説明

ゴミ袋保持具

【課題】ゴミ袋10の開口を容易に開閉することができ、ゴミ袋10の開口を閉じた状態では、開口を密閉することが可能となる。
【解決手段】ゴミ袋保持具20に設けられた一対の可動腕50のそれぞれが、支持具70によってゴミ袋10の一部が挟持された状態で開放位置から閉鎖位置まで溝部40に沿って移動することにより、可動腕50を移動するという容易な操作でゴミ袋10の開口を開閉することができる。また、可動腕50が閉鎖位置に位置決めされた際には、それぞれの可動腕50が隣接する位置に位置決めされるため、袋の開口を閉じることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ袋保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂フィルム製のレジ袋等を取り付けることで、ゴミ箱として利用することが可能な懸架装置が知られている。例えば、特許文献1には、固定部材に対向して可動部材を固定支点を中心に揺動自在に設け、固定部材と可動部材に提げ手付き袋の提げ手を取り付け、可動部材が固定部材に当接したときの位置が固定支点を通る垂直線より固定部材側にくるように固定支点を設けるとともに、可動部材を固定支点を通る垂直線に対して固定部材の反対側に倒すことができる提げ手付き袋の懸架装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−346201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうした懸架装置では、袋を取り付けて使用する際には、常に袋が開口しており、例えば、袋の中に生もの等の臭気を有するものを入れた場合には、この臭気が袋の開口から流出するという課題がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、袋の開口部を開閉自在に固定することにより、袋に物を投入する際には袋の開口部を開き、袋に物を投入した後には袋の開口部を閉じることができるゴミ袋保持具を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明のゴミ袋保持具は、
一対の可動部材と、
前記可動部材の両端側に設けられたガイド部と、
前記一対の可動部材に袋の一部をそれぞれ挟持する挟持部材と、
脚部によって支持される枠体形状の本体部材と、
前記本体部材の内側表面に位置し、前記ガイド部の端部が移動可能な状態で挿入される溝部と、
を備え、
前記一対の可動部材は、互いに当接可能な位置であって前記袋の開口を閉鎖する閉鎖位置と互いに離間した状態で前記袋の開口を開放する開放位置との間を前記溝部に沿って移動する、
ものである。
【0008】
このゴミ袋保持具は、一対の可動部材のそれぞれに挟持部材によって袋の端部が挟持された状態で、一対の可動部材が互いに当接可能な位置であって袋の開口を閉じる閉鎖位置から一対の可動部材が互いに離間した位置であって袋の開口を開いた開放位置に向かって本体部材の内側表面に設けられた溝部に沿って移動する。このため、可動部材が閉鎖位置に位置決めされた際には袋の開口を閉じ、可動部材が開放位置に位置決めされた際には袋の開口を開くことができる。こうすることにより、取り付けた袋の開口を自在に開閉することができるため、袋の中に物を投入する際には袋の開口を開き、袋の中に物を投入した後は、袋の開口を閉じることができる。このため、袋の中に臭気を有する物を投入した場合であっても、袋の開口を閉じられない場合と比較して、袋の中から流出する臭気をより低減することができる。
【0009】
本発明のゴミ袋保持具において、前記ガイド部は、前記閉鎖位置側に設けられた第一ガイド部と前記開放位置側に設けられた第二ガイド部とが棒状部材によって連接されており、前記第一ガイド部及び前記第二ガイド部は、前記溝部に少なくとも一部が挿入された状態で、前記本体部材の内側表面及び前記脚部の内側表面に設けられた前記溝部に沿って移動するものであってもよい。こうすれば、可動部材が両側に設けられた第一ガイド部及び第二ガイド部の合計4カ所で支えられることになるため、可動部材の溝部に対する方向が所定の方向に固定されることになる。このため、可動部材が両端部の二カ所で支えられる場合と比較して、可動部材が捩れたり、可動部材と溝部との接点を軸として回転したりする可能性を未然に低減することができる。可動部材が捻れたり回転したりした場合には、可動部材が閉鎖位置に位置決めされた際に、互いに対向する面が平行にならず、一対の可動部材を当接させた際に、可動部材同士の間に空隙が生じることになるため、可動部材に挟持された袋の開口を閉じる際に、隙間が生じる可能性を未然に低減することができる。付言すると、袋の中に臭気を有する物を投入した場合であっても、袋の開口を閉じた際に隙間がある場合と比較して、袋の中から流出する臭気をより低減することができる。
【0010】
本発明のゴミ袋保持具において、前記溝部は、前記一対の可動部材を前記閉鎖位置に位置決めする閉鎖位置係止凹部及び前記開放位置に位置決めする開放位置係止凹部を有していてもよい。こうすれば,可動部材を閉鎖位置係止凹部又は開放位置係止凹部のいずれかに移動することにより、閉鎖位置係止凹部及び開放位置係止凹部が無い場合と比較して、より容易に可動部材を閉鎖位置又は開放位置に位置決めすることができる。
【0011】
本発明のゴミ袋保持具は、前記可動部材と前記ガイド部との間を懸架する梁部材と、を備えていてもよい。こうすれば、可動部材とガイド部との位置関係を固定することができるため、ガイド部が可動部材に近づく可能性を未然に低減することができる。ガイド部が可動部材に近づくと、ガイド部が溝部から脱落する可能性が高くなるため、梁部材を有しない場合と比較して、ガイド部が溝部から脱落する可能性を低減し、閉鎖位置と開放位置との間をより容易に可動部材を移動することができる。
【0012】
本発明のゴミ袋保持具において、前記開放位置係止凹部は、複数設けられていてもよい。こうすれば、複数の開放位置係止凹部にそれぞれ位置決めすることにより、可動部材に挟持された袋を大きく開いたり小さく開いたりすることができるため、袋に投入する物の大きさに応じて、所望の大きさに袋の開口を開くことができる。また、袋の大きさに応じて容易に開放位置を位置決めすることができる。
【0013】
本発明のゴミ袋保持具において、前記挟持部材は、前記可動部材側に向かって突出する突起部を有し、前記可動部材は、前記可動部材が前記袋を挟持する際、前記突起部の少なくとも一部が挿入される挿入穴を有してもよい。こうすれば、袋を挟持部材で挟持した際に、突起部が挿入穴に挿入されると同時に袋の一部も挿入穴に挿入されることになるため、突起部及び挿入穴を有しない場合と比較して、袋が脱落する可能性をより低減することができる。
【0014】
この構成を採用したゴミ袋保持具において、前記突起部は、先端部が曲面からなってもよい。こうすれば、突起部が挿入穴に挿入される際に袋と接する先端部が鋭角である場合と比較して、先端部が袋を破損する可能性をより低減することができる。このため、袋が破損して脱落する可能性を未然に低減することができる。特に、突起部の一部が袋を貫通することにより袋が破損した場合には、使用後に袋を取り外す手間がかかることになるが、袋が破損する可能性を未然に低減することにより、突起部から袋を外す労力も未然に低減することを可能としている。
【0015】
本発明のゴミ袋保持具において、前記挟持部材は、前記可動部材側に向かって突出する係合爪を有し、前記可動部材は、前記可動部材が前記袋を挟持する際、前記係合爪と係合する係合穴を有していてもよい。こうすれば、係合爪を係合穴に係合することにより、袋を挟持部材で挟持した際、挟持部材と可動部材との係合が解除され、袋が脱落する可能性を未然に低減することができる。
【0016】
この構成を採用したゴミ袋保持具において、前記係合爪は、前記挟持部材の一端側に位置し、前記挟持部材は、他端側を前記可動部材に軸支され、前記可動部材の表面の一部を覆う略コの字形状の断面を有する部材であり、前記可動部材の方向に向かって回動し、前記係合爪が前記係合穴に挿入された状態で前記袋を挟持してもよい。こうすれば、挟持部材の他端側を回動軸として挟持部材を回動させるという簡単な操作で、可動部材と挟持部材との間に袋を挟持することができる。また、挟持部材は可動部材の表面の一部を覆う略コの字形状の断面を有するため、袋を挟持した際に、袋の端部が可動部材の表面に沿って挟持されることになり、可動部材を閉鎖位置に位置決めした際に袋の開口に隙間が生じる可能性を未然に低減することができる。言い換えると、袋の中に臭気を有する物を投入した場合であっても、袋の中から流出する臭気をより低減することができる。
【0017】
本発明のゴミ袋保持具は、前記脚部に固定され、前記袋の底部を支持する袋支持部材と、を備えていてもよい。こうすれば、袋の中に多くの物を投入したり、底が深い袋や大きな袋を取り付けたりした場合であっても、袋支持部材を有していない場合と比較して、袋が挟持されている部分に大きな力がかかる可能性を未然に低減し、袋の破損を未然に低減することができる。加えて、袋の中に物が入った状態でゴミ袋保持具を移動させる際に、袋の中の物が振り子のように揺れて持ち運び難くなる可能性も未然に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、ゴミ袋保持具20の構成の概略を示す斜視図である。
【図2】図2は、可動腕50の構成の概略を示す断面図であり、図2(A)は、略垂直方向に切断した断面図を、図2(B)は、略水平方向に切断した断面図を、それぞれ示している。
【図3】図3は、支持具70を開いた状態におけるゴミ袋保持具20の構成の概略を示す斜視図である。
【図4】図4は、ゴミ袋10を可動腕50に取り付ける方法を説明するための断面図であり、図4(A)は、支持具70を開いた状態を、図4(B)は、支持具70を閉じた状態を、それぞれ示している。
【図5】図5は、可動腕50が閉鎖位置に位置決めされた状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、可動腕50が最も遠ざかった位置に位置決めされた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、上記簡単に説明した図面に基づいて、本発明を実施するための形態を説明するにあたり、本実施の形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施の形態のゴミ袋保持具20が本発明のゴミ袋保持具に相当し、可動腕50が可動部材に相当し、本体枠体32が本体部材に相当し、溝部40が溝部に相当し、閉鎖位置係止凹部42が閉鎖位置係止凹部に相当し、第一開放位置係止凹部44a及び第二開放位置係止凹部44bが開放位置係止凹部に相当し、ガイド部60がガイド部に相当し、第一ガイド部62が第一ガイド部に相当し、第二ガイド部64が第二ガイド部に相当し、棒状部66が棒状部材に相当し、梁部材68が梁部材に相当し、支持具70が挟持部材に相当し、係止突起72が突起部に相当し、挿入穴54が挿入穴に相当し、係合爪74が係合爪に相当し、係合穴56が係合穴に相当し、袋受網80が袋支持部材に相当する。なおゴミ袋保持具20の動作を説明することにより本発明のゴミ袋保持具の使用方法の一例も明らかにしている。
【0020】
図1及び図2を用いて、本発明の実施の形態の一例であるゴミ袋保持具20の構成を詳しく説明する。図1に示すように、ゴミ袋保持具20は、略矩形形状の本体枠体32に、ゴミ袋10を保持する一対の可動腕50が移動可能に取り付けられている。
【0021】
本体枠体32は、図1に示すように、略矩形形状の枠体であって、対向する内側側面にそれぞれ二つずつ脚部34が取り付けられており、脚部34には後述する袋受網80を取り付けるためのフック36がそれぞれ設けられている。この本体枠体32は、脚部34が取り付けられている部分が他の部分より薄く形成されており、本体枠体32の内側側面に脚部34を取り付けた際には、本体枠体32の内側側面と脚部34の内側側面とが同一平面上に位置する。また、本体枠体32の内側側面と脚部34の内側側面とには、溝部40が連接して設けられており、溝部40の下方側面には、閉鎖位置係止凹部42、第一開放位置係止凹部44a及び第二開放位置係止凹部44b(以下、「係止凹部44」とも言う。)がこの順番で設けられている。また、可動腕50が溝部40を移動可能に取り付けられているため、溝部40に沿って可動腕50を移動させると、いずれかの凹部に嵌まり込むことによって可動腕50が位置決めされることになり、可動腕50を溝部40に沿って移動させるという簡単な動作で可動腕50を所望の位置に位置決めすることができる。
【0022】
可動腕50は、両端側にガイド部60を有する略矩形形状の部材であり、両端部に設けられたガイド部60によって本体枠体32の内側側面に設けられた溝部40に嵌め込まれている。また、可動腕50には、それぞれ3つの支持具70が前後方向(図1中の前方―後方方向)に設けられた軸52によって上下方向(図1中の上方―下方方向)に回動可能に取り付けられている。このため、保持するゴミ袋10の大きさや種類に応じて、所望の支持具70を適宜使用することで、種々の大きさや種類に対応することができる。
【0023】
ここで、可動腕50が支持具70によって覆われる部分の構成について、図2を用いて更に詳しく説明する。ここで、図2は、可動腕50の構成の概略を示す断面図であり、図2(A)は、略垂直方向に切断した断面図を、図2(B)は、略水平方向に切断した断面図を、それぞれ示している。図2(A)に示すように、支持具70によって覆われる位置であって、可動腕50が閉鎖位置に位置決めされた際、上方側(図2(A)中の上方側)には、後述する複数の挿入穴54及び係合穴56がそれぞれ設けられている。こうすることにより、可動腕50と支持具70との間にゴミ袋10の開口部の一端を配置し、支持具70を可動腕50の方向に回動することにより、支持具70の先端部でゴミ袋10の開口を強固に挟持することができる。
【0024】
ガイド部60は、図2(B)に示すように、可動腕50の側方位置であって開放位置側に第一ガイド部62が、可動腕50の側方位置であって第一ガイド部62よりも閉鎖位置側に第二ガイド部64が、それぞれ設けられており、第一ガイド部62及び第二ガイド部64は、溝部40に埋没した状態で可動腕50の移動に伴って移動する。また、第一ガイド部62と第二ガイド部64とは、溝部40に沿って配置された棒状部66によって連接されており、この棒状部66と可動腕50とは梁部材68によって懸架されている。可動腕50が移動する際には、可動腕50の側方位置に設けられた第一ガイド部62だけでなく、第一ガイド部62から所定の距離だけ離れた第二ガイド部64も溝部40に挿入されて可動腕50が支えられるため、第一ガイド部62のみで可動腕50を支える場合と比較して、可動腕50が移動する際に第一ガイド部62を軸として回転する可能性を未然に低減することができる。こうすることによって、可動腕50を閉鎖位置に位置決めした際、それぞれの可動腕50の対向する面の向きが異なり、それぞれの面同士が当接できない可能性を未然に低減することができる。また、棒状部66の第二ガイド部64側と可動腕50とは梁部材68によって懸架されているため、棒状部66の外側(図1中の左側方側又は右側方側)から力が加えられた場合であっても、第二ガイド部64が可動腕50に近づく可能性を低減し、第二ガイド部64が溝部40から脱落する可能性を未然に低減することができる。
【0025】
支持具70は、図3に示すように、略コの字形状の断面を有する部材であり、一端側が軸52によって可動腕50に回動可能な状態で軸支されている。このため、支持具70は、可動腕50と当接する固定位置と可動腕50から離脱した離脱位置とに位置決めすることができる。また、支持具70の他端側には先端がかぎ爪形状の係合爪74が設けられており、一端側と他端側との間には先端部が曲面で形成された略円錐形状の突起である係止突起72が二つ設けられている。係止突起72及び係合爪74は支持具70が回動するに伴って移動し、支持具70が固定位置に位置決めされた際には、係止突起72が挿入穴54に挿入され、係合爪74が係合穴56と係合する。こうすることにより、支持具70が離脱位置に位置決めされた際にはゴミ袋10が着脱可能な状態となり、支持具70が固定位置に位置決めされた際にはゴミ袋10が挟持された状態となり、支持具70を回動させるという簡単な操作で、ゴミ袋10を挟持することができる。この係止突起72の先端部は曲面で形成されているため、支持具70が固定位置に位置決めされて係止突起72の先端部がゴミ袋10の表面を押圧する際に、先端部が尖っている場合と比較して、ゴミ袋10を破損する可能性をより低減することができる。特に、係止突起72の一部がゴミ袋10を貫通することによりゴミ袋10が破損した場合には、使用後にゴミ袋10を取り外す手間がかかることになるため、ゴミ袋10が破損する可能性を未然に低減することにより、係止突起72からゴミ袋10を外す労力も未然に低減することを可能としている。
【0026】
袋受網80は、底面が編み目状の部材であり、ゴミ袋保持具20の上面よりも小さな相似形をしている。この袋受網80には、四隅に設けられたゴム製の環状部材82が設けられており、それぞれの環状部材82がフック36に取り付けられることにより、ゴミ袋保持具20の下方側に取り付けられる。ゴミ袋保持具20にゴミ袋10が保持された際には、ゴミ袋10を下方から支持することができるため(図1参照)、ゴミ袋10に多量の物を投入した場合や、重い物を投入した場合であっても、袋受網80を有しない場合と比較して、ゴミ袋10が破損する可能性を未然に低減することができる。また、袋受網80はゴム製の環状部材82によってフック36に取り付けられているため、ゴミ袋保持具20を移動させる際の振動がゴムの弾性力によって吸収され、ゴミ袋10の中に物をいれた状態であっても、容易に持ち運ぶことができる。
【0027】
次に、こうして構成された本実施の形態のゴミ袋保持具20の使用方法の一例について、図3〜図5を用いて更に詳しく説明する。ゴミ袋保持具20を使用する際には、図1に示すように、ゴミ袋保持具20にゴミ袋10を保持してから使用するため、まずはゴミ袋保持具20にゴミ袋10を保持する方法について図4を用いて詳しく説明する。なお、図4は可動腕50にゴミ袋10を挟持する方法を説明するための説明図であり、図4(A)は、ゴミ袋10を挟持する前の状態を、図4(B)は、ゴミ袋10を挟持した後の状態を、それぞれ示している。
【0028】
ゴミ袋保持具20を使用する際には、可動腕50を第一開放位置係止凹部44a又は第二開放位置係止凹部44bのいずれかに位置決めした状態でゴミ袋10を支持具70で挟持して使用する。ここでは、図1に示すように、第一開放位置係止凹部44aに可動腕50が位置決めされている状態でそれぞれの可動腕50の両端側に設けられた支持具70を用いてゴミ袋10を挟持する場合を例に説明し、第二開放位置係止凹部44bに位置決めされている場合については、第一開放位置係止凹部44aに位置決めされている場合と同様であるため、説明を省略する。
【0029】
まず、支持具70を可動腕50から遠ざかる方向に回動して、ゴミ袋10を挟持可能な状態とする(図3参照)。次に、図4(A)に示すように、可動腕50と支持具70との間にゴミ袋10の端部が少なくとも挿入穴54を覆う位置にゴミ袋10を位置決めし、支持具70を可動腕50の方向に軸52を回動軸として回動する。こうすることにより、支持具70の表面に設けられた係止突起72がゴミ袋10の表面を押圧しながら挿入穴54に挿入され、支持具70が固定位置に位置決めされる際には、挿入穴54に挿入された係止突起72と挿入穴54の壁面との間にゴミ袋10の一部が挿入されることになる(図4(B)参照)。このとき、可動腕50の両端側に設けられた支持具70は、それぞれ軸52により可動腕50の端部側から中央側に回動するように支持具70が取り付けられているため、可動腕50にゴミ袋10を挟持する際には、軸52側が常にゴミ袋10の外側方向に位置することになり、支持具70を回動してゴミ袋10を挟持する際に、軸52の回転によりゴミ袋10の一部が巻き込まれ、ゴミ袋10が破損する可能性を未然に低減することができる。また、支持具70には係止突起72が設けられているため、係止突起72を有していない場合と比較して、ゴミ袋10がゴミ袋保持具20から脱落する可能性を未然に低減することができる。更に、ゴミ袋10の表面を押圧する係止突起72の先端部は曲面に形成されているため、先端部が尖っている場合と比較して、ゴミ袋10を押圧する際にゴミ袋10が破損する可能性を未然に低減することができる。特に、係止突起72の一部がゴミ袋10を貫通することによりゴミ袋10が破損した場合には、使用後にゴミ袋10を取り外す手間がかかることになるため、ゴミ袋10が破損する可能性を未然に低減することにより、係止突起72からゴミ袋10を外す労力も未然に低減することを可能としている。
【0030】
また、支持具70の回動にともなって、係合爪74が係合穴56に挿入されることになるため、係合爪74と係合穴56とが係合しない場合と比較して、可動腕50から支持具70が離脱する可能性をより低減することができる。言い換えると、可動腕50から支持具70が離脱することにより、ゴミ袋10が脱落する可能性を未然に低減することができる。このように、支持具70を回動するという簡単な操作で、ゴミ袋保持具20にゴミ袋10を保持することができる。こうすることにより、ゴミ袋10を可動腕50に保持した状態では、可動腕50が第一開放位置係止凹部44aに位置決めされ、ゴミ袋10の開口が開いた状態で保持されるため、ゴミ袋10の中に物を投入する度にゴミ袋10の開口を開く手間を軽減し、ゴミ袋10の中に物を投入する際の労力を低減することができる。
【0031】
このとき、図1に示すように、ゴミ袋10の底部は袋受網80によって下方から支持されることになるため、ゴミ袋10に多量の物を投入した場合や、重い物を投入した場合であっても、袋受網80を有しない場合と比較して、ゴミ袋10が支持具70によって挟持されている部分に大きな力がかかり、ゴミ袋10が破損する可能性を未然に低減することができる。また、袋受網80はゴム製の環状部材82によってフック36に取り付けられているため、ゴミ袋保持具20を移動させる際の振動がゴムの弾性力によって吸収され、ゴミ袋10の中に物をいれた状態であっても、容易に持ち運ぶことができる。
【0032】
ゴミ袋10の開口を更に開きたい場合には、可動腕50を溝部40に沿って、互いに遠ざかる方向に移動させ、第二開放位置係止凹部44bに位置決めすればよい。こうすれば、可動腕50を互いに遠ざかる方向に移動するという簡単な動作で、ゴミ袋10の開口を大きく開くことができ、ゴミ袋10の中に大きな物を投入する場合にも、容易に投入することができる。このとき、可動腕50と棒状部66の第二ガイド部64側とは梁部材68によって懸架されているため、可動腕50を互いに遠ざかる方向に移動させるために可動腕50を押圧した押圧力が梁部材68によってガイド部60に伝達され、棒状部66の第二ガイド部64側を外側方向に押圧することになる。こうすることにより、第二ガイド部64が溝部40の底方向に押圧されることになるため、ガイド部60が溝部40から脱落する可能性を未然に低減することができる。言い換えると、梁部材68を有しない場合と比較して、可動腕50を溝部40に沿って移動させやすい。また、溝部40は、本体枠体32の内壁面から脚部34の内壁面に設けられているため、可動腕50を本体枠体32の端部付近まで移動させた際にも、第二ガイド部64が溝部40に沿って移動することができる。このため、溝部40が脚部34の内壁面に設けられていない場合と比較して、可動腕50の捩れや回転を防止しつつ、大きくゴミ袋10の開口部を開くことができる。
【0033】
一方、ゴミ袋10の開口を閉じたい場合には、可動腕50を溝部40に沿って、閉鎖位置係止凹部42の位置まで互いに近づく方向に移動させればよい。こうすれば、第一ガイド部62が閉鎖位置係止凹部42に挿入され、可動腕50が閉鎖位置に位置決めされ、図5に示すように、可動腕50同士が隣接し、ゴミ袋10の開口を閉じることができる。
【0034】
なお、ゴミ袋10を取り外した後にゴミ袋保持具20を保管する際には、図6に示すように、可動腕50を更に遠ざかる方向に移動させてもよい。このとき、第一ガイド部62及び第二ガイド部64が脚部34の内壁面に設けられた溝部40に沿って第二ガイド部64が溝部40の端部まで移動し、溝部40の端部と第二ガイド部64とが当接する。このとき、溝部40は脚部34の内壁面に沿って略鉛直方向に形成されているため、第一ガイド部62及び第二ガイド部64が略鉛直方向に位置決めされ、可動腕50が大きく開いた状態で位置決めされる。
【0035】
以上詳述した本実施の形態のゴミ袋保持具20によれば、一対の可動腕50のそれぞれが、支持具70によってゴミ袋10の一部が挟持された状態で開放位置から閉鎖位置まで溝部40に沿って移動することにより、可動腕50を移動するという容易な操作でゴミ袋10の開口を開閉することができる。
【0036】
また、ガイド部60は第一ガイド部62及び第二ガイド部64が棒状部66によって連接されているため、第一ガイド部62から所定の距離だけ離れた第二ガイド部64によって可動腕50が支えられることにより、第一ガイド部62のみで可動腕50を支える場合と比較して、可動腕50が移動する際に可動腕50が捻れたり、第一ガイド部62を軸として回転したりする可能性を未然に低減することができる。こうすることによって、可動腕50を閉鎖位置に位置決めした際、それぞれの可動腕50の対向する面の向きが異なり、それぞれの面同士が当接できない可能性を未然に低減することができる。
【0037】
更に、溝部40の下方には、本体枠体32の中心側から脚部34に向かって順に、閉鎖位置係止凹部42、第一開放位置係止凹部44a及び第二開放位置係止凹部44bが設けられているため、これらの凹部が設けられていない場合と比較して、より容易に閉鎖位置又は開放位置に可動腕50を位置決めすることができる。
【0038】
更にまた、溝部40の下方には、開放位置係止凹部44として、第一開放位置係止凹部44a及び第二開放位置係止凹部44bの二つの凹部が設けられているため、可動腕50に挟持されたゴミ袋10を大きく開いたり小さく開いたりすることができ、ゴミ袋10に投入する物の大きさに応じて、所望の広さでゴミ袋10を開くことができる。
【0039】
そして、可動腕50と棒状部66の第二ガイド部64側とは梁部材68によって懸架されているため、棒状部66の外側から力が加えられた場合であっても、第二ガイド部64が可動腕50に近づく可能性を低減し、第二ガイド部64が溝部40から脱落する可能性を未然に低減することができる。
【0040】
そして更に、支持具70は係止突起72を有し、この係止突起72が挿入穴54に挿入されることによりゴミ袋10の一部が挿入穴54の内部に挿入され、係止突起72によって保持されるため、係止突起72を有しない場合と比較して、よりゴミ袋10が脱落する可能性を未然に低減することができる。
【0041】
そしてまた、係止突起72の先端部は曲面からなるため、係止突起72の挿入穴54への挿入に伴ってゴミ袋10の表面が押圧される際、係止突起72の先端部が尖っている場合と比較して、ゴミ袋10を破損する可能性をより低減することができる。
【0042】
そして更にまた、支持具70は係合爪74を有し、支持具70が閉鎖位置に位置決めされた際には、係合爪74が係合穴56に係合するため、係合爪74を有しない場合と比較して、支持具70が固定位置から離脱し、ゴミ袋10が脱落する可能性をより低減することができる。
【0043】
加えて、支持具70は、係合爪74の他端側に設けられた軸52によって回動し、支持具70の表面の一部を覆う略コの字形状の部材であるため、支持具70によってゴミ袋10が保持された際、ゴミ袋10の表面が可動腕50の表面に沿って広範囲で保持されることになるため、ゴミ袋10が脱落する可能性をより低減することができる。
【0044】
更に加えて、袋受網80が設けられているため、ゴミ袋保持具20にゴミ袋10が保持された際には、ゴミ袋10を下方から支持することができ、ゴミ袋10に多量の物を投入した場合や、重い物を投入した場合であっても、袋受網80を有しない場合と比較して、ゴミ袋10が破損する可能性を未然に低減することができる。また、袋受網80はゴム製の環状部材82によってフック36に取り付けられているため、ゴミ袋保持具20を移動させる際の振動がゴムの弾性力によって吸収され、ゴミ袋10の中に物をいれた状態であっても、容易に持ち運ぶことができる。
【0045】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0046】
例えば、上述した実施の形態では、可動腕50の両端側に設けられた支持具70をそれぞれ用い、合計4つの支持具70でゴミ袋10を保持するものとしたが、可動腕50の中央に設けられた支持具70をそれぞれ用い、合計2つの支持具70を用いてゴミ袋10を保持してもよい。こうすれば、4つの支持具70を用いる場合と比較して、ゴミ袋10を保持する際の労力をより低減することができる。また、このような場合であって、ゴミ袋10に多量の物を投入した場合や、重い物を投入した場合には、ゴミ袋10全体がゴミ袋10に投入された物の自重によって細長く延びてしまい、ゴミ袋10の開口部が狭くなる可能性があるが、袋受網80によってゴミ袋10の底部が支持されているため、このような可能性を未然に防ぐことができる。なお、ゴミ袋10の保持する際に用いる支持具70の組み合わせはこれらに限定されるものではなく、3組全ての支持具70を用いてもよいし、いずれか1組の支持具70のみを用いてもよい。それぞれの支持具70を所望の組み合わせで使用することができる。
【0047】
上述した実施の形態では、脚部34にそれぞれ1つのフック36を設けるものとしたが、フック36は複数設けてもよい。こうすれば、フック36の位置に応じて袋受網80の位置(高さ)を調節することができるため、保持するゴミ袋10の大きさや種類に応じた位置に袋受網80を固定することができる。
【0048】
上述した実施の形態では、閉鎖位置係止凹部42として、第一開放位置係止凹部44a及び第二開放位置係止凹部44bが設けられているものとしたが、閉鎖位置係止凹部42は2カ所に限定されるものではなく、3カ所以上設けられていてもよい。こうすれば、可動腕50に挟持されたゴミ袋10の開口を開く位置をより多くの場所にすることができる。
【0049】
上述した実施の形態では、支持具70が固定位置に位置決めされた際、係合爪74を係合穴56に係合するものとしたが、係合爪74及び係合穴56は設けなくてもよい。このような場合であっても、軸52の表面の摩擦力等により支持具70の位置を位置決めすることにより、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
上述した実施の形態では、支持具70が固定位置に位置決めされた際、係止突起72を挿入穴54に挿入するものとしたが、係止突起72及び挿入穴54は設けなくてもよい。この場合も、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0051】
上述した実施の形態では、一方の可動腕50を第一開放位置係止凹部44aの位置に位置決めした際には、他方の可動腕50も第一開放位置係止凹部44aの位置に位置決めするものとしたが、他方の可動腕50を第一開放位置係止凹部44b等のいずれかの凹部に位置決めしてもよい。こうすれば、ゴミ袋保持具20に挟持されるゴミ袋10の大きさに合わせて、所望の広さで開口部を開くことができる。
【0052】
上述した実施の形態では、支持具70は軸52を回動軸として回動するものとしたが、可動腕50に着脱自在に取り付けられるものであってもよい。この場合も、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0053】
上述した実施の形態では、袋受網80は中央部が網目状であり、ゴミ袋保持具20の上面よりも小さな相似形であるものとしたが、ゴミ袋10を保持することができるものであれば、形状はこれに限定されるものではなく、適宜選択することができる。いずれの形状であっても、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、袋受網80は無くてもよい。
【0054】
上述した実施の形態では、環状部材82はゴム製であるものとしたが、弾性力を有するものであれば、ゴムに限定されるものでは無く、例えば、ばね等であってもよい。この場合も、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、樹脂製や金属製等、弾性力を有しない素材であってもよい。なお、環状部材82の長さを調節することにより、袋受網80の位置(高さ)を調節してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
上述した実施の形態で示すように、レジ袋等のゴミ袋を保持することにより、ゴミ箱として利用することができる。
【符号の説明】
【0056】
10…ゴミ袋、20…ゴミ袋保持具、32…本体枠体、34…脚部、36…フック、40…溝部、42…閉鎖位置係止凹部、44…係止凹部、44a…第一開放位置係止凹部、44b…第二開放位置係止凹部、50…可動腕、52…軸、54…挿入穴、56…係合穴、60…ガイド部、62…第一ガイド部、64…第二ガイド部、66…棒状部、68…梁部材、70…支持具、72…係止突起、74…係合爪、80…袋受網、82…環状部材。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の可動部材と、
前記可動部材の両端側に設けられたガイド部と、
前記一対の可動部材に袋の一部をそれぞれ挟持する挟持部材と、
脚部によって支持される枠体形状の本体部材と、
前記本体部材の内側表面に位置し、前記ガイド部の端部が移動可能な状態で挿入される溝部と、
を備え、
前記一対の可動部材は、互いに当接可能な位置であって前記袋の開口を閉鎖する閉鎖位置と互いに離間した状態で前記袋の開口を開放する開放位置との間を前記溝部に沿って移動する、
ゴミ袋保持具。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記閉鎖位置側に設けられた第一ガイド部と前記開放位置側に設けられた第二ガイド部とが棒状部材によって連接されており、
前記第一ガイド部及び前記第二ガイド部は、前記溝部に少なくとも一部が挿入された状態で、前記本体部材の内側表面及び前記脚部の内側表面に設けられた前記溝部に沿って移動する、
請求項1に記載のゴミ袋保持具。
【請求項3】
前記溝部は、前記一対の可動部材を前記閉鎖位置に位置決めする閉鎖位置係止凹部及び前記開放位置に位置決めする開放位置係止凹部を有する、
請求項1又は2に記載のゴミ袋保持具。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴミ袋保持具であって、
前記可動部材と前記ガイド部との間を懸架する梁部材と、
を備えた、
ゴミ袋保持具。
【請求項5】
前記開放位置係止凹部は、複数設けられている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴミ袋保持具。
【請求項6】
前記挟持部材は、前記可動部材側に向かって突出する突起部を有し、
前記一対の可動部材は、前記可動部材が前記袋を挟持する際、前記突起部の少なくとも一部が挿入される挿入穴を有する、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴミ袋保持具。
【請求項7】
前記突起部は、先端部が曲面からなる、
請求項6に記載のゴミ袋保持具。
【請求項8】
前記挟持部材は、前記可動部材側に向かって突出する係合爪を有し、
前記可動部材は、前記可動部材が前記袋を挟持する際、前記係合爪と係合する係合穴を有する、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴミ袋保持具。
【請求項9】
前記係合爪は、前記挟持部材の一端側に位置し、
前記挟持部材は、他端側を前記可動部材に軸支され、前記可動部材の表面の一部を覆う略コの字形状の部材であり、前記可動部材の方向に向かって回動し、前記係合爪が前記係合穴に挿入された状態で前記袋を挟持する、
請求項8に記載のゴミ袋保持具。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のゴミ袋保持具であって、
前記脚部に固定され、前記袋の底部を支持する袋支持部材と、
を備えた、
ゴミ袋保持具。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−86909(P2013−86909A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228015(P2011−228015)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(511250563)
【Fターム(参考)】