説明

サスペンション、ヘッドジンバルアセンブリ及びその製造方法、並びに、これを備えたディスク装置

【課題】サスペンション変形及びディンプル離脱を防止することが可能なよう改良された構造を有するヘッドジンバルアセンブリ(HGA)用のサスペンションを提供し、これにより、HGAの静的及び動的性能のみならず、耐衝撃性能も改善すること。
【解決手段】サスペンションは、磁気ヘッドスライダを搭載するスライダ配置部と、このスライダ配置部を支持する一対の剛性ビーム及び一対のバネビームから成るアウトリガーと、を有するフレキシャを備えている。そして、上記アウトリガーを構成する上記一対のバネビームは、それぞれ、当該バネビームに対応する剛性ビームとスライダ配置部の中央領域と、を連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を記録するディスク装置にかかり、特に、マイクロアクチュエータを搭載したヘッドジンバルアセンブリ用のサスペンション、ヘッドジンバルアセンブリ(HGA)、その製造方法、及び、HGAを搭載したディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報記憶装置として、データを記憶するための磁気ディスクと、この磁気ディスク上で位置決めされ当該磁気ディスクに対してデータを記録再生するための可動式記録再生ヘッドと、を備えたディスク装置がある。
【0003】
ユーザは、上述したようなディスク装置に対して、大記憶容量を希望することはもちろんのこと、より高速にかつより正確な記録再生動作をも期待している。従って、ディスク装置の製造者は、例えば、データトラックの密度の増加や、トラック幅を狭くしたり、かつ/あるいは、トラック間隔を狭くしたりすることによって、より大容量になるようディスク装置を改良し続けている。
【0004】
一方で、トラック密度を増加させ、高記録密度のディスクを用いて迅速かつ正確に記録再生動作を実現するためには、ディスク装置が記録再生ヘッドの位置決め制御において、上記トラック密度の増加に適切に対応して作動する必要がある。ところが、トラック密度の増加に伴い、記憶媒体上の目的のデータトラック上で迅速かつ正確な記録再生ヘッドの位置決め制御を行うことは、より困難な技術となる。従って、ディスク装置の製造者は、増加し続けているトラック密度の利益を生かすために、記録再生ヘッドの位置決め制御を改良する方法を常に探究している。そして、現在では、例えば、特許文献1に開示の発明である「Piezoelectric Driving Device」に示すように、種々の文献にて、記録再生ヘッドの位置決め制御方法が開示されている。
【0005】
そして、高密度のディスクに対する記録再生ヘッドの位置決め制御を改良するためにディスクドライブの製造者によって効果的に用いられている一つの手法として、ボイスコイルモータ(VCM)が使用されている。ここで、図1aを参照すると、VCMを用いた従来のディスク装置は、一般的に、ドライブアーム104と、このドライブアームに搭載され装着されたHGA106と、このHGA106が浮上してその上を可動する積層された磁気ディスク101と、このディスク101を回転させるスピンドルモータ102と、を備えている。
【0006】
そして、ディスク装置に使用される上記VCMは、符号105にて示されており、ドライブアーム104の動作を制御するために当該ドライブアーム104に連結されている。換言すると、VCM105は、磁気ヘッドスライダ103をディスク101の表面にてトラック間を移動するよう制御するために備えられている。これにより、記録再生ヘッドにて、ディスク101に対するデータの記録再生が可能となる。
【0007】
しかしながら、VCM105を単独で使用すると、当該VCM105やヘッドジンバルアセンブリ106(HGA)の固有の誤差によって磁気ヘッドスライダ103の位置ずれが生じるため、ディスク101に対してデータの記録再生を正確に行うための記録再生ヘッドの性能に悪影響を与え、磁気ヘッドスライダ103は、迅速かつ微小位置決め制御を実現することができない。
【0008】
上述した問題を解決するために、例えば、PZTマイクロアクチュエータといった、補助アクチュエータが、磁気ヘッドスライダの位置ずれを修正する、あるいは、微小調整するためにディスク装置に搭載されている。そして、上記PZTマイクロアクチュエータは、VCM及び/又はヘッドサスペンションアセンブリの共振誤差を補うために、VCMと比較してより微小に磁気ヘッドスライダの位置ずれを補正する。そして、マイクロアクチュエータ105は、例えば、より狭いデータトラック間隔を有するディスクに対して使用することができ、これにより、ディスク装置におけるトラックパーインチ(トラック/インチ(TPI))の値を50%も増加させることができる。同時に、ヘッドのシークタイム、及び、セットリングタイムを減少させることができる。このように、PZTマイクロアクチュエータによって、ディスク装置、及び、それに用いられるデータ記録ディスクの表面記録密度の飛躍的な増加が可能となる。
【0009】
ここで、図1a及び図1bを参照すると、PZTマイクロアクチュエータは、磁気ヘッドスライダ103と、当該磁気ヘッドスライダ103及びマイクロアクチュエータのPZT素子107を支持するためのサスペンション110と、をさらに有するHGA106に搭載される、符号107に示す2つのPZT素子を有している。そして、サスペンション110は、フレキシャ111と、バンプ112aが形成されたスライダ支持部112と、メタルベース部113と、当該メタルベース部113及び上記スライダ支持部112をその上に支持するディンプル114aを有するロードビーム114と、を備えている。
【0010】
また、磁気ヘッドスライダ103は、当該磁気ヘッドスライダ103の背面の中心を支持するバンプ112aが形成された上記スライダ支持部112に部分的に搭載されている。具体的には、フレキシャ111は、複数のトレースを有しており、当該フレキシャ111のトレースは、スライダ支持部112とメタルベース部113とを連結している。また、フレキシャ111は、マイクロアクチュエータの2つのPZT素子107を位置決めするためのタング領域111aを有している。
【0011】
そして、図1cに示すように、電圧がPZTマイクロアクチュエータの2枚の薄膜PZT素子107に印加されると、一方のPZT素子が矢印Dに示すように収縮し、他方のPZT素子が矢印Eに示すように伸長する。これにより、スライダ支持部112に矢印C方向の回転トルクが生じ、磁気ヘッドスライダ103がディスク上で可動する。このとき、ロードビーム114のディンプル114aがスライダ支持部112のバンプ112aと連動して、磁気ヘッドスライダ103はスライダ支持部112と共に、ディンプル114aを支点として回転する。なお、ロードビーム114からの荷重が、磁気ヘッドスライダ103の中心に均等にかかった状態となっている。このようにして、磁気ヘッドスライダ103の良好な浮上性能が確保され、優れた浮上安定性を有するよう磁気ヘッドスライダ103を支持することができる。
【0012】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0168935号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、スライダ支持部112は、厚みがたった10−20μm(マクロメートル)であり、柔らかいポリマー材料で形成されたフレキシャ111のトレースによってメタルベース部113と一体化しているため、フレキシャ111は撓みやすく、その結果、サスペンション110はサスペンション製造工程(HGA製造工程、取扱工程、超音波洗浄工程)中に変形しやすい。また、そのような変形は、振動時あるいは衝撃時にも起こりうる。さらに、そのような弱い構造から生じるサスペンションの変形は、逆に、サスペンション又はHGAのディンプル離脱を引き起こしうる。ここで、図2a及び図2bに、それぞれサスペンションタング領域の変形とディンプル離脱の様子を示している。
【0014】
さらに、磁気ヘッドスライダ103はスライダ支持部112に部分的に搭載され、かつ、スライダ支持部112はフレキシャ111のトレースを介してメタルベース部113と連結しているので、PSA(静的ピッチ姿勢)やRSA(静的ロール姿勢)といった磁気ヘッドスライダ103の静的な姿勢は、制御することが困難である。このことは、HGA性能を不安定にし、その結果、特に、振動時や衝撃時、あるいは、製造工程中や取扱工程時に、HGAの動的性能に重大な影響を及ぼす。
【0015】
すると、最終的に、上述したような構造は、HGA全体の耐衝撃性能を低下させうる。つまり、例えば、傾斜落下衝撃や作動衝撃などの振動や衝撃が発生した時に、サスペンション110あるいはPZTマイクロアクチュエータのPZT素子107には、損傷が生じうる。
【0016】
従って、上述した問題を解決し、良好な性能を達成するために、改善されたサスペンション、マイクロアクチュエータを搭載したHGA、その製造方法、さらには、上記HGAを搭載したディスク装置が必要とされる。
【0017】
以上のことから、本発明の目的は、製造工程時や衝撃時において、サスペンション変形及びディンプル離脱を防止することが可能なよう改良された構造を有するヘッドジンバルアセンブリ(HGA)用のサスペンションを提供し、これにより、HGAの静的及び動的性能のみならず、耐衝撃性能も改善することにある。
【0018】
また、本発明の他の目的は、製造工程時や衝撃時において、サスペンション変形及びディンプル離脱を防止することが可能なよう改良された構造を有するサスペンションを備えたHGAを提供し、これにより、HGAの静的及び動的性能のみならず、耐衝撃性能も改善することにある。
【0019】
また、本発明の他の目的は、サスペンション変形及びディンプル離脱を防止するため、及び、HGAの静的及び動的性能のみならず耐衝撃性能も改善するためのHGAの製造方法を提供することにある。
【0020】
さらに、本発明の他の目的は、良好な静的及び動的性能と、改善された耐衝撃性能を有するディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、本発明の一形態であるHGA用のサスペンションは、磁気ヘッドスライダを搭載するスライダ配置部と、このスライダ配置部を支持する一対の剛性ビーム及び一対のバネビームから成るアウトリガーと、を有するフレキシャを備え、アウトリガーを構成する一対のバネビームは、それぞれ、当該バネビームに対応する剛性ビームとスライダ配置部の中央領域と、を連結する、という構成を採っている。
【0022】
また、上記サスペンションでは、上記各バネビームは、少なくとも1つの屈曲部を有する。また、上記各バネビームは、少なくとも1部分が、湾曲形状、角形状、あるいは、V字形状に形成されている。さらに、上記各バネビームは、当該バネビームの他の個所よりも剛性が低い少なくとも1箇所の低剛性部を有する。
【0023】
また、上記サスペンションでは、上記剛性ビーム自体が、スライダ配置部に形成された磁気ヘッドスライダの搭載面に対して所定の角度を有し、さらに、剛性ビーム自体が、スライダ配置部に形成された磁気ヘッドスライダの搭載面に対して垂直である、という構成を採る。あるいは、上記剛性ビームは、スライダ配置部に形成された磁気ヘッドスライダの搭載面に対して平行な平坦部と、当該平坦部に対して垂直な垂直部と、を有し、さらに、剛性ビームは、平坦部と垂直部との交差部分に、少なくとも1つの切除部を有する、という構成を採る。
【0024】
また、本発明の他の形態であるディスク装置用のヘッドジンバルアセンブリは、磁気ヘッドスライダと、圧電素子を有するマイクロアクチュエータと、磁気ヘッドスライダ及びマイクロアクチュエータを支持するサスペンションと、を備えている。そして、上記サスペンションは、磁気ヘッドスライダを搭載するスライダ配置部と、このスライダ配置部を支持する一対の剛性ビーム及び一対のバネビームから成るアウトリガーと、を有するフレキシャを備え、アウトリガーを構成する上記一対のバネビームは、それぞれ、当該バネビームに対応する剛性ビームとスライダ配置部の中央領域と、を連結する、という構成を採る。
【0025】
また、本発明の他の形態であるディスク装置は、ヘッドジンバルアセンブリと、このヘッドジンバルアセンブリを連結するドライブアームと、ディスクと、このディスクを回転させるスピンドルモータと、を備え、上記ヘッドジンバルアセンブリは、磁気ヘッドスライダと、圧電素子を有するマイクロアクチュエータと、磁気ヘッドスライダ及びマイクロアクチュエータを支持するサスペンションと、を備えている。そして、上記サスペンションは、磁気ヘッドスライダを搭載するスライダ配置部と、このスライダ配置部を支持する一対の剛性ビーム及び一対のバネビームから成るアウトリガーと、を有するフレキシャを備え、アウトリガーを構成する上記一対のバネビームは、それぞれ、当該バネビームに対応する剛性ビームとスライダ配置部の中央領域と、を連結する、という構成を採る。
【0026】
また、本発明の他の形態であるヘッドジンバルアセンブリの製造方法は、磁気ヘッドスライダを搭載するスライダ配置部と、このスライダ配置部を支持する一対の剛性ビーム及び一対のバネビームから成るアウトリガーと、を有し、一対のバネビームが、それぞれ、当該バネビームに対応する剛性ビームとスライダ配置部の中央領域とを連結するよう構成されたフレキシャを形成する工程と、圧電素子を用意し、当該圧電素子をフレキシャに形成された圧電素子配置部に搭載する工程と、磁気ヘッドスライダを用意し、当該磁気ヘッドスライダをフレキシャのスライダ配置部に搭載する工程と、を有する、という構成を採る。
【0027】
さらに、上記目的を達成するために、本発明の一形態であるHGA用のサスペンションは、磁気ヘッドスライダを搭載するスライダ配置部と、圧電素子を搭載する圧電素子配置部と、を備えたタング領域と、上記磁気ヘッドスライダを支持するために一対の剛性ビームと一対のバネビームとを有するアウトリガーと、を有するフレキシャを備えている。そして、上記一対の剛性ビームは、上記タング領域のスライダ配置部側とは反対側で上記フレキシャ本体にそれぞれ連結している。また、上記一対のバネビームは、それぞれ対応する剛性ビームの自由端に連結される一端と、上記フレキシャのスライダ配置部の中央領域に延びる他端と、をそれぞれ有する、という構成を採っている。
【0028】
また、上記サスペンションでは、上記各バネビームは、その長さが上記剛性ビームと上記スライダ配置部との間の距離よりも長くなるよう、1つ又は複数の屈曲部を有する。そして、望ましくは、上記各バネビームは、湾曲形状である。あるいは、上記バネビームは、角形状、または、V字形状に形成されていてもよい。
【0029】
また、上記サスペンションでは、上記各バネビームは、当該バネビームの他の個所よりも幅が狭く形成された少なくとも1箇所の低剛性部を有する。そして、望ましくは、上記アウトリガーのバネビームは、上記タング領域のスライダ配置部と同一平面上に位置する個所を有する。
【0030】
また、上記サスペンションでは、上記アウトリガーの剛性ビームは、当該剛性ビームと対応するバネビームとの間で所定の角度を有している。そして、望ましくは、上記アウトリガーの剛性ビームは、平坦部と、当該平坦部から垂直に曲折されフレキシャのタング領域に対して垂直な垂直部と、を有する。また、望ましくは、上記アウトリガーの剛性ビームは、上記フレキシャのタング領域に垂直な垂直構造を有する。
【0031】
さらに、望ましくは、上記アウトリガーの剛性ビームは、上記垂直部と上記平坦部との交差部分に、少なくとも1つの開口部、切除部、又は、部分エッチングによる凹部を有する。
【0032】
また、本発明の他の形態である、ディスク装置用のヘッドジンバルアセンブリは、磁気ヘッドスライダと、圧電素子を有するマイクロアクチュエータと、磁気ヘッドスライダ及びマイクロアクチュエータを支持するサスペンションと、を備えている。そして、上記サスペンションは、タング領域をとアウトリガーとを有するフレキシャを備えている。また、上記フレキシャのタング領域は、磁気ヘッドスライダを搭載するスライダ配置部と、圧電素子を搭載する圧電素子配置部と、を有している。さらに、上記アウトリガーは、磁気ヘッドスライダを支持するために、一対の剛性ビームと一対のバネビームとを有すると共に、上記一対の剛性ビームは、上記タング領域のスライダ配置部側とは反対側で上記フレキシャにそれぞれ連結し、また、上記一対のバネビームは、それぞれ対応する上記剛性ビームの自由端に連結される一端と、上記フレキシャのスライダ配置部の中央領域に延びる他端と、をそれぞれ有する、という構成を採っている。
【0033】
また、本発明の他の形態であるヘッドジンバルアセンブリの製造方法は、
ステップ(1):磁気ヘッドスライダを搭載するスライダ配置部と、圧電素子を搭載する圧電素子配置部と、を備えたタング領域と、上記スライダ配置部とは反対側でフレキシャ本体にそれぞれ連結される一対の剛性ビームと、それぞれ対応する上記剛性ビームの自由端に連結される一端と上記フレキシャのスライダ配置部の中央領域に延びる他端とをそれぞれ有する一対のバネビームと、を有するアウトリガーと、を有するフレキシャを形成する工程と、
ステップ(2):圧電素子を用意し、当該圧電素子を上記フレキシャの圧電素子配置部に搭載する工程と、
ステップ(3):磁気ヘッドスライダを用意し、当該磁気ヘッドスライダを上記フレキシャのスライダ配置部に搭載する工程と、
を有する。
【0034】
また、本発明の他の形態であるディスク装置は、ヘッドジンバルアセンブリと、このヘッドジンバルアセンブリを連結するドライブアームと、ディスクと、このディスクを回転させるスピンドルモータと、を備えている。そして、上記ヘッドジンバルアセンブリは、磁気ヘッドスライダと、圧電素子を有するマイクロアクチュエータと、磁気ヘッドスライダ及びマイクロアクチュエータを支持するサスペンションと、を備えている。また、上記サスペンションは、タング領域とアウトリガーとを有するフレキシャを備えている。
【0035】
そして、さらに、上記フレキシャのタング領域は、磁気ヘッドスライダを搭載するスライダ配置部と、圧電素子を搭載する圧電素子配置部と、を有している。また、上記アウトリガーは、磁気ヘッドスライダを支持するために、一対の剛性ビームと一対のバネビームとを有すると共に、上記一対の剛性ビームは、タング領域のスライダ配置部とは反対側でフレキシャ本体にそれぞれ連結し、また、上記一対のバネビームは、それぞれ対応する剛性ビームの自由端に連結される一端と、フレキシャのスライダ配置部の中央領域に延びる他端と、をそれぞれ有する。
【発明の効果】
【0036】
本発明は、以上のように構成されるため、従来例と比較すると、まず、一対のバネビームによって、フレキシャがX−Y平面(フレキシャの面と平行な面)において十分な柔軟性と十分なバネ特性を有するため、マイクロアクチュエータが励起されたときに磁気ヘッドスライダを十分に移動させ、当該磁気ヘッドスライダは自由に回転可能となる。また、一対の剛性ビームによって、フレキシャはZ軸方向(フレキシャの面と垂直方向)に十分な剛性を有するため、フレキシャの歪曲を効果的に防止することができる。また、製造工程時、取扱工程時、または、振動や衝撃時における、フレキシャを備えたHGAのディンプル離脱のみならずサスペンション変形を防止することができる。従って、HGAの耐衝撃性能を改善することができる。
【0037】
さらに、上述したサスペンションの構造によって、HGAは、例えば、良好なPSA/RSA制御性能といった優れた静的性能を有し、その結果、磁気ヘッドスライダがディスク上を浮上している最中におけるHGAの動的性能も改善することができる。
【0038】
なお、本発明の他の特徴や効果は、本発明の本質の一例を説明する一部である添付の図面と共に以下の実施形態にて詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明の実施形態を、種々の図中に同一の構成を示す場合に同一の符号が付された図面を参照して説明する。
【0040】
上述したように、本発明は、記憶媒体に対する情報の記録/再生の少なくとも一方を行う磁気ヘッドスライダを支持するサスペンションを対象としている。このサスペンションは、タング領域とアウトリガーとを有するサスペンションつまりフレキシャを有する。そして、アウトリガーは、一対の剛性ビームと、一対のバネビームとを有する。一対の剛性ビームは、タング領域が形成されている側とは反対側で、それぞれフレキシャ本体と連結している。また、一対のバネビームは、一端が、それぞれ対応する剛性ビームの自由端(フレキシャ本体との連結部分とは反対側の端部)に連結され、他端が、磁気ヘッドスライダを支持するためにフレキシャのスライダ配置部の中央領域に延びている。
【0041】
また、サスペンションに形成されたアウトリガーの配置によって、フレキシャが、Z軸方向において望ましい剛性を有することのみならず、X−Y平面で十分なバネ特性を有するようになる。従って、本発明では、フレキシャに良好な柔軟性を持たせ、磁気ヘッドスライダを望ましく可動するのみならず、サスペンションのHGAにおいてサスペンション変形とディンプル離脱を有効に防止する機能する。
【0042】
さらに、上述したようにアウトリガーを有するサスペンションは、HGAに良好なPSA/RSA制御性能といった良好な静的特性を持たせ、その結果、ディスク上を磁気ヘッドスライダが浮上している間におけるHGAの動的特性も改善できる。
【0043】
<実施形態1>
図3a乃至図7は、本発明におけるヘッドジンバルアセンブリ300(HGA)の第1の実施形態を示している。図3a及び図3bを参照すると、HGA300は、複数のスライダ側電気的パッド311を有する磁気ヘッドスライダ310と、マイクロアクチュエータを構成する2つのPZT素子320と、磁気ヘッドスライダ310とPZT素子320とを支持し搭載するサスペンション330と、を備えている。
【0044】
また、上記サスペンション330は、ロードビーム430と、ベースプレート530と、ヒンジ630と、フレキシャ730と、を備えており、それらは一体的に組み付けられている。そして、ロードビーム430は、ヒンジ630によってベースプレート530に連結しており、フレキシャ730はヒンジ630からロードビーム430にかけて延びて配置されている。また、ロードビーム430の一端は、図示しないドライブアームにスエージ加工にて連結されたベースプレート530に連結されており、他端は、フレキシャ730のタング領域を支持する。
【0045】
また、上記フレキシャ730のタング領域は、搭載される磁気ヘッドスライダ310のために可撓性(柔軟性)を有する。具体的に、フレキシャ730は、制御システムに接続される複数のサスペンション側パッド739を有している。また、ロードビーム430は、当該ロードビーム430から磁気ヘッドスライダ310に容易かつ均一に荷重を伝達するために、磁気ヘッドスライダ310が搭載される位置に、フレキシャ730のタング領域を支持するメインディンプル431を有している。
【0046】
ここで、図4aは、HGA300のタング領域の詳細を示している。また、図4bは、フレキシャ730を示し、図4cは、HGA300を構成するマイクロアクチュエータのPZT素子320を示している。
【0047】
図4bに示すように、フレキシャ730はタング領域を有しており、このタング領域は磁気ヘッドスライダ310を搭載するためのスライダ配置部731と、PZT素子320を搭載するためのPZT素子配置部732(圧電素子配置部)と、を備えている。加えて、フレキシャ730は、スライダ配置部731を支持するアウトリガー733を形成しており、具体的に、アウトリガー733は、一対の剛性ビーム733bと一対のバネビーム733aとを有している。そして、一対の剛性ビーム733bは、タング領域つまりスライダ配置部731が形成されている側とは反対側で、それぞれの一端がフレキシャ730本体に連結されている。そして、一対の剛性ビーム733bの他端は、タング領域つまりスライダ配置部731側に位置している。これにより、一対の剛性ビーム733bは、フレキシャ730のスライダ配置部731側の両側部に配置されている。
【0048】
また、バネビーム733aは、磁気ヘッドスライダ310を支持するために、対応する剛性ビーム733bの自由端(スライダ配置部731側に位置する他端)に連結された一端と、フレキシャ730のスライダ配置部731の中央領域に延びて連結する他端と、をそれぞれ有している。つまり、バネビーム733aは、それぞれ、剛性ビーム733bのスライダ配置部731側に位置する端部と、スライダ配置部731の中央領域と、を連結している。
【0049】
そして、本実施形態では、上記バネビーム733aは、柔軟性を有しており、フレキシャ730にX−Y平面でバネ性を発揮するように機能し、また、上記剛性ビームは、所定の剛性を有していて、フレキシャ730にZ軸方向で剛性を高めるよう機能している。これにより、製造工程中、あるいは、振動又は衝撃時において、HGA300のサスペンションタング領域の変形と、ディンプル離脱を抑制することができる。そして、これにより、HGA300の耐衝撃性能を改善することができる。
【0050】
加えて、アウトリガー733の構成によって、HGA300は良好な柔軟性を維持できる。従って、磁気ヘッドスライダ310は、PZTマイクロアクチュエータ320の可動時に十分移動し、自由に回転することができる。
【0051】
さらに、フレキシャ730は、Z軸方向で十分な剛性を有しているため、ピッチ及びロール方向の両方向において、磁気ヘッドスライダ310は、優れた有利なPSA/RSA制御性能を有するといった良好な静的性能を有する。その結果、ディスク上を磁気ヘッドスライダ310が浮上しているときにおけるHGA300の動的性能を改善することができる。
【0052】
また、図4bに示すように、各バネビーム733aは、複数の屈曲部737を有して形成されており、バネビーム733aの長さは、剛性ビーム733bとスライダ配置部731の中央領域736との間の距離よりも長く形成されている。従って、アウトリガー733は、十分に伸縮可能なよう構成されており、ピッチ及びロール方向におけるHGA300のジンバル剛性を減少させるばかりでなく、より広い範囲で伸張することが可能となる。なお、屈曲部737は、バネビーム733aごとに、必ずしも複数形成されていることに限定されず、少なくとも1つ形成されていればよい。
【0053】
従って、上述したアウトリガー733を有するフレキシャ730は、柔軟性と低いジンバル剛性を有しているため、マイクロアクチュエータのPZT素子320が励起されると、磁気ヘッドスライダ310を十分に移動させることができ、これにより、磁気ヘッドスライダ310は自由に回転される。
【0054】
なお、各バネビーム733aは、望ましくは、湾曲して形成されている。また、各バネビーム733aは、マイクロアクチュエータの作動時に当該バネビーム733aの柔軟性を増加させ、磁気ヘッドスライダ310の移動量を増加させるよう構成されていればよく、例えば、角状、V字状など、その他の可能な形状にて形成されてもよい。なお、バネビーム733aは、必ずしも全体が湾曲等している必要はなく、少なくとも一部分が、湾曲形状、角形状、あるいは、V字形状に形成されていてもよい。
【0055】
また、望ましくは、アウトリガー733のバネビーム733aは、フレキシャ730のタング領域のスライダ配置部731と同一平面上に位置する箇所を有する。また、本実施形態では、バネビーム733aは、少なくとも1箇所の低剛性部738を有している。この低剛性部738は、その幅が、バネビーム733aの他の個所の幅よりも狭く形成されており、他の個所よりも剛性が低く形成されている箇所である。このように低剛性部738を形成することにより、バネビーム733aの柔軟性は増加し、HGA300のジンバル剛性はさらに減少する。また、HGA300は、上述した特徴を有するよう設計されているため、磁気ヘッドスライダ310の浮上姿勢と静的及び動的特性も最適化される。
【0056】
また、図4bに示すように、フレキシャ730は、タング領域に、複数のフレキシャ側電気的パッド734a,734b,734cと、2セットの電気的トレース735a,735bと、を有している。また、図4cに示すように、マイクロアクチュエータのPZT素子320は、PZT素子320a,320bを備えている。そして、PZT素子320a,320bは、自由端321,322をそれぞれ有しており、また、それらの反対側には、上述したフレキシャ側電気的パッド734a,734b,734cに対応する複数のPZT側電気的パッド323a,323b,323cが形成された共通端323を有している。なお、PZT側電気的パッド323bは、共通グラウンドである。
【0057】
ここで、図4a,4bに示すように、磁気ヘッドスライダ310は、当該磁気ヘッドスライダ310を支持するフレキシャ730のスライダ配置部731に部分的に搭載され、バネビーム733aは、磁気ヘッドスライダ310を部分的に支持する。また、PZTマイクロアクチュエータの2つのPZT素子320a,320bは、それぞれフレキシャ730のPZT素子配置部732に配置される。
【0058】
そして、所定の電気的接続方法、例えば、半田付けやワイヤボンディングなどの適切な方法を用いて、フレキシャ730とPZT素子320a,320bとが電気的に接続される。また、フレキシャ730上に形成されたトレース735a,735bの一端は、PZT素子320a,320bのPZT側電気的パッド323a,323b,323cと、磁気ヘッドスライダ310のスライダ側電気的パッド311と、に接続され、トレース735a,735bの他端は、図3bに示すサスペンション側パッド739を介して制御システムに接続される。従って、制御システムは、トレース735a,735bを介して、それぞれ磁気ヘッドスライダ310とPZTマイクロアクチュエータとを制御することができる。
【0059】
ここで、図4dは、図4aに示すHGA300の側方図である。この図に示すように、磁気ヘッドスライダ310は、スライダ配置部731の中央部736(図4b参照)を支持するバネビーム733aと、フレキシャ730の剛性を高める剛性ビーム733bと、を有するフレキシャ730のタング領域のスライダ配置部731に、部分的に搭載されている。また、図4dに示すように、マイクロアクチュエータのPZT素子320は、フレキシャ730上に配置されており、このフレキシャ730は、ロードビーム430のメインディンプル431にて支持されている。そして、磁気ヘッドスライダ310がディスク(図示せず)上を浮上しているときには、メインディンプル431は、ロードビーム430からの荷重を常時磁気ヘッドスライダ310の中心に均一にかけ続け、これにより、磁気ヘッドスライダ310の良好な浮上特性が維持される。
【0060】
また、図5aは、図4aに示したHGA300の上面図であり、マイクロアクチュエータのPZT素子320に電圧が印加されていないときの様子を示している。また、図5bは、図4aに示したHGA300の上面図であり、マイクロアクチュエータのPZT素子320に電圧が印加されたときのその動作の様子を示している。具体的に、PZTマイクロアクチュエータのPZT素子320a,320bに電圧が印加されると、一方のPZT素子320aは収縮し、他方のPZT素子320bは伸張する。これにより、フレキシャ730のタング領域に、ロードビーム430のメインディンプル431を支点とした回転トルクが生じる。そして、磁気ヘッドスライダ310が、フレキシャ730のスライダ配置部731の中央領域736で、アウトリガー733のバネビーム733aによって部分的に支持されており、また、バネビーム733aは、アウトリガー733の端部に位置して、回転するために十分なスペースを有するようタング領域が形成されているため、磁気ヘッドスライダ310の適切かつ十分な移動を実現できる。
【0061】
ここで、図6及び図7は、本発明のHGA300のテストデータを示す図である。図6は、本発明のマイクロアクチュエータのストローク感度のテストデータを示している。図6に示すように、ストローク感度は、約170nm/V(ボルト)である。これは、本発明におけるマイクロアクチュエータを有するHGA300は、ディスク装置に適用することに望ましいことを示している。
【0062】
また、図7は、本発明におけるマクロアクチュエータの共振ゲインを示すテストデータである。曲線503は、ベースプレート530が振動あるいは励起ときの共振ゲインを示し、曲線504は、PZT素子320a,320bが励起されたときの共振ゲインを示している。この図から、本発明では、サスペンション共振(例えば、ねじれ、揺れ、たわみモード)は、マイクロアクチュエータの動作中に決して生じない、という優れた効果を有することがわかる。従って、例えば、サーボ帯域といったディスク装置の性能は、大幅に改善されている。
【0063】
<実施形態2>
図8aは、本発明の第2の実施形態におけるPZTマイクロアクチュエータを有するHGA800の部分拡大斜視図である。図4aに示す上記実施形態1におけるHGA300と比較すると、本実施形態におけるHGA800は、アウトリガー833の形状が異なる。
【0064】
具体的に、本実施形態におけるアウトリガー833は、一対の剛性ビーム833bと、一対のバネビーム833aと、を有している。そして、剛性ビーム833bは、タング領域の外側に位置し、フレキシャ730の両側部を形成している。また、アウトリガー833の剛性ビーム833bは、当該剛性ビーム833bとそれに対応するバネビーム833aとの間で、所定の角度を有している。つまり、略板状である剛性ビーム833b自体が、タング領域を構成するスライダ配置部の磁気ヘッドスライダの搭載面に対して、所定の角度を有して配置されている。特に、本実施形態では、上記略板状の剛性ビーム833bと略板状のバネビーム833aとの間で形成された角度は90度であり、これにより、剛性ビーム833bは、フレキシャのタング領域(スライダ配置部のスライダ搭載面)に対して直角となっている。なお、バネビーム833aは、上述した実施形態1におけるアウトリガー733のものと同様である。
【0065】
以上のように、本実施形態におけるアウトリガー833が構成されることで、フレキシャは、X−Y平面においては適切な柔軟性を発揮し、また、Z軸方向においては、より望ましく改善された強度の剛性を有している。
【0066】
<実施形態3>
図8bは、本発明の第3の実施形態におけるPZTマイクロアクチュエータを有するHGA900の部分拡大斜視図である。図4aに示す上記実施形態1におけるHGA300と比較すると、本実施形態におけるHGA900は、アウトリガー933が異なる。
【0067】
具体的に、本実施形態におけるアウトリガー933は、上述同様に、一対の剛性ビーム933bと、一対のバネビーム933aと、を有している。そして、一対の剛性ビーム933bは、垂直部と平坦部とを有する。ここで、平坦部は、略板状のバネビーム933aの面、つまり、スライダ配置部に形成されたスライダ搭載面に対して平行あるいは同一平面に位置する平坦部分であり、垂直部は、平坦部に対して垂直に曲折された部分である。従って、垂直部は、フレキシャのタング領域を形成するスライダ配置部に形成されたスライダの搭載面に対して垂直に形成されている。また、バネビーム933aは、上述した実施形態1におけるアウトリガー733のものと同様である。
【0068】
以上のように、本実施形態におけるアウトリガー933が構成されることで、フレキシャは、X−Y平面においては適切な柔軟性を発揮し、また、Z軸方向においては、より望ましく改善された剛性を有している。
【0069】
また、上記剛性ビーム933bは、上記垂直部と平坦部との交差部分、つまり、剛性ビーム933bの曲折部分に、少なくとも1つの切除部を有する。このとき、切除部は、例えば、開口部であったり、あるいは、部分的なエッチングされた凹部933cであってもよく、その形状や切除具合は限定されない。例えば、上記凹部933c(切除部等も含む)は、化学的なエッチング処理によって加工形成される。このような構造によって、側面形成加工が容易となり、また、ピッチ及びロール方向におけるHGA900のジンバル剛性が減少する。
【0070】
<実施形態4>
図9は、本発明におけるHGAの製造方法を示すフローチャートである。この図に示すように、HGAの製造方法は、以下のステップからなる。
【0071】
ステップ(1):スライダ配置部とアウトリガーとを有する上記各実施形態にて説明したフレキシャを形成する(ステップS1)。具体的には、磁気ヘッドスライダを搭載するスライダ配置部と、このスライダ配置部を支持する一対の剛性ビーム及び一対のバネビームから成るアウトリガーと、を有し、一対のバネビームが、それぞれ、当該バネビームに対応する剛性ビームとスライダ配置部の中央領域とを連結するよう構成されたフレキシャを形成する。
【0072】
ステップ(2):圧電素子(PZT素子)を用意し、当該圧電素子(PZT素子)をフレキシャの圧電素子配置部(PZT素子配置部)に搭載する(ステップS2)。
【0073】
ステップ(3):磁気ヘッドスライダを用意し、当該磁気ヘッドスライダをフレキシャのスライダ配置部に搭載する(ステップS3)。これにより、上述した実施形態1,2,3におけるHGAを製造することができる。
【0074】
<実施形態5>
図10に示すように、本発明におけるディスク装置は、ベース1010と、ディスク1020と、当該ディスク1020を回転させるスピンドルモータ1030と、VCM1060と、上述したHGA300,800,900が連結されたドライブアーム1050と、が組み付けられて構成されている。なお、ディスク装置の一般的な構成及び/あるいは組み立て方法は、いわゆる当業者には知られているため、その構造及びアセンブリの詳細な説明は省略する。
【0075】
本発明は、上述した実施例を参照して説明したが、かかる内容に限定されず、本発明の思想の範囲に含まれる種々の改良や同等の変形例も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明のマイクロアクチュエータは、ディスク装置に搭載されるヘッドジンバルアセンブリ及びディスク装置に利用することができ、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1a】従来例におけるディスク装置の構成を示す斜視図である。
【図1b】図1aに開示したディスク装置に使用されている従来例におけるHGAの分解斜視図である。
【図1c】図1bに開示した組み立てられたHGAの部分平面図であり、当該HGAの動作原理を示す。
【図2a】従来例におけるHGAのサスペンションタング領域変形の問題を示す図である。
【図2b】従来例におけるHGAのディンプル分離の問題を示す図である。
【図3a】本発明の実施形態1におけるPZTマイクロアクチュエータを有するHGAを示す斜視図である。
【図3b】図3aに開示したHGAの分解斜視図である。
【図4a】図3aに開示したHGAの部分拡大図であり、HGAのタング領域を示す図である。
【図4b】図4aに開示したHGAのフレキシャを示す斜視図である。
【図4c】図4aに開示したHGAのPZTマイクロアクチュエータのPZT素子を示す斜視図である。
【図4d】図4aに開示したHGAの部分側面図である。
【図5a】図4aに開示したHGAの平面図であり、PZTマイクロアクチュエータが励起されていないときの様子を示す。
【図5b】図4aに開示したHGAの平面図であり、PZTマイクロアクチュエータに電圧が印加されたときにおける当該PZTマイクロアクチュエータの可動状態を示す図である。
【図6】本発明におけるマイクロアクチュエータのストローク感度のテストデータを示す図である。
【図7】本発明におけるマイクロアクチュエータの共振ゲインのテストデータを示す図である。
【図8a】本発明の実施形態2におけるPZTマイクロアクチュエータを備えたHGAの部分拡大図を示す図である。
【図8b】本発明の実施形態3におけるPZTマイクロアクチュエータを備えたHGAの部分拡大図を示す図である。
【図9】本発明におけるHGAの製造方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明におけるディスク装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0078】
300 ヘッドジンバルアセンブリ(HGA)
310 磁気ヘッドスライダ
311 スライダ側電気的パッド
320,320a,320b PZT素子
321,322 自由端
323 共通端
323a,323b,323c PZT側電気的パッド
330 サスペンション
430 ロードビーム
431 メインディンプル
430 ベースプレート
630 ヒンジ
730 フレキシャ
731 スライダ配置部
732 PZT素子配置部
733 アウトリガー
733a バネビーム
733b 剛性ビーム
734a,734b,734c フレキシャ側電気的パッド
735a,735b 電気的トレース
736 中央領域
737 屈曲部
738 低剛性部
739 サスペンション側パッド
800 HGA
833 アウトリガー
833a バネビーム
833b 剛性ビーム
900 HGA
933 アウトリガー
933a バネビーム
933b 剛性ビーム
933c 凹部
1010 ベース
1020 ディスク
1030 スピンドルモータ
1050 ドライブアーム
1060 VCM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドジンバルアセンブリ用のサスペンションであって、
磁気ヘッドスライダを搭載するスライダ配置部と、このスライダ配置部を支持する一対の剛性ビーム及び一対のバネビームから成るアウトリガーと、を有するフレキシャを備え、
前記アウトリガーを構成する前記一対のバネビームは、それぞれ、当該バネビームに対応する前記剛性ビームと前記スライダ配置部の中央領域と、を連結する、
ことを特徴とするサスペンション。
【請求項2】
前記各バネビームは、少なくとも1つの屈曲部を有する、
ことを特徴とする請求項1記載のサスペンション。
【請求項3】
前記各バネビームは、少なくとも1部分が、湾曲形状、角形状、あるいは、V字形状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2記載のサスペンション。
【請求項4】
前記各バネビームは、当該バネビームの他の個所よりも剛性が低い少なくとも1箇所の低剛性部を有する、
ことを特徴とする請求項1,2又は3記載のサスペンション。
【請求項5】
前記剛性ビーム自体が、前記スライダ配置部に形成された前記磁気ヘッドスライダの搭載面に対して所定の角度を有する、
ことを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載のサスペンション。
【請求項6】
前記剛性ビーム自体が、前記スライダ配置部に形成された前記磁気ヘッドスライダの搭載面に対して垂直である、
ことを特徴とする請求項5記載のサスペンション。
【請求項7】
前記剛性ビームは、前記スライダ配置部に形成された前記磁気ヘッドスライダの搭載面に対して平行な平坦部と、当該平坦部に対して垂直な垂直部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のサスペンション。
【請求項8】
前記剛性ビームは、前記平坦部と前記垂直部との交差部分に、少なくとも1つの切除部を有する、
ことを特徴とする請求項7記載のサスペンション。
【請求項9】
ディスク装置用のヘッドジンバルアセンブリであって、
磁気ヘッドスライダと、
圧電素子を有するマイクロアクチュエータと、
前記磁気ヘッドスライダ及び前記マイクロアクチュエータを支持するサスペンションと、を備え、
前記サスペンションは、
前記磁気ヘッドスライダを搭載するスライダ配置部と、このスライダ配置部を支持する一対の剛性ビーム及び一対のバネビームから成るアウトリガーと、を有するフレキシャを備え、
前記アウトリガーを構成する前記一対のバネビームは、それぞれ、当該バネビームに対応する前記剛性ビームと前記スライダ配置部の中央領域と、を連結する、
ことを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項10】
ヘッドジンバルアセンブリと、このヘッドジンバルアセンブリを連結するドライブアームと、ディスクと、このディスクを回転させるスピンドルモータと、を備え、
前記ヘッドジンバルアセンブリは、
磁気ヘッドスライダと、
圧電素子を有するマイクロアクチュエータと、
前記磁気ヘッドスライダ及び前記マイクロアクチュエータを支持するサスペンションと、を備え、
前記サスペンションは、前記磁気ヘッドスライダを搭載するスライダ配置部と、このスライダ配置部を支持する一対の剛性ビーム及び一対のバネビームから成るアウトリガーと、を有するフレキシャを備え、
前記アウトリガーを構成する前記一対のバネビームは、それぞれ、当該バネビームに対応する前記剛性ビームと前記スライダ配置部の中央領域と、を連結する、
ことを特徴とするディスク装置。
【請求項11】
ヘッドジンバルアセンブリの製造方法であって、
磁気ヘッドスライダを搭載するスライダ配置部と、このスライダ配置部を支持する一対の剛性ビーム及び一対のバネビームから成るアウトリガーと、を有し、前記一対のバネビームが、それぞれ、当該バネビームに対応する前記剛性ビームと前記スライダ配置部の中央領域とを連結するよう構成されたフレキシャを形成する工程と、
圧電素子を用意し、当該圧電素子を前記フレキシャに形成された圧電素子配置部に搭載する工程と、
磁気ヘッドスライダを用意し、当該磁気ヘッドスライダを前記フレキシャの前記スライダ配置部に搭載する工程と、
を有することを特徴とするヘッドジンバルアセンブリの製造方法。


【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−293636(P2008−293636A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138116(P2008−138116)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(500393893)新科實業有限公司 (361)
【氏名又は名称原語表記】SAE Magnetics(H.K.)Ltd.
【住所又は居所原語表記】SAE Technology Centre, 6 Science Park East Avenue, Hong Kong Science Park, Shatin, N.T., Hong Kong
【Fターム(参考)】