説明

サウナ装置

【課題】コンパクトでありながら回転用モータの焼損の心配がないサウナ装置を提供する。
【解決手段】回転体の外周に位置して該回転体と共に回転しこの回転による遠心力で飛散される水及び空気が通過可能な円筒状の多孔体と、前記回転体を駆動させる回転用モータとで構成され、前記貯水部に貯留された温水を前記回転体の回転により汲み上げ前記多孔体にぶつけて破砕して微細水滴及びマイナスイオンを生成する水破砕手段と、該水破砕手段で生成された微細水滴及びマイナスイオンをサウナ室内に供給する送風機と、該送風機によって循環されるサウナ室内の空気を加熱する空気加熱手段とを備え、前記微細水滴及びマイナスイオンをサウナ室内に供給するサウナ運転を行うサウナ装置に於いて、前記回転用モータを送風経路に設けると共に、該回転用モータの外周には熱伝導率が高い放熱板を備えたので、回転用モータの焼損を防止出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、貯水部に貯留した温水を破砕し微細水滴及びマイナスイオンを生成して、それをサウナ室内に供給するサウナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は先に下記の特許文献1にて、サウナ室内に低温高湿のサウナ雰囲気を形成するサウナ装置を提供した。かかるサウナ装置を図17〜19を用いて説明すると、図17において、101は低温のサウナ室102のベンチ103下に備えられた微細水滴及びマイナスイオン発生装置で、サウナ室102内の上部まで延びた吸引ダクト104を介して該サウナ室102内の空気を吸引し、塵や細菌を除去した後に、加熱昇温した微細水滴及びマイナスイオンをベンチ103下方に形成した放出口105からサウナ室102に供給して、順次これを繰り返してサウナ室102の空気を循環させることで、サウナ室102を使用室温38〜42℃、相対湿度90%以上の低温高湿サウナの使用雰囲気とするものである。
【0003】
次に、前記微細水滴及びマイナスイオン発生装置101について、図18〜19に基づいて説明すると、106は水を一定量貯留する貯水部、107は貯水部106の一側壁に接続され貯水部106に給水する給水管、108は給水管107の途中に設けられ給水管107の開閉を行う自動給水弁、109は貯水部106に貯められた水を加熱する加熱ヒータ、110は貯水部106の底部に接続され貯水部106に貯められた水または加熱ヒータ109に加熱された加熱水を排水する排水管、111は排水管110の途中に設けられ排水管110の開閉を行う自動排水弁、112は排水管110の途中で自動排水弁111より下流側に設けられ下水の臭気等の侵入を防ぐ排水トラップである。
【0004】
113は下部を水没させ上方に向かって径が拡大した擂り鉢状の回転体114を回転させる回転用モータ、115は前記回転体114の外周に所定間隔を保持して位置し、回転体114と共に回転する円筒状の多孔体で、前記回転体114は前記回転用モータ113による駆動で回転し、回転体114の回転による遠心力で貯水部106内の水を汲み上げると共に空気を飛散させ、そして多孔体115全周壁に形成した多数のスリットや金網やパンチングメタル等を、通過させたり、ぶつけて破砕させることで、水の粒子を微細化してナノメートル(nm)サイズの微細水滴を生成すると共に、この水の粒子の微細化によるレナード効果でマイナスイオンを発生させるものであり、回転体114を回転させる回転用モータ113と、回転体114と、回転体114と共に回転する多孔体115とから水破砕手段が構成されているものである。また、116は回転用モータ113を収容する防水カバー、117は前記多孔体115の外周に所定の間隔を置いて多孔体115を覆うように配置された楕円形状の空気案内筒である。
【0005】
118は送風機で、吸引ダクト104を介して吸引されたサウナ室102内の空気を、微細水滴及びマイナスイオン発生装置101内に導き、微細水滴及びマイナスイオン発生装置101内で発生した微細水滴及びマイナスイオンをのせて、サウナ室102に送風により供給するものであり、また、119は吸引ダクト104を介して吸引されたサウナ室102内の空気を加熱する空気ヒータである。
【0006】
次に、この従来のサウナ装置の作動について図20のフローチャートを用いて説明する。
今サウナ装置の運転スイッチ(図示せず)をON操作すると運転ランプ(図示せず)が点灯し、サウナ装置の運転が開始され、まず、貯水部106内の水または温水を排水する排水管110の開閉を行う自動排水弁111を開弁し、貯水部106内に給水する給水管107を開閉する自動給水弁108を開弁して、貯水部106内に給水を行い、貯水部106内を洗浄して排水するクリーニングモードが行われる。
【0007】
前記クリーニングモードが終了すると、自動排水弁111を閉弁して、貯水部106内に給水を行い、加熱ヒータ109に通電し貯水部106内の水を殺菌可能な温度まで加熱すると共に、回転用モータ113を駆動させて回転体114及び多孔体115を回転させる除菌モードAが行われる。
【0008】
前記除菌モードAが終了すると、送風機118の駆動を開始させると共に、空気ヒータ119を通電させ、さらに、貯水部106内に貯水されている温水温度を、サウナ室の設定温度よりも高い温度に保つよう加熱ヒータ109を制御して、サウナ室102を設定温度まで立ち上げる立ち上げモードが行われる。
【0009】
前記立ち上げモードが終了すると、サウナ室102内を設定温度に保つように加熱ヒータ109を制御して、設定温度での安定した快適なサウナ入浴を行えるようにする安定モードが行われる。
【0010】
前記安定モードで、連続運転時間が終了すると、送風機118を停止し、運転ランプが消灯され、自動的に運転スイッチOFFとなる。そして、前記安定モードが終了すると、加熱ヒータ109により貯水部106内の水を殺菌可能な温度まで加熱すると共に、回転用モータ113を駆動させて回転体114及び多孔体115を回転させる除菌モードBが行われる。
【0011】
前記除菌モードBでの除菌が終了すると、回転用モータ113の駆動を停止させて回転体114及び多孔体115の回転を停止させ自動排水弁111を開弁して貯水部106内の温水を排水し、前記除菌モードBが終了すると、送風機118を駆動させると共に空気ヒータ119を通電させ、微細水滴及びマイナスイオン発生装置101内及びサウナ室102内を乾燥させる乾燥モードが行われるものであり、乾燥モードが終了するとサウナ装置は自動排水弁111が開弁の状態のまま停止状態となるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特願2008−209414号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところでこの従来のものでは、送風機が118が微細水滴及びマイナスイオン発生装置101の上部に設けられているので、装置の高さが高くなりコンパクト化の妨げとなるものであり、この送風機118を微細水滴及びマイナスイオン発生装置101の周壁に設けることで、高さが低くなりサウナ室102の床下に容易に収納出来るようになり、使用勝手が良くなるものであるが、装置上部に突出した回転用モータ113上部のスペースが狭くなり、加熱部品である回転用モータ113の放熱が悪くなって焼損する危険を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は上記課題を解決する為に、特にその構成を、水を貯留する貯水部と、該貯水部の水を加熱する加熱手段と、前記貯水部に貯留する水に下部を水没させた回転体と、該回転体の外周に位置して該回転体と共に回転しこの回転による遠心力で飛散される水及び空気が通過可能な円筒状の多孔体と、前記回転体を駆動させる回転用モータとで構成され、前記貯水部に貯留された温水を前記回転体の回転により汲み上げ前記多孔体にぶつけて破砕して微細水滴及びマイナスイオンを生成する水破砕手段と、該水破砕手段で生成された微細水滴及びマイナスイオンをサウナ室内に供給する送風機と、該送風機によって循環されるサウナ室内の空気を加熱する空気加熱手段とを備え、前記微細水滴及びマイナスイオンをサウナ室内に供給するサウナ運転を行うサウナ装置に於いて、前記回転用モータを送風経路に設けると共に、該回転用モータの外周には熱伝導率が高い放熱板を備えたものである。
【0015】
又請求項2では、前記回転用モータは、給気室の上方に設けられ回転体を垂下し、下半分を防水カバーで覆いながら給気室に突出させ、この防水カバーとの間にアルミ筒の放熱板を介在させたものである。
【発明の効果】
【0016】
以上のようにこの発明によれば、送風経路に設けられた回転用モータの外周に放熱板を備えたことで、回転用モータの駆動に伴う熱が放熱板を介して送風経路に良好に放熱され、回転用モータの過熱による故障や焼損が確実に防止されるものであり、又送風経路ではこの回転用モータの熱をサウナ室加熱用の熱として利用することが出来、熱の有効利用で経済的で効率の良い運転を行うことが出来るものである。
【0017】
又請求項2では、回転用モータは下半分を防水カバーで覆いながら給気室に突出させ、この防水カバーとの間にアルミ筒の放熱板を介在させたので、アルミ筒の放熱板が熱伝達媒体となり、回転用モータの熱を防水カバーの表面全体から放熱させて、効率の良い放熱を行うことが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の一実施形態のサウナ装置の概略構成図。
【図2】同一実施形態の微細水滴及びマイナスイオン発生装置の要部断面図。
【図3】同一実施形態の要部斜視図。
【図4】同一実施形態の微細水滴及びマイナスイオン発生装置の要部断面図。
【図5】同一実施形態の微細水滴及びマイナスイオン発生装置の水平断面図。
【図6】同一実施形態のサウナ室の外観図。
【図7】同一実施形態の要部電気回路ブロック図
【図8】同一実施形態の一連の動作を示すフローチャート。
【図9】同一実施形態のクリーニングモードの作動を示すフローチャート。
【図10】同一実施形態の除菌モードAの作動を示すフローチャート。
【図11】同一実施形態の立ち上げモードの作動を示すフローチャート。
【図12】同一実施形態の安定モードの作動を示すフローチャート。
【図13】同一実施形態の除菌モードBの作動を示すフローチャート。
【図14】同一実施形態の乾燥モードの作動を示すフローチャート。
【図15】同一実施形態の運転スイッチOFF操作時の動作を示す状態遷移図。
【図16】同一実施形態の異常停止モードの作動を示すフローチャート。
【図17】従来例のサウナ装置の概略構成図。
【図18】従来例の微細水滴及びマイナスイオン発生装置の横断面図。
【図19】従来例の微細水滴及びマイナスイオン発生装置の縦断面図。
【図20】従来例の一連の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明のサウナ装置の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1において、1は低温のサウナ室2の床下3に備えられた微細水滴及びマイナスイオン発生装置で、サウナ室2内の床に開口した吸引口4を介して該サウナ室2内の空気を吸引し、塵や細菌を除去した後に、加熱昇温した微細水滴及びマイナスイオンを床に形成した放出口5からサウナ室2に供給して、順次これを繰り返してサウナ室2の空気を循環させることで、サウナ室2を使用室温38〜42℃、相対湿度90%以上の低温高湿サウナの使用雰囲気とするものである。
【0020】
次に、前記微細水滴及びマイナスイオン発生装置1について、図2〜5に基づいて説明する。
6は水を一定量貯留する貯水部、7は貯水部6の一側壁に接続され貯水部6に給水する給水管、8は給水管7の途中に設けられ給水管7の開閉を行う自動給水弁、9は貯水部6に貯められた水を加熱し、貯水部6の水面下で貯水部6底部近傍に単相200V、2KWで平面視M字状に水平に取り付けられてU字部10を3箇所有した加熱ヒータ、11は貯水部6の一側壁に設けたオーバーフロー管、12は貯水部6の底部に接続され貯水部6に貯められた水または加熱ヒータ9に加熱された加熱水を排水する排水管、13は排水管12の途中に設けられ排水管12の開閉を行う自動排水弁、14は排水管12の途中で自動排水弁13より下流側に設けられ貯水部6からの排水を貯めて下水の臭気等の侵入を防ぐ排水トラップである。
【0021】
15は前記貯水部6内を処理室16と分離室17の2室に仕切る仕切壁で、下端を分離室17側を屈曲し水面との間の連通路18を水面近傍まで下げることにより、処理室16から分離室17へ向かう空気中の大粒のミスト(水滴)を水面にぶつけて落下させる気液分離器の役目も果たすようにしている。
【0022】
前記処理室16には、貯水部6の蓋体19に設けた挿通穴20に、防水カバー21の凹部22に熱伝導率が高いアルミ筒からなる放熱板23を介して回転用モータ24の下半分を収容して挿通し、回転用モータ24と支軸25とを連結し、下部を水没させ上方に向かって径が拡大した擂り鉢状の回転体26が、加熱ヒータ9の給水管7から一番離れた方のU字部10中に垂下して設けられ、この回転体26は前記回転用モータ24による駆動で回転し、その遠心力で加熱ヒータ9で加熱された貯水部6内の温水を回転体26表面及びむしろ裏面に沿って吸い上げ、上端に形成した複数の細孔27から周囲に飛散させるものである。
【0023】
前記分離室17には、仕切壁15の下端を分離室17下方に向かって傾斜屈曲させた第1の邪魔板28と、この仕切壁15と対向する側壁に、下方に向かって傾斜して取り付けた第2の邪魔板29とで交互に突出させて、中央部に下部の連通路18から上部の放出口5に向かう蛇行路30が形成されているものである。
【0024】
31は前記回転体26の外周に所定間隔を保持して位置し、該回転体26と共に回転する円筒状の多孔体で、回転体26の回転による遠心力で貯水部6内の水を汲み上げると共に空気を飛散させ、そして多孔体31全周壁に形成した多数のスリットや金網やパンチングメタル等から成る多孔部32を、通過させたり、ぶつけて破砕させることで、水の粒子を微細化してナノメートル(nm)サイズの微細水滴を生成すると共に、この水の粒子の微細化によるレナード効果でマイナスイオンを発生させるものであり、前記回転体26を回転させる回転用モータ24と、回転体26と、回転体26と共に回転する多孔体31とから水破砕手段が構成されているものである。
【0025】
33は前記多孔体31の外周に所定の間隔を置いて多孔体31を覆うように配置された楕円形状の空気案内筒で、円筒状の多孔体31との間には一対の大流通路34、34と一対の小流通路35、35とが形成されるように、処理室16の上方を塞ぐ中蓋36に設けられており、分離室17の上部側壁で該分離室17と放出口5とを連通する位置に備えられた円筒状のクロスフローファンから成る送風機37の駆動で、吸引ダクト4を介し蓋体19と中蓋36との間の給気口38から吸引されたサウナ室2内の空気を、一側壁に吸引ダクト4が接続される給気口38を有し蓋体19と中蓋36との間の空間で形成される送風経路を構成する給気室39に流入させ、処理室16上部の給気室39から処理室16に向かって回転体26の上方から空気案内筒33内に流入させることで、水の粒子の破砕回数を増やすと共に、空気のマイナス帯電も増加させ結果としてナノメートルサイズの微細水滴及びマイナスイオンを大量に発生させることができるものであり、例えばマイナスイオンではサウナ室2の中央部中間位置で約7000個/CCを検出するものである。なお、前記送風機37は回転数可変のクロスフローファンであり、回転数の高い強運転と回転数の低い弱運転とを行うことができるものである。
【0026】
前記送風機37は、貯水部6の周壁に突出した形で備えられ、断面逆L字状で細長いケーシング40内に収納されており、分離室17の吐出口41から吸引した微細水滴及びマイナスイオンを放出口5からサウナ室2に放出するものであり、又ケーシング40の内壁底部で一番低い部分には、微細がぶつかって発生する結露水を捕集する凹状の捕集溝42が幅方向一直線上に形成されており、更に捕集溝42の幅方向の中間部には連通口44が形成され、捕集溝42はこの連通口44に向かって両側から下り傾斜しており、更に連通口44には捕集した結露水を排水する連通パイプ45が取り付けられている。
【0027】
46は貯水部6内の底部に備えられ貯水部6内の水または温水があるときに検出信号を出力する水位検出手段としての2つのフロートスイッチ47、48から成り、フロートスイッチ47は貯水部6に貯められる水の低水位を検出するもので、加熱ヒータ9が水面上に露呈しない所定水位まで水があるときに検出信号を出力するものであり、フロートスイッチ48は貯水部6に貯められる水の高水位を検出するもので、フロートスイッチ47が水ありを検出する水位よりも高い所定水位に達したときに、検出信号を出力するものであり、貯水部6の水位が加熱ヒータ9が水面上に露呈しない所定水位に低下すると、低水位検出用のフロートスイッチ47がOFFとなり、自動給水弁8を開弁して一定水位まで給水を行い、そして、貯水部6内が所定水位に達して、高水位検出用のフロートスイッチ48がONとなると、自動給水弁8を閉弁するものであり、サウナ運転中は常に貯水部6を所定水位範囲内に保持するものである。
【0028】
49は前記2つのフロートスイッチ47、48を貯水部6の水面変動の影響を受けないように保護する断面コ字状の保護枠で、正面及び両側方を水面上まで突出させた枠体とし、貯水部6の一側壁とで2つのフロートスイッチ47、48を囲ったものであり、上面で2つのフロートスイッチ47、48を垂下して固定している。
【0029】
50は吸引ダクト4と共に給気経路を構成する給気口38に取り付けられたU字状、100V、340Wの空気加熱手段としての空気ヒータで、給気口38の側壁から突出し該側壁に対して上方をやや後側に寝かせて傾斜させた状態にし、U字状のヒータ部分が重ならずに小さな面でサウナ室2内からの送風空気と効率良く接するよう配置しサウナ室2内からの空気を加熱するものであり、サウナ装置2の運転開始時に送風機37を駆動させると共に、空気ヒータ50に通電してサウナ室2を循環させる空気を加熱し、サウナ室2の雰囲気温度を上昇させて、立ち上がり時間の短縮を図るものであり、更にサウナ装置の運転終了後には送風機37を駆動すると共に空気ヒータ50に通電させ、温風によって装置1内を乾燥させ、衛生状態の良好を保つようにしたものである。
【0030】
51は貯水部6の下部外壁で所定水位に設けられ貯水部6内の貯水温度を検出する貯水温度検出手段としての貯水温度センサ、52は同じく貯水部6の下部外壁で所定水位に設けられた過熱防止センサで、貯水部6が異常過熱状態になった時、全駆動を停止させて安全を確保するものである。
【0031】
また、図1において、53はサウナ室2内の上部の取り付けられサウナ室2内の室内温度を検出する室温検出手段としての室温センサである。54はサウナ室2を換気する換気手段としての換気扇、55はサウナ室2への出入り用のドアで、56はドア55上部に設けられた覗き窓、57はドア55下部に設けられサウナ室2外からサウナ室2内に空気を取り込む空気取入口で、この空気取入口57は、換気扇54が駆動すると開いてサウナ室2外からサウナ室2内に空気を供給する構造となっている。また、58は緊急スイッチで、サウナ室2内で入浴者であるユーザに異常が発生した場合に、ユーザによりこの緊急スイッチ58が操作されると、ブザーを鳴らす等によってサウナ室2内で異常が発生したことをサウナ室2外に報知し、自動排水弁13を開弁して貯水部6内の温水を排水させると共に、換気扇54を作動させることで、サウナ室2内の温度及び湿度を低下させてサウナ室2内を平常状態に戻す動作が為されるものである。
【0032】
次に、図6に示すように、59はこのサウナ装置を遠隔操作するリモコンで、このリモコン59には、サウナ室2内の室内設定温度を表示する室内設定温度表示部60と、室温センサ53の検出するサウナ室2内の温度を表示する室内温度表示部61と、サウナ室2内の設定温度、例えば38℃〜42℃を1℃刻みで設定する室温設定スイッチ62と、サウナ装置の運転開始及び停止を指示する運転スイッチ63と、運転スイッチ63のON/OFFを表示する運転ランプ64と、換気扇54のON/OFFを指示しサウナ室2内の換気を指示したり、換気扇54と送風機37と空気ヒータ50とのON/OFFを指示しサウナ室2内の乾燥を指示する換気スイッチ65と、換気スイッチ65のON/OFFを表示する換気ランプ66と、サウナ室2内が室温設定スイッチ62で設定した設定温度に達したら点灯し、サウナ室2への入室許可を報知する入浴ランプ67とが設けられているものである。
【0033】
次に、図7に示す要部電気回路のブロック図を説明すれば、68は記憶、演算、時間カウント等の機能を有し、このサウナ装置を制御する制御手段で、制御手段68と前記リモコン59とは無線または有線により通信可能に接続されているものであり、制御手段68の入力側には、フロートスイッチ47、48と、貯水温度センサ51と、過熱防止センサ52と、室温センサ53と、緊急スイッチ58とが接続されており、出力側には、自動給水弁8と、加熱ヒータ9と、自動排水弁13と、回転用モータ24と、送風機37と、空気ヒータ50と、換気扇54が接続されているものである。
【0034】
次にこのサウナ装置の一実施形態の作動について図8〜図14のフローチャートを用いて説明する。
今サウナ室2の側壁に備えられたリモコン59の室温設定スイッチ62によりサウナ室2の設定温度(38〜42℃)を設定し、運転スイッチ63をON操作すると運転ランプ64が点灯し、サウナ装置の運転が開始され、サウナ装置の準備運転であるクリーニングモードが開始される(ステップS100)。このクリーニングモードでは、貯水部6内の水または温水を排水する排水管12の開閉を行う自動排水弁13を開弁すると共に、貯水部6内に給水する給水管7を開閉する自動給水弁8を開弁して、貯水部6内に給水を行って、貯水部6内に水を貯める前に貯水部6内の底に残ったホコリ、塵、菌などを洗浄して排水するものである。
【0035】
次に、上記のクリーニングモードの作動について図9のフローチャートを用いて説明すると、まず制御手段68は、自動排水弁13を開弁させ(ステップS101)、低水位検出用のフロートスイッチ47がOFFか否かを判断し(ステップS102)、フロートスイッチ47がOFFでないと判断している間は前記ステップS102の処理を繰り返し、フロートスイッチ47がOFFであると判断すると、一定時間遅延させた後に自動給水弁8を開弁させる(ステップS103)。前記ステップS103で自動給水弁8を開弁させ貯水部6内に給水を開始すると、続いて、所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS104)、所定時間が経過したと判断すると、自動排水弁13を閉弁させて(ステップS105)、クリーニングモードを終了するものである。
【0036】
以上説明したクリーニングモードにおいて、制御手段68は、自動排水弁13を開弁すると共に自動給水弁8を開弁して、貯水部6に給水を行って貯水部6を洗浄するようにしたので、自動排水弁13が開弁されたまま給水され、貯水部6に水を貯める前に貯水部6内の底に残ったホコリ、塵、菌などを確実に洗浄して排水することができ、サウナ運転が開始されユーザがサウナ入浴を行う時には貯水部6内にはきれいな水が貯められているので、安心、安全なサウナ入浴を行うことができるものである。
【0037】
また、前記ステップS102で、制御手段68は、フロートスイッチ47がOFFでないと判断している場合、すなわち、低水位検出用のフロートセンサ47からの検出信号を受ける場合は、前記ステップS102の処理を繰り返し、自動給水弁8を開弁せず貯水部6に給水しないようにしするので、前回のサウナ運転停止後に何らかの理由により排水が行われず前回使用した汚れた水がそのまま貯水部6内に貯水されていたときには、貯水部6内の汚れた水を確実に排水することができ、また、フロートスイッチ47がOFFであると判断した場合、すなわち、フロートスイッチ47からの検出信号を受けなくなったら、一定時間遅延させた後に自動給水弁8を開弁するので、貯水部6内に貯水されていた水が完全に排水されてから給水により貯水部6の底に残ったホコリ、塵、菌などを確実に洗浄して排水することができ、サウナ運転が開始されユーザがサウナ入浴を行う時には貯水部6には清潔な水が貯められているので、安心、安全なサウナ入浴を行うことができるものである。
【0038】
前記ステップS100のクリーニングモードが終了すると、続いて除菌モードA(ステップS200)に遷移するものであり、この除菌モードAでは、貯水部6内底部近傍に配設された加熱ヒータ9に通電し貯水部6内の水を殺菌可能な温度まで加熱すると共に、回転体26を回転させる回転用モータ24を駆動させて、貯水部6内に貯められた水を殺菌すると共に、貯水部6から加熱された温水を汲み上げる回転体26や、回転体26の外周に配置され回転体26と共に回転する多孔体31や、多孔体31を覆うように配置された空気案内筒33に付着したホコリ、塵、菌等を洗い流して清潔な状態にし回転体26、多孔体31、空気案内筒33を除菌・殺菌するものである。
【0039】
次に、上記の除菌モードAの作動について図10のフローチャートを用いて説明すると、まず制御手段68は、低水位検出用のフロートスイッチ47がONか否かを判断し(ステップS201)、フロートスイッチ47がONであると判断すると、貯水部6内の水を加熱する加熱ヒータ9に通電させると共に、回転体26を回転させる回転用モータ24の駆動を開始させ(ステップS202)、貯水温度センサ51で検出する貯水部6内の温水温度が殺菌可能な所定温度、例えば60℃以上か否かを判断する(ステップS203)。
【0040】
そして、前記ステップS203で、貯水部6内の温水温度が60℃以上であると判断すると、加熱ヒータ9への通電をOFFにすると同時に貯水部6内の水(温水)を加熱殺菌する所定時間、つまり除菌時間のカウントを開始させ(ステップS204)、貯水温度センサ51で検出する貯水部6内の温水温度が58℃以下になったら、再度加熱ヒータ9に通電し、貯水温度センサ51で検出する貯水部6内の温水温度が60℃以上になったら、再度加熱ヒータ9への通電をOFFにするというように、貯水部6の温水温度を殺菌可能温度に保つように加熱ヒータ9をON/OFF制御し(ステップS205)、除菌時間、例えば1分間のカウントが終了するまで前記ステップS205を繰り返す(ステップS206)。そして、除菌時間のカウントが終了したと判断すれば(ステップS206でYES)、加熱ヒータ9の通電をOFFにし(ステップS207)、除菌モードAを終了しサウナ装置の準備運転を終了するものである。
【0041】
なお、前記ステップS201でフロートスイッチ47がONした後、給水が継続され高水位検出用のフロートスイッチ48がONしたときには、制御手段68は自動給水弁8を閉弁させて給水を終了するものであり、制御手段68は水位検出手段46(フロートスイッチ47、48)からの検出信号に基づき、自動給水弁8を制御して給水を行い、貯水部6を所定水位範囲内に保持するようにするものである。
【0042】
以上説明した除菌モードAにおいて、加熱ヒータ9に通電させ貯水部6内の水を殺菌可能な温度まで加熱して所定時間その温度を保つと共に、回転体26を回転させる回転用モータ24を駆動させることで、前回のサウナ装置の使用後に、万一、貯水部6内や回転体26、多孔体31、空気案内筒33に菌が付着したままサウナ装置が停止状態になったとしても、回転体26の回転により貯水部6内に貯められた温水が攪拌されて、貯水部6内の温水温度が均一に加熱されるので、貯水部6内の温水をまんべんなく加熱殺菌することができると共に、貯水部6の温水が接する貯水部6内壁も加熱殺菌することができ、さらに、回転体26が回転することで、殺菌可能な温度まで加熱された貯水部6内の温水が、水没している回転体26下端から回転体26表面及び裏面から遠心力で、その面に沿って上昇し、回転体26上端の複数の細孔27から外周に向かって飛散され、汲み上げられた温水の一部は回転体26と同時に回転している多孔体31にぶつかり、又他の温水の一部は多孔部32を通り抜けて、多孔体31外周の空気案内筒33の内壁にぶつかるので、回転体26、多孔体31、空気案内筒33に付着したホコリ、塵、菌等を洗い流して清潔な状態にすることができると共に、回転体26、多孔体31、空気案内筒33を除菌・殺菌することができ、サウナ入浴の直前に加熱殺菌された貯水部6内壁、回転体26、多孔体31、空気案内筒33、及び貯水部6内のきれいな温水を、サウナ運転に使用することができ、ユーザーは安心、安全なサウナ入浴を行うことができるものである。
【0043】
前記ステップS200の除菌モードAが終了しサウナ装置の準備運転を終了すると、続いてサウナ装置のサウナ運転である立ち上げモード(ステップS300)に遷移するものであり、この立ち上げモードでは、送風機37を強運転に設定し送風機37の駆動を開始させると共に、給気口38に取り付けられた空気ヒータ50を通電させ、さらに、貯水部6内に貯水されている温水温度を、室温設定スイッチ62で設定した設定温度よりも高い温度に保つよう加熱ヒータ9をON/OFF制御することで、サウナ室2内の空気を空気ヒータ50により加熱し、微細水滴及びマイナスイオン発生装置1にて、設定温度よりも高い温度に加熱昇温された貯水部6内の温水を破砕して生成された微細水滴及びマイナスイオンを、送風機37により放出口5からサウナ室2に供給して、順次これを繰り返してサウナ室2の空気を循環させて、サウナ室2内の立ち上げを早急に行うものである。
【0044】
次に、上記の立ち上げモードの作動について図11のフローチャートを用いて説明すると、まず制御手段68は、送風機37を強運転に設定し送風機37の駆動を開始させると共に、空気ヒータ50を通電させ(ステップS301)、貯水温度センサ51で検出する貯水部6内の温水温度が46℃以下になったら、加熱ヒータ9に通電し、貯水温度センサ51で検出する貯水部6内の温水温度が48℃以上になったら、加熱ヒータ9への通電をOFFにするというように、貯水部6の温水温度を設定温度より所定温度高い温度に保つように加熱ヒータ9をON/OFF制御し(ステップS302)、サウナ室2の上部に設けた室温センサ53の検出する検出温度が、設定温度に達するまで前記ステップS302を繰り返す(ステップS303)。そして、設定温度に達したと判断したら(ステップS303でYES)、リモコン59の入浴ランプ61を点灯させると共に、ブザー(図示せず)を鳴らす等して、サウナ室2が設定温度で相対湿度90%以上の低温サウナの使用雰囲気となり入室可能となった旨を報知し(ステップS304)、立ち上げモードを終了するものである。
【0045】
なお、この立ち上げモード中に貯水部6内の温水が減少した場合であっても、制御手段68は水位検出手段46(フロートスイッチ47、48)からの検出信号に基づき、自動給水弁8を制御して給水を行い、貯水部6を所定水位範囲内に保持するようにするものである。
【0046】
以上説明した立ち上げモードにおいて、送風機37を強運転に設定し送風機37の駆動を開始させると共に、給気口38に取り付けられた空気ヒータ50を通電させ、さらに、貯水部6内に貯水されている温水温度を、室温設定スイッチ62で設定した設定温度よりも高い温度に保つよう加熱ヒータ9をON/OFF制御することで、送風機37によって循環されるサウナ室2内の空気を、吸引ダクト4を介してサウナ室2内の空気を吸引して、まず空気ヒータ50により加熱昇温させ、次に、この加熱昇温させた空気に、設定温度よりも所定温度高い温度に加熱昇温された貯水部6内の温水を破砕して生成された微細水滴及びマイナスイオンをのせて、設定温度よりも高い温度の加湿された空気を、送風機37の強運転により放出口5からサウナ室2に勢いよく供給するので、サウナ室2内の空気が十分に攪拌されて、サウナ室2内を均一に急速に昇温することができ、また、送風機37の強運転によりサウナ室2内の空気を素早く循環させて、順次これを繰り返して、サウナ室2内が設定温度で低温のサウナ雰囲気を形成し入室可能になるまでの立ち上げを早急に行うことができるものである。
【0047】
また、この立ち上げモードで、回転体26が回転することで、貯水部6に水没している回転体26下端から回転体26表面及び裏面から遠心力で、その面に沿って上昇し、回転体26上端の複数の細孔27から外周に向かって飛散され、汲み上げられた温水の一部は回転体26と同時に回転している多孔体31にぶつかって破砕され微細水滴となり、この微細水滴及び他の温水の一部は多孔部32を通り抜けて、多孔体31外周の空気案内筒33の内壁にぶつかってさらに破砕されて微細水滴となり、ナノメートルサイズの微細水滴及び大粒の水滴を含むミストが生成されると共に、レナード効果により微細水滴はマイナスに帯電され周りの空気もマイナスに帯電されてマイナスイオンを発生させることができるものである。
【0048】
また、送風機37の駆動で給気口38からは、吸引ダクト4を介してサウナ室2内の空気が流入し、回転中の回転体26上方から空気案内筒33に案内されて処理室16内へと流れるが、この時、円筒状の多孔体31と楕円形状の空気案内筒33との間には、一対の大流通路34、34と一対の小流通路35、35が形成されており、ここを空気が流通することで、ベルヌーイの定理より圧力差が生じて圧力が高い大流通路34、34側から圧力が低い小流通路35、35側への空気の流れが発生して乱流となり、大粒のミストは容易に落下して微細水滴だけが存在することとなり、マイナスに帯電した微細水滴である水粒子に多くの空気が接触することで、マイナスイオンも大量に得ることができ、しかもこの時、空気中に含まれている塵や細菌は微細水滴以外の大粒の水滴に囲まれて、貯水部6の温水中に落下し、そのまま水中に止まることで、空気清浄も同時に行われるもので、この空気清浄も空気の乱流になって良好に行われるものである。
【0049】
一方回転体26を回転させるために回転駆動している回転用モータ24では、駆動により熱が発生するが、この熱は回転用モータ24の外周に密着した熱伝導率が高いアルミ筒の放熱板23を介して、該放熱板23の外周を覆った防水カバー21から送風経路を構成する給気室39に放熱されるので、回転用モータ24が過熱によって故障したり焼損する危険がなく、安心して使用出来るものであり、更に回転用モータ24の熱は熱伝導で放熱板23に効率良く伝わると共に、該放熱板23から防水カバー21へも熱伝導で効率良く伝わり、素速く効率の良い放熱が行え、又給気室39に放熱された熱はサウナ室2の加熱用に使用されるので、無駄がなく効率が極めて良いものである。
【0050】
尚、この一実施形態では、放熱板23の外周に防水カバー21を備えたが、これに限定されることなく、例えば放熱板23自身を防水カバー21が兼用するようにしても良く、こうすれば部品点数は少なく済むと共に、放熱も良くなり効率も上がるものである。
【0051】
また、加熱昇温された貯水部6の温水を処理室16内で破砕し、生成されたミスト及びマイナスイオンを含む空気は、仕切壁15の下の連通路18を通過する下向きの流れで、大粒の水滴は自重で水中に落下すると共に、続く分離室17を上昇する過程で残った微細水滴は、先ず仕切壁15の下端の第1の邪魔板27にぶつかり大粒の水滴に成長して落下し、次に蛇行路30を流通しながらも落下し、第2の邪魔板29にもぶつかって最後の大粒の水滴に成長して落下し、再び蛇行路30を流通して、最終的にはナノメートルサイズの微細水滴が送風機37を通って放出口5からサウナ室2内に放出され、これによって、大粒の水滴の放出が確実に阻止されナノメートルサイズの微細水滴とマイナスに帯電した空気によるマイナスイオンのみが、放出口5から放出されることとなり、床や壁が塗れる心配がなく安心して使用できると共に、微細水滴とマイナスイオンがいっぱいの良好なサウナ雰囲気を形成することができるものである。
【0052】
また、最終的にはナノメートルサイズの微細水滴が送風機37を通って放出口5からサウナ室2内に放出されるが、この時分離室17の吐出口41から送風機37に吸引された微細水滴は、ケーシング40の内壁面にぶつかって結露水として該内壁面を流れ落ち、そして補助溝43に案内され捕集溝42に集められ連通口44から連通パイプ45を通り排水されるものであり、結露水が溜まって腐蝕の原因になることもなく、また、漏れ出てサウナ室2内を汚す心配もなく、送風機37を分離室17の上方でなく側面に取り付けたことによるコンパクト化の実現でも、長期に渡って安心して使用出来るものである。
【0053】
前記ステップS300の立ち上げモードが終了すると、続いて安定モード(ステップS400)に遷移するものであり、この安定モードでは、加熱ヒータ9のON/OFF制御を、貯水温度センサ51で検出する貯水部6の温水温度に基づく制御から室温センサ53で検出するサウナ室2内の室内温度に基づく制御に切り換えることで、設定温度での安定した快適なサウナ入浴を行えるようにするものであり、さらに送風機37を強運転から弱運転に切り換えることで、サウナ室2内の騒音を抑えてユーザが快適なサウナ入浴を行えるようにするものである。
【0054】
次に、上記の安定モードの作動について図12のフローチャートを用いて説明すると、まず制御手段68は、空気ヒータ50への通電をOFFにすると共に、送風機37を弱運転にし(ステップS401)、連続運転時間である予め設定された所定時間(例えば60分)のカウントを開始する(ステップS402)。ここで、連続運転時間は、サウナ室2内が設定温度に達したときにカウントが開始されるものである。続いて、室温センサ53で検出するサウナ室2内の温度が、設定温度−0.5℃以下になったら、加熱ヒータ9に通電し、室温センサ53で検出するサウナ室2内の温度が設定温度以上になったら、加熱ヒータ9への通電をOFFにするというように、サウナ室2内の温度を設定温度に保つように加熱ヒータ9をON/OFF制御し(ステップS403)、その時の温水温度は40℃〜50℃程度である。そして、連続運転開始から所定時間、例えば10分が経過したら換気扇54に一定時間、例えば10秒程度短時間通電し、換気扇54を駆動させてサウナ室2内の換気を行い、10秒経過したら換気扇54をOFFにし、再び10分が経過したら換気扇54に10秒程度通電し駆動させてサウナ室2内の換気を行い、10秒経過したら換気扇54をOFFにするというように換気扇54を制御し(ステップS404)、連続運転時間のカウントが終了までは前記ステップS403及び前記ステップS404を繰り返す(ステップS405)。そして、連続運転時間のカウントが終了したと判断したら(ステップS405でYES)、ブザー等を鳴らして、入浴ランプ67及び運転ランプ64を消灯すると共に、送風機37を停止させ(ステップS406)、自動的に運転スイッチ63はOFFとなり、安定モードを終了しサウナ運転を終了するものである。なお、安定モードの連続運転時間中にユーザにより運転スイッチ63がOFF操作された場合は、即刻前記ステップS406の処理に移行し、安定モードを終了しサウナ運転を終了するものである。
【0055】
なお、この安定モード中に貯水部6内の温水が減少した場合であっても、制御手段68は水位検出手段46(フロートスイッチ47、48)からの検出信号に基づき、自動給水弁8を制御して給水を行い、貯水部6を所定水位範囲内に保持するようにするものである。
【0056】
以上説明した安定モードにおいて、加熱ヒータ9のON/OFF制御を、前記立ち上げモードの前記ステップS302のように貯水温度センサ51で検出する貯水部6の温水温度に基づく制御から、前記ステップS403のように室温センサ53で検出するサウナ室2内の室内温度を設定温度に保つような制御に切り換えることで、サウナ室2内が設定温度になるように加熱ヒータ9による貯水部6内の温水の加熱量を調整して、サウナ室2内に加温・加湿空気を供給するので、設定温度に対してズレの少ない安定したものとなり、快適なサウナ入浴を行うことができるものである。
【0057】
また、前記ステップS401で送風機37を強運転から弱運転に切り換えることで、ユーザがサウナ室2に入室する際には、サウナ室2内の騒音を抑えることができ、さらに、送風機37の弱運転によりサウナ室2内の空気の循環を減らすことで、サウナ室2内の室温の変動を抑制することができ、その上、空気ヒータ50の通電を停止して、サウナ室2内の過熱を防止することができるので、サウナ室2内の温度が設定温度に対してズレの少ない安定したものとなり、快適なサウナ入浴を行うことができるものである。
【0058】
また、前記ステップS404のように所定時間毎に短時間換気扇54を駆動させる制御を行うことで、密閉されたサウナ室2内にサウナ室2外から空気取入口57を介して時折新鮮な空気を取り込むことができると共に、高湿度雰囲気のサウナ室2内での息苦しさを緩和することができ、さらに、サウナ室2内を発汗を促す低温高湿のサウナ雰囲気に保持、特に湿度を90%以上に保持して、快適なサウナ入浴を十分行うことができるものである。
【0059】
また、設定温度38℃〜42℃、ナノメートルサイズの微細水滴で相対湿度90%以上のマイナスイオンいっぱいの低温サウナ雰囲気のサウナ室2内で、サウナ入浴すると、水分子付加マイナスイオン分子群が直接肌等に作用して汗腺を開くことにより、発汗が容易になり大量の汗をかき体内の老廃物を排出できるものであり、また肺から吸引されたマイナスイオンは血液中に入り、その還元作用で血液の酸化を阻止し血液サラサラ状態とすると共に、その循環を良くし、末梢血管まで血液を行き渡らせることにより、痛みや懲りを緩和することができるものと考えられる。
【0060】
また、前記マイナスイオンには、疲労回復効果、精神安定効果、血液の浄化効果、抵抗力の増進効果、自律神経調整効果等があり、さらにナノメートルサイズの微細水滴によって、空気中の隅々まで行き渡り汚れた空気や細菌を抑制し、臭いまでも分解するもので、脱臭効果、除塵効果、除菌効果、勿論加湿効果があるものであり、この加湿はベトツキがないサラサラで潤いのある空気で、毛穴からの浸透でお肌と髪の潤いを保つ効果を有するものである。
【0061】
前記ステップS400で安定モードが終了しサウナ運転が終了すると、続いてサウナ装置の終了運転である除菌モードB(ステップS500)に遷移するものであり、この除菌モードBでは、サウナ運転で送風機37を駆動させサウナ室2内の空気を循環させた結果、細菌などを取り込んだ貯水部6内の温水を、加熱ヒータ9により殺菌可能な温度まで加熱すると共に、回転体26を回転させる回転用モータ24を駆動させることで、貯水部6内に貯められた温水を殺菌すると共に、その温水により貯水部6から加熱された温水を汲み上げる回転体26や、回転体26の外周に配置され回転体26と共に回転する多孔体31や、多孔体31を覆うように配置された空気案内筒33に付着したホコリ、塵、菌等を洗い流して清潔な状態にし、回転体26、多孔体31、空気案内筒33を除菌・殺菌するものである。
【0062】
次に、上記の除菌モードBの作動についてフローチャート図13を用いて説明すると、まず制御手段68は、貯水温度センサ51で検出する貯水部6内の温水温度が殺菌可能な所定温度、例えば60℃以上か否かを判断し(ステップS501)、貯水部6内の温水温度が60℃以上であると判断すると、加熱ヒータ9への通電をOFFにすると同時に貯水部6内の水(温水)を加熱殺菌する所定時間、つまり除菌時間のカウントを開始させ(ステップS502)、貯水温度センサ51で検出する貯水部6内の温水温度が58℃以下になったら、加熱ヒータ9に通電し、貯水温度センサ51で検出する貯水部6内の温水温度が60℃以上になったら、加熱ヒータ9への通電をOFFにするというように、貯水部6の温水温度を殺菌可能温度に保つように加熱ヒータ9をON/OFF制御し(ステップS503)、除菌時間、例えば1分間のカウントが終了するまで前記ステップS503を繰り返す(ステップS504)。
【0063】
そして、除菌時間のカウントが終了したと判断すれば(ステップS504でYES)、加熱ヒータ9の通電をOFFにすると共に、回転用モータ24の駆動を停止させ、さらに自動排水弁13を開弁させ排水を開始し(ステップS505)、低水位検出用のフロートスイッチ47がOFFか否かを判断し(ステップS506)、フロートスイッチ47がOFFでないと判断している間は前記ステップS506の処理を繰り返し、フロートスイッチ47がOFFであると判断すると、貯水部6内の温水が空になるまで所定時間待機して貯水部6内の温水の排水終了後に、自動給水弁8を開弁させる(ステップS507)。前記ステップS507で自動給水弁8を開弁させ貯水部6内に給水を開始し、続いて、一定時間、例えば予め行った試験結果に基づき設定され、貯水部6から排水され排水トラップ14内に貯まった殺菌可能温度の温水が給水に置換される程度の時間が経過したか否かを判断し(ステップS508)、この所定時間が経過したと判断すると、自動給水弁8を閉弁させて(ステップS509)、除菌モードBを終了するものである。なお、ここでは、前記ステップS506のように低水位検出用のフロートスイッチ47の判断と所定時間の遅延を待って自動給水弁8を開弁するようにしたが、予め行った試験結果に基づき設定した排水時間が経過したら自動給水弁8を開弁するようにしてもよいものである。
【0064】
以上説明した除菌モードBにおいて、サウナ運転によりサウナ室2内の空気を循環させた結果、細菌などを取り込んだ貯水部6内の温水を、殺菌可能な温度まで加熱して所定時間その温度を保つと共に、回転体26を回転させる回転用モータ24を駆動させることで、回転体26の回転により貯水部6内に貯められた水が攪拌されて、貯水部6内の温水温度が均一に加熱されるので、貯水部6内の水をまんべんなく加熱殺菌することができると共に、貯水部6の温水が接する貯水部6内壁も加熱殺菌することができ、さらに、回転体26が回転することで、殺菌可能な温度まで加熱された貯水部6内の温水が、水没している回転体26下端から回転体25表面及び裏面から遠心力で、その面に沿って上昇し、回転体26上端の複数の細孔27から外周に向かって飛散され、汲み上げられた温水の一部は回転体26と同時に回転している多孔体31にぶつかり、又他の温水の一部は多孔部32を通り抜けて、多孔体31外周の空気案内筒33の内壁にぶつかるので、回転体26、多孔体31、空気案内筒33に付着したホコリ、塵、菌等を洗い流して清潔な状態にすることができると共に、回転体26、多孔体31、空気案内筒33を除菌・殺菌することができ、加熱殺菌し終わった貯水部6内の温水を排水して、貯水部6内の清潔を保つことができるものである。
【0065】
また、除菌時間のカウントが終了し、前記ステップS505で自動排水弁13が開弁され、前記ステップS507で自動給水弁8を開弁し、前記ステップS508で一定時間、ここでは排水トラップ14内に貯まった殺菌可能温度の温水が給水に置換される程度の時間給水することで、排水トラップ14内は殺菌可能温度の温水から給水に置換され、無駄な給水をすることなく殺菌作用のある塩素分を多く含む給水(水道水)を排水トラップ14内に貯めることができるので、排水トラップ14内での細菌等の繁殖を防ぐことができ、細菌等の繁殖に伴う排水トラップ14内のぬめりの発生や、悪臭が発生してサウナ室2内にまで立ちこめるおそれを未然に防ぐことができるものである。
【0066】
前記ステップS500の除菌モードBが終了すると、続いて乾燥モード(ステップS600)に遷移するものであり、この乾燥モードでは、送風機37の駆動を開始させると共に、給気口38に取り付けられた空気ヒータ50を通電させ、さらに換気扇54を駆動させることで、微細水滴及びマイナスイオン発生装置1内や吸引ダクト4内及びサウナ室2内を乾燥させるものである。
【0067】
次に、上記の乾燥モードの作動について図14のフローチャートを用いて説明すると、まず制御手段68は、送風機37を強運転に設定し送風機37の駆動を開始させると共に、空気ヒータ50を通電させ、さらに換気扇54を駆動させ(ステップS601)、換気ランプ66が点灯し、乾燥モードが開始されてから予め設定した設定時間、例えば30分が経過したか否かを判断し(ステップS602)、30分が経過したと判断すると、回転用モータ24を駆動させ(ステップS603)、回転体26及び多孔体31を回転させ、回転用モータ24を動作させる時間、例えば10秒が経過したか否かを判断し(ステップS604)、10秒が経過したと判断すると、回転用モータ24の駆動を停止させ(ステップS605)、回転体26及び多孔体31の回転を停止させ、その後、予め設定した乾燥時間、例えば乾燥モードが開始されてから90分間のカウントが終了したか否かを判断し(ステップS606)、乾燥時間が終了したと判断すると、送風機37の駆動を停止させると共に、空気ヒータ50の通電をOFFにし、さらに換気扇54の駆動を停止させて(ステップS607)、換気ランプ66が消灯して乾燥モードを終了しサウナ装置の終了運転を終了してサウナ装置は停止状態となるものである。なお、乾燥モードの乾燥時間中にユーザにより換気スイッチ65がOFF操作された場合は、即刻前記ステップS607の処理に移行し、乾燥モードを終了しサウナ装置の終了運転を終了してサウナ装置は停止状態となるものである。また、自動排水弁13は開弁の状態のままサウナ装置は停止状態となるものである。
【0068】
なお、前記ステップS602での設定時間は、予め行った試験結果に基づき、前記除菌モードBの前記ステップS509で自動給水弁8を閉弁させた後の貯水部6内に残った水が全て排水され、ある程度微細水滴及びマイナスイオン発生装置1内の乾燥が進んだ時間が設定され、なおかつ、前記ステップS605で回転用モータ24の駆動を停止した後に、微細水滴及びマイナスイオン発生装置1内が十分乾燥する乾燥時間を残す程度の時間が設定されているものである。
【0069】
以上説明した乾燥モードにおいて、送風機37の駆動を開始させると共に、給気口38に取り付けられた空気ヒータ50を通電させ、さらに換気扇54を駆動させることで、サウナ室2内の湿気を排出すると共に、空気ヒータ50にて加熱した空気を微細水滴及びマイナスイオン発生装置1内や吸引ダクト4内及びサウナ室2内を循環させて、微細水滴及びマイナスイオン発生装置1内や吸引ダクト4内及びサウナ室2内の乾燥が行われるので、装置1内や吸引ダクト4内及びサウナ室2内でのカビの発生や菌等の繁殖を防止することができるものである。
【0070】
また、前記ステップS602で乾燥モードを開始してから予め設定した設定時間、ここでは30分経過するのを待つことで、回転用モータ24を収容する防水カバー21の給気室39に露呈した面に付着したある程度の水滴は、回転体26の上面に直接滴下したり支軸25をつたって回転体26の上面に貯まっていき、さらにサウナ装置はある程度乾燥が進むので、新たに防水カバー21から回転体26の上面に水が滴下などして付着する機会が少なくなる。その時に、前記ステップS603で回転用モータ24を駆動させ回転体26及び多孔体31を回転させて、上述した回転体26の上面に貯まった水、さらに多孔体31の多孔部32に付着している水を払って飛散させるので、回転体26及び多孔体31の乾燥を促進させることができ、前記乾燥モードの乾燥時間内に確実に乾燥させることができ、サウナ装置を清潔な状態に保つことができるものである。
【0071】
また、前記サウナ装置の停止状態では自動排水弁13のみ開弁した状態としているので、サウナ装置の停止状態では、貯水部6内に水が貯まっていることがなく、微細水滴及びマイナスイオン発生装置1内を清潔な状態に保つことができるものである。
【0072】
また、先に述べたように、前記サウナ装置の運転開始から運転停止までの一連の動作の中で、前記サウナ運転開始前及び前記サウナ運転終了後の2回除菌モード(除菌モードA及び除菌モードB)を行うことで、微細水滴及びマイナスイオン発生装置1内、特に貯水部6内、回転体26、多孔体31、空気案内筒33の確実な除菌ができ、さらに除菌モードBの後に、乾燥モードを行うことで、貯水部6内の温水を排水してからのサウナ装置、特に微細水滴及びマイナスイオン発生装置1内、サウナ室2内、吸引ダクト4内の乾燥により、サウナ装置の清潔を保つと共に、細菌・雑菌等の繁殖を確実に防止することができ、衛生性に優れたサウナ装置を実現したものである。
【0073】
また、前記立ち上げモードと前記安定モードからなる前記サウナ運転において、立ち上げモード中は換気扇54には通電しないので、前記サウナ運転を開始してからサウナ室2内が設定温度に達するまでは、換気によるサウナ室2内の温度・湿度の低下がなく、サウナ室2の立ち上がり時間を短縮することができ、さらに、前記安定モードが開始されてから、すなわち、サウナ室2内の室温が設定温度に達した後は、所定時間毎に換気扇54に一定の短時間通電して換気扇54を駆動して、サウナ室2内の換気を行うので、サウナ室2内を時折換気して新鮮な空気をサウナ室2内に取り込むことができると共に、サウナ室2内を低温高湿のサウナ雰囲気に保持、特に湿度90%以上に保持して、快適なサウナ入浴を十分に行うことができるものである。
【0074】
次に、上述した各モード中にユーザが手動で運転スイッチ63を操作し前記サウナ装置の運転停止を指示した場合、すなわち運転スイッチ63をOFF操作した場合の作動を図14の状態遷移図を用いて説明する。上述のように通常は、前記サウナ運転が終了し、運転ランプ64を消灯して自動的に運転スイッチ63がOFFになるのは安定モード終了時であり、安定モード終了後は前記終了運転の前記除菌モードBに遷移するものである。しかし、前記クリーニングモード・前記除菌モードA・立ち上げモード中に、ユーザが手動で運転スイッチ63をOFF操作したときも一律に除菌モードBに移行してしまうと、加熱ヒータ9等の駆動部品への通電により電力を無駄に消費してしまうので、各モードに応じた適切な処理に遷移させることで、電力消費等の無駄を省こうとするものである。
【0075】
ここで、前記クリーニングモード中にユーザにより運転スイッチ63がOFF操作された場合は、運転ランプ64を消灯して、図15中のクリーニングモードから引かれた一点鎖線で示した矢印に従い、自動排水弁13を開弁した停止状態に遷移する。これはクリーニングモードがサウナ装置の使用を開始してから間もない状態なので、除菌モードBや乾燥モードを行わずともすぐに停止状態に遷移しても何ら問題ないからであり、そうすることで、不必要な動作をすることなく、適切な処理に遷移して、電力消費の無駄をなくすことができるものである。
【0076】
また、前記除菌モードA中にユーザにより運転スイッチ63がOFF操作された場合は、運転ランプ64を消灯して、図15中の除菌モードAから引かれた一点鎖線で示した矢印に従い、自動排水弁13を開弁した停止状態に遷移する。これは除菌モードAが、給水された水や貯水部6内や回転体25等を殺菌・除菌している状態であり、またサウナ室2内に微細水滴及びマイナスイオンを供給しておらずサウナ室2内を乾燥させる必要がないので、除菌モードBや乾燥モードを行わずともすぐに停止状態に遷移しても何ら問題ないからであり、そうすることで、サウナ装置の清潔性を保ちつつ、不必要な動作をすることなく、適切な処理に遷移して、電力消費の無駄をなくすことができるものである。
【0077】
また、前記立ち上げモード中にユーザにより運転スイッチ63がOFF操作された場合は、運転ランプ64を消灯して、前記サウナ運転を停止して、図15中の立ち上げモードから引かれた一点鎖線で示した矢印に従い、乾燥モードに遷移する。これは、立ち上げモードが除菌モードAの次に遷移するモードであり、除菌モードAにて除菌を行っているので、さらなる除菌の必要がなく、またサウナ室2内に微細水滴及びマイナスイオンを供給している状態なのでサウナ室2内を乾燥させる必要があるので、乾燥モードに遷移するものであり、そうすることで、サウナ装置の清潔性を保ちつつ、不必要な動作をすることなく、適切な処理に遷移して、電力消費の無駄をなくすことができるものである。
【0078】
また、前記安定モード中であって連続運転時間終了前に運転スイッチ63がOFF操作された場合は、運転ランプ64を消灯しサウナ運転を停止して、図15中の安定モードから引かれた一点鎖線で示した矢印に従い、除菌モードBに遷移する。これは、サウナ運転開始から安定モードにまで達すると、貯水部6内の温水はサウナ運転に使用され汚れている可能性が高く除菌・殺菌の必要があり、またサウナ室2内に微細水滴及びマイナスイオンを供給している状態なのでサウナ室2内を乾燥させる必要があるので、除菌モードBに遷移して、除菌モードB及び乾燥モードからなる前記終了運転を行わせるものであり、そうすることで、サウナ装置の清潔性を保ちつつ、不必要な動作をすることなく、適切な処理に遷移することができるものである。
【0079】
また、前記安定モード中であって連続運転時間終了前に運転スイッチ63がOFF操作された場合は、運転ランプ64を消灯しサウナ運転を停止して、図15中の安定モードから引かれた一点鎖線で示した矢印に従い、除菌モードBに遷移するが、特殊な作動として、前記安定モード中であって連続運転時間終了前に運転スイッチ63がOFF操作されてから予め設定された設定時間以内、例えば20秒以内に運転スイッチ63を操作し前記サウナ装置の運転開始を指示した場合、すなわち運転スイッチ63を再びON操作した場合、図14中の二点鎖線に示すように、安定モードに復帰することができる。そうすることで、ユーザが誤操作等により運転スイッチ63をOFF操作した場合であっても、所定時間内に運転スイッチ63をON操作すれば、安定モードから再開するので、ユーザの使用勝手を向上させることができると共に、再度サウナ室2がサウナ入浴を行える状態になるまで待つことなく継続して快適なサウナ入浴を行うことができるものである。
【0080】
次に、ユーザ(入浴者)がサウナ入浴を行っている前記安定モード中に、異常が発生、例えばサウナ室2内に設けた緊急スイッチ58が操作された等の場合に実行される異常停止モード(ステップS700)について、図16のフローチャートを用いて説明する。
まず、制御手段68は、緊急スイッチ58が操作されたか否かを判断し(ステップS701)、緊急スイッチ58が操作されたと判断した場合は、家族等を呼ぶためにサウナ室2の外部にむけてブザーを鳴らす等して異常を報知し(ステップS702)、自動排水弁13を開弁すると共に換気扇54を駆動させ、自動排水弁13及び換気扇54以外の加熱ヒータ9、送風機37、回転用モータ24の動作を停止させ(ステップS703)、異常停止モードを終了するものである。
【0081】
また、前記ステップS701で、緊急スイッチ58が操作されていないと判断した場合は、室温センサ53で検出するサウナ室2内の温度が設定温度よりも高い所定温度、例えば50℃以上か否かを判断し(ステップS704)、サウナ室2内の温度が50℃以上であると判断した場合は、前記ステップS703に移行して、自動排水弁13を開弁すると共に換気扇54を駆動させると共に、自動排水弁13及び換気扇54以外の加熱ヒータ9、送風機37、回転用モータ24の動作を停止させ、サウナ室2内の室温が異常である旨のエラーコードをリモコン59の室内設定温度表示部60または室内温度表示部61にエラーコードを表示して異常停止モードを終了するものである。
【0082】
また、前記ステップS704で、室温センサ53で検出するサウナ室2内の温度が50℃以上でないと判断した場合は、貯水温度センサ51で検出する貯水部6内の温水温度が安定モード中に通常使用する温水温度、ここでは40℃〜50℃程度より高い所定温度、例えば60℃以上か否かを判断し(ステップS705)、貯水部6内の温水温度が60℃以上であると判断した場合は、前記ステップS703に移行して、自動排水弁13を開弁すると共に換気扇54を駆動させると共に、自動排水弁13及び換気扇54以外の加熱ヒータ9、送風機37、回転用モータ24の動作を停止させ、貯水部6内の温水温度が異常である旨のエラーコードをリモコン59の室内設定温度表示部60または室内温度表示部61にエラーコードを表示して異常停止モードを終了するものである。
【0083】
なお、異常停止モード終了後にエラーを解除する場合は、リモコン59での特別操作、例えば運転スイッチ63と換気スイッチ65の同時押し等によりエラーを解除し、エラー解除後のサウナ装置は、自動排水弁13を開弁状態にした停止状態になるものである。
【0084】
以上説明した異常停止モードにおいて、緊急スイッチ58が操作された場合は、前記ステップS702で、家族等を呼ぶためにサウナ室2の外部にむけてブザーを鳴らす等して、サウナ室2内で入浴者の具合が悪くなった等の異常が発生したことを報知することができ、さらに、前記ステップS703で、自動排水弁13を開弁すると共に換気扇54を駆動させ、自動排水弁13及び換気扇54以外の加熱ヒータ9、送風機37、回転用モータ24の動作を停止させることで、サウナ室2内への加温・加湿空気の供給を停止し、さらに、サウナ室2内への自動排水弁13を開弁して熱源となっている貯水部6内の温水を排水させるので、貯水部6内の温水の残熱によるサウナ室2内の温度低下の妨げをなくすことができ、それに加えて、換気扇54を駆動させるので、サウナ室2内の温度及び湿度を素早く低下させてサウナ室2内を平常状態に戻すことができ、入浴者の身体的負担を取り除き入浴者の安全を確実に図ることができるものである。
【0085】
また、室温センサ53で検出するサウナ室2内の温度が設定温度より高い所定温度に達した場合は、前記ステップS703で、自動排水弁13を開弁すると共に換気扇54を駆動させ、自動排水弁13及び換気扇54以外の加熱ヒータ9、送風機37、回転用モータ24の動作を停止させることで、サウナ室2内への加温・加湿空気の供給を停止し、さらに、自動排水弁13を開弁して熱源となっている貯水部6内の温水を排水させるので、貯水部6内の温水の残熱によりサウナ室2内の温度低下が妨げられることがないものであり、それに加えて、換気扇54を駆動させるので、サウナ室2内の温度及び湿度を素早く低下させてサウナ室2内を平常状態に戻すことができ、入浴者の安全を確実に図ることができるものである。
【0086】
また、貯水温度センサ51で検出する貯水部6内の温水温度が、安定モード中に通常使用する温水温度より高い所定温度に達した場合は、前記ステップS703で、自動排水弁13を開弁すると共に換気扇54を駆動させ、自動排水弁13及び換気扇54以外の加熱ヒータ9、送風機37、回転用モータ24の動作を停止させることで、サウナ室2内への加温・加湿空気の供給を停止し、さらに、自動排水弁13を開弁して熱源となっている貯水部6内の温水を排水させるので、貯水部6内の温水の残熱によりサウナ室2内の温度低下が妨げられることがないものであり、それに加えて、換気扇54を駆動させるので、サウナ室2内の温度及び湿度を素早く低下させてサウナ室2内を平常状態に戻すことができ、入浴者の安全を確実に図ることができるものである。
【0087】
次に、上述した各モード中にユーザが手動で換気スイッチ65を操作した場合の作動について説明する。
まず、除菌モードB中にユーザにより換気スイッチ65がOFF操作された場合について説明すると、通常は前記安定モードが終了すると自動的に前記除菌モードB、前記乾燥モード、前記停止状態の順に遷移していくが、前記安定モードが終了し除菌モードB開始されると、換気ランプ66が点灯して換気スイッチ65が自動的にONされ、除菌モードBの処理が行われ、ここで、除菌モードB中にユーザにより換気スイッチ65がOFF操作されると、除菌モードB終了後に、前記乾燥モードをキャンセルして自動排水弁13を開弁した停止状態に遷移するものである。こうすることで、ユーザがサウナ入浴を終えてサウナ室2の換気や乾燥モードを行わなくてもよいと判断した場合に、サウナ運転終了後の除菌モードB中に換気スイッチ65をOFF操作すれば、除菌モードB終了後は前記乾燥モードをキャンセルして乾燥モードを行わず停止状態となるので、ユーザの意図する処理を行うことができ、使用勝手を向上させることができるものである。
【0088】
また、除菌モードB中にユーザにより換気スイッチ65がOFF操作された後の除菌モードB中に、再度換気スイッチ65がON操作されると、除菌モードB終了後の乾燥モードのキャンセルを解除して、除菌モードB終了後に乾燥モードを行い、乾燥モード終了後に停止状態になるようにするものである。そうすることで、ユーザの誤操作により換気スイッチ65を操作してしまい、乾燥モードが行われないままサウナ装置が停止状態になりそうになっても、除菌モードB中に再度換気スイッチ65が操作されれば、乾燥モードが行われるので、サウナ装置、すなわち微細水滴及びマイナスイオン発生装置1やサウナ室2内の乾燥を行うことができるものである。
【0089】
また、前記停止状態中にユーザにより換気スイッチ65がON操作されると、換気ランプ66を点灯して、換気扇54と送風機37と空気ヒータ50との駆動を開始させ、予め設定した設定時間、例えば60分間のカウントが終了したら、換気扇54と送風機37と空気ヒータ50との駆動を停止させ、換気ランプ66を消灯し、サウナ装置は停止状態となるものである。こうすることで、ユーザがサウナ室2内の乾燥が十分でないと判断した場合は、換気スイッチ65をON操作すると、予め設定した60分間換気扇54と送風機37と空気ヒータ50との駆動させ、サウナ室2内をさらに乾燥させることができ、サウナ室2内のカビの発生や菌等の繁殖を防止することができるものである。
【0090】
また、前記安定モード中にユーザにより換気スイッチ65がON操作されると、換気ランプ66を点灯して、換気扇54の駆動が開始され、一定時間、例えば1分間のカウントが終了したら換気扇54駆動を停止させるものである。なお、換気扇54が駆動している間も安定モードは継続して行われるものである。このように、安定モード中では、換気スイッチ65をサウナ室2内の換気の用途に使用でき、前記停止状態中では、換気スイッチ65をサウナ室2内の乾燥の用途に使用できるので、換気スイッチ65一つで換気の用途と乾燥の用途とを兼用することができるものである。
【0091】
なお、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、上記の一実施形態では排水トラップ14はサウナ装置に内蔵されたものとしているが、排水トラップ14はサウナ装置外に設置されているものであってもよく、排水トラップ14がサウナ装置外に設置されているものであっても、排水トラップ14がサウナ装置に内蔵されたものと同様の効果を有するものである。
【0092】
また、前記安定モードでは、所定時間(10分)毎に換気扇54を短時間(10秒)駆動させているが、所定時間終了前の予め設定した設定時間、例えば30秒間はサウナ室2内の室温を設定温度+α(例えば、α=1℃、2℃)のように設定温度よりも若干高くなるように、室温センサ53で検出するサウナ室2内の温度が設定温度+α−0.5℃以下になったら、加熱ヒータ9に通電し、室温センサ53で検出するサウナ室2内の温度が設定温度+α以上になったら、加熱ヒータ9への通電をOFFにするというように加熱ヒータ9を制御するようにする、あるいは、所定時間終了前の予め設定した設定時間、例えば30秒間は加熱ヒータ9への通電を強制的に開始し、換気扇54が駆動するまで加熱ヒータ9への通電を継続して、サウナ室2内の室温が設定温度よりも高くなるようにすることで、換気扇54が駆動したときには新鮮な空気を取り入れつつ換気による室温の低下を事前に防止でき、快適なサウナ入浴を行うことができるものである。
【0093】
また、除菌モードAでの除菌時間と除菌モードBでの除菌時間とを、所定時間、この一実施形態では1分間として、除菌モードAと除菌モードBとで同じ時間としているが、除菌モードBの除菌時間を除菌モードAの除菌時間よりも長くしてもよい。これは、サウナ室2内に微細水滴及びマイナスイオンを供給し、サウナ室2内の空気を循環させる前記サウナ運転は、サウナ室2内を循環する空気中に含まれている細菌等を、処理室16内で水滴により捕捉して貯水部6の温水中に留めたり、処理室16内の回転体25や多孔体30等の部品に付着する場合があり、細菌が繁殖する可能性があるからで、前記サウナ運転終了後の除菌モードBでの除菌時間を前記サウナ運転開始前の除菌モードAでの除菌時間よりも長くすることで、より確実にそれらの細菌等を除菌することができるものである。
【0094】
また、前記乾燥モードにおいて、乾燥モードを開始し予め設定した設定時間を経過したら、1回だけ回転用モータ24を所定の動作時間駆動させ回転体26及び多孔体31を回転させているが、乾燥モード中で貯水部6内に温水が無い状態の時に、複数回にわたり回転用モータ24を駆動させたり、連続して回転用モータ24を駆動させてもよいものであり、そうすることで、回転用モータ24を駆動させて回転体26及び多孔体31に付着した水を払って飛散させるので、回転体26及び多孔体31の乾燥を促進できると共に、確実に乾燥させることができ、サウナ装置を清潔な状態に保つことができるものである。
【符号の説明】
【0095】
1 微細水滴及びマイナスイオン発生装置
2 サウナ室
5 放出口
6 貯水部
7 給水管
8 自動給水弁
9 加熱ヒータ(加熱手段)
21 防水カバー
23 放熱板(アルミ筒)
24 回転用モータ(水破砕手段)
26 回転体(水破砕手段)
31 多孔体(水破砕手段)
37 送風機
39 給気室(送風経路)
50 空気ヒータ(空気加熱手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を貯留する貯水部と、該貯水部の水を加熱する加熱手段と、前記貯水部に貯留する水に下部を水没させた回転体と、該回転体の外周に位置して該回転体と共に回転しこの回転による遠心力で飛散される水及び空気が通過可能な円筒状の多孔体と、前記回転体を駆動させる回転用モータとで構成され、前記貯水部に貯留された温水を前記回転体の回転により汲み上げ前記多孔体にぶつけて破砕して微細水滴及びマイナスイオンを生成する水破砕手段と、該水破砕手段で生成された微細水滴及びマイナスイオンをサウナ室内に供給する送風機と、該送風機によって循環されるサウナ室内の空気を加熱する空気加熱手段とを備え、前記微細水滴及びマイナスイオンをサウナ室内に供給するサウナ運転を行うサウナ装置に於いて、前記回転用モータを送風経路に設けると共に、該回転用モータの外周には熱伝導率が高い放熱板を備えた事を特徴とするサウナ装置。
【請求項2】
前記回転用モータは、給気室の上方に設けられ回転体を垂下し、下半分を防水カバーで覆いながら給気室に突出させ、この防水カバーとの間にアルミ筒の放熱板を介在させた事を特徴とする請求項1記載のサウナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−50533(P2011−50533A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201294(P2009−201294)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】