説明

ゴルフボールカバー用の熱硬化性ポリウレタン

ポリウレタン材料により耐久性を与えることができるポリウレタン材料のための硬化剤について開示されている。この硬化剤ブレンドは、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル−アニリンと、N,N’ビス−アルキル−p−フェニレンジアミン、 エチレンジアミンテトラプロキシレートエーテル及び脂肪族ジアミンを伴うN,N’ジアルキルアミノ−ジフェニルメタンの群から選択される第2の硬化剤からなる。好ましいポリウレタンプレポリマーはポリテトラメタンエーテルグリコールで停止されたトルエンジイソシアネートプレポリマーである。熱硬化性ポリウレタンは、好ましくは、ゴルフボールのカバーとして使用される。カバーは、好ましくは、コアと境界層の上に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性材料に関する。本発明は、特に、ゴルフボールのカバー用の熱硬化性ポリウレタンに関する。
【背景技術】
【0002】
通常のゴルフボールは コアの周りにカバーをモールド成形して造られる。コアは糸巻き又はソリッドとすることができる。糸巻きコアは代表的には、ソリッド又は液体の芯に弾性糸を巻いたものからなる。糸巻きコアとは異なり、ソリッドコアは弾性糸の層を有していない。ソリッドコアは、代表的には、単一片の芯、又は一又は複数のマントル又は境界層材料により覆われたソリッド芯からなる。カバーはコア上に、注入成形、加圧成形、又は鋳造により成形することができる。注入成形は、代表的には、少なくとも、一対のモールドキャビティ、例えば、互いに合わせられて球形の凹所を形成する、第1モールドキャビティと第2モールドキャビティ、を持つ型を必要とする。さらに、型は一対のモールドキャビティより多いキャビティを持つことも可能である。
【0003】
注入成形の一つの例において、各モールドキャビティは、また、モールドキャビティ対の球の中央にコアを支持するために引き抜き可能な位置決めピンを含ませることができる。
カバー材料が、その後、閉鎖された型内に注入される。この位置決めピンはカバー材料が流動性を持っている間に抜かれて、充填される材料内にピンによって孔が形成されあにようにしている。材料が、少なくとも、部分的に硬化されたとき、被覆されたコアは型ら取り出される。
【0004】
注入成形のように、加圧成形は、代表的には、複数対のモールドキャビティを含み、各対は、合わされて球形の凹所を形成する第1及び第2モールドキャビティを有している。加圧成型プロセスの一つの例においては、カバー材料は、対応する一対の加圧成形モールドキャビティ内に配置される半型内で予備成形される。コアは、カバー材料の半シェルの間に置かれ、型が閉じられる。コアとカバーの組合せは、次に、加熱、加圧され、これによって、カバーの半シェルが結合されて完全なカバーが形成される。
【0005】
上述の参照例の方法と同様に、鋳造プロセスも、また、一対のモールドキャビティを使用する。鋳造プロセスにおいては、カバー材料は、一対のモールドキャビティの第1のモールドキャビティに導入される。次に、コアが所定位置(例えば、オーバーハンギングバキューム吸引装置により)に支持され、モールドキャビティ対の球中心となるように、カバー材料と接触させる。一旦、カバー材料が少なくとも部分的に硬化されると(例えば、カバーが実質的に移動しないような点)、コアが解放され、カバー材料が、各対の第2のモールドキャビティ内に導入され、型が閉じられる。閉じた型は加熱及び加圧され、カバー材料は硬化されてコア上にカバーが形成される。注入成形、加圧成形、及び鋳造成形では、モールドキャビティは、代表的には、成形過程でカバー上にディンプルを形成するためのネガティブディンプルを含んでいる。
【0006】
ゴルフボールカバーとしてこれまで使用されてきた材料には、バラタ(天然又は人工の)、グタペルカ、アイオノマー樹脂(例、DuPon’t SURLYN(登録商標))、ポリウレタンが含まれる。バラタは、音(即ち、ゴルフクラブによってヒットされたときの音)及び感触(即ち、ボールをヒットしたときにゴルファーに与えられる感覚)に関して標線カバー材料となるものである。天然のバラタは、ブリーゴムの木から得られ、天然バラタは石油化合物から得られる。バラタは、他のカバー材料より高価であり、バラタのカバーを持つゴルフボールは耐久性に劣る(即ち、耐切り傷性に劣る)。グタペルカは、マレーシアのサポディアの木から得られる。グタペルカのカバーを持つゴルフボールはバラタカバーのゴルフボールと比べて音と感触が悪い。
【0007】
アイオノマー樹脂は、バラタやグタペルカに比較して、代表的には安価であり、耐久性に優れている。しかしながら、アイノマー樹脂のカバーを持つゴルフボールは、代表的には、音と感触が劣り、特に、バラタカバーに比較して劣る。
【0008】
ポリウレタンカバーのゴルフボールは、通常は、バラタカバーのゴルフボールより耐久性が良い。ポリウレタンカバーゴルフボールは、通常は、アイオノマー樹脂カバーより、より良い音と感触を持つ。ポリウレタンは熱硬化性でも熱可塑性でもよい。ポリウレタンは、プレポリマーを、ポリアミン又はポリオールのような多官能硬化剤により反応させることにより生成される。ポリウレタンのプレポリマーは、例えば、ポリエーテル又はポリエステルのような、ジイソシアネート及びポリオールの生成物である。いくつかの特許がゴルフボールにポリウレタンを使用することについて開示ひている。しかしながら、ポリウレタンカバーを持つゴルフボールは、通常は、SURLYN(登録商標)のような材料からなるカバーを持つゴルフボールのような飛距離を出さない。
【0009】
Gallagher の米国特許第3,034,791号は、ポリグリコール(テトラメチレンエーテル)と、トルエン2,4−ジイソシアナート(TDI)、純粋TDI又は異性体混合物のいずれかとの反応生成物から得られるポリウレタンカバーのゴルフボールを開示している。
【0010】
Issac の米国特許第3,989,568号(’568特許)は、プレポリマーと、部分的硬化が生じるような異なる反応速度をもつ硬化剤から生成されるポリウレタンカバーのゴルフボールを開示している。この’568特許は、“最小の反応数は3である”と説明している。特に、’568においては、2又はそれ以上にポリウレタンプレポリマーが、少なくとも一つの硬化剤とで反応されるか、又は、少なくとも一つのポリウレタンプレポリマーが、硬化剤が異なる反応速度を持つ2又はそれ以上の硬化剤と反応される。’568特許は、また、“本発明によるポリウレタンカバーの最も大きな利点の一つは、非常に薄くでき・・”、及び“本発明によるカバーの厚さについては特に限定はないが、一般的には、カバーは0.6インチ未満であるのが好ましい”と説明している。’568 特許の例は、訳0.025インチの厚さのカバーを持つゴルフボールを開示しているだけである。
【0011】
Issac と同様に、Dunlop Maxfli Sports Corporation のPCT国際出願番号WO 99/43394は、ポリウレタンの生成に2つの硬化剤を使用して反応時間を調整することが開示されている。この二つの硬化剤は、ジメチルチオ 2,4−トルエンジアミン及びジエチル 2,4−トルエンジアミンで、これらは、ポリウレタンプレポリマーを基材とするトルエンジイソシアナート又はポリウレタンプレポリマーを基材とする4−4’−ジフェニールメタン ジイソシアネートである。
【0012】
Dusbiber の米国特許第4,123,061号(’061特許)は、ポリエーテル、ジイソシアネート及び硬化剤の反応生成物から得られるポリウレタンゴルフボールカバーを開示している。この’061特許は、ポリエーテルは、ポリアルキレン エーテル グリコール又はポリテトラメチレンエーテル グルコールでよいことが開示されている。’061特許は、また、ジイソシアナートは、TDI、4,4’−ジフェニルメタン ジイソシアネート(”MDI)、及び3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレン ジイソシアネート(”TODI”)とすることができることが開示されている。更に、’061特許は、硬化剤は、トリイソプロパノール アミン(”TIPA”)又はトリメソオリオール プロパン(”TMP”)、又は3,3’ ジクロロベンジエン3,3’ ジクロロ4,4’ ジアミノ ジフェニル メタン(”MOCA”); N,N,N’,N’ テトラキス(2−ヒドロキシ プロピル)エチレン メタン; 又はアロマチックジアミン混合物であるUniroyalのCuralon Lのような、
少なくとも2つの反応性アミングループのようないずれかのポリオール(トリ− 又はテトラ−官能性又はジ−官能性でない)とすることができることが開示されている。
【0013】
Hewitt 他の米国特許第4,2484,432号(”432”特許)は、ポリエステルグリコール(分子量800−1500)(脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボキシル酸)をパラ−フェニレン ジイソシアナート(”PPDI”)又はシクロヘキサン ジイソシアナートと実質的に硬化剤又は架橋剤無しで反応させた生成物から形成される熱可塑性ポリウレタンゴルフボールカバーを開示している。この’432特許は、ポリウレタンの製造で連鎖延伸剤を使用しないことを教示している。’432特許には、“少量のブタンジオール−1,4がポリエステルと混合され、・・・その添加は良好なゴルフボールカバーの特性の所望のバランスを持つことのできないポリウレタンとなる・・”と記載されている。
【0014】
Holloway の米国特許第4,349,657号(”657特許”)は、ポリエステル(例えば、2−8炭素を持つ脂肪族グリコールを4−10の炭素を持つ脂肪族カルボキシル酸と反応させて生成する)をPPDIのモル過剰で反応させてイソシアネートを末端とするポリエステルウレタン(反応温度では液状で安定)を得て、次に、ポリエステルウレタンにポリエステルを追加して反応させることにより、PPDIを使用してポリエステルウレタンを生成する方法が記載されている。この’657特許は、この新しい製法は、安定性についての問題なしに、連続的な商業的プロセスが可能となるという利点があると記載している。’657特許は、更に、結果として得られる材料は、ゴルフボールのカバーに好適であると述べている。
【0015】
Wu の米国特許第5,334,673号(’673特許)は、遅反応性ポリアミン硬化剤及び非官能性グリコール(即ち、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミ、N,N’−ジアルキルジアミノ ジフェニールメタン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエイト、トリテトラメチレンオキサイド−ジ−p−アミノベンゾエイト、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、エチレングリコール、及びこれらの混合物)から選択された遅反応性硬化剤で硬化されたポリウレタン プレポリマーを開示している。
【0016】
‘673特許に記載されたポリウレタンプレポリマーは、ポリオール(例えば、ポリエーテル、ポリエステル、又はポリラクトン)及びMDIやTODIのようなジイソシアネートから製造される。’673特許に記載されたポリエーテル ポリオールは、ポリテトラメチレン エーテル グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、及びポリブタジエン グリコールである。’673特許のポリエステル ポリオールは、ポリエチレン アジペイト グリコール、ポリエチレン プロピレン アジペイト グリコール、及びポリブタジエン アジペイト.グリコールである。’673特許に記載されたポリラクトン ポリオールは、カプロラクトンによって開始されたジエチレン グリコール、カプロラクトンによって開始された1,4−ブタンジオール、カプロラクトンによって開始されたトリメチル プロパン、及びカプロラクトンによって開始されたネオペンチル グリコールである。
【0017】
Cavallaroの米国特許第5,688,191号は、コア、マントル層、及びカバーを持つゴルフボールを開示し、マントル層は加硫された熱可塑性エラストマー、官能性化されたスチレン−ブタジエンエラストマー、熱可塑性ポリウレタン、メタロシエンポリマー、又はこれらの混合物及び熱硬化性材料である。
【0018】
Wu 他の米国特許第5,692,974 号は、ウレタンとアイオノマーを組み入れた(即ち、アルキル化剤を使用してポリウレタンにイオン性反応を導入し、これにより陽イオンタイプのアイオノマーを生成する)カバーとコアを持つゴルフボールを開示している。
【0019】
Sullivian 他の米国特許第5,803,831号(”831特許”)は、多層カバーを持つゴルフボールを開示し、ここでは、内側カバー層は少なくとも65ショアD硬度を持ち、外側層は55ショアD以下の硬度、より好ましくは48ショアD以下である。この831’特許は、二重層構造は、柔らかい感触とショートショットにおける高いスピンと、ロングショットにおいて優れた飛距離と平均スピンを与えると説明している。’831特許は、内側層は、SURLYN(登録商標)、ESCOR(登録商標)、 IOTEK(登録商標)又はこれらの混合物のような高級又は低級酸アイノマー、メタロセンを触媒とするポリオレフィン又はポリアミドのような熱可塑性材料、ポリアミド/アイオノマー混合物、ポリフェニレンエーテル/アイオノマー混合物等(ショアD硬度が少なくとも60で、3000psi以上の曲げ係数を持つ)、熱可塑性又は熱硬化性ポリウレタン、ポリエステルエラストマー(例えば、HYTREL(登録商標))、又はポリエーテル ブロック アミド(例えば、PEBX(登録商標))、又はこれらの混合物の材料から製造されることを提供している。
【0020】
‘831 特許は、また、外側層は、例えば、低級酸アイオノマー、アイオノマー混合物、ポリオレフィン、ポリウレタン(例えば、TEXIN(登録商標)、PELETHANE(登録商標)、及びWuの米国特許第5,334,673号に開示されているような熱硬化性ポリウレタン)のような非アイオノマー熱可塑性又は熱硬化性材料、ポリエステルエラストマー(例、HYTREL(登録商標))、又はポリエーテル ブロック アミド(例、PEBAX(登録商標))又はこれらの混合物材料のような、柔らかくて低い曲げ係数(即ち、1000−10000psi)の材料で造ることができることを開示している。
【0021】
Hebert他の米国特許第5,885,172号(”172特許”)は”改良された性能”(即ち、異なるヘッドスピードとロフト角で異なるクラブで打ったときの異なる性能)特性をもち、0.05インチ未満の厚さの熱効果性材料で形成された外側カバー層と高い曲げ係数を持つ材料で形成された内側カバー層を持つ多層のゴルフボールを開示している。この172特許は、外側カバー層は、Wu 他の米国特許第5,692,974号に開示されているようなポリウレタンアイオノマー、又はTDI 又はメチレンビス−(4−シクロヘキシル イソシアナート)(”HMDI”)、又はポリアミン(例、メチレンジアニリン(MDA))又はトリファンクショナル グリコール(例、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンにより硬化されたポリオールのような熱硬化性ポリウレタンで造られることが開示されている。172特許は、また、内側カバー層は、65−80のショアD硬度と、少なくとも約65,000psiの曲げ係数と、約0.020−0.045インチの厚さを持つことが記載されている。内側カバー層の材料の例として、アイオノマー、ポリウレタン、ポリエーテルエステル(例、HYTREL(登録商標))、ポリエーテルアミデス(例、PEBAX(登録商標))、ポリエステル、ダイナミックに加硫されたエラストマー、官能化されたスチレンブタジエンエラストマー、メタロセンポリマー、これらの混合物、ナイロン又はアクリルオニトリル−ブタジエン−スチレン コポリマーである。
【0022】
Wuの米国特許第5,484,870号(’870特許)は、ポリウレア組成物からなるカバーを持つゴルフボールを開示している。‘870特許に開示されているポリウレア組成物は少なくとも2つの官能基を持つ有機イソシアネートと少なくとも2つの官能基を持つ有機アミンとの反応生成物である。‘870特許に開示されている有機イソシアネートの一つはPPDIである。
【0023】
先行技術は、種々の異なるポリウレタン材料からなるゴルフボールカバーを開示しているが、これらのどのゴルフボールも完全に満足できることを実証していない。例えば、満足できないこととして、ボールの製造工程にあり、特に、硬化剤とプレポリマーの反応時間の制御にある。もし、ポリウレタン材料を形成するための”ゲル時間”が速すぎると、コアを半球状キャビティにゲル化するプレポリマー材料と共に配置し、半球状キャビティを他の半球状キャビティと合わせるための時間が減少し、それによって、エアポケットのような問題を生じたり、コアの心合わせの問題が生じる。
【0024】
(発明の概要)
本発明は、ゴルフボールカバー用のより耐久性に優れたポリウレタン材料である。本発明の一つの態様は、少なくとも一つのポリウレタンポリマーと4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル)−アニリンとN,N’−ビス−アルキル−p−フェニレンジアミン、エチレンジアミンテトラプロキシレート及び脂肪酸ジアミンを伴うN,N’−ジアルキルアミノ−ジフェニルメタンからなる群より選択される第2硬化剤との混合物より生成されるポリウレタン材料である。

【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1に示されるように、ゴルフボールは、全体を10として示される。ゴルフボール10は、好ましくは、コア12,境界層14及びカバー16を含む。これに代えて、図2に示されるように、ゴルフボール10はコア12とカバー16だけを含むようにしてもよい。カバー16は本発明の熱硬化性ポリウレタン材料から造られる。好ましい実施例においては、カバー16は、図1に示されるように、境界層14とコア12の上に被せて形成される。これに替えて、カバー16は、図2に示されるように、コア12の上に形成される。当業者であれば、本発明の範囲と精神を離れない限りにおいて、コアはソリッド、中空、多層ピース又は液体充填のものでよく、境界層は、付加的な層に仕切られていてもよく、また、ゴルフボールは糸巻き層を有していてもよい。
【0026】
本発明のポリウレタン材料は、少なくとも一種類のポリウレタンプレポリマーと4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル)−アニリンを有する硬化剤の反応物から形成される。4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル)−アニリンは、好ましくは、硬化剤混合物100部に対して10〜90部、より好ましくは、硬化剤混合物100部に対して25〜75部、更に好ましくは、硬化剤混合物100部に対して30〜70部、更に好ましくは、硬化剤混合物100部に対して35〜65部、最も好ましくは、硬化剤混合物100部に対して50部である。4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル)−アニリンは、155等価重量と分子量310を持つ。好ましい4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル)−アニリンはLONZAGROUPよりLONZACURE M−DEAのブランド名で入手できる。
【0027】
本発明のポリウレタン材料に使用される好ましい第2の硬化剤混合物の硬化剤成分は、好ましくは、N,N’−ビス−アルキル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジアルキルアミノ−ジフェニルメタン、エチレンジアミンテトラプロキシレート又は脂肪族ジアミンを伴うN,N’−ジアルキルアミノ−ジフェニルメタンである。
【0028】
第2の硬化剤成分は、好ましくは、硬化剤混合物100部に対して10〜90部、より好ましくは、硬化剤混合物100部に対して25〜75部、更に好ましくは、硬化剤混合物100部に対して30〜70部、更に好ましくは、硬化剤混合物100部に対して35〜65部、最も好ましくは、硬化剤混合物100部に対して50部である。好ましいN,N’−ビス−アルキル−p−フェニレンジアミンは、UOPカンパニィからUNLINK 4100の名称で入手できる。好ましいエチレンジアミンテトラプロキシレート又は脂肪族ジアミンを伴うN,N’−ジアルキルアミノ−ジフェニルメタンは、UOPカンパニィからUNLINK 4230の名称で入手できる。好ましい脂肪族ジアミンは、UOPカンパニィからC−1000の名称で入手できる。
【0029】
N,N’−ビス−アルキル−p−フェニレンジアミン及びエチレンジアミンテトラプロキシレート又は脂肪族ジアミンを伴うN,N’−ジアルキルアミノ−ジフェニルメタンは、ポリウレタンポリマーの芳香族の2次的ジアミン連鎖延伸剤であり、それぞれは、通常の芳香族アミンより遅い反応速度を持つ。硬化剤混合物で使用されるとき、N,N’−ビス−アルキル−p−フェニレンジアミン又はエチレンジアミンテトラプロキシレート又は脂肪族ジアミンを伴うN,N’−ジアルキルアミノ−ジフェニルメタンは反応速度を遅くすると共に温度を下げる。N,N’−ビス−アルキル−p−フェニレンジアミンは等価重量が110であり、分子量が220である。エチレンジアミンテトラプロキシレート又は脂肪族ジアミンを伴うN,N’−ジアルキルアミノ−ジフェニルメタンは等価重量が130であり、分子量が260である。
【0030】
ポリウレタンプレポリマーは、好ましくは、トルエンジイソシアネートを基材とするポリウレタンプレポリマー、パラ−フェニレンジイソシアネートを基材とするポリウレタンプレポリマー、1,6,ヘキサメチレン−ジイソシアネートを基材とするポリウレtンプレポリマー、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを基材とするポリウレタンプレポリマーから選択される。ポリイウレタンプレポリマーは、好ましくは、単独又は2か3種類のポリウレタンプレポリマーを混合して使用される。
【0031】
ポリウレタンプレポリマーは、最も好ましくは、ポリプロピレンングリコールで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマー又はポリテトラメチレンエーテルグリコールで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマーであり、両者は芳香族ポリウレタンプレポリマーである。好ましいポリプロピレンングリコールで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマーは、コネチカット、ミドルバリィのUniroyal Chemical Company よりADIPRENE(登録商標)LFG960の名称で入手できる。好ましいポリテトラメチレンエーテルグリコールで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマー(NCO含有率が5%)は、コネチカット、ミドルバリィのUniroyal Chemical Company よりADIPRENE(登録商標)LFG930の名称で入手できる。他のジイソシアネートプレポリマーは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマー(NCO含有率6%)で、コネチカット、ミドルバリィのUniroyal Chemical Company よりADIPRENE(登録商標)LFG950の名称で入手できる。複数のポリウレタンプレポリマーを使用することについては、ここに全体が参照として組み入れられる、キャラウェイゴルフカンパニィに1999年7月27日に付与された米国特許第6,190,268号、「ポリウレタンカバーを持つゴルフボール」に開示されている。
【0032】
替わりとなるポリウレタンプレポリマーは、Uniroyal Chemical よりADIPRENE(登録商標)LFPX 2950の名称で入手できる、パラ−フェニレンジイソシアネートで停止されるポリエステルプレポリマー、又はUniroyal Chemical よりADIPRENE(登録商標)LFPX 950の名称で入手できる、パラ−フェニレンジイソシアネートで停止されるポリエーテルプレポリマーのようなパラ−フェニレンジイソシアネートを基材とするポリウレタンプレポリマーである。
【0033】
他の好ましいポリウレタンプレポリマーは、Uniroyal ChemicalよりADIPRENE(登録商標)LF750, ADIPRENE(登録商標)LF749, ADIPRENE(登録商標)LF720の名称で入手できるポリテトラメチレンエーテルグリコールで停止されるヘキサメチレンジイソシアネートプレポリマーで、これは脂肪酸ポリウレタンプレポリマーである。
【0034】
硬化剤に対するポリウレタンプレポリマーの比は、ポリウレタンプレポリマーの窒素−炭素−酸素基(”NCO”)の含有率により決定される。例えば、ポリプロピレングリコールで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマーのNCO含有率は、好ましくは、3.0%−6.0%の範囲であり、より好ましくは、4.0%−5.75%の範囲、最も好ましくは5.70%である。ポリテトラメチレンエーテルグリコールで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマーのNCO含有率は、好ましくは、3.75%−7.0%の範囲であり、より好ましくは、4.0%−6.5%の範囲、最も好ましくは5%又は6%である。硬化剤に対するポリウレタンプレポリマーの重量比は、好ましくは、約10:1−約30:1の範囲である。ポリテトラメチレンエーテルグリコールで停止されるヘキサメチレンジイソシアネートプレポリマーのNCO濃度は好ましくは8.0%−12.0%の範囲、より好ましくは10.0% 11.5%の範囲、最も好ましくは11%である。
【0035】
硬化に先立ち、ポリウレタンプレポリマーと硬化剤混合物は好ましくは別々に保管される。通常は、ポリウレタン材料は、最初に硬化剤を加熱と撹拌することにより生成される。次に、ポリウレタンプレポリマーと硬化剤混合物がチャンバー内で撹拌される。チャンバー内の混合物は、ゴルフボール先行製品の挿入前に半球状のキャビティ内に導入される。このプレポリウレタン材料は所定時間、加熱及び加圧され硬化される。より特定的な工程は以下に記載する。
【0036】
ポリウレタンプレポリマーは、好ましくは、第1保持コンテナー内で脱ガスされ加熱される。ポリウレタンプレポリマーの処理温度は、好ましくは、約70−130F°の範囲、より好ましくは、約80−120F°の範囲である。ポリウレタンプレポリマーは、処理に必要とされるように、好ましくは、第1保持コンテナーから撹拌チャンバーへ毎分約200−1100グラムの範囲で流入される。更に、ポリウレタンプレポリマーは、第1保持コンテナー内で、0−250rpmで撹拌され、材料のより均質化を維持し、結晶化を抑制する。
【0037】
硬化剤混合物は第2保持コンテナー内で脱ガスされ、加熱される。硬化剤混合物のための処理温度は、好ましくは、約50−230F°の範囲、より好ましくは、約80−210F°の範囲、最も好ましくは、約170−190F°の範囲である。硬化剤は、必要に応じて、好ましくは、第2保持コンテナーから撹拌チャンバーに毎分約15−75グラムの速度で流入される。添加剤が必要に応じて添加される。
【0038】
ポリウレタンプレポリマーと硬化剤混合物は、好ましくは、共通の撹拌チャンバー内に約160−220F°で加えられる。例えば、グリコール又はひまし油キャリアー内の二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛のような着色剤、及び/又は当分野で知られている添加剤が共通の撹拌チャンバーに加えられる。添加される着色剤の量は、好ましくは、ポリウレタンプレポリマーと硬化剤の合計に対して、約0−10重量%の範囲、より好ましいくは、約2−8重量%の範囲である。ポリマー充填剤、金属充填剤、及び/又は無機及び有機充填剤(例、ポリマー、バラタ、アイオノマー)のような添加剤がポリウレタン材料の比重を増加させるために添加されてもよい。混合物全体は、好ましくは、モールド成形前に撹拌チャンバー内で、約1−250rpmの範囲で撹拌される。このプロセスの態様のより詳細な説明は、ここに全体が参照として組み入れられる、1999年4月20日に出願され、キャラウェイゴルフカンパニィに付与された米国特許第6,200,512号、「ゴルフボールとその製造方法」に記載されている。鋳造システムのより詳細な説明は、ここに全体が参照として組み入れられる、2000年2月1日に出願され、キャラウェイゴルフカンパニィに付与された米国特許第6,395,218号「熱硬化性ゴルフボールカバーの形成方法」に記載されている。
【0039】
ゴルフボール10のコア12は全体としてゴムを基材、架橋剤、フリーラジカル開始剤、一又は複数の充填剤又は処理促進剤の混合物から成る。好ましいゴム基材は、シス−1,4を90%以上、より好ましくは98%以上持つポリブタジエンである。
【0040】
ゴルフボールコアの架橋剤の使用はよく知られおり、アクリル酸金属塩がこのような架橋剤の例である。例えば、ジアクリル酸、ジメタクリル酸、又はモノ(メタ)アクリル酸の金属塩が本発明のゴルフボールコアに使用されるものとして好ましく、ジアクリル酸亜鉛が特に好ましい架橋剤である。商業的に入手できる好適なジアクリル酸亜鉛は、ペンシルバニア、エクストンのSartomer Co. から入手できるSR−416である。本発明に使用できる他のジ−又はモノ−(メタ)アクリル酸金属塩には、金属がカルシウム又はマグネシウムであるものが含まれる。製造工程においては、例えば、ジアクリル酸亜鉛のような架橋剤を他のコア成分と混合する前にマスターバッチにおいてポリブタジエンと予め混合しておくことが有益である。フリーラジカル開始剤がゴム基材と架橋剤との架橋を促進するために使用される。本発明のゴルフボールコア12に使用される好適なフリーラジカル開始剤は、過酸化ジクミル、ビス−(t−過酸化ブチル)ジイソプロピルベンジン、t−ブチル過安息香酸、ジ−t−過酸化ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ−5過酸化ブチル−ヘキサン、1,1−ジ(t−過酸化ブチル)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、等のような過酸化物を含み、これらは全て商業的に容易に入手できる。
【0041】
酸化亜鉛は、また、コア成分に好ましいものとして含まれる。酸化亜鉛は、主として、重量調整充填剤として使用でき、また、他のコア成分の架橋に寄与する(共通添加剤として)。分散剤及び活性剤などの更なる反応促進剤が選択的に含まれる。特に、ステアリン酸亜鉛が反応促進剤として添加される(例、活性剤として)。多くの特定の重量調整充填剤がコア12の所望の全重量を得るために含ますことができる。このような充填剤に、タングステン及び硫酸バリウムが含まれる。これらの全ての反応促進剤と充填剤は容易商業的に入手できる。タングステン充填剤の一つとして、ニュージャージーのAtlantic Equipment Engineer から入手できるWP102タングステン(3ミクロン粒子サイズ)がある。
【0042】
表1は本発明の好ましいコア成分に含まれる材料の範囲を示す。
【0043】
【表1】

本発明においては、コア成分は混合され、当業者に既知の通常の方法で加圧成形される。好ましい形態においては、外側直径が1.68インチのゴルフボールのための最終コア12は、直径が約1.35インチから1.64インチである。コア重量は、好ましくは、約32から約40グラムである。コアのPGAコンプレッションは
好ましくは約50から90の範囲であり、最も好ましくは55から80である。
【0044】
ここで使用される「PGAコンプレッション」は以下のように定義される。
【0045】
PGAコンプレッション=180−Riehle コンプレッション値
Riehle コンプレッション値は、200ポンドの静的加重を加えたときの変形量インチに1000を乗じた値である。したがって、200ポンドの加重で0,095インチの変形があった場合は、Riehle コンプレッション値は95で、PGAコンプレッションは85である。
【0046】
ゴルフボール10が境界層14を有している場合は、境界槽は、好ましくは、熱可塑性材料から成る。境界層14に好適な熱可塑性材料には、デルウエア、ウイルミントンのDupontのHYTREL(登録商標)及び/又は HYLENE(登録商標)製品、ペンシルバニア、フィラデルフィアのElf AtochemのPEBAX(登録商標)製品、Dupontの SURLYN(登録商標)製品;及びテキサス、ヒューストンのExxon ChemicalのSCOR (登録商標)又はIOTEK(登録商標)が含まれる。
境界層14のショアD硬度は、ASTM D−2290で測定した場合、好ましくは、50から75の範囲である。最も好ましい実施例においては、境界層14は58−65の範囲のショアD硬度を持つ。境界層14のショアD硬度が75より小さいことが好ましい理由は、ゴルフボール製品の感触を改善するためである。境界層14がSURLYN(登録商標)アイオノマー樹脂の混合物より成るようにすることも、また、好ましい。
【0047】
SURLYN(登録商標)8150、9150、及び6320は、夫々、エチレンとメタクリル酸のナトリウムで中性化されたコポリマーから成るアイオノマー樹脂、エチレンとメタクリル酸の亜鉛で中性化されたコポリマーから成るアイオノマー樹脂、エチレン、メタクリル酸及びマグネシウムで中性化されたn−ブチルアクリル酸のテルポリマーから成るアイオノマー樹脂である。選択的な境界層14は、好ましくは、これらのアイオノマーの混合物で造られる。
【0048】
選択的な境界層14の一つの組成は、25−50重量%のSURLYN8150と、25−50重量%のSURLYN9150と、25−50重量%のSURLYN6320を有する。選択的な境界層14の他の組成は、25−75重量%のSURLYN9150と、25−75重量%のSURLYN6320を有する。当業者であれば、本発明の精神と範囲を離れない範囲において他のアイオノマーが境界層14に使用できることは理解するであろう。境界層14のショアD硬度は、好ましくは、ASTM−D2240で測定して、50−75ショアD、より好ましくはショアD55−65、最も好ましくは、ショアD58−63である。
【0049】
本発明のポリウレタン材料は、好ましくは、ASTM−D2240にる30−60のショアD硬度、より好ましくは40−55のショアD、最も好ましくは50のショアDを持つ。
【0050】
本発明のポリウレタン材料の組成の一つは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマー(NCO基含有率5%)と、硬化剤混合物100部に対して25−75部の4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル)−アニリンと、硬化剤混合物100部に対して25−75部のN,N’−ビス−アルキル−p−フェニレンジアミンと、1−10部のトリメトリルプロパン(”TMP”)からなる硬化剤混合物である。
【0051】
本発明のポリウレタン材料の他の組成は、、ポリテトラメチレンエーテルグリコールで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマー(NCO基含有率5%)と、硬化剤混合物100部に対して50部の4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル)−アニリンと硬化剤混合物100部に対して50部のN,N’−ビス−アルキル−p−フェニレンジアミンから成る硬化剤混合物と、3部のTMPである。
【0052】
本発明のポリウレタン材料の更なる他の組成は、ポリエーテルで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマー(NCO基含有率5%)と、硬化剤混合物100部に対して55部の4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル)−アニリンと、硬化剤混合物100部に対して45部のN,N’−ビス−アルキル−p−フェニレンジアミンとから成る硬化剤混合物と、3部のTMPである。
【0053】
本発明のポリウレタン材料の更なる他の組成は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマー(NCO基含有率5%)と、硬化剤混合物100部に対して65部の4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル)−アニリンと、硬化剤混合物100部に対して35部のN,N’−ビス−アルキル−p−フェニレンジアミンとから成る硬化剤混合物と、3部のTMPである。
【0054】
本発明のポリウレタン材料の更なる他の組成は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマー(NCO基含有率5%)と、硬化剤混合物100部に対して25−75部の4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル)−アニリンと、硬化剤混合物100部に対して25−75部のエチレンジアミンテトラプロキシレートを伴うジアルキルアミノ−ジフェニルメタンとからなる硬化剤混合物と、1−10部のトリメトリルプロパン(”TMP”)である。
【0055】
本発明のポリウレタン材料の他の組成は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマー(NCO基含有率5%)と、硬化剤混合物100部に対して50部の4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル)−アニリンと、硬化剤混合物100部に対して50部のエチレンジアミンテトラプロキシレートを伴うジアルキルアミノ−ジフェニルメタンとからなる硬化剤混合物と、3部のTMPである。
【0056】
本発明のポリウレタン材料の更なる他の組成は、ポリエーテルで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマー(NCO基含有率6%)と、硬化剤混合物100部に対して55部の4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル)−アニリンと、硬化剤混合物100部に対して45部のエチレンジアミンテトラプロキシレートを伴うジアルキルアミノ−ジフェニルメタンとからなる硬化剤混合物と、3部のTMPである。
【0057】
本発明のポリウレタン材料の他の組成は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマー(NCO基含有率5%)と、硬化剤混合物100部に対して65部の4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル)−アニリンと、硬化剤混合物100部に対して35部のエチレンジアミンテトラプロキシレートを伴うジアルキルアミノ−ジフェニルメタンとからなる硬化剤混合物と、3部のTMPである。
【0058】
本発明のポリウレタン材料の更なる他の組成は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマー(NCO基含有率5%)と、硬化剤混合物100部に対して25−75部の4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル)−アニリンと、硬化剤混合物100部に対して25−75部の脂肪酸ジアミンとからなる硬化剤混合物と、1−10部のトリメトリルプロパン(”TMP”)のようなトリオールである。
【0059】
本発明のポリウレタン材料の更なる他の組成は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールで停止されるトルエンジイソシアネートプレポリマー(NCO基含有率11%)と、硬化剤混合物100部に対して10−90部の4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル)−アニリンと、硬化剤混合物100部に対して10−90部の脂肪族ジアミンとからなる硬化剤混合物である。
【0060】
本発明のポリウレタン材料の更なる他の組成は、芳香族ポリウレタンプレポリマーと、硬化剤混合物100部に対して10−90部の4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチル)−アニリンと、硬化剤混合物100部に対して10−90部の(脂肪族ジアミンのような)脂肪族硬化剤とからなる硬化剤混合物である。
【0061】
本発明のポリウレタン材料の更なる他の組成は、脂肪族ポリウレタンプレポリマーと、硬化剤混合物100部に対して10−90部の芳香族硬化剤と硬化剤混合物100部に対して10−90部の脂肪族硬化剤とからなる硬化剤混合物である。
【0062】
本発明のポリウレタン材料を使用するゴルフボール10の構成は、ソリッドポリブタジエンコア12と、アイオノマー混合物からなる境界層14と、本発明のポリウレタン材料から成るカバー16を有するスリーピースゴルフボールである。コア12は、好ましくは、加圧成形され、境界層14は好ましくは注入成形され、カバー16は好ましくは鋳造で形成される。ゴルフボール10は、一又は複数のベースホワイトコーティング、クリアコーティング及び表示が施されて完成する。
【0063】
カバー16の厚さは、好ましくは、0.010インチ−0.070インチの範囲、より好ましくは
0.010インチ−0,050インチの範囲、更に好ましくは0.010−0.044インチの範囲、より好ましくは0.025−0.040インチの範囲、最も好ましくは0.25インチである。境界層14は、好ましくは、注入成形され、好ましくは0,040−0.090インチの範囲、より好ましくは0.045−0.070インチの範囲、最も好ましくは0.050−0.060インチの厚さを持つ。境界層14は、また、半型により加圧成形で造ることができる。コア12は、好ましくは、1.35−1.60インチの範囲直径、より好ましくは1,45−1.55インチの範囲、最も好ましくは1.49インチの直径を持つ。コア12は、好ましくは、PGAコンプレッションを70−110の範囲、最も好ましくは100ポイントである。本発明のポリウレタンを使用したゴルフボールの構造と性能のより詳細な説明は、ここに参照として組み入れられる、キャラウェイゴルフカンパニィに付与された2002年9月2日発行の米国特許第6,443,858号、「高い反発係数を持つゴルフボール」、及びキャラウェイゴルフカンパニィに付与された2002年11月12日発行の米国特許第6,478,697号、「高い反発係数を持つゴルフボール」に開示されている。
【0064】
ゴルフボール10のショアD硬度は、ゴルフボール上で測定した場合、好ましくは40ショアDポイント−75ショアDポイント、最も好ましくは50ショアDポイント−65ショアDポイントである。ゴルフボール10の硬度は、ゴルフボール10がホルダーとピンの間に置かれ、ピンが表面に下降される、Instron Shore D 硬度測定装置を使用して測定される。ボールの硬度の計算に5回の測定の平均が用いられる。ボールの硬度は、好ましくは、カバー14のランド領域で測定される。ゴルフボール10の全体の好ましい直径は、略1.68インチ、好ましい質量は、略45.5グラムである。しかしながら、当業者であれば、本発明の精神と範囲を離れない範囲において、ゴルフボール10の直径は小さくても(例、1.65インチ)、大きくても(例、1.70インチ)でもよいことは理解できるであろう。更に、質量は、本発明の範囲と精神を離れない範囲で変えることができる。
【0065】
ゴルフボール10の表面形状は、好ましくは、ここに関連する部分が参照として組み入れられる米国特許第6,213,898号、「ポリウレタンカバー上の空気力学的表面を持つゴルフボール」に開示されているような通常のディンプルパターンである。これとは別に、ゴルフボール10の表面形状は、ここに関連する部分が参照として組み入れられる、1999年11月18日に出願された国特許第6,290,615号、「管状格子パターンを持つゴルフボール」に開示されているようなディンプルでないパターンとしてもよい。
【0066】
本発明の熱硬化性ポリウレタンカバーの曲げ係数は、ASTMD790で測定されるとき、好ましくは、毎平方インチ、7,000ポンド(”psi”)−35,000psi、より好ましくは、10,000psi−25,000psi、更に好ましくは、18,000psi−22,000psiである。
【0067】
本発明のポリウレタン材料はほとんどの他のポリウレタンカバーよりも非常に耐久性が優れている。カバーの耐久性は、以下の手順にしたがって決定される。A CALLAWAY GOLF(登録商標)STEELHEADTMX−14(登録商標)PRO SERIESサンドウエジがGOLF LABSロボットで使用され、サンプルのゴルフボール毎に2回ヒットし(ボールの両側をヒット)、12のゴルフボールについて打撃し、6個のコントロールボールを2回打撃した。ゴルフボールはティの上に置かれ、ポールの位置がクラブとインパクトするようにした。インパクト領域は水をスプレイした。ロボットが始動され、クラブが毎時72マイルでスイングされ、濡れたゴルフボールが打たれる。ゴルフボールは回収され、反対側のポール位置がインパクトされるようにティ上に置かれ、水がスプレイされる。ロボットが始動され、ボールが再び打たれる。打撃前に、サンドウエジのクラブフェースと溝はクリーンにされ、乾かされる。ゴルフボールが回収され、顕微鏡で検査されて、評価とランキングを行う。結果は、統計的に95%の信頼性で解析される。
【0068】
カバーの耐久性は、以下の基準によりランク付けされる。
【0069】
1 カバーの一部が完全に切り取られる。ディンプル(又は他の表面形状)が減る又はかなりなくなる。
【0070】
2 カバー材料が、カバーの断片が視認できる程度に切断されるが、完全に切り取られかディンプルがなくなるまでにはならない。
【0071】
3 カバー材料がカバーの内部が露出している程度にやや切傷されているが、カバーは存在している。
【0072】
カバーの内部が露出するほどでない軽い切り傷があり、側面又は輪郭の観察からカバーが剥げていることがわかる。
カバーの内部が露出するほどでない軽い切り傷があり、側面又は輪郭の観察からカバーが剥げていることがわからない。
【0073】
4 カバーに凹みがみられるが、カバー材料の剥げはない。
【0074】
4.5 溝の跡が明らかに確認できるが、カバー材料の変形は認められない。
【0075】
5 溝の跡は明らかに認められないが、わずかな筋が視認でき、ひび割れや破壊はなくカバー材料の損傷はない。
【0076】
本発明のポリウレタン材料を使用するゴルフボールは、CALLAWAY GOLF (登録商標)CTU30TMBLUEゴルフボール、CALLAWAY GOLF(登録商標)CTU30TMREDゴルフボール、TITLEIST(登録商標)PROV1TMゴルフボール、MAXFLI(登録商標)A10ゴルフボールで、全ては熱硬化性ポリウレタンカバーである。CTU30TMREDゴルフボールは2.42のランキングであり、CTU30TMBLUEゴルフボールは2.69のランキング、PROV1TMゴルフボール2.63のランキング、及びA10TMゴルフボールは2.58のランキングであった。本発明のポリウレタンカバーを使用するゴルフボールはランキングは2.89−2.34である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】コア、境界層及びカバーの一部の断面を含む本発明のゴルフボール斜視図である。
【図2】コアとカバーの断面を含む本発明のゴルフボールの斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリブタジエン混合物からなるコアと;
コアを覆うように形成される境界層と;
境界層を覆うように形成されるカバーであって、少なくとも一種の脂肪族ポリウレタンプレポリマーと、硬化剤100に対して10−90部の芳香族硬化剤と硬化剤100に対して10−90部の脂肪族硬化剤の混合物との反応生成物から生成される熱硬化性ポリウレタン材料から成るカバー、
を有するゴルフボール。
【請求項2】
前記熱硬化性ポリウレタン材料は、ASTM D790に従って測定した曲げ係数が10,000psi−25,000psiの範囲にある請求項1に記載のゴルフボール。
【請求項3】
前記カバーは0.010インチ−0.044インチの範囲の厚さを持つ請求項1に記載のゴルフボール。
【請求項4】
前記強化剤混合物は、硬化剤100に対して50−75部の芳香族硬化剤と硬化剤100に対して25−50部の脂肪族硬化剤からなる請求項1に記載のゴルフボール。
【請求項5】
1.35インチ−1.64インチの範囲の直径と、50−90の範囲のPGAコンプレッションを持つコアと;
コアを覆うように形成され、アイオノマー材料の混合物からなり、0.020インチ−0.075インチの範囲の厚さを持ち、アイオノマーの材料混合物はASTM−D2240に従って測定されるショアD硬度が50−75の範囲にある境界層と;
境界層を覆うように形成され、ポリテトラメチレンエーテルグリコールで停止されるヘキサメチレンジイソシアネートのプレポリマーと、硬化剤100に対して10−90部の芳香族硬化剤と硬化剤100に対して10−90部の脂肪族硬化剤の混合物との反応生成物から生成される熱硬化性ポリウレタン材料から成り、前記熱硬化性ポリウレタン材料は、ASTM−D2240に従って測定したショアD硬度が30−60の範囲にあり、0.010インチ−0.044インチの範囲の厚さを持つるカバーと、
を有するゴルフボール。




【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−530078(P2007−530078A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517850(P2006−517850)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/021474
【国際公開番号】WO2005/003203
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(300044551)キャラウェイ・ゴルフ・カンパニ (26)
【Fターム(参考)】