説明

ゴムコート材

【課題】全体形状の修正が容易で且つ廃棄処理費用が安価であり、更に、接触面への取付状態で、接触面との間への硬質材の侵入が確実に阻止され得るゴムコート材を提供する。
【解決手段】接触部材への取付状態下で、硬質材に接触せしめられる本体ゴム層12の裏面の全面に、該本体ゴム層12よりも硬さの大きな硬質ゴムからなる裏当てゴム層14を一体的に積層形成して、構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種装置において硬質材が接触せしめられる接触部材の接触面に取り付けられるゴムコート材(各種容器等の内面に装着されるゴムライニング材を含むゴム被覆材をいう。以下、同じ。)の新規な構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種装置において粉粒体等からなる硬質材が連続的乃至は衝撃的に接触(当接や摺接を含む。以下、同じ。)せしめられる接触部材の接触面には、かかる接触面の保護や振動、接触音の発生等を抑制乃至は解消せしめることを目的として、ゴムコート材が取り付けられる場合がある。
【0003】
例えば、各種の鉱山や採石場等に設置される石材の処理用プラントや、製鉄所に設置される製鉄用プラント等における石材や製鉄原料用のホッパやシュート、ミル、収容容器等、石材や製鉄原料等の粉粒体等からなる硬質材と接触せしめられる各種の接触部材の石材との接触面となる内面には、ゴムコート材が取り付けられており、それによって、それら接触部材の内面の硬質材との衝撃的な接触による摩耗や振動、衝撃音の発生等が可及的に抑制乃至は解消せしめられるようになっている。また、トラックの荷台表面等にも、ゴムコート材が、上記と同様な目的において、取り付けられている。
【0004】
そして、そのようなゴムコート材としては、全体がゴム単体からなるもの、或いはゴム単体からなる本体ゴム層を有し、かかる本体ゴム層の裏面における、上記せるホッパやシュート等の接触部材への取付部位に、金属製や硬質合成樹脂製の補強部材が埋設されてなるものが、従来から知られている(例えば、下記特許文献1及び2参照)。これら従来のゴムコート材のうち、前者は、その全体が、また後者は、補強部材の埋設部分を除く本体ゴム層部分が、十分な柔軟性を有し、カッター等にて容易に切断可能とされているため、ゴムコート材全体の形状を、接触部材の接触面の形状等に応じた形状に、労力負担の小さな現場作業にて容易に修正することが出来る。しかも、後者のゴムコート材にあっては、接触部材に対して、優れた取付強度をもって取付け可能となるといった利点をも得られるのである。
【0005】
ところが、その反面、かかる従来のゴムコート材においては、その全体が、又は補強部材の埋設部分を除く殆どの部分がゴム単体からなり、全体として、曲げ強度に乏しいため、接触部材への取付状態下での使用時に、前記せる石材等の硬質材のうちの比較的に粒径の小さなものが、本体ゴム層と接触部材の接触面との間に侵入し易いといった欠点が存していた。そして、それら本体ゴム層と接触部材の接触面との間に、かかる硬質材が多量に侵入すると、本体ゴム層が変形乃至は損傷したり、場合によってはゴムコート材全体が接触部材から脱落したりする恐れがあったのである。
【0006】
一方、全体において優れた曲げ強度を発揮するゴムコート材として、本体ゴム層の裏面の全面に、金属や硬質合成樹脂等からなる高剛性の裏当て板が固着されてなるものも、従来から知られている。このような構造を有するゴムコート材にあっては、全体がゴム単体からなるものや、本体ゴム層の裏面の一部に補強部材が埋設されてなるものに比して、接触部材への取付状態下での使用時における本体ゴム層と接触部材の接触面との間への硬質材の侵入が、有利に阻止され得るようになる。
【0007】
しかしながら、本体ゴム層の裏面に裏当て板が固着された従来のゴムコート材においては、それが取り付けられるべき接触部材の接触面の平面度が小さいと、かかる接触面と裏当て板との間に隙間が不可避的に形成されて、かかる隙間内への硬質材の侵入を阻止することが出来なかった。また、高剛性の裏当て板の存在により、カッター等による切断が困難なため、取付施工時における現場での形状修正を容易に行うことが出来ず、しかも、接触部材から取り外して廃棄する際に、ゴム製の本体ゴム層から、材質の異なる裏当て板を剥離する必要があり、それによって、廃棄処理コストが高騰するといった問題が、内在してしていたのである。
【0008】
【特許文献1】特開平8−337308号公報
【特許文献2】特開平9−10613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここにおいて、本発明は、上述せる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、硬質材が接触せしめられる接触部材の接触面に取り付けられるゴムコート材において、接触部材への取付施工現場で、全体形状の修正が、小さな労力負担で容易に行われ得ると共に、接触部材への取付状態下での使用時における接触部材の接触面との間への硬質材の侵入が、より確実に阻止され得、しかも、廃棄処理コストが可及的に抑制され得るように改良された構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体及び図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0011】
本発明の第一の態様は、硬質材が接触せしめられる接触部材に取り付けられて、該接触部材における該硬質材との接触面を覆うゴムコート材において、前記接触部材への取付状態下で、前記硬質材に接触せしめられる本体ゴム層を有すると共に、該本体ゴム層の裏面の全面に、該本体ゴム層よりも硬さの大きな硬質ゴムからなる裏当てゴム層を一体的に積層形成して、構成したことを、特徴とする。
【0012】
このような本態様にあっては、本体ゴム層よりも硬さの大きな裏当てゴム層の存在によって、全体の曲げ強度(剛性)が有利に且つ適正に高められている。それによって、所定の接触部材に対する取付強度が十分に確保され得るだけでなく、全体がゴム単体からなる従来品や、本体ゴム層の裏面における接触部材への取付部位に補強部材が埋設されてなる従来品に比して、接触部材への取付状態下での使用時における接触部材の接触面との間への硬質材の侵入が、有利に阻止され得る。
【0013】
しかも、本体ゴム層の裏面の全面に金属乃至は硬質合成樹脂製の裏当て板が固着された従来のゴムコート材とは異なって、ゴムコート材全体の、ある程度の曲げ弾性変形が許容されるため、接触部材の接触面の平面度が小さくとも、或いは接触面が湾曲面とされていても、そのような接触面に対して、それに追従するようにコート材を変形させて密接させることが出来、それによって、かかる接触面と裏当てゴム層との間に隙間を形成せしめることなく、コート材を接触面に取り付けることが出来る。それ故、接触部材の接触面の形状や平面度の大きさ等に拘わらず、接触部材への取付状態下での使用時における接触部材の接触面との間への硬質材の侵入が、本体ゴム層の裏面の全面に、金属乃至は硬質の合成樹脂製の裏当て板が固着された従来のゴムコート材よりも更に一層効果的に防止され得るのである。
【0014】
また、本態様では、全体がゴムの複層品(積層品)にて構成されているため、如何なる個所も、カッター等を用いて容易に切断可能となる。それにより、所定の接触部材に対する取付時において、本体ゴム層の全体形状を、接触部材の接触面に応じた形状に、現場作業にて、容易に修正することが出来る。更に、ゴムの複層品であることにより、十分な軽量化が図られ得て、優れた取扱性が発揮され得る。そして、それらの結果として、接触部材に対する取付施工時の労力負担の軽減が、効果的に実現され得ることとなる。
【0015】
さらに、本態様では、本体ゴム層の裏面に金属乃至は硬質合成樹脂製の裏当て板が固着された従来品とは異なって、例えば、接触部材の湾曲面からなる接触面に取り付けるに際して、取付施工前に、コート材を、かかる接触面の湾曲形状に対応した形状に予備成形する前加工を行う必要が皆無ならしめられ得る。それによって、接触部材に対する取付性の更なる向上が、有利に図られ得る。
【0016】
更にまた、かかる本態様にあっては、例えば、接触部材への取付けを行う取付ボルトを挿通するための挿通孔を穿設する際に、本体ゴム層の裏面に金属製や硬質合成樹脂製の裏当て板が固着された従来品に比して、かかる挿通孔の穿設作業が、十分に小さな労力にて、容易に行われ得ると共に、穿設作業に使用される工具の消耗が少なくて済むといった利点が得られる。
【0017】
そして、特に、かかる本態様にあっては、形成材料として、ゴム材料のみが使用されているため、使用限度を超えときに、接触部材から取り外した後、本体ゴム層から裏当てゴム層を剥離するような面倒でコストの掛かる作業を何等行うことなく、そのままの状態で廃棄することが出来、また、全体形状が大きい場合には、カッター等を用いて、単に、切断乃至は破砕するだけの容易で且つ安価な作業を行って細かくした状態で、廃棄処理することが出来る。それ故、廃棄の際に、本体ゴム層から、材質の異なる裏当て板を剥離しなければならない従来品に比して、廃棄処理コストが極めて有利に低減せしめられ得る。
【0018】
しかも、使用済みのゴムコート材やゴムコート材の製造時に不可避的に生ずる端尺品を、より細かく破砕乃至は切り刻んで、チップ化した場合には、例えば、弾性マット材の原材料等として再利用することで、廃棄物をゼロと為すことも可能となる。
【0019】
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係るゴムコート材において、前記本体ゴム層と前記裏当てゴム層とが加硫接着されることにより、該裏当てゴム層が、該本体ゴム層に対して一体的に積層形成されていることを、特徴とする。このような本態様によれば、本体ゴム層と裏当てゴム層とが、容易に且つ低コストに一体化され得、それによって、ゴムコート材の製作性の向上と製作コストの低減とが、有利に図られ得る。
【0020】
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係るゴムコート材において、前記裏当てゴム層の硬さ(タイプA デュロメータ)が、90〜98の範囲内の値であることを、特徴とする。このような本態様に従えば、裏当てゴム層、ひいてはゴムコート材全体における適正な曲げ強度が、更に効果的に確保され得る。それによって、接触部材の接触面に対するゴムコート材の取付状態下で、かかる接触面と裏当てゴム層との間への硬質材の侵入が、より確実に防止され得ることとなる。
【0021】
本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の態様うちの何れか一つに係るゴムコート材において、前記本体ゴム層の硬さ(タイプA デュロメータ)が、30〜75の範囲内の値であることを、特徴とする。この本態様に従えば、本体ゴム層において、適度な柔軟性が有利に発揮され得る。それによって、接触部材の接触面に対するゴムコート材の取付状態下で、ゴムコート材を介しての接触面に対する硬質材の接触乃至は衝突時における接触面の保護や、振動、或いは接触音又は衝突音の発生等の抑制が、より効果的に実現され得る。
【0022】
本発明の第五の態様は、前記第一乃至第三の態様うちの何れか一つに係るゴムコート材において、前記本体ゴム層の硬さ(タイプA デュロメータ)が、30〜50の範囲内の値であることを、特徴とする。この本態様によれば、本体ゴム層が、より柔軟に構成されて、かかる本体ゴム層において、柔らかいゴム弾性が有利に発揮され得る。それ故、接触部材の接触面に対するゴムコート材の取付状態下で、ゴムコート材を介して接触面に接触せしめられる硬質材が、例えば、粒径が小さいものであったり、或いは水分を多く含むものであっても、ゴムコート材(本体ゴム層)への付着が可及的に防止され得ることとなる。
【0023】
本発明の第六の態様は、前記第一乃至は第三の態様のうちの何れか一つに係るゴムコート材において、前記本体ゴム層の硬さ(タイプA デュロメータ)が、60〜75の範囲内の値であることを、特徴とする。このような本態様に従えば、本体ゴム層が、必要な柔軟性を確保した上で、比較的に硬くされる。それによって、接触部材の接触面に対するゴムコート材の取付状態下で、ゴムコート材を介して接触面に接触せしめられる硬質材が、例えば、石材などのの比較的に大きな質量の石材であっても、ゴムコート材の耐衝撃性や耐久性が、効果的に確保され得ることとなる。
【0024】
本発明の第七の態様は、前記第一乃至は第六の態様のうちの何れか一つに係るゴムコート材において、前記本体ゴム層が、耐摩耗性ゴムを用いて形成されていることを、特徴とする。この本態様によれば、ゴムコート材が取り付けられる接触部材の接触面が、より長期に亘って安定的に保護され得る。
【0025】
本発明の第八の態様は、前記第一乃至は第七の態様のうちの何れか一つに係るゴムコート材において、前記本体ゴム層と前記裏当てゴム層とが互いに異なる色を有するように構成されていることを、特徴とする。このような本態様に従えば、接触部材に取り付けられた状態下での長期の使用による摩耗等により、本体ゴム層が部分的に消失したときに、そのことが、本体ゴム層とは異なる色を有する裏当てゴム層が露出せしめられることで、目視により、簡単に且つ速やかに確認することが出来る。そして、それによって、接触部材の接触面の保護や消音等の機能を十分に発揮しなくなったときのゴムコート材の取替時期が、より容易に且つ適正に判断することが可能となる。また、ゴムコート材の部分的な色の違いによって、摩耗が進んでいる所とそうでない所とを容易に見分けることも出来る。
【0026】
本発明の第九の態様は、前記第一乃至は第七の態様のうちの何れか一つに係るゴムコート材において、前記本体ゴム層の厚さが、前記裏当てゴム層の厚さよりも大きくされていることを、特徴とする。このような本態様に従えば、優れた耐衝撃性が効果的に確保され得る。
【0027】
本発明の第十の態様は、前記第一乃至は第九の態様のうちの何れか一つに係るゴムコート材において、前記本体ゴム層の複数個所のそれぞれに、該本体ゴム層を厚さ方向に貫通する第一の貫通孔が設けられると共に、前記裏当てゴム層のうち、該複数の第一の貫通孔に対応位置する部分のそれぞれに、該第一の貫通孔よりも小さな大きさをもって、該裏当てゴム層を厚さ方向に貫通する第二の貫通孔が、該対応する第一の貫通孔と同軸的に設けられていることを、特徴とする。このような本態様に従えば、同軸的に位置せしめられた第一の貫通孔と第二の貫通孔とが、例えばボルトやリベット等の棒状締結部材の挿通孔として有利に利用可能となる。しかも、裏当てゴム層における第二の貫通孔の本体ゴム層側の開口周辺部が、ボルトやリベットの頭部の係止部として利用可能となる。従って、同軸的に位置せしめられた第一の貫通孔と第二の貫通孔とに、ボルトやリベット等を挿通した状態下で、それらボルトやリベット等にて、ゴムコート材を、接触部材に対して容易に且つ確実に取り付けることが出来る。
【発明の効果】
【0028】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされたゴムコート材にあっては、接触部材への取付状態下において、接触部材の接触面との間への硬質材の侵入に起因した損傷や変形、或いは接触部材からの脱落等の発生が効果的に防止され得て、良好な使用状態が、より長期に亘って安定的に確保され得ることとなる。また、接触部材への取付施工現場で、全体形状の修正が、容易に行われ得て、接触部材に対する取付性の向上が、極めて効果的に図られ得る。しかも、それらに加えて、廃棄処理コストが、有利に低減され得るだけでなく、再利用により、廃棄物をゼロと為して、産業廃棄物の削減を有利に実現出来、以て、それが、環境保全に大きく寄与し得ることとなるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0030】
先ず、図1及び図2には、本発明に従うゴムコート材の一実施形態が、その平面形態と縦断面形態とにおいて、それぞれ示されている。それら図1及び図2から明らかなように、本実施形態のゴムコート材10は、比較的に厚肉の矩形平板状の本体ゴム層12と、それよりも薄肉ではあるものの、同一大きさの矩形平板状を呈する裏当てゴム層14とを、有している。そして、かかる本体ゴム層12の厚さ方向一方の面の全面に、裏当てゴム層14が一体的に積層されてなるゴムの複層品にて、構成されている。
【0031】
なお、かかるゴムコート材10は、図3及び図4に示される如く、例えば、鉱石や採石等の石材の処理用プラントや製鉄用プラント等に設置される、接触部材としての、従来より公知の構造を有するホッパ16の内面(別部材たる石材や製鉄原料等の粉粒体からなる硬質材と接触せしめられる接触面)に対して、複数のものにてそれを覆って取り付けられるようになっている。
【0032】
すなわち、このホッパ16は、平面台形の平板からなる4枚の鉄板18が、幅方向の両端縁部において、互いに突き合わされた状態で連結固定されることにより、全体として、上方と下方とに向かって開口し、且つ横断面積が下方に向かって次第に小さくなる略角テーパ筒形状を有して、構成されている。そして、その上部開口部が、大なる開口面積を有する一方、その下部開口部が、開口面積の小さな排出口22とされている。
【0033】
一方、図5に示されるように、ゴムコート材10においては、本体ゴム層12に、大径の円形状を有する第一の貫通孔24が、設けられている。更に、裏当てゴム層14にも、第一の貫通孔24よりも小径の円形状を有する第二の貫通孔26が、第一の貫通孔24と同軸的に位置するように設けられている。なお、これら第一の貫通孔24と第二の貫通孔26は、例えば、ゴムコート材10の4個の角部に位置する本体ゴム層12部分と裏当てゴム層14部分とに対して、それぞれに設けられる。
【0034】
そして、このようなゴムコート材10の複数枚が、ホッパ16の内面、つまり4枚の鉄板18のそれぞれの内側の面に対して、裏当てゴム層14を接触させ、且つ本体ゴム層12の表面(裏当てゴム層14との積層側とは反対側の面)をホッパ16内部に露呈せしめて、縦横に並んで配置されている。また、そのような配置状態下で、各ゴムコート材10の同軸的に位置する第一及び第二の貫通孔24,26内に、ボルト頭部が、裏当てゴム層14の本体ゴム層12側の面における第二の貫通孔26の開口周辺部に係止した状態で挿通された取付ボルト28と、それに螺合されるナット30とにて、各鉄板18に対して、容易に且つ確実に固定されている。更に、ここでは、第一の貫通孔24のホッパ16内側への開口部に、本体ゴム層12と同一材料からなるゴム栓32が嵌合されて、かかる開口部が、閉塞せしめられている。
【0035】
かくして、複数枚のゴムコート材10が、ホッパ16の内面の全面を覆うように取り付けられて、ホッパ16の内部に、石材や製鉄原料等の粉粒体からなる硬質材の所定量が、投入口20を通じて投入されたときに、それらの硬質材が、ゴムコート材10を介して、ホッパ16の内面に接触せしめられるようになっている。これによって、ホッパ16内面の硬質材との接触による摩耗が防止され得ると共に、ホッパ16内面の硬質材との衝撃的な接触時に生ずる振動や接触音(衝突音)の発生が、可及的に低減され得るようになっている。
【0036】
ところで、本実施形態のゴムコート材10においては、ホッパ16内面への取付状態下で、ホッパ16の内部に露呈せしめられて、硬質材と直接に接触する本体ゴム層12が、例えば、イソプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムや天然ゴム等の汎用的なゴムを用いて形成される。そして、それらのゴムの中でも、ウレタンゴムやスチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム等の優れた耐摩耗性を有するゴム、所謂、耐摩耗性ゴムが、好適に用いられる。これによって、ゴムコート材10のホッパ16内面への取付状態下での硬質材との接触による摩耗が、より長期に亘って有利に防止され得て、ホッパ16内面が、更に効果的に保護され得ることとなる。
【0037】
また、この本体ゴム層12においては、その硬さ(タイプA デュロメータ、以下、同じ)が、特に限定されるものではないものの、好ましくは30〜75程度とされる。何故なら、上記せる如く、ゴムコート材10は、ホッパ16内面の保護の他に、硬質材とホッパ16内面との衝撃的な接触時に生ずる接触音(衝突音)や振動を低減乃至は緩和させるクッションの機能を発揮させることを目的として、ホッパ16内面に取り付けられるのであるが、この本体ゴム層12の硬さが75を上回る値とされていると、硬過ぎるために、クッションとしての働きが低下して、ホッパ16内面に取り付けられた状態下での消音効果や制振効果等が十分に確保することが困難となるからである。また、本体ゴム層12の硬さが30が下回る値とされていると、余りにも柔らか過ぎるために、硬質材との接触により、本体ゴム層12が損傷を受け易くなって、ゴムコート材10全体の耐久性が乏しいものとなる恐れがあるからである。
【0038】
このように、ゴムコート材10にあっては、ホッパ16内面への取付状態下での十分な耐久性を確保し、且つ消音効果及び制振効果を有効に享受する上において、本体ゴム層10の硬さが上記の如き範囲内の値とされていることが望ましいのであるが、このゴムコート材10の本体ゴム層12の硬さは、それに接触せしめられる硬質材によっても、更に好適な範囲が決定される。
【0039】
すなわち、硬質材が石材等の比較的に質量の大きなものである場合には、本体ゴム層12の硬さが、上記の好適範囲の中でも、特に60〜75程度の範囲内の値とされていることが望ましい。何故なら、本体ゴム層12の硬さが60を下回る値とされたゴムコート材10にあっては、石材等の比較的に質量の大きな硬質材との接触によって、本体ゴム層12が損傷を受ける懸念が大きく、それ故に、使用耐久性において、信頼性の低いものとなるといった危惧が生ずるからである。換言すれば、ゴムコート材10の本体ゴム層12の硬さが60〜75の範囲内の値とされて、かかる本体ゴム層12が硬めに構成されることによって、比較的に大きな質量を有する石材等の硬質材との接触によるゴムコート材10の耐衝撃性や耐久性が、十分に確保され得ることとなる。
【0040】
また、硬質材が、粒径の小さな粒体や粉体で構成されたものや、そのような微小な粒体や粉体が混入せしめられてなるものである場合及び/又は水分含量が比較的に大きいものである場合等には、本体ゴム層12の硬さが、前記せる好適範囲の中でも、特に30〜50程度の範囲内の値とされていることが望ましい。何故なら、このような範囲内の硬さを有する本体ゴム層12は、十分に柔らかいゴム弾性を具備せしめられるようになり、それによって、かかる本体ゴム層12を有するゴムコート材12において、微小な粉粒体を含む硬質材や高水分の硬質材の付着が、有利に防止され得るようになるからである。
【0041】
さらに、本体ゴム層12の厚さも、特に限定されるものではなく、コスト性等を考慮した上で、例えば、ホッパ16内面への取付状態下で直接に接触せしめられる硬質材の種類や本体ゴム層12の硬さ等に応じて、適宜に決定される。具体的には、例えば、本体ゴム層12の硬さが30〜75の範囲内の値とされている場合には、本体ゴム層12の厚さが、好ましくは、15〜130mmの範囲内の値とされる。何故なら、そのような範囲内の硬さを有する本体ゴム層12の厚さが、15mm(下限値)を下回る値とされている場合には、余りに薄過ぎるために、本体ゴム層12の硬さを30〜75の範囲内の値に設定することによって得られるメリット、つまり、ホッパ16内面への取付状態下での耐久性と消音及び制振性能とが不十分なものとなる恐れがあるからである。一方、本体ゴム層12の厚さが、130mm(上限値)を上回る値とされている場合には、無駄に厚肉状態となり、本体ゴム層12,ひいてはゴムコート材10の製作に際して、余分なコストが掛かることとなるからである。
【0042】
一方、本実施形態のゴムコート材10において、本体ゴム層12の裏面の全面に積層形成されて、ゴムコート材10のホッパ16内面への取付状態下で、ホッパ16内面に接触せしめられる裏当てゴム層14も、先に例示された本体ゴム層12の形成材料と同様な汎用ゴムを用いて形成されるが、ここでは、特に、かかる裏当てゴム層14の形成材料として、本体ゴム層12よりも硬さの大きな硬質ゴムが、用いられている。
【0043】
これによって、裏当てゴム層14、ひいてはゴムコート材10全体の曲げ強度(剛性)が適正に高められる。そして、その結果、ホッパ16の内面への取付強度が十分に確保され得るようになっていると共に、裏当てゴム層14とホッパ16内面との間に、微小な粉粒体からなる硬質材の侵入が、効果的に防止され得るようになっている。
【0044】
また、本実施形態のゴムコート材10にあっては、裏当てゴム層14が硬質ゴムを用いて形成されているものの、全体としては、かかる裏当てゴム層14が、それよりも硬さの小さな本体ゴム層12に対して一体的に積層されたゴムの複層品にて構成されている。そのため、ゴムコート材10全体としての曲げ弾性変形が、ある程度許容されるようになっており、更にはカッター等を用いて容易に切断乃至は破砕されるようにもなっている。
【0045】
なお、裏当てゴム層14の硬さは、本体ゴム層12の硬さよりも大きな値とされておれば、その具体的な値が何等限定されるものではないものの、90〜98の範囲内の値とされていることが望ましい。何故なら、裏当てゴム層14の硬さが90を下回る値とされていると、そのような裏当てゴム層14において必要とされる適正な曲げ強度を確保することが難しくなり、それによって、ゴムコート材10のホッパ16内面への取付状態下において、ホッパ16内面と裏当てゴム層14との間への硬質材の侵入を十分に阻止することが困難となる恐れがあるからである。また、裏当てゴム層14の硬さが98を越える値とされる場合には、裏当てゴム層14に対して過剰な剛性が付与されることとなり、それによって、ゴムコート材10を本体ゴム層12と裏当てゴム層14の複層品とすることで得られるメリット、つまり、ゴムコート材10全体として、ある程度の曲げ弾性変形が許容されるようになっていることや、カッター等を用いて容易に切断乃至は破砕されるといった利点、更にはそのような利点が活かされることで、例えば、本体ゴム層12の裏面の全面に、金属製や硬質合成樹脂製の裏当て板を固着してなる従来品では到底奏され得ない効果等を十分に享受することが難しくなってしまうといった懸念が、生ずるからである。
【0046】
さらに、裏当てゴム層14の厚さは、経済性を考慮した上で、ゴムコート材10全体において必要とされる適正な曲げ強度を確保し得るように、裏当てゴム層14の硬さ等に応じて適宜に決定されるところであるが、好ましくは3〜25mm程度とされる。何故なら、裏当てゴム層14が、25mmを越える厚さとされていると、ゴムコート材10全体において許容されるべき曲げ弾性変形量を確保することが困難となるからであり、また、3mm未満の厚さである場合には、ゴムコート材10全体において必要とされる適正な曲げ強度が十分に得られなくなる恐れがあるからである。
【0047】
なお、ここでは、裏当てゴム層14の厚さが、本体ゴム層12よりも薄くされている。これによって、具体的な厚さ寸法に拘わらず、ゴムコート材10全体において許容されるべき曲げ弾性変形量が有利に確保され得るようになっている。また、換言すれば、本体ゴム層12の厚さが、裏当てゴム層14よりも厚くされており、それによって、優れた耐衝撃性が効果的に確保され得るようになっているのである。
【0048】
そして、本実施形態のゴムコート材10においては、上述の如き構造とされた本体ゴム層12と裏当てゴム層14とが互いに重ね合わされて、それぞれの重合面の全面において加硫接着されることで、裏当て部材14が、本体ゴム層12の一方の面の全面に対して一体的に積層されてなる構造とされている。これによって、本体ゴム層12と裏当てゴム層14は接着剤を使用せずとも加硫接着が可能であるため、容易に且つ低コストに一体化されて、ゴムコート材10の製作性の向上と製作コストの低減とが有利に図られている。
【0049】
また、ここでは、本体ゴム層12が、例えば黒色とされる一方、裏当てゴム層14が、黒色とは鮮明に異なる色、例えば白色や黄色等に着色されている。これにより、ゴムコート材10のホッパ16内面への取付状態でのホッパ16の使用に伴って、ゴムコート材10の摩耗が進行し、本体ゴム層12が部分的に消失して、色の異なる裏当てゴム層14の一部が露出せしめられたときに、ゴムコート材10表面を目視することで、それを簡単に且つ速やかに確認することが出来る。そして、その結果、ゴムコート材10においての部分的な色の違いに基づいて、摩耗が進んでいる所とそうでない所とを容易に見分けることも出来、また、ゴムコート材10の取替時期を、より容易に且つ適正なタイミングで判断することが出来るようになっている。勿論、本体ゴム層12と裏当てゴム層14のそれぞれの色は、何等これに限定されるものではない。
【0050】
なお、このような互いに色の異なる本体ゴム層12と裏当てゴム層14とが加硫接着されてなるゴムコート材10は、例えば、互いに地色の異なる2種類の未加硫のゴム材料や、適当な顔料の混入により互いに異なる色とされた2種類の未加硫のゴム材料等を用いて、それらをそれぞれ別個に押出成形することにより、それぞれ所定の厚さを有する平板状に成形した後、それら2種類の平板状の中間成形体同士を互いに重ね合わせた状態で、従来と同様な加硫操作を実施すること等によって、容易に製造され得る。このとき、裏当てゴム層14を形成するゴム材料には、裏当てゴム層14の硬さを本体ゴム層12の硬さよりも大きく為し得るゴム材料を選択する必要がある。
【0051】
このように、本実施形態のゴムコート材10にあっては、本体ゴム層12の裏面の全面に、本体ゴム層12よりも硬さの大きな裏当てゴム層14が加硫接着されていることで、ゴムコート材10全体の曲げ強度が適正に高められ、以て、ホッパ16内面への取付状態下において、裏当てゴム層14とホッパ16内面との間への硬質材の侵入が防止され得るようになっている。それにより、ホッパ16内面に取り付けられたゴムコート材10が、裏当てゴム層14とホッパ16内面との間への硬質材の侵入に起因して、無用に損傷したり、変形したり、或いはホッパ16内面から脱落したりするようなことが、効果的に防止され得る。そして、その結果として、良好な取付状態及び使用状態が長期的に且つ安定的に維持され得て、ゴムコート材10によるホッパ16内面の保護や、硬質材のホッパ16内への投入時における振動の発生や硬質材とホッパ16との接触音の発生等が、より長期に亘って有効に防止され得ることとなる。
【0052】
また、かかるゴムコート材10では、本体ゴム層12と裏当てゴム層14とが一体的に積層されてなるゴムの複層品にて構成されていることで、ゴムコート材10全体としての曲げ弾性変形が、ある程度許容されるようになっている。それ故、ホッパ16内面に起伏等の凹凸が存在する場合にあっても、そのような凹凸に追従するように、ゴムコート材10全体を弾性変形させつつ、ホッパ16内面に配置すれば、ゴムコート材10が、かかるホッパ16内面との間に硬質材の侵入を許容するような隙間が形成されることのない密接状態で、ホッパ16内面に取り付けられ得る。その結果、ゴムコート材10(裏当てゴム層14)とホッパ16内面のとの間への硬質材の侵入が更に効果的に防止され得て、上記の如き効果が、より確実に且つ有効に奏され得るのである。
【0053】
さらに、本実施形態のゴムコート材10にあっては、本体ゴム層12と裏当てゴム層14とからなるゴムの複層品にて構成されているところから、ホッパ16から取り外した後、敢えて、本体ゴム層12と裏当て層14とを分離することなく、そのままの状態で廃棄処分することが出来る。また、カッター等を用いて容易に切断乃至は破砕され得るため、全体の大きさが大きいときには、取扱いが容易となるように、細かく切断乃至は破砕した上で廃棄することも出来る。これによって、廃棄処理コストが可及的に低く抑えられ得ることとなる。
【0054】
しかも、かかるゴムコート材10にあっては、使用後に、或いは製造時に生ずる端尺品を、より細かく切断乃至は破砕して、チップ化することで、例えば、弾性マットの原料として再利用が可能となり、廃棄物をゼロと為し得る。そして、それによって、産業廃棄物の削減が、極めて有利に実現可能となるのである。
【0055】
また、本実施形態のゴムコート材10は、ゴムの複層品にて構成されていることで、軽量化が有利に達成され得て、優れた取扱性が確保され得る。その上、ホッパ16に対する取付施工現場でのカッター等を用いた簡単な切断作業を行うだけで、全体形状を、取り付けられるべきホッパ16内面の形状に対応した形状となるように、極めて容易に修正出来る。従って、ホッパ16に対する優れた取付性が、効果的に実現され得ることとなる。
【0056】
加えて、かかるゴムコート材16にあっては、ゴムの複層品にて構成されているため、ホッパ16内面が湾曲面とされていても、或いは取付孔等を穿設する場合にも、特別な前加工を何等行うことなく、取付施工現場にて、かかるホッパ16内面に対応した湾曲形状に容易に変形させたり、小さな労力にて、しかも工具の消耗を十分に小さく抑えつつ、容易に穿設作業を行うことが出来る。そして、これによっても、ホッパ16に対する取付性の更なる向上が、有利に図られ得るのである。
【0057】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約を受けるものではない。
【0058】
例えば、本体ゴム層12や裏当てゴム層14をそれぞれ構成するゴムは、先に例示されたものに、何等限定されるものではなく、要求される耐環境性や、耐摩耗性、耐衝撃性、減衰特性等を考慮して、天然ゴムや各種の合成ゴムからなるゴム弾性体の中から適宜に選択され、そして、硬さが互いに異なるものが組み合わされて、使用されるのである。
【0059】
また、ゴムコート材10の形状も、例示された矩形平板形状に、特に限定されるものではなく、例えば、取り付けられるべき接触部材や接触せしめられる硬質材等に応じて、矩形以外のシート状やブロック状、或いはロッド状等の任意の形状が採用され得る。更に、ゴムコート材10の大きさも、何等限定されるものでないことは、言うまでもないところである。
【0060】
さらに、前記実施形態では、本体ゴム層12と裏当てゴム層14とが互いに加硫接着されることにより、裏当てゴム層14が、本体ゴム層12に対して一体的に積層されていたが、それら本体ゴム層12と裏当てゴム層14とを、例えば接着剤を用いて接着すること等によって、一体化するようにしても、何等差し支えない。
【0061】
加えて、前記実施形態では、本発明を、鉱石や採石等の石材の処理用プラントや製鉄用プラント等に設置される、石材や製鉄原料等の硬質材と接触せしめられるホッパの内面に取り付けられるゴムコート材に対して適用した例が示されていたが、本発明は、石材の処理用プラントや製鉄用プラントのホッパ以外の各種装置における硬質材との接触面や、それらのプラント設置される装置とは異なる装置、例えばトラックの荷台表面に取り付けられるゴムコート材等、各種の硬質材と接触せしめられる様々な接触部材の接触面に取り付けられるゴムコート材の何れに対しても適用可能であることは、勿論である。
【0062】
また、本発明に係るゴムコート材のボルト締結構造も、前述の図5(a)に記載の六角ボルトによる固定後にゴム栓を装着する構造の他、図5(b)に示されているように、ゴムブロック32をボルト頭部に予め加硫接着せしめたゴム頭付ボルト40や、図5(c)に示されているように、ゴムブロック32に対して予めアルミニウム合金等で形成されたレール材42を加硫接着しておいて、固定ボルト44の頭部を該レール材42に入れ込んで係止させて固定する構造なども、適宜に採用可能である。
【0063】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に従うゴムコート材の一実施形態を示す平面説明図である。
【図2】図1のII−II断面における部分拡大説明図である。
【図3】図1に示されたゴムコート材が取り付けられたホッパの平面説明図である。
【図4】図3におけるのIV−IV断面説明図である。
【図5】図1に示されたゴムコート材を取り付けるためのボルト締結構造を(a)〜(c)において各例示的に示す部分拡大説明図である。
【符号の説明】
【0065】
10 ゴムコート材 12 本体ゴム層
14 裏当てゴム層 16 ホッパ
18 鉄板 20 投入口
22 排出口 24 第一の貫通孔
26 第二の貫通孔 28 取付ボルト
30 ナット 32 ゴム栓


【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質材が接触せしめられる接触部材に取り付けられて、該接触部材における該硬質材との接触面を覆うゴムコート材にして、
前記接触部材への取付状態下で、前記硬質材に接触せしめられる本体ゴム層を有すると共に、該本体ゴム層の裏面の全面に、該本体ゴム層よりも硬さの大きな硬質ゴムからなる裏当てゴム層を一体的に積層形成して、構成したことを特徴とするゴムコート材。
【請求項2】
前記本体ゴム層と前記裏当てゴム層とが加硫接着されることにより、該裏当てゴム層が、該本体ゴム層に対して一体的に積層形成されている請求項1に記載のゴムコート材。
【請求項3】
前記裏当てゴム層の硬さ(タイプA デュロメータ)が、90〜98の範囲内の値である請求項1又は請求項2に記載のゴムコート材。
【請求項4】
前記本体ゴム層の硬さ(タイプA デュロメータ)が、30〜75の範囲内の値である請求項1乃至は請求項3のうちの何れか1項に記載のゴムコート材。
【請求項5】
前記本体ゴム層の硬さ(タイプA デュロメータ)が、30〜50の範囲内の値である請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載のゴムコート材。
【請求項6】
前記本体ゴム層の硬さ(タイプA デュロメータ)が、60〜75の範囲内の値である請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載のゴムコート材。
【請求項7】
前記本体ゴム層が、耐摩耗性ゴムを用いて形成されている請求項1乃至請求項6のうちの何れか1項に記載のゴムコート材。
【請求項8】
前記本体ゴム層と前記裏当てゴム層とが互いに異なる色を有するように構成されている請求項1乃至請求項7のうちの何れか1項に記載のゴムコート材。
【請求項9】
前記本体ゴム層の厚さが、前記裏当てゴム層の厚さよりも大きくされている請求項1乃至請求項8のうちの何れか1項に記載のゴムコート材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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