説明

ゴム混合物、その製造方法および使用

【課題】製造中に揮発性炭化水素の排出が少なく、改良された引き裂き抵抗を有するゴム混合物を提供する。
【解決手段】ゴム。充填剤、場合により他のゴム助剤および少なくとも1種の一般式I
SiR−SH (I)
(式中、
はメチルまたはエチルであり、
はメトキシまたはエトキシまたは−O−(Y−O)−Xであり、
Yは分枝状または非分枝状、飽和されたまたは飽和されていない、二価の炭化水素基であり、XはC〜C−アルキル基であり、mは1〜40であり、
はメチル、エチルまたはRであり、
は分枝状または非分枝状、飽和されたまたは飽和されていない、脂肪族、芳香族または脂肪族/芳香族の混合した二価のC〜C12炭化水素基である)のオルガノシランを含有するゴム混合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴム混合物、その製造方法および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
硫黄を含有する加水分解可能な有機珪素化合物がヒドロキシル基を有する充填剤、例えば天然および合成シリケート、カーボネート、ガラスおよび金属酸化物と反応できることは知られている。この関係で前記化合物は表面変性および付着の促進に使用される。ゴム加工工業において、前記化合物は補強用充填剤と使用されるポリマーとの付着促進剤として使用される(非特許文献1、特許文献1,特許文献2,特許文献3,特許文献4,特許文献5および特許文献6参照)。この物質種類の最もよく知られた代表例はポリスルファン(アルキルトリアルコキシシラン)、例えばビス[3−トリエトキシシリルプロピル]テトラスルファンまたはビス[3−トリエトキシシリルプロピル]ジスルファンを含む。
【0003】
ゴム混合物にメルカプト官能化オルガノシランを使用することは更に知られている(特許文献7および特許文献8参照)。ゴム混合物の粘度を低下するためのアルキルシランの使用(特許文献9および特許文献10参照)およびメルカプト官能性シランと長鎖アルキルシランの組合せ(特許文献11参照)が同様に知られている。
【0004】
トリアルコキシ官能化シランを使用する欠点は揮発性炭化水素の排出であり、これらは実際には主としてメタノールおよびエタノールである。
【0005】
ジアルキルモノアルコキシシリルポリスルフィドは文献から知られている(特許文献12および特許文献13参照)。ジアルキルモノアルコキシ基により、揮発性炭化水素の排出がトリアルコキシ化合物の場合より少ない。
【0006】
ジアルキルモノアルコキシシリルポリスルフィドの欠点は少ない耐摩耗性および引き裂き抵抗である。
【特許文献1】ドイツ特許第2141159号
【特許文献2】ドイツ特許第22122239号
【特許文献3】ドイツ特許第195444669号
【特許文献4】米国特許第3978103号
【特許文献5】米国特許第4048206号
【特許文献6】欧州特許第784072号
【特許文献7】米国特許第3350345号
【特許文献8】フランス特許第2094859号
【特許文献9】欧州特許第795577号
【特許文献10】欧州特許第864605号
【特許文献11】ドイツ特許第10015309号
【特許文献12】ドイツ特許第1043357号
【特許文献13】欧州特許第1244676号
【非特許文献1】Angew.Chem.98(1986)237〜253
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は製造中に揮発性炭化水素の排出が少なく、公知のシランを有するゴム混合物と比較して改良された引き裂き抵抗を有するゴム混合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明により、ゴム、充填剤、任意の他のゴム助剤および少なくとも1個の、一般式I
SiR−SH (I)
(式中、
はメチルまたはエチルであり、
はメトキシ、エトキシまたは−O−(Y−O)−Xであり、
Yは分枝状または非分枝状、飽和されたまたは飽和されていない、二価の炭化水素基、有利にCH,CHCH、CHCH(CH)またはCH(CH)CHであり、
XはC〜C−アルキル基、有利にメチルまたはエチルであり、
mは1〜40,有利に2〜30、特に3〜25,特に有利に4〜20、きわめて有利に10〜20であり、
はメチル、エチルまたはRであり、
は分枝状または非分枝状、飽和されたまたは飽和されていない、脂肪族、芳香族または脂肪族/芳香族の混合 した、二価のC〜C12−炭化水素基である)で表されるオルガノシランからなるゴム混合物が提供される。
【0009】
有利にRまたはRの少なくとも1個は−O−(Y−O)−X基であることができる。
【0010】
ゴム混合物は有利に一般式I
SiR−SH (I)
(式中、
はメチルまたはエチルであり、
は−O−(Y−O)−Xであり、
Yは分枝状または非分枝状、飽和されたまたは飽和されていない、二価の炭化水素基、有利にCH,CHCH、CHCH(CH)またはCH(CH)CHであり、
XはC1〜C9−アルキル基、有利にメチルまたはエチルであり、
mは1〜40,有利に2〜30、特に3〜25,特に有利に4〜20、きわめて有利に10〜20であり、
はメチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはRであり、
は分枝状または非分枝状、飽和されたまたは飽和されていない、脂肪族、芳香族または脂肪族/芳香族の混合 した、二価のC〜C12−炭化水素基である)で表される1個のオルガノシランを含有することができる。
【0011】
は有利にCH、CHCH、CHCHCH、CHCHCHCH、CH(CH)、CHCH(CH)、CH(CH)CH、C(CH、CH(C)、CHCHCH(CH)またはCHCH(CH)CHであることができる。
【0012】
ジメチルエトキシシリルプロピルメルカプタン、
メチルジエトキシシリルプロピルメルカプタン、
ジエチルエトキシシリルプロピルメルカプタン、
エチルジエトキシシリルプロピルメルカプタン、
ジメチルメトキシシリルプロピルメルカプタン、
メチルジメトキシシリルプロピルメルカプタン、
ジエチルメトキシシリルプロピルメルカプタン、
エチルジメトキシシリルプロピルメルカプタン、
(CHO)(CHSI−(CHCH(CH)−SHまたは
(CO)(CHSi−(CHCH(CH)−SHを一般式Iのオルガノシランとして使用できる。
【0013】
一般式Iの化合物は以下のものであることができる。
[(CO−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)](Me)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)(Me)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(CO−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C11O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C13O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C15O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C17O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(C19O−(CH−CHO)](Me)(MeO)Si(CHSH
であり、式中MeはCHであり、EtはCHCHである。
【0014】
XがC、C,C11、C13、C15、C17またはC19である一般式Iの化合物は以下のものである。
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)10](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)11](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)12](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)13](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)14](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)15](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)16](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)17](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)18](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)19](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)20](Me)(MeO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)10](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)11](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)12](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)13](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)14](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)15](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)16](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)17](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)18](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)19](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)20](Me)(EtO)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)10(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)11(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)12(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)13(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)14(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)15(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)16(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)17(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)18(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)19(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)20(Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)10](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)11](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)12](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)13](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)14](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)15](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)16](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)17](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)18](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)19](Me)Si(CHSH
[(X−O−(CH−CH(CH)O−)20](Me)Si(CHSH。
【0015】
一般式Iのオルガノシランは一般式Iのオルガノシランの化合物の混合物からなることができる。前記混合物はmが同じかまたは異なるオルガノシランの化合物を含有することができる。オルガノシランの混合物はY基が同じかまたは異なる化合物を含有することができる。前記混合物はR、R、RまたはR基が同じかまたは異なるオルガノシランの化合物を含有することができる。
【0016】
縮合生成物、すなわちオリゴシロキサンおよびポリシロキサンは一般式Iのオルガノシランから形成できる。オリゴシロキサンおよびポリシロキサンは相当するアルコキシシランのオリゴマー化または同時オリゴマー化により、水の添加および添加剤の添加および当業者に周知の方法により得ることができる。この方法で形成されるオリゴマー化生成物および重合生成物は一般式Iのオルガノシラン化合物に含むことができる。
【0017】
一般式Iのオルガノシランは一般式Iのオルガノシラン化合物のオリゴマー化または重合生成物であることができる。一般式Iのオルガノシランは一般式Iのオルガノシラン化合物および一般式Iの縮合しないオルガノシラン化合物のオリゴマー化または重合生成物の混合物であることができる。
【0018】
一般式Iのオルガノシランは純粋な形でまたは不活性有機または無機担体に吸収された形でおよび有機または無機担体と予め反応した形で混合工程に添加することができる。有利な担体材料は沈殿シリカまたは熱分解シリカ、ワックス、熱可塑性樹脂、天然または合成珪酸塩、天然または合成酸化物、特定の酸化アルミニウム、またはカーボンブラックであることができる。一般式Iのオルガノシランは更に使用される充填剤と予め反応した形で混合工程に添加することができる。
【0019】
本発明によるゴム混合物の充填剤として以下の充填剤を使用することができる。
カーボンブラック:ここで使用されるカーボンブラックはフレームブラック、ファーネスブラック、ガスブラックまたは熱処理により製造され、20〜200m/gのBET表面積を有する。カーボンブラックは場合により例えばSiのようなヘテロ原子を含有することができる。
5〜1000m/g、有利に20〜400m/gの比表面積(BET表面積)および10〜400nmの平均粒度を有する、例えば珪酸塩溶液の沈殿またはハロゲン化珪素の火炎加水分解により製造される非晶質シリカ。前記シリカは場合によりAl、Mg、Ca、Ba、Znおよびチタンの酸化物のような他の金属酸化物との混合物として存在することができる。
20〜400m/gのBET表面積および10〜400nmの一次粒子直径を有する、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウムまたは珪酸カルシウムのようなアルカリ土類金属珪酸塩のような合成珪酸塩。
合成または天然酸化アルミニウムおよび水酸化アルミニウム。
カオリンおよび他の天然に由来するシリカのような天然珪酸塩。
ガラス繊維およびガラス繊維製品(マット、ストランド)またはガラスミクロビーズ。
【0020】
有利に20〜400m/gのBET表面積を有する珪酸塩溶液から沈殿により製造される非晶質シリカをそれぞれゴム100部に対して5〜150質量部の量で使用する。
【0021】
本発明によるゴム混合物を製造するために天然ゴムのほかに合成ゴムを使用できる。有利な合成ゴムは、例えばHofmann、Kautschuktechnokogie、Genter Verlag、Stuttgart1980に記載される。これらには特に以下のものが含まれる。
ポリブタジエン(BR)
ポリイソプレン(IR)
有利に1〜60質量%、特に5〜50質量%を含有するスチレン/ブタジエンコポリマー(SBR)、例えばエマルジョンSBR(E−SBR)または溶液SBR(S−SBR)
クロロプレン(CR)
イソブチレン/イソプレンコポリマー(IIR)
5〜60質量%、有利に10〜50質量%のアクリロニトリルを含有するブタジエン/アクリロニトリルコポリマー(NBR)
部分的に水素化されたまたは完全に水素化されたNBRゴム(HNBR)
エチレン/プロピレン/ジエンコポリマー(EPDM)
例えばカルボキシル基、シラノール基またはエポキシド基のような付加的に官能基を有する前記ゴム、例えばエポキシ化NR、カルボキシ官能化NBRまたはシラノール(−SiOH)官能化またはシロキシ(−Si−OR)官能化SBR
およびこれらのゴムの混合物である。−50℃より高いガラス転移温度を有するアニオン重合S−SBRゴム(溶液SBR)および前記ゴムとジエンゴムの混合物は特に自動車タイヤトレッドの製造に使用できる。
【0022】
本発明によるゴム粗製混合物および加硫生成物は更に反応促進剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、オゾン化防止剤、加工助剤、可塑剤、粘着防止剤、発泡剤、染料、顔料、ワックス、エキステンダー、有機酸、遅延剤、金属酸化物またはトリエタノールアミンまたはヘキサントリオールのような活性剤のようなゴム助剤を含有することができる。
【0023】
ポリアルキレングリコールは他のゴム助剤であることができる。ポリアルキレングリコールはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよび/またはポリブチレングリコールであってもよい。
【0024】
ポリアルキレングリコールは50〜50000g/モル、有利に50〜20000g/モル、特に200〜10000g/モル、特に有利に400〜60000g/モル、きわめて有利に500〜3000g/モルの分子量を有することができる。
【0025】
ポリエチレングリコールは炭化水素末端化ポリエチレングリコールAlk−O−(CH−CH−O)yI−HまたはAlk−(CH−CH−O)yI−Alkであってもよく、上記式中yは2〜25であり、有利にyは2〜15であり、特にyは3〜8および10〜14であり、特に有利にyは3〜6および10〜13であり、Alkは1〜35個、有利に4〜25個、特に6〜20個、特に有利に10〜20個、きわめて有利に11〜14個の炭素原子を有する分枝状または非分枝状、置換されていないかまたは置換された、飽和または不飽和炭化水素である。
【0026】
ポリプロピレングリコールは炭化水素末端化ポリプロピレングリコールAlk−O−(CH−CH(CH)−O)yI−HまたはAlk−O−(CH−CH(CH)−O)yI−Alkであってもよく、式中yおよびAlkは前記のものを表す。
【0027】
ポリブチレングリコールは炭化水素末端化ポリブチレングリコールAlk−O−(CH−CH−CH−CH−O)yI−H、Alk−O−(CH−CH(CH)−CH−O)yI−H、Alk−O−(CH−CH−CH−CH−O)yI−AlkまたはAlk−O−(CH−CH(CH)−CH−O)yIAlkであってもよく、式中yおよびAlkは前記のものを表す。
【0028】
ポリアルキレングリコールはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールまたはこれらの混合物でエーテル化されたネオペンチルグリコールHO−CH−C(Me)−CH−OH、ペンタエリスリトールC(CH−OH)またはトリメチロールプロパンCH−CH−C(CH−OH)であってもよく、エーテル化されたポリアルコール中のエチレングリコール、プロピレングリコールおよび/またはブチレングリコールの繰返し単位は2〜100、有利に2〜50、特に3〜30、特に有利に3〜15の数である。
【0029】
ゴム助剤は公知の量で使用することができ、この量は特に意図される用途に依存する。通常の量は例えばゴムに対して0.1〜50質量%、有利に0.1〜30質量%である。架橋剤として硫黄または硫黄ドーピング物質を使用できる。本発明によるゴム混合物は更に加硫促進剤を含有することができる。例えばメルカプトベンゾチアゾール、スルフェンアミド、グアニジン、チウラム、ジチオカルバメート、チオウレアおよびチオカーボネートを適当な加硫促進剤として使用できる。加硫促進剤および硫黄をゴムに対して0.1〜10質量%、有利に0.1〜5質量%の量で使用できる。
【0030】
本発明は更に本発明によるゴム混合物を製造する方法を提供し、前記方法はゴム、充填剤、場合により他のゴム助剤および少なくとも1種の一般式Iのオルガノシランを混合することを特徴とする。
【0031】
本発明によるゴム混合物の加硫は場合により10〜200バールの圧力下で、100〜200℃、有利に130〜180℃の温度で実施することができる。ゴムと充填剤、場合によるゴム助剤および一般式Iのオルガノシランの混合はロールミル、内部混合機および混合押出器のような公知の混合装置中で実施することができる。
【0032】
本発明によるゴム混合物は成形品の製造、例えば空気タイヤ、タイヤトレッド、ケーブル被覆、ホース、駆動ベルト、コンベヤーベルト、ローラーカバー、タイヤ、靴底、パッキングリング、および制動部品の製造に使用することができる。
【0033】
本発明のゴム混合物は改良された引き裂き抵抗を示す。
【0034】

例1:3−メルカプトプロピル(ジメチルエトキシシラン)(MPDMES)
無水NaSH37.5gおよび無水エタノール600mlを室温でガラス二重壁ジャケットおよびHastelloyC22lid+fittingsを有するオートクレーブ(Beuchi社)に最初に導入する。懸濁液を加熱し、50℃で20分間攪拌する。3−クロロプロピル(ジメチルエトキシシラン)100gおよび3−クロロプロピル(ジメチルクロロシラン)5gの混合物を前記懸濁液に圧力ビュレットを使用して添加する。エタノール更に200mlを混合物に添加し、混合物を攪拌しながら93〜96℃に加熱する。この温度を180分間維持する。混合物を引き続き室温に冷却する。
【0035】
形成される懸濁液を濾過し、フィルターケーキをトルエンで洗浄する。回転蒸発器上で濾液から溶剤を分離する。得られる懸濁液を濾過し、フィルターケーキをトルエンで洗浄し、回転蒸発器上で再び濾液からトルエンを分離する。
液体の無色生成物88.3gが得られる。
【0036】
比較例1:〔(EtO)MeSi−CH−CH−CH−〕3.66
エタノール700mlを4首フラスコに無水Na2S4337g(1.94モル)および3−クロロプロピル(ジメチルエトキシシラン)700g(3.88モル)と一緒に計量して入れ、混合物を攪拌しながら沸騰温度に加熱する。反応溶液を還流下で270分間沸騰させる。3−クロロプロピル(ジメチルエトキシシラン)3gを懸濁液に添加し、混合物を還流下で更に30分間加熱する。懸濁液を冷却し、濾過し、残留物をエタノールで洗浄する。濾液を回転蒸発器上で20〜400バール下、60〜90℃で溶剤から分離し、再び濾過する。オレンジの液体769.2gを単離する。
【0037】
分析
【0038】
【表1】

平均鎖長−Sx−はNMRデータにもとづき(S−S10)3.66である。
【0039】
2.29Si−NMR
比較例1は二量化した[(EtO)MeSi−CH−CH−CH−]1.6モル%を含有する。
【0040】
DRX500NMR装置、Bruker社を、当業者に知られた規則および運転条件により比較生成物の分析に使用する。測定周波数は29Si核に関して88.25MHzおよびH核に関して500.13MHzである。テトラメチルシラン(TMS)を参考として使用する。ビス(アルコキシシリルオルガニル)ポリスルフィドおよびメルカプトオルガニル(アルコキシシラン)およびこれらの混合物の分析は例えばU.Goerl、J.Muenzenberg、D.Luginsland、A.Mueller Kautschuk Gummi Kunststoffe、1999、52(9)、588頁以降、D.Luginsland Kautchuk Gummi Kunststoffe2000,53(1−2),10頁以下、またはM.W.Backer等、Polymer Preprints2003、44(1)、245頁以降に記載されている。
【0041】
例2:ゴム試験
ゴム混合物に使用される処理法は以下の表1に示される。ここで単位phrは使用される粗製ゴム100部に対する質量の含有量である。本発明によるシランを同じ質量で計量して入れる。ゴム混合物およびその加硫生成物を製造する一般的方法はRubber Technology Handbook、W.Hofmann、Hanser Verlag1994に記載されている。
【0042】
カップリング反応物質Si69、ビス(トリエトキシシリルプロピル)四硫化物(TESPT)およびVPSi263、3−メルカプトプロピル(トリエトキシシラン)(MPTES)はDegussa社の市販された製品である。
カップリング反応物質VPSi208、アルキルシランとしてのオクチルシリルトリエトキシシランは加工助剤であり、Degussa社の市販された製品である。
【0043】
【表2】

【0044】
ポリマーVSL5025−1は溶液で重合したSBRコポリマー、Bayer社であり、スチレン含量25質量%およびブタジエン含量75質量%を有する。前記コポリマーは油37.5phrを有し、ムーニー粘度(ML1+4/100℃)50を有する。
ポリマーBunaCB24はシス−1,4−ポリブタジエン(ネオダイミウムタイプ)、Bayer社であり、少なくとも96%のシス−1,4含量を有し、ムーニー粘度44±5を有する。
Ultrasil7000GRは分散が容易なシリカ、Degussa社であり、BET表面積170m/gを有する。
NaftolenZD、Chemetall社は芳香性油状物として使用され、
Vulkanox4020はPPD、Bayer社であり、ProtektorG3108はオゾン化防止ワックス、Paramelt社である。VulkacitD(DPG)およびVulkacitCZ(CBS)はBayer社の市販の製品である。PerkacitTBzTD(テトラベンジルチウラム四硫化物)はFlexsys社の製品である。
ゴム混合物を内部混合機中で表2の混合の説明により製造する。
【0045】
【表3】

【0046】
【表4】

【0047】
【表5】

【0048】
ゴム試験の方法を表3に記載する。
【0049】
【表6】

【0050】
表4はゴム試験の結果を示す。
【0051】
【表7】

【0052】
メルカプトシランがポリスルフィドより高いカップリング収率を示し、従って増加するという事実はドイツ特許第10015309号から知られている。これは混合物1と混合物2の比較により、高い増加指数(モジュラス300%/100%)、高い反発弾性値および改良された(低い)DIN磨耗性により確認される。
【0053】
欧州特許第1043357号にはトリエトキシシリルプロピルジスルフィド(例1)に関して珪素原子当たりそれぞれ2個のエトキシ基をメチル基に交換する(例2)ことにより、トリエトキシ変形と比べて、ゴム特性、例えば静的データ、たとえば引張り強さおよび弾性率および動的データ、例えば反発弾性、動的弾性率およびtanδの低下が示されないことを示す。
【0054】
欧州特許第1043357号からのポリスルフィドに関する前記の観察と異なりメルカプトシランのジメチル変形(本発明による混合物4)は重要な特性の著しい改良を示す。従って300%伸び率におけるモジュラス、増加指数(モジュラス300%/100%)、引き裂き抵抗、およびDIN摩耗率が相当するトリエトキシ変形(MPTES)(混合物2)の場合より著しく良好である。これらはTESPT(混合物1)および相当するジメチル変形DMESPT(混合物3)の場合より著しく良好である。
【0055】
例3:HS−CH−CH−CH−Si(Me)(OMe)[(O−CH(CH)−CH−O−C]
HS−CH−CH−CH−Si(Me)(OMe)86.64g、プロピレングリコールモノブチルエーテル(CAS9003−13−8、Aldrich、Mw=340g/モル)163.29gおよびp−トルエンスルホン酸0.23gを丸底フラスコ中で混合する。混合物を回転蒸発器上で、100〜400ミリバール下、油浴温度150〜155℃で6.5時間処理する。遊離した揮発性アルコールを蒸留分離する。単離した生成物の質量は236gである。
【0056】
例4:HS−CH−CH−CH−Si(Me)(OMe)[(O−CH(CH)−CH)16−OC]
HS−CH−CH−CH−Si(Me)(OMe)86.64g、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル(CAS9003−13−8、Aldrich、Mw=1000g/モル)480.03gおよびp−トルエンスルホン酸0.23gを丸底フラスコ中で混合する。混合物を回転蒸発器上で100〜400ミリバール下、油浴温度145〜155℃で4.5時間処理する。遊離した揮発性アルコールを蒸留分離する。単離した生成物の質量は552gである。
【0057】
例5:HS−CH−CH−CH−Si(Me)(OMe)[(O−CH−CH−O−CH−CH(Et)−C]
HS−CH−CH−CH−Si(Me)(OMe)86.62g、ポリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(Aduxol HEX−04、CAS26468−86−0、Schaerer und Schlaepfer社)147g、およびTi(OBu)0.5gを丸底フラスコ中で混合する。混合物を回転蒸発器上で150〜300ミリバール下、油浴温度125〜135℃で4.5時間処理する。遊離した揮発性アルコールを蒸留分離する、単離した生成物の質量は214gである。
【0058】
例6:HS−CH−CH−CH−Si(Me)(OEt)[(O−CH−CH−O−C13]
HS−CH−CH−CH−Si(Me)(OEt)50g、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(CAS112−59−4、Merck/VMR Internationalにより入手した)45.7gおよびTi(OBu)0.23gを丸底フラスコ中で混合する。混合物を回転蒸発器上で100〜300ミリバール下、油浴温度130〜135℃で6時間処理する。遊離した揮発性アルコールを蒸留分離する。単離した生成物の質量は80gである。
【0059】
例7:HS−CH−CH−CH−Si(Me)(OEt)[O−CH(CH)−CH]16O−C]
HS−CH−CH−CH−Si(Me)(OEt)80g,ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル(CAS9003−13−08、Aldrich、Mw=1000g/モル)384.07gおよびp−トルエンスルホン酸0.2gを丸底フラスコ中で混合する。混合物を回転蒸発器上で、100〜300ミリバール下、油浴温度145〜155℃で6時間処理する。遊離した揮発性アルコールを蒸留分離する。得られた生成物の質量は448gである。
【0060】
例8:HS−CH−CH−CH−Si(Me)(OEt)[(O−CH−CH−O−CH−CH(Et)−C]
HS−CH−CH−CH−Si(Me)(OEt)50g、ポリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(AduxolHEX−04、CAS26468−86−0、Schaerer und Schaepfer社)73.5g、およびTi(OBu)0.3gを丸底フラスコ中で混合する、混合物を回転蒸発器上で、150〜300ミリバール下、油浴温度125〜135℃で処理する。遊離した揮発性アルコールを蒸留分離する。得られた生成物の質量は108gである。
【0061】
例9:HS−CH−CH−CH−SiMe(OEt)の製造
HS−CH−CH−SiMe(OEt)を欧州特許第1538152号例4の方法により製造する。使用した出発物質はCl−CH−CH−CH−SiMe(OEt)、Cl−CH−CH−CH−SiMeCl、NaSH(無水)およびエタノールである。得られた懸濁液を濾過し、溶剤を分離し、蒸留によりシランを精製する。
【0062】
例10:ゴム試験
ゴム混合物に使用される処理は以下の表5に示す。表6に示されるように混合物は添加されるカップリング剤が異なる。混合の説明は表2に示される。
【0063】
【表8】

【0064】
【表9】

【0065】
ゴム試験の方法を表7に記載する。
【0066】
【表10】

【0067】
表8はゴム試験の結果を示す。
【0068】
【表11】

【0069】
加硫物質の結果から理解できるように、混合物8〜13の引き裂き抵抗は混合物5,6,および7の引き裂き抵抗より著しく良好である。置換基として長鎖アルコールとシランとの混合物は他の混合物と比較して改良された引き裂き抵抗を示す。これは混合物5からの置換されていないメルカプトシラン(VPSi263)との比較および1つのメチル基を有するメルカプトシラン(混合物7)および2個のメチル基を有するメルカプトシラン(混合物6)との比較にも該当する。
【0070】
混合物8〜13は更に改良されたムーニースコーチデータを示す。例えばタイヤトレッドの押出しまたは射出成形での改良された加工信頼性はこれと結びつく。
【0071】
例11:ゴム試験
ゴム混合物に使用される処理は以下の表9に示す。表10に示されるように混合物は等モルの配量にもとづき添加されるカップリング剤が異なる。混合の説明は表2に記載される。
【0072】
【表12】

【0073】
【表13】

【0074】
実施した試験を表7に記載する。表11はゴム試験の結果を示す。
【0075】
【表14】

【0076】
例3〜8からのシランとの混合物は、等モルの配量でも置換されていないメルカプトシランおよび1つのメチル基および2つのエトキシ基を有するメルカプトシランと比較して引き裂き特性およびスコーチ特性で利点を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム、充填剤、場合により他のゴム助剤および少なくとも1種の一般式I
SiR−SH (I)
(式中、
はメチルまたはエチルであり、
はメトキシまたはエトキシまたは−O−(Y−O)−Xであり、
Yは分枝状または非分枝状、飽和されたまたは飽和されていない、二価の炭化水素基であり、XはC〜C−アルキル基であり、mは1〜40であり、
はメチル、エチルまたはRであり、
は分枝状または非分枝状、飽和されたまたは飽和されていない、脂肪族、芳香族または脂肪族/芳香族の混合した二価のC〜C12炭化水素基である)のオルガノシランを含有するゴム混合物。
【請求項2】
一般式Iのオルガノシランが一般式Iのオリゴマー化されたまたは重合されたオルガノシランを含有する請求項1記載のゴム混合物。
【請求項3】
一般式Iのオルガノシランが
ジメチルエトキシシリルプロピルメルカプタン
メチルジエトキシシリルプロピルメルカプタン
ジエチルエトキシシリルプロピルメルカプタン
エチルジエトキシシリルプロピルメルカプタン
ジメチルメトキシシリルプロピルメルカプタン
メチルジメトキシシリルプロピルメルカプタン
ジエチルメトキシシリルプロピルメルカプタンまたは
エチルジメトキシシリルプロピルメルカプタン
である請求項1記載のゴム混合物。
【請求項4】
ゴム助剤がポリアルキレングリコールである請求項1記載のゴム混合物。
【請求項5】
ゴム、充填剤、場合により他のゴム助剤および少なくとも1種の一般式Iのオルガノシランを混合する請求項1記載のゴム混合物の製造方法。
【請求項6】
成形品の製造のための請求項1記載のゴム混合物の使用。
【請求項7】
空気タイヤ、タイヤトレッド、ケーブル被覆、ホース、駆動ベルト、コンベヤーベルト、ローラー被覆、タイヤ、靴底、パッキングリングおよび制動部品の製造のための請求項6記載のゴム混合物の使用。

【公開番号】特開2006−169538(P2006−169538A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−365395(P2005−365395)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(501073862)デグサ アクチエンゲゼルシャフト (837)
【氏名又は名称原語表記】Degussa AG
【住所又は居所原語表記】Bennigsenplatz 1, D−40474 Duesseldorf, Germany
【Fターム(参考)】