の正側電極19a内に前記棒状をした負側電極4bを挿入することで、充電部16をマウス本体1の充電式電池11に電気的に接続する。
【0045】
おな、ACアダプタ15は、充電式電池11の充電用として専用のものを用意しても良いが、例えば、ノート型のパーソナルコンピュータを使用する場合には、かかるパーソナルコンピュータの充電に用いるACアダプタを流用することもできる。このようにすれば、必要とする付属品を最小限にできるので、パーソナルコンピュータを持ち運びする際も荷物が増えることがなくなり使い勝手が良くなる。
【0046】
次に、このように構成した実施の形態の作用を説明する。
【0047】
この場合、マウス本体1のACアダプタ接続端子4にACアダプタ15のプラグ19を差し込み、充電部16により充電式電池11を満充電まで充電する。ユーザは、電池残量表示部5の発光体が連続点灯していることで充電式電池11が満充電になっていることを確認する。充電式電池11の満充電を確認したらACアダプタ15のプラグ19をマウス本体1のACアダプタ接続端子4から切り離す。
【0048】
この状態で、図示しないパーソナルコンピュータのコードレスマウスとして使用される。この場合、制御部12の位置情報検出手段122は、マウス本体1底面に設けられた位置特定用の光源(不図示)の、マウス本体1のスライド操作にともなう移動方向及び移動量を光学的に検出する。そして、この位置情報検出手段122で検出した位置情報は、クリックボタン2a(2b)及びホイール3の操作情報などとともに通信部13で無線信号に変換され、不図示のパーソナルコンピュータに送信される。
【0049】
また、電池残量監視手段121は、充電式電池11の電池残量を監視する。そして、電池残量が所定値より低下すると、電池残量表示部5の発光体を点滅させる。ユーザは、電池残量表示部5の表示を確認すると、ACアダプタ15のプラグ19をマウス本体1のACアダプタ接続端子4に差し込んで再び充電式電池11を満充電まで充電し、次の使用に備える。
【0050】
したがって、このようにすれば、コードレスマウスの電源として充電式電池11を使用し、また、マウス本体1に充電部16を有するACアダプタ15を接続可能とし、充電部16により充電式電池11を満充電まで充電し、次の使用を可能にした。また、組み込まれる充電式電池11として10C以上の電流で急速充電できるリチウムイオン二次電池が用いられことも特徴としている。これにより、充電式電池11は短時間の急速充電が可能で、しかもACアダプタ15を接続するだけで充電式電池11を繰り返し充電ができるので、マウスの使用頻度が高く連続して使用されるような用途の場合も、マウスの使用を長時間中断することなく安定した動作を実現することができる。
【0051】
ACアダプタ15に、ノート型のパーソナルコンピュータの充電に用いるACアダプタを流用すれば、必要とする付属品を最小限にでき、パーソナルコンピュータを持ち運びする際も荷物が増えることがなくなる。つまり、マウスのための専用のACアダプタ15を用いたのでは、ノート型のパーソナルコンピュータを持ち運ぶ際に、2個のACアダプタを持ち運ばなければならないが、それに比べると非常に使い勝手を改善できる。
【0052】
充電式電池11の充電を頻繁に行うことができるので、電池容量の小さな充電式電池11を使用することが可能で、マウス本体1の小型軽量化とともにコスト低減につなげることができる。これらのことは、急速充電が可能な充電式電池11を使用することによって実現できることである。
【0053】
充電式電池11を使用することによりマウス本体1をコードレスに構成できるので、マウスの動きに制約を与えるなどの操作の妨げを排除することができる。
【0054】
マウス本体1には、充電式電池11の放電状態を表示する電池残量表示部5が設けられ、マウスを使用しながら充電式電池11の放電状態を一目で確認することができるので、充電式電池11の電池残量がゼロになって使用不能になるようなことを未然に回避できる。
【0055】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。例えば、上述した実施の形態では、コードレスのポインティングデバイスとしてコードレスマウスについて述べたが、コードレスのトラックボールにも適用することができる。
【0056】
その他、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施の形態のコードレスマウスの概略構成を示す図。
【図2】第1の実施の形態のコードレスマウスの回路構成を示す図。
【図3】第1の実施の形態のコードレスマウスに接続されるACアダプタの概略構成を示す図。
【符号の説明】
【0058】
1…マウス本体、2a.2b…クリックボタン
3…ホイール、4…ACアダプタ接続端子
4a…正側電極、4b…負側電極
5…電池残量表示部、11…充電式電池
12…制御部、121…電池残量監視手段
122…位置情報検出手段、13…通信部
14…監視保護回路、15…ACアダプタ
16…充電部、17…AC/DCコンバータ
18…電源コード、19…プラグ
19a…正側電極、19b…負側電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータのディスプレイ上でポインタを移動させるための位置情報を出力するとともに、該位置情報を無線信号に変換し前記コンピュータに送信可能にしたポインティングデバイス本体と、
前記ポインティングデバイス本体内部に設けられ、該ポインティングデバイス本体の電源として用いられる10C以上の電流で急速充電可能な充電式電池と、
を具備したことを特徴とするコードレスポインティングデバイス。
【請求項2】
さらに充電手段を有し、該充電手段は、前記ポインティングデバイス本体に電気的に接続可能で、該接続状態で前記充電式電池を充電する充電部を有することを特徴とする請求項1記載のコードレスポインティングデバイス。
【請求項3】
前記充電手段は、前記コンピュータの充電に用いられる充電手段を兼ねることを特徴とする請求項2記載のコードレスポインティングデバイス。
【請求項4】
前記コードレスポインティングデバイス本体は、前記充電式電池の電池残量を表示する電池残量表示手段を有することを特徴とする請求項1記載のコードレスポインティングデバイス。
【請求項5】
さらに前記充電式電池の過充電、過放電及び過電流の少なくとも一つを検出し、前記充電式電池の充電又は放電を停止させる監視保護手段を有することを特徴とする請求項1記載のコードレスポインティングデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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