ゴルフパター
【課題】標準パター用及び長尺・中尺等のロングパター用のシャフト長とした場合のいずれの場合でも、最適なライ角を実現することができ、必要に応じて、ヘッドのロフト角及び重量バランスをも調節することができる長尺短尺切替え式のゴルフパターの提供。
【解決手段】ゴルフパターは、長さ調節手段を有するシャフト30と、シャフト30の先端に基端が取付けられるホーゼル20と、ホーゼル20の先端に取付けられるヘッド10と、ホーゼル20またはヘッド10の少なくともいずれか一方に設けられ、ライ角を複数段階で可変調節して設定自在なライ角調節手段とを備える。ライ角調節手段は、シャフト30の長さを調節して設定したときにライ角をそのシャフト30の長さに対応するライ角に設定するようホーゼル20を介してヘッド10をシャフト30に取付ける。
【解決手段】ゴルフパターは、長さ調節手段を有するシャフト30と、シャフト30の先端に基端が取付けられるホーゼル20と、ホーゼル20の先端に取付けられるヘッド10と、ホーゼル20またはヘッド10の少なくともいずれか一方に設けられ、ライ角を複数段階で可変調節して設定自在なライ角調節手段とを備える。ライ角調節手段は、シャフト30の長さを調節して設定したときにライ角をそのシャフト30の長さに対応するライ角に設定するようホーゼル20を介してヘッド10をシャフト30に取付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフパターに関し、特に、通常のシャフト長(標準シャフト長)を有するパターのシャフトの長さを延長して長尺パター(中尺パターを含む)へと簡単に変更することができる長尺短尺切替え式のゴルフパターに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なゴルフのパター(以下、「標準パター」という。)のシャフトの長さは、31〜36インチ程度(通常は32〜35インチといわれる)であり、プレーヤの身長等に応じた長さのものが使用される。一方、近年、長尺パターや中尺パターと称するシャフトの長いパターが、パッティングやパット技術の精度を向上するために使用されてきている。この長尺パターや中尺パター(以下、「ロングパター」という。)は、ストロークの際にヘッドが低く長く動き、標準パターの場合よりもストローク時の支点が更に上方の位置になり、また、パター全体の慣性モーメントが大きくなるため、パッティング時の方向安定性が向上するという効果を期待できる。また、ロングパターは、パッティング時のプレーヤの目の位置(視点)が高くなるため、距離感をつかみやすいとも言われている。更に、一般に市販されているロングパターは、標準パターに比べて総重量が重いため、ストロークがゆっくりとなり、パターフェイスの芯でボールの芯を打ち易く、ボールの転がりが一定になるという利点もある。
【0003】
ここで、プレーヤは、ゴルフプレー時に、その日の調子等に応じて、標準パターとロングパターとを使い分けたい場合もある。例えば、標準パターを使用していたプレーヤが、冬のゴルフで手がかじかんでタッチが出にくいときや、凍結等により早いグリーンとなっているとき等に、ロングパターを使用したいと考える場合がある。しかし、この場合、プレーヤは、標準パターとロングパターという同一目的及び同一機能の2本のクラブをゴルフバッグに入れてプレー中に持ち歩く必要があり、ゴルフプレーにおけるクラブの本数制限(13本)等の点からも、1本のパターで標準パター及びロングパターの機能を発揮できれば好適である。そこで、本発明者は、標準パターのシャフトの長さを簡単に変更してロングパターとすることのできるゴルフの長尺パター用アダプタについて鋭意研究し、ゴルフのクラブのシャフトを伸縮自在とすべく、特許文献1に記載の技術を考案した。
【特許文献1】実用新案登録第3107612号公報
【0004】
特許文献1には、パターのシャフトの長さを簡単に延長できる低コストなゴルフの長尺パター用アダプタが開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の技術は、パターのシャフトの長さを伸縮自在である一方、パターのヘッドのソールとシャフトの中心軸とのなす角度であるライ角が固定されているため、例えば、パターのシャフトの長さを標準パターの長さから長尺パターの長さへと延長してパッティングすると、ヘッドのソールのトウまたはヒールが極端に浮いてしまい、このままでは正確なパッティング動作に支障をきたす可能性がある。また、パターのシャフトの長さを伸縮させることによりパッティング時のプレーヤの体勢(姿勢)及びパターの持ち方等が変化するため、インパクトロフトの調節が必要になる場合もある。よって、このままでは、パターのシャフトの長さを伸縮させるごとにライ角を調節すべく、更に場合のよってはそのロフトをも調製すべく、プレーヤ自身がパッティングの体勢及びパターの持ち方等を調節する必要がある。また、長尺パター用アダプタを取付ける等によりパターのシャフトの長さを延長すると、シャフトの長さが延長された分だけパター全体の重量バランスが変動することになり、このままでは、パッティングの際に、プレーヤのスムーズなストローク動作を妨げる可能性もある。
【0006】
そこで、本発明は、パターのシャフトの長さを簡単に変更することができると共に、ライ角を適宜調節自在とすることにより、標準パターのシャフト長とした場合及び長尺・中尺等のロングパター用のシャフト長とした場合のいずれの場合でも、最適なライ角を実現することができ、必要に応じて、ヘッドのロフト角及び重量バランスをも調節することができる長尺短尺切替え式のゴルフパターの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係るゴルフパターは、標準パター用の長さである標準長と長尺パター用の長さである拡大長との間で長さを可変調節して設定自在な長さ調節手段を有するシャフトと、前記シャフトの先端に基端が取付けられるホーゼルと、前記ホーゼルの先端に取付けられるヘッドと、前記ホーゼルまたは前記ヘッドの少なくともいずれか一方に設けられ、前記シャフトの中心軸に対する前記ヘッドのソールの交差角度であるライ角を複数段階で可変調節して設定自在なライ角調節手段とを備える。前記ライ角調節手段は、前記シャフトの長さを前記標準長に調節して設定したときにライ角を前記標準長に対応する標準用ライ角に設定するよう前記ホーゼルを介して前記ヘッドを前記シャフトに取付けると共に、前記シャフトの長さを前記拡大長に調節して設定したときに前記ライ角を前記拡大長に対応する角度であって前記標準用ライ角より大きい角度である長尺用ライ角に設定するよう前記ホーゼルを介して前記ヘッドを前記シャフトに取付ける。
【0008】
請求項2に係るゴルフパターは、請求項1の構成において、前記ライ角調節手段は、前記シャフトの下端に着脱自在に取付けられて前記シャフトの中心軸から直線的に延びる基端部と、前記ヘッドに取付けられる先端部と、前記基端部と前記先端部との間を一体に接続する屈曲部とを有すると共に、当該屈曲部の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼルにより構成する。前記複数種類のホーゼルは、少なくとも、前記基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記標準用ライ角となるよう前記屈曲部の屈曲角度を設定した標準用ホーゼルと、前記基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記長尺用角度となるよう前記屈曲部の屈曲角度を設定した長尺用ホーゼルとを含み、前記標準用ホーゼルと前記長尺用ホーゼルとを選択的に使用して前記シャフト及び前記ヘッドを互いに接続することにより、前記ライ角を前記標準用ライ角と前記長尺用ライ角との間で変更して調節する。
【0009】
請求項3に係るゴルフパターは、請求項2の構成において、前記ヘッドは、前記ホーゼルの先端部の下端に固着される基部と、前記基部の前側に着脱自在に取付けられて前記ヘッドの打面を構成する前側部と、前記基部の後側に着脱自在に取付けられる後側部とを有する。前記ヘッドは、前記後側部として、標準用重量及び標準用重心位置を有する標準用後側部と、前記標準用重量より大きい長尺用重量及び前記標準用重心位置と異なる長尺用重心位置を有する長尺用後側部とを有する。前記標準用ホーゼルの先端部の下端に固着した基部の後側には前記標準用後側部を取付けて前記ヘッドを構成すると共に、前記長尺用ホーゼルの先端部の下端に固着した基部の後側には前記長尺用後側部を取付けて前記ヘッドを構成することにより、前記シャフトの前記標準長に対応する標準用重量バランス及び前記拡大長に対応する長尺用重量バランスとの間で前記ヘッドの重量バランスを調節するようにする。
【0010】
請求項4に係るゴルフパターは、請求項2の構成において、前記ヘッドは、当該ヘッドの前側に着脱自在に取付けられて打面を構成する前側部を備え、前記前側部として、少なくともロフト角及び打面形状のいずれか一つを相違させた複数種類の前側部を有し、前記複数種類の前側部を選択的に使用して前記基部の前側に取付けて前記ヘッドを構成することにより、前記ヘッドの打面構成を変更自在とする。
【0011】
請求項5に係るゴルフパターは、請求項2の構成において、前記ヘッドとして、前記ホーゼルの下端に着脱自在に取付けられると共に標準用重量及び標準用重心位置を有する標準用ヘッドと、前記ホーゼルの下端に着脱自在に取付けられると共に前記標準用重量より大きい長尺用重量及び前記標準用重心位置と異なる長尺用重心位置を有する長尺用ヘッドとを用意する。前記標準用ヘッドと前記長尺用ヘッドとを選択的に使用して前記ホーゼルの下端に取付けることにより、前記シャフトの前記標準長に対応する標準用重量バランス及び前記拡大長に対応する長尺用重量バランスとの間で前記ヘッドの重量バランスを調節する。
【0012】
請求項6に係るゴルフパターは、請求項5の構成において、前記ヘッドは、前記ホーゼルの下端部を挿着する挿着孔を有すると共に、前記挿着孔をヘッドの長さ方向に複数形成し、前記ホーゼルの下端部を前記複数の挿着孔のいずれかに選択的に装着することにより、前記ヘッドの有効打面範囲を変更自在とする。
【0013】
請求項7に係るゴルフパターは、請求項2の構成において、前記ヘッドは、前記ホーゼルの先端部の下端に一体的に固着される後側部と、前記後側部の前側に着脱自在に取付けられて前記ヘッドの打面を構成する前側部とを有する。前記ヘッドは、前記後側部として、標準用重量及び標準用重心位置を有する標準用後側部と、前記標準用重量より大きい長尺用重量及び前記標準用重心位置と異なる長尺用重心位置を有する長尺用後側部とを有する。前記標準用ホーゼルの先端部の下端には前記標準用後側部を取付けると共に、前記長尺用ホーゼルの先端部の下端には前記長尺用後側部を取付けることにより、前記シャフトの前記標準長に対応する標準用重量バランス及び前記拡大長に対応する長尺用重量バランスとの間で前記ヘッドの重量バランスを調節する。
【0014】
請求項8に係るゴルフパターは、請求項1の構成において、前記前記ライ角調節手段は、前記ヘッドに形成され、前記ホーゼルの下端部を挿入して着脱自在に取付けると共に、前記ホーゼルの下端部の挿入角度を相違させた複数の挿着孔により構成する。前記ヘッドの複数の挿着孔は、少なくとも、前記ホーゼルの基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記標準用ライ角となるよう前記挿入角度を設定した標準用挿着孔と、前記ホーゼルの基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記長尺用角度となるよう前記挿入角度を設定した長尺用挿着孔とを含み、前記標準用挿着孔と前記長尺用挿着孔とを選択的に使用して、前記シャフトを前記ホーゼルを介して前記ヘッドに接続することにより、前記ライ角を前記標準用ライ角と前記長尺用ライ角との間で変更して調節する。
【0015】
請求項9に係るゴルフパターは、上面で開口して内部へと延びる複数の挿着孔を所定間隔で配置したヘッドと、標準パター用の長さである標準長と長尺パター用の長さである拡大長との間で長さを可変調節して設定自在な長さ調節手段を有するシャフトと、前記シャフトの下端に着脱自在に取付けられる基端部と、前記ヘッドの挿着孔に着脱自在に取付けられる先端部と、前記基端部と前記先端部との間を一体に接続する屈曲部とを有するホーゼルとを備える。前記ホーゼルとしては、前記屈曲部の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼルを備える。また、前記複数種類のホーゼルを、少なくとも、前記基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記シャフトの標準長に対応する標準用ライ角となるよう前記屈曲部の屈曲角度を設定した標準用ホーゼルと、前記基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記シャフトの長尺長に対応する長尺用ライ角となるよう前記屈曲部の屈曲角度を設定した長尺用ホーゼルとから構成し手いる。更に、前記複数種類のホーゼルのいずれかを選択すると共に、前記ヘッドの複数の挿着孔のいずれかを選択し、当該選択したホーゼルを当該選択したヘッドの挿着孔に挿着することにより、前記シャフトの中心軸に対する前記ヘッドのソールの交差角度であるライ角を、前記標準用ライ角及び前記長尺用ライ角を少なくとも含む複数のライ角のうちの任意のライ角に可変調節して設定自在としている。
【0016】
請求項10に係るゴルフパターは、請求項9の構成において、前記ヘッドの挿着孔として、当該ヘッドの上面の長さ方向一側の略半部に、前記標準用ホーゼル及び前記長尺用ホーゼルを含む前記複数種類のホーゼルを選択的に挿着自在な複数の右打用挿着孔を設けると共に、当該ヘッドの上面の長さ方向他側の略半部に、前記標準用ホーゼル及び前記長尺用ホーゼルを含む前記複数種類のホーゼルを選択的に挿着自在な複数の左打用挿着孔を設けている。また、前記複数種類のホーゼルのいずれかを選択すると共に、前記ヘッドの複数の右打用挿着孔のいずれかを選択し、当該選択したホーゼルを当該選択したヘッドの右打用挿着孔に挿着することにより、前記ライ角を右打プレーヤ用の前記標準用ライ角及び前記長尺用ライ角を含む複数のライ角のうちの任意のライ角に可変調節して設定自在とすると共に、前記複数種類のホーゼルのいずれかを選択すると共に、前記ヘッドの複数の左打用挿着孔のいずれかを選択し、当該選択したホーゼルを当該選択したヘッドの左打用挿着孔に挿着することにより、前記ライ角を左打プレーヤ用の前記標準用ライ角及び前記長尺用ライ角を含む複数のライ角のうちの任意のライ角に可変調節して設定自在としている。
【0017】
請求項11に係るゴルフパターは、請求項9または10の構成において、前記シャフトの中心軸の延長線上に前記ヘッドの重心位置がくるよう、前記ヘッドにおける複数の挿着孔の位置と前記複数種類のホーゼルの各々の傾斜角度とを設定している。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係るゴルフパターは、パターのシャフトの長さを簡単に変更することができると共に、ライ角を適宜調節自在とすることにより、標準パターのシャフト長とした場合及び長尺・中尺等のロングパター用のシャフト長とした場合のいずれの場合でも、最適なライ角を実現することができる。
【0019】
請求項2に係るゴルフパターは、請求項1の効果に加え、ホーゼルを交換するだけで、簡単にライ角を調節することができる。
【0020】
請求項3に係るゴルフパターは、請求項2の効果に加え、ヘッドの後側部交換により全体重量及び重心位置(重心深度)を調節可能であるため、シャフトの長さに応じた最適な操作性を実現することができる。
【0021】
請求項4に係るゴルフパターは、請求項2の効果に加え、ヘッドの前側部交換により打面構成(ロフト角、フェイス溝の位置及び数等)を調節可能であるため、シャフトの長さに応じた最適な操作性を実現することができる。
【0022】
請求項5に係るゴルフパターは、請求項2の効果に加え、ヘッドの全体交換により全体重量及び重心位置(重心深度)を調節可能であるため、シャフトの長さに応じた最適な操作性を実現することができる。また、複数種類のヘッドにおいて打面構成をも相違させることで、打面構成の変更も可能となる。
【0023】
請求項6に係るゴルフパターは、請求項5の効果に加え、挿着孔を選択することで重心位置(重心深度)を調節可能であるため、シャフトの長さに応じた最適な操作性を実現することができる。
【0024】
請求項7に係るゴルフパターは、請求項2の効果に加え、ヘッドと一体になっているホーゼルを交換することにより全体重量及び重心位置(重心深度)を調節可能であるため、シャフトの長さに応じた最適な操作性を実現することができる。
【0025】
請求項8に係るゴルフパターは、請求項1の効果に加え、ヘッドの挿着孔選択により簡単にライ角を調節することができる。また、ヘッドに挿着孔を複数形成するだけの簡単な構成でライ角調節を実現でき、かつ、ホーゼル自体を複数用意する必要がなく、従来の構成のまま使用することができるため、安価な構成とすることができる。
【0026】
請求項9に係るゴルフパターは、請求項1の効果と同様の効果に加え、ホーゼルを交換していずれかの挿着孔に挿着するだけで、標準用、長尺用等のパターに対応する任意のライ角を自動的に得ることができ、必要な部品点数を削減でき、コンパクトな構成とすることができる。
【0027】
請求項10に係るゴルフパターは、請求項9の効果に加え、単一のヘッドを使用して右打及び左打の場合に対応することができる。
【0028】
請求項11に係るゴルフパターは、請求項9または10の効果に加え、ホーゼルをヘッドに挿着するだけで、自動的にシャフトの延長線がヘッドの重心位置に配置され、理想的なパッティング操作が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素または部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0030】
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。図2は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのシャフトの長さ調節手段を示す側面図である。図3は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す側面図である。図4は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す平面図である。
【0031】
図1に示すように、実施の形態1に係るゴルフパターは、ヘッド10、ホーゼル20及びシャフト30を備えている。ヘッド10は、基部11、前側部12及び後側部13に3分割されている。詳細には、基部11は、長さ方向(図中水平方向)に延びる延設部11aと、延設部11aの両端から垂下する一対の垂下部11bとからなるコ字板状をなしている。基部11の両垂下部11b間の開放端を下方に向けた状態で、延設部11aの一端側の位置に、前記ホーゼル20の下端が溶接や接着等により離脱不能に一体的に固着されている。なお、基部11へのホーゼル20の取付位置(固着位置)は、通常の標準パターまたはロングパターにおけるヘッドの長さ方向におけるホーゼルの固定位置と同様とすることができる。また、ホーゼル20は、その下端部に直径方向に延びるスリット23aを形成し、このスリット23aを基部11に密嵌して固着している。よって、ホーゼル20の下端部の半径方向一側(スリット23aより前側)が基部11の前面から前方へと半円形状に突出すると共に、半径方向他側(スリット23aより後側)が基部11の後面から後方へと半円形状に突出している。更に、基部11には、延設部11aの長さ方向両端付近の位置と、各垂下部11bの下端付近の位置に、それぞれ、小径の円形状をなす挿通孔11cが厚さ方向に貫通形成されている。次に、前側部12は、連結面12aの内側に凹部12bを形成した四角板状をなしている。連結面12aの外形寸法は、コ字状の基部11の外形寸法と同一寸法(幅及び長さ)となっている。また、前側部12の連結面12aにおいて前記基部11の挿通孔11cと対応する位置(連結時に整合する各位置)には、それぞれ、略同一直径のねじ孔12cが、前側部12の厚さ方向途中の位置まで形成されている。更に、前側部12の後面となる連結面12aの上端側で長さ方向(図中水平方向)に延びる部分には、前記基部11におけるホーゼル20の取付位置と対応する位置に、ホーゼル20の下端部の前記前側の半円状の突出部分の外形と対応する半円形状の収容凹部12dが形成されている。また、前側部12の前面は、所定の溝等が形成されたフェイス面(打面)12eとなっている。次に、後側部13は、連結部13aの後面の下側に突出部13bを一体形成したマレット形状をなしている。連結部13aの外形寸法は、コ字状の基部11の外形寸法と同一寸法(幅及び長さ)となっている。また、後側部13の連結部13a及び突出部13bにおいて前記基部11の挿通孔11cと対応する位置(連結時に整合する各位置)には、それぞれ、略同一直径の挿通孔13cが厚さ方向に貫通形成されている。更に、後側部13の前面の上端側には、前記基部11におけるホーゼル20の取付位置と対応する位置に、ホーゼル20の下端部の前記後側の半円状の突出部分の外形と対応する半円形状の収容凹部13dが形成されている。
【0032】
前記基部11の前面及び後面に前側部12及び後側部13の外形を合致させてそれぞれ密接配置して、各々の挿通孔11c,13c及びねじ孔12cを互いに整合し、後側部13の挿通孔13cから基部11の挿通孔11cを通して前側部のねじ孔12cにねじ14を螺入することにより、基部11の前面及び後面に前側部12及び後側部13をそれぞれ着脱自在に固定するようになっている。このとき、前側部12の収容凹部12d及び後側部13の収容凹部13dが、ホーゼル20の下端部の外周面に隙間なく密接するようになっている。これにより、基部11の前側に前側部12が着脱自在に取付けられてヘッド10の打面を構成すると共に、基部11の後側に後側部13が着脱自在に取付けられて、それらが一体となってヘッド10を構成するようになっている。なお、ヘッド10を構成する基部11、前側部12及び後側部13は、通常のヘッド材料(スチール等)により形成される。
【0033】
ホーゼル20は、直線円筒状の基端部21と、クランク筒状の屈曲部22と、直線円筒状の先端部23とを有し、上記のように、先端部23の下端部の直径方向両側に前記スリット23aを形成して、スリット23aを介してヘッド10の基部11の所定位置に一体的に取付けて固着されるものである。また、ホーゼル20の屈曲部22は、基端部21と先端部23との間の長さ方向略中央付近に設けられ、それらを一体的に接続している。更に、ホーゼル20は、基端部21の上端を円形に開口して円形のシャフト孔21aを設けている。ホーゼル20のシャフト孔21aの内径はシャフト30の下端の外径と同一径とされ、ホーゼル20のシャフト孔21aから基端部21内にシャフト30の下端部を挿入して嵌合することにより、ホーゼル20をシャフト30の下端に着脱自在に取付けるようになっている。即ち、ホーゼル20は、基端部21のシャフト孔21aを介してシャフト30の下端に着脱自在に取付けられ、その基端部21がシャフト30の中心軸から下方へと直線的に延びている。一方、ホーゼル20の屈曲部22は、図3及び図4に示すように、前方(ヘッド10の打面12e側)へとクランク状に屈曲すると共に、図5に示すように、ヘッド10のソールのヒール側へと所定角度で屈曲し、ゴルフパターのライ角θを決定するようになっている。
【0034】
シャフト30は、図2に示すように、標準パター用の長さである標準長と、長尺パター(中尺パターを含む)用の長さである拡大長(中尺長、長尺長)との間で、伸縮構造またはアダプタ取付構造等により、長さを可変調節して設定自在な長さ調節手段を有する。詳細には、シャフト30は、円筒状の基部31を有し、基部31の上端に円形の開口32を形成している。また、シャフト30は、基部31の内径と同一の外径を有し、開口32から内部へと同軸状に挿入して着脱自在及びスライド自在とされる円筒状の挿入部33を有している。更に、シャフト30は、挿入部33の上端に、膨出リング状の区画部34を介して、グリップ部35を同軸状に一体形成している。なお、グリップ部35の上端には円形蓋状の止部36が取付けられている。シャフト30は、挿入部33を基部31の内部に所望の深さだけ挿入して、その位置に位置決めして保持自在となっている。例えば、シャフト30は、標準長、長尺長の2段階や、標準長、中尺長、長尺長の3段階で、挿入部33を基部31の内部に所望の深さだけ挿入して、その位置に位置決めして保持自在となっており、これにより、シャフト30全体の長さを所定の複数段階の長さのいずれかに選択的に調節して、ゴルフパターの長さを所定の複数段階の長さのいずれかに選択的に調節自在となっている。なお、シャフト30は、上記3段階以上の段階で長さを調節自在としたり、使用者の好みの任意の長さとなるよう連続的に長さ調節自在としたりすることもできる。また、かかるシャフトの長さ調節手段としては、本出願人の実用新案登録第3107612号公報に記載の技術を好適に使用することができる。
【0035】
ここで、ホーゼル20には、実施の形態1のシャフト30の中心軸に対するヘッド10のソールの交差角度であるライ角θを複数段階で可変調節して設定自在なライ角調節手段が設けられている。詳細には、実施の形態1では、屈曲部22の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼル20を予め製作して用意し、その中から、シャフト長さに応じたライ角を形成するホーゼル20を選択して、当該ホーゼル20によりヘッド10とシャフト30とを所定の連結角度で連結するようになっている。なお、ホーゼル20は、屈曲部22をヘッド10のソールの長さ方向(図1の矢印BAの方向)に所定の屈曲角度で屈曲させたものであり、かかる屈曲角度を相違させたものが複数用意されている。これにより、シャフト30の長さを前記標準長に調節して設定したときに、ライ角θを当該標準長に対応する標準用ライ角(例えば、63〜71度)に設定するようホーゼル20を介してヘッド10をシャフト30に取付ける。また、シャフト30の長さを前記拡大長に調節して設定したときに、ライ角θを当該拡大長に対応する角度であって前記標準用ライ角より大きい角度である長尺用ライ角(例えば、72〜80度)に設定するようホーゼル20を介してヘッド10をシャフト30に取付ける。より詳細には、前記複数種類のホーゼル20は、少なくとも、基端部21の延長線のヘッド10のソールに対する交差角度が前記標準用ライ角となるよう屈曲部22の屈曲角度を設定した標準用ホーゼル20と、基端部21の延長線のヘッド10のソールに対する交差角度が前記長尺用角度となるよう屈曲部22の屈曲角度を設定した長尺用ホーゼルとを含む。そして、標準用ホーゼル20と長尺用ホーゼル20とを選択的に使用してシャフト30及びヘッド10を互いに接続することにより、ライ角θを標準用ライ角と長尺用ライ角との間で変更して調節するようにしている。
【0036】
図5は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのライ角調節手段としてのホーゼルを交換することによりライ角を複数段階で調節する場合を説明する説明図であり、(a)はライ角を標準用ライ角とした場合を、(b)はライ角を短尺側の中尺用ライ角とした場合を、(c)はライ角を長尺側の中尺用ライ角とした場合を、(d)はライ角を長尺用ライ角とした場合を示す。
標準用パターの場合、一般に、シャフト長が32〜35インチ(標準長)の範囲となるため、かかるシャフト長に対応する標準用ライ角θ1は、図5(a)に示すように、61〜72度の範囲(通常は67〜72度の範囲)とすることが好ましい。次に、ロングパターとしての中尺パターは、短尺側と長尺側とに分けることができ、中尺パターの短尺側は、一般に、シャフト長が36〜39インチ(中尺長)の範囲となるため、かかるシャフト長に対応する短尺側の中尺用ライ角θ2は、図5(b)に示すように、72〜73度の範囲とすることが好ましい。一方、中尺パターのうちの長尺側(通常の中尺パターと呼ばれるもの)は、一般に、シャフト長が40〜45インチ(中尺長)の範囲となるため、かかるシャフト長に対応する長尺側の中尺用ライ角θ3は、図5(c)に示すように、73度〜75度の範囲とすることが好ましい。最後に、長尺用パターは、一般に、シャフト長が46〜50インチ(長尺長)の範囲となるため、かかるシャフト長に対応する長尺用ライ角θ4は、図5(d)に示すように、78〜80度の範囲とすることが好ましい。よって、図5に示す事例の場合、ホーゼル20として、上記標準用ライ角θ1、短尺側の中尺用ライ角θ2、長尺側の中尺用ライ角θ3及び長尺用ライ角θ4を得るように屈曲部22の左右方向(ヘッドのソールの長さ方向)の屈曲角度を段階的(4段階)に相違させた合計4種類のホーゼル20を用意し、シャフト30の長さ変更に合わせてそのうちのいずれかのホーゼル20を選択的に交換使用するようにしている。
【0037】
図6は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのホーゼルの屈曲部の屈曲角度とライ角との関係を示す説明図であり、(a)はホーゼルの屈曲部を1段屈曲状(く字状)とした場合を示し、(b)はホーゼルの屈曲部を2段屈曲状(クランク状)とした場合を示す。図6(a)に示すように、基端部21と先端部23との間で1回のみ屈曲する単純屈曲形状(く字状)の屈曲部22を有するホーゼルの場合、屈曲部22の屈曲角度Xは、ヘッド10のソールに対するシャフト30の傾斜角(ホーゼルの基端部21の延長線の傾斜角)であるライ角θと、ヘッド10のソールに対するホーゼルの先端部23の傾斜角α(通常は90度)の合計の角度(X=α+θ)となる。よって、ライ角θが、上記標準用ライ角θ1、中尺用ライ角θ2、中尺用ライ角θ3、長尺用ライ角θ4となるよう、ホーゼルの先端部23の傾斜角αに基づき、屈曲部22の屈曲角度X(=α+θ)を設定した4種類のホーゼル20を作成して交換使用するようにする。一方、図6(b)に示すように、基端部21と先端部23との間で2回屈曲する屈曲形状(クランク状)の屈曲部22を有するホーゼルの場合、屈曲部22の全体の屈曲角度Xは、先端部23側の屈曲角度X1と基端部21側の屈曲角度X2とにより決定される(X=X1−(180−X2))。そして、このように決定される全体の屈曲角度Xが、ヘッド10のソールに対するシャフト30の傾斜角(ホーゼルの基端部21の延長線の傾斜角)であるライ角θと、ヘッド10のソールに対するホーゼルの先端部23の傾斜角α(通常は90度)の合計の角度(X=α+θ)となる。よって、ライ角θが、上記標準用ライ角θ1、中尺用ライ角θ2、中尺用ライ角θ3、長尺用ライ角θ4となるよう、ホーゼルの先端部23の傾斜角αに基づき、屈曲部22の屈曲角度X(=α+θ)を得るように先端部23側の屈曲角度X1と基端部21側の屈曲角度X2との任意の組合せを設定した4種類のホーゼル20を作成して交換使用するようにする。
【0038】
図3に示すように、ヘッド10の前側部12のフェイス面12eは、ヘッド10のソール面(図3中の下面)と直交する垂直面ではなく、所定のロフト角βで若干後方に傾斜する傾斜面とされている。なお、図3では、説明の便宜上、前側部12のフェイス面12eが極端に大きいロフト角を有しているが、通常は、数度程度のロフト角を有している。ここで、実施の形態1に係るゴルフパターでは、ヘッド10は、基部11に対して前側部12及び後側部13を組み付けて構成するため、前側部11及び後側部13として、シャフト30の長さ(標準長、中尺長、長尺長)に応じて、形状、重量、素材、重心位置、重量バランス等を相違させた複数種類のものを用意し、それらをシャフト30の長さ変更に合わせて交換自在としている。即ち、ヘッド10は、前側部12として、少なくともロフト角及び打面形状(溝形状)のいずれか一つを相違させた複数種類の前側部12を別個に製作して用意しており、複数種類の前側部12を選択的に使用して基部11の前側に取付けてヘッド10を構成することにより、ヘッド10の打面構成を変更及び調節自在としている。例えば、シャフト30の長さを標準長から拡大長へと変更するとともに、シャフト長に応じたロフト角を有する前側部12に交換することで最適な操作性を実現することができる。また、同時に、前側部12のフェイス面12eの形状の違うもの、例えば、フェイス溝の位置や数が異なったものと交換することでより最適な操作性を実現することができる。更に、前側部12をフェイス面12eの材質の違うものと交換することにより、ヘッド10の全体重量やインパクト時のボールタッチを調節可能となる。
【0039】
一方、ヘッド10は、後側部13として、標準用重量及び標準用重心位置を有する標準用後側部13と、前記標準用重量より大きい長尺用重量及び前記標準用重心位置と異なる長尺用重心位置を有する長尺用後側部13とを別個に製作して用意している。そして、前記標準用ホーゼル20の先端部23の下端に固着した基部11の後側には、前記標準用後側部13を取付けてヘッド10を構成し、シャフト30の標準長に対応する標準用重量バランスを得るようにしている。一方、前記長尺用ホーゼル20の先端部23の下端に固着した基部11の後側には、前記長尺用後側部13を取付けてヘッド10を構成し、シャフト30の拡大長に対応する長尺用重量バランスを得るようにしている。これにより、シャフト30の標準長に対応する標準用重量バランス及び前記拡大長に対応する長尺用重量バランスとの間でヘッド10の重量バランスを調節するようにすることができる。具体的には、ヘッド10の後側部13を交換することにより、ヘッド10の全体重量及び重心位置(重心深度)を調節可能であるため、シャフト長に応じた適切な操作性を実現することができる。例えば、後側部13として、トンカチ型またはマレット型(重心深度が深いタイプのゴルフパター)と同様な形状のものに交換することにより、ヘッド10の重心深度を深くすることができ、深い重心深度を必要とするシャフト長(例えば、長尺パターの場合)のシャフト30と組み合わせることで、最適な操作性を実現することができる。このように、標準用後側部13、中尺用後側部または長尺用後側部13を選択的に使用してヘッド10の全体重量及び重心位置(重心深度)を調節することにより、例えば、シャフト長を標準長から拡大長(中尺長、長尺長)へ変更するとともに、ゴルフパターの重量バランスを調節することができる。したがって、プレーヤの最適なフィーリングや操作性に合わせた変更が可能となる。なお、ヘッド10の基部11もホーゼル20に対して着脱自在とすることにより、基部11を交換して重量や重心位置を調節するようにしてもよい。
【0040】
加えて、ホーゼル20のシャフト孔21a内には、図4に示すように、シャフト孔21aと同一外径の円柱状(断面円形の棒状)をなす鉛等の素材からなる調節部材25を着脱自在に挿着し、シャフト30の長さ調節手段によりゴルフパターを標準長、中尺長及び長尺長の間で長さ調節したときに、シャフト30の全体重量や重量バランス等を調整するようにしてもよい。また、かかる調節部材25は、ホーゼル20のシャフト孔21aからホーゼル20内にのみ延設してもよいが、下部をホーゼル20内部に延設すると共に上部をシャフト30の下端開口からその内部へと上方に所定距離延びるよう延設してもよい。或いは、シャフト30にのみ、下端開口からその内部へと上方に所定距離延びるよう延設してもよい。かかる調節部材は、ゴルフパターを標準長、中尺長または長尺長としたときにシャフト重量や重量バランスが最適重量・重量バランスとなるように長さや重量を設定した異なる種類のものをそれぞれ用意し、シャフト30の長さ変更に合わせて所定のものを使用する。
【0041】
ここで、後側部13には、前側部12の凹部12bと同様、前面側に開口する凹部を形成して中空状としてもよいが、後側部13を中実としてもよい。或いは、前側部12は、凹部12bを有しない中実状としてもよい。或いは、前側部12の凹部12b及び後側部13の凹部の少なくともいずれか一方に、同一素材または合成樹脂、鉛、合金等の別素材からなる調節部材を重量や重量バランスの調節用として充填してもよい。この場合、調節部材は、前側部12の凹部12bや後側部13の凹部に一体的に固定してもよい。しかし、調節部材を着脱自在に取付るようにすれば、シャフト30を標準長、中尺長、長尺長間で変更して交換するときに、調節部材の形状、材質、重量、取付位置等を適宜調節することで、ヘッド10の全体重量や重心位置や重心深度等を調節することができる。また、基部11は、図示のコ字状とする以外に、長方形板状とすることもできる。しかし、基部11をコ字状として開放部分を設けると、基部11の開放部分を介して、単一の前記調節部材を前側部11から後側部13へとわたって連続的に取付けることができ、ヘッド10の重心調整等の点でより好ましい。
【0042】
更に、基部11に対して前側部12及び後側部13をねじ14により着脱自在に固着する以外にも、基部11の前面及び後面と前側部12の後面及び後側部13の前面とにおいて互いに対向する位置または部位に、それぞれ、互いに密嵌または挿着により凹凸の関係で係合固定自在となる凸部及び凹部を一体形成等により設け、当該凸部と凹部との係合により基部11に対して前側部12及び後側部13を着脱自在に固着するようにしてもよい。或いは、基部11、前側部12及び後側部13を磁性体とし、基部11に対して前側部12及び後側部13を磁力により着脱自在に固着するようにしてもよい。或いは、上記凸部及び凹部により係合と磁力とを組み合わせて、基部11に対して前側部12及び後側部13をねじ14により着脱自在に固着するようにしてもよい。即ち、基部11に対して前側部12及び後側部13を簡単に着脱自在とする限りにおいて、ねじ以外の任意の締結部材や、締結部材以外の任意の連結手段を使用することができる。また、基部11を前側部12及び後側部13より小さい外形寸法として、前側部11に形成した凹部12bや後側部13に形成した凹部内に密嵌して完全に収容し、ヘッド10の連結組立て時に、前側部12の後面と後側部13の前面とが互いに密接するようにしてもよい。こうすると、ヘッド10を3ピース構成とする一方で、その外観を2ピース状とすることができる。
【0043】
そして、ヘッド10の基部12は、標準用ホーゼル20の下端に固着されるものと長尺用ホーゼル20の下端に固着されるものとで同一構成とし、ヘッド10は、後側部13として、シャフト30の長さを標準長に設定したときのヘッド10全体の重量バランスに対応する標準用重量及び標準用重心位置を有する標準用後側部13と、シャフト10の長さを拡大長に設定したときのヘッド10の重量バランスに対応する重量及び重心深度であって標準用重量より大きい長尺用重量及び標準用重心位置と異なる長尺用重心位置を有する長尺用後側部13とを有している。標準用後側部13と長尺用後側部13とを選択的に使用して基部12の後側に取付けて、即ち、標準用ホーゼル20の先端部の下端に固着した基部12の後側には標準用後側部13を取付けてヘッド10を構成すると共に、長尺用ホーゼル20の先端部の下端に固着した基部12の後側には長尺用後側部13を取付けてヘッド10を構成することにより、シャフト30の標準長に対応する標準用重量バランス及び拡大長に対応する長尺用重量バランスとの間でヘッド10の重量バランスを調節している。
【0044】
実施の形態2
図7は本発明の実施の形態2に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
図7に示すように、実施の形態2に係るゴルフパターは、ヘッド110として、実施の形態1のような3分割・組立式のものではなく、一体型のものを使用している。ヘッド110としては、略角柱形状、略直方体状、L型、ピンアンサー型、マレット型、キャッシュイン型等とすることができる。詳細には、ヘッド110は、上面にホーゼル用の大径のねじ孔111を下方へと延びるよう形成すると共に、ねじ孔111の左右両側(ヘッド110の長さ方向両側)に一対の小径のねじ孔112を下方へと延びるよう形成している。一方、ホーゼル120は、実施の形態1のホーゼル20の基端部21、屈曲部22及び先端部23と同様の、基端部121、屈曲部122及び先端部123を一体的に有し、基端部121の上端の円形の開口121aにシャフト30の下端部を着脱自在に取付けるようになっている。また、ホーゼル120は、先端部123の下端に、取付フランジ124を介して、雄螺子124を同軸状となるよう一体形成している。取付フランジ124は、先端部123と取付フランジ124との境界部分から放射方向に突出する一対の帯板状乃至長方形板状をなし、各々の突出部分に小径の挿通孔124aを貫通形成している。そして、ホーゼル120の雄螺子125をヘッド110のねじ孔111に螺入すると共に、取付フランジ124の挿通孔124aを介してヘッド110のねじ孔112にねじ14を螺入することにより、ホーゼル120の下端にヘッド110を着脱自在に取付けるようになっている。ここで、ホーゼル120の雄螺子124をヘッド110のねじ孔111に完全に螺入したときに、取付フランジ124の挿通孔124aがヘッド110のねじ孔112と整合するよう、雄螺子124及びヘッドのねじ孔111のねじのピッチや深さが設定されている。なお、ホーゼル120の先端部123の下端に雄螺子124を形成するのではなく、雄螺子124部分を円筒状の挿着部として形成すると共に、当該挿着部の外径と同一の円形断面の挿着孔をヘッド110の上面から下方へと形成し、前記ホーゼル120の挿着部をヘッド110の挿着孔に挿着した後、取付フランジ124をねじ14によりヘッド110にねじ止めして、ホーゼル120の下端にヘッド110を着脱自在に取付けるようにしてもよい。
【0045】
ここで、実施の形態2に係るゴルフパターは、実施の形態1のホーゼル20と同様、屈曲部122の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼル120を別個に製作して用意し、シャフト長の変更調節に対応して、所定のホーゼル120を交換使用するようにしている。更に、実施の形態2に係るゴルフパターは、ヘッド110として、標準用ヘッド110と中尺用ヘッド110と長尺用ヘッド110とを別個に製作して用意している。標準用ヘッド110は、シャフト30の長さを標準長に設定したときのヘッド110全体の重量バランスに対応する標準用重量及び標準用重心位置を有するものである。また、中尺用ヘッド110は、シャフト30の長さを拡大長のうちの中尺長に設定したときのヘッド110全体の重量バランスに対応する重量及び重心深度であって、標準用重量より大きい中尺用重量及び前記標準用重心位置と異なる中尺用重心位置を有するものである。更に、長尺用ヘッド110は、シャフト30の長さを拡大長のうちの長尺長に設定したときのヘッド110の重量バランスに対応する重量及び重心深度であって、標準用重量及び/または中尺用重量より大きい長尺用重量並びに前記標準用重心位置及び/または中尺用重心位置と異なる長尺用重心位置を有するものである。そして、実施の形態2に係るゴルフパターは、標準用ヘッド110と中尺用ヘッド110と長尺用ヘッド110とを選択的に使用してホーゼル120の下端に取付けることにより、シャフト30の標準長に対応する標準用重量バランス、シャフト30の中尺長に対応する中尺用重量バランス及び長尺長に対応する長尺用重量バランスとの間でヘッド110の重量バランスを調節するようにしている。このように、実施の形態2に係るゴルフパターは、ヘッド110全体を交換することにより簡単に全体重量及び重心位置(重心深度)を調節可能で、シャフト長に応じたヘッド110に交換することで最適な操作性を実現することができる。また、ヘッド110は、複数種類のヘッドにおいて打面構成をも相違させることで、打面構成の変更をも簡単に行うことができる。
【0046】
ここで、ヘッド110は、前記ねじ孔(または挿着孔)111を、ヘッド110の長さ方向に複数形成したものとしてもよい。こうすると、ホーゼル120の雄螺子(または挿着部)125を当該ヘッド110の複数のねじ孔(または挿着孔)111のいずれかに選択的に螺入(または挿着)することにより、ヘッド110の有効打面範囲を変更自在とすることができる。この場合、ヘッド110のねじ孔(または挿着孔)111は、シャフト30を標準長及び拡大長(中尺長、長尺状)間で交換するのに応じて、そのうちのいずれかを選択的に使用するようにしてもよい。いずれの場合も、パッティング時のヘッド110の好適なインパクト範囲(有効打面)が変化する。例えば、ヘッド110の長さ方向のトウ側のねじ孔(または挿着孔)111またはヒール側のねじ孔(または挿着孔)111にホーゼル120を取付けた場合、ヘッド110の有効打面は、ヘッド110の重心位置とシャフト30の中心軸の延長線との間の広い範囲となる。一方、例えば、ヘッド110の中央のねじ孔(または挿着孔)111にホーゼル120を取付けた場合、有効打面は、ヘッド110の重心位置とシャフト30の中心軸の延長線との間の狭い範囲となる。トウ側またはヒール側のねじ孔(または挿着孔)111を使用した場合にはヘッド110の有効打面は広くなるが、パッティングのストローク中にフェイス面が開き易くなる。一方、ヘッド110の中央のねじ孔(または挿着孔)111を使用した場合にはパッティングのストローク中にヘッド110のフェイス面が開くことはないが、有効打面が小さくなる。なお、使用しないヘッド110のねじ孔(挿着孔)111には、同一形状のプラグ部材を着脱自在に充填するようにしてもよい。
【0047】
ここで、ゴルフパターのシャフト長を拡大長としてロングパターとした場合、一般に、プレーヤは、パッティングの際に左手を支点として右手だけでゴルフパターを操作することになる。また、このとき、シャフト長が拡大長となり、かつ、ヘッド110交換により全体重量が大きくなるため、慣性モーメントが比較的大きく働くことになり、ストロークがゆっくりとなり安定する。よって、この場合、プレーヤは、的確にヘッド110の有効打面中心付近でゴルフボールをインパクトすることができるため、有効打面は小さくともストローク中にフェイス面が開きにくくなる中央のねじ孔(挿入孔)111を使用することが好ましい。一方、ゴルフパターのシャフト長を標準長として標準パターとした場合、一般的なプレーヤでは、パッティング時に有効打面中心を外す可能性があるため、有効打面を大きくできるトウ側またはヒール側のねじ孔(挿着孔)111を使用することが好ましい。このようにしたゴルフパターは、ヘッド110の3個のねじ孔(挿着孔)111のいずれかを選択的に使用することで、シャフト長に応じた最適な操作性を実現することができる。
【0048】
実施の形態3
図8は本発明の実施の形態3に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
図8に示すように、実施の形態3に係るゴルフパターは、実施の形態2のホーゼル120から取付フランジ124を省略し、雄螺子125をヘッド110のねじ孔111に螺入することのみにより、ホーゼル120の下端にヘッド110を着脱自在に取付けるものである。
【0049】
実施の形態4
図9は本発明の実施の形態4に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
図9に示すように、実施の形態4に係るゴルフパターは、ヘッド210として、実施の形態2と同様の一体型のものを使用している。詳細には、ヘッド210は、水平方向(ヘッド210の長さ方向)に延びるスリット状(横長長方形状)の挿着孔211を、その後面から前方へと延びるよう形成している。ヘッド210の挿着孔211は、長方形板状の凹部空間となっている。また、ヘッド210は、挿着孔211の上端中央に四分円弧状の断面を有して左右方向に延びる保持凹部212を形成している。更に、ヘッド210は、上面において保持凹部212の左右両側(ヘッド210の長さ方向両側)に、一対の小径の挿通孔213を下方へと延びるよう形成している。ヘッド210の一対の挿通孔213は、前記挿着孔211の左右両側部と連通している。一方、ホーゼル220は、円筒状の基端部221と、屈曲部222と、帯板状の先端部223とを有している。ホーゼル220の基端部221の上端の円形の開口221aに、シャフト30の下端部を着脱自在に取り付けるようになっている。屈曲部222は、基端部221と先端部223とを実施の形態1で述べた所定の屈曲角度で連結する部分である。先端部223の下端には、前記ヘッド210の挿着孔211と同一の長方形板状をなす挿着部224が前方へと延びるよう一体的に固着されている。挿着部224の左右には一対のねじ孔224aが形成されている。ホーゼル220の挿着部224をヘッド210の挿着孔211に完全に挿入したときに、挿着部224のねじ孔224aがヘッド210の挿通孔213と整合するようになっている。また、このとき、ホーゼル220の先端部223の下端部がヘッド210の保持凹部212に収容保持されて位置決めされるようになっている。そして、この状態で、ヘッド210の挿通孔213を介してホーゼル220の挿着部224のねじ孔224aにねじ14を螺入することにより、ホーゼル220の下端にヘッド210を着脱自在に取付けるようになっている。
【0050】
実施の形態4に係るゴルフパターは、実施の形態2のホーゼル120と同様、屈曲部222の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼル220を別個に製作して用意し、シャフト長の変更調節に対応して、所定のホーゼル220を交換使用するようにしている。また、実施の形態4に係るゴルフパターは、実施の形態2と同様、ヘッド210として、標準用ヘッド210と中尺用ヘッド210と長尺用ヘッド210とを別個に製作して用意し、シャフト長の変更調整に合わせて選択的に使用自在としている。ここで、実施の形態4に係るゴルフパターは、実施の形態2と同様、ヘッド210の挿着孔211を、ヘッド210の長さ方向に複数(トウ側、ヒール側、中央側)形成したものとしてもよい。こうすると、ホーゼル220の挿着部224を当該ヘッド210の複数の挿着孔211のいずれかに選択的に挿着することにより、ヘッド210の有効打面範囲を変更自在とすることができる。なお、使用しないヘッド210の挿着孔211には、同一形状のプラグ部材を着脱自在に充填するようにしてもよい。一方、実施の形態4では、ヘッド210の挿着孔211を水平方向に形成する以外にも、例えば、図9の二点差線で示すような傾斜方向に形成することで、ライ角θを所望の角度に変更することもできる。或いは、ヘッド210の挿着孔211として、同一位置または別の位置に、水平方向のものと傾斜方向のものとを併設し、それらのいずれかを選択的に使用することで、実施の形態1で述べたと同様にして、シャフト長の変更に合わせてライ角を変更調節することができる。
【0051】
なお、実施の形態4では、ヘッド210の挿着孔211に挿入したホーゼル220の挿着部224にねじ14を螺入してヘッド210に固定する以外にも、ヘッド210の挿着孔211に挿入したホーゼル220の挿着部224の上面にネジ14の先端を押し当てて着脱自在に固定保持するようにしてもよい。或いは、ヘッド210の挿着孔211にホーゼル220の挿着部224を圧入して着脱自在に固定保持するようにしてもよい。或いは、ヘッド210保持凹部212を省略してもよい。
【0052】
実施の形態5
図10は本発明の実施の形態5に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
図10に示すように、実施の形態5に係るゴルフパターは、実施の形態4のヘッド210と同様の一体型のヘッド310を有している。一方、ヘッド310は、水平方向(ヘッド210の長さ方向)に延びるスリット状(横長長方形状)の挿着孔311を、その上面から下方へと延びるよう形成している。ヘッド310の挿着孔311は、実施の形態2のヘッド210の挿着孔211と同様の長方形板状の凹部空間となっている。また、ヘッド310は、後面において挿着孔311の左右両側部分に対向する位置に、一対の小径の挿通孔313を前方へと延びるよう形成している。ヘッド310の一対の挿通孔312は、前記挿着孔311の左右両側部と連通している。一方、ホーゼル320は、実施の形態2のホーゼル220と同様、円筒状の基端部321と、屈曲部322と、帯板状の先端部323とを有し、ホーゼル320の基端部321の上端の円形の開口321aに、シャフト30の下端部を着脱自在に取り付けるようになっている。先端部323の下端には、前記ヘッド310の挿着孔311と同一の長方形板状をなす挿着部324が下方へと延びるよう一体形成されている。挿着部324の左右には一対のねじ孔324aが形成されている。ホーゼル320の挿着部324をヘッド310の挿着孔311に完全に挿入したときに、挿着部324のねじ孔324aがヘッド310の挿通孔312と整合するようになっている。そして、この状態で、ヘッド310の挿通孔313を介してホーゼル320の挿着部324のねじ孔324aにねじ14を螺入することにより、ホーゼル320の下端にヘッド310を着脱自在に取付けるようになっている。
【0053】
実施の形態5に係るゴルフパターは、実施の形態4のホーゼル220と同様、屈曲部322の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼル320を別個に製作して用意し、シャフト長の変更調節に対応して、所定のホーゼル320を交換使用するようにしている。また、実施の形態5に係るゴルフパターは、実施の形態4と同様、ヘッド310として、標準用ヘッド310と中尺用ヘッド310と長尺用ヘッド310とを別個に製作して用意し、シャフト長の変更調整に合わせて選択的に使用自在としている。更に、実施の形態5に係るゴルフパターは、実施の形態4と同様、ヘッド310の挿着孔311を、ヘッド310の長さ方向に複数(トウ側、ヒール側、中央側)形成して選択的に使用自在とし、ヘッド310の有効打面範囲を変更自在とすることができる。なお、使用しないヘッド310の挿着孔311には、同一形状のプラグ部材を着脱自在に充填するようにしてもよい。一方、実施の形態5では、実施の形態4と同様、ヘッド310の挿着孔311を、例えば、図10の二点差線で示すような傾斜方向に形成することで、ライ角θを所望の角度に変更することもできる。
【0054】
実施の形態6
図11は本発明の実施の形態6に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
図11に示すように、実施の形態6に係るゴルフパターは、ヘッド410として、2分割・組立式のものを使用している。詳細には、ヘッド410は、上面に横長長方形状の上面側凹部411を所定深さとなるよう形成している。ヘッド410の上面側凹部411の底面の長さ方向両端には、それぞれ、ねじ孔411aが下方へと延びるよう形成されている。また、ヘッド410は、後面に、前記上面側凹部411より幅狭の横長長方形状をなす後面側開口412を形成している。ヘッド410の後面側開口412は、上面側凹部411に連続して形成されると共に、後面側開口412の下端は上面側凹部411の底面より下方に位置している。そして、ヘッド410の後面側凹部412から露出する横長長方形状の面の両端に、それぞれ、ねじ孔412aが前方へと延びるよう形成されている。一方、ホーゼル420は、円筒状の基端部421、屈曲部422及び上面側嵌合部423を一体的に有し、基端部421の上端の円形の開口421aにシャフト30の下端部を着脱自在に取付けるようになっている。ホーゼル420の上面側嵌合部423は、前記ヘッド410の上面側凹部411と同一の横長長方形板状をなし、長さ方向両端部に小径の挿通孔413aを厚さ方向に貫通形成している。また、当該上面側嵌合部423の後端には、ヘッド410の後面側開口412と同一の横長長方形板状をなす後面側嵌合部424が下方に垂下するよう一体形成されている。後面側嵌合部424の長さ方向両端部には、小径の挿通孔424aが厚さ方向に貫通形成されている。そして、ホーゼル420の上面側嵌合部423及び後面側嵌合部424をヘッド410の上面側凹部411及び後面側開口412に嵌合し、上面側嵌合部423及び後面側嵌合部424の挿通孔423a及び挿通孔424aを介してヘッド410のねじ孔411a及びねじ孔412aにねじ14を螺入することにより、ホーゼル420の下端にヘッド410を着脱自在に取付けるようになっている。このとき、上面側嵌合部423及び後面側嵌合部424は、ヘッド410と一体化し、2分割・組立式のヘッドを構成する。
【0055】
ここで、実施の形態6に係るゴルフパターは、実施の形態1のホーゼル20と同様、屈曲部422の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼル420を別個に製作して用意し、シャフト長の変更調節に対応して、所定のホーゼル420を交換使用するようにしている。更に、実施の形態6に係るゴルフパターは、ヘッド410として、実施の形態1と同様にして、標準用ヘッド410と中尺用ヘッド410と長尺用ヘッド410とを別個に製作して用意し、シャフト長の変更調整に合わせて選択的に使用自在としている。また、ホーゼル420は、先端部423に一体形成した上面側嵌合部423及び後面側嵌合部424の重量及び面積等を相違させたものを複数用意して、そのうちのいずれかを選択的に使用することで、ヘッド410への挿着時にヘッド全体の重量バランスを変更するようにすることもできる。
【0056】
実施の形態7
図12は本発明の実施の形態7に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。図13は本発明の実施の形態7に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す側面図である。
図12及び図13に示すように、実施の形態7に係るゴルフパターのヘッド510は、実施の形態1のヘッド10の前側部及び後側部13と同様の構成の前側部511及び後側部512,513からなる2分割・組立式のものである。後側部は、実施の形態1の後側部13の連結部13a及び突出部13bと同様の構成の連結部512及び突出部513を一体形成したものである。また、前側部511には、複数のねじ孔511aが厚さ方向に形成されると共に、後側部の連結部512には、対応する複数の小径の挿通孔が厚さ方向に貫通形成されている。一方、ホーゼル520は、実施の形態6のホーゼル420の基端部421、屈曲部422及び先端部423と同様の、基端部521、屈曲部522及び先端部523を一体的に有し、基端部521の上端の円形の開口521aにシャフト30の下端部を着脱自在に取付けるようになっている。また、ホーゼル520の屈曲部522の下端(ホーゼル520の下端)に、前記ヘッド510を構成する後側部の連結部512が一体的に固着されている。
【0057】
ここで、実施の形態7に係るゴルフパターは、実施の形態1のホーゼル20と同様、屈曲部522の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼル520を別個に製作して用意し、シャフト長の変更調節に対応して、所定のホーゼル520を交換使用するようにしている。更に、実施の形態7に係るゴルフパターは、ヘッド510として、実施の形態1と同様にして、標準用ヘッド510と中尺用ヘッド510と長尺用ヘッド510とを別個に製作して用意し、シャフト長の変更調整に合わせて選択的に使用自在としている。具体的には、実施の形態1で述べたようにして、前側部511及び後側部512,513を、それぞれ、複数種類の構成とすることで、シャフト長の変更に対応するようにしている。
【0058】
実施の形態8
図14は本発明の実施の形態8に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。
図14に示すように、実施の形態8に係るゴルフパターのライ角調節手段は、ヘッド610に形成され、一般的なホーゼル(図示略)または上記実施の形態のホーゼル(20等)の下端部を挿入して着脱自在に取付けると共に、ホーゼルの下端部の挿入角度を相違させた複数(図示の例では3個)の挿着孔611,612,613により構成されている。ヘッド610は、複数の挿着孔611,612,613として、少なくとも、標準用挿着孔611、中尺用挿着孔612及び長尺用挿着孔613を有している。標準用挿着孔611は、シャフト30の中心軸に対するヘッド610のソールの交差角度であるライ角が上記標準用ライ角θ1となるよう、ホーゼルの挿入角度を設定している。また、中尺用挿着孔612は、前記ライ角が上記中尺用ライ角θ2となるよう、ホーゼルの挿入角度を設定している。更に、長尺用挿着孔613は、前記ライ角が上記長尺用ライ角θ3となるよう、ホーゼルの挿入角度を設定している。そして、標準用挿着孔611と中尺用挿着孔612と長尺用挿着孔613とを選択的に使用して、ホーゼルを介してシャフト30をヘッド610に接続することにより、ライ角を標準用ライ角と中尺用ライ角と長尺用ライ角との間で変更して調節自在としている。更に、実施の形態2で説明したと同様の目的で、ヘッド610の中心位置に長尺用挿着孔613を配設し、その両側の位置に、距離x1,x2を置いて標準用挿着孔611及び中尺用挿着孔612を配設している。このようにして、ヘッド610に複数の挿着孔611,612,613を形成するだけの簡単な構成でライ角調節を実現することができ、ホーゼル自体を複数用意する必要がなく、従来の構成のまま使用することができるため、ゴルフパターを安価な構成とすることができる。
【0059】
実施の形態9
図15は本発明の実施の形態9に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のB−B線断面図である。
図15に示すように、実施の形態9に係るゴルフパターは、ヘッド710の長さ方向1箇所の位置に、実施の形態8のヘッド610の挿着孔611,612,613と同様の複数(3個)の挿着孔711,712,713を形成している。よって、ヘッド710の上面では、複数の挿着孔711,712,713の上端の円形開口が、1箇所のみで完全に重複して露出する。なお、実施の形態8と同様、ヘッド710の挿着孔711,712,713は、上記標準用ライ角θ1、中尺用ライ角θ2、長尺用ライ角θ3を形成するよう、ホーゼルの下端部を挿着して着脱自在に保持固定するものである。詳細には、図15に示すように、ヘッド710の上面から延びる垂線VLと挿着孔711,712,713の中心軸とのなす角度である挿入角度γ1,γ2,γ3は、それぞれ、上記標準用ライ角θ1、中尺用ライ角θ2、長尺用ライ角θ3を形成するよう設定されている。
【0060】
実施の形態10
図16は本発明の実施の形態10に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のC−C線断面図、(c)は実施の形態10の別例に係るヘッドの平面図、(d)は(c)のD−D線断面図である。
図16(a)及び(b)に示すように、実施の形態10に係るゴルフパターは、ヘッド810の長さ方向で近接した3箇所の位置に、実施の形態8のヘッド610の挿着孔611,612,613と同様の複数(3個)の挿着孔811,812,813を形成している。よって、ヘッド810の上面では、複数の挿着孔811,812,813の上端の円形開口が、近接した3箇所の位置で露出すると共に、それらの円形開口が一部重複する。なお、実施の形態8と同様、ヘッド810の挿着孔811,812,813は、上記標準用ライ角θ1、中尺用ライ角θ2、長尺用ライ角θ3を形成するよう挿入角度γ1,γ2,γ3を設定し、ホーゼルの下端部を挿着して着脱自在に保持固定するものである。また、図16(c)及び(d)に示す別例では、ヘッド910の長さ方向で近接した2箇所の位置に、実施の形態8のヘッド610の挿着孔611,613と同様の複数(2個)の挿着孔911,912を形成している。よって、ヘッド910の上面では、複数の挿着孔911,912の上端の円形開口が、近接した2箇所の位置で露出すると共に、それらの円形開口が一部重複する。なお、実施の形態8と同様、ヘッド910の挿着孔911,912は、上記標準用ライ角θ1、長尺用ライ角θ3を形成するよう挿入角度γ1,γ3を設定し、ホーゼルの下端部を挿着して着脱自在に保持固定するものである。
【0061】
実施の形態11
図17は本発明の実施の形態11に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のE−E線断面図である。
図17に示すように、実施の形態11に係るゴルフパターは、ヘッド1010の内側に直方体状の収容凹部1011を形成し、同収容凹部1011内に同一の直方体ブロック状をなす別素材の充填部材1020を収容して一体的に固定している。また、充填部材1020には、ヘッド1010(充填部材1020)の長さ方向において離間した2箇所の位置(中央及びソールのトウ側またはヒール側)に、実施の形態8のヘッド610の挿着孔611,613と同様の複数(2個)の挿着孔1021,1022を形成している。なお、実施の形態8と同様、ヘッド1010の挿着孔1021,1022は、上記標準用ライ角θ1、長尺用ライ角θ3を形成するよう挿入角度γ1,γ3を設定し、ホーゼルの下端部を挿着して着脱自在に保持固定するものである。例えば、挿着孔1021の挿入角度γ1=20度に設定した場合、上記実施の形態1のようなライ角形成用の屈曲部を有しないホーゼル(通常のホーゼル)を挿着孔1021に挿着すると、ライ角は90−20度=70度となり、標準用ライ角θ1となる。同様に、挿着孔1023の挿入角度γ3=10度に設定した場合、前記ホーゼルを挿着孔1023に挿着すると、ライ角は、90−10度=80度となり、長尺用ライ角θ3となる。
【0062】
実施の形態12
図18は本発明の実施の形態12に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のF−F線断面図である。
図18に示すように、実施の形態12に係るゴルフパターは、実施の形態11のヘッド1010に、充填部材1020と同様の構成の充填部材1120を一体的に収容固定する一方、充填部材1120には、ヘッド1010(充填部材1120)の長さ方向において近接した2箇所の位置(ソールのトウ側またはヒール側)に、実施の形態8のヘッド610の挿着孔611,613と同様の複数(2個)の挿着孔1121,1122を形成している。なお、実施の形態8と同様、ヘッド1010の挿着孔1121,1122は、上記標準用ライ角θ1、長尺用ライ角θ3を形成するよう挿入角度γ1,γ3を設定し、ホーゼルの下端部を挿着して着脱自在に保持固定するものである。
【0063】
ところで、本発明のゴルフパターのライ角変更手段は、上記実施の形態で述べたように、屈曲部の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼル、若しくは、ホーゼルの挿入角度を相違させてヘッドに形成した複数の挿着孔、または、かかるホーゼルとヘッドの挿着孔との組み合わせにより構成することができるが、単一のホーゼルの屈曲部を前記標準用ライ角と中尺用ライ角と長尺用ライ角との間で角度変更自在となるよう構成してもよい。また、本発明の実施の形態1〜7のホーゼルは、基端部の延長線がヘッドのソールに対してなす交差角度が、標準用ライ角、長尺用ライ角等の所定の角度と一致する限りにおいて、任意の数(1つ以上)及び形状(屈曲、湾曲、複数段屈曲・湾曲等)の屈曲部または湾曲部を有することができる。即ち、図6(a)に示すように、ライ角をθ(度)とし、ホーゼルの下端をヘッドに固着したときにホーゼルの下端部の延長線がヘッドのソールに対してなす交差角度である、ホーゼルのヘッドに対する取付角度をα(度)としたときに、ホーゼルの屈曲部の屈曲角度X(度)がα(度)+θ(度)となるようホーゼルの屈曲部の屈曲角度を設定する(x=α+θ)。また、図6(b)に示すように、ホーゼルが屈曲部を複数有するときは、当該複数の屈曲部の屈曲角度x1,x2に応じて決定される所定角度x(度)が前記α(度)+θ(度)となるようホーゼルの複数の屈曲部の屈曲角度を設定する(x=x1−(180−x2)=α+θ)。
【0064】
具体的には、図6(a)に示すように、ホーゼルが基端部と先端部との間に1つのみ屈曲部を有する場合において、先端部の下端をヘッドのソールに直交して(90度で)取付ける場合は、先端部と基端部との間の屈曲部の屈曲角度xは、x=90度(α)+ライ角(θ)に設定する。例えば、ライ角(θ)=80度で取付角度(α)=95度の場合は、x=80+90=170度となる(事例1)。また、ホーゼルの先端部をヘッドに対して90度超の取付角度(α)で固着する場合も、屈曲角度x=取付角度(α)+ライ角(θ)に設定する。例えば、ライ角(θ)=80度の場合で取付角度(α)=95度の場合は、x=80+95=175度となる(事例2)。なお、取付角度(α)とライ角(θ)との合計角度xが180度となるとき(例えば、α=100度でθ=80度のとき)は、屈曲角度x=180度となり、ホーゼルが直線状となることを意味する。よって、この場合、全体として屈曲角度のないホーゼルとなるが、これは、上記実施の形態8〜12のように、ヘッドに複数の挿着孔の挿入角度を相違させて形成した実施の形態と同様のものとなる。また、上記事例1の場合において、ホーゼルの屈曲部が複数ある場合において、第1の屈曲部(下端側)の屈曲角度x1が260度で、第2の屈曲部(上端側)の屈曲角度x2が90度の場合、ホーゼル全体としての屈曲角度xは、x=x1−(180−x2)=260−(180−90)=α+θ=80+90=170度となる。
【0065】
更に、本発明のライ角調節手段をホーゼルにより構成する場合、かかるホーゼルは、シャフトの下端に着脱自在に取付けられてシャフトの中心軸から直線的に延びる基端部と、ヘッドに所定の固着角度で着脱自在に、または、一体的に固着して取付けられる先端部と、基端部と先端部との間を一体に接続する屈曲部(湾曲部を含む)とを有するものであればよく、ライ角調節手段は、当該屈曲部の屈曲角度(湾曲率を含む)を相違させた複数種類のホーゼルにより構成される。また、この場合、複数種類のホーゼルは、少なくとも、シャフトの中心軸に対するヘッドのソールの交差角度であるライ角が標準用ライ角となるよう、即ち、基端部の延長線のヘッドのソールに対する交差角度が標準用ライ角となるよう屈曲部の屈曲角度を設定した標準用ホーゼルと、基端部の延長線のヘッドのソールに対する交差角度が長尺用角度となるよう屈曲部の屈曲角度を設定した長尺用ホーゼルとを含むものであればよい。
【0066】
また、本発明に係るゴルフパターは、当該ホーゼルをシャフトの先端に着脱自在に取付け、ヘッドの挿入孔をライ角調節手段とする場合は、ホーゼルをシャフトに固定的に取付けるが、かかるホーゼルは、ネックやソケットとも呼ばれるものであり、図示のものに限定されない。即ち、ホーゼルとは、シャフトの先端(下端)に設けられ、シャフトとヘッドとを接続する部分のことであり、本発明の特徴を有する限りにおいて、任意の形状及び構成とすることができる。また、ヘッドは、ホーゼルの先端に着脱自在に取付けられ、或いは、一部が固定的に取付けられると共に他の部分が当該一部に着脱自在に取付けられるものであり、図示のものに限定されない。更に、ライ角調節手段は、ホーゼルまたはヘッドの少なくともいずれか一方に設けられ、シャフトの中心軸に対するヘッドのソールの交差角度であるライ角を複数段階で可変調節して設定自在であれば、上記実施の形態以外のものを使用することができる。
【0067】
実施の形態13
図19は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドを示す斜視図である。図20は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの第1の挿着孔(右打標準用挿着孔)に標準用ホーゼルを取付けた状態を示す正面図である。図21は図20のゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す平面図である。図22は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのシャフトとホーゼルとの取付構造を示す側面図である。図23は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの第2の挿着孔(右打長尺用挿着孔)に長尺用(中尺用を含む)ホーゼルを取付けた状態を示す正面図である。図24は図23のゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す平面図である。図25は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの第4の挿着孔(左打標準用挿着孔)に標準用ホーゼルを取付けた状態を示す正面図である。図26は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの第3の挿着孔(左打長尺用挿着孔)に長尺用(中尺用を含む)ホーゼルを取付けた状態を示す正面図である。
【0068】
図19〜図22に示すように、実施の形態13に係るゴルフパターは、ヘッド1210、ホーゼル1220及びシャフト1230を備えている。詳細には、図19に示すように、ヘッド1210は、四角板状をなし前面にフェイス面(打面)1210aを一体形成した前側部1210Aと、前側部1210Aの背面に一体的に突出形成された後側部1210Bとからなる略マレット形状を有している。また、ヘッド1210は、上面で開口して内部へと延びる複数(図示の例では4個)の挿着孔1211,1212,1213,1214をヘッド1210の長さ方向(ヒールからトウへ向かう方向)に所定間隔で配置形成している。より詳細には、ヘッド1210の長さ方向一側(右打用の場合はヒール側、左打用の場合はトウ側、図21の上側)の略半部には、前側部1210Aの上面において後側部1210Bとの境界寄りに、右打用挿着孔乃至右打標準用挿着孔としての第1のねじ孔1211が、前側部1210Aの上面から略直交して内部の所定位置(途中の位置)まで延びるよう形成されている。また、当該ヘッド1210の長さ方向一側の略半部には、後側部1210Bの上面において前側部1210Aとの境界寄りに、右打用挿着孔乃至右打長尺用挿着孔としての第2のねじ孔1212が、後側部1210Bの上面から略直交して内部の所定位置(途中の位置)まで延びるよう形成されている。一方、ヘッド1210の長さ方向他側(図21の下側)の略半部には、前側部1210Aの上面において後側部1210Bとの境界寄りに、左打用挿着孔乃至左打標準用挿着孔としての第3のねじ孔1214が、前記第1の挿着孔1211と対称配置されるよう、前側部1210Aの上面から略直交して内部の所定位置(途中の位置)まで延びるよう形成されている。また、当該ヘッド1210の長さ方向他側の略半部には、後側部1210Bの上面において前側部1210Aとの境界寄りに、左打用挿着孔乃至左打長尺用挿着孔としての第3のねじ孔1213が、前記第2の挿着孔1212と対称配置されるよう、後側部1210Bの上面から略直交して内部の所定位置(途中の位置)まで延びるよう形成されている。
【0069】
このように、第1の挿着孔1211と第2の挿着孔1212及び第4の挿着孔1214と第3の挿着孔1213とは、ヘッドの長さ方向中心線に対して線対称配置されている。よって、第1の挿着孔1211及び第4の1214は、前側部1210Aと後側部1210Bとの境界線から前方に同一距離離れた位置に配置され、第2の挿着孔1212及び第3の1213は、前側部1210Aと後側部1210Bとの境界線から後方に同一距離離れた位置に配置されている。なお、挿着孔1211,1212,1213,1214は、実施の形態13では所定ピッチのねじ孔とされている。また、挿着孔1211〜1214は、ヘッド1210を中実状とする場合は、中実状のヘッド1210の所定位置にねじ孔を螺刻して形成される。一方、ヘッド1210を中空状とする場合は、ねじ孔を螺刻形成して上端を開口する有底円筒状のねじピース等を、中空状のヘッド1210の所定位置に形成した同一直径の円形孔からヘッド1210内に挿着して、挿着孔1211〜1214を設けることができる。
【0070】
図20及び図21並びに図23及び図24にそれぞれ示すように、実施の形態13に係るゴルフパターは、ホーゼル1220,1320として、標準用ホーゼル1220及び長尺用ホーゼル1320を備えている。標準用ホーゼル1220は、図20及び図21に示すように、シャフト1230の下端に着脱自在に取付けられる基端部1221と、ヘッド1210の第1の挿着孔1211または第4の挿着孔1214に選択的に着脱自在に取付けられる先端部1223と、基端部1221と先端部1223との間を一体的に接続する屈曲部1222とを有する。同様に、長尺用ホーゼル1320は、図24及び図25に示すように、シャフト1230の下端に着脱自在に取付けられる基端部1321と、ヘッド1210の第2の挿着孔1212及び第3の挿着孔1213に選択的に着脱自在に取付けられる先端部1323と、基端部1221と先端部1223との間を一体的に接続する屈曲部1322とを有する。標準用ホーゼル1220及び長尺用ホーゼル1320は、それぞれ、上記各実施の形態の場合と同様、棒材(筒材)を曲げ加工等して、基端部1221,1321、屈曲部1222,1322及び先端部1223,1323からなる所定屈曲形状に一体形成される。また、標準用ホーゼル1220の場合のみ図示するが、図22に示すように、標準用ホーゼル1220の基端部1221には所定ピッチの雌螺子1221aが軸方向に螺刻形成され、ホーゼル1220の先端部1223の外周面には所定ピッチの雄螺子1223aが螺刻形成されている。なお、長尺用ホーゼル1320の基端部1321及び先端部1323にも、それぞれ、同様の雌螺子及び雄螺子が螺刻形成されている。
【0071】
シャフト1230は、実施の形態1のものと同様に、標準パター用の長さである標準長と長尺パター用の長さである拡大長との間で長さを可変調節して設定自在な長さ調節手段(図示略)を有する。また、シャフト1231の先端乃至下端の外周面には、前記ホーゼル1220,1320の基端部の1221,1321の雌螺子1221aと同一ピッチで同一軸長の雄螺子1230aが螺刻形成されている。そして、ホーゼル1220,1320の基端部1221,1321の雌螺子1221aにシャフト1230の雄螺子1230aを螺入または螺退することにより、シャフト1230の下端に標準用ホーゼル1220または長尺用ホーゼル1320を選択的に着脱することができる。一方、標準用ホーゼル1220の先端部1223の雄螺子1223aは、ヘッド1210の第1の挿着孔1211及び第4の挿着孔1214と同一ピッチで同一軸長に形成されている。同様に、長尺用ホーゼル1320の先端部1323の雄螺子は、ヘッド1210の第2の挿着孔1212及び第3の挿着孔1213と同一ピッチで同一軸長に形成されている。
【0072】
そして、図20及び図21に示すように、標準用ホーゼル1220は、先端部1223の雄螺子1223aをヘッド1210の第1の挿着孔1211に螺入することで、右打プレーヤ用の標準長のホーゼルとして機能する。即ち、標準用ホーゼル1220の先端部1223の雄螺子1223aをヘッド1210の第1の挿着孔1211に完全に螺入して締めこんだときに、標準用ホーゼル1220が図20及び図21に示す所定姿勢(ヘッド1210の長さ方向と平行に傾斜して延びる姿勢)となるよう、標準用ホーゼル1220の雄螺子1223a及びヘッド1210の第1の挿着孔1211の雌螺子の関係(螺子ピッチ等)が設定されている。また、このとき、標準用ホーゼル1220は、上記各実施の形態で説明したように、ヘッド1210とシャフト1230との間のライ角が右打プレーヤにとっての標準パター用のライ角となるよう、屈曲部1222の屈曲角度を設定している。即ち、標準用ホーゼル1220は、主に基端部1221に対する屈曲部1222上端の屈曲角度を設定することにより、自動的にライ角が標準パター用のライ角となるようにしている。この意味で、実施の形態13の標準用ホーゼル1220の屈曲部1222は、上記実施の形態における一段屈曲状(L字状)や二段屈曲状(Z字状)ではなく、基端部1221と先端部1223との間を一体的に連結する変形M字状のものと把握することができる。
【0073】
同様に、図23及び図24に示すように、長尺用ホーゼル1320は、先端部1323の雄螺子をヘッド1210の第2の挿着孔1212に螺入することで、右打プレーヤ用の長尺長(中尺長を含む)のホーゼルとして機能する。即ち、長尺用ホーゼル1320の先端部1323の雄螺子をヘッド1210の第2の挿着孔1212に完全に螺入して締めこんだときに、長尺用ホーゼル1320が図23及び図24に示す所定姿勢(ヘッド1210の長さ方向と平行に傾斜して延びる姿勢)となるよう、長尺用ホーゼル1320の雄螺子及びヘッド1210の第2の挿着孔1212の雌螺子の関係(螺子ピッチ等)が設定されている。また、このとき、長尺用ホーゼル1320は、上記各実施の形態で説明したように、ヘッド1210とシャフト1230との間のライ角が右打プレーヤにとっての長尺パター(中尺パターを含む)用のライ角となるよう、屈曲部1322の屈曲角度を設定している。即ち、長尺用ホーゼル1320は、主に基端部1321に対する屈曲部1322上端の屈曲角度を設定することにより、自動的にライ角が長尺パター用のライ角となるようにしている。この意味で、実施の形態13の長尺用ホーゼル1320の屈曲部1222も、基端部1321と先端部1323との間を一体的に連結する変形M字状のものと把握することができる。
【0074】
一方、図25に示すように、標準用ホーゼル1220は、先端部1223の雄螺子1223aをヘッド1210の第4の挿着孔1214に螺入することで、左打プレーヤ用の標準長のホーゼルとして機能する。即ち、標準用ホーゼル1220の先端部1223の雄螺子1223aをヘッド1210の第4の挿着孔1214に完全に螺入して締めこんだときに、標準用ホーゼル1220が図25に示す所定姿勢(ヘッド1210の長さ方向と平行に傾斜して延びる姿勢)となるよう、標準用ホーゼル1220の雄螺子1223a及びヘッド1210の第4の挿着孔1214の雌螺子の関係(螺子ピッチ等)が設定されている。また、このとき、ヘッド1210の第4の挿着孔1214は第1の挿着孔1211と対照配置されているが、それらの螺子の切り方についても、第4の挿着孔1214に完全に螺入された(左打用の)標準用ホーゼル1220が、図20に示す(右打用の)第1の挿着孔1211に完全に螺入された標準ホーゼル1220と対照的な配置姿勢(図25の姿勢)となるよう、第1の挿着孔1211及び第4の挿着孔1214の螺子の切り方(ねじ始端位置及び終端位置等)が設定されている。そして、標準用ホーゼル1220は、上記のように屈曲部1222の屈曲角度を設定しているので、第4の挿着孔1214に挿着した場合も、ヘッド1210とシャフト1230との間のライ角を左打プレーヤにとっての標準パター用のライ角に自動的に設定することができる。
【0075】
同様に、図26に示すように、長尺用ホーゼル1320は、先端部1323の雄螺子をヘッド1210の第3の挿着孔1213に螺入することで、左打プレーヤ用の長尺長のホーゼルとして機能する。即ち、長尺用ホーゼル1320の先端部1323の雄螺子をヘッド1210の第4の挿着孔1214に完全に螺入して締めこんだときに、標準用ホーゼル1220が図26に示す所定姿勢(ヘッド1210の長さ方向と平行に傾斜して延びる姿勢)となるよう、長尺用ホーゼル1320の雄螺子及びヘッド1210の第3の挿着孔1213の雌螺子の関係(螺子ピッチ等)が設定されている。また、このとき、ヘッド1210の第3の挿着孔1213は第2の挿着孔1212と対照配置されているが、それらの螺子の切り方についても、第3の挿着孔1213に完全に螺入された(左打用の)標準用ホーゼル1320が、図21に示す(右打用の)第2の挿着孔1212に完全に螺入された長尺ホーゼル1320と対照的な配置姿勢(図26の姿勢)となるよう、第2の挿着孔1212及び第3の挿着孔1213の螺子の切り方(ねじ始端位置及び終端位置等)が設定されている。そして、長尺用ホーゼル1320は、上記のように屈曲部1322の屈曲角度を設定しているので、第3の挿着孔1213に挿着した場合も、ヘッド1210とシャフト1230との間のライ角を左打プレーヤにとっての長尺パター用のライ角に自動的に設定することができる。
【0076】
このように、実施の形態13では、前記ヘッド1210の第1の挿着孔1211または第4の挿着孔1214のいずれかに標準用ホーゼル1220の先端部1223の雄螺子1223aを螺入して挿着し、第2の挿着孔1212または第3の挿着孔1213のいずれかに長尺用ホーゼル1320の先端部1323の雄螺子を螺入して挿着する構成のため、ヘッド1210の挿着孔1211〜1214のうち、少なくとも第1の挿着孔1211と第4の挿着孔1214との対は同一ピッチで同一軸長の螺子孔とされ、少なくとも第2の挿着孔1212と第3の挿着孔1213との対は同一ピッチで同一軸長の螺子孔とされている。ただし、上記のように、第1の挿着孔1211及び第4の挿着孔1214の螺子の切り方、並びに、第2の挿着孔1212及び第3の挿着孔1213の螺子の切り方は、挿着したホーゼル1220,1320が対照的な姿勢となるよう設定されている。
【0077】
そして、実施の形態13では、ホーゼル1220,1320として屈曲部1222,1322の屈曲角度を相違させた2種類のホーゼル1220,1320を備えると共に、当該2種類のホーゼル1220,1320を、基端部1221,1321の延長線のヘッド1210のソールに対する交差角度がシャフト1230の標準長に対応する標準用ライ角となるよう屈曲部1222の屈曲角度を設定した標準用ホーゼル1220と、基端部1321の延長線のヘッド1210のソールに対する交差角度がシャフト1230の長尺長に対応する長尺用ライ角となるよう屈曲部1322の屈曲角度を設定した長尺用ホーゼル1320とから構成している。これにより、実施の形態13では、2種類のホーゼル1220,1320のいずれかを選択すると共に、ヘッド1210の4個の挿着孔1211〜1214のいずれかを選択し、当該選択したホーゼル1220,1320を当該選択したヘッド1210の挿着孔1211〜1214に挿着することにより、シャフト1230の中心軸に対するヘッドのソールの交差角度であるライ角を、(右打用または左打用の)標準用ライ角及び長尺用ライ角の間で可変調節して設定自在としている。
【0078】
また、実施の形態13では、ヘッド1210の挿着孔1211〜1214として、標準用ホーゼル1220及び長尺用ホーゼル1320を選択的に挿着自在な2個の右打用挿着孔1211,1212と2個の左打用挿着孔1213,1214を設けている。これにより、実施の形態13では、2種類のホーゼル1220,1320のいずれかを選択すると共に、ヘッド1210の2個の右打用挿着孔1211,1212のいずれかを選択し、当該選択したホーゼル1220,1320を当該選択したヘッド1210の右打用挿着孔1211,1212に挿着することにより、ライ角を右打プレーヤ用の標準用ライ角または長尺用ライ角に可変調節して設定自在とすると共に、2種類のホーゼル1220,1320のいずれかを選択すると共に、ヘッド1210の2個の左打用挿着孔1213,1214のいずれかを選択し、当該選択したホーゼル1220,1320を当該選択したヘッド1210の左打用挿着孔1213,1214に挿着することにより、ライ角を左打プレーヤ用の標準用ライ角または長尺用ライ角に可変調節して設定自在としている。
【0079】
更に、実施の形態13では、図20及び図21並びに図23〜図26に示すように、シャフト1230の中心軸の延長線上にヘッド1210の重心位置(またはスイートスポット)Oがくるよう、ヘッド1210における挿着孔1211〜1214の位置と2種類のホーゼル1220,1320の各々の傾斜角度(屈曲部1222,1322の屈曲角度)とを設定している。これにより、ホーゼル1220,1320をヘッド1210に挿着したときに、必ず、シャフト1230の中心軸の延長線上にヘッド1210の重心乃至スイートスポットが配置されることになり、ゴルフボールGBのパッティングにとって最適な姿勢でホーゼル1220,1320をヘッド1210に挿着することができる。加えて、実施の形態13では、図20に示すように、挿着孔1211〜1214のうち、ホーゼル1220,1320を挿着しない残りの3つのものについては、それぞれ、バランスウェイトWを挿着してヘッド1210の重量バランスを最適な状態に調節するようになっている。バランスウェイトWは、挿着孔1211〜1214の雌螺子に対応する雄螺子を外周面に形成した円柱状(ピン状)をなし、挿着孔1211〜1214に螺入したときに、その上端面がヘッド1210の上面と面一となるようになっている。また、バランスウェイトWの上端面には直径方向に伸びる直線状の凹溝が形成され、マイナスドライバやコイン等を挿入することにより、バランスウェイトWを回転操作して挿着孔1211〜1214に螺入または螺退できるようになっている。
【0080】
ところで、本発明のヘッドの挿着孔としては、ねじ孔に限らず、ホーゼルを挿着自在な任意のもの(マグネット吸着式、スナップフィット式等)を使用することができる。また、ヘッドの挿着孔の数も、上記実施の形態の4個(右打用2個及び左打用2個)に限定されることなく、任意の複数個とすることができ、更に、その配置位置も上記実施の形態のものに限定されず、全てのものを直線状に配置したり、ジグザグ状に配置したりすることができる。更に、右打用または左打用のみの挿着孔を形成してもよい。たとえば、図27に示すように、実施の形態13の長尺用ホーゼル1320より更にライ角を大きくすべく屈曲部1422の屈曲角度を設定した長尺用(例えば長尺側)ホーゼル1420を用意し、ヘッド1210の第3の挿着孔1213に対応する位置に当該ホーゼル1420を挿着自在な挿着孔を形成する。そして、当該ホーゼル1420の基端部1421をシャフト1230に取付けると共に、先端部1423を当該ヘッド1210の挿着孔に挿着することにより、ヘッド1210の重心位置Oよりトウ側にホーゼル1420の先端を配置した状態でのパッティングが可能となる。なお、この場合も、シャフト1230の中心軸の延長線がヘッド1210の重心位置Oに来るようにすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのシャフトの長さ調節手段を示す側面図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す側面図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す平面図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのライ角調節手段としてのホーゼルを交換することによりライ角を複数段階で調節する場合を説明する説明図であり、(a)はライ角を標準用ライ角とした場合を、(b)はライ角を短尺側の中尺用ライ角とした場合を、(c)はライ角を長尺側の中尺用ライ角とした場合を、(d)はライ角を長尺用ライ角とした場合を示す。
【図6】図6は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのホーゼルの屈曲部の屈曲角度とライ角との関係を示す説明図であり、(a)はホーゼルの屈曲部を1段屈曲状(く字状)とした場合を示し、(b)はホーゼルの屈曲部を2段屈曲状(クランク状)とした場合を示す。
【図7】図7は本発明の実施の形態2に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態3に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態4に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
【図10】図10は本発明の実施の形態5に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
【図11】図11は本発明の実施の形態6に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
【図12】図12は本発明の実施の形態7に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
【図13】図13は本発明の実施の形態7に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す側面図である。
【図14】図14は本発明の実施の形態8に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図15】図15は本発明の実施の形態9に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図16】図16は本発明の実施の形態10に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のC−C線断面図、(c)は実施の形態10の別例に係るヘッドの平面図、(d)は(c)のD−D線断面図である。
【図17】図17は本発明の実施の形態11に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のE−E線断面図である。
【図18】図18は本発明の実施の形態12に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のF−F線断面図である。
【図19】図19は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドを示す斜視図である。
【図20】図20は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの第1の挿着孔(右打標準用挿着孔)に標準用ホーゼルを取付けた状態を示す正面図である。
【図21】図21は図20のゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す平面図である。
【図22】図22は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのシャフトとホーゼルとの取付構造を示す側面図である。
【図23】図23は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの第2の挿着孔(右打長尺用挿着孔)に長尺用(中尺用を含む)ホーゼルを取付けた状態を示す正面図である。
【図24】図24は図23のゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す平面図である。
【図25】図25は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの第4の挿着孔(左打標準用挿着孔)に標準用ホーゼルを取付けた状態を示す正面図である。
【図26】図26は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの第3の挿着孔(左打長尺用挿着孔)に長尺用(中尺用を含む)ホーゼルを取付けた状態を示す正面図である。
【図27】図27は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの別例に係る挿着孔に別例に係るホーゼルを挿着した状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0082】
10,110,210,310,410,510,610,710,810,910,1010,1210:ヘッド、11:基部
12,511,1210A:前側部
13,512,513,1210B:後側部
20,120,220,320,420,520,1220,1320,1420:ホーゼル
21,121,221,321,521,1221,1321,1421:基端部
22,122,222,322,522,222,1322,1422:屈曲部
23,123,223,323,1223,1323,1423:先端部
30,1230:シャフト
211,311,611,612,613,711,712,713,811,812
,813,911,912,1021,1022,1121,1122,1211,1212,1213,1214:挿着孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフパターに関し、特に、通常のシャフト長(標準シャフト長)を有するパターのシャフトの長さを延長して長尺パター(中尺パターを含む)へと簡単に変更することができる長尺短尺切替え式のゴルフパターに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なゴルフのパター(以下、「標準パター」という。)のシャフトの長さは、31〜36インチ程度(通常は32〜35インチといわれる)であり、プレーヤの身長等に応じた長さのものが使用される。一方、近年、長尺パターや中尺パターと称するシャフトの長いパターが、パッティングやパット技術の精度を向上するために使用されてきている。この長尺パターや中尺パター(以下、「ロングパター」という。)は、ストロークの際にヘッドが低く長く動き、標準パターの場合よりもストローク時の支点が更に上方の位置になり、また、パター全体の慣性モーメントが大きくなるため、パッティング時の方向安定性が向上するという効果を期待できる。また、ロングパターは、パッティング時のプレーヤの目の位置(視点)が高くなるため、距離感をつかみやすいとも言われている。更に、一般に市販されているロングパターは、標準パターに比べて総重量が重いため、ストロークがゆっくりとなり、パターフェイスの芯でボールの芯を打ち易く、ボールの転がりが一定になるという利点もある。
【0003】
ここで、プレーヤは、ゴルフプレー時に、その日の調子等に応じて、標準パターとロングパターとを使い分けたい場合もある。例えば、標準パターを使用していたプレーヤが、冬のゴルフで手がかじかんでタッチが出にくいときや、凍結等により早いグリーンとなっているとき等に、ロングパターを使用したいと考える場合がある。しかし、この場合、プレーヤは、標準パターとロングパターという同一目的及び同一機能の2本のクラブをゴルフバッグに入れてプレー中に持ち歩く必要があり、ゴルフプレーにおけるクラブの本数制限(13本)等の点からも、1本のパターで標準パター及びロングパターの機能を発揮できれば好適である。そこで、本発明者は、標準パターのシャフトの長さを簡単に変更してロングパターとすることのできるゴルフの長尺パター用アダプタについて鋭意研究し、ゴルフのクラブのシャフトを伸縮自在とすべく、特許文献1に記載の技術を考案した。
【特許文献1】実用新案登録第3107612号公報
【0004】
特許文献1には、パターのシャフトの長さを簡単に延長できる低コストなゴルフの長尺パター用アダプタが開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の技術は、パターのシャフトの長さを伸縮自在である一方、パターのヘッドのソールとシャフトの中心軸とのなす角度であるライ角が固定されているため、例えば、パターのシャフトの長さを標準パターの長さから長尺パターの長さへと延長してパッティングすると、ヘッドのソールのトウまたはヒールが極端に浮いてしまい、このままでは正確なパッティング動作に支障をきたす可能性がある。また、パターのシャフトの長さを伸縮させることによりパッティング時のプレーヤの体勢(姿勢)及びパターの持ち方等が変化するため、インパクトロフトの調節が必要になる場合もある。よって、このままでは、パターのシャフトの長さを伸縮させるごとにライ角を調節すべく、更に場合のよってはそのロフトをも調製すべく、プレーヤ自身がパッティングの体勢及びパターの持ち方等を調節する必要がある。また、長尺パター用アダプタを取付ける等によりパターのシャフトの長さを延長すると、シャフトの長さが延長された分だけパター全体の重量バランスが変動することになり、このままでは、パッティングの際に、プレーヤのスムーズなストローク動作を妨げる可能性もある。
【0006】
そこで、本発明は、パターのシャフトの長さを簡単に変更することができると共に、ライ角を適宜調節自在とすることにより、標準パターのシャフト長とした場合及び長尺・中尺等のロングパター用のシャフト長とした場合のいずれの場合でも、最適なライ角を実現することができ、必要に応じて、ヘッドのロフト角及び重量バランスをも調節することができる長尺短尺切替え式のゴルフパターの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係るゴルフパターは、標準パター用の長さである標準長と長尺パター用の長さである拡大長との間で長さを可変調節して設定自在な長さ調節手段を有するシャフトと、前記シャフトの先端に基端が取付けられるホーゼルと、前記ホーゼルの先端に取付けられるヘッドと、前記ホーゼルまたは前記ヘッドの少なくともいずれか一方に設けられ、前記シャフトの中心軸に対する前記ヘッドのソールの交差角度であるライ角を複数段階で可変調節して設定自在なライ角調節手段とを備える。前記ライ角調節手段は、前記シャフトの長さを前記標準長に調節して設定したときにライ角を前記標準長に対応する標準用ライ角に設定するよう前記ホーゼルを介して前記ヘッドを前記シャフトに取付けると共に、前記シャフトの長さを前記拡大長に調節して設定したときに前記ライ角を前記拡大長に対応する角度であって前記標準用ライ角より大きい角度である長尺用ライ角に設定するよう前記ホーゼルを介して前記ヘッドを前記シャフトに取付ける。
【0008】
請求項2に係るゴルフパターは、請求項1の構成において、前記ライ角調節手段は、前記シャフトの下端に着脱自在に取付けられて前記シャフトの中心軸から直線的に延びる基端部と、前記ヘッドに取付けられる先端部と、前記基端部と前記先端部との間を一体に接続する屈曲部とを有すると共に、当該屈曲部の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼルにより構成する。前記複数種類のホーゼルは、少なくとも、前記基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記標準用ライ角となるよう前記屈曲部の屈曲角度を設定した標準用ホーゼルと、前記基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記長尺用角度となるよう前記屈曲部の屈曲角度を設定した長尺用ホーゼルとを含み、前記標準用ホーゼルと前記長尺用ホーゼルとを選択的に使用して前記シャフト及び前記ヘッドを互いに接続することにより、前記ライ角を前記標準用ライ角と前記長尺用ライ角との間で変更して調節する。
【0009】
請求項3に係るゴルフパターは、請求項2の構成において、前記ヘッドは、前記ホーゼルの先端部の下端に固着される基部と、前記基部の前側に着脱自在に取付けられて前記ヘッドの打面を構成する前側部と、前記基部の後側に着脱自在に取付けられる後側部とを有する。前記ヘッドは、前記後側部として、標準用重量及び標準用重心位置を有する標準用後側部と、前記標準用重量より大きい長尺用重量及び前記標準用重心位置と異なる長尺用重心位置を有する長尺用後側部とを有する。前記標準用ホーゼルの先端部の下端に固着した基部の後側には前記標準用後側部を取付けて前記ヘッドを構成すると共に、前記長尺用ホーゼルの先端部の下端に固着した基部の後側には前記長尺用後側部を取付けて前記ヘッドを構成することにより、前記シャフトの前記標準長に対応する標準用重量バランス及び前記拡大長に対応する長尺用重量バランスとの間で前記ヘッドの重量バランスを調節するようにする。
【0010】
請求項4に係るゴルフパターは、請求項2の構成において、前記ヘッドは、当該ヘッドの前側に着脱自在に取付けられて打面を構成する前側部を備え、前記前側部として、少なくともロフト角及び打面形状のいずれか一つを相違させた複数種類の前側部を有し、前記複数種類の前側部を選択的に使用して前記基部の前側に取付けて前記ヘッドを構成することにより、前記ヘッドの打面構成を変更自在とする。
【0011】
請求項5に係るゴルフパターは、請求項2の構成において、前記ヘッドとして、前記ホーゼルの下端に着脱自在に取付けられると共に標準用重量及び標準用重心位置を有する標準用ヘッドと、前記ホーゼルの下端に着脱自在に取付けられると共に前記標準用重量より大きい長尺用重量及び前記標準用重心位置と異なる長尺用重心位置を有する長尺用ヘッドとを用意する。前記標準用ヘッドと前記長尺用ヘッドとを選択的に使用して前記ホーゼルの下端に取付けることにより、前記シャフトの前記標準長に対応する標準用重量バランス及び前記拡大長に対応する長尺用重量バランスとの間で前記ヘッドの重量バランスを調節する。
【0012】
請求項6に係るゴルフパターは、請求項5の構成において、前記ヘッドは、前記ホーゼルの下端部を挿着する挿着孔を有すると共に、前記挿着孔をヘッドの長さ方向に複数形成し、前記ホーゼルの下端部を前記複数の挿着孔のいずれかに選択的に装着することにより、前記ヘッドの有効打面範囲を変更自在とする。
【0013】
請求項7に係るゴルフパターは、請求項2の構成において、前記ヘッドは、前記ホーゼルの先端部の下端に一体的に固着される後側部と、前記後側部の前側に着脱自在に取付けられて前記ヘッドの打面を構成する前側部とを有する。前記ヘッドは、前記後側部として、標準用重量及び標準用重心位置を有する標準用後側部と、前記標準用重量より大きい長尺用重量及び前記標準用重心位置と異なる長尺用重心位置を有する長尺用後側部とを有する。前記標準用ホーゼルの先端部の下端には前記標準用後側部を取付けると共に、前記長尺用ホーゼルの先端部の下端には前記長尺用後側部を取付けることにより、前記シャフトの前記標準長に対応する標準用重量バランス及び前記拡大長に対応する長尺用重量バランスとの間で前記ヘッドの重量バランスを調節する。
【0014】
請求項8に係るゴルフパターは、請求項1の構成において、前記前記ライ角調節手段は、前記ヘッドに形成され、前記ホーゼルの下端部を挿入して着脱自在に取付けると共に、前記ホーゼルの下端部の挿入角度を相違させた複数の挿着孔により構成する。前記ヘッドの複数の挿着孔は、少なくとも、前記ホーゼルの基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記標準用ライ角となるよう前記挿入角度を設定した標準用挿着孔と、前記ホーゼルの基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記長尺用角度となるよう前記挿入角度を設定した長尺用挿着孔とを含み、前記標準用挿着孔と前記長尺用挿着孔とを選択的に使用して、前記シャフトを前記ホーゼルを介して前記ヘッドに接続することにより、前記ライ角を前記標準用ライ角と前記長尺用ライ角との間で変更して調節する。
【0015】
請求項9に係るゴルフパターは、上面で開口して内部へと延びる複数の挿着孔を所定間隔で配置したヘッドと、標準パター用の長さである標準長と長尺パター用の長さである拡大長との間で長さを可変調節して設定自在な長さ調節手段を有するシャフトと、前記シャフトの下端に着脱自在に取付けられる基端部と、前記ヘッドの挿着孔に着脱自在に取付けられる先端部と、前記基端部と前記先端部との間を一体に接続する屈曲部とを有するホーゼルとを備える。前記ホーゼルとしては、前記屈曲部の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼルを備える。また、前記複数種類のホーゼルを、少なくとも、前記基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記シャフトの標準長に対応する標準用ライ角となるよう前記屈曲部の屈曲角度を設定した標準用ホーゼルと、前記基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記シャフトの長尺長に対応する長尺用ライ角となるよう前記屈曲部の屈曲角度を設定した長尺用ホーゼルとから構成し手いる。更に、前記複数種類のホーゼルのいずれかを選択すると共に、前記ヘッドの複数の挿着孔のいずれかを選択し、当該選択したホーゼルを当該選択したヘッドの挿着孔に挿着することにより、前記シャフトの中心軸に対する前記ヘッドのソールの交差角度であるライ角を、前記標準用ライ角及び前記長尺用ライ角を少なくとも含む複数のライ角のうちの任意のライ角に可変調節して設定自在としている。
【0016】
請求項10に係るゴルフパターは、請求項9の構成において、前記ヘッドの挿着孔として、当該ヘッドの上面の長さ方向一側の略半部に、前記標準用ホーゼル及び前記長尺用ホーゼルを含む前記複数種類のホーゼルを選択的に挿着自在な複数の右打用挿着孔を設けると共に、当該ヘッドの上面の長さ方向他側の略半部に、前記標準用ホーゼル及び前記長尺用ホーゼルを含む前記複数種類のホーゼルを選択的に挿着自在な複数の左打用挿着孔を設けている。また、前記複数種類のホーゼルのいずれかを選択すると共に、前記ヘッドの複数の右打用挿着孔のいずれかを選択し、当該選択したホーゼルを当該選択したヘッドの右打用挿着孔に挿着することにより、前記ライ角を右打プレーヤ用の前記標準用ライ角及び前記長尺用ライ角を含む複数のライ角のうちの任意のライ角に可変調節して設定自在とすると共に、前記複数種類のホーゼルのいずれかを選択すると共に、前記ヘッドの複数の左打用挿着孔のいずれかを選択し、当該選択したホーゼルを当該選択したヘッドの左打用挿着孔に挿着することにより、前記ライ角を左打プレーヤ用の前記標準用ライ角及び前記長尺用ライ角を含む複数のライ角のうちの任意のライ角に可変調節して設定自在としている。
【0017】
請求項11に係るゴルフパターは、請求項9または10の構成において、前記シャフトの中心軸の延長線上に前記ヘッドの重心位置がくるよう、前記ヘッドにおける複数の挿着孔の位置と前記複数種類のホーゼルの各々の傾斜角度とを設定している。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係るゴルフパターは、パターのシャフトの長さを簡単に変更することができると共に、ライ角を適宜調節自在とすることにより、標準パターのシャフト長とした場合及び長尺・中尺等のロングパター用のシャフト長とした場合のいずれの場合でも、最適なライ角を実現することができる。
【0019】
請求項2に係るゴルフパターは、請求項1の効果に加え、ホーゼルを交換するだけで、簡単にライ角を調節することができる。
【0020】
請求項3に係るゴルフパターは、請求項2の効果に加え、ヘッドの後側部交換により全体重量及び重心位置(重心深度)を調節可能であるため、シャフトの長さに応じた最適な操作性を実現することができる。
【0021】
請求項4に係るゴルフパターは、請求項2の効果に加え、ヘッドの前側部交換により打面構成(ロフト角、フェイス溝の位置及び数等)を調節可能であるため、シャフトの長さに応じた最適な操作性を実現することができる。
【0022】
請求項5に係るゴルフパターは、請求項2の効果に加え、ヘッドの全体交換により全体重量及び重心位置(重心深度)を調節可能であるため、シャフトの長さに応じた最適な操作性を実現することができる。また、複数種類のヘッドにおいて打面構成をも相違させることで、打面構成の変更も可能となる。
【0023】
請求項6に係るゴルフパターは、請求項5の効果に加え、挿着孔を選択することで重心位置(重心深度)を調節可能であるため、シャフトの長さに応じた最適な操作性を実現することができる。
【0024】
請求項7に係るゴルフパターは、請求項2の効果に加え、ヘッドと一体になっているホーゼルを交換することにより全体重量及び重心位置(重心深度)を調節可能であるため、シャフトの長さに応じた最適な操作性を実現することができる。
【0025】
請求項8に係るゴルフパターは、請求項1の効果に加え、ヘッドの挿着孔選択により簡単にライ角を調節することができる。また、ヘッドに挿着孔を複数形成するだけの簡単な構成でライ角調節を実現でき、かつ、ホーゼル自体を複数用意する必要がなく、従来の構成のまま使用することができるため、安価な構成とすることができる。
【0026】
請求項9に係るゴルフパターは、請求項1の効果と同様の効果に加え、ホーゼルを交換していずれかの挿着孔に挿着するだけで、標準用、長尺用等のパターに対応する任意のライ角を自動的に得ることができ、必要な部品点数を削減でき、コンパクトな構成とすることができる。
【0027】
請求項10に係るゴルフパターは、請求項9の効果に加え、単一のヘッドを使用して右打及び左打の場合に対応することができる。
【0028】
請求項11に係るゴルフパターは、請求項9または10の効果に加え、ホーゼルをヘッドに挿着するだけで、自動的にシャフトの延長線がヘッドの重心位置に配置され、理想的なパッティング操作が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素または部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0030】
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。図2は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのシャフトの長さ調節手段を示す側面図である。図3は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す側面図である。図4は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す平面図である。
【0031】
図1に示すように、実施の形態1に係るゴルフパターは、ヘッド10、ホーゼル20及びシャフト30を備えている。ヘッド10は、基部11、前側部12及び後側部13に3分割されている。詳細には、基部11は、長さ方向(図中水平方向)に延びる延設部11aと、延設部11aの両端から垂下する一対の垂下部11bとからなるコ字板状をなしている。基部11の両垂下部11b間の開放端を下方に向けた状態で、延設部11aの一端側の位置に、前記ホーゼル20の下端が溶接や接着等により離脱不能に一体的に固着されている。なお、基部11へのホーゼル20の取付位置(固着位置)は、通常の標準パターまたはロングパターにおけるヘッドの長さ方向におけるホーゼルの固定位置と同様とすることができる。また、ホーゼル20は、その下端部に直径方向に延びるスリット23aを形成し、このスリット23aを基部11に密嵌して固着している。よって、ホーゼル20の下端部の半径方向一側(スリット23aより前側)が基部11の前面から前方へと半円形状に突出すると共に、半径方向他側(スリット23aより後側)が基部11の後面から後方へと半円形状に突出している。更に、基部11には、延設部11aの長さ方向両端付近の位置と、各垂下部11bの下端付近の位置に、それぞれ、小径の円形状をなす挿通孔11cが厚さ方向に貫通形成されている。次に、前側部12は、連結面12aの内側に凹部12bを形成した四角板状をなしている。連結面12aの外形寸法は、コ字状の基部11の外形寸法と同一寸法(幅及び長さ)となっている。また、前側部12の連結面12aにおいて前記基部11の挿通孔11cと対応する位置(連結時に整合する各位置)には、それぞれ、略同一直径のねじ孔12cが、前側部12の厚さ方向途中の位置まで形成されている。更に、前側部12の後面となる連結面12aの上端側で長さ方向(図中水平方向)に延びる部分には、前記基部11におけるホーゼル20の取付位置と対応する位置に、ホーゼル20の下端部の前記前側の半円状の突出部分の外形と対応する半円形状の収容凹部12dが形成されている。また、前側部12の前面は、所定の溝等が形成されたフェイス面(打面)12eとなっている。次に、後側部13は、連結部13aの後面の下側に突出部13bを一体形成したマレット形状をなしている。連結部13aの外形寸法は、コ字状の基部11の外形寸法と同一寸法(幅及び長さ)となっている。また、後側部13の連結部13a及び突出部13bにおいて前記基部11の挿通孔11cと対応する位置(連結時に整合する各位置)には、それぞれ、略同一直径の挿通孔13cが厚さ方向に貫通形成されている。更に、後側部13の前面の上端側には、前記基部11におけるホーゼル20の取付位置と対応する位置に、ホーゼル20の下端部の前記後側の半円状の突出部分の外形と対応する半円形状の収容凹部13dが形成されている。
【0032】
前記基部11の前面及び後面に前側部12及び後側部13の外形を合致させてそれぞれ密接配置して、各々の挿通孔11c,13c及びねじ孔12cを互いに整合し、後側部13の挿通孔13cから基部11の挿通孔11cを通して前側部のねじ孔12cにねじ14を螺入することにより、基部11の前面及び後面に前側部12及び後側部13をそれぞれ着脱自在に固定するようになっている。このとき、前側部12の収容凹部12d及び後側部13の収容凹部13dが、ホーゼル20の下端部の外周面に隙間なく密接するようになっている。これにより、基部11の前側に前側部12が着脱自在に取付けられてヘッド10の打面を構成すると共に、基部11の後側に後側部13が着脱自在に取付けられて、それらが一体となってヘッド10を構成するようになっている。なお、ヘッド10を構成する基部11、前側部12及び後側部13は、通常のヘッド材料(スチール等)により形成される。
【0033】
ホーゼル20は、直線円筒状の基端部21と、クランク筒状の屈曲部22と、直線円筒状の先端部23とを有し、上記のように、先端部23の下端部の直径方向両側に前記スリット23aを形成して、スリット23aを介してヘッド10の基部11の所定位置に一体的に取付けて固着されるものである。また、ホーゼル20の屈曲部22は、基端部21と先端部23との間の長さ方向略中央付近に設けられ、それらを一体的に接続している。更に、ホーゼル20は、基端部21の上端を円形に開口して円形のシャフト孔21aを設けている。ホーゼル20のシャフト孔21aの内径はシャフト30の下端の外径と同一径とされ、ホーゼル20のシャフト孔21aから基端部21内にシャフト30の下端部を挿入して嵌合することにより、ホーゼル20をシャフト30の下端に着脱自在に取付けるようになっている。即ち、ホーゼル20は、基端部21のシャフト孔21aを介してシャフト30の下端に着脱自在に取付けられ、その基端部21がシャフト30の中心軸から下方へと直線的に延びている。一方、ホーゼル20の屈曲部22は、図3及び図4に示すように、前方(ヘッド10の打面12e側)へとクランク状に屈曲すると共に、図5に示すように、ヘッド10のソールのヒール側へと所定角度で屈曲し、ゴルフパターのライ角θを決定するようになっている。
【0034】
シャフト30は、図2に示すように、標準パター用の長さである標準長と、長尺パター(中尺パターを含む)用の長さである拡大長(中尺長、長尺長)との間で、伸縮構造またはアダプタ取付構造等により、長さを可変調節して設定自在な長さ調節手段を有する。詳細には、シャフト30は、円筒状の基部31を有し、基部31の上端に円形の開口32を形成している。また、シャフト30は、基部31の内径と同一の外径を有し、開口32から内部へと同軸状に挿入して着脱自在及びスライド自在とされる円筒状の挿入部33を有している。更に、シャフト30は、挿入部33の上端に、膨出リング状の区画部34を介して、グリップ部35を同軸状に一体形成している。なお、グリップ部35の上端には円形蓋状の止部36が取付けられている。シャフト30は、挿入部33を基部31の内部に所望の深さだけ挿入して、その位置に位置決めして保持自在となっている。例えば、シャフト30は、標準長、長尺長の2段階や、標準長、中尺長、長尺長の3段階で、挿入部33を基部31の内部に所望の深さだけ挿入して、その位置に位置決めして保持自在となっており、これにより、シャフト30全体の長さを所定の複数段階の長さのいずれかに選択的に調節して、ゴルフパターの長さを所定の複数段階の長さのいずれかに選択的に調節自在となっている。なお、シャフト30は、上記3段階以上の段階で長さを調節自在としたり、使用者の好みの任意の長さとなるよう連続的に長さ調節自在としたりすることもできる。また、かかるシャフトの長さ調節手段としては、本出願人の実用新案登録第3107612号公報に記載の技術を好適に使用することができる。
【0035】
ここで、ホーゼル20には、実施の形態1のシャフト30の中心軸に対するヘッド10のソールの交差角度であるライ角θを複数段階で可変調節して設定自在なライ角調節手段が設けられている。詳細には、実施の形態1では、屈曲部22の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼル20を予め製作して用意し、その中から、シャフト長さに応じたライ角を形成するホーゼル20を選択して、当該ホーゼル20によりヘッド10とシャフト30とを所定の連結角度で連結するようになっている。なお、ホーゼル20は、屈曲部22をヘッド10のソールの長さ方向(図1の矢印BAの方向)に所定の屈曲角度で屈曲させたものであり、かかる屈曲角度を相違させたものが複数用意されている。これにより、シャフト30の長さを前記標準長に調節して設定したときに、ライ角θを当該標準長に対応する標準用ライ角(例えば、63〜71度)に設定するようホーゼル20を介してヘッド10をシャフト30に取付ける。また、シャフト30の長さを前記拡大長に調節して設定したときに、ライ角θを当該拡大長に対応する角度であって前記標準用ライ角より大きい角度である長尺用ライ角(例えば、72〜80度)に設定するようホーゼル20を介してヘッド10をシャフト30に取付ける。より詳細には、前記複数種類のホーゼル20は、少なくとも、基端部21の延長線のヘッド10のソールに対する交差角度が前記標準用ライ角となるよう屈曲部22の屈曲角度を設定した標準用ホーゼル20と、基端部21の延長線のヘッド10のソールに対する交差角度が前記長尺用角度となるよう屈曲部22の屈曲角度を設定した長尺用ホーゼルとを含む。そして、標準用ホーゼル20と長尺用ホーゼル20とを選択的に使用してシャフト30及びヘッド10を互いに接続することにより、ライ角θを標準用ライ角と長尺用ライ角との間で変更して調節するようにしている。
【0036】
図5は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのライ角調節手段としてのホーゼルを交換することによりライ角を複数段階で調節する場合を説明する説明図であり、(a)はライ角を標準用ライ角とした場合を、(b)はライ角を短尺側の中尺用ライ角とした場合を、(c)はライ角を長尺側の中尺用ライ角とした場合を、(d)はライ角を長尺用ライ角とした場合を示す。
標準用パターの場合、一般に、シャフト長が32〜35インチ(標準長)の範囲となるため、かかるシャフト長に対応する標準用ライ角θ1は、図5(a)に示すように、61〜72度の範囲(通常は67〜72度の範囲)とすることが好ましい。次に、ロングパターとしての中尺パターは、短尺側と長尺側とに分けることができ、中尺パターの短尺側は、一般に、シャフト長が36〜39インチ(中尺長)の範囲となるため、かかるシャフト長に対応する短尺側の中尺用ライ角θ2は、図5(b)に示すように、72〜73度の範囲とすることが好ましい。一方、中尺パターのうちの長尺側(通常の中尺パターと呼ばれるもの)は、一般に、シャフト長が40〜45インチ(中尺長)の範囲となるため、かかるシャフト長に対応する長尺側の中尺用ライ角θ3は、図5(c)に示すように、73度〜75度の範囲とすることが好ましい。最後に、長尺用パターは、一般に、シャフト長が46〜50インチ(長尺長)の範囲となるため、かかるシャフト長に対応する長尺用ライ角θ4は、図5(d)に示すように、78〜80度の範囲とすることが好ましい。よって、図5に示す事例の場合、ホーゼル20として、上記標準用ライ角θ1、短尺側の中尺用ライ角θ2、長尺側の中尺用ライ角θ3及び長尺用ライ角θ4を得るように屈曲部22の左右方向(ヘッドのソールの長さ方向)の屈曲角度を段階的(4段階)に相違させた合計4種類のホーゼル20を用意し、シャフト30の長さ変更に合わせてそのうちのいずれかのホーゼル20を選択的に交換使用するようにしている。
【0037】
図6は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのホーゼルの屈曲部の屈曲角度とライ角との関係を示す説明図であり、(a)はホーゼルの屈曲部を1段屈曲状(く字状)とした場合を示し、(b)はホーゼルの屈曲部を2段屈曲状(クランク状)とした場合を示す。図6(a)に示すように、基端部21と先端部23との間で1回のみ屈曲する単純屈曲形状(く字状)の屈曲部22を有するホーゼルの場合、屈曲部22の屈曲角度Xは、ヘッド10のソールに対するシャフト30の傾斜角(ホーゼルの基端部21の延長線の傾斜角)であるライ角θと、ヘッド10のソールに対するホーゼルの先端部23の傾斜角α(通常は90度)の合計の角度(X=α+θ)となる。よって、ライ角θが、上記標準用ライ角θ1、中尺用ライ角θ2、中尺用ライ角θ3、長尺用ライ角θ4となるよう、ホーゼルの先端部23の傾斜角αに基づき、屈曲部22の屈曲角度X(=α+θ)を設定した4種類のホーゼル20を作成して交換使用するようにする。一方、図6(b)に示すように、基端部21と先端部23との間で2回屈曲する屈曲形状(クランク状)の屈曲部22を有するホーゼルの場合、屈曲部22の全体の屈曲角度Xは、先端部23側の屈曲角度X1と基端部21側の屈曲角度X2とにより決定される(X=X1−(180−X2))。そして、このように決定される全体の屈曲角度Xが、ヘッド10のソールに対するシャフト30の傾斜角(ホーゼルの基端部21の延長線の傾斜角)であるライ角θと、ヘッド10のソールに対するホーゼルの先端部23の傾斜角α(通常は90度)の合計の角度(X=α+θ)となる。よって、ライ角θが、上記標準用ライ角θ1、中尺用ライ角θ2、中尺用ライ角θ3、長尺用ライ角θ4となるよう、ホーゼルの先端部23の傾斜角αに基づき、屈曲部22の屈曲角度X(=α+θ)を得るように先端部23側の屈曲角度X1と基端部21側の屈曲角度X2との任意の組合せを設定した4種類のホーゼル20を作成して交換使用するようにする。
【0038】
図3に示すように、ヘッド10の前側部12のフェイス面12eは、ヘッド10のソール面(図3中の下面)と直交する垂直面ではなく、所定のロフト角βで若干後方に傾斜する傾斜面とされている。なお、図3では、説明の便宜上、前側部12のフェイス面12eが極端に大きいロフト角を有しているが、通常は、数度程度のロフト角を有している。ここで、実施の形態1に係るゴルフパターでは、ヘッド10は、基部11に対して前側部12及び後側部13を組み付けて構成するため、前側部11及び後側部13として、シャフト30の長さ(標準長、中尺長、長尺長)に応じて、形状、重量、素材、重心位置、重量バランス等を相違させた複数種類のものを用意し、それらをシャフト30の長さ変更に合わせて交換自在としている。即ち、ヘッド10は、前側部12として、少なくともロフト角及び打面形状(溝形状)のいずれか一つを相違させた複数種類の前側部12を別個に製作して用意しており、複数種類の前側部12を選択的に使用して基部11の前側に取付けてヘッド10を構成することにより、ヘッド10の打面構成を変更及び調節自在としている。例えば、シャフト30の長さを標準長から拡大長へと変更するとともに、シャフト長に応じたロフト角を有する前側部12に交換することで最適な操作性を実現することができる。また、同時に、前側部12のフェイス面12eの形状の違うもの、例えば、フェイス溝の位置や数が異なったものと交換することでより最適な操作性を実現することができる。更に、前側部12をフェイス面12eの材質の違うものと交換することにより、ヘッド10の全体重量やインパクト時のボールタッチを調節可能となる。
【0039】
一方、ヘッド10は、後側部13として、標準用重量及び標準用重心位置を有する標準用後側部13と、前記標準用重量より大きい長尺用重量及び前記標準用重心位置と異なる長尺用重心位置を有する長尺用後側部13とを別個に製作して用意している。そして、前記標準用ホーゼル20の先端部23の下端に固着した基部11の後側には、前記標準用後側部13を取付けてヘッド10を構成し、シャフト30の標準長に対応する標準用重量バランスを得るようにしている。一方、前記長尺用ホーゼル20の先端部23の下端に固着した基部11の後側には、前記長尺用後側部13を取付けてヘッド10を構成し、シャフト30の拡大長に対応する長尺用重量バランスを得るようにしている。これにより、シャフト30の標準長に対応する標準用重量バランス及び前記拡大長に対応する長尺用重量バランスとの間でヘッド10の重量バランスを調節するようにすることができる。具体的には、ヘッド10の後側部13を交換することにより、ヘッド10の全体重量及び重心位置(重心深度)を調節可能であるため、シャフト長に応じた適切な操作性を実現することができる。例えば、後側部13として、トンカチ型またはマレット型(重心深度が深いタイプのゴルフパター)と同様な形状のものに交換することにより、ヘッド10の重心深度を深くすることができ、深い重心深度を必要とするシャフト長(例えば、長尺パターの場合)のシャフト30と組み合わせることで、最適な操作性を実現することができる。このように、標準用後側部13、中尺用後側部または長尺用後側部13を選択的に使用してヘッド10の全体重量及び重心位置(重心深度)を調節することにより、例えば、シャフト長を標準長から拡大長(中尺長、長尺長)へ変更するとともに、ゴルフパターの重量バランスを調節することができる。したがって、プレーヤの最適なフィーリングや操作性に合わせた変更が可能となる。なお、ヘッド10の基部11もホーゼル20に対して着脱自在とすることにより、基部11を交換して重量や重心位置を調節するようにしてもよい。
【0040】
加えて、ホーゼル20のシャフト孔21a内には、図4に示すように、シャフト孔21aと同一外径の円柱状(断面円形の棒状)をなす鉛等の素材からなる調節部材25を着脱自在に挿着し、シャフト30の長さ調節手段によりゴルフパターを標準長、中尺長及び長尺長の間で長さ調節したときに、シャフト30の全体重量や重量バランス等を調整するようにしてもよい。また、かかる調節部材25は、ホーゼル20のシャフト孔21aからホーゼル20内にのみ延設してもよいが、下部をホーゼル20内部に延設すると共に上部をシャフト30の下端開口からその内部へと上方に所定距離延びるよう延設してもよい。或いは、シャフト30にのみ、下端開口からその内部へと上方に所定距離延びるよう延設してもよい。かかる調節部材は、ゴルフパターを標準長、中尺長または長尺長としたときにシャフト重量や重量バランスが最適重量・重量バランスとなるように長さや重量を設定した異なる種類のものをそれぞれ用意し、シャフト30の長さ変更に合わせて所定のものを使用する。
【0041】
ここで、後側部13には、前側部12の凹部12bと同様、前面側に開口する凹部を形成して中空状としてもよいが、後側部13を中実としてもよい。或いは、前側部12は、凹部12bを有しない中実状としてもよい。或いは、前側部12の凹部12b及び後側部13の凹部の少なくともいずれか一方に、同一素材または合成樹脂、鉛、合金等の別素材からなる調節部材を重量や重量バランスの調節用として充填してもよい。この場合、調節部材は、前側部12の凹部12bや後側部13の凹部に一体的に固定してもよい。しかし、調節部材を着脱自在に取付るようにすれば、シャフト30を標準長、中尺長、長尺長間で変更して交換するときに、調節部材の形状、材質、重量、取付位置等を適宜調節することで、ヘッド10の全体重量や重心位置や重心深度等を調節することができる。また、基部11は、図示のコ字状とする以外に、長方形板状とすることもできる。しかし、基部11をコ字状として開放部分を設けると、基部11の開放部分を介して、単一の前記調節部材を前側部11から後側部13へとわたって連続的に取付けることができ、ヘッド10の重心調整等の点でより好ましい。
【0042】
更に、基部11に対して前側部12及び後側部13をねじ14により着脱自在に固着する以外にも、基部11の前面及び後面と前側部12の後面及び後側部13の前面とにおいて互いに対向する位置または部位に、それぞれ、互いに密嵌または挿着により凹凸の関係で係合固定自在となる凸部及び凹部を一体形成等により設け、当該凸部と凹部との係合により基部11に対して前側部12及び後側部13を着脱自在に固着するようにしてもよい。或いは、基部11、前側部12及び後側部13を磁性体とし、基部11に対して前側部12及び後側部13を磁力により着脱自在に固着するようにしてもよい。或いは、上記凸部及び凹部により係合と磁力とを組み合わせて、基部11に対して前側部12及び後側部13をねじ14により着脱自在に固着するようにしてもよい。即ち、基部11に対して前側部12及び後側部13を簡単に着脱自在とする限りにおいて、ねじ以外の任意の締結部材や、締結部材以外の任意の連結手段を使用することができる。また、基部11を前側部12及び後側部13より小さい外形寸法として、前側部11に形成した凹部12bや後側部13に形成した凹部内に密嵌して完全に収容し、ヘッド10の連結組立て時に、前側部12の後面と後側部13の前面とが互いに密接するようにしてもよい。こうすると、ヘッド10を3ピース構成とする一方で、その外観を2ピース状とすることができる。
【0043】
そして、ヘッド10の基部12は、標準用ホーゼル20の下端に固着されるものと長尺用ホーゼル20の下端に固着されるものとで同一構成とし、ヘッド10は、後側部13として、シャフト30の長さを標準長に設定したときのヘッド10全体の重量バランスに対応する標準用重量及び標準用重心位置を有する標準用後側部13と、シャフト10の長さを拡大長に設定したときのヘッド10の重量バランスに対応する重量及び重心深度であって標準用重量より大きい長尺用重量及び標準用重心位置と異なる長尺用重心位置を有する長尺用後側部13とを有している。標準用後側部13と長尺用後側部13とを選択的に使用して基部12の後側に取付けて、即ち、標準用ホーゼル20の先端部の下端に固着した基部12の後側には標準用後側部13を取付けてヘッド10を構成すると共に、長尺用ホーゼル20の先端部の下端に固着した基部12の後側には長尺用後側部13を取付けてヘッド10を構成することにより、シャフト30の標準長に対応する標準用重量バランス及び拡大長に対応する長尺用重量バランスとの間でヘッド10の重量バランスを調節している。
【0044】
実施の形態2
図7は本発明の実施の形態2に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
図7に示すように、実施の形態2に係るゴルフパターは、ヘッド110として、実施の形態1のような3分割・組立式のものではなく、一体型のものを使用している。ヘッド110としては、略角柱形状、略直方体状、L型、ピンアンサー型、マレット型、キャッシュイン型等とすることができる。詳細には、ヘッド110は、上面にホーゼル用の大径のねじ孔111を下方へと延びるよう形成すると共に、ねじ孔111の左右両側(ヘッド110の長さ方向両側)に一対の小径のねじ孔112を下方へと延びるよう形成している。一方、ホーゼル120は、実施の形態1のホーゼル20の基端部21、屈曲部22及び先端部23と同様の、基端部121、屈曲部122及び先端部123を一体的に有し、基端部121の上端の円形の開口121aにシャフト30の下端部を着脱自在に取付けるようになっている。また、ホーゼル120は、先端部123の下端に、取付フランジ124を介して、雄螺子124を同軸状となるよう一体形成している。取付フランジ124は、先端部123と取付フランジ124との境界部分から放射方向に突出する一対の帯板状乃至長方形板状をなし、各々の突出部分に小径の挿通孔124aを貫通形成している。そして、ホーゼル120の雄螺子125をヘッド110のねじ孔111に螺入すると共に、取付フランジ124の挿通孔124aを介してヘッド110のねじ孔112にねじ14を螺入することにより、ホーゼル120の下端にヘッド110を着脱自在に取付けるようになっている。ここで、ホーゼル120の雄螺子124をヘッド110のねじ孔111に完全に螺入したときに、取付フランジ124の挿通孔124aがヘッド110のねじ孔112と整合するよう、雄螺子124及びヘッドのねじ孔111のねじのピッチや深さが設定されている。なお、ホーゼル120の先端部123の下端に雄螺子124を形成するのではなく、雄螺子124部分を円筒状の挿着部として形成すると共に、当該挿着部の外径と同一の円形断面の挿着孔をヘッド110の上面から下方へと形成し、前記ホーゼル120の挿着部をヘッド110の挿着孔に挿着した後、取付フランジ124をねじ14によりヘッド110にねじ止めして、ホーゼル120の下端にヘッド110を着脱自在に取付けるようにしてもよい。
【0045】
ここで、実施の形態2に係るゴルフパターは、実施の形態1のホーゼル20と同様、屈曲部122の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼル120を別個に製作して用意し、シャフト長の変更調節に対応して、所定のホーゼル120を交換使用するようにしている。更に、実施の形態2に係るゴルフパターは、ヘッド110として、標準用ヘッド110と中尺用ヘッド110と長尺用ヘッド110とを別個に製作して用意している。標準用ヘッド110は、シャフト30の長さを標準長に設定したときのヘッド110全体の重量バランスに対応する標準用重量及び標準用重心位置を有するものである。また、中尺用ヘッド110は、シャフト30の長さを拡大長のうちの中尺長に設定したときのヘッド110全体の重量バランスに対応する重量及び重心深度であって、標準用重量より大きい中尺用重量及び前記標準用重心位置と異なる中尺用重心位置を有するものである。更に、長尺用ヘッド110は、シャフト30の長さを拡大長のうちの長尺長に設定したときのヘッド110の重量バランスに対応する重量及び重心深度であって、標準用重量及び/または中尺用重量より大きい長尺用重量並びに前記標準用重心位置及び/または中尺用重心位置と異なる長尺用重心位置を有するものである。そして、実施の形態2に係るゴルフパターは、標準用ヘッド110と中尺用ヘッド110と長尺用ヘッド110とを選択的に使用してホーゼル120の下端に取付けることにより、シャフト30の標準長に対応する標準用重量バランス、シャフト30の中尺長に対応する中尺用重量バランス及び長尺長に対応する長尺用重量バランスとの間でヘッド110の重量バランスを調節するようにしている。このように、実施の形態2に係るゴルフパターは、ヘッド110全体を交換することにより簡単に全体重量及び重心位置(重心深度)を調節可能で、シャフト長に応じたヘッド110に交換することで最適な操作性を実現することができる。また、ヘッド110は、複数種類のヘッドにおいて打面構成をも相違させることで、打面構成の変更をも簡単に行うことができる。
【0046】
ここで、ヘッド110は、前記ねじ孔(または挿着孔)111を、ヘッド110の長さ方向に複数形成したものとしてもよい。こうすると、ホーゼル120の雄螺子(または挿着部)125を当該ヘッド110の複数のねじ孔(または挿着孔)111のいずれかに選択的に螺入(または挿着)することにより、ヘッド110の有効打面範囲を変更自在とすることができる。この場合、ヘッド110のねじ孔(または挿着孔)111は、シャフト30を標準長及び拡大長(中尺長、長尺状)間で交換するのに応じて、そのうちのいずれかを選択的に使用するようにしてもよい。いずれの場合も、パッティング時のヘッド110の好適なインパクト範囲(有効打面)が変化する。例えば、ヘッド110の長さ方向のトウ側のねじ孔(または挿着孔)111またはヒール側のねじ孔(または挿着孔)111にホーゼル120を取付けた場合、ヘッド110の有効打面は、ヘッド110の重心位置とシャフト30の中心軸の延長線との間の広い範囲となる。一方、例えば、ヘッド110の中央のねじ孔(または挿着孔)111にホーゼル120を取付けた場合、有効打面は、ヘッド110の重心位置とシャフト30の中心軸の延長線との間の狭い範囲となる。トウ側またはヒール側のねじ孔(または挿着孔)111を使用した場合にはヘッド110の有効打面は広くなるが、パッティングのストローク中にフェイス面が開き易くなる。一方、ヘッド110の中央のねじ孔(または挿着孔)111を使用した場合にはパッティングのストローク中にヘッド110のフェイス面が開くことはないが、有効打面が小さくなる。なお、使用しないヘッド110のねじ孔(挿着孔)111には、同一形状のプラグ部材を着脱自在に充填するようにしてもよい。
【0047】
ここで、ゴルフパターのシャフト長を拡大長としてロングパターとした場合、一般に、プレーヤは、パッティングの際に左手を支点として右手だけでゴルフパターを操作することになる。また、このとき、シャフト長が拡大長となり、かつ、ヘッド110交換により全体重量が大きくなるため、慣性モーメントが比較的大きく働くことになり、ストロークがゆっくりとなり安定する。よって、この場合、プレーヤは、的確にヘッド110の有効打面中心付近でゴルフボールをインパクトすることができるため、有効打面は小さくともストローク中にフェイス面が開きにくくなる中央のねじ孔(挿入孔)111を使用することが好ましい。一方、ゴルフパターのシャフト長を標準長として標準パターとした場合、一般的なプレーヤでは、パッティング時に有効打面中心を外す可能性があるため、有効打面を大きくできるトウ側またはヒール側のねじ孔(挿着孔)111を使用することが好ましい。このようにしたゴルフパターは、ヘッド110の3個のねじ孔(挿着孔)111のいずれかを選択的に使用することで、シャフト長に応じた最適な操作性を実現することができる。
【0048】
実施の形態3
図8は本発明の実施の形態3に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
図8に示すように、実施の形態3に係るゴルフパターは、実施の形態2のホーゼル120から取付フランジ124を省略し、雄螺子125をヘッド110のねじ孔111に螺入することのみにより、ホーゼル120の下端にヘッド110を着脱自在に取付けるものである。
【0049】
実施の形態4
図9は本発明の実施の形態4に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
図9に示すように、実施の形態4に係るゴルフパターは、ヘッド210として、実施の形態2と同様の一体型のものを使用している。詳細には、ヘッド210は、水平方向(ヘッド210の長さ方向)に延びるスリット状(横長長方形状)の挿着孔211を、その後面から前方へと延びるよう形成している。ヘッド210の挿着孔211は、長方形板状の凹部空間となっている。また、ヘッド210は、挿着孔211の上端中央に四分円弧状の断面を有して左右方向に延びる保持凹部212を形成している。更に、ヘッド210は、上面において保持凹部212の左右両側(ヘッド210の長さ方向両側)に、一対の小径の挿通孔213を下方へと延びるよう形成している。ヘッド210の一対の挿通孔213は、前記挿着孔211の左右両側部と連通している。一方、ホーゼル220は、円筒状の基端部221と、屈曲部222と、帯板状の先端部223とを有している。ホーゼル220の基端部221の上端の円形の開口221aに、シャフト30の下端部を着脱自在に取り付けるようになっている。屈曲部222は、基端部221と先端部223とを実施の形態1で述べた所定の屈曲角度で連結する部分である。先端部223の下端には、前記ヘッド210の挿着孔211と同一の長方形板状をなす挿着部224が前方へと延びるよう一体的に固着されている。挿着部224の左右には一対のねじ孔224aが形成されている。ホーゼル220の挿着部224をヘッド210の挿着孔211に完全に挿入したときに、挿着部224のねじ孔224aがヘッド210の挿通孔213と整合するようになっている。また、このとき、ホーゼル220の先端部223の下端部がヘッド210の保持凹部212に収容保持されて位置決めされるようになっている。そして、この状態で、ヘッド210の挿通孔213を介してホーゼル220の挿着部224のねじ孔224aにねじ14を螺入することにより、ホーゼル220の下端にヘッド210を着脱自在に取付けるようになっている。
【0050】
実施の形態4に係るゴルフパターは、実施の形態2のホーゼル120と同様、屈曲部222の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼル220を別個に製作して用意し、シャフト長の変更調節に対応して、所定のホーゼル220を交換使用するようにしている。また、実施の形態4に係るゴルフパターは、実施の形態2と同様、ヘッド210として、標準用ヘッド210と中尺用ヘッド210と長尺用ヘッド210とを別個に製作して用意し、シャフト長の変更調整に合わせて選択的に使用自在としている。ここで、実施の形態4に係るゴルフパターは、実施の形態2と同様、ヘッド210の挿着孔211を、ヘッド210の長さ方向に複数(トウ側、ヒール側、中央側)形成したものとしてもよい。こうすると、ホーゼル220の挿着部224を当該ヘッド210の複数の挿着孔211のいずれかに選択的に挿着することにより、ヘッド210の有効打面範囲を変更自在とすることができる。なお、使用しないヘッド210の挿着孔211には、同一形状のプラグ部材を着脱自在に充填するようにしてもよい。一方、実施の形態4では、ヘッド210の挿着孔211を水平方向に形成する以外にも、例えば、図9の二点差線で示すような傾斜方向に形成することで、ライ角θを所望の角度に変更することもできる。或いは、ヘッド210の挿着孔211として、同一位置または別の位置に、水平方向のものと傾斜方向のものとを併設し、それらのいずれかを選択的に使用することで、実施の形態1で述べたと同様にして、シャフト長の変更に合わせてライ角を変更調節することができる。
【0051】
なお、実施の形態4では、ヘッド210の挿着孔211に挿入したホーゼル220の挿着部224にねじ14を螺入してヘッド210に固定する以外にも、ヘッド210の挿着孔211に挿入したホーゼル220の挿着部224の上面にネジ14の先端を押し当てて着脱自在に固定保持するようにしてもよい。或いは、ヘッド210の挿着孔211にホーゼル220の挿着部224を圧入して着脱自在に固定保持するようにしてもよい。或いは、ヘッド210保持凹部212を省略してもよい。
【0052】
実施の形態5
図10は本発明の実施の形態5に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
図10に示すように、実施の形態5に係るゴルフパターは、実施の形態4のヘッド210と同様の一体型のヘッド310を有している。一方、ヘッド310は、水平方向(ヘッド210の長さ方向)に延びるスリット状(横長長方形状)の挿着孔311を、その上面から下方へと延びるよう形成している。ヘッド310の挿着孔311は、実施の形態2のヘッド210の挿着孔211と同様の長方形板状の凹部空間となっている。また、ヘッド310は、後面において挿着孔311の左右両側部分に対向する位置に、一対の小径の挿通孔313を前方へと延びるよう形成している。ヘッド310の一対の挿通孔312は、前記挿着孔311の左右両側部と連通している。一方、ホーゼル320は、実施の形態2のホーゼル220と同様、円筒状の基端部321と、屈曲部322と、帯板状の先端部323とを有し、ホーゼル320の基端部321の上端の円形の開口321aに、シャフト30の下端部を着脱自在に取り付けるようになっている。先端部323の下端には、前記ヘッド310の挿着孔311と同一の長方形板状をなす挿着部324が下方へと延びるよう一体形成されている。挿着部324の左右には一対のねじ孔324aが形成されている。ホーゼル320の挿着部324をヘッド310の挿着孔311に完全に挿入したときに、挿着部324のねじ孔324aがヘッド310の挿通孔312と整合するようになっている。そして、この状態で、ヘッド310の挿通孔313を介してホーゼル320の挿着部324のねじ孔324aにねじ14を螺入することにより、ホーゼル320の下端にヘッド310を着脱自在に取付けるようになっている。
【0053】
実施の形態5に係るゴルフパターは、実施の形態4のホーゼル220と同様、屈曲部322の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼル320を別個に製作して用意し、シャフト長の変更調節に対応して、所定のホーゼル320を交換使用するようにしている。また、実施の形態5に係るゴルフパターは、実施の形態4と同様、ヘッド310として、標準用ヘッド310と中尺用ヘッド310と長尺用ヘッド310とを別個に製作して用意し、シャフト長の変更調整に合わせて選択的に使用自在としている。更に、実施の形態5に係るゴルフパターは、実施の形態4と同様、ヘッド310の挿着孔311を、ヘッド310の長さ方向に複数(トウ側、ヒール側、中央側)形成して選択的に使用自在とし、ヘッド310の有効打面範囲を変更自在とすることができる。なお、使用しないヘッド310の挿着孔311には、同一形状のプラグ部材を着脱自在に充填するようにしてもよい。一方、実施の形態5では、実施の形態4と同様、ヘッド310の挿着孔311を、例えば、図10の二点差線で示すような傾斜方向に形成することで、ライ角θを所望の角度に変更することもできる。
【0054】
実施の形態6
図11は本発明の実施の形態6に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
図11に示すように、実施の形態6に係るゴルフパターは、ヘッド410として、2分割・組立式のものを使用している。詳細には、ヘッド410は、上面に横長長方形状の上面側凹部411を所定深さとなるよう形成している。ヘッド410の上面側凹部411の底面の長さ方向両端には、それぞれ、ねじ孔411aが下方へと延びるよう形成されている。また、ヘッド410は、後面に、前記上面側凹部411より幅狭の横長長方形状をなす後面側開口412を形成している。ヘッド410の後面側開口412は、上面側凹部411に連続して形成されると共に、後面側開口412の下端は上面側凹部411の底面より下方に位置している。そして、ヘッド410の後面側凹部412から露出する横長長方形状の面の両端に、それぞれ、ねじ孔412aが前方へと延びるよう形成されている。一方、ホーゼル420は、円筒状の基端部421、屈曲部422及び上面側嵌合部423を一体的に有し、基端部421の上端の円形の開口421aにシャフト30の下端部を着脱自在に取付けるようになっている。ホーゼル420の上面側嵌合部423は、前記ヘッド410の上面側凹部411と同一の横長長方形板状をなし、長さ方向両端部に小径の挿通孔413aを厚さ方向に貫通形成している。また、当該上面側嵌合部423の後端には、ヘッド410の後面側開口412と同一の横長長方形板状をなす後面側嵌合部424が下方に垂下するよう一体形成されている。後面側嵌合部424の長さ方向両端部には、小径の挿通孔424aが厚さ方向に貫通形成されている。そして、ホーゼル420の上面側嵌合部423及び後面側嵌合部424をヘッド410の上面側凹部411及び後面側開口412に嵌合し、上面側嵌合部423及び後面側嵌合部424の挿通孔423a及び挿通孔424aを介してヘッド410のねじ孔411a及びねじ孔412aにねじ14を螺入することにより、ホーゼル420の下端にヘッド410を着脱自在に取付けるようになっている。このとき、上面側嵌合部423及び後面側嵌合部424は、ヘッド410と一体化し、2分割・組立式のヘッドを構成する。
【0055】
ここで、実施の形態6に係るゴルフパターは、実施の形態1のホーゼル20と同様、屈曲部422の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼル420を別個に製作して用意し、シャフト長の変更調節に対応して、所定のホーゼル420を交換使用するようにしている。更に、実施の形態6に係るゴルフパターは、ヘッド410として、実施の形態1と同様にして、標準用ヘッド410と中尺用ヘッド410と長尺用ヘッド410とを別個に製作して用意し、シャフト長の変更調整に合わせて選択的に使用自在としている。また、ホーゼル420は、先端部423に一体形成した上面側嵌合部423及び後面側嵌合部424の重量及び面積等を相違させたものを複数用意して、そのうちのいずれかを選択的に使用することで、ヘッド410への挿着時にヘッド全体の重量バランスを変更するようにすることもできる。
【0056】
実施の形態7
図12は本発明の実施の形態7に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。図13は本発明の実施の形態7に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す側面図である。
図12及び図13に示すように、実施の形態7に係るゴルフパターのヘッド510は、実施の形態1のヘッド10の前側部及び後側部13と同様の構成の前側部511及び後側部512,513からなる2分割・組立式のものである。後側部は、実施の形態1の後側部13の連結部13a及び突出部13bと同様の構成の連結部512及び突出部513を一体形成したものである。また、前側部511には、複数のねじ孔511aが厚さ方向に形成されると共に、後側部の連結部512には、対応する複数の小径の挿通孔が厚さ方向に貫通形成されている。一方、ホーゼル520は、実施の形態6のホーゼル420の基端部421、屈曲部422及び先端部423と同様の、基端部521、屈曲部522及び先端部523を一体的に有し、基端部521の上端の円形の開口521aにシャフト30の下端部を着脱自在に取付けるようになっている。また、ホーゼル520の屈曲部522の下端(ホーゼル520の下端)に、前記ヘッド510を構成する後側部の連結部512が一体的に固着されている。
【0057】
ここで、実施の形態7に係るゴルフパターは、実施の形態1のホーゼル20と同様、屈曲部522の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼル520を別個に製作して用意し、シャフト長の変更調節に対応して、所定のホーゼル520を交換使用するようにしている。更に、実施の形態7に係るゴルフパターは、ヘッド510として、実施の形態1と同様にして、標準用ヘッド510と中尺用ヘッド510と長尺用ヘッド510とを別個に製作して用意し、シャフト長の変更調整に合わせて選択的に使用自在としている。具体的には、実施の形態1で述べたようにして、前側部511及び後側部512,513を、それぞれ、複数種類の構成とすることで、シャフト長の変更に対応するようにしている。
【0058】
実施の形態8
図14は本発明の実施の形態8に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。
図14に示すように、実施の形態8に係るゴルフパターのライ角調節手段は、ヘッド610に形成され、一般的なホーゼル(図示略)または上記実施の形態のホーゼル(20等)の下端部を挿入して着脱自在に取付けると共に、ホーゼルの下端部の挿入角度を相違させた複数(図示の例では3個)の挿着孔611,612,613により構成されている。ヘッド610は、複数の挿着孔611,612,613として、少なくとも、標準用挿着孔611、中尺用挿着孔612及び長尺用挿着孔613を有している。標準用挿着孔611は、シャフト30の中心軸に対するヘッド610のソールの交差角度であるライ角が上記標準用ライ角θ1となるよう、ホーゼルの挿入角度を設定している。また、中尺用挿着孔612は、前記ライ角が上記中尺用ライ角θ2となるよう、ホーゼルの挿入角度を設定している。更に、長尺用挿着孔613は、前記ライ角が上記長尺用ライ角θ3となるよう、ホーゼルの挿入角度を設定している。そして、標準用挿着孔611と中尺用挿着孔612と長尺用挿着孔613とを選択的に使用して、ホーゼルを介してシャフト30をヘッド610に接続することにより、ライ角を標準用ライ角と中尺用ライ角と長尺用ライ角との間で変更して調節自在としている。更に、実施の形態2で説明したと同様の目的で、ヘッド610の中心位置に長尺用挿着孔613を配設し、その両側の位置に、距離x1,x2を置いて標準用挿着孔611及び中尺用挿着孔612を配設している。このようにして、ヘッド610に複数の挿着孔611,612,613を形成するだけの簡単な構成でライ角調節を実現することができ、ホーゼル自体を複数用意する必要がなく、従来の構成のまま使用することができるため、ゴルフパターを安価な構成とすることができる。
【0059】
実施の形態9
図15は本発明の実施の形態9に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のB−B線断面図である。
図15に示すように、実施の形態9に係るゴルフパターは、ヘッド710の長さ方向1箇所の位置に、実施の形態8のヘッド610の挿着孔611,612,613と同様の複数(3個)の挿着孔711,712,713を形成している。よって、ヘッド710の上面では、複数の挿着孔711,712,713の上端の円形開口が、1箇所のみで完全に重複して露出する。なお、実施の形態8と同様、ヘッド710の挿着孔711,712,713は、上記標準用ライ角θ1、中尺用ライ角θ2、長尺用ライ角θ3を形成するよう、ホーゼルの下端部を挿着して着脱自在に保持固定するものである。詳細には、図15に示すように、ヘッド710の上面から延びる垂線VLと挿着孔711,712,713の中心軸とのなす角度である挿入角度γ1,γ2,γ3は、それぞれ、上記標準用ライ角θ1、中尺用ライ角θ2、長尺用ライ角θ3を形成するよう設定されている。
【0060】
実施の形態10
図16は本発明の実施の形態10に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のC−C線断面図、(c)は実施の形態10の別例に係るヘッドの平面図、(d)は(c)のD−D線断面図である。
図16(a)及び(b)に示すように、実施の形態10に係るゴルフパターは、ヘッド810の長さ方向で近接した3箇所の位置に、実施の形態8のヘッド610の挿着孔611,612,613と同様の複数(3個)の挿着孔811,812,813を形成している。よって、ヘッド810の上面では、複数の挿着孔811,812,813の上端の円形開口が、近接した3箇所の位置で露出すると共に、それらの円形開口が一部重複する。なお、実施の形態8と同様、ヘッド810の挿着孔811,812,813は、上記標準用ライ角θ1、中尺用ライ角θ2、長尺用ライ角θ3を形成するよう挿入角度γ1,γ2,γ3を設定し、ホーゼルの下端部を挿着して着脱自在に保持固定するものである。また、図16(c)及び(d)に示す別例では、ヘッド910の長さ方向で近接した2箇所の位置に、実施の形態8のヘッド610の挿着孔611,613と同様の複数(2個)の挿着孔911,912を形成している。よって、ヘッド910の上面では、複数の挿着孔911,912の上端の円形開口が、近接した2箇所の位置で露出すると共に、それらの円形開口が一部重複する。なお、実施の形態8と同様、ヘッド910の挿着孔911,912は、上記標準用ライ角θ1、長尺用ライ角θ3を形成するよう挿入角度γ1,γ3を設定し、ホーゼルの下端部を挿着して着脱自在に保持固定するものである。
【0061】
実施の形態11
図17は本発明の実施の形態11に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のE−E線断面図である。
図17に示すように、実施の形態11に係るゴルフパターは、ヘッド1010の内側に直方体状の収容凹部1011を形成し、同収容凹部1011内に同一の直方体ブロック状をなす別素材の充填部材1020を収容して一体的に固定している。また、充填部材1020には、ヘッド1010(充填部材1020)の長さ方向において離間した2箇所の位置(中央及びソールのトウ側またはヒール側)に、実施の形態8のヘッド610の挿着孔611,613と同様の複数(2個)の挿着孔1021,1022を形成している。なお、実施の形態8と同様、ヘッド1010の挿着孔1021,1022は、上記標準用ライ角θ1、長尺用ライ角θ3を形成するよう挿入角度γ1,γ3を設定し、ホーゼルの下端部を挿着して着脱自在に保持固定するものである。例えば、挿着孔1021の挿入角度γ1=20度に設定した場合、上記実施の形態1のようなライ角形成用の屈曲部を有しないホーゼル(通常のホーゼル)を挿着孔1021に挿着すると、ライ角は90−20度=70度となり、標準用ライ角θ1となる。同様に、挿着孔1023の挿入角度γ3=10度に設定した場合、前記ホーゼルを挿着孔1023に挿着すると、ライ角は、90−10度=80度となり、長尺用ライ角θ3となる。
【0062】
実施の形態12
図18は本発明の実施の形態12に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のF−F線断面図である。
図18に示すように、実施の形態12に係るゴルフパターは、実施の形態11のヘッド1010に、充填部材1020と同様の構成の充填部材1120を一体的に収容固定する一方、充填部材1120には、ヘッド1010(充填部材1120)の長さ方向において近接した2箇所の位置(ソールのトウ側またはヒール側)に、実施の形態8のヘッド610の挿着孔611,613と同様の複数(2個)の挿着孔1121,1122を形成している。なお、実施の形態8と同様、ヘッド1010の挿着孔1121,1122は、上記標準用ライ角θ1、長尺用ライ角θ3を形成するよう挿入角度γ1,γ3を設定し、ホーゼルの下端部を挿着して着脱自在に保持固定するものである。
【0063】
ところで、本発明のゴルフパターのライ角変更手段は、上記実施の形態で述べたように、屈曲部の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼル、若しくは、ホーゼルの挿入角度を相違させてヘッドに形成した複数の挿着孔、または、かかるホーゼルとヘッドの挿着孔との組み合わせにより構成することができるが、単一のホーゼルの屈曲部を前記標準用ライ角と中尺用ライ角と長尺用ライ角との間で角度変更自在となるよう構成してもよい。また、本発明の実施の形態1〜7のホーゼルは、基端部の延長線がヘッドのソールに対してなす交差角度が、標準用ライ角、長尺用ライ角等の所定の角度と一致する限りにおいて、任意の数(1つ以上)及び形状(屈曲、湾曲、複数段屈曲・湾曲等)の屈曲部または湾曲部を有することができる。即ち、図6(a)に示すように、ライ角をθ(度)とし、ホーゼルの下端をヘッドに固着したときにホーゼルの下端部の延長線がヘッドのソールに対してなす交差角度である、ホーゼルのヘッドに対する取付角度をα(度)としたときに、ホーゼルの屈曲部の屈曲角度X(度)がα(度)+θ(度)となるようホーゼルの屈曲部の屈曲角度を設定する(x=α+θ)。また、図6(b)に示すように、ホーゼルが屈曲部を複数有するときは、当該複数の屈曲部の屈曲角度x1,x2に応じて決定される所定角度x(度)が前記α(度)+θ(度)となるようホーゼルの複数の屈曲部の屈曲角度を設定する(x=x1−(180−x2)=α+θ)。
【0064】
具体的には、図6(a)に示すように、ホーゼルが基端部と先端部との間に1つのみ屈曲部を有する場合において、先端部の下端をヘッドのソールに直交して(90度で)取付ける場合は、先端部と基端部との間の屈曲部の屈曲角度xは、x=90度(α)+ライ角(θ)に設定する。例えば、ライ角(θ)=80度で取付角度(α)=95度の場合は、x=80+90=170度となる(事例1)。また、ホーゼルの先端部をヘッドに対して90度超の取付角度(α)で固着する場合も、屈曲角度x=取付角度(α)+ライ角(θ)に設定する。例えば、ライ角(θ)=80度の場合で取付角度(α)=95度の場合は、x=80+95=175度となる(事例2)。なお、取付角度(α)とライ角(θ)との合計角度xが180度となるとき(例えば、α=100度でθ=80度のとき)は、屈曲角度x=180度となり、ホーゼルが直線状となることを意味する。よって、この場合、全体として屈曲角度のないホーゼルとなるが、これは、上記実施の形態8〜12のように、ヘッドに複数の挿着孔の挿入角度を相違させて形成した実施の形態と同様のものとなる。また、上記事例1の場合において、ホーゼルの屈曲部が複数ある場合において、第1の屈曲部(下端側)の屈曲角度x1が260度で、第2の屈曲部(上端側)の屈曲角度x2が90度の場合、ホーゼル全体としての屈曲角度xは、x=x1−(180−x2)=260−(180−90)=α+θ=80+90=170度となる。
【0065】
更に、本発明のライ角調節手段をホーゼルにより構成する場合、かかるホーゼルは、シャフトの下端に着脱自在に取付けられてシャフトの中心軸から直線的に延びる基端部と、ヘッドに所定の固着角度で着脱自在に、または、一体的に固着して取付けられる先端部と、基端部と先端部との間を一体に接続する屈曲部(湾曲部を含む)とを有するものであればよく、ライ角調節手段は、当該屈曲部の屈曲角度(湾曲率を含む)を相違させた複数種類のホーゼルにより構成される。また、この場合、複数種類のホーゼルは、少なくとも、シャフトの中心軸に対するヘッドのソールの交差角度であるライ角が標準用ライ角となるよう、即ち、基端部の延長線のヘッドのソールに対する交差角度が標準用ライ角となるよう屈曲部の屈曲角度を設定した標準用ホーゼルと、基端部の延長線のヘッドのソールに対する交差角度が長尺用角度となるよう屈曲部の屈曲角度を設定した長尺用ホーゼルとを含むものであればよい。
【0066】
また、本発明に係るゴルフパターは、当該ホーゼルをシャフトの先端に着脱自在に取付け、ヘッドの挿入孔をライ角調節手段とする場合は、ホーゼルをシャフトに固定的に取付けるが、かかるホーゼルは、ネックやソケットとも呼ばれるものであり、図示のものに限定されない。即ち、ホーゼルとは、シャフトの先端(下端)に設けられ、シャフトとヘッドとを接続する部分のことであり、本発明の特徴を有する限りにおいて、任意の形状及び構成とすることができる。また、ヘッドは、ホーゼルの先端に着脱自在に取付けられ、或いは、一部が固定的に取付けられると共に他の部分が当該一部に着脱自在に取付けられるものであり、図示のものに限定されない。更に、ライ角調節手段は、ホーゼルまたはヘッドの少なくともいずれか一方に設けられ、シャフトの中心軸に対するヘッドのソールの交差角度であるライ角を複数段階で可変調節して設定自在であれば、上記実施の形態以外のものを使用することができる。
【0067】
実施の形態13
図19は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドを示す斜視図である。図20は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの第1の挿着孔(右打標準用挿着孔)に標準用ホーゼルを取付けた状態を示す正面図である。図21は図20のゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す平面図である。図22は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのシャフトとホーゼルとの取付構造を示す側面図である。図23は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの第2の挿着孔(右打長尺用挿着孔)に長尺用(中尺用を含む)ホーゼルを取付けた状態を示す正面図である。図24は図23のゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す平面図である。図25は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの第4の挿着孔(左打標準用挿着孔)に標準用ホーゼルを取付けた状態を示す正面図である。図26は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの第3の挿着孔(左打長尺用挿着孔)に長尺用(中尺用を含む)ホーゼルを取付けた状態を示す正面図である。
【0068】
図19〜図22に示すように、実施の形態13に係るゴルフパターは、ヘッド1210、ホーゼル1220及びシャフト1230を備えている。詳細には、図19に示すように、ヘッド1210は、四角板状をなし前面にフェイス面(打面)1210aを一体形成した前側部1210Aと、前側部1210Aの背面に一体的に突出形成された後側部1210Bとからなる略マレット形状を有している。また、ヘッド1210は、上面で開口して内部へと延びる複数(図示の例では4個)の挿着孔1211,1212,1213,1214をヘッド1210の長さ方向(ヒールからトウへ向かう方向)に所定間隔で配置形成している。より詳細には、ヘッド1210の長さ方向一側(右打用の場合はヒール側、左打用の場合はトウ側、図21の上側)の略半部には、前側部1210Aの上面において後側部1210Bとの境界寄りに、右打用挿着孔乃至右打標準用挿着孔としての第1のねじ孔1211が、前側部1210Aの上面から略直交して内部の所定位置(途中の位置)まで延びるよう形成されている。また、当該ヘッド1210の長さ方向一側の略半部には、後側部1210Bの上面において前側部1210Aとの境界寄りに、右打用挿着孔乃至右打長尺用挿着孔としての第2のねじ孔1212が、後側部1210Bの上面から略直交して内部の所定位置(途中の位置)まで延びるよう形成されている。一方、ヘッド1210の長さ方向他側(図21の下側)の略半部には、前側部1210Aの上面において後側部1210Bとの境界寄りに、左打用挿着孔乃至左打標準用挿着孔としての第3のねじ孔1214が、前記第1の挿着孔1211と対称配置されるよう、前側部1210Aの上面から略直交して内部の所定位置(途中の位置)まで延びるよう形成されている。また、当該ヘッド1210の長さ方向他側の略半部には、後側部1210Bの上面において前側部1210Aとの境界寄りに、左打用挿着孔乃至左打長尺用挿着孔としての第3のねじ孔1213が、前記第2の挿着孔1212と対称配置されるよう、後側部1210Bの上面から略直交して内部の所定位置(途中の位置)まで延びるよう形成されている。
【0069】
このように、第1の挿着孔1211と第2の挿着孔1212及び第4の挿着孔1214と第3の挿着孔1213とは、ヘッドの長さ方向中心線に対して線対称配置されている。よって、第1の挿着孔1211及び第4の1214は、前側部1210Aと後側部1210Bとの境界線から前方に同一距離離れた位置に配置され、第2の挿着孔1212及び第3の1213は、前側部1210Aと後側部1210Bとの境界線から後方に同一距離離れた位置に配置されている。なお、挿着孔1211,1212,1213,1214は、実施の形態13では所定ピッチのねじ孔とされている。また、挿着孔1211〜1214は、ヘッド1210を中実状とする場合は、中実状のヘッド1210の所定位置にねじ孔を螺刻して形成される。一方、ヘッド1210を中空状とする場合は、ねじ孔を螺刻形成して上端を開口する有底円筒状のねじピース等を、中空状のヘッド1210の所定位置に形成した同一直径の円形孔からヘッド1210内に挿着して、挿着孔1211〜1214を設けることができる。
【0070】
図20及び図21並びに図23及び図24にそれぞれ示すように、実施の形態13に係るゴルフパターは、ホーゼル1220,1320として、標準用ホーゼル1220及び長尺用ホーゼル1320を備えている。標準用ホーゼル1220は、図20及び図21に示すように、シャフト1230の下端に着脱自在に取付けられる基端部1221と、ヘッド1210の第1の挿着孔1211または第4の挿着孔1214に選択的に着脱自在に取付けられる先端部1223と、基端部1221と先端部1223との間を一体的に接続する屈曲部1222とを有する。同様に、長尺用ホーゼル1320は、図24及び図25に示すように、シャフト1230の下端に着脱自在に取付けられる基端部1321と、ヘッド1210の第2の挿着孔1212及び第3の挿着孔1213に選択的に着脱自在に取付けられる先端部1323と、基端部1221と先端部1223との間を一体的に接続する屈曲部1322とを有する。標準用ホーゼル1220及び長尺用ホーゼル1320は、それぞれ、上記各実施の形態の場合と同様、棒材(筒材)を曲げ加工等して、基端部1221,1321、屈曲部1222,1322及び先端部1223,1323からなる所定屈曲形状に一体形成される。また、標準用ホーゼル1220の場合のみ図示するが、図22に示すように、標準用ホーゼル1220の基端部1221には所定ピッチの雌螺子1221aが軸方向に螺刻形成され、ホーゼル1220の先端部1223の外周面には所定ピッチの雄螺子1223aが螺刻形成されている。なお、長尺用ホーゼル1320の基端部1321及び先端部1323にも、それぞれ、同様の雌螺子及び雄螺子が螺刻形成されている。
【0071】
シャフト1230は、実施の形態1のものと同様に、標準パター用の長さである標準長と長尺パター用の長さである拡大長との間で長さを可変調節して設定自在な長さ調節手段(図示略)を有する。また、シャフト1231の先端乃至下端の外周面には、前記ホーゼル1220,1320の基端部の1221,1321の雌螺子1221aと同一ピッチで同一軸長の雄螺子1230aが螺刻形成されている。そして、ホーゼル1220,1320の基端部1221,1321の雌螺子1221aにシャフト1230の雄螺子1230aを螺入または螺退することにより、シャフト1230の下端に標準用ホーゼル1220または長尺用ホーゼル1320を選択的に着脱することができる。一方、標準用ホーゼル1220の先端部1223の雄螺子1223aは、ヘッド1210の第1の挿着孔1211及び第4の挿着孔1214と同一ピッチで同一軸長に形成されている。同様に、長尺用ホーゼル1320の先端部1323の雄螺子は、ヘッド1210の第2の挿着孔1212及び第3の挿着孔1213と同一ピッチで同一軸長に形成されている。
【0072】
そして、図20及び図21に示すように、標準用ホーゼル1220は、先端部1223の雄螺子1223aをヘッド1210の第1の挿着孔1211に螺入することで、右打プレーヤ用の標準長のホーゼルとして機能する。即ち、標準用ホーゼル1220の先端部1223の雄螺子1223aをヘッド1210の第1の挿着孔1211に完全に螺入して締めこんだときに、標準用ホーゼル1220が図20及び図21に示す所定姿勢(ヘッド1210の長さ方向と平行に傾斜して延びる姿勢)となるよう、標準用ホーゼル1220の雄螺子1223a及びヘッド1210の第1の挿着孔1211の雌螺子の関係(螺子ピッチ等)が設定されている。また、このとき、標準用ホーゼル1220は、上記各実施の形態で説明したように、ヘッド1210とシャフト1230との間のライ角が右打プレーヤにとっての標準パター用のライ角となるよう、屈曲部1222の屈曲角度を設定している。即ち、標準用ホーゼル1220は、主に基端部1221に対する屈曲部1222上端の屈曲角度を設定することにより、自動的にライ角が標準パター用のライ角となるようにしている。この意味で、実施の形態13の標準用ホーゼル1220の屈曲部1222は、上記実施の形態における一段屈曲状(L字状)や二段屈曲状(Z字状)ではなく、基端部1221と先端部1223との間を一体的に連結する変形M字状のものと把握することができる。
【0073】
同様に、図23及び図24に示すように、長尺用ホーゼル1320は、先端部1323の雄螺子をヘッド1210の第2の挿着孔1212に螺入することで、右打プレーヤ用の長尺長(中尺長を含む)のホーゼルとして機能する。即ち、長尺用ホーゼル1320の先端部1323の雄螺子をヘッド1210の第2の挿着孔1212に完全に螺入して締めこんだときに、長尺用ホーゼル1320が図23及び図24に示す所定姿勢(ヘッド1210の長さ方向と平行に傾斜して延びる姿勢)となるよう、長尺用ホーゼル1320の雄螺子及びヘッド1210の第2の挿着孔1212の雌螺子の関係(螺子ピッチ等)が設定されている。また、このとき、長尺用ホーゼル1320は、上記各実施の形態で説明したように、ヘッド1210とシャフト1230との間のライ角が右打プレーヤにとっての長尺パター(中尺パターを含む)用のライ角となるよう、屈曲部1322の屈曲角度を設定している。即ち、長尺用ホーゼル1320は、主に基端部1321に対する屈曲部1322上端の屈曲角度を設定することにより、自動的にライ角が長尺パター用のライ角となるようにしている。この意味で、実施の形態13の長尺用ホーゼル1320の屈曲部1222も、基端部1321と先端部1323との間を一体的に連結する変形M字状のものと把握することができる。
【0074】
一方、図25に示すように、標準用ホーゼル1220は、先端部1223の雄螺子1223aをヘッド1210の第4の挿着孔1214に螺入することで、左打プレーヤ用の標準長のホーゼルとして機能する。即ち、標準用ホーゼル1220の先端部1223の雄螺子1223aをヘッド1210の第4の挿着孔1214に完全に螺入して締めこんだときに、標準用ホーゼル1220が図25に示す所定姿勢(ヘッド1210の長さ方向と平行に傾斜して延びる姿勢)となるよう、標準用ホーゼル1220の雄螺子1223a及びヘッド1210の第4の挿着孔1214の雌螺子の関係(螺子ピッチ等)が設定されている。また、このとき、ヘッド1210の第4の挿着孔1214は第1の挿着孔1211と対照配置されているが、それらの螺子の切り方についても、第4の挿着孔1214に完全に螺入された(左打用の)標準用ホーゼル1220が、図20に示す(右打用の)第1の挿着孔1211に完全に螺入された標準ホーゼル1220と対照的な配置姿勢(図25の姿勢)となるよう、第1の挿着孔1211及び第4の挿着孔1214の螺子の切り方(ねじ始端位置及び終端位置等)が設定されている。そして、標準用ホーゼル1220は、上記のように屈曲部1222の屈曲角度を設定しているので、第4の挿着孔1214に挿着した場合も、ヘッド1210とシャフト1230との間のライ角を左打プレーヤにとっての標準パター用のライ角に自動的に設定することができる。
【0075】
同様に、図26に示すように、長尺用ホーゼル1320は、先端部1323の雄螺子をヘッド1210の第3の挿着孔1213に螺入することで、左打プレーヤ用の長尺長のホーゼルとして機能する。即ち、長尺用ホーゼル1320の先端部1323の雄螺子をヘッド1210の第4の挿着孔1214に完全に螺入して締めこんだときに、標準用ホーゼル1220が図26に示す所定姿勢(ヘッド1210の長さ方向と平行に傾斜して延びる姿勢)となるよう、長尺用ホーゼル1320の雄螺子及びヘッド1210の第3の挿着孔1213の雌螺子の関係(螺子ピッチ等)が設定されている。また、このとき、ヘッド1210の第3の挿着孔1213は第2の挿着孔1212と対照配置されているが、それらの螺子の切り方についても、第3の挿着孔1213に完全に螺入された(左打用の)標準用ホーゼル1320が、図21に示す(右打用の)第2の挿着孔1212に完全に螺入された長尺ホーゼル1320と対照的な配置姿勢(図26の姿勢)となるよう、第2の挿着孔1212及び第3の挿着孔1213の螺子の切り方(ねじ始端位置及び終端位置等)が設定されている。そして、長尺用ホーゼル1320は、上記のように屈曲部1322の屈曲角度を設定しているので、第3の挿着孔1213に挿着した場合も、ヘッド1210とシャフト1230との間のライ角を左打プレーヤにとっての長尺パター用のライ角に自動的に設定することができる。
【0076】
このように、実施の形態13では、前記ヘッド1210の第1の挿着孔1211または第4の挿着孔1214のいずれかに標準用ホーゼル1220の先端部1223の雄螺子1223aを螺入して挿着し、第2の挿着孔1212または第3の挿着孔1213のいずれかに長尺用ホーゼル1320の先端部1323の雄螺子を螺入して挿着する構成のため、ヘッド1210の挿着孔1211〜1214のうち、少なくとも第1の挿着孔1211と第4の挿着孔1214との対は同一ピッチで同一軸長の螺子孔とされ、少なくとも第2の挿着孔1212と第3の挿着孔1213との対は同一ピッチで同一軸長の螺子孔とされている。ただし、上記のように、第1の挿着孔1211及び第4の挿着孔1214の螺子の切り方、並びに、第2の挿着孔1212及び第3の挿着孔1213の螺子の切り方は、挿着したホーゼル1220,1320が対照的な姿勢となるよう設定されている。
【0077】
そして、実施の形態13では、ホーゼル1220,1320として屈曲部1222,1322の屈曲角度を相違させた2種類のホーゼル1220,1320を備えると共に、当該2種類のホーゼル1220,1320を、基端部1221,1321の延長線のヘッド1210のソールに対する交差角度がシャフト1230の標準長に対応する標準用ライ角となるよう屈曲部1222の屈曲角度を設定した標準用ホーゼル1220と、基端部1321の延長線のヘッド1210のソールに対する交差角度がシャフト1230の長尺長に対応する長尺用ライ角となるよう屈曲部1322の屈曲角度を設定した長尺用ホーゼル1320とから構成している。これにより、実施の形態13では、2種類のホーゼル1220,1320のいずれかを選択すると共に、ヘッド1210の4個の挿着孔1211〜1214のいずれかを選択し、当該選択したホーゼル1220,1320を当該選択したヘッド1210の挿着孔1211〜1214に挿着することにより、シャフト1230の中心軸に対するヘッドのソールの交差角度であるライ角を、(右打用または左打用の)標準用ライ角及び長尺用ライ角の間で可変調節して設定自在としている。
【0078】
また、実施の形態13では、ヘッド1210の挿着孔1211〜1214として、標準用ホーゼル1220及び長尺用ホーゼル1320を選択的に挿着自在な2個の右打用挿着孔1211,1212と2個の左打用挿着孔1213,1214を設けている。これにより、実施の形態13では、2種類のホーゼル1220,1320のいずれかを選択すると共に、ヘッド1210の2個の右打用挿着孔1211,1212のいずれかを選択し、当該選択したホーゼル1220,1320を当該選択したヘッド1210の右打用挿着孔1211,1212に挿着することにより、ライ角を右打プレーヤ用の標準用ライ角または長尺用ライ角に可変調節して設定自在とすると共に、2種類のホーゼル1220,1320のいずれかを選択すると共に、ヘッド1210の2個の左打用挿着孔1213,1214のいずれかを選択し、当該選択したホーゼル1220,1320を当該選択したヘッド1210の左打用挿着孔1213,1214に挿着することにより、ライ角を左打プレーヤ用の標準用ライ角または長尺用ライ角に可変調節して設定自在としている。
【0079】
更に、実施の形態13では、図20及び図21並びに図23〜図26に示すように、シャフト1230の中心軸の延長線上にヘッド1210の重心位置(またはスイートスポット)Oがくるよう、ヘッド1210における挿着孔1211〜1214の位置と2種類のホーゼル1220,1320の各々の傾斜角度(屈曲部1222,1322の屈曲角度)とを設定している。これにより、ホーゼル1220,1320をヘッド1210に挿着したときに、必ず、シャフト1230の中心軸の延長線上にヘッド1210の重心乃至スイートスポットが配置されることになり、ゴルフボールGBのパッティングにとって最適な姿勢でホーゼル1220,1320をヘッド1210に挿着することができる。加えて、実施の形態13では、図20に示すように、挿着孔1211〜1214のうち、ホーゼル1220,1320を挿着しない残りの3つのものについては、それぞれ、バランスウェイトWを挿着してヘッド1210の重量バランスを最適な状態に調節するようになっている。バランスウェイトWは、挿着孔1211〜1214の雌螺子に対応する雄螺子を外周面に形成した円柱状(ピン状)をなし、挿着孔1211〜1214に螺入したときに、その上端面がヘッド1210の上面と面一となるようになっている。また、バランスウェイトWの上端面には直径方向に伸びる直線状の凹溝が形成され、マイナスドライバやコイン等を挿入することにより、バランスウェイトWを回転操作して挿着孔1211〜1214に螺入または螺退できるようになっている。
【0080】
ところで、本発明のヘッドの挿着孔としては、ねじ孔に限らず、ホーゼルを挿着自在な任意のもの(マグネット吸着式、スナップフィット式等)を使用することができる。また、ヘッドの挿着孔の数も、上記実施の形態の4個(右打用2個及び左打用2個)に限定されることなく、任意の複数個とすることができ、更に、その配置位置も上記実施の形態のものに限定されず、全てのものを直線状に配置したり、ジグザグ状に配置したりすることができる。更に、右打用または左打用のみの挿着孔を形成してもよい。たとえば、図27に示すように、実施の形態13の長尺用ホーゼル1320より更にライ角を大きくすべく屈曲部1422の屈曲角度を設定した長尺用(例えば長尺側)ホーゼル1420を用意し、ヘッド1210の第3の挿着孔1213に対応する位置に当該ホーゼル1420を挿着自在な挿着孔を形成する。そして、当該ホーゼル1420の基端部1421をシャフト1230に取付けると共に、先端部1423を当該ヘッド1210の挿着孔に挿着することにより、ヘッド1210の重心位置Oよりトウ側にホーゼル1420の先端を配置した状態でのパッティングが可能となる。なお、この場合も、シャフト1230の中心軸の延長線がヘッド1210の重心位置Oに来るようにすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのシャフトの長さ調節手段を示す側面図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す側面図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す平面図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのライ角調節手段としてのホーゼルを交換することによりライ角を複数段階で調節する場合を説明する説明図であり、(a)はライ角を標準用ライ角とした場合を、(b)はライ角を短尺側の中尺用ライ角とした場合を、(c)はライ角を長尺側の中尺用ライ角とした場合を、(d)はライ角を長尺用ライ角とした場合を示す。
【図6】図6は本発明の実施の形態1に係るゴルフパターのホーゼルの屈曲部の屈曲角度とライ角との関係を示す説明図であり、(a)はホーゼルの屈曲部を1段屈曲状(く字状)とした場合を示し、(b)はホーゼルの屈曲部を2段屈曲状(クランク状)とした場合を示す。
【図7】図7は本発明の実施の形態2に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態3に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態4に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
【図10】図10は本発明の実施の形態5に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
【図11】図11は本発明の実施の形態6に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
【図12】図12は本発明の実施の形態7に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す分解斜視図である。
【図13】図13は本発明の実施の形態7に係るゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す側面図である。
【図14】図14は本発明の実施の形態8に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図15】図15は本発明の実施の形態9に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図16】図16は本発明の実施の形態10に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のC−C線断面図、(c)は実施の形態10の別例に係るヘッドの平面図、(d)は(c)のD−D線断面図である。
【図17】図17は本発明の実施の形態11に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のE−E線断面図である。
【図18】図18は本発明の実施の形態12に係るゴルフパターのヘッドを示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のF−F線断面図である。
【図19】図19は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドを示す斜視図である。
【図20】図20は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの第1の挿着孔(右打標準用挿着孔)に標準用ホーゼルを取付けた状態を示す正面図である。
【図21】図21は図20のゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す平面図である。
【図22】図22は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのシャフトとホーゼルとの取付構造を示す側面図である。
【図23】図23は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの第2の挿着孔(右打長尺用挿着孔)に長尺用(中尺用を含む)ホーゼルを取付けた状態を示す正面図である。
【図24】図24は図23のゴルフパターのヘッド及びホーゼル部分を示す平面図である。
【図25】図25は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの第4の挿着孔(左打標準用挿着孔)に標準用ホーゼルを取付けた状態を示す正面図である。
【図26】図26は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの第3の挿着孔(左打長尺用挿着孔)に長尺用(中尺用を含む)ホーゼルを取付けた状態を示す正面図である。
【図27】図27は本発明の実施の形態13に係るゴルフパターのヘッドの別例に係る挿着孔に別例に係るホーゼルを挿着した状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0082】
10,110,210,310,410,510,610,710,810,910,1010,1210:ヘッド、11:基部
12,511,1210A:前側部
13,512,513,1210B:後側部
20,120,220,320,420,520,1220,1320,1420:ホーゼル
21,121,221,321,521,1221,1321,1421:基端部
22,122,222,322,522,222,1322,1422:屈曲部
23,123,223,323,1223,1323,1423:先端部
30,1230:シャフト
211,311,611,612,613,711,712,713,811,812
,813,911,912,1021,1022,1121,1122,1211,1212,1213,1214:挿着孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標準パター用の長さである標準長と長尺パター用の長さである拡大長との間で長さを可変調節して設定自在な長さ調節手段を有するシャフトと、
前記シャフトの先端に基端が取付けられるホーゼルと、
前記ホーゼルの先端に取付けられるヘッドと、
前記ホーゼルまたは前記ヘッドの少なくともいずれか一方に設けられ、前記シャフトの中心軸に対する前記ヘッドのソールの交差角度であるライ角を複数段階で可変調節して設定自在なライ角調節手段とを備え、
前記ライ角調節手段は、前記シャフトの長さを前記標準長に調節して設定したときにライ角を前記標準長に対応する標準用ライ角に設定するよう前記ホーゼルを介して前記ヘッドを前記シャフトに取付けると共に、前記シャフトの長さを前記拡大長に調節して設定したときに前記ライ角を前記拡大長に対応する角度であって前記標準用ライ角より大きい角度である長尺用ライ角に設定するよう前記ホーゼルを介して前記ヘッドを前記シャフトに取付けることを特徴とするゴルフパター。
【請求項2】
前記ライ角調節手段は、前記シャフトの下端に着脱自在に取付けられて前記シャフトの中心軸から直線的に延びる基端部と、前記ヘッドに取付けられる先端部と、前記基端部と前記先端部との間を一体に接続する屈曲部とを有すると共に、当該屈曲部の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼルにより構成され、
前記複数種類のホーゼルは、少なくとも、前記基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記標準用ライ角となるよう前記屈曲部の屈曲角度を設定した標準用ホーゼルと、前記基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記長尺用角度となるよう前記屈曲部の屈曲角度を設定した長尺用ホーゼルとを含み、
前記標準用ホーゼルと前記長尺用ホーゼルとを選択的に使用して前記シャフト及び前記ヘッドを互いに接続することにより、前記ライ角を前記標準用ライ角と前記長尺用ライ角との間で変更して調節するようにしたことを特徴とする請求項1記載のゴルフパター。
【請求項3】
前記ヘッドは、前記ホーゼルの先端部の下端に固着される基部と、前記基部の前側に着脱自在に取付けられて前記ヘッドの打面を構成する前側部と、前記基部の後側に着脱自在に取付けられる後側部とを有し、
前記ヘッドは、前記後側部として、標準用重量及び標準用重心位置を有する標準用後側部と、前記標準用重量より大きい長尺用重量及び前記標準用重心位置と異なる長尺用重心位置を有する長尺用後側部とを有し、
前記標準用ホーゼルの先端部の下端に固着した基部の後側には前記標準用後側部を取付けて前記ヘッドを構成すると共に、前記長尺用ホーゼルの先端部の下端に固着した基部の後側には前記長尺用後側部を取付けて前記ヘッドを構成することにより、前記シャフトの前記標準長に対応する標準用重量バランス及び前記拡大長に対応する長尺用重量バランスとの間で前記ヘッドの重量バランスを調節するようにしたことを特徴とする請求項2記載のゴルフパター。
【請求項4】
前記ヘッドは、当該ヘッドの前側に着脱自在に取付けられて打面を構成する前側部を備え、前記前側部として、少なくともロフト角及び打面形状のいずれか一つを相違させた複数種類の前側部を有し、前記複数種類の前側部を選択的に使用して前記基部の前側に取付けて前記ヘッドを構成することにより、前記ヘッドの打面構成を変更自在としたことを特徴とする請求項2記載のゴルフパター。
【請求項5】
前記ヘッドとして、前記ホーゼルの下端に着脱自在に取付けられると共に標準用重量及び標準用重心位置を有する標準用ヘッドと、前記ホーゼルの下端に着脱自在に取付けられると共に前記標準用重量より大きい長尺用重量及び前記標準用重心位置と異なる長尺用重心位置を有する長尺用ヘッドとを用意し、前記標準用ヘッドと前記長尺用ヘッドとを選択的に使用して前記ホーゼルの下端に取付けることにより、前記シャフトの前記標準長に対応する標準用重量バランス及び前記拡大長に対応する長尺用重量バランスとの間で前記ヘッドの重量バランスを調節するようにしたことを特徴とする請求項2記載のゴルフパター。
【請求項6】
前記ヘッドは、前記ホーゼルの下端部を挿着する挿着孔を有すると共に、前記挿着孔をヘッドの長さ方向に複数形成し、前記ホーゼルの下端部を前記複数の挿着孔のいずれかに選択的に装着することにより、前記ヘッドの有効打面範囲を変更自在としたことを特徴とする請求項5記載のゴルフパター。
【請求項7】
前記ヘッドは、前記ホーゼルの先端部の下端に一体的に固着される後側部と、前記後側部の前側に着脱自在に取付けられて前記ヘッドの打面を構成する前側部とを有し、
前記ヘッドは、前記後側部として、標準用重量及び標準用重心位置を有する標準用後側部と、前記標準用重量より大きい長尺用重量及び前記標準用重心位置と異なる長尺用重心位置を有する長尺用後側部とを有し、
前記標準用ホーゼルの先端部の下端には前記標準用後側部を取付けると共に、前記長尺用ホーゼルの先端部の下端には前記長尺用後側部を取付けることにより、前記シャフトの前記標準長に対応する標準用重量バランス及び前記拡大長に対応する長尺用重量バランスとの間で前記ヘッドの重量バランスを調節するようにしたことを特徴とする請求項2記載のゴルフパター。
【請求項8】
前記前記ライ角調節手段は、前記ヘッドに形成され、前記ホーゼルの下端部を挿入して着脱自在に取付けると共に、前記ホーゼルの下端部の挿入角度を相違させた複数の挿着孔により構成され、
前記ヘッドの複数の挿着孔は、少なくとも、前記ホーゼルの基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記標準用ライ角となるよう前記挿入角度を設定した標準用挿着孔と、前記ホーゼルの基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記長尺用角度となるよう前記挿入角度を設定した長尺用挿着孔とを含み、
前記標準用挿着孔と前記長尺用挿着孔とを選択的に使用して、前記シャフトを前記ホーゼルを介して前記ヘッドに接続することにより、前記ライ角を前記標準用ライ角と前記長尺用ライ角との間で変更して調節するようにしたことを特徴とする請求項1記載のゴルフパター。
【請求項9】
上面で開口して内部へと延びる複数の挿着孔を所定間隔で配置したヘッドと、
標準パター用の長さである標準長と長尺パター用の長さである拡大長との間で長さを可変調節して設定自在な長さ調節手段を有するシャフトと、
前記シャフトの下端に着脱自在に取付けられる基端部と、前記ヘッドの挿着孔に着脱自在に取付けられる先端部と、前記基端部と前記先端部との間を一体に接続する屈曲部とを有するホーゼルとを備え、
前記ホーゼルとして前記屈曲部の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼルを備えると共に、前記複数種類のホーゼルを、少なくとも、前記基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記シャフトの標準長に対応する標準用ライ角となるよう前記屈曲部の屈曲角度を設定した標準用ホーゼルと、前記基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記シャフトの長尺長に対応する長尺用ライ角となるよう前記屈曲部の屈曲角度を設定した長尺用ホーゼルとから構成し、
前記複数種類のホーゼルのいずれかを選択すると共に、前記ヘッドの複数の挿着孔のいずれかを選択し、当該選択したホーゼルを当該選択したヘッドの挿着孔に挿着することにより、前記シャフトの中心軸に対する前記ヘッドのソールの交差角度であるライ角を、前記標準用ライ角及び前記長尺用ライ角を少なくとも含む複数のライ角のうちの任意のライ角に可変調節して設定自在としたことを特徴とするゴルフパター。
【請求項10】
前記ヘッドの挿着孔として、当該ヘッドの上面の長さ方向一側の略半部に、前記標準用ホーゼル及び前記長尺用ホーゼルを含む前記複数種類のホーゼルを選択的に挿着自在な複数の右打用挿着孔を設けると共に、当該ヘッドの上面の長さ方向他側の略半部に、前記標準用ホーゼル及び前記長尺用ホーゼルを含む前記複数種類のホーゼルを選択的に挿着自在な複数の左打用挿着孔を設け、
前記複数種類のホーゼルのいずれかを選択すると共に、前記ヘッドの複数の右打用挿着孔のいずれかを選択し、当該選択したホーゼルを当該選択したヘッドの右打用挿着孔に挿着することにより、前記ライ角を右打プレーヤ用の前記標準用ライ角及び前記長尺用ライ角を含む複数のライ角のうちの任意のライ角に可変調節して設定自在とすると共に、前記複数種類のホーゼルのいずれかを選択すると共に、前記ヘッドの複数の左打用挿着孔のいずれかを選択し、当該選択したホーゼルを当該選択したヘッドの左打用挿着孔に挿着することにより、前記ライ角を左打プレーヤ用の前記標準用ライ角及び前記長尺用ライ角を含む複数のライ角のうちの任意のライ角に可変調節して設定自在としたことを特徴とする請求項9記載のゴルフパター。
【請求項11】
前記シャフトの中心軸の延長線上に前記ヘッドの重心位置がくるよう、前記ヘッドにおける複数の挿着孔の位置と前記複数種類のホーゼルの各々の傾斜角度とを設定したことを特徴とする請求項9または10記載のゴルフパター。
【請求項1】
標準パター用の長さである標準長と長尺パター用の長さである拡大長との間で長さを可変調節して設定自在な長さ調節手段を有するシャフトと、
前記シャフトの先端に基端が取付けられるホーゼルと、
前記ホーゼルの先端に取付けられるヘッドと、
前記ホーゼルまたは前記ヘッドの少なくともいずれか一方に設けられ、前記シャフトの中心軸に対する前記ヘッドのソールの交差角度であるライ角を複数段階で可変調節して設定自在なライ角調節手段とを備え、
前記ライ角調節手段は、前記シャフトの長さを前記標準長に調節して設定したときにライ角を前記標準長に対応する標準用ライ角に設定するよう前記ホーゼルを介して前記ヘッドを前記シャフトに取付けると共に、前記シャフトの長さを前記拡大長に調節して設定したときに前記ライ角を前記拡大長に対応する角度であって前記標準用ライ角より大きい角度である長尺用ライ角に設定するよう前記ホーゼルを介して前記ヘッドを前記シャフトに取付けることを特徴とするゴルフパター。
【請求項2】
前記ライ角調節手段は、前記シャフトの下端に着脱自在に取付けられて前記シャフトの中心軸から直線的に延びる基端部と、前記ヘッドに取付けられる先端部と、前記基端部と前記先端部との間を一体に接続する屈曲部とを有すると共に、当該屈曲部の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼルにより構成され、
前記複数種類のホーゼルは、少なくとも、前記基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記標準用ライ角となるよう前記屈曲部の屈曲角度を設定した標準用ホーゼルと、前記基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記長尺用角度となるよう前記屈曲部の屈曲角度を設定した長尺用ホーゼルとを含み、
前記標準用ホーゼルと前記長尺用ホーゼルとを選択的に使用して前記シャフト及び前記ヘッドを互いに接続することにより、前記ライ角を前記標準用ライ角と前記長尺用ライ角との間で変更して調節するようにしたことを特徴とする請求項1記載のゴルフパター。
【請求項3】
前記ヘッドは、前記ホーゼルの先端部の下端に固着される基部と、前記基部の前側に着脱自在に取付けられて前記ヘッドの打面を構成する前側部と、前記基部の後側に着脱自在に取付けられる後側部とを有し、
前記ヘッドは、前記後側部として、標準用重量及び標準用重心位置を有する標準用後側部と、前記標準用重量より大きい長尺用重量及び前記標準用重心位置と異なる長尺用重心位置を有する長尺用後側部とを有し、
前記標準用ホーゼルの先端部の下端に固着した基部の後側には前記標準用後側部を取付けて前記ヘッドを構成すると共に、前記長尺用ホーゼルの先端部の下端に固着した基部の後側には前記長尺用後側部を取付けて前記ヘッドを構成することにより、前記シャフトの前記標準長に対応する標準用重量バランス及び前記拡大長に対応する長尺用重量バランスとの間で前記ヘッドの重量バランスを調節するようにしたことを特徴とする請求項2記載のゴルフパター。
【請求項4】
前記ヘッドは、当該ヘッドの前側に着脱自在に取付けられて打面を構成する前側部を備え、前記前側部として、少なくともロフト角及び打面形状のいずれか一つを相違させた複数種類の前側部を有し、前記複数種類の前側部を選択的に使用して前記基部の前側に取付けて前記ヘッドを構成することにより、前記ヘッドの打面構成を変更自在としたことを特徴とする請求項2記載のゴルフパター。
【請求項5】
前記ヘッドとして、前記ホーゼルの下端に着脱自在に取付けられると共に標準用重量及び標準用重心位置を有する標準用ヘッドと、前記ホーゼルの下端に着脱自在に取付けられると共に前記標準用重量より大きい長尺用重量及び前記標準用重心位置と異なる長尺用重心位置を有する長尺用ヘッドとを用意し、前記標準用ヘッドと前記長尺用ヘッドとを選択的に使用して前記ホーゼルの下端に取付けることにより、前記シャフトの前記標準長に対応する標準用重量バランス及び前記拡大長に対応する長尺用重量バランスとの間で前記ヘッドの重量バランスを調節するようにしたことを特徴とする請求項2記載のゴルフパター。
【請求項6】
前記ヘッドは、前記ホーゼルの下端部を挿着する挿着孔を有すると共に、前記挿着孔をヘッドの長さ方向に複数形成し、前記ホーゼルの下端部を前記複数の挿着孔のいずれかに選択的に装着することにより、前記ヘッドの有効打面範囲を変更自在としたことを特徴とする請求項5記載のゴルフパター。
【請求項7】
前記ヘッドは、前記ホーゼルの先端部の下端に一体的に固着される後側部と、前記後側部の前側に着脱自在に取付けられて前記ヘッドの打面を構成する前側部とを有し、
前記ヘッドは、前記後側部として、標準用重量及び標準用重心位置を有する標準用後側部と、前記標準用重量より大きい長尺用重量及び前記標準用重心位置と異なる長尺用重心位置を有する長尺用後側部とを有し、
前記標準用ホーゼルの先端部の下端には前記標準用後側部を取付けると共に、前記長尺用ホーゼルの先端部の下端には前記長尺用後側部を取付けることにより、前記シャフトの前記標準長に対応する標準用重量バランス及び前記拡大長に対応する長尺用重量バランスとの間で前記ヘッドの重量バランスを調節するようにしたことを特徴とする請求項2記載のゴルフパター。
【請求項8】
前記前記ライ角調節手段は、前記ヘッドに形成され、前記ホーゼルの下端部を挿入して着脱自在に取付けると共に、前記ホーゼルの下端部の挿入角度を相違させた複数の挿着孔により構成され、
前記ヘッドの複数の挿着孔は、少なくとも、前記ホーゼルの基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記標準用ライ角となるよう前記挿入角度を設定した標準用挿着孔と、前記ホーゼルの基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記長尺用角度となるよう前記挿入角度を設定した長尺用挿着孔とを含み、
前記標準用挿着孔と前記長尺用挿着孔とを選択的に使用して、前記シャフトを前記ホーゼルを介して前記ヘッドに接続することにより、前記ライ角を前記標準用ライ角と前記長尺用ライ角との間で変更して調節するようにしたことを特徴とする請求項1記載のゴルフパター。
【請求項9】
上面で開口して内部へと延びる複数の挿着孔を所定間隔で配置したヘッドと、
標準パター用の長さである標準長と長尺パター用の長さである拡大長との間で長さを可変調節して設定自在な長さ調節手段を有するシャフトと、
前記シャフトの下端に着脱自在に取付けられる基端部と、前記ヘッドの挿着孔に着脱自在に取付けられる先端部と、前記基端部と前記先端部との間を一体に接続する屈曲部とを有するホーゼルとを備え、
前記ホーゼルとして前記屈曲部の屈曲角度を相違させた複数種類のホーゼルを備えると共に、前記複数種類のホーゼルを、少なくとも、前記基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記シャフトの標準長に対応する標準用ライ角となるよう前記屈曲部の屈曲角度を設定した標準用ホーゼルと、前記基端部の延長線の前記ヘッドのソールに対する交差角度が前記シャフトの長尺長に対応する長尺用ライ角となるよう前記屈曲部の屈曲角度を設定した長尺用ホーゼルとから構成し、
前記複数種類のホーゼルのいずれかを選択すると共に、前記ヘッドの複数の挿着孔のいずれかを選択し、当該選択したホーゼルを当該選択したヘッドの挿着孔に挿着することにより、前記シャフトの中心軸に対する前記ヘッドのソールの交差角度であるライ角を、前記標準用ライ角及び前記長尺用ライ角を少なくとも含む複数のライ角のうちの任意のライ角に可変調節して設定自在としたことを特徴とするゴルフパター。
【請求項10】
前記ヘッドの挿着孔として、当該ヘッドの上面の長さ方向一側の略半部に、前記標準用ホーゼル及び前記長尺用ホーゼルを含む前記複数種類のホーゼルを選択的に挿着自在な複数の右打用挿着孔を設けると共に、当該ヘッドの上面の長さ方向他側の略半部に、前記標準用ホーゼル及び前記長尺用ホーゼルを含む前記複数種類のホーゼルを選択的に挿着自在な複数の左打用挿着孔を設け、
前記複数種類のホーゼルのいずれかを選択すると共に、前記ヘッドの複数の右打用挿着孔のいずれかを選択し、当該選択したホーゼルを当該選択したヘッドの右打用挿着孔に挿着することにより、前記ライ角を右打プレーヤ用の前記標準用ライ角及び前記長尺用ライ角を含む複数のライ角のうちの任意のライ角に可変調節して設定自在とすると共に、前記複数種類のホーゼルのいずれかを選択すると共に、前記ヘッドの複数の左打用挿着孔のいずれかを選択し、当該選択したホーゼルを当該選択したヘッドの左打用挿着孔に挿着することにより、前記ライ角を左打プレーヤ用の前記標準用ライ角及び前記長尺用ライ角を含む複数のライ角のうちの任意のライ角に可変調節して設定自在としたことを特徴とする請求項9記載のゴルフパター。
【請求項11】
前記シャフトの中心軸の延長線上に前記ヘッドの重心位置がくるよう、前記ヘッドにおける複数の挿着孔の位置と前記複数種類のホーゼルの各々の傾斜角度とを設定したことを特徴とする請求項9または10記載のゴルフパター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
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【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2007−313304(P2007−313304A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116622(P2007−116622)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(504340110)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(504340110)
【Fターム(参考)】
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