説明

ゴルフクラブおよびその製造方法

【課題】フェース部内に鍛流線を均一に分布させて、良好な打感を得ることができるゴルフクラブを提供する。
【解決手段】ゴルフクラブは、打球面15を含むフェース部11、およびフェース部11とシャフト30とを接続するネック部12を有するヘッド10を備え、鍛流線がヘッド10内に形成され、ヘッド10の内部における鍛流線の密度と表層部における前記鍛流線の密度とを同程度にした、ゴルフクラブ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブおよびその製造方法に関し、特に、フェース部とネック部とを一体成形したゴルフクラブおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブのヘッド部分は、打球面を有するフェイス部と、このフェイス部とシャフトとを接続するネック部とを含む。従来、鍛造製法によるゴルフクラブヘッドとしては、フェイス部とネック部とを一体成形するものであるが、打撃時にネック部が変形を起こし易いという課題があったために、ネック部を太くしなければならず、ネック部への質量配分を軽減することが困難であった。また、フェイス部とネック部を、それぞれ別工程で成形し、その後互いに接合されていた。そのため、フェイス部とネック部の接合部分における強度が低下するという課題があった。
【0003】
このような課題に対して、たとえば、国際公開第WO01/056666号パンフレットに記載されたゴルフクラブ等が提案されている。
【0004】
しかし、上記WO01/056666号パンフレットに記載されたゴルフクラブにおいては、フェース部内における鍛流線の分布が不均一となっており、フェース部の強度および靱性が位置によってばらつく等の問題があった。さらに、これに伴い、従来のゴルフクラブで打球した際に、良好な打感が得がたいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第WO01/056666号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記WO01/056666号パンフレットに記載されたゴルフクラブにおいては、フェース部内における鍛流線の分布が不均一となっており、フェース部の強度および靱性が位置によってばらつく等の問題があった。さらに、これに伴い、従来のゴルフクラブで打球した際に、良好な打感が得がたいという問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ゴルフヘッド内に鍛流線を均一に分布させて、良好な打感を得ることができるゴルフクラブおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るゴルフクラブは、打球面を含むフェース部、およびフェース部とシャフトとを接続するネック部を有するゴルフヘッドを備え、鍛流線がゴルフヘッド内に形成され、ゴルフヘッドの内部における鍛流線の密度と、ゴルフヘッドの表層部における鍛流線の密度とを同程度にした。
【0009】
本発明に係るゴルフクラブの製造方法は、棒状部材を該棒状部材の径を減じるように延伸させる延伸工程と、延伸工程によって延伸された棒状部材の一端を他端の径より減じる絞り加工工程と、棒状部材に曲げ加工を施す工程と、曲げ加工後に、棒状部材に鍛造加工を施して、フェース部およびネック部を一体的に成形する鍛造工程とを備える。
【0010】
好ましくは、上記延伸工程は、鍛流線を確保しながら、棒状部材の周面の少なくとも一部を鍛錬する工程を含む。
【0011】
好ましくは、上記の鍛造工程は、複数回の粗鍛成形加工を棒状部材に施して鍛流線を確保しながら棒状部材を最終形状に近づける第1鍛造加工工程と、粗鍛成形加工後の成形品に精鍛成形加工を施して最終形状に成形する第2鍛造加工工程とを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るゴルフクラブによれば、ゴルフヘッド内に鍛流線を略均一に分布させることができ、良好な打感を得ることができる。本発明に係るゴルフクラブの製造方法によれば、ゴルフヘッド内に鍛流線が略均一に分布するゴルフクラブを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のゴルフクラブのヘッドの正面図である。
【図2】ヘッドの断面を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明におけるゴルフクラブの製造工程の第1工程を示す断面図である。
【図4】本発明におけるゴルフクラブの製造工程の第2工程を示す断面図である。
【図5】本発明におけるゴルフクラブの製造工程の第3工程を示す断面図である。
【図6】本発明におけるゴルフクラブの製造工程の第4工程を示す断面図である。
【図7】本発明におけるゴルフクラブの製造工程の第5工程を示す断面図である。
【図8】本発明におけるゴルフクラブの製造工程の第5工程を示す他の断面図である。
【図9】本発明におけるゴルフクラブの製造工程の第6工程を示す断面図である。
【図10】本発明におけるゴルフクラブの製造工程の第6工程を示す他の断面図である。
【図11】本発明におけるゴルフクラブの製造工程の第7工程を示す断面図である。
【図12】本発明におけるゴルフクラブの製造工程の第7工程を示す他の断面図である。
【図13】本発明におけるゴルフクラブの製造工程の第8工程を示す断面図である。
【図14】本発明におけるゴルフクラブの製造工程の第8工程を示す他の断面図である。
【図15】本発明の各製造工程における素材の断面図である。
【図16】本発明の各製造工程における素材の断面図である。
【図17】本発明の各製造工程における素材の断面図である。
【図18】本発明の各製造工程における素材の断面図である。
【図19】本発明の各製造工程における素材の断面図である。
【図20】本発明の各製造工程における素材の断面図である。
【図21】本発明の各製造工程における素材の断面図である。
【図22】本実施の形態に係るゴルフクラブにおいて、ヘッドのフェース部を断面視した写真である。
【図23】ネック部を断面視した写真である。
【図24】比較例のゴルフクラブにおいて、ヘッド部のフェース部を断面視した写真である。
【図25】比較例のゴルフクラブにおいて、ネック部における断面図である。
【図26】本実施の形態に係るゴルフクラブの硬度と、上記比較例に係るゴルフクラブの硬度とを示すグラフである。
【図27】図26に示す硬度の測定部位を示すフェース部の断面図である。
【図28】図26に示す硬度の測定部位を示すネック部の断面図である。
【図29】本実施の形態に係るゴルフクラブを試打することで生じる音を計測した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施の形態に係るゴルフクラブおよびゴルフクラブの製造方法について、図1から図29を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。
【0015】
図1は、本発明のゴルフクラブのヘッド(ゴルフヘッド)10の正面図である。この図1に示すように、ヘッド10は、打球面15を有するフェース部11と、フェース部11とシャフト30とを接続するネック部12とを備えている。
【0016】
図2は、ヘッド10の断面を模式的に示す断面図である。図2に示すように、ヘッド10内には、ネック部12からフェース部11に亘って、複数の鍛流線13が連続して形成されている。
【0017】
鍛流線13の大部分は、ネック部12からフェース部11に連続して延び、フェース部11においては、鍛流線13は、一方向に向けて連続して延びる。
【0018】
そして、鍛流線13は、フェース部11内において、ネック部12との接続部からトウ部14に向けて延びている。このように、ネック部12からフェース部11に鍛流線13が連続して延びることによって、フェース部11とネック部12と接続部における強度を向上させることができる。
【0019】
鍛流線13のフェース部11の打球面15における分布密度と、鍛流線13のフェース部11の内部における分布密度は、同程度のものとなっている。すなわち、フェース部11において、打球面15側から背面16側に亘って、略均等に分布している。
【0020】
ここで、本実施の形態に係るゴルフクラブのヘッド10は、強度および靱性の均一化が図られており、これは、鍛流線13が均一にヘッド10内に分布していることに起因するものと考えられる。
【0021】
なお、フェース部11における結晶構造を観察すると、層状組織となっておらず、良好に金属の鍛錬が行き届いていることが分かった。これにより、フェース部11の硬度の向上をも、図られていることが分かる。
【0022】
図3から図20を用いて、本実施の形態に係るゴルフクラブの製造方法について説明する。図3に示すように、炭素鋼等から構成された棒状部材21を準備する。この棒状部材21の直径は、たとえば、50mm程度とされている。
【0023】
そして、図4に示すように、棒状部材21よりも断面積が小さくなるように延伸加工(鍛造加工)を施し、棒状部材20を形成する。棒状部材20の径は、たとえば、27mm程度とされている。なお、この延伸加工においては、たとえば、棒状部材21を回転させながら、棒状部材21の周面を略均等にハンマやロール等で鍛錬する場合のみならず、棒状部材21の周面の一部に鍛錬されていない場合も含む。
【0024】
このように、棒状部材21を鍛錬することで、鍛流線13を確保した状態で、棒状部材21の径を減じて、棒状部材20を形成することができる。
【0025】
図15は、棒状部材21の断面を模式的に示す断面図であり、図16は、棒状部材20の断面を模式的に示す断面図である。この図15および図16に示すように、棒状部材20内における鍛流線13の分布密度は、棒状部材21内における鍛流線13の分布密度よりも大きくなると考えられる。なお、鍛流線13の分布密度は、断面視した際に、通常の可視状態において、観察することができる鍛流線13によって判断する。
【0026】
図5に示すように、棒状部材20の一方の端部を断面積を減じるように、絞り加工を施す。この絞り加工は、たとえば、ロールを用いて、棒状部材20の一端に、圧延加工を施すことで行われる。この際、図17に示すように、棒状部材20内の鍛流線13が不連続とならないように留意する。
【0027】
このように、棒状部材20の一端に、塑性加工を施すことで、当該一端の断面積が小さくなり、図17に示すように、棒状部材20の一端側の鍛流線13の密度を高めることができる。そして、図17に示すように、棒状部材20の一端側の鍛流線13の密度を向上させることができる。
【0028】
この一端側にネック部12を形成し、他端部側にフェース部11を形成する。これにより、ネック部12における鍛流線13の密度を、フェース部11における鍛流線13の密度よりも高めることができるものと推察される。
【0029】
なお、棒状部材20の一端を塑性変形させて、棒状部材20の断面積を減じることができるものであれば、上記圧延加工以外の処理を採用することができる。
【0030】
次に、図6および図18に示すように、棒状部材20に曲げ加工を施す。その後、図7〜図12に示すように、3段階の粗鍛成形加工を施す。この粗鍛成形加工は、金型を用いて、1tonハンマで行った。
【0031】
この粗鍛成形加工においては、図19から図21に示すように、素材内に略完全な鍛流線13が確保されるように、段階的に棒状部材20を塑性変形させる。また、粗鍛成形加工においては、鍛流線13がネック部12からフェース部11に連続して延びると共に、鍛流線13がフェース部11の打球面15に沿って層状に延在し、さらに、鍛流線13がフェース部11の打球面15側から背面16側に亘って、鍛流線13が均一に分布するように、段階的に棒状部材20を塑性変形させる。
【0032】
また、この3段階の粗鍛成形加工により、図11および図12に示すように、最終形状に近い状態にまで変形させることができるので、後述する精鍛成形加工を施すのみで、最終のゴルフクラブヘッドを成形することができる。そのため、機械加工を最終段階で追加する必要がなくなり、鍛流線13が部分的に切断されることを回避することができる。
【0033】
次に、トリミングを行った後、最終仕上げとして、精鍛成形加工を行い、図13および図14に示すように、スコアライン等の細部を成形する。以上の工程を経て、略完全な鍛流線13を確保した状態で、フェース部11とネック部12とが一体成形されたヘッド10を得ることができる。そして、このヘッド10にシャフト30等を装着して、ゴルフクラブを得ることができる。
【0034】
図22は、本実施の形態に係るゴルフクラブにおいて、ヘッド10のフェース部11を断面視した写真である。図23は、ネック部12を断面視した写真である。
【0035】
図24は、比較例のゴルフクラブにおいて、ヘッド部のフェース部を断面視した写真である。図25は、比較例のゴルフクラブにおいて、ネック部12における断面図である。
【0036】
なお、比較例に係るゴルフクラブは、本実施の形態に係るゴルフクラブの製造方法の延伸加工を行わず、始めから径が27mm程度の棒状の炭素鋼を用いる。
【0037】
そして、比較例のゴルフクラブは、この炭素鋼の端部に絞り工程と、3段階の粗鍛成形加工と、精鍛成形加工とを施して成形されている。
【0038】
ここで、図22に示すように、本実施の形態に係るゴルフクラブのフェース部11は、その断面に斑が殆どなく、フェース部11の表面層から内部に亘って、均一に鍛流線13が形成されていることが分かる。すなわち、本実施の形態に係るゴルフクラブにおいては、ヘッド10のフェース部11のみならず、ネック部12においても、鍛流線が均一にかつ高密度に形成されている。
【0039】
その一方で、図24に示すように、比較例のゴルフクラブに係るフェース部11においては、その断面に斑を見て取ることができ、鍛流線13は、フェース部11の内部より表面層側に密集して形成されていることが分かる。
【0040】
このように、本実施の形態に係るゴルフクラブは、比較例のゴルフクラブよりも、鍛流線13が均一に分布していることが分かる。さらに、本実施の形態に係るゴルフクラブにおいては、比較例のゴルフクラブと比較して、フェース部11内部における鍛流線13の密度が高くなっていることが分かる。
【0041】
図23に示すように、本実施の形態に係るゴルフクラブは、ネック部12においても、断面に斑がなく、ネック部12の表面層からネック部12の内部に亘って、均一に鍛流線13が形成されていることが分かる。
【0042】
その一方で、図25に示すように、比較例に係るゴルフクラブにおいては、ネック部12の断面において、ネック部12の中央部に、ネック部12の延在方向に鍛流線13の密度が粗となった筋部が見て取れる。このため、比較例においては、ネック部12の中央部よりも表面層側に、鍛流線13が集中していることが分かる。
【0043】
このように、本実施の形態に係るゴルフクラブのネック部12においても、比較例のゴルフクラブのネック部12よりも、ネック部12の表面層側から中央部に亘って、鍛流線13が均一に形成されていることが分かる。
【0044】
さらに、本実施の形態に係るゴルフクラブのネック部12に形成された鍛流線13の密度は、比較例のゴルフクラブのネック部12に形成された鍛流線13の密度よりも高いことが分かる。
【0045】
図26は、本実施の形態に係るゴルフクラブの硬度と、上記比較例に係るゴルフクラブの硬度とを示すグラフである。
【0046】
なお、この図26において、縦軸は、ビッカース硬度(Hv)を示す。そして、グラフ中、実線は、本実施の形態に係るゴルフクラブの各部位(P1〜P12)におけるビッカース硬度を示し、破線は、比較例に係るゴルフクラブの各部位(P21〜P32)におけるビッカース硬度を示す。
【0047】
なお、各測定部位の位置は、図27および図28に示す。ここで、上記図26に示すように、本実施の形態に係るゴルフクラブは、殆どの部位で、比較例に係るゴルフクラブよりも硬度が高いことが分かる。
【0048】
ここで、比較的、ゴルフクラブの内部に位置する部位P2、部位P3、部位P6、部位P7、部位P11、部位P12においては、本実施の形態に係るゴルフクラブの硬度と、比較例に係るゴルフクラブの硬度との差が大きくなっていることが分かる。
【0049】
特にホーゼル部における硬度差は大きく、約20(Hv)程度となっていることが分かる。
【0050】
このように、本実施の形態に係るゴルフクラブの方が、比較例よりも硬度の向上を図ることができたのは、上記のように、本実施の形態に係るゴルフクラブの鍛流線の分布密度が、比較例のゴルフクラブにおける鍛流線の分布密度よりも高く、さらに、均一に分布していることに起因するものと考えられる。
【0051】
そして、上記のように、ゴルフクラブのヘッド10の硬度の向上を図ることができるので、強度の向上も図ることができ、フェース部11およびヘッド10における肉厚の薄肉化を図ることができる。
【0052】
上記のように、フェース部11およびヘッド10の薄肉化を図ることで、ヘッド10の重心設計に活用することができる。
【0053】
具体的には、ヘッド10の重心を後方下に位置するように配置することで、スイートエリアの拡大を図ったり、スイートスポットをミートポイントに近づけるように、ヘッド10の重量バランスを設計することなどが考えられる。なお、スイートスポットとは、アイアンヘッドの重心からフェース面に垂直に下ろした線とフェース面との交点をいう。
【0054】
そして、下記表1に本実施の形態に係るゴルフクラブと、上記比較例に係るゴルフクラブ(比較品)とを用いて10名の試打者により試打したところ、8名の試打者が「打感がよい」との結果であった。下記表1にその結果を示す。
【0055】
【表1】

【0056】
なお、HCとは、ハンディキャップを意味し、H/Sとは、ヘッドスピードを意味する。フェードとは、打ったら一度、飛球線の左側に入り込み、右に曲がっていくボールを意味し、ドローとは、打ったら一度、飛球線の右側に入り込み、左に曲がっていくボールを意味する。
【0057】
このように、本実施の形態に係るゴルフクラブによれば、良好な打感を得ることができることがわかった。
【0058】
本願の発明者等は、鋭意努力の結果、打感とは、要するに打音であることを発見した。すなわち、表1で示す試打者は様々な表現で打感のよさを表現しているが、これらは全て打音のよさに起因するものである。特に、よい打感とは、周波数が比較的低く、余韻を残すように長く響く打音であることを見出した。図29は、本実施の形態に係るゴルフクラブを試打することで生じる音を計測した結果を示すグラフである。このグラフの縦軸は、音の周波数(KHz)を示し、横軸は時間(ms)を示す。そして、グラフ中の実線および破線で囲んだ領域P1,P2は、音の大きさ(デシベル(dB))が大きい領域を示す。
【0059】
この図29に示すように、本実施の形態に係るゴルフクラブを用いて打球すると、実線で囲まれた領域P1と、破線で囲まれた領域P2とで大きな音が生じることが分かる。
【0060】
破線で囲まれた領域P2の音は、ヘッドが空気を裂く音やゴルフクラブのヘッドが地面と擦れる音に起因するものであり、打球音と直接関係がないものである。その一方で、実線で囲まれた領域P1の音が、ゴルフクラブのヘッドがボールと衝突することで生じる打音を示す。
【0061】
この実線で囲まれた領域P1の音は、比較的低周波数の音域に分布しており、さらに、暫くの間、音が響いていることが分かる。
【0062】
このため、本実施の形態に係るゴルフクラブを用いて打球したときの打音は、比較的低周波数の音で、余韻を残すように長く響いており、本実施の形態に係るゴルフクラブの打感がよいという表1の結果につながっていることが分かる。
【0063】
なお、上記の実施の形態では、本発明をアイアンクラブに適用した場合について説明したが、本発明の思想は、ウッドクラブにも適用可能である。
【0064】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。さらに、上記数値などは、例示であり、上記数値および範囲にかぎられない。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、ゴルフクラブのヘッド部に好適である。
【符号の説明】
【0066】
10 ヘッド、11 フェース部、12 ネック部、13 鍛流線、15 打球面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
打球面を含むフェース部、および前記フェース部とシャフトとを接続するネック部を有するゴルフヘッドを備え、
鍛流線が前記ゴルフヘッド内に形成され、前記ゴルフヘッドの内部における前記鍛流線の密度と、前記ゴルフヘッドの表層部における前記鍛流線の密度とを同程度にした、ゴルフクラブ。
【請求項2】
前記鍛流線は、前記フェース部内において前記打球面と平行な面に沿って延びる、請求項1に記載のゴルフクラブ。
【請求項3】
棒状部材を該棒状部材の径を減じるように延伸させる延伸工程と、
前記延伸工程によって延伸された前記棒状部材の一端を他端の径より減じる絞り加工工程と、
前記棒状部材に曲げ加工を施す工程と、
前記曲げ加工後に、前記棒状部材に鍛造加工を施して、フェース部およびネック部を一体的に成形する鍛造工程と、
を備えた、ゴルフクラブの製造方法。
【請求項4】
前記延伸工程は、前記鍛流線を確保しながら、前記棒状部材の周面の少なくとも一部を鍛錬する工程を含む、請求項3に記載のゴルフクラブの製造方法。
【請求項5】
前記鍛造工程は、複数回の粗鍛成形加工を前記棒状部材に施して鍛流線を確保しながら前記棒状部材を最終形状に近づける第1鍛造加工工程と、
粗鍛成形加工後の成形品に精鍛成形加工を施して最終形状に成形する第2鍛造加工工程とを含む、請求項3に記載のゴルフクラブの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−261908(P2009−261908A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−59146(P2009−59146)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000005935)美津濃株式会社 (239)
【出願人】(302019599)ミズノ テクニクス株式会社 (47)
【Fターム(参考)】