説明

ゴム材料混練りラインおよびゴム材料混練り方法

【課題】非熟練の作業者であっても、作業ミスや、混練り条件の設定ミス、混練りゴムの取り違え等に起因するゴム材料の不良の発生しないゴム材料混練りラインを提供する。
【解決手段】加硫系以外の薬品を計量する計量工程2と、加硫系以外の薬品の混練りを行う混練り工程3と、加硫系薬品の計量を行う計量工程5と、加硫系薬品の混練りを行う混練り工程7と、を少なくとも含み、前記混練り工程3に引き続き、前記混練り工程7を連続して行うゴム材料混練りラインに係るものである。当該ラインは、前記混練り工程7を開始する前に、前記混練り工程3で混練りされたゴム材料の、少なくともバッチ番号を含む情報と、前記計量工程5にて計量された薬品の該情報を照合し、一致することを確認してから前記混練り工程7を開始することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム材料の混練り工場等におけるゴム材料混練りラインに関し、特に、ゴムに関する知識に疎い非熟練の作業員でも配合条件や練り条件を間違うことなく確実に材料ゴムを製造できる方法およびゴム材料混練りラインに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴム材料の混練りラインには、一般的に加硫系以外の薬品を計量する計量工程と、加硫系以外の薬品の混練りを行う混練り工程と、加硫系薬品の計量を行う計量工程と、加硫系薬品の混練りを行う混練り工程とが含まれている。さらには、混練り後のゴム材料予備成形工程、ゴム材料冷却工程、ゴム材料梱包工程なども含まれている。
【0003】
ゴム材料を構成する原材料には、ポリマー、カーボンブラック、プロセスオイル、加工助剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、充填剤など、様々なものがある。ゴム材料混練りラインにおいては、通常、少なくとも数十種類の原材料が準備されている。ゴム材料混練りラインでは、まず、用途別、機能別に設計された配合条件および練り条件に従って、原材料が計量工程にて計量され、次工程の混練り工程において混練りされゴム材料となる。そして、得られたゴム材料は、予備成形工程、ゴム材料冷却工程、および、ゴム材料梱包工程などを経て検査、出荷、もしくは成型加工工程に送られる。
【0004】
このとき、各原材料は上記配合条件に則り、正確に計量されることは必須であり、それぞれの薬品の組み合わせ、およびその配合用に専用に設計された上記練り条件との組み合わせも間違うことなく、正確に選択され、実施されることが必要である。また、得られたゴム材料は、そのバッチ番号、および配合、練り条件等の情報が間違うことなく予備成形、冷却、梱包がなされ、次工程である検査、出荷、もしくは成型加工工程に送られることが必要である。
【0005】
従来のゴム材料混練りラインにおける計量工程では、作業者が多数の薬品箱から配合表を見ながら所定薬品をそれぞれ取出して計量し、1練り分毎に各薬品を組合せて番号を付け、必要な練り数分を一括して調合するという作業が行われていた。このとき一般に、所定の薬品が抜ける“薬品の抜け”、同じ薬品が2重に計量されて重複する“2重計量”、計量値が所定配合量と異なる“計量ミス”、および、所定薬品以外の薬品が使用される“誤使用”等のミスが発生する。しかし、上記のような作業状態では、これらのミスを効果的に防止するには不十分であり、薬品の配合ミスによる混練りゴムの不良が発生する虞があった。
【0006】
上記計量工程に続く混練り工程では、作業者が計量工程で計量された原材料薬品を、混練り条件が記されたプログラム表を見ながら、手動で条件を設定、操作して混練りするという作業が行われていた。このとき一般に、混練り装置の練り条件設定を間違える“設定ミス”、作業操作を間違える“操作ミス”、計量された薬品の投入を間違える“投入ミス”、および、計量された薬品の配合と練り条件の組み合わせの間違い等のミスが発生する。しかし、上記のような作業状態では、それらのミスを効果的に防止するには不十分であり、原材料薬品の混練りミスによる混練りゴムの不良が発生する虞があった。
【0007】
また、ゴム材料の混練りは、通常、加硫系以外の薬品の混練りと、加硫系薬品の混練りが別々に行われる。ところが、加硫系以外の薬品の混練りに引き続いて加硫系薬品の混練りを連続して行う場合、加硫系薬品の混練り後、得られたゴム材料自体には何の標識もついておらず、その識別は困難である。このため、特に非熟練の作業者が作業を行う場合、ゴム材料を誤認することで、ゴム材料と加硫系薬品の組み合わせの間違いによる混練りゴムの不良が発生する虞があった。
【0008】
上記混練り工程に続く予備成形工程、ゴム材料冷却工程、および、ゴム材料梱包工程では、混練りを行った作業者、もしくは他の作業者が、混練りによって得られた材料ゴムを目視で確認する。あるいは、当該材料ゴムを手書きの標識やカード、タグ、もしくは台帳などで確認し、手動で梱包工程まで行った後、次工程である、検査、出荷、もしくは成型加工工程などに送るという作業が行われていた。このとき一般に、実際のゴム材料のバッチ番号、および配合、練り条件等の情報が誤って検査、出荷、もしくは成型加工工程などに伝えられるミス等が発生する。しかし、上記のような作業状態では、これらのミスを効果的に防止するには不十分であり、混練りゴムの取り違え等に起因する不良が発生する虞があった。
【0009】
以上の問題を解決するために、各工程を自動化し、計量する薬品を間違えたり、混練りの条件を間違えたりする人為的ミスを軽減しようという試みが行われてきた。
【0010】
例えば、特許文献1には、薬品ストッカーの選択や移動などを自動化した薬品計量装置が提案されている。この提案では、計量ミス防止、作業の簡略化、計量精度の向上に格段の改良が見られ、作業者と装置との間で対話形式作業が進められることから作業にも熟練が必要でなく、薬品の計量工程における作業能率の向上が図られている。しかしながら、この方法の場合、計量薬品の量り溜めが可能であり、計量し終わった何練り分もの計量薬品のうちから所定の計量薬品を次工程の混練り工程に搬出することになる。そのため、量り溜めされた計量薬品のうちから誤った計量薬品が混練り工程に搬出される虞が解消されていない。
【0011】
この課題を解決するため、特許文献2では、計量済みの計量薬品が混練り工程に搬出されるまでの間、次の計量作業が開始されることを規制できるよう設計された自動計量装置が提案されている。しかしながら、この方法の場合、薬品の計量ミスおよび配合ミスの防止には有効であるが、次工程である混練り工程との連携が不十分である。したがって、計量された薬品の配合と、練り条件の組み合わせの間違い等が発生する虞が解消されていない。
【0012】
混練り工程においては、各混練り装置メーカーより、予め混練り条件をパターンとしてプログラムに入力し、作業者が混練りパターンの番号を選択することで、所望の混練り条件で混練りすることができる自動混練り装置が提案されている。しかしながら、この方法の場合、混練り装置の練り条件設定を間違える設定ミスや作業操作を間違える操作ミスの防止には有効であるが、前工程である計量工程との連携については提案されていない。したがって、計量された薬品の配合と、練り条件の組み合わせの間違い等が発生する虞が解消されていない。
【0013】
さらに、ゴム材料梱包工程においては、特許文献3に、混練りゴムの取り違えを防ぐ方法が提案されている。この提案では、入力されたゴム材料のロット番号、および配合、練り条件等の情報をバーコードとして出力する。それから、そのバーコード票を混練り工程で得られたゴム材料に自動で、もしくは手動で添付することにより、混練りゴムの取り違えを防いでいる。
【0014】
しかしながら、この方法では、混練り工程で得られた材料ゴムの素性(該材料ゴムの実際のロット番号、および配合、練り条件等の情報)を確認する手段についての考察が不十分である。そのため、バーコード票の張り間違い等に起因するゴム材料の誤認や誤出荷等が発生する虞は解消されていない。
【0015】
また、上記、計量、混練り工程における計量された薬品の配合と、練り条件の組み合わせの間違いや、ゴム材料梱包工程における混練りゴムの取り違えの問題を解決するため、上記ゴム材料の混練りラインを1台の制御装置で一括制御する方法が提案されている。この方法では、例えば,計量工程、混練り工程、のバッチ毎に外部入力された計量工程における配合に対し、混練り工程における予め入力された混練り条件が、それぞれ1対1で対応するように制御装置が一括制御を行う。これにより、人為的ミスによる混練り条件の設定ミスや、計量された薬品の配合と練り条件の誤認、勘違いによる組み合わせの間違い等の発生を効果的に防止することができる。
【0016】
しかしながら、この方法では、計量工程における薬品配合、および混練り工程における混練り条件等を入力されたバッチ番号順に管理している。そのため、人為的ミス、プログラムのバグ、および装置の不具合等、何らかの理由で何れかの工程作業がキャンセルされるような不具合が発生した場合、それ以降、意図した条件の組み合わせとずれた、異なる組み合わせで制御され各工程が進行してしまう虞がある。さらに、加硫系以外の薬品の混練りに引き続いて加硫系薬品の混練りを連続して行う場合については考察されていない。したがって、加硫系以外の薬品の混練りで得られたゴム材料を誤認してしまうことで、加硫系薬品との組み合わせを間違えて混練りを行ってしまう虞は解消されていない。
【0017】
また、上記ゴム材料の混練りラインを1台の制御装置で一括制御する方法においては、制御装置への外部入力は往々にしてゴム材料混練りラインの生産スケジュールの設定を意図している。そのため、ある程度以上の権限を持った管理者のみが入力を行えるように設定されており、現場の作業者には入力や、修正ができない場合が多く存在する。そのような例では、上記不具合が発生した場合に、現場の作業者が即時に対応し、不具合を修正することが困難である。さらには、1台の制御装置が各工程の装置を一括制御しているため、制御用のソフトが複雑になり、バグが発生する危険性が増大する。また、制御装置が計量装置や混練り装置を常に監視している必要性があることから、ネットワークの容量によっては動作が不安定化し易くなるなどの問題がある。
【特許文献1】特開昭59−162935号公報
【特許文献2】特許第3188538号公報
【特許文献3】特開平11−198153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、上述した背景技術にかかる課題のいずれか一つを解決できるゴム材料混練りラインを提供することである。その目的の一例は、非熟練の作業者であっても、作業ミスや、混練り条件の設定ミス、混練りゴムの取り違え等に起因するゴム材料の不良の発生しないゴム材料混練りラインを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するための本発明は、加硫系以外の薬品の計量工程(1)を行う装置、加硫系以外の薬品の混練り工程(2)を行う装置、加硫系薬品の計量工程(3)を行う装置、加硫系薬品の混練り工程(4)を行う装置、を少なくとも含む。そして、混練り工程(2)に引き続き、混練り工程(4)を連続して行うゴム材料混練りラインにおいて、混練り工程(4)を行う装置は混練り工程(4)を開始する前に、混練り工程(2)で混練りされたゴム材料の、少なくともバッチ番号を含む情報と、計量工程(3)にて計量された薬品の該情報とを照合し、一致することを確認した後、混練り工程(4)を開始することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、非熟練の作業者であっても、作業ミスや、混練り条件の設定ミス、混練りゴムの取り違え等に起因するゴム材料の不良の発生しないゴム材料混練りラインを提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
本発明は、下記に示す(1)〜(4)の工程を少なくとも含み、混練り工程(2)に引き続き、混練り工程(4)を連続して行うゴム材料混練りラインに係るものである。そして、混練り工程(4)を開始する前に、混練り工程(2)で混練りされたゴム材料の、少なくともバッチ番号を含む情報と、計量工程(3)にて計量された薬品の該情報を照合し、一致することを確認してから混練り工程(4)を開始することを特徴とするゴム材料混練り方法およびそのラインである。
【0023】
計量工程(1);加硫系以外の薬品を計量する計量工程
混練り工程(2);加硫系以外の薬品の混練りを行う混練り工程
計量工程(3);加硫系薬品の計量を行う計量工程
混練り工程(4);加硫系薬品の混練りを行う混練り工程
前記ゴム材料混練りラインに含まれる工程としては特に限定されず、従来公知のゴム材料混練りに関する工程、装置、技術を使用することができる。例えば、上記(1)〜(4)に示す工程以外に、ゴム材料予備成形工程、離型剤塗布工程、ゴム材料冷却工程、ゴム材料梱包工程、ゴム物性検査工程、ゴム材料搬送・保管工程等が挙げられる。これらのうち、計量、混練りから梱包までの工程を同一ラインで制御することで混練りゴムの取り違え等のミスを効果的に防ぐことが可能となる。このことから、上記(1)〜(4)に示す工程以外に、ゴム材料冷却工程、ゴム材料梱包工程が含まれていることが好ましい。
【0024】
前記加硫系以外の薬品としては特に限定されず、従来公知のゴムの原材料薬品を使用することができる。具体的には、ポリマー、カーボンブラック、プロセスオイル、加工助剤、導電剤、帯電制御剤、発泡剤、可塑剤、老化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、補強剤、充填剤、滑剤、離型剤、顔料、染料、難燃剤等を挙げることができる。
【0025】
前記加硫系薬品としては特に限定されず、従来公知のゴムの加硫系原材料薬品を使用することができる。具体的には、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、スコーチリターダ等を挙げることができる。
【0026】
前記混練り工程(2)よび(4)における混練り装置としては特に限定されず、従来公知の技術、装置を使用することができる。具体的には、バンバリー型混合機や加圧ニーダー、インターミックス等の密閉型二軸混合機、および、オープンロール等を挙げることができる。これらのうち、加硫系以外の薬品の混練りを行う混練り工程(2)における混練り装置としては、密閉型二軸混合機が好ましい。これは、原材料薬品による粉塵や、悪臭等の作業環境の悪化を効果的に防ぐことが可能であること、密閉型であるのでゴムの酸化劣化を防ぐことが可能であること、混練りの自動制御が行い易いこと等から好適である。また、加硫系薬品の混練りを行う混練り工程(4)における混練り装置としては、オープンロールが好ましい。これは、混練りゴム材料の温度上昇を制御し易いこと、オープンであるため混練りの最終状態を目視で確認し易いこと等から好適である。
【実施例】
【0027】
以下にこの発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図1は、この発明の一つの実施形態例に用いられる装置とともに作業工程を示すフローチャートであり、本発明はこの図1に限定されるものではない。
【0028】
まず、制御装置1に混練りバッチ(一回分の混練り)の情報が入力される。該混練りバッチの情報としては特に限定されないが、例えば、バッチ番号、原材料薬品の種類・配合量・配合比等の配合に関する情報、混練りの温度・時間・回転数等の混練り条件に関する情報、混練り日、および、原材料薬品のロット情報、等が挙げられる。これらの情報は、混練りバッチ毎に唯一のバッチ番号が対応し、バッチ番号を指定することで、配合情報や混練り条件等、全ての情報が識別できるものであることが好ましい。また、混練り条件に関する情報は、情報の入力ミスを防ぐこと、および効率よく情報の入力を行うことのため、予め混練りパターンの一覧表として混練り装置に登録され、その登録された混練りパターンの中から識別番号等で選択するものであることが好ましい。
【0029】
前記混練りバッチの情報は、制御装置1から、加硫系以外の薬品を計量する計量工程(1)における計量装置2、加硫系薬品の計量を行う計量工程(3)における計量装置5、および識別票添付装置9に送られる。これにより、計量装置2において、加硫系以外の薬品の計量が開始される。この計量装置2での自動計量の際、計量重量の適否が自動で判定されることが好ましい。
【0030】
前記加硫系以外の薬品の計量終了後、計量済みの薬品が、加硫系以外の薬品を混練りする混練り装置3に送られる。同時に、少なくともバッチ番号および混練り工程(2)における混練り条件を含む混練りバッチの情報と、加硫系以外の薬品の混練り工程(2)の開始の指示が、計量装置2から混練り装置3に送られる。これにより、混練り装置3において、加硫系以外の薬品の混練りが開始される。同時に、計量装置2から、加硫系薬品を計量する計量工程(3)における計量装置5に対して、加硫系薬品の計量工程(3)の開始の指示が送られて、計量装置5において、加硫系薬品の計量が開始される。計量装置5での自動計量の際、計量重量の適否が自動で判定されることが好ましい。この加硫系薬品の計量開始の指示は、加硫系以外の薬品を計量する計量装置2から何時送られるかについては特に制限はない。しかしながら、計量工程(1)における計量不具合等に起因する、ゴム材料と、加硫系薬品の組み合わせの間違いを効果的に防ぐため、加硫系薬品の計量開始の指示は、計量装置2での計量終了後、計量装置2から、計量装置5に送られることが好ましい。
【0031】
混練り装置3における加硫系以外の薬品の混練りが終了すると、得られたゴム材料は、材料ゴム搬送装置4によって加硫系薬品の混練りを行う混練り工程(4)における混練り装置7の直前に設定された待機位置まで送られ待機する。同時に、混練り装置3より、該ゴム材料に関する前記バッチ番号情報が混練り装置7の操作盤6に送られ、計量装置5より送られたバッチ番号情報と照合される。ここで、二つのバッチ番号情報が一致することが確認された後、混練り装置7における混練り工程(4)の開始の指示が材料ゴム搬送装置4、および、混練り装置7に送られる。これにより、材料ゴムが材料ゴム搬送装置4から混練り装置7に搬送され、混練り装置7にて、加硫系薬品の混練りが開始される。二つのバッチ番号情報が一致しなかった場合、混練り開始の指示は送られない。
【0032】
このとき、混練り装置7が自動化された装置であれば、混練り装置7の操作盤6からの指示によって自動で加硫系薬品の混練りが行われる。混練り装置7が手動で操作される装置であれば、二つのバッチ番号情報が一致することが確認された後、手動操作によって、材料ゴムの材料ゴム搬送装置4からの搬送、および混練り装置7における加硫系薬品の混練りが開始される。ここで、二つのバッチ番号情報が一致しなかった場合、材料ゴムは材料ゴム搬送装置4から混練り装置7に搬送することができないよう設定されている。
【0033】
材料ゴム搬送装置4としては特に限定されず、従来公知の技術、装置を使用することができ、具体的には、バケットコンベア、リフト、ベルトコンベア等が挙げられる。
【0034】
混練り装置7における加硫系薬品の混練りが終了すると、得られたゴム材料はゴム材料冷却装置8にて冷却され、さらにゴム材料梱包装置10にて、所望の形に梱包される。
【0035】
このとき、前記ゴム材料がゴム材料冷却装置8に送られると同時に、該ゴム材料の前記バッチ番号情報が混練り装置7からゴム材料冷却装置8に送られる。
【0036】
また、必要であれば、混練り工程(4)の終了後、前記ゴム材料を冷却装置8に送る前に予備成形することも可能である。予備成形の方法としては特に限定されず、従来公知の技術、装置を使用することができる。具体的には、シートプレフォーミングマシン(SPM)、ロール、スリッターなどを備えた装置が挙げられ、後工程における要求に対応して、シート形状、リボン形状、ストリップ形状等に成形される。
【0037】
ゴム材料冷却装置8としては特に限定されず、従来公知の技術、装置を使用することができ、具体的には、バッチオフマシン(BOM)や冷却槽を備えた装置等が挙げられる。
【0038】
ゴム材料梱包装置10としては特に限定されず、従来公知の技術、装置を使用することができ、冷却されたゴム材料を所望の形に整え、ラッピング、もしくは所定の容器に梱包できればよい。
【0039】
その後、前記ゴム材料はゴム材料冷却装置8を通過してゴム材料梱包装置10に送られると同時に、ゴム材料冷却装置8から、識別票添付装置9に対し、該ゴム材料に関するバッチ番号情報が送られる。識別票添付装置9では、制御装置1から送られていた情報の中から、該情報と対応する情報を選択し、その情報を出力してゴム材料梱包装置10にて、梱包されたゴム材料に添付する。ここで、識別票添付装置9に送られる該バッチ番号情報は、混練り装置7の操作盤6、混練り装置7、および、ゴム材料冷却装置8のいずれから送られても良い。しかし、ゴム材料の取り違いを効果的に防ぐことが可能であるため、直前の工程を行う装置であるゴム材料冷却装置8から送られることが好ましい。
【0040】
該ゴム材料に添付する情報としては特に限定されず、制御装置1に入力された混練りバッチの情報、および、各工程において為された作業上の情報の中から任意に選択することができる。該作業上の情報としては、例えば、計量工程(1)および(3)における原材料薬品の実計量値、混練り工程(2)および(4)における、混練り装置3および7の回転数、温度、積算電力値等のデータ、混練り後重量等が挙げられる。それらの情報の中で、バッチ番号は、対応する表やメモリ等があれば、配合情報や混練り条件等、全ての情報が識別できるものであることから、必ず選択され、ゴム材料に添付されることが好ましい。
【0041】
ゴム材料に添付する情報が出力される識別票としては特に限定されず、従来公知の技術、方式を使用することができる。具体的には、バーコード、タグ、バッチ、ICチップ、カード、ラベル等を挙げることができる。
【0042】
ゴム材料に識別票を添付する方法としては特に限定されず、従来公知の技術、装置を使用することができる。具体的には、添付される場所として、ゴム材料に直接添付しても、梱包された容器に添付しても良い。また、出力された識別票は手動で添付しても、自動で添付してもよく、ゴム材料や梱包された容器に直接印刷または刻印されても良い。しかしながら、ゴム材料の取り違いを効果的に防ぐこと、および、ゴム材料の汚染を防ぐこと等から該ゴム材料が梱包された容器に、自動で添付されることが好ましい。
【0043】
識別票添付装置9としては上記の機能を有していれば特に限定されず、従来公知の技術、装置を使用することができる。
【0044】
以上本発明の実施の形態例について図面をもとに説明したが、本発明の技術思想を逸脱しない範囲において、上記に例示した種々の変更を加えられることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一つの実施形態例によるゴム材料混練りラインに用いられる装置とともに作業工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1 制御装置
2 計量装置(加硫系以外の薬品の計量を行う計量装置)
3 混練り装置(加硫系以外の薬品の混練りを行う混練り装置)
4 材料ゴム搬送装置
5 計量装置(加硫系薬品の計量を行う計量装置)
6 混練り装置7の操作盤
7 混練り装置(加硫系薬品の混練りを行う混練り装置)
8 ゴム材料冷却装置
9 識別票添付装置
10 ゴム材料梱包装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加硫系以外の薬品の計量工程(1)を行う装置と、
加硫系以外の薬品の混練り工程(2)を行う装置と、
加硫系薬品の計量工程(3)を行う装置と、
加硫系薬品の混練り工程(4)を行う装置と、を少なくとも含み、前記混練り工程(2)に引き続き、前記混練り工程(4)を連続して行うゴム材料混練りラインにおいて、
前記混練り工程(4)を行う装置は前記混練り工程(4)を開始する前に、前記混練り工程(2)で混練りされたゴム材料の、少なくともバッチ番号を含む情報と、前記計量工程(3)にて計量された薬品の該情報とを照合し、一致することを確認した後、前記混練り工程(4)を開始することを特徴とするゴム材料混練りライン。
【請求項2】
前記混練り工程(2)および前記計量工程(3)を行う各装置に対し、前記計量工程(1)の計量を行う計量装置より、工程の開始の指示を行うことを特徴とする請求項1記載のゴム材料混練りライン。
【請求項3】
前記計量工程(1)を行う装置および/または前記計量工程(3)を行う装置で自動計量が実施され、且つ、計量重量の適否が自動で判定されることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム材料混練りライン。
【請求項4】
前記ゴム材料混練りラインは、前記混練り工程(4)の後に該ゴム材料を冷却するゴム材料冷却工程を行う装置、および、該ゴム材料冷却工程の後に該ゴム材料を梱包するゴム材料梱包工程を行う装置を含み、
前記ゴム材料の少なくともバッチ番号を含む情報が、前記ゴム材料冷却工程を行う装置から、前記ゴム材料梱包工程を行う装置に送られ、前記ゴム材料梱包工程を行う装置において、該情報が前記ゴム材料に添付されることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のゴム材料混練りライン。
【請求項5】
加硫系以外の薬品を計量する計量工程(1)と、
加硫系以外の薬品を混練りする混練り工程(2)と、
加硫系薬品を計量する計量工程(3)と、
加硫系薬品を混練りする混練り工程(4)と、を少なくとも含み、前記混練り工程(2)に引き続き、前記混練り工程(4)を連続して行うゴム材料混練り方法において、
前記混練り工程(4)を開始する前に、前記混練り工程(2)で混練りされたゴム材料の、少なくともバッチ番号を含む情報と、前記計量工程(3)にて計量された薬品の該情報とを照合し、一致することを確認した後、前記混練り工程(4)を開始することを特徴とするゴム材料混練り方法。
【請求項6】
前記混練り工程(2)および前記計量工程(3)を行う各装置に対し、前記計量工程(1)の計量を行う計量装置より、工程の開始の指示を行うことを特徴とする請求項5記載のゴム材料混練り方法。
【請求項7】
前記計量工程(1)を行う装置および/または前記計量工程(3)を行う装置で自動計量が実施され、且つ、計量重量の適否が自動で判定されることを特徴とする請求項5または6に記載のゴム材料混練り方法。
【請求項8】
前記混練り工程(4)の後に、該ゴム材料を、ゴム材料冷却工程、および、ゴム材料梱包工程を通過する方法であり、
前記ゴム材料の少なくともバッチ番号を含む情報が、前記ゴム材料冷却工程を行う装置から、前記ゴム材料梱包工程を行う装置に送られ、前記ゴム材料梱包工程を行う装置において、該情報が前記ゴム材料に添付されることを特徴とする請求項5から7の何れかに記載のゴム材料混練り方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−196204(P2009−196204A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40109(P2008−40109)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(393002634)キヤノン化成株式会社 (640)
【Fターム(参考)】