説明

サッシ窓

【課題】内観の意匠性に優れ、障子取付用部品点数および取付作業手間を十分に削減可能なサッシ窓を提供すること。
【解決手段】固定障子20Aを窓枠14(方立16や縦枠)に固定する固定装置30が方立16や縦枠の室内側側面および内装仕上げ材で隠蔽されているとともに、操作孔231も閉塞部材36で塞がれているので、固定装置30が室内側から見えずサッシ窓10の内観意匠性を向上させることができる。また、固定障子20Aの着脱時において、閉塞部材36を取り外して操作部33を操作し、係合ピン32を係合位置に移動させて受け材35に係合させるだけで、固定障子20Aを方立16や縦枠に固定することができるとともに、非係合位置に移動させることで固定障子20Aを取り外すことができ、固定障子20Aの取り付けや取り外しの作業を容易に実施することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッシ窓に関し、詳しくは、外壁開口部に固定される枠体と、この枠体内部に固定される固定障子とを備えたサッシ窓に関する。
【背景技術】
【0002】
窓枠の内部に固定障子を固定して構成される嵌め殺し窓において、窓縦枠と障子の縦框とのビス止めを省略することで、部品点数や取付作業手間が削減可能かつ内観意匠性向上を目指した固定障子の取付構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された固定障子の取付構造は、窓下枠に固定障子の下框を位置決めし、窓上枠に固定した板ばね等からなる係合部材に固定障子の上框を係合させるとともに、係合部材の係合位置からの移動をビスや規制部材などで規制することで、窓枠に対して移動不能に固定障子を取り付けることができるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−52313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に記載の固定障子の取付構造では、係合部材の移動を規制するビスや規制部材などが窓上枠の室内側に露出し、室内側から見えるため、内観の意匠性を必ずしも十分に向上させることができないという問題がある。
また、ビスや規制部材などが室内側から操作可能になっているため、通常使用時において利用者がビスや規制部材を操作して固定障子の固定を解除してしまわないように、これらのビスや規制部材を操作不能にするカバー材や解除防止機構等を別途に設ける必要があり、部品点数が増加してしまったり、障子の着脱の作業が繁雑になってしまったりという不都合が生じることがある。
【0005】
本発明の目的は、内観の意匠性に優れ、障子取付用部品点数および取付作業手間を十分に削減可能なサッシ窓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のサッシ窓は、外壁開口部に固定される枠体と、この枠体内部に固定される固定障子とを備えたサッシ窓であって、前記固定障子は、上框、下框、および左右の縦框と、これら上下左右の各框材で囲まれた内部に支持された面材とを有して構成され、前記枠体および前記固定障子の框材のいずれか一方には、他方に設けられた受け部に係合して当該固定障子の移動を規制する固定手段が、当該枠体および框材の少なくとも一方によって室内側から隠蔽された位置において、前記受け部に係合する係合位置と係合しない非係合位置との間を移動自在に設けられ、前記枠体および框材のいずれかの室内露出面には、通常使用時において閉塞部材で塞がれた操作孔が形成され、前記固定障子の着脱時において前記閉塞部材を取り外すことで、前記操作孔を介して前記固定手段が係合位置または非係合位置に移動操作可能に構成されていることを特徴とする。
【0007】
このような本発明によれば、受け部に係合して固定障子を枠体に固定する固定手段を、室内側から操作孔を介してでなければ操作できない隠蔽された位置に設けたので、固定手段が室内側から見えずサッシ窓の内観意匠性を向上させることができる。
さらに、通常使用時において、操作孔を閉塞部材で塞いで固定手段を操作不能にしたことで、利用者が誤って固定手段を操作して固定障子を外してしまうようなことが防止できる。一方、固定障子の着脱時において、閉塞部材を取り外して固定手段を係合位置に移動させ、受け部に係合させるだけで固定障子を枠体に固定し、非係合位置に移動させることで固定障子を取り外すことができ、固定障子の取り付けや取り外しの作業を容易に実施することができる。そして、閉塞部材は、操作孔を塞ぐだけの簡単な構造でよいため、複雑な構造の部品や機構を別途設ける必要がなく、少ない部品点数にて上述のような効果を奏することができる。
【0008】
この際、本発明のサッシ窓では、前記固定手段は、前記固定障子の框材に沿ってスライド自在に支持されたスライド部材と、このスライド部材に固定されて前記受け部に係合可能な少なくとも1つの係合ピンと、前記スライド部材をスライド操作可能に前記操作孔の近傍位置に設けられた操作部とを有して構成され、前記受け部は、前記固定手段が設けられた框材と対向する前記枠体に設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、スライド部材、係合ピンおよび操作部を有して固定手段を構成したことで、スライド部材の長さ、つまり操作部と係合ピンとの間の距離を適宜設定することができ、例えば、操作部の近傍に設けられる操作孔を目立たない位置に設けるとともに、係合ピンおよび受け部を障子の固定に適した位置に設けるなど、各部の機能に応じて適切な部材配置が可能になる。この際、スライド部材に固定する係合ピンの数は、固定障子の大きさ等に応じて適宜設定可能であり、1つのスライド部材に対して2つ以上の係合ピンを固定した場合でも、これらの係合ピンをスライド部材で連動させて一度の操作で移動させることができ、障子の着脱作業が煩雑になることが防止できる。
【0009】
さらに、本発明のサッシ窓では、前記固定手段の操作部は、前記スライド部材に固定されて前記操作孔側に延びる突片から構成され、前記閉塞部材は、前記操作孔に貫入される貫入部を有して形成され、前記固定手段が係合位置にない状態において、前記貫入部が前記操作部に当接して当該閉塞部材が前記操作孔を閉塞不能に構成され、前記貫入部には、前記固定手段が係合位置にある状態において、前記操作部に当接して当該固定手段の非係合位置への移動を規制する規制部が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、固定手段が係合位置にない状態、すなわち係合ピンと受け部とが係合せずに固定障子が固定されていない状態では、操作孔を塞ぐ位置(閉塞位置)まで閉塞部材の貫入部が貫入できないようになっているので、固定障子が非固定であることが容易に判別でき、固定手段が室内側から隠蔽されていても取付作業を確実に実施することができる。一方、固定手段が係合位置にあれば、貫入部を閉塞位置まで貫入することができ、この状態において、規制部が操作部である突片に当接することで固定手段の移動を規制することで、係合ピンと受け部との係合が外れることを防止して固定障子の取付状態が良好に維持できる。
【0010】
また、本発明のサッシ窓では、前記固定手段の操作部は、前記スライド部材に固定された第1部材と、この第1部材に回動自在に連結された第2部材とを有して構成され、前記第2部材は、一端が前記第1部材に連結される連結片部と、この連結片部の他端に連続して折れ曲がって前記操作孔から室内空間に突出可能な操作片部とを有して形成され、前記第2部材の操作片部を前記操作孔に押し込むことで、前記第1部材を介して前記スライド部材がスライドされて前記係合ピンが前記受け部に係合され、この係合位置において、前記操作片部が前記枠体または框材に当接することで、当該固定手段が係合位置に維持されるとともに、前記操作片部を前記操作孔から室内側に引き出すことで、当該固定手段が非係合位置へ移動可能に構成されていてもよい。
このような構成によれば、固定手段の操作部を構成する第2部材の操作片部を操作孔に押し込むことで、固定手段を係合位置に移動させることができるとともに、操作片部を操作孔から引き出すことで固定手段を非係合位置に移動させることができ、固定障子の固定作業または固定解除作業を容易に実施することができる。さらに、固定手段が係合位置にある状態において、第2部材の操作片部が枠体または框材に当接することで、固定手段を係合位置に維持することができ、係合ピンと受け部との係合が外れることを防止して固定障子の取付状態が良好に維持できる。
【0011】
さらに、本発明のサッシ窓では、前記固定手段の操作部は、前記枠体または框材に固定された第1部材と、この第1部材に回動自在に支持されて一端部が前記スライド部材に連結され他端部が前記操作孔側に延びる第2部材とを有して構成され、前記第1部材および第2部材は、いずれか一方に設けられた支軸を他方に設けられた軸孔に挿通することで連結され、これらの支軸および軸孔には、当該固定手段が係合位置に位置した状態で前記第2部材の回動を規制する規制部が形成され、前記他端部を操作して前記第2部材を回動させることで、当該第2部材の一端部を介して前記スライド部材がスライドされて前記係合ピンが前記受け部に係合され、この係合位置において、前記第1部材および第2部材における支軸および軸孔の規制部が当該第2部材の回動を規制することで、当該固定手段が係合位置に維持されるとともに、前記規制部の規制を解除することで、前記第2部材の回動規制が解除されて当該固定手段が非係合位置へ移動可能に構成されていてもよい。
このような構成によれば、固定手段の操作部を構成する第2部材の他端部を操作して第2部材を回動させることで、固定手段を係合位置に移動させることができるとともに、この状態において支軸および軸孔の規制部で第2部材の回動を規制することで、固定手段を係合位置に維持することができ、係合ピンと受け部との係合が外れることを防止して固定障子の取付状態が良好に維持できる。さらに、支軸および軸孔の規制部による規制を解除することで、固定手段を非係合位置に移動させることができる。
【0012】
また、本発明のサッシ窓では、前記操作孔は、前記固定障子の縦框下端部に形成され、前記閉塞部材は、前記縦框に沿って流れ落ちた結露水が室内側に流れることを防止する結露水受け部を有して構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、内観上、目立たない位置である縦框下端部に操作孔を形成し、この操作孔を閉塞部材で塞ぐことで、さらにサッシ窓の意匠性を向上させることができる。また、閉塞部材に結露水受け部を設ける、つまり結露受け部材と兼用することで、結露水受け部材を別体で設ける場合と比較して、部品点数をより一層削減することができる。さらに、結露水受け部を設けたことで、結露水が室内側に流れないようにでき、結露水による汚れの付着等を防止してサッシ窓の美観を維持することができる。
【0013】
また、本発明のサッシ窓では、前記枠体は、上枠、下枠、および左右の縦枠を有した窓枠と、この窓枠の内部を上下および/または左右に仕切る横仕切り材および縦仕切り材のうち少なくとも一方とを有して構成されており、これらの仕切り材で仕切った枠体内部の区画のうちの少なくとも1つに前記固定障子が配置され、前記固定障子は、前記上框および下框が前記上枠、下枠および横仕切り材のうちの互いに対向する二辺に位置決めされるとともに、前記左右の縦框に設けた前記固定手段が前記左右の縦枠および前記縦仕切り材のうちの互いに対向する二辺に設けた前記受け部に係合されて前記区画内に固定されていることが好ましい。
このような構成によれば、固定障子の上框および下框を位置決めした状態で左右の縦框を固定手段および受け部で固定することで、固定障子の四周全てが枠体に支持されるため強固に固定することができる。さらに、固定障子の取り付け時および取り外し時において、固定手段を受け部に係合していなくても、上框および下框が枠体に位置決めされているので、固定障子を作業者が支持しておく必要がなく、取り付けや取り外しの作業性を一層向上させることができる。
【0014】
この際、本発明のサッシ窓では、前記枠体内部の区画のうち少なくとも1つの区画には、前記固定障子が配置されずに当該枠体に対して開閉自在に支持された可動障子が配置され、前記可動障子は、前記固定障子の上下左右の各框材と共通の框材を有して構成されるとともに、閉鎖状態において前記固定障子と略同一の見込み位置に取り付けられていることが好ましい。
このような構成によれば、枠体内部の区画ごとに固定障子および可動障子を選択的に配置してサッシ窓を構成する場合に、固定障子と可動障子とで框材を共通化し、かつ略同一見込み位置に配置したことで、部品点数の削減を一層促進させることができるとともに、サッシ窓の意匠性をより一層良好にすることができる。そして、このように固定障子および可動障子で框材を共通化した場合において、前述のような固定手段と受け部とを有した固定障子の固定構造を採用したことで、框材や枠体に対する加工を必要最小限にすることができ、サッシ窓の製造コストを抑えつつ、意匠性や取付作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。また、各図においては、主要構成部品の断面を示すハッチングを省略する場合がある。
【0016】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るサッシ窓10が設けられた建物の外壁1の開口部を示す縦断面図である。図2は、外壁1の開口部を示す横断面図である。
図1、2において、建物の外壁1は、外壁躯体としての木造軸組み工法による軸組み材2と、この軸組み材2の室外面に設けられた外壁仕上げ材である吹付けモルタル3と、軸組み材2の室内面に設けられた内壁材である石膏ボード4とを有して構成されている。そして、外壁1の開口部室内側には、開口端縁に沿って内装仕上げ材である木製の額縁材(ケーシング)5が四周連続して取り付けられている。
なお、外壁躯体としては、木造の軸組み材2に限らず、2×4工法における壁パネルや鉄筋コンクリート造の壁であってもよく、また、外壁仕上げ材は、吹付けモルタル3に限らず、予め板状に成形したセメント成形板や窯業系サイディング等を外壁躯体の室外面に取り付けたものでもよい。
【0017】
サッシ窓10は、外壁1の開口部に固定された上枠11、下枠12、および左右の縦枠13からなる窓枠14と、この窓枠14の内部を上下左右に仕切る仕切り材としての無目(横仕切り材)15および方立(縦仕切り材)16とからなる枠体を備え、これらの無目15および方立16で仕切った窓枠14内部の区画ごとに障子20が設けられて構成されている。また、無目15および方立16の室内側側面には、それぞれ下地材151,161が固定されており、これらの下地材151,161に前述の額縁材5と同様の額縁材152,162が固定されている。このようにサッシ窓10では、その上枠11、下枠12、縦枠13の室内側側面と、無目15および方立16の室内側側面とが、それぞれ額縁材5と額縁材152,162とで覆われ(隠蔽され)て室内側から見えないようになっている。
【0018】
障子20は、窓枠14の区画に固定された固定障子20Aと、窓枠14の区画に開閉可能に支持された可動障子(外開き障子)20Bとが、それぞれ仕切られた窓枠14内部の区画ごとに選択的に配置され、可動障子20Bの室内側には、収納式の網戸17が設けられている。そして、固定障子20Aおよび可動障子20Bは、それぞれ共通化された構成部材である上框21、下框22、左右の縦框23と、これら上下左右の框材21,22,23の内部に嵌め込んだガラスパネル24とを有して形成されている。また、固定障子20Aおよび閉鎖状態の可動障子20Bは、それぞれ窓枠14に対して略同一の見込み位置に取り付けられている。このような固定障子20Aおよび可動障子20Bの上框21、下框22、および縦框23は、上枠11、下枠12、縦枠13、無目15、方立16のいずれかの見込み方向室外側に重なって配置され、額縁材5や額縁材152,162によって室内側から隠蔽された隠し框となっている。
【0019】
固定障子20Aは、その下框22に固定したセッティングブロック221を下枠12(または無目15)上面に位置決めするとともに、無目15(または上枠11)に取り付けた板ばね211に上框21を係止することで、窓枠14内部の区画に建て込まれる。さらに、固定障子20Aは、後述する固定装置(固定手段)30を構成する係合ピン32が、方立16(または縦枠13)に固定した受け材(受け部)35に係合することで、窓枠14、無目15および方立16に対して移動不能に固定されるようになっている。このような固定障子20Aの上框21を無目15(または上枠11)に設けた気密材153,154(または気密材111,112)に当接させ、下框22を下枠12(または無目15)に設けた気密材121,122(または気密材153,154)に当接させ、縦框23を方立16(または縦枠13)に設けた気密材163,164(または気密材131,132)に当接させることで、固定障子20Aにおける気密性および水密性が確保できるようになっている。
【0020】
一方、可動障子20Bは、その上框21が上枠11(または無目15)にヒンジ212を介して連結されるとともに、下框22が無目15(または下枠12)にヒンジ222を介して連結されることで、開閉自在に支持されている。そして、可動障子20Bの一方の縦框23に設けたハンドル233を操作することで、室外側に向かって開放可能かつ閉じた状態で施錠可能になっている。このような可動障子20Bを閉じた状態において、その上框21を上枠11(または無目15)に設けた気密材111,112(または気密材153,154)に当接させ、下框22を無目15(または下枠12)に設けた気密材153,154(または気密材121,122)に当接させ、縦框23を縦枠13および方立16に設けた気密材131,132,163,164に当接させることで、可動障子20Bにおける気密性および水密性が確保できるようになっている。
【0021】
次に、図3〜図7も参照してサッシ窓10における固定障子20Aの固定構造および取付方法について詳しく説明する。
図3は、固定障子20Aの縦框23および方立16を拡大して示す横断面図である。図4は、固定障子20Aの固定装置30を示す斜視図である。図5および図6は、それぞれ固定障子20Aの建て込み手順を示す縦断面図である。図7(A)〜(C)は、固定障子20Aの固定方法を示す縦断面図である。
図3、4に示すように、固定障子20Aの固定装置30は、縦框23に沿って上下スライド自在に支持されたスライド部材31と、このスライド部材31に固定されて縦框23の見付け方向外側に突出した係合ピン32と、スライド部材31の下部に固定されて縦框23の見付け方向内側(操作孔231側)に延びる操作部としての突片33とを有して構成されている。また、固定装置30の縦框23に対向する方立16(または縦枠13)の側面には、係合ピン32と係合可能な受け材35が固定されている。そして、縦框23の見付け方向内側面の下端部には、固定装置30の突片33を操作するための操作孔231が形成されており、この操作孔231(図4参照)は、通常使用時において閉塞部材36で塞がれるようになっている。
【0022】
固定装置30のスライド部材31は、金属板材から長尺状に形成され、固定障子20Aの縦框23に保持されている。係合ピン32は、スライド部材31における所定位置、すなわち固定障子20Aの高さ略中央の1箇所、あるいは固定障子20Aの高さを三分割した2箇所等、固定障子20Aの大きさに応じた適宜な位置に設けられている。そして、受け材35は、係合ピン32に対応した方立16(または縦枠13)の高さ位置に設けられている。なお、係合ピン32に係合する受け部としては、方立16や縦枠13と別体に形成された受け材35に限らず、方立16や縦枠13と一体の突出片から構成されていてもよい。また、突片33は、金属板材から凹溝部を有して形成されており、閉塞部材36を取り外した操作孔231を介して挿入したドライバー等の工具Tを凹溝部に引っ掛けて突片33を上下操作することで、係合ピン32が受け材35に係合する係合位置と係合しない非係合位置との間をスライド部材31および係合ピン32が上下移動できるようになっている。以上のスライド部材31、係合ピン32、突片33および受け材35は、方立16(または縦枠13)の室内側側面部165で隠蔽され室内側から見えないようになっている。
【0023】
閉塞部材36は、樹脂製の一体成形部品であって、操作孔231に貫入される貫入部361と、この貫入部361を操作孔231に貫入した状態で縦框23の側面に密接する結露水受け部362とを有して形成されている。結露水受け部362は、室外側に向かって下がる傾斜面を有して形成され、縦框23に沿って流れ落ちた結露水を受けて室外側に流し、結露水が室内側に流れることを防止できるようになっている。また、閉塞部材36は、スライド部材31、係合ピン32、突片33が係合位置よりも下がった状態で操作孔231に貫入部361を貫入しようとした場合には、貫入部361の先端が突片33の側面に当接するとともに、スライド部材31、係合ピン32、突片33が係合位置にある状態で貫入部361を貫入すれば、貫入部361の上面が突片33の下面に当接するようになっている。すなわち、貫入部361の上面には、規制部363が形成されており、この規制部363が突片33に当接することによって、スライド部材31、係合ピン32、突片33の下方(非係合位置)への移動が規制され、係合ピン32と受け材35との係合状態が維持できるようになっている。
【0024】
次に、固定障子20Aの取付手順について説明する。
先ず、固定障子20Aの下框22にセッティングブロック221を固定し、無目15(または上枠11)に板ばね211を固定しておき、図5に示すように、室外側からセッティングブロック221の突起を下枠12(または無目15)の上面の位置決め孔(不図示)に挿入して下框22の位置決めを行う。これに続いて、セッティングブロック221を中心にして固定障子20Aの上框21を室内側に回動させ、図6に示すように、板ばね211に係止させて上框21の位置決めを行う。このように上框21および下框22を、それぞれ無目15(または上枠11)および下框12(または無目15)に位置決めした状態で、固定障子20Aの左右の縦框23を縦枠13および方立16(または左右の方立16)に固定装置30を用いて固定する。
【0025】
固定障子20Aの縦框23の固定は、具体的には、図7(A)〜(C)に示す手順で行う。
すなわち、先ず、図7(A)に示すように、スライド部材31、係合ピン32、突片33が下方に下がった非係合位置にある状態で、閉塞部材36を取り外した操作孔231に工具Tを挿入し、突片33の凹溝部に工具Tを引っ掛けてスライド部材31、係合ピン32、突片33を上方に押し上げる。
次に、図7(B)に示すように、係合ピン32が受け材35に係合し始める位置までスライド部材31を押し上げても、さらに押し上げ作業を続行する。つまり、図7(B)に示す状態では、係合ピン32と受け材35との係合が不十分であるため、この状態で押し上げ作業を止めて閉塞部材36の貫入部361を操作孔231に貫入しようとしても、貫入部361の先端が突片33の側面に当接し、閉塞部材36が所定の閉塞位置(結露水受け部362が縦框23の側面に密接する位置)まで押し込めないようになっている。
次に、図7(C)に示すように、係合ピン32が受け材35に係合する係合位置までスライド部材31を押し上げた状態において、閉塞部材36の貫入部361を操作孔231に貫入すると、貫入部361が突片33の下方に挿入され、貫入部361の上面と突片33の下面とが当接し、スライド部材31、係合ピン32、突片33の下方への移動が規制されるようになっている。
【0026】
以上のように係合ピン32と受け材35との係合状態を維持することで、固定障子20Aが窓枠14に対して移動不能に固定されることとなる。
一方、固定障子20Aを窓枠14から取り外す場合には、上述の手順とは逆に、閉塞部材36を操作孔231から取り外してから、工具Tを突片33に引っ掛けてスライド部材31を下方に押し下げ、係合ピン32と受け材35との係合を外す。次に、上框21に工具等を差し入れて板ばね211を押し上げ、上框21の係止を外すことで、固定障子20Aを室外側に取り外すことができるようになっている。
【0027】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、固定障子20Aを窓枠14の縦枠13や方立16に固定する固定装置30が方立16(または縦枠13)の室内側側面部165および額縁材162で隠蔽されているとともに、操作孔231も閉塞部材36で塞がれているので、固定装置30が室内側から見えずサッシ窓10の内観意匠性を向上させることができる。
【0028】
(2)そして、通常使用時において、操作孔231が閉塞部材36で塞がれ、固定装置30の突片33が操作不能になっているので、利用者が誤って突片33を操作して固定障子20Aを外してしまうようなことが防止できる。一方、固定障子20Aの着脱時において、閉塞部材36を取り外して突片33を操作し、係合ピン32を係合位置に移動させて受け材35に係合させるだけで、固定障子20Aを縦枠13や方立16に固定することができるとともに、非係合位置に移動させることで固定障子20Aを取り外すことができ、固定障子20Aの取り付けや取り外しの作業を容易に実施することができる。
【0029】
(3)また、スライド部材31、係合ピン32および突片33を有して固定装置30が構成されているので、スライド部材31の長さ寸法、つまり係合ピン32の固定位置と突片33との距離を適宜設定することができ、適切な部材配置が可能になる。さらに、長尺状に形成されたスライド部材31に複数の係合ピン32を固定すれば、スライド部材31下部の突片33を操作するだけで、複数の係合ピン32を連動させることができる。
【0030】
(4)また、係合ピン32が受け材35に係合していない状態では、突片33の側面に貫入部361が当接して閉塞部材36が閉塞位置まで貫入できないようになっているので、係合ピン32が非係合(固定障子20Aが非固定)であることが容易に判別でき、取付作業を確実に実施することができる。一方、係合ピン32が受け材35に係合していれば、閉塞部材36を閉塞位置まで貫入することができるとともに、貫入した貫入部361の規制部363によってスライド部材31、係合ピン32および突片33の下方への移動を規制することで、係合ピン32と受け材35との係合が外れることを防止して固定障子20Aの取付状態が良好に維持できる。
【0031】
(5)さらに、閉塞部材36に結露水受け部362が設けられているので、結露水受け部材を別体で設ける場合と比較して、部品点数を削減することができるとともに、結露水受け部363によって縦框23を流れ落ちた結露水が室内側に流れないようにでき、結露水による汚れの付着等を防止してサッシ窓10の美観を維持することができる。
【0032】
(6)また、固定障子20Aの上框21が板ばね211に位置決めされ、下框22がセッティングブロック221によって位置決めされた状態で、左右の縦框23が固定装置30で固定されているので、四周全てが窓枠14や無目15、方立16に支持されて固定障子20Aを固定強度を高めることができる。さらに、固定障子20Aの取り付け時および取り外し時において、係合ピン32が受け材35から外れていても、上框21および下框22が位置決めされているので、固定障子20Aを作業者が支持しておく必要がなく、取り付けや取り外しの作業性を一層向上させることができる。
【0033】
(7)また、固定障子20Aと可動障子20Bとで框材21,22,23が共通化され、かつ固定障子20Aおよび可動障子20Bが略同一見込み位置に配置されているので、部品点数の削減を一層促進させることができるとともに、サッシ窓10の意匠性をより一層良好にすることができる。さらに、固定障子20Aおよび可動障子20Bの框材21,22,23が額縁材5,152,162で隠蔽される隠し框となっているので、室内側からサッシ窓10を見た場合に、金属製の框材21,22,23が目立たず、格子状の額縁材5,152,162とガラスパネル24とから構成されたような高級感のある内観を得ることができる。
【0034】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、図8および図9に基づいて説明する。
図8(A),(B)は、本発明の第2実施形態に係るサッシ窓における固定障子20Aの固定装置30Aを示す横断面図および側面図である。図9(A)〜(D)は、固定障子20Aの固定方法および固定解除方法を示す縦断面図である。
第2実施形態において、サッシ窓の構成は、前記第1実施形態と略同様であり、固定装置30Aの構成、特に操作部37の構成が前記第1実施形態の固定装置30と相違している。以下、相違点について詳しく説明する。
【0035】
固定装置30Aは、固定障子20Aの縦框23にスライド自在に支持されたスライド部材31と、スライド部材31に固定された係合ピン32と、縦框23の操作孔231の近傍位置に設けられた操作部37とを有して構成されている。操作部37は、スライド部材の下端部に固定されて操作孔側に延びた第1部材371と、この第1部材371に回動自在に連結された第2部材372とを有して構成されている。そして、第2部材372は、一端が第1部材371に連結される連結片部373と、この連結片部373の他端に連続して折れ曲がった操作片部374とから全体L字形に形成されている。この第2部材372は、その連結片部373の一端部が第1部材371に設けられた連結孔375に係止されることで、第1部材371に対して回動自在に連結されている。また、第2部材372の操作片部374は、操作孔231から室内空間に突出可能になっているとともに、通常使用時には、閉塞部材36で覆われて室内側から隠蔽されている。
【0036】
以上の固定装置30Aの動作としては、図9(A)に示すように、先ず、固定装置30Aが非係合位置にある状態では、操作片部374が操作孔231から室内空間に突出しており、この状態で操作片部374を下方に回動操作することで、第2部材372の折曲り部が下框22に当接し、この位置を支点として梃子の作用により連結片部373の一端側が上方に移動する。そして、操作片部374を操作孔231に押し込むようにして回動操作を継続することで、図9(B)に示すように、連結片部373が略垂直に立ち上がり、この連結片部373に連結された第1部材371およびスライド部材31が上方にスライド移動される。これにより、係合ピン32が受け材35に係合され、固定装置30Aが係合位置に移動されたこととなって固定障子20Aが窓枠14に固定される。この状態において、第2部材372の操作片部374が下框22の上面に当接することで、第1部材371およびスライド部材31の下方(非係合位置)への移動が規制され、固定障子20Aの固定状態が維持される。
【0037】
次に、固定障子20Aの固定を解除する場合には、図9(C)に示すように、第2部材372の操作片部374を操作孔231から室内側に引き出す方向かつ上方に回動操作することで、第1部材371およびスライド部材31の下方への移動規制が外れ、固定装置30Aが非係合位置へ移動可能となる。この際、スライド部材31が自重で下方にスライドする、あるいは第2部材372を下方に押し下げることで、図9(D)に示すように、固定装置30Aが非係合位置へ移動され、係合ピン32と受け材35との係合が外れ、固定障子20Aの固定が解除されるようになっている。
【0038】
このような本実施形態によれば、前述の(1)〜(3)、(5)〜(7)と同様の効果に加えて以下のような効果がある。
(8)すなわち、第2部材372の操作片部374を操作孔231に押し込むように回動操作することで、固定装置30Aを係合位置に移動させることができるとともに、操作片部374を操作孔231から引き出すように回動操作することで、固定装置30Aを非係合位置に移動させることができ、固定障子20Aの固定作業または固定解除作業を容易に実施することができる。さらに、固定装置30Aが係合位置にある状態において、第2部材372の操作片部374が下框22の上面に当接することで、固定装置30Aを係合位置に維持することができ、係合ピン32と受け材35との係合が外れることを防止して固定障子20Aの取付状態が良好に維持できる。
【0039】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、図10および図11に基づいて説明する。
図10(A),(B)は、本発明の第3実施形態に係るサッシ窓における固定障子20Aの固定装置30Bを示す横断面図および側面図である。図11(A)〜(C)は、固定障子20Aの固定方法を示す縦断面図である。
第3実施形態において、サッシ窓の構成は、前記第1、2実施形態と略同様であり、固定装置30Bの構成、特に操作部38の構成が前記第1、2実施形態の固定装置30,30Aと相違している。以下、相違点について詳しく説明する。
【0040】
固定装置30Bは、固定障子20Aの縦框23にスライド自在に支持されたスライド部材31と、スライド部材31に固定された係合ピン32と、縦框23の操作孔231の近傍位置に設けられた操作部38とを有して構成されている。操作部38は、縦框23に固定された第1部材381と、この第1部材381に支持されて一端部(図10(A)の上端部、図11の左端部)がスライド部材31の切欠き311に連結され他端部が操作孔231側に延びる第2部材382とを有して構成されている。第1部材381には、第2部材を軸支する支軸383が設けられ、第2部材382には、支軸383に挿通される軸孔384が形成されており、第2部材382は、支軸383を中心に回動自在に支持されている。そして、軸孔384には、図11(B),(C)に示すように、第2部材382の一端部が上方に回動した状態で支軸383に係合可能、かつ支軸383に係合することで第2部材382の回動を規制する規制部としての拡径部385が形成されている。
【0041】
以上の固定装置30Bの動作としては、図11(A)に示すように、先ず、固定装置30Bが非係合位置にある状態では、第2部材382の一端部が下方に位置しており、この状態で操作孔231から挿入した工具で第2部材382の他端部を下方に回動操作することで、第2部材382の一端部が上方に移動する。そして、第2部材382の回動操作を継続することで、図11(B)に示すように、第2部材382の一端部に連結されたスライド部材31が上方にスライド移動される。そして、軸孔384の拡径部385が第1部材381の支軸383上方に位置するまで第2部材382が回動操作される、すなわち固定装置30Bが係合位置まで移動されると、図11(C)に示すように、拡径部385が支軸383に嵌って第2部材382が若干下方に落下し、拡径部385と支軸383とが係合することとなる。この状態において、固定障子20Aが窓枠14に固定されるとともに、第2部材382の回動が規制され、固定障子20Aの固定状態が維持されるようになっている。一方、固定障子20Aの固定を解除する場合には、操作孔231から挿入した工具で第2部材382の他端部を上方に押し上げることで、拡径部385と支軸383との係合が外れ、第2部材382が回動可能になって、スライド部材31が自重で下方にスライドする、あるいは第2部材382の他端部を上方に押し上げて回動操作することで、固定装置30Bが非係合位置へ移動され、固定障子20Aの固定が解除されるようになっている。
【0042】
このような本実施形態によれば、前述の(1)〜(3)、(5)〜(7)と同様の効果に加えて以下のような効果がある。
(9)すなわち、第2部材382の他端部を操作して第2部材382を回動させることで、固定装置30Bを係合位置に移動させることができるとともに、この状態において軸孔384の拡径部385が第1部材381の支軸383に係合して第2部材382の回動が規制されることで、固定装置30Bを係合位置に維持することができ、固定障子20Aの取付状態が良好に維持できる。さらに、拡径部385と支軸383との係合を外して第2部材382の回動規制を解除することで、固定装置30Bを非係合位置に移動させて固定障子20Aの固定を解除することができる。
【0043】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態のサッシ窓10では、窓枠14内部を無目15および方立16によって上下左右に仕切って枠体を構成したが、これに限らず、方立を省略して無目15により窓枠14内部を上下に仕切るだけでもよく、また無目を省略して方立16により窓枠14内部を左右に仕切るだけでもよい。
また、無目15や方立16で仕切った窓枠14内部の各区画に設ける可動障子としては、開き形式のものに限らず、縦(横)辷り出し形式や突き出し形式、内(外)倒し形式等、任意の開閉形式の障子が採用可能である。さらに、1つの区画内に複数の可動障子を設けてもよく、例えば、2枚の障子を左右スライド自在に支持させて引違い窓を区画内に構成したり、障子を上下スライド自在に支持させて上げ下げ窓を区画内に構成したりすることも可能である。
【0044】
また、前記実施形態では、固定障子20Aの縦框23に沿って上下スライド自在に固定装置30のスライド部材31、係合ピン32および突片33が支持されていたが、これに限らず、スライド部材31、係合ピン32および突片33が上框21や下框22に沿って左右にスライド自在に設けられていてもよい。さらに、スライド部材および係合ピンは、框材に交差する方向に移動可能に支持されていてもよく、例えば、係合ピンが框材から枠体に向かって突出する方向に突没自在に支持されていてもよい。また、操作孔231は、縦框23の下端部に設けたものに限らず、方立16や縦枠13に設けられていてもよい。
さらに、前記実施形態では、固定装置30のスライド部材31、係合ピン32および操作部33,37,38が固定障子20A側に設けられ、受け材35が方立16や縦枠13側に設けられていたが、これに限らず、スライド部材31、係合ピン32および操作部33,37,38を方立16や無目15、窓枠14側に設け、受け材35を固定障子20A側に設けてもよい。
また、前記実施形態では、閉塞部材36を樹脂製の一体成形部品としたが、閉塞部材は、樹脂製に限らず、アルミ合金等の金属製でもよく、また複数部材を組み合わせて形成された部材であってもよい。
【0045】
また、前記実施形態では、固定障子20Aの上框21を係止する板ばね211が無目15や上枠11に設けられ、下框22のセッティングブロック221を先ず下枠12や無目15に位置決めしてから上框21を位置決めするような建て込み手順が採用されていたが、図12に示すような建て込み手順で固定障子20Aを取り付けてもよい。すなわち、固定障子20Aの上框21に係止片213を設けておき、この係止片213を無目15や上枠11の挿通孔(不図示)に挿入して室外側への移動を規制してから、固定障子20A全体を若干上方に持ち上げながら下框22のセッティングブロック221を下枠12や無目15の上面に載置するような、上下けんどん式の建て込み手順が採用可能である。このような建て込み手順は、固定障子20Aの全体寸法が大きい場合や重量が重い場合等に好適である。
【0046】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態に係るサッシ窓を示す縦断面図である。
【図2】前記サッシ窓を示す横断面図である。
【図3】前記サッシ窓における固定障子の固定構造を示す横断面図である。
【図4】前記固定障子の固定手段を示す斜視図である。
【図5】前記固定障子の建て込み手順を示す縦断面図である。
【図6】前記固定障子の建て込み手順を示す縦断面図である。
【図7】(A)〜(C)は、前記固定障子の固定方法を示す縦断面図である。
【図8】(A),(B)は、本発明の第2実施形態に係るサッシ窓における固定障子の固定構造を示す横断面図および側面図である。
【図9】(A)〜(D)は、前記固定障子の固定方法および固定解除方法を示す縦断面図である。
【図10】(A),(B)は、本発明の第3実施形態に係るサッシ窓における固定障子の固定構造を示す横断面図および側面図である。
【図11】(A)〜(C)は、前記固定障子の固定方法を示す縦断面図である。
【図12】本発明の変形例に係る固定障子の建て込み手順を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1…外壁、10…サッシ窓、11…上枠、12…下枠、13…縦枠、14…窓枠、15…横仕切り材である無目、16…縦仕切り材である方立、20…障子、20A…固定障子、20B…可動障子、21…上框、22…下框、23…縦框、24…面材であるガラスパネル、30,30A,30B…固定手段である固定装置、31…スライド部材、32…係合ピン、33…操作部である突片、35…受け部である受け材、36…閉塞部材、37,38…操作部、231…操作孔、361…貫入部、362…結露水受け部、363…規制部、371…第1部材、372…第2部材、373…連結片部、374…操作片部、381…第1部材、382…第2部材、383…支軸、384…軸孔、385…規制部である拡径部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁開口部に固定される枠体と、この枠体内部に固定される固定障子とを備えたサッシ窓であって、
前記固定障子は、上框、下框、および左右の縦框と、これら上下左右の各框材で囲まれた内部に支持された面材とを有して構成され、
前記枠体および前記固定障子の框材のいずれか一方には、他方に設けられた受け部に係合して当該固定障子の移動を規制する固定手段が、当該枠体および框材の少なくとも一方によって室内側から隠蔽された位置において、前記受け部に係合する係合位置と係合しない非係合位置との間を移動自在に設けられ、
前記枠体および框材のいずれかの室内露出面には、通常使用時において閉塞部材で塞がれた操作孔が形成され、前記固定障子の着脱時において前記閉塞部材を取り外すことで、前記操作孔を介して前記固定手段が係合位置または非係合位置に移動操作可能に構成されたサッシ窓。
【請求項2】
前記固定手段は、前記固定障子の框材に沿ってスライド自在に支持されたスライド部材と、このスライド部材に固定されて前記受け部に係合可能な少なくとも1つの係合ピンと、前記スライド部材をスライド操作可能に前記操作孔の近傍位置に設けられた操作部とを有して構成され、
前記受け部は、前記固定手段が設けられた框材と対向する前記枠体に設けられている請求項1に記載のサッシ窓。
【請求項3】
前記固定手段の操作部は、前記スライド部材に固定されて前記操作孔側に延びる突片から構成され、
前記閉塞部材は、前記操作孔に貫入される貫入部を有して形成され、前記固定手段が係合位置にない状態において、前記貫入部が前記操作部に当接して当該閉塞部材が前記操作孔を閉塞不能に構成され、
前記貫入部には、前記固定手段が係合位置にある状態において、前記操作部に当接して当該固定手段の非係合位置への移動を規制する規制部が設けられている請求項2に記載のサッシ窓。
【請求項4】
前記固定手段の操作部は、前記スライド部材に固定された第1部材と、この第1部材に回動自在に連結された第2部材とを有して構成され、
前記第2部材は、一端が前記第1部材に連結される連結片部と、この連結片部の他端に連続して折れ曲がって前記操作孔から室内空間に突出可能な操作片部とを有して形成され、
前記第2部材の操作片部を前記操作孔に押し込むことで、前記第1部材を介して前記スライド部材がスライドされて前記係合ピンが前記受け部に係合され、この係合位置において、前記操作片部が前記枠体または框材に当接することで、当該固定手段が係合位置に維持されるとともに、前記操作片部を前記操作孔から室内側に引き出すことで、当該固定手段が非係合位置へ移動可能に構成された請求項2に記載のサッシ窓。
【請求項5】
前記固定手段の操作部は、前記枠体または框材に固定された第1部材と、この第1部材に回動自在に支持されて一端部が前記スライド部材に連結され他端部が前記操作孔側に延びる第2部材とを有して構成され、
前記第1部材および第2部材は、いずれか一方に設けられた支軸を他方に設けられた軸孔に挿通することで連結され、これらの支軸および軸孔には、当該固定手段が係合位置に位置した状態で前記第2部材の回動を規制する規制部が形成され、
前記他端部を操作して前記第2部材を回動させることで、当該第2部材の一端部を介して前記スライド部材がスライドされて前記係合ピンが前記受け部に係合され、この係合位置において、前記第1部材および第2部材における支軸および軸孔の規制部が当該第2部材の回動を規制することで、当該固定手段が係合位置に維持されるとともに、前記規制部の規制を解除することで、前記第2部材の回動規制が解除されて当該固定手段が非係合位置へ移動可能に構成された請求項2に記載のサッシ窓。
【請求項6】
前記操作孔は、前記固定障子の縦框下端部に形成され、前記閉塞部材は、前記縦框に沿って流れ落ちた結露水が室内側に流れることを防止する結露水受け部を有して構成されている請求項1から請求項5のいずれかに記載のサッシ窓。
【請求項7】
前記枠体は、上枠、下枠、および左右の縦枠を有した窓枠と、この窓枠の内部を上下および/または左右に仕切る横仕切り材および縦仕切り材のうち少なくとも一方とを有して構成されており、これらの仕切り材で仕切った枠体内部の区画のうちの少なくとも1つに前記固定障子が配置され、
前記固定障子は、前記上框および下框が前記上枠、下枠および横仕切り材のうちの互いに対向する二辺に位置決めされるとともに、前記左右の縦框に設けた前記固定手段が前記左右の縦枠および前記縦仕切り材のうちの互いに対向する二辺に設けた前記受け部に係合されて前記区画内に固定されている請求項1から請求項6のいずれかに記載のサッシ窓。
【請求項8】
前記枠体内部の区画のうち少なくとも1つの区画には、前記固定障子が配置されずに当該枠体に対して開閉自在に支持された可動障子が配置され、
前記可動障子は、前記固定障子の上下左右の各框材と共通の框材を有して構成されるとともに、閉鎖状態において前記固定障子と略同一の見込み位置に取り付けられている請求項7に記載のサッシ窓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−146402(P2007−146402A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−339283(P2005−339283)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】